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偶発記憶に及ぼす精緻化の組合せの効果

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

偶発記憶に及ぼす精緻化の組合せの効果

著者 豊田 弘司

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 48

号 1

ページ 151‑159

発行年 1999‑11‑10

その他のタイトル Effects of Combination of Elaborations on Incidental Memory

URL http://hdl.handle.net/10105/1475

(2)

奈良教育大学紀要 第48巻 第1号(人文・社会)平成11年 Bull Nara Univ. Educ.Vol.4 , No.HCult. &Soc.)I 1999

偶発記憶に及ぼす精微化の組合せの効果

Illl I:私 ら (奈良教育大学心理学教室)

(平成11年4月1日受理)

キーワード:項目間精微化、項目内精微化、自伝的精微化

ある情報に対して深い水準の処理をするほど、記憶に 定着されやすい。この考えが、 Craik&Lockhart (1972)によって提唱された処理水準(Let‑el of proc‑

essing)説であり、記憶研究の1つの枠組みである。し かし、同じ水準の処理であっても、記憶成績が異なる現 象が兄いだされるにつれて、処理水準のみで記憶成績を 説明することは不可能になった。そこで、登場したのが、

本研究で検討Lようとする精微化(elaboration)とい う概念であるG

豊田(1987)は、従来の精微化の定義に関する記述 (Jacobv&Craik, 19T9;太田・原,1980)をまとめ、精 微化とは、記銘語に情報を付加することとしている。た だし、情報を付加しても、記銘語の記憶成績か促進され る場合とされない場合がある。すなわち、有効な精微化 と有効でない精微化があるということになるD従来の精 微化に関する研究は、この精微化の有効性を規定する要 因について検討してきたD そして、多くの研究において 記銘語に付加する情報量が精練化の有効性を規定するこ とか幸路子されている(Craik&Tulvmg, 1975 :神谷, 19 84:北尾. 1982.豊田, 1985, 1990)。

一方、情報の質か精微化の有効性を規定しているとい う報告も多く認められる。例えば、豊田(1984)は、又 適合性判断課題を方向づけ課題に問い、被験者に記銘語 が枠組み文に適合する程度を評定させた後、偶発自由再 生テストを実施した。その結果、記銘語(ex.ながい) に対する意味的限定性の強い文(きりん の くび は

。)を枠組み又にした場合が、意味的限定性の弱い 文(この ひも は  。)を枠組み文にした場合よ りも自由再生率の高いことを示した。この結果は、意味 的限定性か強いことによって記銘語の差異性が増し、他 の記銘語との弁別が容妻引こなり、検索されやすくなった ことによると考えられる。このように、記銘語に対して 付加される情報が記銘語の差異性を増すことによって精 微化の有効性が高まることを示した研究は数多く報菖さ れている(Stein, Morris&Bransfcっrd, 1978 ; Klem&

il里il

Saltz, 1976 :豊田,1985)。

しかし、個々の記銘語の差異性を高める情報を付加す るだけでは、精練化の有効性を高めるのに「分ではない。

というのは、記銘語間の弁別性ばかりでは、共通する属 性を持つ記銘語をまとめることができず、記憶負荷が増 大すると考えられるからである。従来の体制化研究(

Puff, 1966 ; Kobasigawa&Orr, 1973 ;島[札1982) では、このまとまり(群化)を記憶成績の決定要因とし て強調してきた。それに対して、精微化研究では、記銘 語間のまとまりはほとんど注目されなかった。しかし、

Battig&Bellezza (1979)は、精微化研究の実際のデー タにおいて、記銘語間のまとまりが再生成績に大きく貢 献していることを報告している(豊田, 1987)。したがっ て、精微化の有効性を高めるためには、記銘語間のまと まりに関する情報も必要であるといえよう。

豊田(1987)は、上述のように精微化の有効性を高め る情報を記銘語間のまとまりに関する情報と個々の記銘 語の差異性を高める情幸鋸こ大きく分けている。そして、

これらの情報の型を、 Huntらの一連の研究(Emsteill

& Hunt, 1980 こ Hunt&Einstein, 1981 ; Hunt,

Ausley, & Schultz, 1986)で指摘された関係情報 (relational information)と項目特殊情報(item‑

specific informatioil)に対応させ、関係情報を付加す る精練化を項目間精微化(between‑item elaboration) 、 項目特殊情報を付加する精微化を項目内精微化(with‑

m‑item elabc〕ration)と呼んでいる。

豊田(1992a)は、この項目間精微化と項目内精微化 の有効性を自由再生において比較している。そこでは、

共通する連想語(ex.花)をもっ3つの記銘語からなる トリプレット(ex,赤い、あざみ、植物)を用い、記銘 語(赤い)に対して関係情報として共通連想語(花)香 対呈示する場合(項目間精微化条件)と、項目特殊情報 としてその記銘語独自の連想語(りんご)を対呈示する 場合(項目内精微化条件)を比較したのである。被験者 は、記銘語と対呈示語の連想の強さの程度を評定すると

(3)

152 <?} 111 'J.∴ 蝣蝣蝣蝣]

いう方向づけ課題を行い、その後、偶発自由再生テスト を受けた。その結果、前者が後者よりも偶発自由再生率 が高く、項目間精微化が項目内精微化よりも自由再生に おいて有効であることが示されたのである。この自由再 生における項目間精微化の優位性は、方向づけ課題に自 由連想を用いた研究(豊田, 1992b)においても兄いだ されている。 Huntらは、検索過程が記銘語同士のまと まりの輪郭を描く(産出)過程と、このまとまりの中か ら呈示された記銘語であったか否かの区別をする(弁別) 過程から成っており、関係情報は産出過程に機能し、項 目特殊情報は弁別過程に機能していると述べている。自 由再生事態における検索過程は、この両方の過程を含ん でいるので、産出過程に機能する関係情報が符号化され なければ、項目特殊情報がいくら符号化されたとしても 記銘語の検索は難しいために、項目間精微化の方か項目 内精微化よりも有効であると考えられている。

では、関係情報と項目特殊情報の両方を符号化させる 条件であれば、産出と弁別の両方の過程に機能するので

あるから、再生はより一層促進されるはずである。すな わち、項目間精微化と項目内精微化を組み合わせること による加算的な効果が期待できるのである。 Huntらの 諸研究も、関係情報と項目特殊情報の両方か行引ヒされ た条件が最も再生成績の良いことを示している。

Lかし、彼らの研究における大きな問題は、符L封ヒさ れている情報を特定できないことであった。彼らは、関 係情報を符号化させる方向づけ課題として記銘語をカテ

ゴ1)一に分類させる課題を用いているが、分類させたこ とによってどんな情報か符号化されたのかは明らかでは ない。一一万、項H特殊情報を符号化させる方向づけ課題 としては、記銘語の快一不快評定を求める課題を用いて いるが、ここでも符号化された情報を特定することはで きない。特に、この課題については、記銘語の快一不快 を評定する際に、被験者自身の過去の経験が想起され、

その過去経験に関する情報が記銘語に付加される可能性 が指摘されている(Warren, Chattin, Thomson, &

Tomsky, 1983)。例えば、犬という記銘語に対しで快一 不快を評定する場合、昔犬に噛まれたという経験を基に 不快と評定する場合もあるし、反対にペットでかわいかっ ていたという経験を想起し、快という評定をするという 場合である。このような過去の出来事に関する情報を自 伝的情報と呼ぶが、それを記銘語に付加することをWar ren et al. (1983)は自伝的精微化(autobiographical elaboration)と呼んでいる(Warren, Hughes &

Tobias, 1985 ;豊臥1987, 1989)。 Baddelev (1978) も従来の精微化研究に対する批判として精微化の指標す なわち記銘語に付加された情報の指標かないことを指摘 したが(高橋, 1986)、符号化された情報を特定するこ との必要性は強調されてよいであろう。

そこで、本研究では、豊田(1992a)と同じように、

記銘語に関係情報と項目特殊情報を対呈示する手続きを 用いて、符引ヒされた情報を明らかにし、その上で項目 間精微化と項目内精微化の組合せの効果を検討する。具 体的には、 3つの記銘語(ex.赤い、あざみ、植物)か らの共通連想語(ex.花)を関係情報、その記銘語独自 の特殊連想語(ex.りんご)を項目特殊情報として対呈 示し、それぞれの記銘語と対呈示語の連想の強さの程度 を評定させるという方向づけ課題を用いた。ただし、記 銘語と対呈示された情報が確かに符号化されるとは限ら ないので、この対呈示された語に対する再認(ヒット) 反応を項目間精微化及び項目内精練化の指標とした。す なわち、記銘語に対呈示された共通連想語かヒットされ た場合には、記銘語に対してその関係情報(共通連想語) が確かに付加されて項目間精微化が生じており、同じよ うに、特殊連想語かヒットされた場合には、項目内精教 化か生じていると考えられる。それ放、このような場合 に該当する記銘譜(確かに精微化がなされている記銘語) についてIl二再生率の分析を行った。

さらに、本研究では、 Huntらの関係情報(項目間精 敏化)と項目特殊情報(項目内精練化)とい;)枠組みに 対して、別の枠組みを提出しようとするものである。と いうのは、 Huntらの研究で用いられた分類課題と快‑

不快課題の違いは、関係情報と項目特殊情報の違いだけ を反映しているのではないと考えられるからである。す なわち、分類課題が与えられた場合、被験者は、動物、

植物、異物といったカテコリー概念に関する知識を利用 して記銘語を分けていくわけである。太田・小松 (1983)によると、このような知識は、 Tulvmg (1972) の区別でいうところの意味記憶にあたり、分類課題によっ て記銘語に付加される情報は、意味記憶から検索された 情報といえる。一一一万、快‑不快評定では、上述Lたよう に、被験者自身の過去の出来事を想起させるので、エピ ソード記憶から検索された情報が記銘語に付加されてい ることになる。したかって、彼らの研究で主張されてい る関係情報は意味記憶からの情報であり、項目特殊情報 はエピソード記憶からの情報ということになる。

もし、 Huntらのように、意味記憶からの情報とエピ ソード記憶からの情報の区別をせず、ただ関係情報と項 目特殊情報という枠組みからすれば、意味記憶内から検 索された項目特殊情報であっても、関係情報とともに符 号化されることによって、再生成績か促進されると予想 される。一方、意味記憶からの情報とェピソード記憶か らの情報を区別する枠組みからすれば、同じ意味記憶内 から検索された関係情報と項目特殊情報の組合せによっ ては、再生成績は促進されないであろうと予想できる。

これらの対立する予想(仮説)を検討するのが、実験I の目的である。

(4)

記憶に及ぼす精微化の効果

さらに、実験Ⅱでは、 Huntらの関係情報(項目間精 微化)一項R特殊情報(項目内精微化)という枠組みと、

上記2つの精微化に自伝的精微化を加えた著者の枠組み (項目間精微化一項目内精微化一自伝的精練化)の妥当 性を直接比較することを目的とする。

もし、意味記憶とェピソード記憶を区別しないHunt らの枠組みが妥当であるならば、意味記憶からの関係情 報を付加する項目間精微化とェビソード記憶からの自伝 的情報を付加する自伝的精微化を組み合わせた条件(以 ト、聞丁白条件)と、意味記憶からの関係情報を付加す る項Ej問精微化と意味記憶からの項目特殊情報を付加す る項目内精微化を組み合わせた条件(以ト、間一内条(′日 間に「宜臼再生率の差はないてあろう。一方、意味記憶と エピソード記憶を区別する著者の枠組みか妥当であるな らは、周一自条件が問一再条件よりも自由再生率か高い てあろう。これらの対立する予想(仮説)を検討するの が、実験nのLj的であるO

実  験  I

実験Iでは、記銘語を21pJ呈示L、 1回日に関係情報、

2同日に項目特殊情報を対呈示する条件(問‑内条件)、

問‑内条件の逆の条件(内一問条件)、 2F一日二もに関係情 報を対呈示する条件し問‑nj条件)、 2回ともに項目特殊 情報を対呈示する条件(内一一内条件)か設けられた。

もし、 Huntらの枠組Aか妥当てあれば、間‑内及び 内一間条件か、自由再生において有効である項目間精微 化のみを組み合わせた条件(間一間条件)よりも正再生 率か高いであろう。一方、著者の主張する枠組みが妥当 であるならば、項目間精微化を含む3つの条件(間一問、

問一内、内一問)間に差はないか、これらはいずれも項 目間精微化を含まない条件(内‑内)よりfE再生率が高 いであろうo この実験仮説を検討することか実験Iの目 的である。

方 法

実験計画 実験計画は精微化の組合せを被験者内要因 とする1要因計画であり、上述Lた問一間、問‑内、内‑

聞及び内一内条件を含んでいた。

被験者 被験者は、この種の実験は未経験である女子

Tai,r¥ 1

本研究で用いられた記銘語、共通連想語 及び特殊連想語の例

記 銘 語   共通連想語 特殊連想語

153

短期大学生30名であり、披女らの平均年齢は、 18歳6か 月(18歳1か月〜20歳4か月)であった。

材 料 記銘語及びそれに対応する対呈示語の例が、

Table lに示されている。これらの語は、先の研究 (慧掴,1992a)と同じものであり、梅本(1969)の連想 基準表から選ばれた1‑5文字からなるよく知られた語 であった。連想語は、すべて基準表の最多連想反応もし くは次多反応語であり、平均連想頻度は16.54,% (共通 連想語は18.19%、特殊連想語は14.89%)であった。

方向づけ課題では、記銘語と対呈示語の連想の強さの 程度を評定させるが、そのためのリストが作成された。

リストは記銘語と対呈示語の組合せを考慮して2種類作 成された。各リストでは記銘語は2回反復呈示されるが、

上述Lたように、記銘語と対呈示される情報の型の組合 せによって、4つの条件にわけられる。すなわち、 2回 ともに関係情報(共通連想語)か対呈示される場合(問一 間条件)、 1回Hが関係情報、 2[サ]目が項目特殊情報(特 殊連想語)の場合(聞‑内条件)、 1回Rは項目特殊情報 で、 2NRは関係情報である場合(内‑間条件)、 2回と も項目特殊情報である場合(内一内条件)である。これ ら4っの条件に2つのトリプレット(同じ共通連想語を もつ3つの記銘語の組)ずっが割りあてられた。 2つの トリ7Lレットのうち一方は1回Uの呈示と2回目の呈示 の間隔が長いものて、もう一方は短いものであった。前 者の間隔は29語であり、後者のそれは5語であった。た だし、同じトリフJレット内ォ3つの記銘語は、リスト内 において連続的に配列されていた。そして、リストの最 初と最後には、初頭・新近効果を除くためのノ∴ソファ‑

トリプレットがっけられた。

これらのリストはB6判の紙に1ペ‑シにつき記銘語、

対呈示語が1語すっ印刷され、表紙をっけた60ページか らなる小冊子にされた。小冊子の各ベ‑ジの上部には、

記銘語が印刷され、その下に対呈/」1‑語が記銘語よりもや や小さく印刷されていた。さらにその下に連想の程度を 評定するための5段階評定尺度か印刷されていた。

挿入課題用紙は語識別検査の文字列を印刷したB 4判 の用紙であり、句読点を含まないひらがな文字列か印刷 されていたo 自由再生テスト用紙はB5判の大きさで、

上部に氏名を記入する欄が設けてあり、その下に恩いた した語(記銘語、対呈示語の両方)を記入する空側があっ た。また、再認テスト用紙はB5判の大きさで50語が2 列に渡って印刷されていたO これらの語は、記銘リスト に含まれている記銘語(標的刺激)が5語、共通連想語 が10語、特殊連想語か30語及び無関連語が5語であり、

ランダムに配列されていた。なお、これらの語の右横に は、 "確かにあった''から"確かにTj:かっだ'までの6 段階確信度評定尺度か印刷されていた。

手続き 実験は偶発記憶手続きを用い、披験者の所属

(5)

154 ffi HI i¥ n]

する短期大学の一室で集団的に実施された。

a)方向づけ課題 被験者に対応するリストの小冊子 を配布した。そして、小冊子を実験者の合図にしたがっ て1ページずつめくり、各ページの上部に大きく印刷さ れている語からその下に小さく印刷されてある語がどの 程度強く連想されるかの評定を求める教示を与えた。評 定は、各ペ‑ジに印刷してある5段階の評定尺度の該当 する段階に丸印をっけるように指示された。なお、実験 者は、上記の一連の教示を黒板に例を記入しながら説明 した。説明終了後、被験者の実験手続に関する理解を確 認した上で、方向づけ課題を開始した。そこでは、被験 者は実験者の合図にしたがって10秒ごとに小冊子のペー ジをめくり、記銘語から対呈示語が連想される程度を評 定していった。

b)挿入課題 方向づけ課題終了後、ただちに上述の 挿入課題用紙を配布し、 3分間の挿入課題を行った。こ の課題は、用紙に印刷された文字列の中から3文字以上 のひらがなからなる名詞を見つけだして丸印をっけるも のであった。

C)自由再生テスト 挿入課題終了後、上述した自由 再生テスト用紙を配布し、書記自由再生を5分間実施し た。この際、被験者は先に呈示された小冊子に大きく印 刷された語(記銘語)及び小さく印刷された語(対呈示 語)を思いだした順に書くように求められた。

d)再認テスト 自由再生テスト終了後、上述の再認 テスト用紙を配布し、再認テストを5分間実施した。被 験者は、用紙に印刷された各語に対する確信度に基っき、

"確かにあった"から ー確かになかった"までの6段階 のいずれかに丸印をっけていった。

結 果

方向づけ課題として用いられた評定リストの小冊子を チェックしたところ、評定の欠落があった被験者が1名 いたので、この被験者のデータは後の/I)折から除外した。

なお、実験後、記銘の意図を持った者に対して挙手を求 めたが挙手はなく、全員が記銘の意図を持たなかったこ とか明らかにされた。

Table 2

止再生率、 RR及び両者の相関係数(r) (実験I) 精微化の組合せ 問一問 間一内 内一問 内一内 止再生率 .53  .53    55  .40

RR  .32   .17   .12   .06 .47   .44   .38   .33

t値  2.75*  2.57*  2.14*  1.82

+p<.10 キ '.05

正再生率 豊田(1992a)と同じく、記銘語と対呈示 された語が符号化されている記銘語すなわち確かに精練 化がなされている記銘語についてのみ分析を行った。具 体的には、再認テストにおいて対呈示された語に対し、

"確かにあった" "あったと思う" "あったかもしれな い''の3つの段階のいずれかに丸印がつけられた記銘語 (対呈示語がヒットされた記銘語)を正再生としてカウ

ントした。各条件ごとの平均正再生率はTable 2の最 上欄に示されている。この正再生率を角変換して、精練 化の組合せを被験者内要因とする1要因分散分析を行っ たところ、精練化の組合せの主効果(F(3,84)‑2.87, pく:.05)が有意であった。下位検定を行った結果、項目 間精微化を含む3つの条件間には差はみられなかったが (問‑問と間‑内の問はt(84)‑.13 ;間一間と内‑間の 間はt(84)‑.87 ;内‑閲と間‑内の問はt(84)‑.06)、

これら3条件は内‑¥H条件よりも正再生率が高かった (間‑問と内一内の間はt(84)‑ll.39 問‑内と内‑内 の間はt(84〕‑10.78:内一間と内‑内の問はt (84)

‑10.52,いずれもpく∴001)。したかって、正再生率に おいては、問‑間‑内‑問‑間‑内:i,内一内という関係 が示されたのである。

群化量 項目間精微化の場合、記銘語のまとまりが形 成されてこそ、産出過程に機能する有効な精微化である ということができる。そこで、項目間精練化の有効性の 指標として、群化量(RR)が貸出された(Bousfield, 1953)。これは、 RR‑R′ (N‑1)の式で算出されるO ただし、 Rは同じトリプレット内の記銘語が続けて再生 された同数(反復数)であり、 Nは再生数である。

平均群化量(RR)も、 Table 2に示されている。精 微化の組合せを被験者内要因とする1要囲分散分析を行っ たところ、その主効果(F (3,84) ‑7.04, p<.01)が 有意であった。下位検定を行ったところ、聞一問条件が 巌も群化昂が高く(問‑内との問はt(84)‑2.48,pく.01 ;

内‑R3との間はt(84)‑3.33, pく.01 ;内‑内との間はt (84)‑4.50, p‑COD、次いで、間一内及び内一間条件 (問‑内と内‑間の間はt(84)‑.83)であり、内‑内条 件が最も群化量の少ないことがわかる(間丁内との問は t (84) ‑2.00, p‑′t.01 ;内一間との問はt(84)‑1.16)。

内一問と内‑内条件問が有意な値に至らないものの、お おむね、聞一間′二>間‑内‑内‑問>内‑内という関係に なるといえる。

正再生率と群化量の相関係数 士述した止再生率(角 変換値)と群化量(RR)の相関係数(1う を各条件ごと に算出し、その係数の有意性検定(t)を行った。その 結果かTable 2に示されている。項目間精微化を含む 条件において再LL量と群化量の有意な相関が兄いだされ

た。

(6)

記憶に及ぼす精練化の効果

考 察

実験Iの主な結果は、以下の通りである。

(1)精微化がなされていると考えられる記銘語(対呈 示された語に対するヒット反応か得られた記銘語)の正 再生率について、聞一間‑間一内‑内一問>内一内とい

う関係が兄いだされた。

(2)群化量は、問‑聞>間一内‑内‑間>内一内とい う関係になった。

(3)正再生率と群化星の関係が項目間精微化を含む条 件において見いたされた。

本実験の目的は、意味記憶とェビソード記憶を区別し ないHuntらの枠組みと、両者を区別した著者の枠組み の妥当性を比較することであった Huntらの枠組みか らすれば、問‑内反ひ内一問条件が問‑間の条件よりも 止再生率か高いはすであるが、結果は問一問条件との間 に差はなかったL。したかって、著者の枠組みによる実験 仮説か支持されたのである。

上述したように、 Huntらの実験で用いられた快一不 快評定は、記銘語から連想する過去の出来事を想起させ るのて(Warren, et aL 1983)、自伝的情報の符号化 すなわち白伝的粘紐化がなされた可能性か考えられるLつ それ故、その自伝的精微化のために、彼らの実馬釦こおけ る関係情報とユ鋸」特殊情報の両方を符号化させる条件 (本実験においては、問一再もしくは内一間)か、上ち らか 一方の情報を符一号化させる条件(本実験においては、

問‑JIJjもしくは内‑内)よりも正再生率か高くなってい るという可能性は高いであろう。実験IIでは、この点を 直接的に検討する。

また、間‑問条件と間‑内(もしくは「年一問)条件問 に差はなかったが、項目間精微化を含む.'3条件(間‑問、

聞‑rt、内‑問)と内‑内条件の「拙二は差が認められた,J 豊田(1992a, b)は、自由再生において項目間精微化 かJ酎1内精微化よりも有効であることを示し、弁別過程 に機能する項目l煩占勧化かなされても、それより先の産 出過程に機能する項目間精微化がなされていないと検索 は促進されないと考察している。本実験においても、関 係情報の符号化を含まない条件(内一内)か品も成績が 悪かったことは、白山再生における項目間精微化の優位 性を追証するものといえよう,J

さらに、 (3)の結果は、群化量と正再生率との対応関 係を示L、群化量とii‑:再生率の関係を示した先の研究 (空間、 1992a)と‑致している。すなわち、項R問精 轍化は記銘語間にまとまりを形成してはじめて有効であ

るか、本実験の結果は、項目間精微化がなされ、記銘語 間のまとまりか形成され、その結果、再生率が高くなる という凶式を追証したのである。したがって、項H聞精 微化によって、 Huntらの指摘する産出過程においてま

とまりが形成され、そのまとまりの形成か記銘語の検索

nii

に貢献しているといえるであろう。

ただし、 (Dと(2)の結果を比較すると、正再生率では 間一問と問‑内もしくは内‑問条件の間に差はないか、

群化量では差が認められる。したがって、正再生率を群 化竜か示すところの項目間精微化の有効性だけで説明す ることはできないことになる。間‑内及び内丁問条件は、

項目間精微化の有効性において問一間条件に劣る分を項 口内精微化の有効性によって補っている可能性が考えら れる.すなわち、まとまりの量は少ないものの、弁別過 程の機能があるので、そのまとまり内の個々の記銘語が 検索されやすいことを示しているといえよう。

実  験  Ⅱ

実験Iでは、間‑内(もしくは内‑間)条件と間‑間 条件の問に再生率の差がなかったので、 Huntらの枠組 みよりも意味記憶とェヒソード記憶の区別をする著者の 枠組みを支持した。しかし、実験Iでは、エピソ‑卜記 憶からの自伝的情報を記銘語に付加する自伝的精微化を 含む条件を設けていないので、著者の枠組みが妥当であ るのか、たた単にHuntらの枠組みでは説明できない結 果を報菖したに過ぎないのかはわからない。

そこて、実験Ⅱでは、実験1で検討された間一内条件 と比較するために、記銘語のIMflの呈示には、関係情 報を対呈示し、 2回日の呈示に自伝的情報を符号化させ る条件(以ト、間一日)を設けた Huntらの枠組みか らす拙ま、上記の両条件問に自由再生率の差はないてあ ろうか、著者の枠組みからすれば、問‑‑自条件が問‑内 条件よりも止再生率が高いであろう。この実験仮説を検 討するのが、実験neon的である。

なお、本研究で用いた自伝的情報を符号化させるため の方向づけ課題は、先の自伝的精微化に関する研究(豊 乱1989, 1992c)において、最も被験者の自伝的情報 を喚起する可能性の高いと考えられる過去の出来事に関 する鮮明度評定か選ばれた。ただし、自伝的精微化にお いても、その指標を設ける必要はある。そこで、

1A'anでn ct al. (1983)や豊m (1992c)と同じく、被 験者か鮮明度評定をする際に、過去の出来事を確かに思 いだしたか否かをチェックし、思いだした場合にのみ、

その記銘語に自伝的情報の符号化すなわち自伝的精微化 がなされているとして分析の対象とすることを計画したO

方 法

実験計画 実験計画は精微化の組合せを被験者内要因 とする1要因計画であった。精微化の組合せには、上述 した問‑白、聞一内条件に加えて、 1回R、 2回日とも に自伝的情報を符引ヒさせる条件(以卜二 日一日)、 1 回Rには自伝的情報、 2回Ejには項Ej特殊情報を符号化

(7)

156 豊Ill ・',1 .1]

させる条件(自一内)が含まれていた。

被験者 被験者は、実験Iと同じ女子短期大学の別の 学生34名であった。これらの学生の平均年齢は、 18歳8 か月(18歳8か月〜19歳2か月)であった。

材料 記銘語及び関係情報もしくは項目特殊情報とし て対呈示される語は、実験Iと同じものを用いた。方向 づけ課題において、自伝的情報を符号化させる条件では、

記銘語から連想される過去の出来事の鮮明度、関係情報 もしくは項目特殊情報を符引ヒさせる条件では記銘語と それに対呈示された語との連想の強さの程度を評定させ る課題を行わせるのであるか、そのための評定リストか 作成された。このリストは、上述した4つの精微化の組 A‑tア」f牛 し出]‑l'l、間‑一再、 ‑I'」、 I Iい ち∴十して いた。そして、これらの4つの条件のそれぞれに2トリ プレット(6語)ずつが割り当てられた。実験Iと同じ ように、各条件に割り当てられた2トリプレットのうち、

一方は1回目の呈示と2回目の呈示の間隔が長いもので、

もう一方は短いものであった。それぞれの呈示間隔は実 験Iと同じであったG これらのリストは、実験Iと同じく、

表紙をっけた60ページからなる小冊子にされた。小冊子 の各‑‑ジの上部には記銘語が大きく印刷され、項目聞 及び項目内精微化条件では、その下に対呈示語か記銘語 よりもやや小さく印刷された。さらに、その下に、自伝 的精微化条件では鮮明度評定尺度(はっきり‑ほんやり)、

項目間及び項Ej内精微化条件では実験Iと同じ評定尺度 が印刷されていたo なお、挿入課題用紙、自由再生テス

ト用紙、再認テスト用紙は、実験Iと同じものが用いら

引ffla

手続き 実験Iとはほ同じ手続きで実施された。ただ し、実験nでは自伝的精微化条件か含まれていた。そこ で、方向づけ課題に入る前に、記銘語のFに、はっきり‑

ぼんやりという言葉の記入されているペ‑ジ(自伝的精 微化条件に該当するペ一男 においては、記銘語から思 い出される過去の出来事の鮮明度について評定するよう に教示が与えられた。また、再認テスト終了後、評定リ ストの自伝的精微化条件に該当するベ‑シにおいて、過 去の出来事を確かに思いだしたか否かを○>て記入して

もらった。その他の手続きは実験Iと同じである。

結 果

評定値の欠落かあった被験者が1名いたのでこれを削 除し、被験者は33名となった。また、実験後、記銘の意 図を持った者に挙手を求めたが挙手はなく、全員が記銘

の意図を持たなかったことが確かめられたO

正再生率 自伝的精練化条件については、過去の出来 事の再生確認において、 "○"か記入された記銘語(確 かに過去の出来事が思い出されている語)を、項目聞及 び項目内精微化条件については、記銘語に対呈示された

語(対呈示語)に対し、再認テストにおいて"確かにあっ た" "あったと思う" "あったかもしれない"のいずれ かに評定された語(対呈示語がヒットされた記銘語)杏 カウントした。このように精微化の指標を考慮して、正 再生率を算出した。その結果、問一日条件が66.37%、

間‑内条件が57.14%、自丁内条件が5247%、自‑臼条 件が43.27%であった。

ただし、自伝的精微化が含まれている3条件のうちの いずれかに、精微化された記銘語( "○"が記入された 記銘語)が認められない場合かあった。それ故、条件に よって止再生率の算出の基準になるデータ数が異なるた め、そのまま/j)敬/分析を行うことかできなかった。そこ で、 "0"の記入された記銘語と"/"の記入された記 銘語を込みにLて、対呈示語かヒットされた記銘語(項

目間精細化もしくは項目内精微化のなされている記銘語) に関して再生薮をカウントし、各条件に割り当てられて いる記銘語の語数(6語)で割った再生率を算出した。

その結果がTal)le 3の最上欄に示されている。ここで、

算出された再生率は、自伝的精微化の指標を考慮してい ないことになるか、各条件の再生率の‑ターンは、上述 した自伝的精勧化の指標を考慮した場合と同じであった。

Table 3

」再生率、 RR及び両者の相関係数(r) (尖煤ll) 精微化の組合せ

問一日 間一内 白一内 自一日 1上再生率  M   57    52    43

RR  .35   15   .13   .1/

.44   .49   ‑.()   .46 日直  2.75'・ 3.C ヰキ  ー.23   2.90‥

01

この再生率を埼変換して、精微化の組合せを被験者内 要因とする1要凶の分散分析を行ったところ、精微化の 組合せの1‑.効果(F(3,96)‑5.36, p‑∴り1)が存意であっ た。 Ffft検定を行った結果、問‑白条件か最もlL再生率 か高かった(間‑臼と問一内の問はt(96)‑2.23, p\二.0 5:間一日と自‑内の問はt (96) ‑170, pく.10,間‑

臼とR‑白の問はt (96) ‑3.98, pく∴01)c また、問‑

内条件と白‑内条件間に差はみられなかったか(t C96)‑

53)、ともに自一日条件よりも正再生率が高いことが示 された(問‑内と自‑白の間はt (96) ‑1.75, p<..10こ 内一白と自‑内の出目まt(96)‑2.28, p∴05)。したがっ て、 lE再生率においては、自‑問>問一内‑白‑内∴イ上 白という関係になったのである。

群化量 項目間精微化の有効性の指標である群化墨 (RR)の平均も、 Table 3に示されている。この群化

(8)

記憶に及ぼす精微化の効果

竜について、精微化の組合せを被験者内要因とする1要 因の分散分析を行ったところ、精微化の組合せの主効果 (F(3,96)‑4.70, pく.01)が有意であった。下位検定を 行ったところ、間一日条件が他の3条件よりも群化量が 多かったが(問一日と問‑内の問はt (96) ‑3.03, p<.

01 :問‑白と自一内の間はt (96) ‑3.33, p<.01:間‑

白と白‑白の問はt (96) ‑2.73, p<.01)、問一内、自‑

内及び自一目条件間に有意な差はみられなかった(間一 内と白一内の問はt (96) ‑.30:問‑内と白一日の間は t (96) ‑.30:自‑内と自一日の問はt (96)‑.61)。し たがって、群化星においては、問一日>間一内‑自‑内‑

白一白という関係が示された。

正再生率と群化量の相関係数 実験Iと同じように、

正再生率(角変換値)と群化量(RR)の相関係数(r) を各条件ごとに算出し、相関係数の有意性検定を行った。

その結果もTable 3に示されている。、問一日、問丁内 及び自一目において有意な相関が得られている。

考 察

実験IIの主な結果は、正再生率について、問一日>問一 再‑自一内>自一日という結果が得られたということで ある。問‑自条件と問‑内条件の問に正再生率の差がみ られたことから、意味記憶とエピソード記憶を区別する 著者の枠組み(項目間精微化一項E]内精微化‑自伝的精 微化)が支持されたのである。したがって、 Huntらの 研究で、関係情報と項目特殊情報をともに符号化させる 条件(本実験では、間‑内条件)が最もTF̲再生率の高かっ たのは、彼らか項目特殊情報を符弓イヒさせるために用い た快一不快評定によるものといえよう。すなわち、快‑

不快評定によって、記銘語に対する自伝的情報を付加す る自伝的精微化かなされたと考えられるのである。それ 故、関係情報の符号化(項目間精微化)は、同じ意味記 憶内の項目特殊情報の符号化(項目内精微化)と組み合 わされることでは検索を促進せず、エピソード記憶から の自伝的情報の符号化(自伝的精微化)との組合せによっ て検索を促進するといえよう。

ところで、 Huntらの主張からすれば、項目間精微化 は産山過程に、項目内精微化は弁別過程に機能すること になる。では、自伝的精微化は、産山過程と弁別過程の どちらに機能するのであろうか。自伝的精微化のみを含 む条件(自一日)をみると、最も正再生率が低く、群化 量も低い。このことは、自伝的精微化がHuntらの主張 する産出過程には、貢献していないことを示している。

また、白一日条件において、再生率と群化童の相関係数 か有意であったことは、まとまりの星は少ないものの、

そのまとまり内の個々の記銘語が検索されやすいことを 示しているo Lたがって、自伝的精微化は弁別過程に機 能しており、それ故、産出過程に機能する項目間精微化

157

と組み合わされた場合において加算的に検索が促進され たのであろう。そして、同じ弁別過程に機能している項 目内精微化と比較すると、自伝的精微化の方がその機能 は優れているといえよう。

本研究では、意味記憶とエピソ‑ド記憶を区別する枠 組みを支持したか、このことは、 Huntらの関係情報一 項目特殊情報の枠組みが全く誤りであるということを意 味するのではない。項目特殊情報とは、他の記銘語との 違いを強調するものであるから、個人の過去の出来事に 関する自伝的情報も含まれる。つまり、項目特殊情報の 機能である他の記銘語との差異性の程度が最も強い情報 として自伝的情報を位置づけることができるのである。

しかし、関係情報と同じ意味記憶内の項目特殊情報の 符号化によっては検索は促進されなかったことから、意 味記憶内の項目特殊情報は弁別過程に機能する程度が劣 るといえる。したがって、弁別過程に機能し、検索を促 進させる情報は、エピソード記憶内からの自伝的情報で ある可能性が高いということだけは明らかであろう。

なお、正再生率では間一内‑自‑内>自‑白であるが、

群化竜については問‑内‑自‑内‑自一日であり、両者 の対応関係が示されなかった。この結果は、実験Iと同 じく、項目間精微化の有効性だけで説明することはでき ない。問一内及び白一再条件では、 2回の記銘譜の呈示 ごとに記銘語に対して異なる情報が付加されている。一 方、 「j一日条件では、 1回目と2回臼の呈示において記 銘語に付加される情報力埴JL′である可能性が高い。この ことは、自‑自条件における鮮明度評定値の1回目と2 回目の一致率が高い(73.74%)ことにもあらわれてい る。したがって、前2者の条件では異なる情報の符引ヒ によって後者の条件よりも記銘語が差異的になり、その 結果、他の百己銘語との弁別性が高まり、検索が容易になっ

たのであろう。

要   約

本研究のE]的は、偶発記憶に及はす精微化の組合せの 効果を検討し、 Huntらの主張する関係情報(項目間精 微化) ‑項目特殊情報(項目内精細化)の枠組みと、意 味記憶とエピソード記憶を区別し、上記の2つの精細化 に日伝的精微化を加える著者の枠組みの妥当性を比較す ることであった。

実験Iでは、問一問、間‑内、内‑聞及び内丁内条件 を設け、項目間精勧化と項目内精微化の組合せの効果を 検討した。被験者は、方向づけ課題において記銘語と対 呈示語(関係情報、項目特殊情報)の連想の強さの程度 を評定し、その後、偶発自由再生及び再認テストを受け た。結果の分析には、項目間精微化及び項目内精微化の 指標(再認テストにおける関係情報及ひ項目特殊情報に

(9)

158 ll III ・]!.日.i

対するヒット反応)及びその有効性の指標(群化量)杏 考慮した。その結果、偶発自由再生率は、問一間‑間一 内‑内一問>内一内という結果になり、 Huntらの枠組 みからの予想に一致しなかった。

実験Ⅱでは、実験Iとほぼ同様の手続きを用い、間一 日、問‑内、自一内及び自‑白条件を設けて、精微化の 組合せの効果を検討した。ただし、自伝的精微化を含む 条件においては、記銘語から思い出される過去の出来事 の鮮明度を評定させた。その結果、偶発自由再生率は、

間一日>間‑内‑自‑内>白一日という結果になり、自 伝的精微化が項目内精微化よりも検索における弁別過程 に対する機能が優れていることが示された。

したがって、上記の2っの実験から、意味記憶からの 情報とェピソード記憶からの情報を区別し、 Huntらの 枠組み(項目間精微化一項目内精微化)に自伝的精微化 を加える著者の枠組みの妥当性が示された。

<付記>

本研究は平成3年度(奨励研究(A) :課題番号0371 0036)及び4年度(奨励研究(A) :課題番号04710058) 文部省科学研究費楠助金を受けて行われた。

本研究の材料作成及びデータの整理に関Lては、新山 憲一君(平成3年度奈良教育大学心理学専攻卒業う及び 高橋敦子さん(平成4年度奈良教育大学心理学専攻卒業) の協力を得た。記して感謝の意を表します。

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cal elabr.‑r之itmnS on mCidental mビmorl‑. Tビn tnplビts were prepared, Llとich of them consisted of three targets to lJe remembei、ed, e.g., red thistle, plant, that weiで1、elated to a c<コmmon ass<⊃ciate, e.g., flower. Each target. ど.g , red、 in a ti、iplet had a specific assoC蝣mte, e.g. api)le. The specific associate Was one of the

assi〕LIates 。王the Word, but it was not theとissociate of the other t\\サ0 \A'ords, eg., thistle, plant, w‑ithin a

tl、inlet ln the or‑1entmg‑ task ph之ise. each target being presented twiつ times, at each presentとition, subjects

wore asked to l、ate the relation between紺ch tareet anCl its pan、ed word (common assoCIate or specific

assL‑ぐ1とItビ) in the conditions in…1\‑ing between‑item Ol、 \lithiiトitem elal⊃orations. In the conditions inl‑。11‑1ng autobiographical elaborとition, sub]ects wereとiskecl tL> rati‑ thビvividness of an叩isode on each target

In Experiment I, the retention Lhffereneビs between the combination of between‑item and between item elaboi、ations and that of bヒtween‑item とind withm‑itビm ビlとiborations or that of withm‑item and between‑item ピ1こiboration were not ubser,ed. This iでsuit did not support the framework of relationalとind item‑spビClf'lC lnf。rmとitlOllS l〕ropCsed b1, Hunt and his colleagues.

In Eェperiment II, the combmnt】cm 。f between‑item and autobiographical elaboi、ations led to a b〔ユttCユr re(、all

tllall that of I)et¥veen‑iteilq and withm‑item elaborations. Tllis difference between the two combinations

showビし1 that autolっlographical elaboration was more effヒCt11‑e than withm‑item elaboration in the pi、ocess of

discrimination m retri\‑al. These results were interpreted in terms of new framework that distinguished the

information from semantic menu二げr anCI that from episodiC蝣memoi,ラ,.

Kel‑ Words: between‑item elaboration, Within‑item elaboration, autobiographical elaboration

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