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IRUCAA@TDC : 女性医師が仕事を継続するには

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

女性医師が仕事を継続するには

Author(s)

田中, 一郎

Journal

歯科学報, 112(6): 6i-6i

URL

http://hdl.handle.net/10130/2988

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!!!!!!!!!!!!!!

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女性医師が仕事を継続するには

田 中 一 郎

現在当科の診療は,私と慶応大学形成外科医局からの半年から1年のローテーションの若手医師の 2名で行なっている。当科に赴任して以来,今まで9名のローテーション医師を受け入れてきたが, 6名は女性医師である。元々,入局医師が4人なら3人,3人なら2人は女性であるから,当科に 回ってくる3分の2が女性であっても不思議ではない。彼女らには多くの手術や診療の機会を与え, マンツーマンでしっかりと教育を行なっていると自負しているが,再建外科が主体の医局と知って入 局してきた彼女らなので,よく頑張って仕事や学会発表などのアカデミックな仕事もそつなくこなし てくれている。 しかし,最も懸念しているのは,果して彼女らがこのまま形成外科医としての仕事を続けてくれる だろうか,病院勤務医として第一線に立ってくれるだろうか,という事である。慶応大学形成外科で は新研修医システム以前は女性の割合は少なく,新研修医システム以後に入った女性医師は,専門医 を取得して病院出張へ出始めたばかりではあるが,他大学や同様に女性医師の割合の多い皮膚科の状 況を見ると楽観的にはなれない。 近年女性医師の割合は増え続けており,2008年の厚労省統計では全医師に対して18%であるが,医 学部入学者に対する女子の割合は,私が医者になった30年前は10数%であったのに対し,最近の15年 では約30∼35%であり,地方国立大では50%近い大学も多い。最近の国家試験受験者に対する女子の 割合は35∼40%である。手元に歯学部の統計が無いが,当大学の状況も見ると歯学部も同じ傾向では ないだろうか。 女性医師が選ぶ診療科は,麻酔科,眼科,皮膚科,放射線科,精神科などが多く,最近医師数の増 加している科と一致し,外科,内科は敬遠される傾向にある。形成外科も新研修医システムが始まっ た当初は,美容などを期待した女性もかなり入ってきたが,再建外科も行なう実態が分かってきたせ いか,最近は横這いである。要するに,入院・重症患者などを持っての長時間・夜間・休日・緊急の 労働が敬遠されているのである。一方,医師の年代別就業率を見ると,男性が25∼55歳までは90%以 上であるのに対し,女性は35歳の76%を底辺として,出産・子育てを行なう30∼45歳は76∼80数%で あり,医療行為自体を辞めてしまっている割合が多い。 何故,女性が医師としての仕事の継続,特に病院勤務医としての仕事の継続が難しいのか。元々の 医師としてのモチベーションの差がある場合がある,配偶者は医師が多く生活の為に働く必要が無 い,キャリア形成において男女格差が存在するなどの点も考えられるが,最大の問題は出産・子育て において,十分な時間が取れない,育児援助が受けられない,育児後の復帰に際して日々進歩する医 療に付いていけない,医局所属では頻回の転勤がある,子供の教育を考えて都市部を離れられない, などの問題であろう。医師不足が言われ,近年は国立大学を中心に医学部定員が増加されているが, 結局女子学生が増え,今と同じ状態が続くのではいつまでたっても社会が必要とする医師が増えな い。 これに対する対策としては,まず何よりも育児施設・環境の充実と充足であり,これから実働まで 何年間もかかる医学部生の増加を待つよりもより即効性がある。これには厳しい病院の予算では無理 で,国策としての取り組みが必要である。また,非常勤や昼間だけの勤務などの勤務形態の流動化, 進歩する IT 技術を十分に利用することで,自宅で育児をしながら出来る仕事を増やし,子育て後の 復帰を考慮して医療現場との接触を保って医療レベルを維持させるなどの対策が考えられ,これらは 直ぐにでも実現可能な対策である。男性医師や周囲のパラメデイカルの人々の理解や協力も当然必要 である。 短期間であっても手塩をかけて教育した女性医師らが,このまま仕事を継続して,社会に必要とさ れる医師となることを切に願っている。 (東京歯科大学市川総合病院形成外科 教授)

参照

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