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鯉灘認

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Academic year: 2021

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清水町付近における坪井川の出水状況

熊本市周辺では5月3日の正午前から降り 始 め た 雨 が 、 途 中 で 一 時 的 に 小 康 状 態 に な る ことはあったが、結局翌4日の午前中まで続 き、300恥"を越える雨量となった。とくに3 日夕方には短時間に多量の雨が降った。大雨 の際に家屋への浸水あるいは道路冠水で定評 のある坪井川流域は今回はどうだったか。

l躯0年8月の豪雨で大氾濫して以来(こα 時の氾濫では本地域は道路面上約1.5mまで 水に浸かったというマークが、かなり後まで 各 所 に 残 さ れ て い た ) 、 川 床 を 掘 り 下 げ 、 流 れの邪魔になる堰を撤去し、堤防を補強した 成果を、なかば野次馬気分で漫然と観察した

(つまり、以下のようなレポートを提出させ られることなど考えてもいなかった)事柄を 報告する。私が見たのは、私宅に近い、国道

3号(清水バイパス)下流から打越橋ま で約IKmの間備水町打越および津浦町 地内)である。観察した時刻は5月3日 の18時頃と、4日の13時頃および18時頃 で あ る 。

結論から先にいうと、前述した改修工 事により本流に関してはかなり改善され たと思われる。観察時には坪井川本流は、

実害の及ぶ範囲では溢れていない。水位 は平常時よりもlm80c7"ほど上昇して、

殆ど堤防の高さ(すなわち道路面)すれ すれまで達したが、道路や住宅に影響す る場所で堤防を越えることはなかった。

1時間当り雨量のピークが19時前後であ り、伝聞情報では、この付近の水位が最 も高くなったのは3日の20時頃であった ことからみると、観察時の水位よりもう 少し高くなった可能性がある。この時点 で高平橋下流の右岸(スーパー清巧の対 岸)約100mの範囲で(付図のA)右岸

−12−

熊 大 理 岩 崎 泰 頴

側の遊水地へ溢れ出たようにみえる。しかし、

坪井川本流に関する限り4日朝には水位は著 しく下がっていた。最高水位の時刻と一致す る3日20時頃には、清水町打越および津浦地 内の少なくとも2カ所で道路冠水があったと いう(4日朝にはすでに水は退いていたが、

その形跡は観察できた)。これらの道路は、

過去にも冠水したことがあり決して珍しくな い。その深さは50c沈位に達したと 思われる。

この内の1カ所は、旧国道3号線・山伏塚と 清水バイパスをつなぐ道幅は狭いが交通頻繁 な道路で、清水町打越579番地・立井内科医 院横の側溝(付図のB)のオーバーフローに よる。この側溝は元来は坪井川右岸に注ぐ支 流の谷に相当し、その出口にある道路下をく

ぐる暗渠の所で溢れている。この付近の谷と

鯉灘認

図 − 1 位 置 医

(2)

しては比較的に集水面積が広く平常時でも水 が流れていて、暗渠を通った後は約200mほ ど南下して本流に合流するようになっている。

暗渠の先から本流までは、現在は遊水地の中 を通っているので、本流から逆流した水で既 に満杯状態の遊水地に側溝の水の流入が妨げ られた為と解釈される。他の,力所は生活道 路ではあるが主要道路ではない津浦町,7番地 付近(付図のC)で、本流右岸側にある遊水 地の中を通っているが、ここに流れ込む主と して池田町方面から流下する谷の水による水 面上昇で冠水した。

清水町打越地内は坪井川の両岸に平坦な湿 地が広がっていて、もともとは氾濫原(遊水 地)の役目をしていた。現在の坪井川本流は 平坦地の西縁寄りを流れているので、遊水地 は必然的に左岸側(東側)に広い面積を占め ている。現在進められている改修の前には平 坦地の大部分は耕作地に、そしてごく一部が 住宅地として利用されていたが、その際に造 成された土地の周囲に水抜き用として網の目 状のクリーク(水路)が造られた。これらの 水路には清水バイパス東側の住宅地を流れる 側溝や小河川と連結しているものがある。こ のような水源のはっきりしない、しかも水の 流れの殆どない水路は現在も一部に残ってい るが、本流に直接合流していないものがかな りある。

左岸側にある平坦地のうち、土盛りされて 宅地化された部分を除いて、取水堰を閉じら れた耕作地の大部分は、現時点で再び氾濫原 として機能する遊水地に戻された。これら遊 水地の殆どは本流から独立しているが、晴天 続きでも水の溜った池の姿をしたものが多い

(付図で斜線を施した部分)。目測なので確 かではないが、坪井川左岸の遊水地で常時水 の溜っている場所は現河床面よりも幾分低い

と思われる。今回の豪雨で本流と直接つなが っていない遊水地は、本流ほどには水位の上 昇はなかったが、それでも平常時よりも数,0

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水嵩を増し、一時的に池同士の仕切り(昔 の畦道)を越えて一続きの広大な池となった。

西側にある京町・徳王の台地から流入する 支流は、清水町打越・津浦町地内の区間に4 本あるが、これらは直接あるいは遊水地を経 由して本流に合流するようになっている。平 常時の流水量は少ないが、いずれも宅地開発 の為に谷の原型はなくなっていて、川という よりは溝ないし「どぶ」に姿を変えられてい る。前に述べたように右岸側の遊水地は地形 的な制約があって数.面積共に少ないが、そ こには台地からの谷が合流している。流入す る谷の水を排出する為に本流とは水門なしに 直接通じているものがあって、本流の水位が 低い時には干出しているが、逆に本流が水嵩

を増せば遊水地も同じだけ水嵩を増す。

今回の豪雨では熊本市周辺における総雨量 は300 を越えたが、坪井川の水位が上がっ て道路等に影響を及ぼした時間は長くなかっ たようにみえる。そのことは本流の堤防内に 形成された狭小な段丘状の面にある耕作地が.

浸水はしたが長い滞水時間によるダメージは 受けていないことからも推測される。坪井川 の改修工事は今年(1988年)以降もまだ続く という。本流に関する限り清水町打越および 津浦町地内は、遊水地という地形的な余裕を もっているのでそれほど問題はないが、これ より下流の壷川・坪井地区では、川岸まで住 宅が密集しているため、川幅を広げられない 改修はコンクリートによる強固な謹岸と、土 砂が堆積する度にひたすら川床を掘り下げる

しかない。3日の20時頃に、この地域ではど の程度まで水位が上ったか知らないが、坪井 川本流の問題点は壷川・坪井地区に残ってい

そうである。清水町打越・津浦町地区では、

むしろ支流の水はけの処置に、まだ問題があ ると思われる。甚だ蛇足だが、半ば恒久的な 水溜りと化した遊水地を早晩、棲息場所とす るであろう有害昆虫(要するに蚊のこと)へ の対策はどうなっているのだろうか。

参照

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