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乱塊法における順序制約がある場合のPage型検定法

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Academic year: 2021

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(1)

乱塊法における順序制約がある場合の

Page

型検定法

2013SE155:大畑航平 指導教員:白石高章

1

はじめに

乱塊法モデルにおいて処理に順序制約がある場合のノン パラメトリック検定法としてPage検定がある.本論文で は,正規分布を仮定した乱塊法モデルにおけるPage型検 定法について考察する.

2

乱塊法モデルの設定

i ブ ロ ッ ク (i = 1, 2,· · · , n),第 j 処 理 (j = 1, 2,· · · , k)の確率変数YijYij≡ µ + Bi+ αj+ eij (1) で表現される乱塊法モデルを考える.ただし,µは総平均, Biはブロック効果を表す変量でBi∼ N(0, {σB}2),αjは 処理効果を表すパラメータで∑k j=1αj = 0,eijは誤差を 表す変量でeij ∼ N(0, σ2)である.{eij|i = 1, · · · , n; j = 1,· · · , k}は互いに独立,B1,· · · , Bnは互いに独立,eijBiは互いに独立とする.このとき,Yijは各ブロックご とに独立となる. 表1 二元配置乱塊法 第1処理 第2処理 · · ·k処理 第1ブロック Y11 Y12 · · · Y1k 第2ブロック Y21 Y22 · · · Y2k .. . ... ... · · · ... 第nブロック Yn1 Yn2 · · · Ynk 各標本平均は ¯ Yi·= 1 k kj=1 Yij = µ + Bi+ ¯ei· ¯ Y·j = 1 n ni=1 Yij = µ + ¯B·+ αj+ ¯e·j ¯ Y··= 1 nk ni=1 kj=1 Yij = µ + ¯B·+ ¯e·· で表現できる.ただし,¯ei·= 1 k kj=1 eij , ¯e·j = 1 n ni=1 eij, ¯ e··= 1 nk ni=1 kj=1 eij , ¯= 1 n ni=1 Biとする.

3

検定統計量

帰無仮説H0: α1=· · · = αk = 0 ,対立仮説HA: α1≦ · · · ≦ αk (少なくとも1つの≦は≨である)を考える.eij を連続分布としてモデル(1)で帰無仮説H0vs.対立仮説 HAに対するノンパラメトリック検定として,Page(1963) は線形順位検定を提案した.Page 検定統計量で順位を Yij− ¯Yi·に替えた統計量は T ≡√1 n kj=1 ( j−k + 1 2 )∑n i=1 ( Yij− ¯Yi· ) =1 n kj=1 ( j−k + 1 2 )n i=1 (αj+ eij− ¯ei·) (2) となる.T の平均は E(T ) =√n kj=1 jαj より,帰無仮説H0 の下で E0(T ) = 0である.T の分 散は, V0(T ) = k(k− 1)(k + 1)σ2 12 である.よって,帰無仮説H0の下で T ∼ N ( 0,k(k− 1)(k + 1)σ 2 12 ) (3) である.誤差平方和Se,誤差分散σ˜2,統計量TNSe≡ ni=1 kj=1 (Yij− ¯Yi·− ¯Y·j+ ¯Y··)2 = ni=1 kj=1 (eij− ¯ei·− ¯e·j + ¯e··)2 ˜ σ2 Se (k− 1)(n − 1) TN √ 12 k(k− 1)(k + 1)˜σ2T とおいたとき,次の命題1を得る. 命題1 TNσ˜2が独立である 証明 文献[3]の定理2.29より,SeT が独立であるこ とを示せばよい.(2)の式で ni=1 (αj+ eij− ¯ei·) = n(¯e·j′ − ¯e··) と計算できる.よって,文献[3]の定理2.22の(3)より

Cov(¯e·j′− ¯e··, eij− ¯ei·− ¯e·j + ¯e··) = 0を求めればよい. j = j′のとき

Cov(¯e·j− ¯e··, eij− ¯ei·− ¯e·j+ ¯e··) = 0 (4) 1

(2)

である.同様に,j̸= jのとき,

Cov(¯e·j′− ¯e··, eij− ¯ei·− ¯e·j+ ¯e··) = 0 (5) である.(4),(5)より TSeは独立である (6) ことが示された.文献[3] の定理 2.29より結論は導か れる.

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検定方式

(3)の正規分布において,H0の下で文献[3]の系3.6を 適用すると √ 12 k(k− 1)(k + 1)σ2T ∼ N(0, 1) (7) を得る.さらに文献[5]の定理7.44より Se σ2 ∼ χ 2 (k−1)(n−1) (8) を得る.(6),(7),(8)と文献[3]の定理3.21より, TN ∼ t(k−1)(n−1) が成り立つ.TNを検定統計量として,自由度(k−1)(n−1)t分布の上側100α%点をt((k− 1)(n − 1); α)とする と,水準αの検定関数 は検定関数ϕ(·)を用いて, ϕ(Y) = { 1 (TN > t((k− 1)(n − 1); α)のとき) 0 (TN < t((k− 1)(n − 1); α)のとき) と表現される.すなわち,TN > t((k− 1)(n − 1); α)のと きH0を棄却し,TN < t((k− 1)(n − 1); α)のときH0を 棄却しない.

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C

言語プログラムの解説

Page型検定法による検定結果を出力するプログラムを C言語により作成した.ただし,上側確率を求めるため に,文献[4]を参考にした.本論文ではPage型検定法の main関数プログラムのみを以下に記載する.Page型検定 法の詳細なプログラムについては,本稿に記載した. int main(void){ int n,k; float Y[100][100]; printf("ブロック数を入力:"); scanf("%d",&n); printf("処理数を入力:"); scanf("%d",&k); load(Y,n,k); output(Y,n,k); return(0); } 1. ブロック数と処理数を入力する. 2. 関数loadにより,データをテキストファイルから読 み込んで,データのブロック,処理を表示する. 3. 関数Pageにより,T の値を計算する. 4. 関数SEにより,Seの値を計算する. 5. 関数sigmaにより,σ˜2を計算する. 6. 関数Tnにより,TN を計算する. 7. 関数outputにより,検定結果を出力する. 5.1 アメリカの月平均気温データ アメリカの月平均気温が上昇しているかどうかを調べる にあたり,1997年から2016年の20年間の1月と8月の データ(文献[2])を使用した.観測地点をニューヨーク, セントルイス,ミネアポリス,ポートランド,サンフラン シスコ,アトランタ,マイアミ,ニューオーリンズの8地 点とし月平均気温データを集めた. 5.2 解析結果 1 月 は TN = 0.59 , p= 0.275386 と な り ,α = 0.05, 0.01のどちらの場合も帰無仮説H0 を棄却できな かった.8 月は TN = 3.19 , p= 0.000876 となり, α = 0.01の場合に帰無仮説H0は棄却された.この検定 により20年間でアメリカの8月の月平均気温だけが上昇 していることが確認できた.また,中国や日本でも同様の 解析を行った.その結果,中国は15年間で8月の月平均 気温だけが上昇していることが確認できた.アメリカと中 国では1月の月平均気温が上昇していることは確認でき なかった.一方,日本は20年間で1月と8月の両方の月 平均気温が上昇していてアメリカと中国とは異なる結果に なった.

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おわりに

本論文では乱塊法モデルにおいての検定方式を提案し た.検定を行うためのC言語プログラムを作成し,実際の データを用いることによって乱塊法におけるPage型検定 法をより理解を深めることができた.

参考文献

[1] Hettmansperger, T. P. Statistical Inference Based

on Ranks(Wiley Series in Probability and Statistics).

Willy, NewYork, 1984. [2] 国土交通省:気象庁,過去の気象データ検索. http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/index.html [3] 白石高章:『統計科学の基礎』.日本評論社,東京.2012. [4] 早川由宏,白石高章:FortranとC言語による統計プ ログラミングの基礎Mathematicaの使い方,研究ノー ト.2015. [5] 宿久洋,村上亨,原恭彦:『確率と統計の基礎I増補改 訂版』.ミネルヴァ書房,京都.2009. 2

参照

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