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高校生の電子メールに対する意識に関する日中比較

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Academic year: 2021

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(1)高校生の電子メールに対する意識に関する目中比較 教育内容・方法開発専攻 行動開発系教育コース.      M11199C      金 楠 1.はじめに.     況とトラブル経験の実態把握.  日本においては,1999年の学習指導要領改訂以降,. 第4章  中国の高校生における電子メールに対す. 高校に教科「情報」が設置され,高校生の情報活用.     るマナー意識,利点・欠点認識の状況. 能力の育成が行われている1)。中国においても,政. 第5章 結論及び今後の課題. 府教育部の決定により,2001年から全国的に高中 (高校)・中学(中学校)・小学校で情報教育の導入が. 3.研院内容. 進められている2)。そのうち,吉林省では,小学校.  第1章では,本研究の目的を踏まえ,研究の背景. に「コンピュータ」,中学校に「インターネット利用. 及び先行研究を整理し,中国の情報教育のカリキュ. 基礎」,高校に「情報技術基礎」をそれぞれ必修教科. ラム・スタンダードについて概観した。その上で,. として設置し,実践が進められている。情報モラル. 研究課題を抽出し,本研究の計画と構造を策定した。. に関する学習内容は,これらの各学校段階における. 以下に,第2章∼第4章で得られた知見を整理する。. 情報教育関連科目に含まれ,学習指導が行われてい. a1中国の情報教育における情報そ≡ラルに関する学. ることになっている。このように中国では情報教育.   晋の状況. の教育課程や情報モラル学習の内容が体系的に構成.  第2章では,中国吉林省の高校r情報技術基礎」. されつつある。しかし,各地域・学校における情報. の教科書4〕における情報モラルに関する学習内容の. 環境の格差,担当教員の確保等の問題が生じており,. 記述内容を分析した。また,同省長春市内の高校3. 情報モラル学習の具体的な実践状況については,必. 年生(N=219)を対象に,情報モラルに関する学習経験. ずしも定かではない。また,情報モラル学習の効果. の実態を把握した。その結果,r情報技術基礎」の教. についても,これまで十分に検証がなされていない. 科書には,情報モラルに関する学習内容がマナーか. のが現状である。. ら法律に至るまで幅広く取り上げられていることが.  そこで本研究では,中国における情報モラル学習. 明らかとなった。これに対して同省の高校3年生を. の実態について,特に電子メール使用時の意識やマ. 対象とした調査の結果,98.6%の生徒が情報モラルに. ナーの形成度に着目して把握することを目的とした。. 関する学習経験を小学校高学年から中学1年生の時. この肩的に対し本研究では,中国における情報モラ. 期を中心に学習している実態が把握された。しかし,. ル学習の実践動向を把握した上で,森山ら(2012)の. 学習した情報モラルのトピックにはばらつきがあり,. 研究で得られた同本の高校3年生(兵庫県内の高校3. rプライバシーの保護」,r個人情報の保護」,r情報. 年生N=134)のデータ3〕を比較対象とし,中国の高校. の信頼性」についての学習は充実しているものの,. 3年生の傾向を検討した。. その他のトピックに対する学習は十分とはいえない 状況が示唆された。これらのことから中国の情報モ. 2一口文の情成. ラル学習には,学習する時期と内容に極端な偏りが. 第1章 緒論. 生じている可自自性が危惧される。. 第2章 中国の情報教育における情報モラルに関す. 3−2中国の高校生における電子メールの利用状況と.     る学習の状況.   トラガ鵬の実絶把握. 第3章 中国の高校生における電子メールの利用状.  第3章では,中国吉林省長春市内の高校3年生.

(2) (N=219)の電子メール使用の実態と意識を把握レた。. 等,マナー意識では「チェーンメール等の迷惑メー. その結果,中国の高校3年生は日本の高校3年生に. ルに対して適切な対処をしている」(中国:2.87,日. 比べて,電子メールの使用頻度・経験が共に多いヘ. 本:3.59),「送信する前に読み返すなど,相手に自分. ビーユーザが多い実態が把握された。また,中国の. の言いたいことが伝えるか確認するようにしてい. 高校3年生は日本の高校3年生よりも,電子メール. る」(中国:2.87,日本:3.47)等の項目において中国. の重要性を強く認識している一方で,電子メールに. の高校3年生の平均値が顕著に低かった。. よるコミュニケーションの質の低下をあまり意識し ていなレ噸向が示唆された。その反面,中国の高校. 4.まとめと今続の操題. 3年生は日本の高校3年生よりも電子メール使用に.  以上の結果から,中国吉林省長春市内の高校3年. 関わるトラブル経験が多い実態が把握された(表1)。. 生の傾向として,①情報モラル学習を履修する時期. や内容に極端な偏りがあること,②日本の高校3年 表1電子メール使用時のトラブル経験(中国の高校3年生) 男子   女子    全体 (口・107) (r112) (昨219).      頻度(人)  102   102   204 とてもある.     割合(%)  95.3%  9王.1鴇  93.2%.      頻度(人)   2    7    9 少しある.      割合く%)  1.鰍   6、跳   4.1%.      頻度(人)   3    2    5 あまりない.      割合(%〕  2.酬   1.8%  2.3鴇 l      頻度{人)   0     1 まったくない O,5児      割合(%}  0.帆   O.酬. 生以上に電子メールのヘビーユーザが多くトラブル 経験も多いこと,③その一方で,電子メール使用に 対する適切なマナー意識は十分に態度化されていな いこと等の実態が把握された。.  これらの結果から,今後の中国にお付る情報モラ ル学習に対して,①小・中・高校の各教育段階での 情報モラル学習を偏りなく,網羅的に指導すること. 3−3 中国の高校生1二おける電子メールに対するマ. の必要性,②情報モラルに対する適切な態度をコミ.    ナー意業.利点・欠点目騰の状況. ュニケーションの文脈から捉えさせる問題解決的な.  引き続き第4章では,電子メールに対する利点・. 学習指導の必要性,③情報モラル学習に対する社会. 欠点認識,マナー意識の実態を目中両国の高校3年. 的な問題意識を醸成するために,生徒の情報モラル. 生間で比較した(中国ト219,日本N=134)。その結果,. の実態や学習成果の状況を継続的に評価し続けるこ. 電子メールに対する利点認識は中国の高校3年生の. との重要性の3点を指摘した。. 方が有意に高いものの,欠点認識及びマナー意識は.  今後は,本研究で把握された実態についてより大. 日本の高校3年生の方が有意に高かった(図1)。. 規模な調査による追試を行うと共に,中国における 情報モラノレ学習の改善方策について実践的に検討す.    r■一一「            o中国  □日本 4.o0. る必要があろう。. ・■. [ [ o’. 3,50. 一」. I. 3.o0. 2.50 、3フ目・. 314. 3.空1. 200. 12.851. 3.州 .2.冒昌1. 1,50. .1..、_」、. 1.00. ■   一一一」 I一一一一一.    利点認識      欠点認識      マナー恵隷. 榊p〈.O14段階法 図1電子メールに対する利点・欠点認識とマナー意識の状況.  項目別に比較したところ,欠点認識ではrメール. [文㎜ 1)文部科学省:高等学校学習指導要領,東山書房,2009 2)中国国家教育発展研究中心:中国教育緑良書,教育科 学出版社,pp.55−62.2000 3)森山ら:高校生の電子メールに対する利点・欠点認識 がマナー意識の形成に及ぼす影響,兵庫教育大学学校. 教育研究センタ 紀要r学校教育学研究」V0124, pp,81−89. 2012. 4)慶州基礎教育課程資源研究開発中心情報技術教材編 写組:高校教科書「信忠技術(必修)信忠技術基礎」,慶. 州教育出版社,西安第4次印刷,2010. による悪質な被害やトラブルがあること」(中 国:2.92,日本:3.54),「相手の表情や話し方がメー ルを通して分からないこと」(中国:3.02,日本:3.23). 主任指導教員・指導教員 森山 潤.

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