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JAIST Repository: 製品ライフサイクルとOEM戦略

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 製品ライフサイクルとOEM戦略 Author(s) 山田, 英夫 Citation 年次学術大会講演要旨集, 6: 7-12 Issue Date 1991-10-17

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/5310

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2B1

M

田 @ 々 口 E 学 大 O 田 と 稲 ル 早 ( ク 夫 イ 英 サ 田 フ 山 イ O ラ 口叩

はじめに

これまでの 経官 において、 O E M (Or ね ina] Rquipment Ⅱ anufacturing) は 、 主に

市場の成熟期に 多用される戦略とざれてきた。 例えば家電業界や 建設機械業界に、 そ の典型例を見ることができる。 成熟期における 0 EM の狙いは、 受託企業・委託企業 共に、 コストダウンに 目的があ った。 しかしエレクトロニクスを 中心とする規格・ 標準化がからむ 競争においては、 市場 の 導入用 に OEM をうまく活用することが、 競争上重要になってきた。 これはコスト ダウンのためではなく、 「良い競争業者 @ な っくることが 目的であ る。 本 研究においては 事例研究を通じて、 製品,ライフサ ィク ル別に見た 0EM の目的・ 狙いを明らかにする。 l 0 EM の経営戦略 -L の位置づけ 1 一 l 0 EM の定義

OEM (Or ね inal Equipalent Manufacturing) とは、 柏手先プランドによる 生産と

訳され、 「完成品を他の メ 一ヵ 一 から調達し、 それに自社プランドをつけて 販売する こと」を言 う 。 似たようなものとして、 ライセンス生産、 受託生産があ るが、 その 雨 者 との違いは、 表 1 に示す通りであ る。 表 Ⅰ 生産する側の 企業の機能分担 機能 設計・開発 生産 販売 依頼方法 O EM O O ライセンス生産 O O 委託生産 O 注 : 0 は当該企業が 行うもの 出所 : 今井 伸 「日本の OEM 」

(3)

1 一 2 外部資源活用としての OEM 従来の日本企業の 経 営 スタイルは、 できるだけ経営 資 椋を内部に蓄積 ( 円型 化 ) し 、 変動的な部分や 付加価値の低 い 部分だけを外部化しておくというのものであ った。 こ のようなやり 方は、 鉄鋼業界や自動車業界などの 基幹産業によく 見られる。 しかし環境変化の 中、 企業が内部資源だけで 経 宮を行うことは 難しくなってきた。 第 1 に、 技術の高度化が 進み、 自社でゼロから 開発していては 間に合わなくなり 「時間を買 う 」ために他社の 資棟を活用することが 必要となってきた。 第 2 に、 すべての資源を 内 製 化するということは、 変化の激しい 環境下においては、 かえってリスクを 増大させるようになってきた。 そのため、 当該企業がコア 技術と考 えるもの以外は、 できるだけ外部化しておく 方が、 経営資源におけるサンク・コスト

(sunk cost)

発生のリスクを 減らせるようになってきたのであ る。 企業の外部資源活用には、 提携 ( 販売、 生産、 技術 ) 、 買収・合併、 共同研究など があ げられるが、 0EM はこの中の販売・ 生産提携の 1 っ の形態と言える。 そ の 側 業 企 託 受

業た

託て

委 ね 、わ を二 二 % トが ッと リこ メな デラ ト

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・なと

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用て

E

活け

O を 分 M に 3E れ 一 O ぞ 1 れ 表 2 0 EM のメリット・デメリット 受託企業 ( 開発・生産 側 ) 委託企業 ( 販売 側 ) メリソト デメリ ノト ・知名度、 販売力が弱くても ・開発投資、 リスクなしに 手軽に 量販が可能 製品ラインを 拡大できる ・大量生産により、 コストダウン ・低収益製品の 外部調達により および早期投資回収が 可能 収益率同上 - ・生産に専念でき、 メンテナンス ・市場参入へのタイミンバ 等を発注側に 委ねられる の 確保 ・需要変動のリスクが 大きい ・技術開発や 製品計画などを ・直接顧客と 接していないため 全面的に他社に 依存 マーケティンバカが 弱くなる ・供給先の戦略転換のリスク ( 例 : 自社生産、 撤退 )

(4)

2 OEM の動向と研究の 視点、

OEM 契約は、 製造元が供給先を 決して公表しないというのが

業界の暗黙のルール となっているため、 その把握は難しい。 また、 官公庁や業界団体が 管轄する統計的な データもない。 そこで次善的方法として、 新聞記事からその 動向を探る方法をとった。 具体的には、 日本経済新聞社の 新聞記事データベース

(NEEDS-IR)

を用い、 過去 12 年 分の日経 4 紙の記事の中から、 OEM というキーワードを 付された記事を 総てリスト ア,プ した。 このリストアップ・デ ータ をもとに

0EM

の動向を推察すると、 以下の ようなことが 明らかになった。 ①新聞記事は、 ニュースバリュー の点から選択されているので、 必ずしも実態を 反映 しているとは 言えないが、 過去からのトレンドとしては、 0EM は増加傾向にあ る と 言える。 ② 0EM の狙いが、 生産する製品のライフサイクルの 段階によって、 一様ではない 傾 何 が見られる。 ③従来言われてきたようなコストダウンを 目的としない 0EM が増えてきている そこで本研究においては、 製品のライフサイクル ( 導入 期 / 成長期 / 成熟期 ) によっ て 、 0 EM 戦略がどのように 使われており、 委託企業、 受託企業の狙いがどのような 所にあ るのかを探ることを 目的として、 分析を行った。 研究の方法としては、 先の り ストの中から 業界におけるインバク ト が大きいと判断される 事例を、 製品 口の ライフサ

イ ル別に各 3 ケース抽出し、 事例研究を行った。

3

事例研究 事例研究を行ったのは、 表 3 に示した 9 つのケースであ る。 表

3

事例研究の対象製品と 対象企業 開発・生産 側 企業 販売 側 企業 ◆市場導入 期 ・ビデオディスク パイオニア 吟 ソニー、 ヤマハ、 日立Ⅰ 也 ・エンジニアリンバ 日本サンマイクロ 吟 東芝、 新日鉄、 富士通、 沖、 松下地 ・ワークステーション ・システムズ

8

ミリ方式による ソ ニ一一 台 バイオニア、 富 モフィルム、 京セラ 他 カメラ一体型ビデオ

(5)

◆市場成長期

・コンピュータ 日本 I BM

および周辺機器

・普通紙複写機 リコー ・デジタル P B X 日立製作所

電ノ一

ホ ヤ コ 日 キリ 0 0 年

◆市場成熟期

・建設機械 ・レンズシャッター ・カメラ ・オーディオ

神戸製鋼所

9 川崎重工業 G0K0 カメラ 吟 キヤノン、 ミノルタ、 オリンパスイ 也 日東光学 弓 ニコン、 ミノルタ、 富士フイルム 他 日立製作所 の 日本コロムビア 注 : 0 は相互 O EM 4 製品Ⅱライフサイクルと

0EM

戦略

事例研究を通じて、

製品ロライフサイクルの

各段階によって、 0EM

はかなり違う 日

的で用いられてきていることが 明らかになった。

それらをまとめると

以下のようにな

る。 まず市場導入 期

においては、 単なるコストダウン 目的ではなく、

その製品 口 あ るいは その技術 (

技術規格

)

が、 市場において 確立されたものになるかを 見定めるための「

機 会 探索型

OEM

」が活用されている。

次に市場成長期においては、 事業を拡大していくためにユーザーからフルライン

策を求められることが 多く、 これに時間をかけて 対応していては 販売上の機会損失が

生じてしてしまうため、 即座に製品ラインを

拡充できる

0RM

を活用しているケース が

多い。 言い換えれば、

「製品ライン

拡充型 OEM 」と言えよう。

最後に市場成熟期においては、 一日広げた製品ラインを 総て維持するには、

コスト 的にあ

れなくなっているが、 市場の要請から 撤退することもできず、

「製品ライン 維 持型

0EM 」が活用されている。 またこの段階においては、 大手企業が事実上の

部分

撤退を始めることから、 0EM 生産専業企業が 安定的に存立できる 可能性が高くなる。

以上のような

特徴をもとに、 開発・生産

販売 側

双方から、 製品ライフサイクル

別に

OEM

戦略を考えた

場合、

表 4

のような狙いを 示すことができる。

(6)

表 4 製品 皿 ライフサイクル 別に見た 0EM の狙い

開発・生産

側 企業 販売 側 企業 導入 期 ・標準化のための ・製品や技術の

機会探索

「良い競争業者 -l づくり 成長期 ・量産効果 ・販売機会損失を 回避するため ・強み分野への 資源集中 の 製品コライン 拡大 ( 開発・生産 ) ・資源投入分野の 集中 成熟期 ・自社の強 い 商品分野での ・流通のフルライン 要請 競争企業数減らし への対応 0EM 専業企業のとしての 事業確立 非戦略商品の 事実上の撤退 ・コストダウン ・コストダウン このようにまとめてみると、 市場導入 期 00 EM に関しては、 表 Ⅰに示したような 従来の 0 EM の議論ではあ まり論じられてこなかった 狙いがあ ることが、 明らかになっ た 。 特に競争戦略との 関係でこれをとらえると、 将来業界のリーダ 一になろうと 考え ている企業にとって、 導入潮における 他社への 0 EM 供給は、 「良い競争業者 @ 作り のための施策と 位置づけられる。 「良い競争業者」とは、 M . ポーター (1985) が提起した概念であ るが、 彼はすべ ての競争業者は 敵であ り排除すべきであ るという考え 方は正しくなく、 むしろ数社の 「良い競争業者」をもつことの 方が望ましい 場合もあ ると論じている。 そのメリット として、 ①競争優位を 高める、 ②業界構造の 現状を改善する、 ③市場開発を 促進する、 ④参入を阻止する、 の 4 点をあ げている。 この中で、 市場開発の促進という 視点から 0ElMH を 見ると、 特にコンピュータのように 規格・標準化のからむ 分野においては、 導入潮 の OEM は自陣宮の企業を 増やすという 意味で、 極めて有効な 戦略となる。 さらにポーターは、 「良い競争業者」を 参入させる戦略として、 ①技術供与、 ② 選 択的 報復、 ③選択的参入阻止、 ④新規参入を 誘 う 提携、 の 4 つ をあ げているが、 この 中で 0EM は、 ④の新規参入を 誘 う 提携に該当し、 特に技術規格がからむ 分野にお い ては、 今後 共 重要な戦略の 1 つ として位置づけれるであ ろう。

(7)

おわりに 本研究を通じて、 コストダウンを 主目的とする 0EM だけではなく、 市場導入観 に 今後の競争構造を 有利に展開するために、

0EM

が戦略的に用いられていることが 明 らかになった。 今回の研究は 、 限られた事例をもとに 仮説立案を行うことに 目的があ っ たが、 今後は「良い 競争業者」がどのように 形成され、 業界の中でどのような 役割を 果たしていくかを 検証していく 必要があ ろ 参考文献 ・大和銀行調査部「脚光あ びる OEM 戦略」 『経済調査』 1986. 11 ・飯沼光夫「企業間連携の 新時代 一 0EM の背景を読む 一リ は 技術と経済』 NO.222. 1985. 8 ・今井 伸 「日本の 0 E M Ⅱ 『技術と経済 コ NO.222. 1985.8 ・伊丹敬之 他 P 日本の VTR 産業 : なぜ世界を制覇できたのか』 NTT 出版, 1989

@@Hanel,@G.,Y.L.Doz@ and@ [email protected],Co@J_aborate@@ with@ Your@ Coapetitors@ and wln, Harvard Busjness Review, 1989,Jan.-Feb. ( 小林点訳「ライバルとの 戦略的

提携で勝つ 法 Ⅱ 下 ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスコ 1989,Apr.- Ⅱ ay)

・名和太郎 P 技術標準 対 知的所有権 』中央公論社, 1990

・ Porter,M.H.,Co "" 一 口 "-- petitive Advantage: " 一 -" Creating 一 - 一‥一一 "-"" and 一 """"" Sustaining 一 " 一一 -" 一一 - Superior ‥一 - 一一一

Performance ,The Free Press,1985 ( 土岐 坤 ・中江 萬治 ・小野寺武夫 訳 『競争 優

位の戦略 コ ,ダイヤモンド 社 , 1985)

・田内幸一監修 p ゼミナールマーケティンバ 理論と実際 コ TBS プリタニカ, 1991

表  4   製品  皿  ライフサイクル  別に見た 0EM  の狙い  開発・生産  側 企業  販売 側 企業  導入  期  ・標準化のための  ・製品や技術の  機会探索  「良い競争業者  ‑l  づくり  成長期  ・量産効果  ・販売機会損失を 回避するため  ・強み分野への  資源集中  の  製品コライン 拡大  (  開発・生産  )  ・資源投入分野の 集中  成熟期  ・自社の強  い  商品分野での  ・流通のフルライン  要請  競争企業数減らし  への対応     0EM 

参照

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