政策文書の紹介 :改訂 Et J 持続可能な発展戦略の概略
和達容子 *
Do c ume nt : t heRe vi s e dEUSus t a i na bl eDe ve l o pme ntS t r a t e g y
YbkoWADACHI
Abs t r ac t :Sus t a i na bl ede ve l opme nti sa nove r a r c hi nggoa loft heEur ope a nUni ons e touti nt heTr e a t y・
TheEU pr e s e nt e das t r a t e gyi n2001f わrmovl ngt owa r dt hi sgoa l .Fol l owl ngt her e vi e w oft het hi s s t r a t e gyl a unc he dbyt heCommi s s i ona ndont heba s i sofc ont r i but i onsf rom t heot he ri ns t i t ut i ons ,t he Eur ope a nCounc i la dopt e di nJ une2006ar e ne we dSus t a i na bl eDe ve l opme ntSt r a t e gyf わra ne nl a r ge d EU.I ti sc ompos e dma i nl yofke yob j e c t i ve sa ndpol i c ygui di ngpr l nC i pl e s ,a na l ys i sOfke yc ha l l e nges ( c l i ma t ec ha nge a nd c l e a n e ne r gy;s us t a i na bl et r a ns por t ;s us t a i na bl ec ons umpt i on a nd pr oduc t i on;
c ons e r va t i ona ndma na ge me ntofna t ur a lr e s our c e s ;publ i che a l t h;s oc i a li ncl us i on,de mog r a phya nd mi gr a t i on;a nd gl oba lpove r t y a nd s us t a i na bl ede ve l opme ntc ha l l e nges )a ndpr opos a l sf ♭rt a r ge t s
,ob j e c t i ve sa ndme a s ur e sont he m. I ta l s or e a f fi r mst hene e dt ogr a dua l l yc ha nget henon‑ i nt e gr a t e d a ppr oa c ht opol i c y‑ ma ki ng.
キー ワー ド ;欧州連合,持続可能 な発展, EU 環境政策,第 6 次環境行動計画, リスボ ン戦略
1.
は じめに持続 可能 な発展 は、 EU に とって達成すべ き 目的 と位置づ け られてい る 。1 993 年 に発効 した欧州連合 条約 の冒頭 、そ して第
2条 において明記 され、 EU の法 ・政策上一貫 して意識 されてきた原則 で もある。
2001 年 には翌年 に控 えた持続 可能 な開発 に関す る 国連会議 を念頭 に置いて 『EU の持続 可能 な発展戦 略 』 ( EU SDS) がま とめ られ、そ こで示 された指針 や提案 はその後の EU 政策全般 の立案 ・実行 の基礎 となった
1。当該戦略の示す持続可能性 は、環境 に限 らず、社会的な平等や結束、経済的な繁栄が ともに 達成 され るもの として とらえ られ てお り、『リスボ ン戦略 』2 との共存 ・補完 的関係 が強調 され るもので ある。それ は、環境的持続性 が既存の環境政策の枠 と手法 に とどま らず 、広 く経済 ・社会 システムによ って実現 され ることを意味す るもので もあった。
3その後 、EU は 2004 年 か ら次なる戦略の作成作業
*長崎大学環境科学部
受領年月 日
2 00 7
年4月 1 6
日 受理年月 日2 00 7
年 5月8
日を開始 し 、2006 年 6 月の欧州理事会 による 『改訂 EU 持続 可能 な発展戦略』採択‑ と結実 した。本稿 は、当該改訂戦略の概略 を、特 に環境的側面に焦点 を当てなが ら紹介す るものである。
2.新戦略採択の経緯
42005 年 1月、欧州委員会 は、持続可能 な発展戦略 下での政 策実績 と評価 をま とめた コ ミュニケ‑ シ
1
commi s s i on c ommuni c a t i on H A Sus t ai na bl eEur ope f ora Be t t e rWor l d:A Eur ope a n Uni on s t r a t e gy f or s us t ai na bl ede vel opme nt " ,COMt 2001 ) 246;Concl us i ons oft he Go t he nbur g Eur ope a n Counci l
,Bul l .61 2001 , pol nt S I. 9‑Ⅰ. 1 7.
2
1 0 年以内に 「よ り質の高い よ り多 くの雇用 と、よ り強 い社 会的 な結 束 を伴 って持続 可能 な成長 が 出 来 るよ うな、世界で最 も競争力 と活力 を持つ、知識 を基盤 とした経済」を構築す ることを 目指す。毎春 、
リスボン戦略による政策の レビューが行われている
。5EU の持続 可能 な発 展 と環境統合 に関 しては以下 を参照の こと。拙稿 「 EU の持続 可能 な発展 と環境 統合一環境統合 の概念、実践、欧州統合 との関係 か
ら」『日本 E U学会年報 』27 号 、2007 年。
和達容子
ヨンを提 出 した
5。同年 5 月 には、今後 の議論 の叩 き 台 として、また議論 を促す意図を持 って 『持続可能 な発展 を導 く政策原則 に関す る宣言草案』を提 出 し た
6。持続 可能 な発展 は、自由や人権尊重 を保証す る とともに現在 お よび将 来世代 の生活 の質 を継続 的 に改善す るこ とを 目指す もの として位 置づ け られ 、 4 つの具体的な 目的 と 1 0 の原則 を含 む内容 となって
い
る
。この間、欧州委員会 は持続可能 な発展戦略 の見直 しを公的諮問に掛 けてい る。その一環 として例 えば、
EU 域内の環境 団体 を包括す る欧州環境組織 ( EBB:
Eur ope a nEnvi r on me ntBur e a u) か らは、持続可能 な発 展戦略の強化 と実行 が求 め られ、 リスボ ン戦略 との 整合、経済イ ノベー シ ョン、知識習得 、社会的環境 的イ ノベ ー シ ョンの結合、適正価格 を通 じた市場 に よる持続 可能 な発 展 の実 現等 に強 い期待 が寄せ ら れた
7。2005 年 4 月 には、欧州経済社会評議会が欧 州 委員 会 との共催 で持続 可能 な発 展 戦 略 に関す る ステー クホル ダー会議 を開催 していた。
これ らか らの要望 ・意見 を受 け、2005 年 1 2月 、 欧州委員会 は、持続 可能 な発展戦略 を見直 し、既存
の枠組 み を さ らに発 展 させ るた めの提案 を含 む コ ミュニケーシ ョンを採択 ・提 出 した8 。新戦略のアプ ローチは旧戦略のそれ と大差な く、旧戦略で不十分 で あった部分 か ら次 の課題 を抽 出す る形 を とって い る。緊急の課題 を認識す ること ;域 内政策決定に 持続可能 な発展 の対外的側 面の要因、また対外政策 には域 内的側面の要因を盛 り込む こと ;進捗状況 を 測 り定期 的 に優 先順位 を見直す効果 的 な方 法 を提 案す ること ;加盟 国お よび EU の持続可能 な発展戦 略 間の一貫性 を持 たせ るこ と ;個 人 と組織 ( 企業 、 地方政府 、 NGO 、学術界、市民組織)の行動 の基礎
とな る もの を提供 してい くこ と等 が全体 と して求 め られ た9 。 そ の 中で強調 され たのは研 究 開発 、教 育 ・訓練 の役割 であ る。具体的な政策課題 としては 共 同体排 出権 取 引の割 り当て範 囲 の航 空機 な ど‑
の拡大、ポス ト 201 0年 の温暖化ガス削減 のための 国際協力 、再生可能エネル ギーの促進 、エネル ギー 効率のための行動計画作成 、建築物 にお けるエネル ギー消費 の 20%削減 、対外援助支 出の GD l比率 目 標値達成 な どが挙 げ られていた
10。表 1.Communi c a t i on… Ont heRe vi e woft heSus l ′ a i na bl eDe ve l o pme ntSt r a t e g y: Apl a t f わr mf わra c t i on" の内容 1.AFr a me wor kf わra c t i o n
2・Ma ki ngt hec ha nge:f oc us l ngOnke yI s s ue s 2. 1 . Cl i ma t ec ha ngea ndc l e a ne ne r g y
2. 2.Publ i che a l t h
2. 3.Soc i a le xc l us i on,de mog r a phya ndmi gr a t i on 2 . 4. Ma na ge me ntofna t u r a lr e s our c e s
2. 5.Sus t a i na bl et r a ns po r t
2. 6. Gl oba lpove r t ya ndde ve l o pme ntc ha l l e nges 3・De l i ve r l ngr e s ul t s
3. 1 . Mo r ee f fe c t i vef ol l o w‑ up 3. 2. Be t t e rpol i c yma ki ng
I mpr o vl ngPOl i c yc o he r e nc e:i mpa c ta s s e s s me nta ndo t he rbe t t e rr e gul a t i ont ool s Us i ngt hemos te f f e c t i vemi xofi ns t r ume n吐 s
Mobi l i z i nga c t or sa ndmul t i pl yi ngs uc c e s s 4.Conc l us i ons
ANNEXl :De c l a r a t i ononGui di ngPr i nc i pl e sf わrSus t a i na bl eDe ve l o pme nt ‑Counc i loft heEur ope a n Uni onPr e s i de nc yConc l us i o ns ,D( ) C 1 0 255 / 05,Br us s e l sEur o pe a nCounc i l1 6a nd1 7J une 2005.
ANNEx2: Ob j e c t i ve s , Ta r ge t s , Pol i c i e sa ndAc t i ons ‑Ge t t i ngpr ogr e s so nt heSDS.
ANNEX3:The2005Re vi e w oft heEU Sus t a i na bl eDe ve l opme ntSt r a t e gy:I ni t i a lSt oc kt a ki nga nd Fut ur eOr i e n t a t i o ns ‑COM( 2005) 37.
【出典】coMf 2005) 658 f i na l 、 p. 2.
に加 筆。4
すでに 2004 年 4 月 に欧州経済社会評議会か ら意 見
『EU 持続 可能 な発展戦略の評価』 が提 出 されてい る
。戦略 改訂 プ ロセ ス詳 細 につ いて は次 を参 照し 〕 ht t p: / / e c . e ur o pa. e u / s us t a i na bl e / s ds 200I / r e vi e w2005e n L ・ h t m( a c c e s s e don1 2. 4. 2007 ) .
5
H The2005r e vi e w oft heEUs us t a i na bl ede ve l o pme nt s t r a t e gy:i ni t i a ls t oc kt a ki ng a nd f ut ur e o r i e nt a t i ons " ,
COM( 2005 ) 3 7. Bu l l .1 / 2‑ 20 05, po i n t1 . 4. 35. SEC( 20 05 ) 2 25・
6
㍍ Dr a 氏de c l a r a t i onongui di ngpr l nC i pl e sf わrs us t a i na bl e
de ve l opme n t " ,COMt 2005) 21 8. これ は、2005 年 6 月の
ブラ ッセル欧州理事会 で採択 された。
7
Age nc eEu r o pe ,3Augus t200 4, p・ 5・
8
㍍ ont her e vi e woft heSus t a i na bl eDe ve l opme nt St r a t e g y・ . Apl a t f or mf o ra c t i on " ,COMt 2005) 658f i na l .
9
β 〟g / .1 2‑ 2005,1 . 4. 39.
m
Age nc eEu r o pe ,1 6De c e mbe r , 2005, p・ 1 4・
当該提案 は、欧州議会お よび理事会‑送付 され 、 欧州経済社会評議会、地域評議会か らの意見 を求 め、
欧州理事会‑掛 け られ た。欧州議会 は、2006 年 1 月 1 8日、持続可能 な発展 の環境的側面 に関す る決議 を 採択 していた。新 しい持続可能な発展戦略のガイ ド
ライ ンでは課題 に十分対応 できない ことを指摘 し、
よ り大胆 な内容‑ と強化す るよ う要求す るものであ った。特 に、環境 にや さしい交通形態‑のシフ ト、
バイオ燃料 の促進 、廃棄物量の根本的 な削減、持続 可能な建築 と都市計画、欧州委員会提案 にお ける十 分 な影響評価 の実施 、全テーマ戦略 の早期採択 に積 極的に取 り組む よ う主張 した。 また、航空機 に よる 大気汚染 に注 目し 、2008‑1 2 年度 には排 出権取引を 試験的 に導入す るこ とを提案 した
11。さらに、
6月 1 5日には、改訂持続可能 な発展戦略案 に関す る決議 を採択 した。次期戦略 は環境 と社会的側面 を犠牲 に して経済成長 に偏重 してい るとし、調 和の取れた発 展 の重要性 を喚起 したのである。欧州議会 によれ ば、
持続可能 な発展 は経済的好機や技術革新 ・投資のき っかけ として見なすべ きであ り、 と りわけエネル ギ ーや交通 システムの転換 によって 「 スマー トな成長」
が求め られた
12。理事会 レベル としては、各関係理事会が持続 可能 な発展戦略 を検討す ることになっていた。環境相理 事会は 2006 年 3 月に開催 され、そ こで本件が議題 の 一つ となった。概 ね 当該案 は歓迎 され 、消費 と生産 パ タンの変化、教育 ・研究の充実、生物多様性 問題
‑の対応 が重要課題 として取 り上げ られ、効果的か つ実際的なフォ ローア ップメカニズムの必要性 も強 調 され た。環境相理事会 としては、持続不可能 な経 済的 ・社会的 ・環境的傾 向をバ ランスの取れた方法 で解決 して
いかなけれ ばな らない とい う見解 で一致 したが、一部 の加盟 国か らは、 リスボ ン戦略 と持続 可能な発展戦略は相互補完的 ・相互支援的 とは言 う ものの
、2つの明確 な違い も維持 され なけれ ばな ら ないのではな
いか とい う意見が出 され た
13。一方、欧州経済社会評議会は、5 月 1 8日に、欧州 委員会提案 に関す る意見 を採択 していた。現状 を持 続不可能 な もの として把握 してい ることは評価す る ものの、 どのよ うな行動 を起 こすべ きかについては ほ とん ど語 られていない と厳 しく非難す るものであ った。 さらに、欧州委員会 は誰が何 をすべ きなのか
l
lBu l l ・1 / 21 2006, pol ntl ・ 20・ 5・
12
β〟 ′ ′ .6‑ 2006,1 . 21 . 5
13PRESSRELEASE
, 271 3 t hCounc i lMe e t l ng , Envi r onme
叫Br us s e l s ,9Ma r c h2006,Counc i loft he Eur ope a nUni on,6762/ 06( Pr e s s58 ) , p. 30.
と
いう役割分担 を明確 にすべ きであると付 け加 えた
14。環境団体 も当該案 については 「 欧州委員会 は正 し い方 向‑ 向かってい るが、まだ改善の余地がかな り ある」 と評 し
15、持続 可能 な発展戦略 を大胆 かつ現 実的な ものにす るために具体的な提案 を進 めてい く
よ う求 めていた。
3. 『改訂 EU持 続 可能 な発 展 戦 略』 の概 略
2006 年 6 月 1 5‑ 1 6日に開催 された欧州理事会 にお いて、『改訂 EU持続 可能 な発 展戦略』が採 択 され た
16。その概要は、以下の通 りである
。改訂 EU持続 可能 な発展戦略
『持続可能 な発展‑の責務 ( 1 ‑6 )
17持続可能な発展 とは、将来世代の必要 を満 たす能 力 を損 な うことな く、現代世代 の必要 を満 た してい くことである。 それ は、多様性 の中で生命 を支 えて い くとい う地球 の能力 を守 ることに関わ り、 自由 と 平等 な機 会 を含むデモ クラシー、男女平等 、結束、
法の支配 、基本的人権 の尊重 に基礎 を置 くものであ り、現在 と未来 の生活の質 と福祉 の持続的な改善 を 目指す ものである。 この よ うに位置づ け られた持続 可能 な発展 を実現 してい くために、EU は、文化的 多様性 を尊重 しなが ら、十分な雇用 、高 レベル の教 育 ・健康 ・平和で安全 な世界 にお ける社会的かつ領 域的結合 ・環境保護 な どを伴 ったダイナ ミックな経 済 を促進 して
いく
。改訂持続可能 な発展 戦略 の全体的 な 目標 は、EU が現在 と将来世代 の生活 の質 を継続的に改善 してい
くことが出来 るよ うにす ることである。そのために、
経済的繁栄 ・ 環境保護 ・ 社会的結束 を確認 しなが ら、
効率的に資源 を管理 ・使用 し、経済のエ コロジカル かつ社会的イ ノベー シ ョンの潜在力 を開花 させ るこ とができる社会 を創 造 して
いかなけれ ばな らないの である
。EUは 2001 年 に 『持続可能な発展戦略』 を採択 し ているが、 これ によって持続不可能 な発展傾 向が収
14
β〟 〟.5‑ 2006,1 . 21 . 1 .
1
5Age nceEur o pe ,9Ma r c h2006, p・ 1 4・
16
" pr e s i de nc yc o nc l us i onsoft heEur o pe a nCounc i lon t her e ne we dEur o pe a nSus t a i na bl eDe ve l o pme nt St r a t e g y
",1 0633 / 1 / 06; " Eur o pe a nCo unc i l : Ar e ne we d Eur ope a nSus t a i na bl eDe ve l opme ntSt r a t e gy" ,1 01 1 7 / 06.
17
括弧内の数字は、資料 において該 当す る段落番号
を示す。
和達容子
まることはなかった。 問題 は緊急性 を帯びてい るた め、長期 的視点 を持 ちつつ も短期的 な行動が必要で ある。特 に取 り組むべ き課題 は、現在 の持続不可能 な消費 と生産パ タン、そ して政策決定‑の非統合的 アプ ローチ を変化 させ てい くことで ある。
すでに欧州理事会 は、2005 年 6 月 に改訂持続可能 な発展戦略が基礎 とす る以下の 目的 と原則 に同意 し ている
。主要 目的
環境保護 、社会的平等 と結合、経済的繁栄、
政策 を主導す る原則
基本 的人権 の促進 と保護 、世代 内お よび世代 間の結束、開かれた民主的な社会、市民参加 、 ビジネ スお よび社会的パー トナー の参加 、政 策 の一貫性 とガバナ ンス、政策統合 、最 良有
■EU
持続可能 な発展戦略 と成長お よび雇用 のた め の リスボ ン戦略間の相乗効果 を活用す る ( 7‑9)
持続可能な発展戦略 とリスボン戦略は相互補完的 である。 リスボ ン戦略 は、持続可能 な発展‑の貢献 の うち競争力 ・経済成長 ・雇用創 出に焦点 を当てて お り、持続可能 な発展戦略はその重要性 を十分 に理 解 してい る。
{よ り良い政策決定 ( 1 0 ‑ 1 2)
EU
持続可能 な発展戦略は、 よ り良い規制お よび 持続可能 な発展 がすべての レベル にお ける政策決定 に統合 され る とい う原則 に基づいた よ り良い政策決 定‑のアプ ローチを設定す る。 この点か ら、影響評 価 、事後政策影響評価 、公 的参加 お よび利害関係者 の参加 な どが使用 され る。
■主要 な挑戦 ( 1 3)
環境 の悪化 、新たな国際競争圧力お よび国際的約 束 と結びついた経済的社会的課題 に留意 し、BU の 持続可能 な発展戦略 は、 7 つの主要 な課題 、それぞ れ に対応す る実施 日的 ・目標、行動 が含むべ き事項 を列挙 してい る。それ らの将来的デザイ ン と実行 は、
前述 の原則 に則 り、EU と加盟 国間で権 限分担 され ることになる
。気候変動 とク リー ンエネル ギー
全般的な 目的 :気候変動、その コス トと社会お よ
実施 日的お よび 目標
当面の 目標 は、京都議定書で約束 した 1 9 9 0 年比で の温室効果ガス 8 % 削減 目標 の達成 である。 それ を 実現す るために、すべ ての政策 で気候変動対策 を配 慮 して
いく
。具体的には、持続可能 な資源 の利用 を 進 めるこ と ( 共通だが差異 ある 目標 として、201 0 年 までにエネル ギー消費 の平均 1 2%、電力消費 の 21%
を持続可能な資源 でまかな う)、輸送手段 にお けるバ イオ燃料 の利用 ( 201 0 年までに、輸送燃料 の 5. 75%
をバイオ燃料 とす る : 2003 / 30/ EC指令) 、201 7年 ま での 9 年 間で最終エネル ギー消費の 9%を節約す る ( ェネル ギー ・エ ン ド・ユース効率お よびエネル ギ ーサー ビス指令) ことである。
含 まれ るべ き行動
201 2 年後の選択肢 を準備 してい くこ と 、 2020 年ま でに 1 5‑ 30% の温室効果ガス削減 を達成す るこ と、
エネル ギー効率行動計画の採択、上記 目標 を達成す るための手段の検討 ・分析 を行 うこと等。今後 の温 室効果 ガス排 出削減行動お よび研究支援対象 として は、エネル ギー効率 ・費用対効果 がキー ワー ドとな って、 自動車お よび航 空機 の排 出権取引、炭素隔離 お よび貯蔵 、バイオマス、 コジェネ レー シ ョンが挙 げ られ る。温室効果 ガス削減 とエネル ギー政策 は密 接 な関係 を持 ってい るが、後者 には安定供給 ・競争 力 ・環境 的持続性 が同時に求 め られ、均衡 の取れた 発展 にはエネル ギー市場か ら孤立 してい る地域‑の 配慮 、国家エネル ギー政策 にお けるエネル ギー ミッ クス実現‑の柔軟 な対応 な ど取 り組むべ き課題 があ る
。持続 可能 な交通
全般的な 目的 :交通 システムが経済 .社会 .環境
‑ もた らす 望 ま しか らざる影 響 を最 小 限 にす る とともに、当該 システムが経済的 .社会的 .環境
実施 日的お よび 目標
持続可能 な交通では、経済成長お よび交通‑の需
要が環境‑の悪影響 と結びついてはな らない。交通
か らの温室効果 ガス削減 ・健康 と環境‑ の影響 の最
小化 ・騒音削減 が求 め られ 、201 0 年 までに公共交通
の効率 とパ フォーマ ンスを促進す るた めの枠組み を 新 たにす る予定である。 また、直近の具体的な 目標 値 としては、軽税車か らの CO2 排 出戦略 に従い、平 均的新車は 20 08 / 9 年で 4 0 g / k m、2 01 2 年で 1 2 0 g / k m
の排 出を達成す ること
。2 0 0 0 年比で 2 01 0 年 までに 交通事故死 を半減 させ ることである。
含 まれ るべ き行動
今後の行動 については
、EU・加盟 国が ともに輸送 の経済的環境的パ フォーマ ンスの改善措置 に取 り組 む ことにな る。車か ら鉄道‑ といったモ ダル ・シフ トやモ ダル ・リンクはその一つであ り、内陸水路交 通のための行動 プログラム ( NAI ADES ) やマル コポ ー ロⅢプ ログラムによる トランス ・ヨー ロピア ン ・ ネ ッ トワー クやイ ンター ・モダル ・リンクの発展 な
ど道路交通 の代替手段 に焦点を当て る。 また、欧州 委員会お よび加盟国が国際海洋 ・航空交通 による悪 影響の低減や EU 燃料戦略 に取 り組む一方で、地方 当局は都市環境テーマ戦略 に沿 って都 市交通計画お よびシステ ムを発展 ・実行 していかなければな らな い。欧州委員会 は、イ ンフラ課金 について も検討 を 続 け 、 Eu r o vi g ne t t e
‑Di r e c t i v e の枠組みで遅 くとも 20 08 年 までに課金 の基礎 となる外部 コス ト評価モデル を 提案す る。 交通事故削減 については、道路イ ンフラ の改善、 自動車の安全、道路ユーザー の行動改善、
国境 を越 えた規制 による道路の安全確保 を行 ってい くべ きである。
持続可能 な消費 と生産
全般的な 目的 :持続可能 な消費 と生産のパ タンを
実施 日的お よび 目標
エ コシステ ム能力の中で社会的経済的発展 を実現 してい くことによって持続 可能な消費 ・生産 を推進 し、経済成長 と環境破壊 を分離す るこ と
。製 品 と製 造
プロセスの環境的社会的パ フォーマ ンスを改善 し、
企業 と消費者 による理解 を高めること。具体的な 目 標 値 と して は 、 2 01 0 年 ま で に グ リー ン公 共 調 達 ( GPP)EU 平均 レベル を最近の最 良加盟国実績 と同 等 レベル に引き上げるこ と。 また、 EU は環境テ ク ノロジー とェ コイ ノベー シ ョン領域 にお ける世界市 場 シェア を高めてい く。
含 まれ るべ き行動
欧州委員会 と加盟国は、持続可能 な消費 と生産 を
もた らす ための行動 を E U レベルお よび グローバル な レベル で、 とりわけ国連マ ラケシュプ ロセス と持 続可能 な発展委員会 ( CS D) を通 じて発展 させ てい くだろ う。 この文脈で、欧州委員会 は EU 持続可能 な消費 と生産行動計画 を 20 0 7 年 までに提案す る。こ れ は、持続可能 な消費 と生産 に向けて障害 を取 り除 き、異 な る関係政策 間の一貫性 を保 ち、市民の認識 を高め、持続不可能 な消費習慣 を改めることを 目指 す ものである。 また、欧州委員会 と加盟 国は、製品 と製造プ ロセスの環境 的社会的パ フォーマ ンス 目標 を設定す るために企業や関係者 と対話 を進 め、環境 技術行動計画 ( ETAP) を実行す ることによって経済 的環境的イ ノベー シ ョンお よび環境技術 を促進 ・普 及 してい く
。GP P とそのベ ンチマーキングの促進 に も取 り組 む。 さらに、欧州委員会 は、パ フォーマ ン ス ラベ リングスキームを電気機器お よび 自動車か ら 他 の環境 に影響 を与 えるもの‑ と拡大す る提案 を し、
加盟国は環境的に健全 な製 品、有機農業、フェア ・ トレー ドか らの製 品な ど持続可能 な生産 を促進す る ための情報提供 を行 うべ きである。
天然資源 の保全お よび管理
全般的な 目的 :エ コシステ ムサー ビスの価値 を認 識 しなが ら、天然資源 の管理 を改善 し、過剰 開発
実施 日的お よび 目標
再生能力 を超 えない範囲での持続可能 な資源 の使 用、エ コ効率イ ノベー シ ョン、ライ フサイ クル思考、
リユース、 リサイ クル な どによって資源効率改善を 目指す。 また、漁業 ・生物多様性 ・水 ・空気 ・土壌 な ど再生可能資源 の管理 を改善 し過剰 開発 しない こ と、ヨハネスブル グ ・プラン ( 2 0 0 2 年)に沿 った海 洋エ コシステムの回復 、201 0 年 までに生物多様性 の 喪失 を半減 させ ること 、2 01 5 年 までに森林 に関す る 4つの国連 グローバル 目的達成 に貢献す ることであ
る。
含 まれ るべ き行動
加盟国 と欧州委員会 は、 農業 ・ 漁業政策 において、
地域開発 プ ログラム、漁業基金 、バイオマス行動計 画 、有機 農 法や動物福祉 のた めの新 しい立法枠組 み ・プ ログラムを通 じて更なる措置 を進 めて
いく。
持続可能 な天然資源使 用 に関す る EU 戦略の作成、
統合 された水資源 の管理で も協働 して
いく
。さらに
加 盟 国は、 Na t u r a 2 0 0 0 ネ ッ トワー クの完成や 2 01 0
和達容子
年 までに生物多様性 の喪失 を半減 させ るための具体 的措置 を とらなけれ ばな らない。持続 可能 な森林管 理は 、2006 年 の森林行動計画の採択お よび欧州森林 保護 に関す る大臣会合 にお ける約束 によって強化 さ れ る。
公衆衛 生
全般的な 目的 :平等 で良好 な公衆衛 生 を促進 し 健康‑ の脅威 か らの防御 を向上 させ ること
。実施 日的お よび 目標
健康‑の脅威 に対す る防御 の向上、食 品 ・飼料規 制 の改善、動物の健康 と福祉 の促進 、社会的経済的 に不利 なグループや地域 に存在す る慢性的生活習慣 病 の低減 、加盟国内 ・加盟 国間の健康格差解消 を他 の国際協力 な ども考慮 しなが ら目指す。 また、環境 汚染や健康影響 に関す る情報提供 を改善 し、 自殺 リ スクも減 らして
いく
。具体的 目標 としては 、REACH 指令 の採択 によって 、2020 年 までに化学物質が人 間 の健康 と環境 に重大 な脅威 をもた らさない方法で製 造 ・管理 ・使用 され ること、適 当な代替品や技術 に
よって取 って替わ られ るこ とである。
含 まれ るべ き行動
欧州委員会 は、加盟 国、欧州疾病予防管理セ ンタ ー ( ECDC) 、 WHO と協力 して 、EU ・加盟国 レベル で健康 の脅威 に対処す るための能力 を既存の行動計 画 を改良す ること等で強化 して
いかなけれ ばな らな い。情報 の提供 も増やす。 また、欧州委員会 と加盟 国は、精神 を含む健康 の増進 ・疾病予防を進 めてい く。具体的 には、慢性疾患対策、欧州委員会 による HI V/ AI DSEU 戦略の実行 、加盟国に よる第 3 国にお ける HI V/ AI DS ・結核 ・マ ラ リア と闘 う EU 行動 プ ロ グラムの実行 、子供 の環境健康行動計画 ( CEHAPE) や交通 ・健康お よび環境パ ン ・ヨー ロッパ
プログラ ム ( THEPEP) の実行 、 vo c‑留意 した室内気質 の 改善戦略の提案である。食 品規制 については、食 品 と飼料 の安全 に関す る規則 ( EC 1 78 / 20 0 2) の 1 4 条 お よび 1 5 条 の原則 に従 って さらな る改善 を図 る。十 分 な リス ク評価や リスク管理 に基づいて決定が行 わ れ るこ とを加盟 国、ステー クホル ダー、市民‑保証 す るために、特 に遺伝子組 み換 え食 品 ・飼料 の生産 システム と使用 について改善す る。
社会的包摂 、人 口学、移 民
全般的な 目的 :世代 間お よび世代 内の結束 を考慮 す る こ とに よって社会 的排他性 を持 た ない社 会 を創造 し、永続 的な個人の福祉 の前提条件 として
実施 日的お よび 目標
EU は 、201 0 年 までに貧 困 と社会的排除 リスクの ある人 々を削減す るための措置 を とる。文化的多様 性 の尊重 と同様 に加 盟国お よび EU レベル での高い 社会的領域的結合 も確実 に して
いく
。人 口学的変化 の視点か ら加盟 国に よる社会保護 の近代化 を支援 し て
いく
。移民問題 と雇用問題 は重要なイ シューで あ り 、201 0 年 までに移 民の雇用増加 、女性 ・高齢者雇 用 の増加 、移民統合 、身体障害者 の労働市場参加 、 若年層 の雇用促進等 に取 り組む。
含 まれ るべ き行動
2006 年 3 月 に欧州理事会 に よって支持 された 「 社 会保護 お よび社会包含 のための新 しい 目的 と作業手 法」 に基づ き、加盟 国 と欧州委員会 は裁量的政策調 整 ( OMC) を使 って子供 の貧 困削減 と平等 な機会 の ために協力 して
いく
。" 一般的利益 の社会サー ビス"
に関す るコ ミュニケーシ ョン、 ヨー ロッパ の若者条 約 、欧州男女平等協定 の実行 も上記 目的に関係す る
。高齢社会化 が進む ヨー ロッパでは年金 の持続可能性 と十分性 がこれか ら 1 0 年 の重要なイ シューであ り、
加盟国は公的負債 を減 らし、雇用 と生産性 を上 げ、
医療 と長期的医療 システムの改革 を行 わな くてはな らない。欧州委員会 は 2006 年 に人 口学的課題 と対応 策 に関す るコ ミュニケー シ ョンを採択。加盟 国 も人 口動 向による土地利用、資源 ・エネル ギー消費 な ど
‑の影響 と対策 につ いて検討 しなけれ ばな らない。
移 民政策 について も継続 して発展 させ 、2006 年 には 不法移 民対策 の将来的優先事項 に関す るコ ミュニケ ー シ ョンを提 出予定である
。グローバルな貧 困 と持続 可能 な発展 の挑戦 全般的な 目的 :世界的規模 で持続 可能な発展 を積 極的 に促進 し、 EU の域 内お よび対外政策 を地球 規模 の持続 可能 な発 展 とそ の国際的責務 に一致
実施 日的お よび 目標
EU は、 ミレニアム宣言 、持続可能 な発展サ ミッ
ト、開発財政 に関す るモ ン トレイ合意、 ドーハ 開発
アジェンダ、援助 に関す るパ リ宣言 な どの国際合意 か ら生 じる約 束 を果 た し、 国 際 環 境 ガバ ナ ン ス ( I EG) の向上、多国間環境合意 ( MEAs )の強化 に貢献 してい く。対外援助 は 201 0 年 に GNI の 0. 56%、
201 5 年 ま で に 0. 7%を達 成 す る こ とを 目指 す 。 2005 1 201 0 年 で EU と加盟国の援助政策 の効率 ・ 一貫 性 ・質の向上に取 り組む。 WTO 交渉 を含 め EU 対外 政策すべてに持続可能 な発展の関心 を盛 り込んでい
く
。含 まれ るべ き行動
ヨハネ スブル ク再生可能エネル ギー連合、国際化 学管理 ( S AI CM) ‑の戦略的アプ ローチ 、 EU の Wa t e r f o rLi f e イニシアテ ィブ、貧 困根絶お よび持続可能 な 発展のた めの EU エネル ギーイニシアテ ィブ、アフ リカ ・ラテ ンアメ リカお よび太平洋 に関す る EU 戦 略等 を実行す ること 。 EU プ ログラム枠組みの発展。
開発援助 は多角的アプ ローチが必要で、国際貿易や 投資 もグローバルな持続 可能な発展の道具 として と
らえる
。その主体の一つである欧州投資銀行 は ミレ ニアム開発 目標 と持続可能 な発展 を達成す ることに 対す る貸借 を評価 して
いかなけれ ばな らない。 また EU は国連環境計画 ( UNEP) を国連環境機構 ( UNEO)
‑格上げ改組す る立場 で協力す るべ きであろ う。
『知識社会‑貢献す る領域横 断的政策
・教育 と訓練 ( 1 4‑1 7)
教育は、行動 を変化 させ 、持続可能 な発展 に必要 な権限 を市民に与 えるために不可欠で ある。社会的 結合や雇用促進 にも貢献す る。" i 201 0‑ 成長 と雇用の ための欧州情報社会"に関す るコ ミュニケー シ ョン な ど EU レベル の試 み、国連 ・持続 可能 な発展のた めの教育 の 1 0 年 ( 2005‑201 4) な どの国際的約束 の 一環で行動 を とってい く。
・研究 と開発 ( 1 8‑2 1 )
持続可能 な発展 のための研究は、短期的決定 を支 援す るプ ロジェク トや長期的な視点 を持 った概念 を 含 まなけれ ばな らず、地球規模や地域 の問題 を解決 しなけれ ばな らない。領域 内 ・領域 を超 えたアプ ロ ーチを促 し、科学 ・政策決定 ・実行 の間の溝 を橋渡 しす るもの、社会 ・経済 ・エ コロジカル システム間 の相互関係 、そ して リス ク分析 、バ ック‑ フォアキ ャステ ィング、予防システムの方法論 と手段 の研究 が求め られ てい る。 この点で、第 7 次研究 ・技術 開 発 ・公 開活動 のための枠組みプ ログラムお よび環境 技術行動計画の実行 が重要である。
■財政的経済的手段 ( 22‑25)
市場 の透明性 と適正価格 を実現す るために適切な 経済的手段が使用 され な くてはな らない。課税や補 助金 の在 り方 も環境 を配慮 した ものに改革 してい く
。EU 資金 が持続可能 な発展 を促進す るのに最適 な方 法で使用 され るために、結束基金 、地域開発 、 Li f e 十、
研 究技術 開発 、競争お よび革新 プ ログラム ( CI P) 、 欧州漁業基金
(EFF)な ど共同体手段や共 同財政 メ カニズム間の補完性 と相乗効果 を高め るよ う加盟国
と欧州委員会で調整 しなけれ ばな らない。
■コ ミュニケーシ ョン、アクターの動員、蓄積す る 成功 ( 26‑32)
EU は、持続 可能 な発展 に情報 、認識 、 コ ミュニ ケー シ ョン活動が果たす役割 の重要性 を認識 し、「 欧 州持続可能な都 市 ・町キャンペー ン」、オー フス条約 等 の実行 に関 わ って い く
。地方 自治 体 も Aa l b o r g co mmi t me n t s の署名 ・実行 が待たれ る。 CRS も高め
られ るべ きである。
■実行 、モニタ リング、フォ ローア ップ ( 33‑45) 欧州委員会 は 、2 年毎 に 、EU と加盟 国にお ける持 続可能 な発展戦略の実行 に関す る進捗 レポー トを提 出す る
。また、 EUROS T ATS DMo n i t o r i n gRe p o r tを 考慮 に入れ、 EU レベル のモニ タ リングに関 して持 続可能な発展指標 ( S D I ) を使用 してい く
。加盟 国 は、国家持続 可能 な発展戦略 ( NS DS) を 点検 して
いく
。さらに優 良事例 の交換や優先的なテ ーマに関す る見解 を収集す るために欧州持続可能な 発展ネ ッ トワー クを利用す る。 また、持続可能 な発 展 に関す るマルチステー クホル ダー国家諮 問理事会 を設 立 ・強化 し、 NS DS の準備や点検 に貢献 させて い く
。欧 州 環 境 と持 続 可 能 な 発 展 諮 問 理 事 会 ( EE AC) ネ ッ トワー クを使用 して参加や政策 間の リンクも
行ってい く
。なお、遅 くとも 201 1年までに次の EU 持続可能 な 発展戦略 の見直 し開始 時期 を決定す る。
4. 結 語 に代 えて :継 続 され た戦 略
戦略内容 については、環境面 ・社会面 に配慮 した よ り大胆 な提案 を盛 り込むべ き と
いう意見が事前に 寄せ られ たが、欧州理事会 は実現可能 な案 を採択 し た
18。以前 か らの基本路線 に大 きな変更 はない。 山
18
Age nc eEur o pe ,1 6・ J une ・ 2006, p・ 1 5
和達容子
積 した問題 、特に環境面の問題 とその閉塞 した問題 状況 を認識 しなが らも、それ を打開す る画期的な概 念 ・ 手段 を打 ち出す こ とはなかった。戦略の成否 は、
今後の具体的な政策展 開 ・実行 の蓄積 に委ね られ る ことにな る。
持続可能 な発展 の環境的側面 につ いては、狭義 の 環境政策手法 に限定せず に、経済活動 を含む幅広 い 政策 ・活動 の中で環境 に配慮す るこ とが求 め られ て い る。第 5 次環境行動計画か ら第 6 次環境行動計画
‑移行 した際、 EU 環境政策 は、規制的手法重視 の アプローチか ら持続 可能 な経済活動 ・市場 による環 境配慮 の実現‑ と大 き く関心をシフ トさせた。 この 傾 向は定着 した感 があ る
。同時に EU は、再生可能 エネル ギーの開発 と普及 が二酸化炭素の排 出抑制 に な るだ けでな くエネル ギー安全保 障 にも貢献す るよ うに、持続可能 な発展 が多 くの領域 で リンク し肯定 的な効果 を生 じさせ る と繰 り返 し訴 え、総合的な視 点 と対応 を求 めてい る。新戦略 において も、技術 開 発や環境イ ノベー シ ョンによる環境 問題 の解決 と国 際競争力 の強化 が強 く意識 されてい る。 しか し、 リ スボン戦略 と持続可能 な発展戦略 の関係 が しば しば 議論 を呼んでい るよ うに、一体化 した発展がその重 心 を 3 本柱 の間の どこに置 くべ きなのかについては 未 だ試行錯誤 の状態 にある と言 わ ざるを得 ない。
一方、以上のよ うな政策 内容 とは別 に、取 り組 み か ら得 られ る政治的な意義 については EU 内に‑一 定 の共通理解 が存在 してい る。問題 に早期 に取 り組 ん で成果 を挙 げてい くこ とが世界的 レジームにお ける 主導権掌握 につなが ること、特 に環境的側面は各 国 民の関心 も高 く、環境 を制す る者 は経済 を制 し得 る とい う点か らも、その取 り組みの重要性 は再度確認 され るこ ととなった
19。19