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地域資源と「観光ボランティアガイド」の関係性に関する一考察

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(1)

地域資源と「観光ボランティアガイド」の関係性 に関する一考察

はじめに

 近年、地域振興や地域活性化が叫ばれるな か、多くの地域において地域資源の活用が提 唱されている。地域資源は、地域に経済的効 果をもたらすという視点から地域振興や地域 活性化の重要な要素として捉えられているが、

その代表的な活用方法が観光資源としての活 用である。さまざまな地域において、地域資 源を活用した取り組みがみられるなか、 「地 域」そのものが重要な観光対象として来訪者 に呈示される観光形態が注目されている。

 本稿では、地域における資源を外来者に呈 示することをその主な活動内容とする「観光 ボランティアガイド」の活動についてみるこ とによって、「観光ボランティアガイド」の 活動が地域資源にどのような関わりを持つの か、その関係性について考察することを目的 とする。そのため、まず、全国に広く存在す る「観光ボランティアガイド」組織の現況 を、公益社団法人日本観光振興協会の資料を 基に概観する。そして、静岡県静岡市内で活 動するボランティアガイド団体と同県浜松市 内で活動する市民団体の活動事例を取り上 げ、ガイド活動と地域づくりとの関わり、さ らには、ガイドによる案内対象地域内におけ る社会関係についてみることによって、地域 資源と「観光ボランティアガイド」の関係性 について考察する。

Ⅰ 観光対象としての地域資源

 まず、地域資源について考える際、「地域」

とは何か、について考えてみたい。「地域と は、物理的・社会的な空間のまとまりを示す 言葉」(藤井

2008

11

)という表現は一般的 に使用される「地域」を示しているようでは あるが、では具体的な「物理的・社会的な空 間のまとまり」とはどのような「まとまり」

であるのか、その範囲については様々な単位 が考えられる。そのため、「地域」は「多義 的な言葉」、あるいは、「多様な意味内容を含 み込む言葉」(森岡 2008:4‒5)

(1)

として示さ れるように、対象とする「地域」をどのよう な文脈において捉えるのかによってその範囲 が異なる。

 このように、「多様性」あるいは「多義性」

という表現によって捉えられる「地域」に存 在する「地域資源」に対しても、「地域」と 同様、さまざまな特徴が考えられる。実際、

「地域資源」という言葉は、使用場面が多岐 に渡ることから、資源やその形態に対するイ メージは個々人によって異なる。

 文部科学省科学技術・学術審議会における 資料において、「地域資源」はつぎのように 説明されている

(2)

 「地域資源」についての固まった厳密な定義はな いが、その特徴としては次のとおり。

安  福  恵 美 子

(2)

 ① 非移転性(地域性)

  地域的存在であり、空間的に移転が困難  ②

有機的連鎖性

  地域内の諸地域資源と相互に有機的に連鎖  ③ 非市場性

   非移転性という性格から、どこでも供給できる ものではなく、非市場的な性格を有するもの

 こうした特徴からみて、地域資源は大量生産・大 量消費型の資源とはなり得ず、まさに新しいパラダ イムの下で積極的に活用されていくべき資源。

 また、これらの特徴は、その存在そのものが既に 他とは差異化された独自の価値を有することを含 意。

 このような地域資源の特徴に関する説明 は、近年、さまざまな地域においてみられる

「地域資源を活かした地域活性化」の動きに 呼応する。それは、地域資源は「独自の価値 を有するもの」であることから、「活用され るべきもの」であるが、この地域においては

「活かしきれていない」ので何とか方策を考 えなければならない、という表現等によって 示される。なかでも、その動きは、「観光ま ちづくり」という文脈において頻繁に使用さ れている。国の観光政策の中で盛んに使われ だしたこの言葉は、多くの場合、地域資源の 活用による観光振興を目指したものとして使 用されている。

 ここで、観光における地域資源の活用とい う点において、二つの観光開発のプロセスに ついてみてみたい。観光者(客)が入ること によって環境が破壊される、という言説にも みられるように、観光は自然環境を破壊する 大きな要因として捉えられることが多い。こ の よ う な な か で、1990年 代 に 入 っ て か ら、

マスツーリズムから持続可能な観光(サステ ィナブル・ツーリズム)への関心が高まる。

地域における環境は、多くの来訪者(観光者

(客))を引き付ける観光対象である。地域に おける環境を維持するということは、その環 境が観光対象となる地域における観光活動を 維持することである。そのため、環境に配慮

した観光開発が求められるようになる。ここ で注目されるのが、観光開発と地域の発展と の関わりであり、「外発的」と「内発的」と いう二つの異なる観光開発の形態である。

「外発的観光開発」とは、観光開発の対象と なる地域外の企業が主体となる開発形態であ り、地域社会の意思とは関わりなしに地域資 源の商品化を進める開発を指す。地域社会に 対する配慮が行われることなしに開発が進め られた結果、地域の貴重な資源が破壊される など、観光の負のインパクトを生じさせた。

これに対し、「内発的観光開発」とは、地域 社会の人々や集団が固有の自然環境や文化遺 産を持続的に活用することによって、地域社 会の自律的意思に基づいて地域資源の活用を 図ることである(安福

2012

)。

 近年、「内発的観光開発」により地域の資 源を掘り起こし、それを地域活性化に活かし ていこうという動きが活発化するなか、地域 が主体となって行う地域資源の活用として

「着地型観光」や「交流型観光」が注目され ている。

 本稿では、このような観光形態において重 要な要素である「観光ボランティアガイド」

に焦点を当てる。それは、「地域を代表する ボランティアガイド」や、「地域のことは地 域の人が一番よく知っている」という表現に もみられるように、地域のボランティアガイ ドは、多義的な言葉である「地域」、さらに は多様な「地域資源」について考察するため の一つの切り口になる、と筆者は考えるから である。

 では、 「観光ボランティアガイド」とはど のような組織であるのか。次章では、 「観光 ボランティアガイド」組織の現状を概観する。

Ⅱ 「観光ボランティアガイド」

組織の現況

 まず、社団法人日本観光協会(2011年4

(3)

月より公益社団法人日本観光振興協会)から 発行された『地域紹介観光ボランティアガイ ド運営活動マニュアル』(1999年)に書かれ ている「観光ボランティアガイド」について みてみたい。

 同書では、「地域の人たちの “もてなしの 心”」が強調され、ガイドは「地域の “親善 大使”」であると表現されている。そして、

ガイド自身が “地域の良さ” に対して自信を 持つことで、その誇りが地域の他の人たちに 伝わり、郷土を愛する人たちが増えていく、

としてガイド自身にとっては「郷土愛の涵養 と生き甲斐づくり」となること、なかでも

「新住民」が地域に対する理解をより深める 機会となることなどが書かれている。さらに は、昨今の観光スタイルの多様化に伴い、地 域を訪れる外部の人々が地域の人たちとの

“交流” を求める傾向に触れ、ボランティア ガイドが地域の人々との “語らいの場” を提 供する機会となる、としている(

pp. 7‒8.

)  一般的に「ボランティア」という言葉か ら、「ボランティアガイド」は「無償」でガ イドを行う人、というイメージを持つことが 多い。同マニュアルにおいては、ガイドに案 内を依頼する人のことが、おもに事業者が使 用する「お客様」という言葉によって表現さ れている一方、「専門知識をお持ちのお客様 と接する場合」は「ボランティアならではの スタンスで」として、「知識範囲外の時は、

「素人ですので教えて下さい」と聞き手に回 ることもよいでしょう。」と表現したうえで、

あくまでもガイドは「素人」であるというニ ュアンスで書かれている。しかしながら、同 マニュアルでは、「たとえお客様が歴史家で あっても、たとえばその地方の生活、味覚、

風習など、その歴史の風土を側面から語れる 経験も知識も、やはり地元の人でなければ知 りえないことの方が多いのです。むしろ、自 ら学びながらも、与えることのできる情報も 多いのだと、自信をもってのぞみたいもので

す。」(

p. 65

)として、地域のことをよく知っ

ている(はずである)ボランティアガイドが 果たす役割について触れている。

 では、現在、全国各地で活動を行う「観光 ボランティアガイド」組織とはどのようなも のであろうか。公益社団法人日本観光振興協 会による調査結果「観光ボランティアガイド 組織の現況」(

2013

月〜

月調査、調査 票発送件数1,723 件で回収率77.5%)

(3)

のなか から、ここにその一部を挙げてみたい。

〈組織・ガイドの数〉

2001

年の組織数は

633

で、ガイド数は

16,095

人であったが、

2012

年には組織数は

1,643

と なり、ガイドの数に至っては、42,483人へと 増加している。

2013

年(調査時)におけるガ イド人数は

39,608

人(性別では、男性

21,745

人、女性16,123人)で、平均年齢は63.5歳で ある。

組織あたりのガイドの人数は、

10

人 以上

20

人未満の割合が最も高く(

32.2

%)、

ついで20人以上

30人未満(18.7%)、5人以上 10人未満(16.5%)となっている。

〈ガイド料金〉

 有料で案内を行っている組織は4割弱あ り、有料の場合の料金設定の基準について は、「ガイド一人あたり」の割合が最も高く、

その料金については、1,000円以上

2,000円未

満が一番多い(

33.3

%)。そして、つぎに料 金設定の割合の高い「お客様一人あたり」で は、500円以上

1,000円未満の料金設定をす

る組織が多い(

28.4

%)

(4)(5)

〈法人格の有無〉

 法人格を持つ組織は

%であることから、

全体の

割に満たない。

〈案内実績〉

 年間

1,000

人以上から

3,000

人の組織が一番

多く(23.5%)、ついで100人以上から

500人

(4)

未満の組織(

20.3

%)となっているが、案内 対象者数が一番多い30,000人以上の組織は

5.1%である。

〈年間収入・支出〉

 年間収入は10万円以上

50万円未満が全体

37.2

% と 最 も 多 く、 つ い で

100

万 円 以 上

500

万円未満が

15.4

%となっている(一番少 数ながら、500万円以上が

6.7%ある)。収入

の主な内容は、会員からの会費、ガイド収 入、自治体等からの補助金となっているが、

年間収入100万円以上の組織では自治体等か らの委託費も増加している。支出の主な内容 は、事務費(

21.4

%)と研修費(

20.4

%)で、

人件費は9.1%となっている。

〈抱えている課題〉

 人材育成が最も多く(42.3%)、ついで財 源(

18.4

%)、運営(

12.6

%)と続く。

〈ガイド以外の活動内容〉

 ガイド以外の活動は、ガイド研修(27.1

%)、イベント支援業務(

20.0

%)、小中学生 向け地域学習(15.6%)であり、ついで後継 者育成活動が9.6%となっている。

 日本観光協会は、1996年から

2010年まで

の間、「全国各地のボランティアガイドの立 ち上げのきっかけや情報交流の場」として

「地域紹介・観光ボランティアガイド全国大 会」を開催していたが、2010年の大会をも って終了している。同大会において同協会常 務理事は、組織およびガイド数の増加によ り、「普及・促進という意味において、目的 は完全に達成したのではないかと思っていま す」と発言しているが

(6)

、全国大会終了の理 由は、その数の増加が観光ボランティアガイ ドの性格・定義を曖昧にさせている、と指摘 されている(林他

2012

)。

 実際、前述の「観光ボランティアガイド組

織の現況」調査結果からも、さまざまな点に おいて組織差がみられる。たとえば、「

組 織あたりのガイドの人数」が5人未満と100 人以上、さらには、「年間収入」が

万円未 満と500万円以上、では組織としてその規模 に大きな差があることがわかる。 「地域紹介・

観光ボランティアガイド全国大会」における

「過去の全国大会での議論の概要」

(7)

には、各 地の観光ボランティアガイド団体による発言 が載っているが、ここで注目されるのは、や はり組織運営に関する組織差である。たとえ ば、「業務委託のために法人化」に対しては、

「法人格を持つことにより行政とのつながり を持ち、財源措置へ繋げる」、「行政から業務 を受託する」など、法人化をメリットと捉え る組織がある一方で、「ボランティア活動は 自分のできる範囲でやることが基本」として

「無理なく、楽しく」や「自分自身の楽しみ としながら、できることを無理をしないで自 分の生き甲斐に通じる活動をすることが大 切」という発言もみられる。また、法人化を 行ったガイド団体に関する事例研究には、

「法人化によって事務局の負担は増え、また 内部からは楽しく案内ができればよいと法人 化を望まない意見もあり、合意形成には時間 を要した」(寺村

2009

9

)という報告もみ られるなど、ガイド組織運営については組織 によって、あるいは組織内においてもさまざ まな意見があることが分かる。

 「全国観光ボランティアガイド」として紹 介されている団体には郷土史研究会や文学グ ループなども多いが、なかにはガイド活動を あまり行っていないような組織もみられる。

たとえば、静岡県静岡市内の某団体紹介には

つぎのような表現がみられる。「……は、現

在ボランティアガイドが高齢化しており、又

人数も少ない為なかなか、ご希望に合うよう

にはできません。たまたま合っていれば、と

いう感じです。又、団体としての活動も困難

になっています。」

(8)

(5)

旧静岡市 旧清水市

旧由比町

三保

駿府 日本平 丸子

図−1 静岡市合併地図  では、「観光ボランティアガイド」と呼ば

れている団体は実際どのような活動を行って いるのであろうか。つぎに、事例からその活 動をみてみたい。

Ⅲ 「観光ボランティアガイド」

活動事例

 本章では、インターネット上の「全国観光 ボランティア」 (日本観光振興協会)で検索す ることができるガイド団体の事例として、静岡 県静岡市内で活動する「静岡案内人・駿府ウ エイブ」の活動内容についてみてみたい。な お、筆者は同団体のガイドによる案内を受け るとともに、ガイドへの聞き取りを行った

(9)

「静岡案内人・駿府ウエイブ」

〈組織紹介〉

 同団体が活動を行う静岡市は、静岡県中部

に位置する政令指定都市(人口

709,702

人)

(2013年10月現在)

(10)

で、同県の県庁所在地 であり、葵区、駿河区、清水区の三つの区に 分 か れ て い る。 面 積 は

1,411.93km2

で あ り、

全国で

番目に面積が広く、都道府県庁所在 地の市としては日本最大である。2003 年4 月に旧静岡市(当時人口約

47

万人)と旧清 水市(当時人口約

24

万人)が合併。さらに、

2008年11

月に由比町(当時人口約9,000 人)

と合併した(図−

参照)

(11)

 同市においてボランティアガイド活動を行 う「静岡案内人・駿府ウエイブ」(以下、「駿 府ウエイブ」と呼ぶ)は、

1998

年に設立さ れ た( 当 初 の 会 員 数

26

名 )。 そ の 発 足 は、

1991年静岡市観光協会創立60

周年記念事業

の一つである「ボランティアガイド設立検討 事業」を発端としているが、その背景には、

NHK

大河ドラマ「徳川慶喜」の放映(1998

年)や静岡市制

110

周年を記念として行われ

(6)

た「葵博」の開催(

2000

年)、さらには同年 の

NHK

大河ドラマ「徳川葵三代」の放映に よる観光への関心の高まりがある。

 同団体は、第

期観光ボランティアガイド 養成講座の修了生(25名)を会員として発 足している。発足当初から静岡市長と歴史学 者(元静岡大学教授)が顧問を務め、公益財 団法人静岡観光コンベンション協会内に事務 所を置く。会員数は2013年7月現在におい て

88

名である。同団体の設立

10

周年を記念 して開かれた祝賀会について報じている新聞 記事には、「市の観光行政に役立ちたい」

(12)

という見出しがみられることからも、同団体 は行政と連携を図っている組織であることが わかる。

 同団体のガイドとなるためには、入会申し 込み後、養成講座を受講し、その後、面接を 受け、会費(6,000円)を支払う、というプ ロセスを経ることになるが、実際のガイド活 動は

10

か月ほどの養成期間(オン・ザ・ジ ョブ・トレーニングなど)を経てからとなる

(2013年度においては、4月の入会者が翌年

月に実際のガイド活動を開始することとな る)。会員数は、ほぼ一定化している(退会 者数と入会者数の関係により)。「駿府ウエイ ブの歩み・年表」(静岡案内人・駿府ウエイ ブ『10 周年の歩みと回顧』)によれば、これ まで毎年、数回の会員研修会(例えば、歴史 についての講義など)が開催されてきてい る。会員は、班(15〜16名)ごとで打ち合 わせを行うことによって情報を共有し、基本 知識以外の常に新しい情報を得ている。同団 体の会員は、静岡市で生まれ育った人ばかり でなく、他の地域から転居してきた人も多く 含まれている。

〈活動内容〉

 同団体のガイドが案内を担当する範囲は、

西は安倍川から東は

JR

由比駅までである。

同団体の「ボランティアガイド申込書」の案

内場所の欄には、「静岡の主なる名所旧跡」

として、 「駿府城址・静岡浅間神社・臨済寺・

登呂遺跡・日本平・久能山東照宮・丸子路

(吐月峰柴屋寺)・宇津ノ谷峰・三保の松原・

梅蔭寺など」と記載されている。

  同 団 体 の ガ イ ド 料 は1件 当 た り

1,000円

(運営費として)で、

10

名単位で

人のガイ ドが付く。ガイド活動の内容は、大きく分類 すると4種類である。まず、「企画ウォーク」

が挙げられるが、これは同団体による自主企 画の史跡散策ウォークである。つぎに、依頼 を受けて行う「一般ガイド」がある。このな かには、旅行会社からの依頼で行う現地案内 も含まれる。これは、旅行会社が現地におけ る案内をボランティアガイド団体に依頼する ケースであるが、そのような依頼で静岡市内 の複数の場所を回る場合、担当のガイドはツ アー参加者と同じバスに乗って移動する。つ ぎの「定点ガイド」は静岡市内

か所(駿府 城址東御門、静岡浅間神社、日本平と久能山 東照宮、丸子)においてガイドが待機し、依 頼がある場合案内するものである。そして最 後に、小中学生を対象とした活動で、これは 市教育委員会からの依頼で行われるものであ り、小中学校への出前講座の他に校外学習な どの行事における案内の

種類がある。

 2012年度における同団体による案内対象 者総数は33,992 名で、その内訳はつぎのよう になっている

(13)

。企画ウォーク(約

%)、

一般ガイド(約26%)、定点ガイド(

か所 全 体 で 約60%)、 小 中 学 生 対 象( 約12 %)。

静岡市内における定点ガイド

か所における 案内対象者数が全体の約

割という数字か ら、同団体は静岡市内における主要な観光資 源を対象とした案内を中心に行っていること がわかる。

〈ガイドによる案内事例〉

.ガイド依頼手続き

 ガイド依頼申込み手続きから実際の案内は

(7)

ガイド風景−1(「神の道」にて)

ガイド風景−

(三保の松原にて)

つぎのように行われる。まず、同団体のホー ムページ上から申込書をダウンロード後、希 望案内地、案内日時、参加人数を記入し、事 務所へファックスで申し込む。事務所には交 代で会員が常駐しており(土日を除く

9:30

から15:30まで)、申込みの受付を行い、案 内 担 当 者 決 定 へ の 手 続 き を 行 う。 本 調 査

2013

月)にあたり、筆者は、調査時の 約2か月前に世界遺産の構成資産として登録 された三保の松原(市内清水区)の案内を希 望した(参加者

名)。その後、ガイドが決 められ、当日案内を担当するガイド本人から 電話で直接依頼者(筆者)へ連絡が入り、詳 しい打ち合わせ(待ち合わせ場所や時間な ど)が行われる。今回の案内依頼場所は、三 保の松原であることから、当初待ち合わせ場 所は三保の松原の駐車場であったが、その 後、担当ガイドとの打ち合わせ時、ガイドか ら、三保の松原を案内する前に、「御穂神社」

と「神の道」を訪れることを勧められ、神社 の駐車場が待ち合わせ場所となった。待ち合 わせの際、ガイドの目印となるのが「駿府ウ エイブ」のグリーンの帽子である。

2.ガイドによる案内

 案内当日、神社駐車場における挨拶時、ま ず、ガイドから、筆者達は歴史の専門家かど うかという質問を受けた。これは、案内を受 ける側の職業や出身地に合わせて話をした い、ということのようである。案内の様子は つぎのようであった。最初の案内場所である 境内社の「子安神社」にて、ガイドは置かれ ている穴の開いている「ひしゃく」を見せ、

これは赤ん坊が「するり」と出てくる、とい う願掛けであること等を説明。そして、「御 穂神社」での説明後、「神の道」を歩きなが ら、木道はユーカリの木で作られていること や、松の維持方法などについての説明があっ た。「神の道」の先にある三保の松原では、

先代の羽衣の松(樹齢

650

年)は、幹約

メ ートルを残し伐採されたこと、先代の松から

穂木を採取し、接木による二世がエレーヌ碑 の前に植えられていることなど、時には、持 参したファイルの写真を見せながらの説明で あった。また、もっと先へ進んで案内をした いが、時間の都合はよいかなど、筆者たちの 希望を聞きながらの案内であった。

〈案内対象地域と他のガイド団体との関係に ついて〉

 先述のように、現在の静岡市は、

2003

月、旧静岡市と旧清水市とが合併すること によって誕生し、人口が多い市同士の大型合 併であることから、当時「平成の大合併」と して注目を浴びた。同団体の会員のなかにも 旧清水市在住のガイドがいるが、その割合は 全体の

割にも満たない。現在、静岡市にお けるボランティアガイド団体は他にもあるが

(インターネット上の「全国観光ボランティ

(8)

アガイド」では「駿府ウエイブ」の他に

団 体の名称がみられる)、同団体が「定点ガイ ド」として案内を行っている「日本平」は、

旧静岡市と旧清水市にまたがっているため、

清水区でガイド活動を行う団体と案内地が重 なる。現在、清水区には「清水区観光ボラン ティア連絡会」という組織があり、公民館単 位で行われていた生涯学習の受講者が中心と なってボランティアガイドの団体が結成され ている。旧静岡市と旧清水市においては、行 事の実施方法などにおいて違いがみられるこ とがあるが、このような地域性は、ボランテ ィアガイド団体においてもみられる

(14)

。旧 静岡市で発足した「駿府ウエイブ」には、広 く静岡市から入会するが、清水区のボランテ ィアガイド団体は、公民館における活動を中 心に結成されている

(15)

 旧清水市内にある三保の松原へは、以前か ら「駿府ウエイブ」の会員による案内が行わ れてはいたが、その際、先述の「御穂神社」

の隣にある「静岡市三保生涯学習交流館」に 届けを出していた。しかし、2013年6月に 三保の松原が静岡市内では唯一の世界遺産登 録地となったことから、同団体が案内する機 会が増えたことによって、同年9月以降はそ の届け出が不要となるなどの変化がみられ る。

 同団体においては、会員に対して、世界遺 産に関する座学研修(「

月会員座学」)を行 っているが

(16)

、独自に現地に赴き、自分が 当該地域の案内を依頼されたときのために勉 強をする会員もみられる。今後、同団体によ る三保の松原への案内回数がさらに増すこと が予想されるが、実際、世界遺産登録後、旅 行会社によって、ボランティアガイドによる 三保の松原の案内が組み込まれたツアーへの 募集が始まっている。

 同団体による年間案内者数(

2012

年度)

は先に示した通りであるが、小中学生を対象 とした活動を除いて、同団体会員による案内

を受けた人が静岡市への来訪者数全体のなか でどのくらいの割合を占めるのかを知るのは 難しい。それは、静岡市が出している「静岡 市観光交流客数」(

2012

年度は

24,867,940

人)

のなかには市民の数も含まれるからである。

しかしながら、同団体は、静岡市内における 観光ボランティアガイド団体として一番多く の会員数を持つ組織であり、静岡観光コンベ ンション協会内に事務所を置いている点や発 足の経緯を考えると、行政から重要視されて いる団体であることがわかる。

 同団体の案内対象地である久能山東照宮が 国宝として指定され(

2010

年)、さらには、

三保の松原が世界遺産として登録されるな ど、案内対象地の観光資源としての重要性が さらに高まるなか、同団体に対する案内依頼 が今後一層高まると予想されるが、同団体 は、あくまでもボランティアに徹するという 考え方であり、会員からは

NPO

法人申請へ の要望は出ていない。その大きな理由として は、自由度がなくなるからであるという。

 次章では、本章で取り上げた「駿府ウエイ ブ」のように、案内イコール「無償」という イメージと結びつくようなボランティアガイ ド団体とは異なる団体のガイド活動をみるこ とによって、地域資源とガイド活動との関わ りについてみてゆきたい。

Ⅳ ガイド活動と地域づくり

 Ⅱ章で取り上げた「観光ボランティアガイ ド組織の現況」にもみられるように、ボラン ティアガイド団体による案内料金は、組織に よってその差が大きいものの、多くの団体が その収入を運営費に充てている。そのため、

ボランティアガイド団体の収入は、「自然観

察型」や「体験型」ツアーなどの案内を行

う、いわゆるプロのガイド組織とは異なる場

合が多い。では、地域において活動するガイ

ド団体の活動は、地域活性化とどのような関

(9)

静 岡 県

引佐 三ヶ日 細江

図−2 奥浜名湖エリア地図 わりを持つのであろうか。

 ここで、自らの活動を「市民参加型ツーリ ズム」と位置づけて長崎県西海市でボランテ ィアガイド活動を行う「さいかいガイドの 会」

(17)

が使用するガイド養成講座の教材(「始 めます!西海型まち歩き観光「まち歩き観光 ガイド養成講座」

Part1

[観光ガイドと地域活 性化]」)のなかから、つぎのような表現を挙 げてみる。

「求められる西海型「まち歩き観光」ガイドの人材 像」

「地域資源を活用し、その地域の暮らしの物語を伝 えることのできる お客様を満足させることのでき る人」

「地域のもつ資源を媒介にしながら、お客様にきち んと地域の想いを伝えることのできる人」

「西海型「まち歩き観光」ガイドに求められる考え 方」

「地域の自然・文化・歴史・暮らしについて交流客 に理解していただきたい」

「お客様が満足する=地域に経済効果を!」

 ここには、地域資源の活用により着地型旅 行商品化を行う、つまり、地域資源の活用を コミュニティビジネスとして事業化すること によって、地域づくりを目指すガイド団体の 姿勢が示されている。

 近年、地域づくりを目指し、地域資源の掘 り起こしとその活用を観光ガイド活動と結び 付ける市民団体、なかでも特定非営利法人

(NPO 法人)による活動が注目される。ちな みに、2012年4月1日以降、法人申請時に おいて「観光の振興を図る活動」が追加され た。内閣府データによると、2013年

月31 日現在、「特定非営利活動法人の活動分野」

の法人数

47,542

のうち、法人の行う活動の分

野(20 分野別、複数回答)で、「まちづくの 推進を図る活動」が20,369、そして、「観光 の 振 興 を 図 る 活 動 」 が

565

、 と な っ て い る

(18)

 ここで、地域資源を活用した地域づくりに

取り組む

NPO

法人団体の例として「

NPO

法 人奥浜名湖観光まちづくりねっと」(2009年

6月に設立)の活動事例をみてみたい(19)

。 同団体は、静岡県浜松市北区の「奥浜名湖エ リア」

(20)

(図−

参照)(2013年11 月現在人 口約5万人)で活動する

NPO

法人で、構成 会員は、観光関連事業者、地元歴史研究グル ープ、観光交流ガイド養成講座受講の浜松市 民ほかで、個人会員は18名(2013年7月現 在)である。同団体の「特定非営利活動法人 の活動分野」は、「まちづくりの推進を図る 活動」と「農山漁村又は中山間地域の振興を 図る活動」、そして「観光の振興を図る活動」

である

(21)

 同団体はその設立の目的を「地域固有の自 然、歴史、文化、特産物など様々な地域資源 を掘り起こし、地域内外への情報発信や地域 資源の保全と活用を推進する観光まちづくり 事業に取り組み、協働による「住んでよし、

訪れてよし」の持続可能な地域づくりに寄与

することを目的とする」としている

(22)

。そ

の主な活動内容は、地域資源を活かすテーマ

(10)

性の高い回遊コースづくり(「浜名湖湖北五 山めぐり」や「井の国探訪コース」など)、

歴史講演会、シンポジウム、交流イベントの 開催、人材育成事業(観光交流ガイド養成講 座や地元学講座の開催)、観光交流事業とし て観光交流ガイドの実践(モニターツアー、

オプショナルツアー、インバウンド促進ツア ー等の企画・運営)であり、

2012

月に は同団体の観光交流ガイドメンバーが中心と なって「奥浜名湖語り部の会」を設立し、

「奥浜名湖観光協会」との協働による着地型 観光商品の開発や観光まちづくりの事業活動 を展開している。このため、同団体は「語り 部の会」(有志グループ)とは別の組織では あるが、なかには両組織に所属している会員 もいる。

 同団体の情報は、インターネット上の「全 国観光ボランティアガイド」から検索するこ とはできない。「まちづくり」という活動の なかに観光交流ガイドという活動を位置づけ ている同団体にとって、観光ガイドはあくま でも「まちづくり」のための活動の一環(ガ イド活動は全体の活動のなかの

割ほ ど)であることから、ボランティアガイドで はないと考える。そして、その活動内容は、

会員の地域における人的ネットワークを生か したガイド活動を特徴とする。たとえば、ツ アー参加者を案内するのは、会員が知ってい る商店街の店や棚田米をつくる場所(同団体 は棚田の復元活動を行うグループとの繋がり がある)など、地域に住む人の生活目線に合 わせたツアー内容を企画・運営することによ って観光業者によるツアー商品と差別化を行 っている。そして、ツアー後は、ツアー参加 者に対してアンケート調査を行い、その結果 を新たな地域資源の活用へと役立てている。

 そのため、たとえば旅行会社からオプショ ナルツアーとして現地案内の依頼を受けた場 合、そのツアーを担当するガイドによって案 内内容が異なることがある。たとえば、日程

表にない場所であっても、それが地域資源と して外来者にアピールされる、とガイドが判 断した場合、そこでバスを降りることもあ る。このように、地域資源をツアー参加者に 案内することが「まちづくり」に関わる、と 考える同団体の会員は、その報酬が多くなく てもガイド実践の機会として捉え、旅行会社 によるガイド依頼を受けており、「有償では あるが、精神はボランティア」と考えてい る

(23)。

 ガイド活動を地域の環境保全と結びつける ことによって地域づくりを目指す活動は他の 地域においてもみられる

(24)

。本稿で取り上 げた静岡市の「駿府ウエイブ」もその活動を 始めるにあたり手本にしたという「NPO 法 人横浜シティガイド協会」の事例研究(林

2012

)にも「まちづくり」に関わる観光

ボランティアガイドの活動が紹介されている が、そこでは、観光ボランティアガイド活動 への参加がその他の地域活動への参加に影響 を与え、ガイド経験後は他の地域活動への参 加が高くなっていることが示されている(林 他

2012

105

)。また、先述の「地域紹介・

観光ボランティアガイド全国大会」における

報告には

(25)

、ガイド団体による案内地域に

おける町村の合併によって住民の地域資源に

対する関心の低さがみられることから、住民

に対して地域資源の重要性を知ってもらうた

めの活動を行っていることなどが載せられて

いる。さらに、「相互に意見を出し合い、モ

デルコースの整備を行う」など、ガイド団体

と行政との連携に関する報告もある。ガイド

団体と行政との関わりについては、本稿の事

例紹介で取り上げた「駿府ウエイブ」がガイ

ド活動を行う静岡市でもこのような傾向がみ

られる。たとえば、同市では、まち歩きをす

る来訪者のために、現在は何も面影が残って

いないような場所に案内板を設置するなどの

取り組みを行っているが、これはガイドが案

内しやすい環境づくりとなる。

(11)

 ガイドによる案内は、いわゆるプロのガイ ドであっても、ガイド個々人によって異なる 場合が多いが、ボランティアガイドにおいて は、ガイドと地域資源との個人的な関わりが 実際の案内においてより表れやすいという傾 向がある。それは、たとえば、町並み歩きな どの場合、その日の担当ガイドによって住民 が家の中を見せてくれるときとそうではない ときがある、などという場面においてみられ る。所属する団体にガイドマニュアルがある 場合、ガイドはそれにそった案内をしていた としても、地域資源に対するガイド個人の直 接的関わりを外来者に呈示しやすい環境にあ る。むろんこのような特性は、いわゆるプロ のガイドにもみられることではあるが、ボラ ンティアガイドの場合、ガイドの個人史と地 域資源との関わりそのものが「地域」の「売 り」となる、つまり、それが外来者に対して

「地域」の魅力となる、という特性を持つ

(26)

。  来訪者に対して地域資源をどのような立場 の人がどのように呈示するのか、という点で 外来者の地域に対するイメージは異なる。地 域において案内を行うボランティアガイド は、ガイド自身が来訪者にとって地域性を感 じる大きな要素となる。そのため、観光交流 活動において最も重要な来訪者との対面的接 触という「場」において、ガイドが「地域」

の「 人 的 資 源 」 と し て 果 た す 役 割 は 大 き い

(27)

。そして、地域資源に価値を付加し、

その保全にも関わる役割を担うガイド活動 は、今後新たな交流型観光形態を構築するた めの重要な要素として地域活性化へ深く関わ る可能性を持つ

(28)

おわりに

 近年、「地域」、つまり、地域の環境(文化 も含む)や「人々の暮らしぶり」そのものが 観光対象として注目されているが、旅行会社 がツアー目的地としての「地域」の案内をボ

ランティアガイド団体に依頼する動きから は、地域の人びとによる地域資源の呈示がツ アー商品における重要な要素して捉えられて いることがわかる。

 地域の資源を外来者に呈示する役割をボラ ンティアガイドに期待するのは観光業界ばか りではなく、観光政策を推進する行政側にお いても同様である。本稿で取り上げたボラン ティアガイド団体(「駿府ウエイブ」)の事例 にもその傾向がみられた。同団体が案内対象 とする三保の松原は、静岡市合併前の旧清水 市にあり、合併前はおもに旧清水市のボラン ティアガイド団体が案内対象としていたとこ ろであるが、合併後は地域資源を共有する動 きがみられる。その動きは、世界遺産登録地 となった三保の松原が、観光資源としてこれ まで以上に注目を集めることでガイド需要が 高まることによって促進されている。一方、

浜松市北区の奥浜名湖エリアを活動地域とす る市民団体(「奥浜名湖まちづくりねっと」)

の事例では、地域における会員の人的ネット ワークを駆使した資源の活用がみられた。

 このように、ガイド活動を行う団体の活動 内容は多様であることから、地域資源に対す る関わりかたは団体によって異なる。しかし ながら、多くの場合共通するのは、地域資源 を巡るルートづくりやツアー企画・運営な ど、地域資源に対する価値を付加するための 活動を行っていることであり、地域資源が観 光資源として変換されるプロセスへの関わり である。

 「観光ボランティアガイド」団体の活動は、

担当案内範囲が限定されている場合が多い。

そのため、その活動は、来訪者との対面的空

間、つまり観光空間を限定するとともに、地

域資源が存在する「地域」を限定するプロセ

スにも関わる。しかしながら、なかには、市

町村合併によって案内地域が広がる、さらに

は、ガイド自身が案内地域において生まれ育

っていない、あるいは居住していない場合も

(12)

みられることから、ガイド活動には「郷土 愛」や「帰属意識」という言葉だけでは捉え られない広がりがみられる。

 団体によって異なるものの、多くの場合、

ガイドは研修(座学を含む)やワークショッ プを通じて地域資源に対する理解を深めると ともに、認識を共有することによって、地域 資源を特定する主体としての役割を担う。そ の活動は、「世界遺産」、「国宝」、「重要文化 財」などの「制度」によって守られていない 地域資源が掘り起こされ、価値を付与される プロセスへの関わりにおいてさらに重要性を 持つ。

 「観光ボランティアガイド」は、その活動 が観光という「場」において地域資源と密接 な関わりを持つ。つねに対面的状況において 来訪者に対応するガイドは、地域資源を活用 する重要な役割を果たすことから、ガイド団 体の持続性はその団体が案内対象とする観光 資源としての価値にも影響を与える。実際、

地域の「人的資源」となるべきガイドの後継 者問題を抱えている団体も多い。

 来訪者にとって「地域」の代表として捉え られることが多い「観光ボランティアガイ ド」が、地域資源の呈示や保全に継続的に関 わることができるかどうか。そこには、「観 光ボランティアガイド」が地域資源を活用す るそのプロセスにおける社会関係が大きく関 わっている。そして、地域資源とそれを来訪 者に呈示する側であるガイドとの関わりは、

観光という活動を通して「地域」のイメージ 形成に影響を与える。

⑴ 森岡は、「この特質に加えて、〈地域〉という言 葉は、その指示する空間的範域が、これまた曖昧 模糊としているという特質も兼ね備えている。そ れは、隣近所のきわめて狭い空間から、ご町内と いう空間を含め、はては市町村を超え、都道府県 に相当する広大な空間に至る、これらすべての空 間を内包する言葉として用いられている」(p. 5)

と述べる。

⑵ 文部科学省科学技術・学術審議会の下に置かれ ている「資源調査分科会第

28

回会議(平成

23

日開催)」配布資料の一部(「地域資源の活 用を通じたゆたかなくにづくりについて」(資料

11) p. 7

より(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/

gijyutu/gijyutu3/shiryo/1303081.htm)。

⑶ 公益社団法人日本観光振興協会ホームページ

「 全 国 観 光 ボ ラ ン テ ィ ア ガ イ ド 」(http://www.

nihon-kankou.or.jp/vg/vg_torikumi.html)「観光ボラ

ンティアガイド組織の現況」全国の観光ボランテ ィアガイドを行っている組織(日本観光振興協会 が把握している組織に加えて、各都道府県・都道 府県観光協会(連盟)・ボランティアガイド協議 会等より新たに情報提供を得た組織を対象)とし て、2013 年1月〜3月に実施された調査をもと にまとめた数字であるが、 「未回答の組織もある」、

と明記されている。

⑷ この調査結果は、「ガイド料としてではなく、

実費(交通費、資料代等)のみを徴収する場合は 無料として出されている」、という。

⑸ 社団法人日本観光協会『地域紹介観光ボランテ ィアガイド運営活動マニュアル』においては、

「有料か無料かは、そのボランティアガイド組織 の根幹に関わる問題であり、これまで何回となく 議論が繰返されてきた。」として、その決断をす るためのヒントとなる情報の一つとして、「行政 や関係団体がどのくらいの援助をボランティアガ イド組織に対して提供できるのか」を挙げている

p. 40

)。

⑹ 出典は、註⑶と同じ公益社団法人日本観光振興 協会ホームページ(「平成22年度渋川伊香保大 会」)。

⑺ 出典は、註⑶と同じ公益社団法人日本観光振興 協会ホームページ(「過去の全国大会での議論の 概要」)。

⑻ 「全国観光ボランティアガイド」 「由比ふるさと案 内 人 」 (http://www.nihon-kankou.or.jp/vg/ctrl?evt=Sh

owBukken&ID=22103aa1042073273

2013/10/17

) 。

⑼ ガイド依頼による案内は2013 年

月27日に行 われた。

⑽ 静岡市ホームページ、 「静岡市の人口・世帯」 (2013 年10 月 公 開 分 ) より(http://www.city.shizuoka.jp/

deps/kikaku/tokei_hp-jinkou_jyuki_j-index.html)

⑾ 「静岡市の将来推計人口」 (資料3)静岡市(2008 年11月) (http://www.city.shizuoka.jp/000085876.pdf) 。

⑿ 「市観光行政の一助に」静岡新聞(2008年7月

日、地域版)。

⒀ 2011年度においては、案内対象者総数30,053名 のうち、企画ウォーク(約

%)、一般ガイド

(約21%)、定点ガイド(4か所)(約63%)、小

学生対象(14%)であることから、前年度とあま

りその数字は変わらないことがわかる。

(13)

⒁ 静岡市経済局商工部観光・シティプロモーショ ン課興津氏への聞き取り(

2013

27

日およ び10月17日)より。

⒂ インターネット上の「とらべりんぐ」というブ ログには、2013 年1月21日、静岡市清水区興津 生涯学習交流館で開催された「清水区観光ボラン ティア養成講座」には、静岡市以外(浜松市、袋 井市、焼津市など)からの受講者もあったことが 載せられている(ブログ公開は2013年1月22日、

http://309uni.blog134.fc2.com/blog-entry-103.html)。

「駿府ウエイブ」のホームページ「駿府ウエイ ブの紹介」において、「平成23年

月23日

月会 員座学」では、「富士山世界遺産登録について」

として、座学研修(講師は「富士山世界文化遺産 登録推進両県(山梨・静岡)県民会議」静岡事務 局静岡県文化・観光部世界遺産推進課主査)が行 われたことが載っている(http://www1.mm22.jp/

sumpu/arc/9_/2013.09.22)。

⒄ 「全国観光ボランティアガイド」「報告書」「観 光ボランティアガイド人材養成研修の開催」に、

「平成24年度さいかいガイドの会(長崎県)」に 関 す る 資 料(http://www.nihon-kankou.or.jp/vg/pdf/

h24_saikaiguide.pdf)が掲載されていたことから、

筆者は「さいかいガイドの会」の北島氏からガイ ド研修で使用している教材(「さいかいガイドの 会「始めます!西海型まち歩き観光「まち歩き観 光ガイド養成講座」Part1 [観光ガイドと地域活性 化]」を入手した。「全国観光ボランティアガイ ド」における同団体の紹介では、同団体のガイド 料金は「500円/お客様

人につき」となってい る。

⒅ 内閣府

NPO

ホームページ「特定非営利活動法 人の活動分野について」 (平成25年3月31日現在)

には、 「観光の振興を図る活動」は改正特定非営 利活動促進法施行日(平成24年4月1日)以降に 申請して認証された分のみが対象、となっている

(https://www.npo-homepage.go.jp/pdf/bunyaichiran.

pdf

) 。

⒆ 調査方法は、同団体事務局長三宅氏に対する聞 き取りである。

⒇ 行政単位として「奥浜名湖エリア」は無いが、

2007

年における浜松市への合併前における引佐 町、三ヶ日町、細江町の3町で、現在の引佐地 区、三ヶ日地区、細江地区の3地区が奥浜名湖エ リアと考えられている。

この分野は同団体の法人申請時には分野項目に なかった。

「奥浜名湖観光まちづくりねっと」ホームペー ジ「奥浜名湖観光まちづくりねっと定款」より

(http://okuhamanet.com/about/teikan/)。

同団体事務局長三宅氏による表現。

たとえば、京都府木津川市「NPO 法人ふるさ

と案内・かも」による「地域を守り、地域を伝え る」活動(寺村

2009

4

)など。

出典は註⑶と同じ。「住民とのかかわりについ て」は、「地域資源に対する住民たちの間に存在 するずれ」に対する指摘がみられ、「あまりに日 常的なせいか、関心が薄い、幾つもの町村が合併 することで、住民自身の中に意識のずれがあるの ではないか、その解決策として、住民にとにかく 遺産の意義を認知してもらうことが大事、関心を もってもらうことが必要」という意見が掲載され ている(「平成

22

年度渋川伊香保大会」)。また、

「地域資源の保全と活用」では、「資源を守るため の取り組み」として「文化財保護レスキュー隊」

を作っている(加賀あいりすガイド)などがあ る。さらに、「東広島町は東広島を中心に近隣の

5町が合併してできた町で、山から海まであり、

なかなか共通点が見当たらないことから、合併の 前から1市5町を知ってもらうために、順番に巡 るツアーを企画して、それぞれの町の良さを発見 してもらう……(中略)……少しずつみんながつ ながっていくという形をとっている」とある(「平 成22年度渋川伊香保大会」)。

筆者が参加した兵庫県加西市の「加西市歴史街 道ボランティアガイド」によるガイドツアーで は、案内場所に対するガイドの個人的な関わりに ついての話を聞いた。また、同ガイドから聞いた ところでは、ガイドが同じでも、住民が個人宅の 中をみせてくれるときとそうではないときがあ る、という。

足助町観光協会発行の『足助 地域文化創造の

50年』には、「ボランティアガイドは観光資源の

ひとつ」(p. 45)という表現がある。

Ⅳ章で取り上げた「さいかいガイドの会」会長 へのインタヴュー記事には、「観光客に魅力を伝 え、リピーターにつなげ交流人口を拡大したい」

という同会会長の発 言が載せられている(長崎新 聞2013年9月27日「あの人この人」「「宝の島」

の魅力伝える」)。

参考文献

小林甲一 2009「持続可能な地域社会づくりに関す る一考察」名古屋学院大学社会科学編第45巻第

4号 pp. 1‒12.

寺村安道 2009「地域観光と地域振興 ─観光ボラ ンティアガイド組織の活動事例から観光まちづく りを考える─」RPSPP Discussion Paper No. 12. pp.

1‒15.

土肥健夫 2008『地域資源活用マニュアル』同友 館。

森岡清志編著 2008『地域の社会学』有斐閣。

林懿嫻・東秀紀・岡村祐 2012「横浜市の観光ボラ

ンティアガイド組織に関する研究:その育成方法

(14)

を 中 心 に し て 」『 観 光 科 学 研 究 』 ⑸ pp. 95‒

106.

首都大学東京機関リポジトリ。

藤井正 2008 「「地域」という考え方」藤井正他編 著『地域政策入門』ミネルヴァ書房 pp. 10‒20.

安村克己 2006『観光まちづくりの力学─観光と地 域の社会学的研究─』学文社。

安福恵美子 2012「観光という場が生み出すダイナ ミズム」『年報・中部の経済と社会 2012年度版  特集・地域創造としての観光』愛知大学中部地方 産業研究所 pp. 3‒14.

参考資料

足助町観光協会『足助 地域文化創造の50年』(足 助町観光協会創立50周年記念誌)2005年

月。

文部科学省科学技術・学術審議会、資源調査分科会 第28回会議(平成23年3月7日開催)配布資料 の一部(「地域資源の活用を通じたゆたかなくに づくりについて」 (資料

11)

(http://www.mext.go.jp/

b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/shiryo/1303081.

htm)。

静岡新聞「市観光行政の一助に」

2008

(地域版)。

さいかいガイドの会「始めます!西海型まち歩き観 光 「まち歩き観光ガイド養成講座」Part1 [観光 ガイドと地域活性化]」。

社団法人日本観光協会『地域紹介観光ボランティア ガイド運営活動マニュアル』

1999

年。

社団法人日本観光協会『地域紹介観光ボランティア ガイド活動の手引き』1999年。

公益社団法人日本観光振興協会「観光ボランティア ガ イド 組 織 の 現 況 」 (2013年1月 〜3月 調 査 )

(http://www.nihon-kankou.or.jp/vg/pdf/h24_houkoku.

pdf)

NPO

法人奥浜名湖まちづくりねっと「「NPO 法人奥 浜名湖まちづくりねっと」の紹介」(2013年7月

19

日)。

NPO

法人奥浜名湖まちづくりねっとホームページ

「奥浜名湖観光まちづくりねっと定款」(http://

okuhamanet.com/about/teikan/)。

静岡案内人・駿府ウエイブ『10周年の歩みと回顧』

[創立10周年記念誌]2008 年6月10日。

謝辞

 本稿執筆にあたりご協力いただいた「駿府ウエイ

ブ」会長川崎勝彦氏、静岡市経済局商工部観光・シ

ティプロモーション課興津昌利氏、「さいかいガイ

ドの会」北島淳朗氏、そして「NPO 法人奥浜名湖

観光まちづくりねっと」事務局長三宅淳子氏に厚く

お礼を申し上げる。

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