橿原市女性職員活躍推進アクションプラン
(はじめに)
現在、少子・超高齢化や地方分権の進展に伴い、市民に身近なサービスを提供する地 方公共団体の役割は、ますます重要となって います。橿原市においても、限られた経営 資源のもとで組織力のさらなる向上を図り、持続可能なまちづくりを推進するためには、 性別にかかわらず、すべての職員が能力を十分に発揮できる組織づくりが求められてい ます。 国においては、女性の活躍を成長戦略の中核と位置づけ、積極的な取組が進められる なか、本市としても、女性の活躍は、緊急かつ戦略的に取り組むべき課題であると認識 していることから、女性職員10名による委員会を立ち上げ、女性の視点から現状や課 題を踏まえ提言をいただき、この度「女性職員活躍推進アクションプラン」を策定しま した。 女性職員が活躍するにはワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進は欠 かせません。本市では、これまでの長時間在庁・長時間勤務を前提としたワークスタイ ルでは、組織も個人も立ちゆかなくなるとの問題意識から 、過重労働対策等を含む、橿 原市特定事業主行動計画の推進に取り組んできました。 ワーク・ライフ・バランスが進むと、すべての職員にとって働きやすい職場になるだ けでなく、政策・方針決定過程に女性職員が参画しやすくなります。また、女性職員が 参画することで多様な視点が反映され、多様化している市民のニーズに新しい発想でこ たえることができ、市民満足度もさらに向上すると期待できます。 このように、積極的に女性職員の活躍を推進することは、女性の優遇ではなく、すべ ての職員にとってメリットがあり、組織の活性化にもつながると考えます 。 本市における男女共同参画が目に見えて進み、すべての職員が個性と能力を十分発 揮 し、活気あふれる職場となることを期待するとともに、女性職員が輝く能力を発揮でき るよう取り組みます。 平成28年4月 橿原市長 橿原市議会議長 橿原市選挙管理委員会 橿原市代表監査委員 橿原市農業委員会 橿原市公平委員会 橿原市教育委員会(参考:女性の活躍推進に関する最近の国の主な動き)
■「『日本再興戦略』改訂2014」(平成26年6月)における位置づけ
女性の更なる活躍促進が改訂戦略における鍵となる施策の一つとして掲げられ、女性 の活躍加速化のための新法の制定等が盛り込まれました。■「すべての女性が輝く社会づくり本部」の設置、政策パッケージの取りまとめ
女性の力が十分に発揮され、我が国社会の活性化につながるよう、平成 26年10月、 内閣に「すべての女性が輝く社会づくり本部」が設置され、早急に実施すべき施策が 「すべての女性が輝く政策パッケージ」として取りまと められました。■女性の職業生活における活躍の推進に関する法律成立
女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、豊かで活力のある社会を実 現することを目的として、下記の3点を柱とする法案が平成27年8月28日に成立し ました。 ①国が策定した基本方針を勘案して地方公共団体は当該区域内における女性の職業 生活における活躍について推進計画を策定する ②国が策定した事業主行動計画策定に関する指針をもとに 地方公共団体および民間 事業主は事業主行動計画を策定する ③女性の職業生活における活躍を推進するための支援措 置として、国は職業訓練・職 業紹介、啓発活動、情報の収集・提供等を行い、地方公共団体は相談・助言等に努 める(計画策定の趣旨)
本市においては、これまで、採用、配置、研修、昇任など、男女の区別なく「橿原市 人材育成基本方針」に沿って人材育成を進めてきました。計画の策定にあたり実施した 職員意識調査によると、女性は、仕事と生活の両立の負担や管理監督職としての責務に 対する不安などから、管理監督職への昇任意向は、男性 約5割に対して女性は3割強に とどまりました。また、「管理監督職になる能力に自信がない」、「管理監督職になる と、仕事と家庭の両立が出来なくなる」と考える女性職員はあわせて5割を超えていま す。特に、女性職員は出産や子育て等のライフイベントの 影響も大きいため、能力が発 揮しきれていない状況も伺えます。 全ての職員が持てる能力を十分に発揮できる活力ある組織づくりに向け、女性職員の さらなる活躍推進に向けた取組が求められます。(計画の位置付け)
本計画は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第 15条に基づき、橿原 市長、橿原市議会議長、橿原市選挙管理委員会、橿原市代表監査委員、橿原市農業委員 会、橿原市公平委員会、橿原市教育委員会が策定する計画であり、「橿原市人材育成基 本方針」を踏まえ、女性職員の活躍推進のための取組の方向を定め るものです。「橿原 市特定事業主行動計画」と、本計画の趣旨は連携するものであり、ともにワーク・ライ フ・バランスを推進するものです。(計画期間)
本計画は平成28年4月1日から平成32年3月31日までの4 年間です。 「橿原市特定事業主行動計画(第2期前期)」と連携し、相互に関連した目標をクリア できるよう努力します。(計画の推進体制)
計画内容の実施にあたっては目標を達成 するために、計画の推進体制を整える必要 があります。推進体制として「女性職員活躍推進アクションプラン検討委員会」を開 催することにより、取組の進行状況を確認し、課題に取り組みます。 委員会では、具体的に次の項目を実践しながら、計画の進行管理を行います。(1)女性職員活躍推進アクションプラン検討委員会を年に1回以上開催し、委員会 において計画の進行状況を報告するとともに市民に公表する。 (2)庁内LANを活用し、計画の内容を定期的に掲載する。
(女性の活躍により期待できる効果)
女性の活躍推進は、これからの社会環境の変化を捉えた経営戦略の一つとして取り組 まなければなりません。国の動向や本市を取り巻く環境の変化などを踏まえながら、本 市が女性活躍推進の必要性や効果を明らかにし、組織全体で共通認識を持って取り組ん でいくことが重要となります。 (1)優秀な人材の確保 働きやすく、働きがいのある職場環境を整備し、本市の女性職員活躍推進の取組を広 く庁内外に発信することにより、男女を問わず、本市で働いてみたいと思う意欲の高い 多くの人材が集い、ひいては優秀な人材の確保につながることが期待でき ます。 (2)組織力の向上 企業において女性の参画を進めることで、業績への好影響も期待されており、実際に 海外や国における研究 でも女性が活躍するこ とで企業イメージや業 績 が伸びたなどの 報告がなされています。これは、女性が活躍できる企業風土が相乗効果を生み、業績に 良い影響を与えるものとされ、働き方を見直し、多様なライフスタイルを持つすべての 人にとって働きやすい組織づくりのための取組が仕事の効率性を高め、多様な人々の能 力・発想を活かすことにつながっているためです。 本市においても、今後ますます複雑・多様化する市民ニーズや社会構造の変化に、柔 軟かつ的確に対応していくためには、様々な視点から課題を明らかにしながら、きめ細 かな対応を行っていく必要があります。女性の活躍に向けた取組を積極的に行うこと で、 職員個々のワーク・ライフ・バランスに対する意識の醸成や相互理解が図られ、女性だ けでなく、男性にとっても、仕事と生活の両立が図られ、働きやすく、働きがいのある 職場環境が創出され、新たなアイデアや付加価値を生み出すなどの相乗効果 が得られ、 ひいては組織力の向上が期待できます。(3)市民サービスの向上 市民ニーズが複雑・多様化するなか、市民協働によるまちづくりを推進していくため には、市民の生活により密着し、地域と職員がともに知恵を出し合い、多様な価値観を もって行政課題に対応し、施策に反映していくことが求められます。女性職員が行政の あらゆる分野の政策の企画立案から意思決定過程に参画する機会を拡充 することで、女 性の視点を政策に反映するとともに、女性ならではの視点から、様々な市民ニーズを的 確に捉え、きめ細かな対応を図ることで、質の高い市民サービスの向上が期待できます。
(データからみる本市の現状)
(1)本市における女性職員数の現状(H27年12月現在) 単位:人 年代 女性 男性 合計 女性割合 29 歳未満 94 75 169 55.6% 30~39 歳 98 148 246 39.8% 40~49 歳 82 194 276 29.7% 50 歳以上 69 192 261 26.4% 合計 343 609 952 36.0% (2) 本市における職員採用試験受験者割合 単位:人 試験実施年度 女性 受験人数 男性 受験人数 全受験者数 女性割合 H25 375 451 826 45.4% H26 288 410 698 41.3% H27 258 258 516 50.0% ※保育士を含む全職種の受験者数 ※任期付職員は含まない(3)女性職員の新規採用割合
単位:人 年度 女性 男性 採用者数 女性割合 H23 21 18 39 53.8% H24 17 14 31 54.8% H25 16 18 34 47.1% H26 18 14 32 56.3% H27 25 12 37 67.6% H28 25 12 37 67.6% ※保育士を含む全職種の新規採用者数 (4)離職率の男女差 単位:人 年度 退職者数 A うち女性 B うち男性 C 全職員数 D 離職率 A/D×100 女性離職率 B/D×100 男性離職率 C/D×100 H23 13 8 5 906 1.4% 0.9% 0.6% H24 11 7 4 892 1.2% 0.8% 0.4% H25 13 7 6 891 1.5% 0.8% 0.7% H26 15 9 6 888 1.7% 1.0% 0.7% H27 8 4 4 881 0.9% 0.5% 0.5% ※定年退職者及び再任用は含まない (5)超過勤務の状況(再任用含む)(特定事業主行動計画資料より) 年度 対象者数 時間外勤務 年間時間数 1人当たり (年間) 1人当たり (月間) 年間 360 時間以上 人数(割合) H23 651 74,751 時間 114.8 時間 9.6 時間 32(4.9%) H24 661 89,967 時間 136.1 時間 11.3 時間 60(9.1%) H25 649 89,964 時間 138.6 時間 11.6 時間 55(8.5%) H26 715 88,616 時間 123.9 時間 10.4 時間 57(8.0%)
(6-①)階級別女性割合(H27年12月現在)
単位:人 級 女性 男性 女性割合 職責 女性 男性 女性割合 1 64 56 53.3% 主査以下 226 266 45.9% 2 44 43 50.6% 3 118 167 41.4% 4 34 56 37.8% 係長 統括調整員 68 166 29.1% 5 34 110 23.6% 6 24 86 21.8% 課長補佐 以上 49 177 21.7% 7 23 55 29.5% 8 2 36 5.3% 合計 343 609 36.0% 合計 343 609 36.0% (6-②)年代別階級(H27年12月現在)単位:人 級 年代 女性 男性 女性割合 4 30~39 歳 8 16 33.3% 40~49 歳 26 38 40.6% 50 歳以上 0 2 0% 5 30~39 歳 0 1 0% 40~49 歳 30 86 25.9% 50 歳以上 4 23 14.8% 6 40~49 歳 9 46 16.4% 50 歳以上 15 40 27.3% 7 40~49 歳 1 15 6.3% 50 歳以上 22 40 35.5% 8 40~49 歳 0 1 0% 50 歳以上 2 35 5.4% 合計 117 343 34.1%
(7)育児休業取得率(特定事業主行動計画資料より) 単位:人 年度 取得総数 女性 男性 男性取得率 H23 27 25 2 12.5%(2/16) H24 33 32 1 3.7%(1/27) H25 28 27 1 5.9%(1/17) H26 18 18 0 0%(0/17) ※男性取得率=男性取得者数/男性育児休業取得対象者人数 (8)男性の配偶者出産休暇等の取得率(特定事業主行動計画資料 より) 単位:人 年度 対象者数 取得者数 取得率 H23 16 4 25.0% H24 27 8 29.6% H25 17 4 23.5% H26 17 6 35.3%
(職員アンケート調査について)
本計画に反映させるため、平成28年1月 6日から平成28年1月15日の期間に 職員アンケートを実施しました。 アンケートは再任用、臨時職員を除く全職員865人を対象に実施し、81.8% に相当する708人から回答がありました。アンケート結果
問1 性別
問2 年齢
問3 既婚・未婚
問4 家庭の状況
問6 「育児」又は「養育」中心者
問7 家族の介護状況
問8 介護状況中心者
・ 本市職員に占める女性職員の比率は36%です。 ・ 係長、課長補佐、課長と職位が上がるごとに女性の比率が低くなる傾向にあります。 ・ 組織の中核となる中堅職員から管理監督職にあたる年齢層は、出産・育児、その後 は介護が重なる場合が多くなっています。 ・ 一般職(非管理監督職)の昇格意欲は、女性では課長補佐までが32%(男性32%) 課長まで11%(男性28%)、部長・副部長までが8%(男性30%)となり、 女性の管理監督職への昇格意向は半数しかなく、管理監督職の中でも上位職になる ほど低くなっており、男性と大きな相違があります 。 ・ キャリアを考えるうえでの不安として、女性の 39%(男性18%)が、仕事と家 庭生活との両立の負担感を挙げています。また、管理監督職になりたくない理由ま たは今以上の上位の管理監督職になりたくない理由として も女性の21%(男性7 %)が「仕事と家庭の両立ができなくなる」を挙げています。 ・ 管理監督職になりたくない理由または今以上の上位の管理監督職になりたくない理 由で最も多かったのが「自分の能力に自信がない」女性が31%(男性24%)でし た。専門的な研修や能力の向上、相談相手や目標となる同姓の管理監督職の存在が 大きいと考えられます。
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女性職員が働き続けるために必要だと思う事は男女とも「職場での協力・理解」、 「家族の協力・理解」が30%以上ありました。 多くの男性職員もこのような意識 を持っていることはワーク・ライフ・バランスに対する取組の成果であると考えら れます。(具体的な取組内容)
各数値目標は、平成32年度までに達成できるよう取り組みます。1.職員の意識醸成
この計画を実りあるものとする為には、具体的な行動が必要であり、行動には 意 識が伴わなければ何も変わりません。一人ひとりの職員が、仕事と育児・介護が両立 しやすい職場環境づくりをめざす意識の醸成に努めます。 1)産前・産後からの代替職員の確保 母性保護及び母性健康管理の視点から女性職員が安心して産前・産後休暇を取得 するためには、業務を代替する職員の確保が重要であることから代替職員の確保に 努め、出産から育児まで安心して休暇取得できる環境整備に努めます。
2)制度(育児休業等)を取得しにくい職場環境からの脱却 「女性職員の活躍推進」を進めるためには、「職員の意識啓発」と「現行制度を 活用しやすい職場環境づくり」が重要です。 庁内イントラネットにて、掲載されている「 いくじのススメ~子育て職員のため の休暇制度ハンドブック~」「ワーク・ライフ・バランスを実現するためのコツ」 「介護のススメ~介護を担う職員のための休暇制度ハンドブック~ 」等を積極的に 活用し制度の周知に努めます。 育 児 休 業 等 に 対 す る 職 員 の 意 識 改 革 を 進 め 、 男 性 職 員 の 育 児 休 業 等 の 取 得 を 各所属管理監督職より必ず声をかけ、促します。 他の職員への負担のため、後ろめたい気持ちで制度を取得する職員、業務に支障 が生じるために制度を利用しない職員を無くすように、多様な働き方を認め、「お 互い様」の気持ちを持ち、取得を希望する職員が 遠慮なく制度を利用できる職場環 境づくりに取り組みます。 (目標数値) 男性職員の育児休業取得率を過去4年間の平均取得率に対して倍増となるよう努 めます。 ※平成23年~平成26年平均取得率=5.5% 2.キャリア形成の促進 今後、様々な分野で女性の活躍が見込まれ 、行政の各分野においても、将来の管 理監督職となる女性職員の育成が求められます。専門職も含めて 女性職員の活躍は、 組織能力の向上となるとともに、行政サービスの充実にもつな がります。キャリア 形成を支援するために、男女を問わず、職員には可能な限り早期に様々な業務経験 を与え、マネジメント力など管理監督職に求められる能力を育成し、管理監督職を 目指す職員の比率を高めていくことが必要です。 1)昇格意欲の向上の取り組み 人事評価における面接時、今後のキャリア形成に関する助言等を 行うことによ り、職員の意欲の向上を図ります。また、女性の管理監督 職に助言や相談できる 体制を構築します。 2)研修の実施 研修や外部研修への派遣を積極的に行い、管理監督 職となるためのマネジメン ト能力を育成し、管理監督職になる事の不安を解消するように努めます。
(目標数値) 女性の管理監督職への昇格試験受験割合が60%以上となるように努めます。 ※平成27年度管理職昇格試験受験割合 男性63.2% 女性36.3% 3.効率的