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JAIST Repository: 強いコンビナート文化の構築 : インフラ供給の立場からの提言( イノベーションを実現するためのマネジメント (3))

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 強いコンビナート文化の構築 : インフラ供給の立場か らの提言(<ホットイシュー> イノベーションを実現す るためのマネジメント (3)) Author(s) 亀岡, 秋男; 近藤, 修司; 遠山, 亮子; 吉永, 崇史; 鶴岡, 洋幸 Citation 年次学術大会講演要旨集, 21: 53-56 Issue Date 2006-10-21

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/6281

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

強いコンビナート 文

サ %

の構築

一 インフラ供給の 立場からの 提 亨一 亀岡秋男,近藤修司,遠山亮子,吉永崇史, 0 鶴岡洋幸 ( 北陸先端科学技術大学院大 ) めに ここで自家機とは、 自分で使 う分 だけ小型生産装置を 設 年 理工業ガスを 日本のコンビナート 置 して生産して 消費する意味で、 統合生産ネット 供給の へ 供給する仕事に 携わり、 日本では欧米に 比べてこの分 対極の意味で 使っている。 また。 技術的背景として 工業 野の インフラ整備がかなり 遅れている事象に

ガスの生産装置は

U では

02

と N2 を、 水蒸気改質 装 欧米では広い 範囲のコンビナート 内の工場 群 に工業 ガ 置では

CO

と H2 とスチームを 併産するので 自家機で生 ス 。 電力。 ボイラ一缶 水 。 工業用水をまとめて 統合生産 産すると自工場で 消費するガスの 種類や比率で 価格; ミ割 してパイピンバで 供給する統合生産ネット 供給システム 高になる。 これに生産量によるスケール。 アップ効果が が コンビナートの 発展に伴って 展開されてきている。 仕 働くから更に 価格差が大きくなるのが 経済性の葉の 説 事柄、 このシステムを 顧客であ る工場 群に プロモートし となる。 泰 - Ⅰ と表 柁から一般的に 日本でほ工業ガスの 生 て 来たが、 経済, 性 と安定陸の良さは 理解してくれるが、 産 で自家機生産比率が 高いので、 その分だけ価格が 高く あ る範囲の工場 群で 複数以上で使い 始めてくれないと 大 なっていると 考えられる。 きな経済効果を 発揮出来ないために、 中 々採用に踏み 切 欧米で行われている 統合生産ネット 供給のパイピンバ ってくれない。 欧米では普及しているこのシステムが 、 以上の広大な さ 湖頭 を カバーしておりこの なぜ日本のコンビナートでは 採用されて来なかったの インフラの 妻 ほかなり大きい。 か ? そこに潜む日本のコンビナート 文化を探り、 日本 図屈 米国ガルフ沿岸における A 社による工業ガスの 供 の コンビナートに 国際競争力を 付けるために 避けて通れ 給 ネット ない強いコンビナート 文ィヒ を構築するための 諸策を提言 したい。 天日本と欧米での 工業ガス。 ユ一テイリティ 供給ネッ 米国 欧州 ト の差は工業ガス。 ュ一ティリティのみに 留まらず、 原 02 Ⅱ ヰ弘ぴ 4%) 24% アら % 料や中間原料でも ネ、 ット を構築して工場間で 相互のやり N2 3 % 。 @7% 。 ) 20 ザ 。 75 ソ 取りをしており、 コンビナート 全体の " 場 " が千分に構 目ユ

88 % 9 も ザ 。

されている様に

観察される。

CO 50%(6S@%) 87 % 90 % 。 それでは日本のコンビナート @ こ 統合生産 ネ、 ット 供給 シ Sy れ c98% 77 % 。 93@ % 90 % ステムをなぜ 構築出来なかったのかについて、 日本の コ ンビナ

-

ト文化、 引いては日本文化に、 これを受け入れ

(3)

る 事に逆らう障壁が 存在したとの 仮定に基づいて。 どの 様な障壁かを 類推してみた " 次には、 どの様にこの 障壁

を乗り越えコンビナートの

国際競争力を

強化する事がで

きるのかを考えてみた。

鰹 ユ一 升 1 統合生産ネット 供給方式が日本で 発達しなかった 理 由を、 コンビナート 創成時を知る 水島コンビナートの 石 化工場の元工場長 ①米国ガルフ 沿岸でほ 、 ユ ー テイリテ ィ の統合 生産ネット供給をやっている 事は見学により 知っ ていた。 ② しかし、 日本のコンビナート 内では。 同業は 化学製品の競争相手であ り、 これと一緒に 共同生産 をする事は特に

創業時には考えられなかった。

③ 又 窒素の供給方法が 液体 ホ ガスかで本体プ ロ セス がばれる等の 秘密主義にもよった " 年代のオイルショック 時に、 本当 の競争相手はコンビナート 内の同業では 無く。 世界 のトップのコンビナートであ る事を悟った。 2 佗 .統合生産ネット 供給方式は、 米国のガルフ 沿岸で最 初に発達した 方法であ る。 何故ガルフ沿岸で 発達したの かについて、 世界最大の産業ガスメーカ 一の A 社のパイ ピンバ事業担当者 ①米国ガルフ

沿岸は石化。 石油精製業の

大葉 講 貴地 で、 大量の酸素。 窒素。 水素を必要とする。 ②バツクアップ : 増産時の ビ 一夕処理、 通常の供 給 用にパイピンバ 供給を発案した。 ③パイピンバで 安定。 安価供給できる。 文 一度接

続したら顧客は 止めるには抵抗感が 大きい。

3.1 水島コンビナートでの 結果 ; 企業の感心は 自工場内のみに 留まり、 原料や ユー テ リティをコンビナート 全体へ合理的に 供給する発想が 無 かった。 つまりコンビナートと 言う " 場 " が認識。 構築 されていなかった 事が原因。 3"2 米国ガルフ沿岸での 結果 ;

購入側、 供給側の双方に 大きなメリットがあ

る事が判 る。 米国では提案にみ め そ 写 して受け入れる 顧客がいて、 顧

に応えて実施してしまう 供給側の相互信頼と

実施能力、

投資能力があ る。 即ち供給者側と 、 多くの顧客 辞が ガル フ沿岸地域に 1 つめ " 場 " を構築して 形成出来たからと 考える。

4"

考察 イノベーションは 対象の場の範囲の 中で、 情報のそり 取りをしながらより 高い目標を達成する 挑戦と場の メン バ 一による創造行為から 起こる。 従って場が存在しない 所には、 必要なイノベーションは 起こらない。

(1)

日本語文化 @ こ よる影響 ( 主語は我々 ) 発表者は第 19 回年次学術大会 (2004 年 )@ こて " 強い企業 文化の構築一日本語文化からの 脱却 一 " と 題して講演を 行っている " 要旨は日本語は 主語がないと 言われるが、 「 - つの文脈を会話者同士が 共同で作り上げる」というや り 方をするので、 主語は我々で 話が進む。 従って対立 軸 によるディベートが 出来なく。 欧米語の神の 視点の傭 敵 が 出来ない等により 新しいアイディアが 生まれ難い @ で あ った。 水島コンビナートでの Y 氏の発言では。 企業内 の 議論では販売の 立場から ィヒ 単品の競争相手であ る同業 と 協力して ニー ティリティの 共同生産をする ( 製造の立 場 ) 事は考えられなかったと 言っている。 即ち販売の場 が 企業の考え方 ( 我々 ) と成って優先して、 ( コンビナー トの ) 製造の場が隠れて 存在できなく 成っている。 一方の米国ガルフ 沿岸では。 全コンビナートをカバー する工場に統合生産ネット 供給を行っており、 立派な 製 造の場が存在して 経済効果を発揮している。 は ) 東アジア人の 包括的思考と 欧米人の分析的思考 E. ニスベット @ こ よると、 「東アジア人は 実態の連続の 中 での関係に焦点を 当てた包括的なものの 見方をしてい る 。 企業とはそれ 自体一つの有機体で、 企業の中の人間 関係は物事を 一つぼ束ねる 上でなくてはならない 要素と

考える。 そして自分の 行動を企業に 合わせて周囲に 順応

しょうとする。 一方の欧米人は 目立っ対象 物 とその, 津質 に 焦点を当てた 分析的なものの 見方をし、 企業とは別々 の 職能を発揮する 人々が寄り集まった 原始論的なモジュ 一ル 0 社会であ る。 特に 1 世紀の初頭に 米国では商工 業 におけるモジュール 化;まゑ 白 まり、 あ らゆるモノの 生産 が 、 可能な限り標準的な 部品と単純な 繰り返し作業に 分 劃 された。 フォードの組立てラインは 代表的な例であ 一 54 一

(4)

る 。 J と言っている。 これに拠ると 日本の化学会社内の 人間関係は でが範囲でこの 中での包括 であ って、 コンビナート 内 の同業は包括的の 中にほ入ってこれないと 思われる " 一 方の米国では、 自工場内の工業ガス。 ニー ティリティの 生産設備を一つのモジュールと 考え分析的に 切り 小さなモジュールで 生産しているより、 まとめて一箇所 で統合して大量生産する

方が経済的との

考えが出てくる と思われる。

(3)

東アジア人の 仲間意識と米国人の 自分意識 心理学の分野で ア一 レイは。 どの様な条件 で 良く仕事がこかせるかを 試験して以下の 表旧の結果 を得ている。 表 せ 仕事に打込める 条件の比較 ここで六集団を 自工場、 外集団をコンビナート 内の同 業他社と考えると。 日本でのコンビナートの " 場 " の 割 り 難さと対応している。 又 社会心理学者のべ ス 。 モ ーリングは。 日本人は周囲に 合わせた行動をとり。 米国 人は自分が他を 動かすで手動を 多くとると言っている " ㎝ ) 日産自動車のゴ ーン 発言の SRCT モデ ノ堵軽 年 日産自動車の 元 C ㏄であ る 力 ルロス。 ゴ ーン 氏が「いかに 日産を立て直したか @ 」の講演

(20

銭年 5 月 ) 時に。 日産 自動車の日本企業文 ィヒ について語った 内容の項目を 、 発 表 者が sEcI 珪 。 ルで壌午析 したのが、 以下の図づであ る。 ゴ ーン 氏の日本企業文化のポイントとして ;

a)

日本文化の短折 ①日本人は グル

-

プ 内では非常に 協力的だが。 グル

@

プ 外には非常に 非協力 ②自社の グル

@

フ桝、 の 持てる資産を 有効に使わない。 ③ビジョンと 戦略によるディベートが 少なく本質追求 に迫れない。 ( 問題に対して、 切迫感、 危機感が無い。 )

b)

日本文化の長所

①案が決まって

実行に成るとまとまって 強い。 ②仕事の質は 高い。 ③スケジュール ほ きっちり守る。 ゴ ーン 氏の指摘する 企業文化の短所の①と②は、 文中の グル

-

プをコンビナート 内の自工場に、 コンビナートを 日産と言う企業に 対応させると 状況 は 全く一致する。 即 ち自工場内は 凄く協力するが、 コンビナート 内の他企業 工場には注意を 払わず、 全コンビナートで 協力して統合 生産によるインフラ 強化で " 持てる資産の 有効利用 " を する発想が出ないのであ る。 図 -2 ゴ ーン 氏の日産自動車の 企業文化の解析 も む @ あ た

I@n@t-s@E@nalis@a ・ tao@n@P@I@Sffc C@a-nbir@si&iowS . @b

日産 自

図づ でも。 日産自動車の 企業 又ヒをま 。 S ( 共闘めと 1 ( 内面化 ) が強く、 E ( 表出化 ) と C 健 結花 ) に弱い事 が判る。 表 中の ( 場の設定間 ) と 記してあ るの ほ l ト " ア 内で取り組んでも 上手 く 行かないが、 必要な ゲ肝プ 外も取り込んで 場を拡げると 上手 く 進んで強みになる 項 げと云う意味であ る。 従って場の設定によって 上手 く 行ったり。 行かなかったりする。 これは、 コ搾 。 トトと 言 う " 場 " が構築出来たか、 出来なかったかにより、 統合生 産ネット供給の 発想が出て来たり。 出る機会が無くなっ たりするのと 同じであ る。

(5)

藤本モデ 似こ よるアーキテクチャー 解析 図 -3 アーキテクチャ 一の基本タイプ モジ品 うが 梨む到 ; バ ソコン ) 2 パソコン ヴリン 夕 P インチ ゲうん ( 捜り 合わせ ) モジュラ - オ l ゴン 泰男 穏溝 -

(5)

図 旧は経営学における 藤本隆宏教授のアーキテクチャ 論理であ る。 日本企業が強いのは 自動車の様なインテバ ラル型であ り、 米国はオープン。 モジュラ ー が得意とす る産業文化論であ る。 本 テーマの工業ガス。 ユ ー テイリ テ ィ の生産は企業の 化学工場にとっては、 オープン。 モ 、 ジュラ一型であ り、 クローズド。 インテバラルの 対象範 囲は自工場の 化学品の生産プロセス 類に留まると 考える と合点; ; いく。 め ( 工 ) 日本の工業ガスの 大口消費産業は、 石油精製、 石油化学、 鉄鋼業であ る。

-

力 コンビナートと 言うと石 油精製と石油化学を 入れた英語の い。 この産業政策 は経 産省による縦割りで 各産業別に行 われて来たので、 全コンビナートの 甥が醸成されずに、 全コンビナートの 効率がこれまで 検討されてこなかった

(2)

このコンビナート 内の効率向上を 調ったプロジェ クトが 20 ㏄年から始り 2 期を経過している 経産省。 蝿 ㏄ による セ ンビナート。 ルネサンス計画 " であ る。 産業 廃棄物の処理まで 行 j 産業 横串 論を展開しコンビナート を 効率化する有効な 切り口と思 うが 、 スタートが石油ガ ソリン税を財源としたために 参加企業が限定さね ,、 全体 最適の動きに 成っていないのが 残俳であ る。 これを進め る障害として 各企業の工場が 隣の工場のことを 知らず。 本音の話が出来ないと 担当者にお聴きしたが、 コンビナ 一トの 創成 期 ほいざ知らず、 今に至ってもオープン。 モ 、 シェフ 、 。 一 一型の発想ができないコンビナート 文化には驚く。

(3)

水島コンビナートでのⅤ氏はオイルショック 時に 本当の競争相手は 隣の同業ではなくて、 世界のトップの コンビナートと 自覚できた。 現在の原油の 高騰は。 この 産業にとっては 黒船来航に等しく 今こそコンビナートの

世界的な競争力を 付けるために、

然るべきコンビナート 文化の醸成から 具体的な全体最適を 考えるべきと 思う "

(4)

考え方としては、 世界最強のコンビナートを

想定 して。 これに対抗するための 国内コンビナート 内の戦略

的 提携を如何に

進めるかを考える

事から始めるべきであ

る。 松行 康夫氏等に よ れ ば、 ほ ンビナートの ) 組織間で 学習して同業内の 知識の相互浸透を 図ることから 始め、 戦略的に持てる

資源を有効に 使

ためには、

どの様な補 完と相乗効果を 発揮できるのかを 目標に進める 方法を示

唆している。

(5)

統合生産ネット

供給体制は、

その中の答えのひと

っと確信している。

ほ ) ここでは産業文化論に 基づいた得意。 不得意の産 業特性を論じたが、 日本が将来的に、 より国際競争力を 強めるためには、 どの様な産業文化、 国の文化を持っ べ

きかの理念友

ィヒ

を創出し、 理念に基づいた 産業競争力の

強化を実践するべきと 考える。

文献

a. D す

巧。 な 0, 却 05 Personal ㏄㎜ 皿 lcatlon, ㌻ 臓れ 2. Earley,P.C. エ 9S9 " 肚ユ S 七 mee 七 sswves 七 mmeetssm ユ OoeaK 七 ::Fu4% 士 he 丁

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紅 o " Academy of 潮 anaeema 己 Jo は nal 36,565-583

3. 藤本隆宏、 2004 『日本のモノ 造り哲学』日本経済新聞社 ぬ . Ghosn ㎝ ね 0s,2 ㈱ A " 日産リバイバル。 フラノ,講演会。 早稲田大学にて 曲昭夫。 亀岡秋男、 他 @2 1 世紀の日本の 産業 を考える」技術と 経済 2000 年㏄同号 化 04 号 ) f. 熊倉千之, 1990 、 印本人 <Jl 表現力と個性』、 中佐新書、 中央公 論社 7. 松村康夫。 梅子、 ㏄ 02 、 学習論 ゴ 白桃書房

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Vol.25 N0.6 一 56 一

参照

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