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Astudyonthespatialstructureofhouse 住居の空間構成に関する研究

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(1)

住居の空間構成に関する研究

単位空間の両義性 について‑

佐 々 野

長崎大学教育学部住居学教室 (平成10313日受理)

Astudyonthespatialstructureofhouse

aboutaambiguityofspatialunit

YoshitsuguSASANO

DepartmentofHousingscience,FacultyofEducation, NagasakiUniversity,Nagasaki852‑8521,Japan

(ReceivedMarch13,1998)

Abstract

Purposeofthispaperismakingitclearthattherearethreeconstitutionunitsinthe middleofunitofspacethatisconstitutedofhousespace,andextractselementsofconstitu‑

tionrespectively.

Itmeansanew proposalplannlngmethodonhouseplannlngbyapplicationof nothingnessspace,includingtherecognitionofspaceonmodernhouseplannlngthat wholehousespaceisconstitutedofthecoupleofpartsunitspace.

Thefindingareasfollows.

1.threeconstitutionunitsonspatialstmctureofhouse:(1)wholeunitspace(abstract space).(2) combination‑unitspace(3) partsuniトspace(entity‑space)・

2.threeconstitutionelementsofhousespace:(1)void.(2) spaceroom.void‑space.

void‑room.(3) space.room.

HouseplannlnglSexpressedbycombinationofspaceelement.

住居の空間構成 における設計手法は,いわゆる部分単位空間の構成要素である間 と室 と の連結関係で住居の空間が構成 される とい う立場か らの連結的手法 と,全体単位空間 (像) の構成要素である空 を分割 して住居の空間が構成 される とい う分割的手法の二つに大別 さ れ る というのが,一般的な これまでの見解である。

(2)

分析方法1‑ 1:間 と室の二元論の立場 (N‑ タイプ) (部分か ら全体‑)

連結 ;

実在す る空間 (部屋)

×

‑ 11

ll

̲̲.̲̲̲J

間穎点 :相互依存の空間が表現できない。

分析方法1‑ 2:空の立場 (一元論) (全体か ら部分‑)

「 丁I

1 一]

I l

分割 ll

L̲̲L ̲̲i

空 ‑

全休単位空間 L̲̲̲ ̲̲ 」I

抽象的空間

J 問題点 ‥相互限定の空間が表現できない0 分析方法2 :無の立場 (無部屋構成論)

(B‑タイプ) (対立す る命題の克服)

l 「l

宇 ‑ III ; L 空 ‑ 4 ; 空 ‑ ‑ ⊥ : ・ ・

虹 * 1l

i:,ii・・.* ・ふや

無の空間

I

間 、..部 .了 室

‑相互作用を表す :即ちを来す

1 住空間の認誰 と構成要素 (概念図)

*1 無 :間,重,そして空の縫合概念が,無である。

(間と室は反対語。空は,間と室の複合語である。)

しか し,本質的には,住居の空間は,間,室,そ して室の総合概念である無ま し *1の空間で 構成されているという空間認識の立場か ら,判断 ・適用すべき内容である (1)0

なぜならば,従来か らの機能主義の立場では,住居の空間構成における全体 と部分の阻 うし

み合わせ単位空間 (:部屋。空 き間。空室。)の実在が把握 されない し,それ らの空間を

実際の計画 ・設計手法 として生かされないか らである。

本論文は,この組み合わせ空間の重要性を指摘すると共に,状況に応 じては適用するた めの,新たな空間概念の視点か ら住居の空間構成における連結的手法の空間分析図 (広義 の機能図)を提案 し,今後の住居の計画 ・設計に役立てようとするものである。

(3)

流 し

「→「 ̲

#

なんと の挙手

おくさしき さしき T)::: #

⊂コ

2 四つ間取 り田の字型

狭 義 の 単 位 空 間

の認

監監 壬 ]

監 ]

連結的手法 (計画) 分割的手法 (歴史)

211 四つ間取 り 2‑2 田の字型 広義の単位空間の認誰からの分析図

琵二:i

E

l̲i̲1

邑二 1

2‑3‑1 (組み合わせ単位空間) 2‑3‑2 2‑3 新しい手法

1.連結的手法 と分割的手法

2は,いわゆる四つ間取 り田の字型の住居である。すなわち,この住居の空間は,ま ず床上部分 と土間部分で分割 されてお り,その上で床上部分は四つ間で構成されていると 一般的には説明される,伝統的な農村住居の典型的なタイプである。

これを,連結的手法で分析すると,図2‑ 1として図式化 される。 また,分割的手法で は,図2‑ 2である。

この連結的手法では,四つ間が建具をはずす と一間になるという相互依存の空間が表現 されずに,また,分割的手法では,逆 に,床上部分の相互限定の空間の使われかたが表現 で きない。

そ こで, これ らを統一 した図式が図2‑ 3である。 この図では,土間部分の空 と床上部 分の一間が相互限定の空間であることが,まず,図2‑ 3‑ 1でわかる。そ して,その床 上部分の中での相互依存の空間 としての四つ間があ る (2‑ 3‑ 2)。すなわち, この 図式では,床上部分の空間は,相互依存 と相互限定の同時空間 (四 (/ 1)間取 り+空) であ り,また,その ことは,土間部分の空の存在 が,それを,可能に している。

この ように,図2‑3は,連結的手法 と分割的手法 とを統一 した図式である

2.住居の空間構成に関する用語の定義

(1ー1:構成単位空間に関する用語‑ 出入 り口の機能を重視

1)部分単位空間 :住居の空間を出入 り口の棟能の視点か ら,分析する際の,生活上 の最小単位空間を言 う。従来の機能図は この部分単位空間の連結で,住居の空間 構成の分析図を表現 している (6‑ 2)0

2)全体単位空間 :住居空間の平面図その ものを,一つの単位空間 として認識 ・把握 する際の抽象的 ・無形の空間の ことである。

3)組み合わせ単位空間 :部分単位空間 と全体単位空間 との組み合わせによる単位空 間の ことである。

(‑ 2:構成単位空間に関する用語 ‑ 出入 り口の機能を無視

o)単位空間 :住居空間の出入 りの機能を無視 しての平面図全体の中のそれぞれの空 間を言 う。

(4)

(2 1:構成要素に関する用語 (図 3) 部分単位空間の構成要素

1)間 :少な くとも二つの入 り口がある二重‑ 浸透の実在を間 と定義する (なお, 間は, 自己言及的で内因的である。 この ことは,間の中に室が含まれていること を意味する。)

2)室 :室は,ある明確な領域の閉鎖 によって認識 される という間の属性である。

すなわち,外因的である。故に,定義 しない。

全体単位空間の構成要素

3)壁 :空 には,空その ものの領域はない。隣接する実在によって定義 される。

出入 り口の数は,ゼロであ り,また,間で もな く室で もない空が,その意味 である。

3.既往研究 との対応 (図 4)

住居の空間構成における単位空間には,両義性がある。すなわち,広義 と狭義の二つの 意味である。

従来の機能論の立場か らの住居設計における連結的手法は,単位空間を狭義の部分単位 空間の連結関係 として解釈 し,認識 して きている。

これに対 して,単位空間を広義の意味で解釈 し展開するのが,本論の立場である。尚, 広義の意味で展開 している と思われる空間概念のキー ・ワー ドには,原広司氏の <非ず非 ず>の論理 ,鈴木成文氏の<領域論 >,そ して東孝光氏の<ス リッ ト>空間な どがある。

これ らの研究は,本研究の <無 >の論理 に,重要な示唆を与 えて くれている。

また,外国では,ビル ・ヒラー氏の研究があ る。 ヒラー氏の研究は,住居の空間配置に おけるシステム分析の視点か ら重要な示唆を与 えて くれる。

也...′

′ ㊨

壁 (無い)̲̲

(む)

Y (BT

B‑タイプ 、 広義の単位空間

*1

̲ー̲壁 (在 る)(二重否定)

‑タイ プ 狭義の単位空間 ラデ シ ヨナル)

(反対語) 4 単位空間の両義性 とタイプ 参照 1)広義の単位空間 :図6‑ 3お よび図1

2)狭義の単位空間 :間

*1:無いことは無い‑二重否定一の在る,である。

間 塞

3住空間 要素

) 1参照

(5)

素材および方法

1.素

5の平面図は,近代建築の合理性 ・機能性に対応するプラン として1950年代頃か ら, デザインされて きた二つの独立 した室 とLDKの間で構成 されている平面構成 とい う意味 2LDKと一般的に呼ばれるプランである。

このプランの特徴は,まず,和室 とLDKの仕切 りが引 き戸であるのに対 して,残 りの 部分単位空間の出入 り口は,全て開 き戸 とい う点である。

また,浴室 と トイレが,別 々の空間で配置 されているのは 日本的なプランである。

そ して,浴室 と洗面所は,全体空間の長方形を2分割 した,同 じ規則的な長方形の部分 空間で構成 されているという二重の組み合わせ空間を特徴に している。 しか し,これに対

して,洋風のLDK空間は,不規則なはっきりした空間である。

この ように,図5は,住居空間の両義性の問題を展開する上で興味あるプランである。

M81人壬下 下q入 洋幸(5̲

3

)

Jt

.

台 所(

杓 1 6 ‑ 5 ) 票

t!pJ EE # ^ (A事 幸巾 1居 間0.0帖)

圭 6帖I

ここ]==1 図5 2LDKの平面図

C f.)̲

F]

l.

LG

6 部分単位空間の構成要素

2.

(1) 分析 1‑は じめに

住居の空間を構成 している単位空間 と単位空間 との間にある出入 りの壊能 に注 目する (ただ し,外部空間 と接する玄関 ・ベ ランダ等については,対象に しない)。そ して,一 つの単位空間 と反対の単位空間 との間にある出入 りの磯能を直線で表現する。住居の部分 単位空間は,少な くとも二つの入 り口がある間 と,間の属性である室 との構成要素で分類 されていることがわかる (6)

次に,住居空間の構造 を明 らかにす るために,各 々の部分単位空間を切 り抜いて分解 し てみる (6‑ 1。 )

6‑1によって,住居の空間は,本質的には部分単位空間 と全体単位空間 との同時存 在の二重構造で構成されていることがわかる。

(6)

EZE

6‑ 1 住居空間の分析

無の空間

IO.4

6‑ 3 無の空間の構成要素

6‑ 2 空間分析の機能図

そ して,全体単位空間の構成要素を,出入 り口の数がゼロの空 と定義する。

(2) 分析 1‑狭義の機能図 (N‑ タイプ)

この全体単位空間の空を実体 として固定的に把握するのではな く,機能で表現する。

従来の建築計画学の立場か らの,狭義の機能図が作成される (6‑ 2)0 そ して,部分単位空間相互の間にある直線が,全体単位空間の空である。

(7)

(1)分析2‑ は じめに

ここでは,全体単位空間の構成要素である空 を,部 分単位空間の問 と室だけではな く,同時に表現 ・生か す方法 を考 えてみる。

ただ し,組み合わせ単位空間が, この分析方法によ って生成 しなければ, この分析は無意味であ り,従来 N‑タイプに還元 される。

すなわち,住居の空間は,部分単位空間の構成要素 である間 と室,そ して全体単位空間の空 との総合概念 である無の空間で構成 されている とい う空間認識の立 場か らの分析である (6‑ 3)0

(2)分析2‑広義の機能図 (B‑ タイプ) (6‑ 4)

まず,隣接する実在の空間 (生活空間)によって囲 まれた出入 り ・通行のために空 いている廊下部分を全 体単位空間の空 として要請 ・位置付ける。

部分単位空間相互の限定 と依存が, この空の働 きに よって作動 し,無の組み合わせ単位空間の生成 と二つ の部分単位空間に分割 される。なお,無の組み合わせ

全体単位空間 1戸守

図6‑ 4 住居の空間分析におけ る広義の機能図 単位空間は,着衣 ・脱衣 ‑入浴,団輿 ・食事 ‑就寝 と

い う相互作用の生活空間であるので,組み合わせ単位空間の構成要素の中で, これを,部 屋 と指定する。 また,二つの部分単位空間の構成要素は,間の属性である室である。

そ して,各 々の単位空間を結ぶ直線 を,中線 と呼ぶ。

二つの分析結果 と 8タイプの有効性

住居の空間を構成 している単位空間についての狭義の解釈では,相互 に独立 した間 と室 との構成要素で,住居の空間が構成 されているという空間認識であることは,すでに述べた。

そ こで,まず,そのN‑タイプの空間把握の視点か ら図6を分析 してみる (6‑ 2)0 相互 に独立 した二つの室 とLDKで構成 されている住居空間の狭義の機能図 として分析 される。すなわち,2LDKのプランである。

これは,狭義の単位空間の視点では正 しい。

しか し, この空間記号の表現では,通路か ら直接,出入 りすることがで きる洋室 とLD

Kを間接的に通過する必要がある和室 との空間の性格の違 いが表現で きない。すなわち, 相互 に限定 し合 う空 間 (1(LDK),1)と相互 に依存 し合 う空間 (1・LDK)の表 記の区別がで きないのである。

そ こで,広義の単位空間の視点か らの解釈 を試みる。 <平面図全体の単位空間が空であ る>という抽象的空間を,隣接する領域で囲まれた廊下空間に要請 ・指示 してみ る。無限 定の空間である平面が,作動 し,限定 された組み合わせ単位空間 (1・LDK)が生成 し, 同時に,又,部分単位空間が分割 される。

故に, この広義の機能図では,廊下部分の空 を媒介 (+) としてのlLDK+1として

(8)

整理 され る (6‑4)0

ここに,広義の解釈の有効性 があ る。

住居 の空間 を構成 してい る全体単位空間は,出入 り口の数 がゼ ロの空 であ る。

この抽象的 ・無形 の空間であ る空の存在 を,あ くまで も機能の レベルにおいてのみ しか 考 えない とす るな らば,図6は,従来 どお りの2LDKとして整理 され る (6‑ 2)0

しか し,全体単位空間の空の存在 を,廊下空間に見 るな らば,相互依存 (1・LDK) と相互限定 (1 (LDK),1)に よって存在 す る空 の介在 (+)で2LDKは,lLD K+1と変換 で きる。

1)住居の空間は,間,室 ,そ して空 の総合概念であ る無の空間で構成 されている ことを 明 らかに した (6‑ 3)0

そ して,無の空 間の構成単位 は,3つの カテゴ リーで分類 され る。 すなわち,(1)全体 単位空間。(2)組み合わせ単位空間。(3)部分単位空 間の3つの カテ ゴ リーであ る。 また, それ らの構成要素 は(1)。(2)部屋。空 き間。空室。(3)間。室 であ る。

2)無 の論理 の立場 では,住居の空間は二つの タイプで整理 され る。 すなわち,N‑タイ プ とB‑タイプであ る (‑4)0

そ して, この タイプの差異 は,組 み合わせ単位空間の有無 にあ る。故 に,図‑ 5は,

N‑タイプ よ りむ しろB‑タイプ として整理 され る (6‑4)0

本論文 をま とめ るにあた り,草稿の段階か ら, ロン ドン大学建築環境学部バー トレッ ト 大学院,ジ ュリーネ ・ハ ンセソ博士の御指導 を受け ることがで きま した。紙面 をお借 りし て,謝意 を表 します。 また,教育学部住居学教室のゼ ミナールの学生であ る東香織 さん, 古川裕美 さん,松 田みゆ きさん,宮本優樹 さん,本岡真紀子 さん,そ して山田茜 さんには, い ろいろ とご意見 を頂 きま した。 あわせて,謝意 を表 します。

(l) BinHillierandJulienneHanson・.Thesociallogicofspace,Cam bridgeUniversityPress,1984

(2) BillHillier:SpaceistheMachine:Aconfigurationaltheoryofarchitecture,Cam brigeUniversityPress, 1996

(3) 孝光 :都市住居の空間構成,鹿島出版会,1986 (4) 原 広司 :空間<機能から様相へ>,岩波書店,1988 (5)鈴木成文 :住まいの計画 ・住まいの文化,彰国社,1988

(6)新建築学大系編集委員全編 :新建築学大系23,建築計画,彰国社,1992

参照

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