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田 中 宏 幸

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(1)

総合的な現代ドイツ語辞書

− そ の 方 法 と 成 果 に つ い て −

田 中 宏 幸

辞書の定義と目的,タイプ 総合辞書の概要

WDG,DuDEN,B‑W3辞書の一般的特色 収録語彙の全体的比較

見出語の取扱,その配列・配置について 正書法,発音,分綴法

文法的特徴の表示 造語に関する情報 文体層の表示

地域的標示,時代的標示,特殊・専門語標示 意味。(用法)の記述

意味・用法の記述,文例などの比較 語源についての記述

要 約 参考文献

●●●●●●●●●●●●●● 12345678901234 11111

1.辞書の定義と目的,タイプ

辞書W6ヶ姥γ"C〃はHENNE,590(')によれば,「ある言語助"cheの語彙L""

wb油c加彪の連合的"""" "α雄c",統合的Sy加噌"、α姑c〃構造のコード化Kひ虚"‐

加加 である」辞書編纂Lexiた昭7 "たの成果ということになる。そしてその目的は「コー ド化された形で,特定の言語の語彙構造に関して,言語使用者の種々の情報伝達の必要に 役立つ」ことであり,その総合的目的は「言語能力の拡大」助"zzc"0"@""'@ze""e舵〃7g

と称することができる(ib.597)。より具体的には,母語や外国語の修得,専門用語などの 理解,翻訳のために,現在・過去のテクストの記録や解釈のための情報源として役立つこ

とになろう。

この「ある言語」は,しかし,実に多様であり,多くの下部体系の複合体であり,少な

(1)引用文献は一般に著者名で示す。コンマの後の数字はページ数を示す。一部での略号など含めて文献

については88ページ以下の表を参照されたい。

(2)

くとも文明語では,時間的,地理的,社会的なディメンシヨンでの多様性は,極めて複雑 な様相を示す。そして言語体系の中での語彙構造に関する情報は,発音,正書法,文法機 能,形態論的構成,統辞論的機能,意味など多岐にわたるから,現実には言語使用者の必 要に応じて,発音辞書,正書法辞書,方言辞書,同義語辞書,専門語辞書など,実に様々 な種類の辞書が提供されてきた。

ところで,あらゆるディメンションのすべての部分体系の語彙を採録し,すべての考え うる語彙に関する情報を含む総合的な辞書というものが理論的には可能である。これは,

しかしながら未だ実現していない。最近の情報処理技術の進展を見れば,遠からず割合満 足できるものが生まれる可能性はある。しかし,いかなる形をとるにしても,この総合的 な辞書から,必要な情報を手軽に得ることは,いろいろ困難が予想され,やはり部分的な 体系と部分的な情報一言語・辞書の利用者が必要とする−を提供する様々な辞書,例 えば,ポケット判小辞書,各種の専門語・特殊語辞書,発音辞書,逆引辞書,文体辞書な どが必要となるであろう。

今日,このような実用性から経験的に生まれた辞書の種類は実に多様である。これでも 可能な辞書のタイプ,すべてを示しているわけではない。このような様々な辞書の分類は 学術的見地からも不可欠であるが,必ずしも明確な結果がえられていない。(2)最近のこの 方面の業績はKijHNに見られる。これも完全に満足できるものとはいえないが,現在のと ころ最も便利な分類と目録を提供しているといえよう。その最初のタイプがく大型共通語 辞書>gMpegE''"'@sMzc"た〃wb池γ6"c〃eγである。

KUHN,19によると,このタイプの辞書は「一言語のすべてのgeSawM文語.口語語彙を 記録し,語彙が考慮されうる,すべての観点AS〆肘のもとに記述・説明を試みる。」この 辞書では,何よりも〈意味>&此"〃"gの記述・説明が中心となるが,同時に発音,正書 法,文法的特徴,形態説明,文体層,地理的・時代的標示,専門・特殊語の配慮,構文的 特性,慣用語句,短縮語,語源,外来語についての情報を含み,そして詳細な実用語.文 学語の例証と,使用例文が,これらの情報の補完をしなくてはならないとされる。これは,

実は先に述べた完全な総合的辞書の条件でもある。しかし,これは完全には実行されえな いものであり,1854年より一世紀以上にわたり,多数のケルマニストのエネルギーを費し 1960年に32巻をもってようやく完結したGRIMMでさえも,収録語彙数だけを見ても完全 ではありえないのである。KtjHNの定義は,現実的には,一言語をドイツ語と解すれば,

くすべて>ではなくて〈共通語の>ge"@e"@SMzc"此〃とすべきものであろう。このことは K伽Nは暗黙のうちに諒解されているものと解しているかも知れないが。

しかし,このいわゆる〈共通語彙>""@e""o""c加彪の範囲も<基礎語彙>G""d‑

(2)例えばDuETscHESPRAcHE,HENNE,LEMMER,REIcHMANNなど参照。前3者及び,ここで参考

にできなかったZAUNMULLERへの批判がKUHN,4に見える。

(3)

"omc加彪と同様に必ずしも明確なものではない。具体的には,現代ドイツ語について は,現代のいくつかの辞書が示している語彙と考えるのが現実的であろう。

KijHNは更に,この辞書の構成について,アルファベット順に見出語が配列され,(3)先 述の情報に加えて,具体的にはく同義語>Sw@0"w@やく反義語>A"加"yl〃も示され,

派生語や合成語は,しばしば,それぞれの見出語にまとまったグループとして記述される としている。DuDENやWDGなどでこの構成が具体的に確認される。以下5.1など参照さ

れたい。

2.総合辞書の概要

総合辞書としてKUHN,19ff.の目録に列挙されているのは20点で,18世紀から現代の 著作に及んでいる。詳細なタイトルは省略して編纂者名などにより,年代順に示せば,次

の通りである。()内の年代は初版の出版年を示している。

119世紀前半までの辞書:VOIGTEL(1793‑95),ADELUNG(1793‑1801),VOIGT(1805‑07),CAMPE ( 1 8 0 7 ‑ 1 1 ) , H E N s I u s ( 1 8 1 8 ‑ 1 8 2 2 ) , W E N I G ( 1 8 2 1 ) , H E Y s E ( 1 8 3 3 ‑ 4 9 ) , K A L T s c H M I D T ( 1 8 3 4 ) , W E Y H

( 1 8 4 3 ‑ 5 8 )

1119世紀後半から20世紀前半までの辞書:GRIMM(1854‑1960),HoFFMANN(1860),SANDERs ( 1 8 6 0 ‑ 6 5 ) , H E Y N E ( 1 8 9 0 ‑ 9 5 ) , P A u L ( 1 8 9 7 ) , W E I G A N D ( 1 9 0 9 ‑ 1 0 ) , T R U B N E R ( 1 9 3 9 ‑ 5 7 ) ( 4 )

1 1 1 2 0 世 紀 後 半 の 辞 書 : M A c K E N s E N ( 1 9 5 2 , 1 9 7 7 ) , K L A P P E N B A c H ( 1 9 6 1 ‑ 7 7 ) , ( 5 ) W A H R I G ( 1 9 6 8 ) ,

DImEN(1976ff.)

Iの辞書は現今では利用される事は少ないが,特に規範的な傾向が強い時代であった。

もち論,当時の語彙研究などには欠かせない文献である。これに続くIIのグループの辞書 は,すべてではないが大勢として歴史的ないし通時(論)的〔加Cル"""c〃な記述が支配的 な時代に編纂された。これらの辞書は今日でも,特に語彙の史的サイドの情報源として,

又19世紀以前の文学語などの研究になお必要性が高い。この中でGRIMMは,かけはなれ て大部のものであり,最初目指された一般人の<家庭用辞書>とはおよそ無縁のものとなっ てしまった。(6)この役割は,他の辞書が引き受けることとなった。HEYNEは,その序文の

(3)アルファベット順によらない辞書もありうる。現実には事項別に配されたⅨ)RNsEIFF:Derdeutxhe WortschatznachSachgruppen. Berlinl9595(1933'),WEHRLE‑MGERS:kutscher

Wortschatz.Stuttgartl967'3(SCHLESSINGによる初版は19世紀の80年代に遡るらしい)が代表 例であろう。又DuDEN3,BildwOrterbuchderdeutschenSprache・Mannheim/Wien/Ziirich l9773も類似の配列による図解辞書である。但し、、ずれもアルファベット順の索引が付いている。

(4)TRUBNERはシユトラスブルクの出版社の名。実際の編者は文献表を参照されたい。

(5)以下WDGと略す。詳細なタイトルなど文献表を参照されたい。

(6)グリムはDeutschesWdrterbuch.Bd.1Leipzigl854,の序文のSp.XIIf.で,,Fandebeiden LeutendieeinfacheKostderheimiscenSpracheEingang,sok伽ntedasWOrterbuchzum H a u s b e d a r f , u n d m i t V e r l a n g e n , o f t m i t A n d a c h t g e l e s e n w e r d e n . 4 $ ( 原 文 の 正 書 法 は 現 代 式 に 改めてある)と述べている。しかし実際はAknteuerで半ページ,Augeで6ページ,spielenなどは

32ページに及ぶ専門的な辞書になった。

(4)

なかで,グリム兄弟によって始められた仕事は,なお完成には多大の年月を要し−−先述 のように一世紀以上に及んだ一完成した時にも,グリムが第1巻の序文で述べていた役 割を果すことはできないだろうと予測し,グリムの最初のアイディアを実現しようとした と述べている。その方法はGRIMMに従っていて歴史的研究によっている。WEIGANDも史 的研究の所産で,語源と最も古い例証に重点をおいている。(7)最も新しいTRtjBNERも GRIMMの最初の目標を目指すのであるが,学術上重要で完全な,しかし言語史上興味があ

りα"z彪舵"α文化史的に"ノ加吻is加沈C〃重要なく語史>Wりγ鞭Sc"たh蛇を示し,独特な 通時的辞書となっている。〈家庭用辞書>という目標は,見出語の選択と,記述の分かり易

さんβj峨ということで達するつもりらい、o(8)

最後の現代の辞書は,われわれにとっても最も必要度の高いものであるが,全体的には いわゆる共時(論)的Sy"c"""たc〃な立場が特色とされよう。MAcKENsENは見出語数は 多いが説明は極端に短かく,(9)WAHRIGは各項目の説明はかなり満足できる量を提供し,

かつ巻頭に文法の解説を付すなどの工夫も見られ,手軽さという点では優れているが,

総合的という面からは,必ずしも充分なものとはいえない。(10)ここで総合的というなら,

やはりKLAPPENBAcH(W[X])とDuDENということになる。この両者は共に6巻(但し DuDENの6巻は末刊),前者は4551ページ,後者は5巻までの総ページが2432ページに及 んでいる。しかし収録語数は後者の方がかなり多いらしい。従って各項目の記述は,‐一般 に前者の方が詳細である。KUHNの目録は以上の4辞書を挙げているが,最近このクラスに 更にBRocKHAus‑WAHRIG('')が加わることになった。この辞書は第,巻が刊行されたのみ であるが,やはり6巻を予定していて,WDGを上回るページ数になりそうである。序文#こ よれば収録見出語数は22万とされている。

以下,現代ドイツ語の情報源として,最も有力で信頼がおけるWDG,DuDENjBRocK HAus‑WAHRIG(B‑W)の3辞書を比較しながら,最近のドイツ語総合辞書の方法と成果 を報告する。我国のケルマニスト,あるいは広く一般の関係者の参考となれば幸である。

3.WDG,DuDEN,B‑W3辞書の一般的特色

3.1WDGは1961年最初の3分冊が刊行されてから77年まで16年間かかって東ド イツのケルマニストの手によって完成された。この辞書は「今日のドイツ語の語彙とその 用法を記述すること」を課題とし,意味,文体層標識s"姑姑c"Ke""zejb〃""&文法的

(7)ヒルトによる1909年の5版への序文参照。WEIGAND,VIff.

(8)第1巻序文参照。

(9)1977年9版は序文によると17万の見出語を収録している。1212ページである。l巻本では最も語彙 数が多いと自認している。

(10)もっと小型の辞書としてはULLsTEIN,WAHRIGdtv,SPRAcH‑BRocKHAus(図解を含承,いろい ろの点でユニークな辞書);I,IIのグループではHOFFMANN,WENIGなどは小型である。

(11)以下B−Wと略す。詳細は文献表参照。

(5)

標識,文における用法を示すことを主要な目標としている('2)。

利用者としては,ドイツ語に関心のある,広い範囲の人々が想定されている。従って説 明には,平易な用語や表現を用いるように心掛け,外国人をも含む利用者のことを考慮し

たとされている。

収録の対象となった語彙は,現代の<教養層>6〃""gS"ME"叱馳"た〃の言葉で,具体的に は「科学,芸術,技術,実業界,行政,各種の社会団体や党派で責任をもって行動している 人々」の語彙とされる。この教養層の人々は,公的生活や文学,科学技術,新聞などの言 葉を規定しているわけである。いわゆる〈共通語>の概念としてコンセンサスのえられる ものであろう。この層のドイツ語の文語・口語の語彙が収録された。外来語も共通語的な ものは,大巾に考慮された。しかし一般的でない専門語や特殊語彙は除外された。方言語 彙は,文学作品などで一般に知られているか,標準語の表現にも登場するもののみ収録さ れた。時代的には20世紀のものが中心となるが,有名な古典作家の作品に現れる語は,18 世紀にまで遡って考慮したという。

資料は19.20世紀及び古典主義時代の文学作品,全ドイツ語域の新聞や様々の分野の雑 誌からの<抜粋収集>を基礎とし,更に19世紀以前についてはGRIMM辞書の資料にも依 存,その他印刷されていない聞取り例も考慮したとされている。利用したカードは,大凡150 万枚,見出語数については触れていないが,各項目の記述が割合詳細であり,スペースも ゆっくり取って印刷されているので,合成語なども含めて13〜14万ではないかと推定され

る 。

なお各項目の基本的構成は,見出語,(発音),文法的標識,意味,用例,引用,そして 必要に応じて文体層,地域的・時代的・集団的マークが表示される。78ページのコピー

を参照されたい。

3.2DuDENは1976年,ほ堂WDGの完成する頃,第1巻が,以後1980年までに5巻 まで刊行され,現在第6巻を残すのみとなった。

序文によると,ドイツ語域にはここ何十年来,〈現代一般的辞書>はなく,そのため,様々 の職業グループで,言語的・術語的な問題の解決に困難を感じているらしく,こうした事 態を打開するために,この辞書が刊行されたようである。

その課題は,ドイツ語を全体的に,その多層性I/Msc"た〃城e〃を記述し,又それを明

確に示すことにある。「同時にそれは,現代の,又その社会的状況の映像である。」従って

WⅨ3が専門語などに消極的なのに対して,より積極性が感じられる。序文は続けて,現代

ドイツ語の語彙を,派生・合成ともに,できるだけ完全に把握し,すべての言語・文体層

を考慮し,すべての地域的差異一東西ドイツ,オーストリア,スイスなどの−そして

すべての専門・特殊語を含むとしている。但し「共通語に影響が及んでいる限りは」と限

(12)以下を含めて同書序文3−5ページによる。

(6)

定される。そうでなければ「すべての」という表現は誇張となるであろう。従ってDuDEN の収録語彙の母体も又,原則的にはWDGの教養層のドイツ語と大差はない。しかし,50 万以上の〈見出語と定義>という宣伝から推定すると相当数の語彙が採録されているよう である。もっとも,ページ数は全体で約3000程度になろうかと思われるので,慣用句まで 含めて,せいぜい20万位ではないかと思われるが。

資料としては,DuDEN編集部の現代ドイツ語の言語カードが用いられたらしいが,その 他最近20年間の研究成果が取入れられているらしい。そして「語彙が考察されうる様々の 相を結合した総合辞書Gesaw@"tj畑γ伽c〃」を提供しようとする。言語での<伝達>

脆応〃"dを""gと言語の<理解>VWs""α"isに関して重要なすべての事柄を含むものと されている。

他方,先に述べたように,現代の映像なのであるから,当然この辞書は20世紀後半のド イツ語を記述するわけであるが,同時に過去についても考慮され,語の歴史や語源,慣用 句や語の由来なども説明される。「それは歴史的深みをもったドイツ現代語の辞書である。」

利用者として,一般人を想定している点はWDGと同じである。個人の言語能力の発展 と伝達の促進に寄与すべきものであり,又専門語の大巾な考慮によって,専門分野相互間 のコミュニケーションのための確実な基礎を与え,更に外国人にとっても基本的な参考書

となることを目指している。

特に世界での学術語・会議公用語としてのドイツ語の立場を強めることに貢献したいと 最後に述べているのは,今日のドイツ語の立場を考えれば印象的である。

基本的構成は,見出語,発音,文法的標示,語源,意味,用例,引用,慣用句,イディ オム,必要に応じて,文体層,地域的.時代的.専門語域などの標示が加わる。同様78

ページのコピーを参照されたい。

3.3BRocKHAus‑WAHRIG(B−Ⅷは1980年に第1巻が刊行されたばかりであるが,前 の2辞書より大部となりそうである。ヴァーリヒは既に1966年(WAHRIG),1978年 (WAHRIGdtv)に優れた辞書を刊行しているが,B‑W版はその成果を拡大したものといえ る。1966年,彼はフランスのく小ラルース>凡"#Lα "ssgや英語のCOD,Webs彪沌 Q""m彪α℃"0"αげに相当するような,ドイツ語のすべての相についての手軽伽"〃ど〃

で総合的な辞書としてWAHRIGを刊行した。('3)更に1978年のdtv版は基本語彙16,000 語についての辞書であるが,その意味・用法に関する記述法はより合理的なものに改めら れたc(14)特に動詞,形容詞には,いわゆる<文型>"""@Ms"γのタイプがナンバーによっ て表示され,統合的レベルの情報がより明快になっている。この方法はB−Wにも取入れ

(13)WAHRIG序文による。

(14)〈基礎語彙>は普通もっと数が少なく,2,000〜5,000に対して用いられることが多い。又このWAHRIG

dtvの方法についてはWAHRIGAnl.がその詳細を発表している。

(7)

られ,この辞書の特色となっている。

B−Wは更に序文によると,コンピューターを用いて作業を進めているらしく,この点が 注目される。この処理方法は今後は辞書編纂で一般的となると思われるが,ドイツ語域で の最初の試みである。これもヴァーリヒの功績とのことであるが,彼は1978年夏,第1巻

の刊行を知ることもなく世を去っている。

この辞書も,まずDuDENと似た「ドイツ語の多様性I/泥脆〃を示し記述すること」とい う課題を掲げている。採録された語彙は,標準語S脱Z"ぬ'てた伽ZC舵文体層マークのある s""s雄c〃 、αγ力jb〃語,方言語彙,古語,名前I/り"α"De",専門語,外来語,最新の新語 M"sc〃物"g('5)を含むとされるから範囲は大きい。最後の「最新の」にはコンピューター

を利用しているので自信があるらしい。

この多様な収録語によって,当然広い範囲の利用者が考えられている。つまり,言語を 伝達し,日常の職業生活で言語が必要な手段となっている人々,学習者,教師,学生,翻 訳者,記録文書作製者,文学愛好者,外来語に問題を感ずる人々に向けられている。これ は大体DuDENと同じで,特に外来語と専門語に留意したようで,この点WDGはやや控え 目であった。もち論,一般的辞書で専門語辞書に代えることはできない。何しろDuDEN.3 によれば電気技術関係で6万,医学で25万,有機化学で350万の術語ないし表現があるの である。当然B‑Wでも,専門語はあくまでも一般人との関連で取上げられている。

全体的に,更に言語使用者にとって不可欠なすべての情報を含むとされているのも DuDENと同趣で総合辞書の条件を備えている。

このような詳細な語彙の記述によって,B‑Wは「言語との責任あるかかわり合い」に寄 与したいと考えている。それは「正確な言語使用は,理解や伝達の困難を除去するのに役

立つ」からである。

基本的構成は,見出語(アクセント・分綴法が示される),(発音),文法的標示(活用,

統辞的標識など),意味,用例,必要に応じて文体層その他のマークが加わる。最後に語源。

なお78ページのコピー参照されたい。

3.4以上,原則的な目標や利用者の想定そして収録語彙に対する立場など当然のこと ながら一致しているといえる。その方法も,語源記述を除けば−WDGはこれを示さな いが−いわゆる共時論的立場が原則となっている。これは例えばHEYNEなどの記述と 比較すれば一層明らかとなるであろう。とはいえ歴史的深みとか,文学作品の考慮とか,

その解釈にはかなりのゆとりをもたせているのも共通しているといえよう。

4.収録語彙の全体的比較

記述の対象となる語彙体系そのものには大きな差異はないが,実際の収録語彙について

(15)造語論での用語ほど厳密な意味区別はなく〈新語>の意味で用いられている。

(8)

はいくらかの相違点が感じられる。

4.1.まずWDGが他の2辞書に比較して,専門語や外来語に関して控え目である点が 指摘されよう。例えばDuDENにはalla,allabreve,allamarciaなどallaを含む8音楽 用語が採録されているが,WDGには1語も収録されていない。もっとも,ここでも allegroは入っている。一方B一WはDuDENより更に2語多い。又WDGはallergischl 語を収めるに過ぎないがDuDENとB一Wはallerg,Allergen,Allergie,Allergiepa6, A l l e r g i k e r , a l l e r g i s c h , A l l e r g o l o g e , A l l e r g o l o g i e , a l l e r g o l o g i s c h の 9 語 を 収 録 し て い

る。更にAkzentについてはWDGはakzentfreiとAkzentverschiebungの2語しか示 さ な い が , D u D E N は a k z e n t l o s , A k z e n t b u c h s t a b e , ‑ t r a g e r , ‑ w e c h s e l , ‑ z e i c h e n と 5 語 多 くB一Wは更に‑schriftと‑setzungを加えている。両辞書の専門語・外来語への積極性 は,以上の例で見る限り明らかであろう。

4.2次に短縮語ないし省略語について見ると,ここでもWDGが最も控え目で,Abiと かAkkuのようなタイプに限られ,いわゆるイニシャル語などは考慮されない。しかし DuDENは単語のように"07mγ#葱使用されるイニシャル語,例えばLKw/LKW,AStA, BH(=Bustenhalter)などが採録され,特に原形よりも短縮語の方がよく用いられる場合を 考慮している。今日この傾向は多数の短縮語で認められているから,これは当然考慮され なくてはならない。少なくとも現代ドイツ語の総合辞書の役割を果すためには必要である。

一方B‑Wはこの短縮語については大へん麿揚で,固有名詞的な表現も収録していて百科 辞典的な色彩を帯びている。例えばADAC(=AllgemeinerDeutscherAutomobil‑Club), BBC,BDA(=BundDeutscherArchitekten)などが見える。これに対しBGBやBRD は一般的にあった方がいいと思われる。これらすべては見出語としてはDuDENには入っ ていない。短縮語の類は通常大したスペースを取らないから入っているに越したことはな い。この点MAcKENsENは小型ながら短縮語を多数収録していて便利である。('6)

4.3固有名詞は一般に言語辞書の領域に属さないが,普通名詞のように用いられる語は 当然収録されることになる。Adonis,Ampere,Hertzといった語である。更に主要な国名 と関連語は取入れられている。(17)これらについて3辞書は共通している。注目される差 異はB‑gWが人名(例えばAdalbert,Ama)を網羅している点である。古くはWEIGAND が人名を考慮したが,B‑Wは,その由来や意味,構成,別形などを記述している。短縮語 同様スペースは余りとらないので総合辞書としては,本質的ではないが歓迎されよう。('8)

4.4その他,方言や古語,標準語以外の文体層の語彙などの収録にもいくらかの相違が あるが,これらについては以下の9.,10.で概要を報告することとする。又いわゆる接辞の

(16)同様SPRAcH‑BRocKHAus,ULLsTEINでも考慮されている。なおDUDENでもGesetzbuchの項に はdasBUrgerlicheG.(Abk.:BGB)のように配慮はあるが充分ではない。

(17)WDGは6巻末に独立国の略称,正式名,国民名,形容詞の一覧表を付録としている。

(18)SPRAcH‑BRmKHAus,ULLsTEINでも考慮されている。

(9)
(10)

い。

5.2同音異義語Hり 0"WWの問題は,意味の記述と密接な関連をもっているが,この 取扱について,見出語の見地から3者の相違を簡単に見ておきたい。

w則は,これを完全に共時論的に解決しようとしている。例えば語源的に同一である場 合でもSchloB」<錠前>,Schlo62<城>,Feder!<1.羽,2.ペン>,Feder2<バネ>,Flugel】

〈翼>,Flugel2<グランドピアノ>と分割し,逆にabspannenでは語源的には別の<背か せる>とくゆるめる>は同一の語として扱われる。この方法は原則としては是認されよう が,後者のabspannenなどではいくらか疑問が残る解決であろう。

DuDENは全体として,同様に共時的立場にたっているが,意味の分化については,語源 的に同一の場合は,意味以外の文法的・構文的差異がある場合に限って同音異義語として 取扱う。従ってFeder,Fliigel,Schlo6は多義語としてまとめて記述される。それぞれ,1.

羽,2.ペン,3.バネ;1翼,2…,5.グランドピアノというように取扱われている。しか し語源が異なっていても,今日同一語とみなされる語は単一語として取扱う方針は WⅨ3と同じである。例えばKetteの〈チェーン>と<(うずらなどの)群れ>の意味は元 来別語源であったが,今日同一の語と感じられている。同趣の語に更にKohl<キャベツ;

たわごと>がある。(20)先述のabspannenがここで同音異義語とされるのは,従って意味 上の相違が大きいと判断したものであろう。

B−Wは同音異義語と同形語Hひ"MMp〃を同一の観点で扱い,語源や,活用,発音の差 異にもとずぎ意味の異なる場合分割するとしている。従って発音という点で′umfahren】

とum'fahren2が別の見出語となると説明されている(ib.,9)。語源が異なるが共時的に同 一とみなされる語の取扱い方は明らかでない。

なお,いわゆる同形(異義)語,例えばmodern[['mo:den]<かびる>とmodern2 [mo'dern]は,すべて別語として記述される。ただ,分離・非分離動詞の類はまとめられ

るのが普通であろう。

この同音異義語の合成形成についての配置は,それぞれの見出語毎にまとめている WⅨ3の方が便利で分かり易い。しかしDNDENでもナンバーによって,どの規定成分かが明 示されているので,大きな支障はない。これに反しB−Wでは,この区別がなく機械的に アルファベット順に配されるので,どの意味の規定成分かすぐ・には判断できない。規定成 分に付加ナンバーをつけなくてはならないと思う。

6.正書法,発音,分綴法

6.1見出語は又正書法を示している。時々見られる別形は,並記されたり,()など

(20)因みに木村・相良:独和辞典(博友社)は両語とも別に扱われている。

(11)

用いてAbenteu(r)erin(WDG)としたりAbenteuerinlAbenteurerin(DUDEN)のよう な指示が用いられたりする。WDGでもFotoではs.Photoとなっている。DUDENでは PhotoはなくPhotogen,Photographではfの正書法の見出語が指示され,意味などはこ こに記載されている。従って語によってfによる場合とphによるものが分かれている。現 実の反映なのであろう。これに対しWDGとB‑Wはphを優先して統一して↓、る。この

ような差異はあるが当然ながら正書法の取扱はほとんど一致していると考えていい。

6.2この見出語の正書法は,暗黙のうちに発音や分綴の情報を含んでいるが,更に付加 的記号などでより明確にすることは,又多くの辞書の方法である。(2')しかしWDGと DuDENは分綴については何も示さない。これは正書法辞書の領域ということであろう か。(22)それに反しB−Wは,アクセント記号(2音節以降の場合)と中点,又分離動詞で は縦の分割線などを用いてこれを明示している。78ページのコピーを参照されたい。更に ckではく−k.k‑>,又合成語などでの子音字の復活,例えばBettuch<‑tt・t‑>を 明示している。この方法はWAHRIG,WAHRIGdtvで既に用いられたものである。この最後 のケースについては,DuDEN,WDGでも考慮されてはいる。前者ではBett‑:…一tuch (ungetrennt:Bettuch)と注記されているから満足していい。WDGはこの場合は,引用例 中で示されているが分かりにくい。後に方針を変えたのであろう。3巻目位から動" ‐ 伽"gのマークのもとに合成語のこの種の正書法の記載が見られる。例えばhell‑:…一・

licht/勘ル〃伽:hellicht/とする。DuDENも含めて,この逆は分かり易いとはいえない。

なお,この種の情報は,一般的規則を掲載しておけば,個々の記述は大巾に省略できる

であろう。

6.3発音については,ドイツ語のように正書法が規則的な言語では,元来個々の発音標 記は不要のものであろう。日本語の〈かな>と同じである。しかし原則からそれる場合,

特に外来語などでは,これが必要である。この点,3辞書はいずれも配慮している。

特にDuDENは,その必要がない本来のドイツ語の語でも,単一語の場合には,すべて〈国 際音声字母>IPAによる発音を示している。78ページのコピーを参照されたい。

WDGとB−Wは一般の語ではアクセントと一部で母音の長短を示す付加記号で止めて いる。WDGは原則からそれる場合,つまり第1音節以外にアクセントがある場合のみ示し ている。従って78ページのコピーAbenteuerにはアクセント記号はつけられていない。経 済的でしかも明確な方法である。他方母音の長短は外来語では1音節の語でも示されるが,

全体的にこの表示は不充分である。例えばlebfndigのアクセントと短母音は示されてい

(21)これを全く示さない辞書に例えばGRIMM,HEYNE,TRUBNERがある。

(22)Dudenがまず正書法辞書から出発したことは周知の通り。元来編者の名であった。1880年に遡る。

当時のDudenは分綴は巻頭に規則として示され,辞書部では特に配慮はされていない。しかし今 日のDUDEN1(特に196816以降)はこれを明確に各語毎に示して↓、る。DuDEN,Konrad:

VollstandigesorthographischesWOrterbuchderdeutschenSprache. Leipzigl880.

(SammlungDudenl.Faksimiledruck.Mannheimo.J.)参照されたい。

(12)

るが,Bart,Erde,Heimat,Mondなどの長母音の表示はない。やはり何かマークが必要で あろう。

外来語に関してWDGは原語の発音ではなく,同化の状況を反映した発音や地域的差異 などを示すのはいい。例えばBonbon[boqbQ9,b6bO],Balkon[…IQU,…lC]landsch.

bes.6sterr.[…胆、〕,Chemie〔●..〕,snddt、6sterr.〔k、.〕,schweiz.〔●..,K・〕,Jazz〔d5a6〕

veralt.[jaz]である。しかし,この例で分かるようにIPAとドイツ式の発音標記とを混合 しているのは余り感心できない。せっかくWdtAが刊行されているのであるから,今後は この規範を収録するのが適切であろう。

DuDENの発音について,更にくわしく紹介すると,その示している発音は,いわゆる正 式の標準発音一かつて〈舞台発音>劇j伽e"α"sSpmc舵と称された一ではなくて,<広 域標準発音>沈加γγ昭勿"α彪馳z"血γ〃"s""c舵とされる幾分緩和されたレベルの規範で ある(ib.,5)。恐らくDuDEN6によっていると思われるo(23)従って‑r,‑erの母音化は

[e]で示されているし,又語末のenは音節化した[¥]で示されている。外来語では

WDG同様,同化した発音が示され又地域差なども考慮されるが,ここでは更に原語発音も 付加されている。Bonbon[bOgbOO,auch:b6'bO:(6sterr.nurso)],Jazz[d5Es,jats],

R u g b y [ ' r a k b i , e n g l . : ' r A g b i ] , S l o g a n [ ' s l o : g W l , e n g l . : ' s l o u g e n ] , s m a r t [ s m a : E t ,

auch:smart;engl.:sma:t],Smog[smJK,engl.:sm"]などである。しかしChemie などの語頭のch−についての地域差は考慮されていない。一般的に標準発音ということ で,語末の‑igの発音や語頭のSp‑,st−などの,又sの無声化などの地域差なども考慮さ れていない。この点,幾らか総合辞書の発音標記としては不充分とも思うし,又[E]や

〔¥〕の画一的な扱いなども気になるが,全体的には発音情報に関しては,やはりDuDENが

最も詳細といえよう。

B−WはWDG同様,規則的な発音は示さない。但しアクセントは,すべての2音節以上 の語で示されている。分綴指示の都合で付加できない見出語では別に示される。又外来語 の発音はIPAで示され,ヴァリアントがあれば併記される。しかし母音の長短に関して は,一般的にも,又外来語でも不明確である。Arzt,Bartは無標記であるし,例えばak'tiv

<a.['…]Adj.>ではアクセントしか分からない。WDGはaktiy,3ktivとしているので少 なくとも[ak'ti:f]は示されている。両者で['akti:f]は分水らない。WdtA及びSIFRs ではこれが示されている。DuDENもこの語に関する限り,発音辞書の場合も,略号でアク セントのヴァリアントを示すため同様不明確である。しかし他の場合DuDENはIPAを用 いているので母音の長短は明確に示されている。

6.4結論として,WDGとB−Wでは母音の長短の情報が不足し,DuDEN,WDGでは分

(23)1962年の初版では純粋な標準発音を示し,ただ序文解説部で一般的発音が解説されていた。再版では

これが根本的に改められ,より現実的な規範を示すことになった。

(13)

綴の指示が欠けているといえる。又一般的に発音の地域差がもう少し考慮される必要が感 じられる。総合辞書という観点から,大してスペースを要しないこれらの情報はぜひ補わ れるべきであろう。(24)

7 . 文 法 的 特 徴 の 表 示

辞書は又,語の種類とか語形変化などについての文法的情報をもたらさなくてはならな い。更に構文上の情報,つまり語の文中での用法も示さなくてはならない。構文上の情報 については,従来は例文・引用文の形で示されてきたので,B‑Wの一部を除いて,この比 較は12.で別に試みることとし,まず前者について概要を見たい。

7.1語類の表示は普通,名詞では文法性の表示で代えられる。これは定冠詞又はラテン 語系術語の略号m.f.n.で示される。W恥とDuDENは前者により,B‑Wは後者によっ ている。(25)名詞では次に活用タイプが単数2格の語尾と複数1格の語尾(変母音の場合は WⅨ3とDuDENでは語形)が示されるが,これも多くの辞書の方法である。<26)なおB−W

は複数の1格は変母音の場合も略号で代えている。

しかし不規則な変化形については,いずれも完全とはいえない。例えばWDG,DuDENそ して説明文によればB‑W,11もHerrについてはWDG:‑(e)n,‑en;DuDEN:‑n(selten:

‑en),‑en;B‑W:‑nod.‑en,nod.‑enとあり暗黙のうちに3,4格にも及ぶことを示し ているらしいが,明確とはいえない。なお単数のヴァリアントについてはDuDENのような 記述が好ましい,もし現実がそうなら。HerzについてはWDG:‑ens,‑en;DuDEN:‑ens (med.gelegtl.starkgebeugt:desHerzes,demHerz),‑enとあるが充分ではな い。DuDENが医学用語として時に強変化と注記しているのは,はなはだ有意義であるが,

それにしても3.4格は普通ならどうなるのか分からない。しかも以下の用例は念入りに H.の略号を用いている。ドイツ人には分かりすぎているからなのであろう。しかし総合辞 書としては情報不足である。

語形変化の別形については,DuDENで専門語の例が見られたが,時に地域差などについ ても考慮されているのは便利である。例えば,DuDEN:Bogen‑s,‑,sUdd.,6sterr.auch:

B6genとあり,複数形に発音も示されている。B‑Wにも同様の注記があるが,発音は示さ ない。他方WDGはこの別形は示すが,地域差マークがない。

なお合成語などでは,これらの表示は基礎語に委ねられるのは当然である。その他複数 を欠く場合や,複数でのみ用いられる名詞などはその表示がある。

(24)小型のULLsTEINがこの点で優れている。ここでも発音はIPAによっている。

(25)定冠詞による方法は,古くADELuNG,CAMPEに見られるが,当時は前に置かれている。現今でも SPARcH‑BRocKHAusがこの方法である。ラテン語系の略語は古くはGRIMM,HEYNE,WENIG,

虎.

TRUBNERに見られる。最近ではWAHRIG,又MACKENSENはドイツ語の略語を用いる。

(26)これを示さないのはGRIMM,HEYNE,TRUBNERなど。

(14)

7.2動詞の語類はW恥では/Vb./で示されるが,変化語形が示される不規則変化動 詞などでは省略される。活用は,過去形,完了助動詞(hatかistで),過去分詞,そして必 要な動詞では見出語,つまり不定詞のすぐ後に()内に3人称単数現在形が示される。

これらの語形は弱変化動詞でも語尾に−e−が入るタイプや分離動詞では示される。ahnen / 1 / b . / ; a b f a h r e n ( e r f a h r t a b ) , f u h r a b , i s t / h a t a b g e f a h r e n ; a b e r n t e n , e r n t e t e a b , hatabgeerntet.話法の助動詞でも現在は3人称単数のみが示される。しかしseinでも (ist),war,istgewesenとパタン通りの語形しか示さないのはやはり充分ではない。WDG には,それに動詞の変化表などは付されていない。

なお従来一般に行われてきた自動詞,他動詞などの表示はなく,意味区分によりその用 例で暗示されるとしている。

DuDENはまず弱変化SW.,強変化St.,不規則(いわゆる混合変化はここに入る)unr.の 活用タイプを伴うV.によって語類が示される。その後に完了の助動詞が示される。blasen

<st。V.;hat>,begegnen<sw.V.;ist>ただしこれが意味によって異なる場合には意味の 説明の後に示される。ここでも自動詞,他動詞などの区分は行われず,意味ないし用法に 関連してその機能が示されることになる。

活用語形については,別形などがある場合にのみ示され,通常は巻頭の変化表に委ねら れる。なお別形については地方差や専門語などの差異も示される。backen<backt/(auch:)

backt,backte/(veraltend:)buk,hatgebacken>;fragen<sw.(landsch.auch:st.) V.;hat>;senden<unr.V.,hat;bei(Rund)funku・Ferns.:binnendeutsch:sendete, gesendet,schweiz.:sandte,gesandt>と良心的である。

しかし奇妙なことに,ここでもseinについては充分ではない。巻頭の変化表では3基本 形と接続法IIの語形しかなく,本文の項ではどういうわけかbin,ist,sind,seidとのみ列 記されていてはっきりしない。接続法Iの語形も見つからない。文法に委ねてしまってい るのであろうか。発音についての親切さはここにはない。しかし話法の助動詞の現在の単 数形は表に示されていてWⅨ3よりは良心的になっている。

B−Wは動詞についてはV.の語類標識を示した後に100〜294の数字で活用タイプが示 される。もっとも100は規則変化なので特に示されない。101〜294が強・混合変化・

不規則変化動詞backenからzwingenの変化のナンバーで,巻頭にその表が掲げられて いる。例えばabfahren<V.130>と示され130を見るとfahrenの変化が示されている。

この変化表は,単数1〜3人称現在,過去基本形,一部で過去の2人称単数,接続法II, 命令法(2人称単数),過去分詞を示し完全である。ここではseinの現在形と接続法Iは 全語形が示されている。話法の助動詞もsollenを除いて完全である。当該見出しでの具体 性には欠けるが,詳細な語形によりほとんど疑問なくその情報を提供していて有難い。こ

の3辞書のなかで最も良心的といえよう。なお,このメトーデは既にWAHRIG,WAHRIGdtv

(15)

で実行されていたものである。

次にB三Wの動詞には,いわゆる文型の指示ナンバーが示される。この情報は統合的機 能ないし用法を示すもので,従来の辞書では例文などで間接的に説明されてきたものであ る。このメトーデはWAHRIGdtvではじめて用いられたが,これと全く同じものが用いら れている。文型は巻頭にまとめて表として掲げられているが,連辞的補語を伴うタイプ,

無目的語か自由選択目的語タイプ,4格目的語タイプ,3格目的語タイプ,2格目的語タ イプ,前置詞目的語タイプが300〜850のナンバーで,一種の区分ナンバーリングの方法で区 分されている。(27)又再帰代名詞を伴う文型としてR1〜8が区分され,合計84を数え る。(28)ただし意味によってこのナンバーが異なる場合は,意味区分ナンバーの次に示され る。この文型ナンバーの後に完了の助動詞がsein支配の場合に限り(s.)で示される。例を あげると′abfahren<V.130>1.<400(s、)>ej"eF""〃聰加"g"…2.<500>2.1… "なん Fb"だe姻加鯛加'此""2.2(h.od.s.)…ん"だ"αα6s"c舵〃…2.3…3.<500>3.1

<505>伽〃〃("""0溶允"姥Es)肋" 〃α66"""…で400=S(主語)+Vb(動詞),500=

S+Vb+AkkO(4格目的),505=S+Vb+AkkO+(PrapO)(前置詞目的)というこ とになる。更にこの後に構文パタンが意味説明に先立って示され,例文が補われる。もち 論,ここでも自動詞,他動詞などの区分は消失してしまっていることは注目しなくてはな

らない。(29)

7.3形容詞では語類表示の他に比較形や,付加語用法での無語尾の形容詞,或いは用法 が限定されるものなどの情報が示されなくてはならない。

WDGでは比較形は,変音を伴うか不規則な場合に示される。最上級はam‑stenの形で 示される。比較形が用いられない形容詞についての指示は,意味から分かるとされる blutarm,gestrig,vorherigなどでは何も示されない。これに反しvorherigの意味のalt などでは/o"eS泥較〃昭/と示されている。前者にも簡単なマークがあった方がいいで あろう。これ以外の文法情報については大体満足される。付加語用法での無語尾,述語的 用法しかない場合,付加語的用法しかない場合などが表示されている。lila/加叱〃A"/, s c h a d e / " " γ〃 s e i " / , a l i l o l d / " @ e ぶ 〃 @ " s e " / , h i e s i g / " " γ α " 汎 / な ど で あ る 。

DuDENでも比較形は変音を伴う場合,最上級に−e−が入る場合,不規則な場合に示され,

最上級は語尾一eを付して例えばaltesteのように記されている。比較形がない場合は WDGと違って,すべてに<o・Steig.>を示すのは外国人などには親切であろう。その他の 用法の限定などについては充分に指示されている。ただしschadeには比較形のないこと

(27)区分ナンバーリングについては11.4参照。

(28)DUDEN4,488ff.にも類似の記述がある。

(29)WAHRIG,ULLsTEINはこの自動詞,他動詞などの区分を用いている。又SPRACH‑BROCKHAUSは

動詞に関しては周知の如く1人称単数形を見出しとしているが,代名詞などを用いて,一種の構文

による方法で動詞の用法を示している。たんahne(habegeahnt)es,jb〃ahn(e)le(..ノ鋤加

(16)

は示されているが,述語的にのみ用いられるという点の指示は落ちている。DuDENで注目 されるのは,更に多用される名詞化用例がある場合には,これが記載されている点である。

例えばaltにはAlte,der,Alte,die...などが示されている。この見出語の区分は煩瓊に すぎるとも思うが,このような関連語形への指示は便利である。wⅨ3には,この項目も指 示もなく用例文で示されるに過ぎない。又B‑WではAlte(r)の見出しはあるがaltでの

この見出語への指示はない。

なおhochに対するhoh‑の語形についての記述は充分でなく,この点WDGも同様で ある。つまりhoheでhochへの参照標示があるがhochの項にはhoh−の語形について は例文の中で消極的に示されるにすぎない。B−Wはこの項未刊なので取扱は不詳である。

B‑Wは形容詞についても,動詞のように表とナンバーを用い,付加語用法の語尾比較 形,用法そして統辞的文型を指示している。同様WAHRIGdtvのメトーデの踏襲である。

規則的付加語語尾を示す<10>,規則的比較形を示す<21>は示されない。又用法については 規則的なく30〜34>は示されない。用法が規則的ということは,述語的,付加語的,副詞 的に用いられることを指している。これ以外のケースは見出しの後,或いは意味によって 異なる場合は,その区分ナンバーの後にこれらの標識ナンバーが示されるのである。例え ばamlichは無標識であるから規則的語形を示し,規則的に用いられることを示してい る。これに反しbeigeのように付加語用法で無語尾で比較形を欠くタイプは<11>,armの ように比較形で変音を伴うタイプは<22>altbekanntのように比較形がなく,副詞的に用 いられないとく24,70>のように示される。更に同一方法によっているWAHRIGdtvから wertでこれを見ると<adj.24>1<43od.60;veraltend;geh.>ノ"ム""e"..2<40>

6e庇"〃"gS"0"...3<42od.44>""'tiZ...などとあるが,<40>は述語的にのみ用いられ ること,〈42>は4格目的語をとり述語的,〈43>は3格目的語をとり述語的,〈44>は2格 目的語をとり述語的,<60>は付加語的にしか用いられないことを示している。このナンバー による標識はスペースをとらず簡明であるが,具体的でないので,参照の手間がかかり特 に活用や用法の限定などについては必ずしも親切とはいえない。ただし構文的な情報に関 しては,以下の例文によって具体的な構文が示されるので支障はないであろう。

7.4これ以外の語類については,前置詞の格支配を除けば特別の文法的記載はなく,形 式語などの用法は以下の記述に含まれることになっでいる。特に注目すべき特色は全体的

には認められない。

。さて3辞書は,この文法的情報に関しては,それぞれ工夫が見られ相違点もあるが,全体

的な実質はほぼ満足すべきものであり,又3者で共通しているといえる。一部の不完全さ

は既に指摘した通りであるが,その改良はごく僅かの補犀ですむであろう。

(17)

8.造語に関する情報

語彙構造の特色のひとつに,造語ないし語構成およびそのタイプの問題があるが,総合 的辞書では,これに関する情報も充分に含んでいることが望ましい。

8.1現今,一般の辞書では合成語と接頭辞形成については,特に規定成分のサイドから は,具体的形成例がグループとして示されるので,間接的ではあるが,かなりの情報を提 供している。この点3辞書とも原則的には同様である。特にDuDENとWDGは合成形成や 接頭辞形成の一部をまとめて記述していて分かり易い。しかし接頭辞形成では独立項目と

して扱われるものも多く,アルファベット順との関連で必ずしも明確ではない。この点 B一Wは合成語でも同じである。

しかし,すべての辞書で合成成分相互の関係やその形成プロセスないし規則は示されて はいない。意味の記述にそれらは委ねられている。この点で注目されるのはWDGのいわ ゆる分離の前綴に関する記述である。例えばan−やdurch‑などで意味的な区分に従って 形成例が分類・網羅されている。

ところで一般の辞書で情報が得られないのは,ある基礎語についての合成語のグループ である。この比較は,しばしば造語規則や意味の理解の卿、となるが一般にはMATERでも 用いて作業する方法しかない。この点でもWDGは優れている。合成形成は基礎語のサイ ドからも示されている。(30)例えばAbenteuerのコピーで確認されたい。動詞などでは合 わせて分詞形も示されていて親切である。例えばheizenにはan‑,auf‑,be‑,durch‑, ein‑,er‑,fern‑,nach‑,liber‑,ver‑,vorheizen;un‑,zentralgeheiztが示されている。基 礎動詞にどのような平行形成があるのか比較することによって,意味もより明確になる可 能性も大きい。

ついでながらWⅨ3は1945年以後の形成についてⅣセ"'Zg""gの標識を与え,結果的 に造語の史的情報の一端を提供している。他ではこれは顧慮されない。

8.2派生形成のうち接頭辞によるものの一部はWⅨ3やDuDENでも取入れられてい る。例えば前者にはa‑,an‑,anti‑,Mikro‑,Mini‑,mi6‑,syn‑,Ur‑,ur−などが接頭辞と して説明されているo(31)しかし接尾辞については全く考慮していない。これらは一般には 語より下の形態素と称される単位なので見出語として収録されない事が多い。しかしその 点では接頭辞も元来同じはずである。例外的に古くはWEIGAND,最近では完全ではないが WAHRIG,そしてB−Wがこれを取入れている。(32)例えばB−Wには−barが見える。ただ し見出項目に収めたという点のみ評価されるのであって,その記述はすべて充分とはいえ

(30)逆にSANDERS,Daniel:WdrterbuchderdeutschenSprache.Leipzigl9762などでは基礎語から しか記述されていない。又SPRAcH‑BRocKHAusも動詞の合成形成に限って同様である。

(31)ULLSTEINでも考慮されている。

(32)SPRAcH‑BRocKHAusでも考慮されている。

(18)

ない。‑barなどは今日非常に生産的pγひ。"賊〃な接尾辞であるから,もっとスペースをさ き,明確な形成の規則を示し,形成例を多数挙げるべきであろう。少なくともWDGのan−

やdurch‑のように。因みにB一Wのこの項はわずか4行強で,そのうち約1行半は語源説 明である。この語源説明も造語ではしばしば好ましいのであるが,それにしても形成例が 3例というのは少なすぎる。しかしWM,DuDENよりは良心的なのである。WDGでは例 えばtrennbarはso"schz城","BesgE舵""tz"el勉兆卯加"〃と説明されるので,この 接辞の機能が意味的には示されてはいる。しかしbefahrbar,benutzbarではbefahren, benutzenへの関連が示されるだけで意味の説明は省略されている。DuDENとB‑Wでは

これらはそれぞれ説明されているが,特にB‑Wの方が規則的で統一されている感があ る。しかしこの説明は−barで一般的に説明しておけば省略しうるであろう。WDGでは各 個の説明も省かれるとすれば,造語規則は文法の一部と見なされ,辞書の中には加えない という見解なのかも知れない。それにしても他の面では造語についての記述は親切で行き 届いているのであるが。

一般的には接辞類は形式語と同様に数はそう多くないので見出項目として収録し,一般 的造語規則と形成例を示すのが望ましい。

8.3この他短縮語があるが,これは先述のように,(33)B‑Wが最も詳細になると思われ る。各項目には原形が示されているからそのプロセスは自ずから明らかであろう。

8.4造語情報という点で3辞書を比較すれば,総合的にはW船が特に合成形成と分 離動詞の記述法について優れ,DuDENはしかし何よりも形成例の豊富さにおいて,そして B‑Wは合成形成例も多いが,派生接辞と短縮語に関して特色があるといえよう。

9 . 文 体 層 の 表 示

語とその用法は,意味以外に一種の評価を伴うことがあり,これによって一定の文体層 に所属することがある。例えばKopfの意味のHauptは一種の雅語ないし<高層語>

gE"06e〃であり普通の状態では用いられない。同様Antlitzも雅語であり,通常の文体層 ではGesichtが用いられる。逆にBirneやFresseはく俗語>saノ0 ないし<卑語>〃"妙γ のレベルの語である。こうした文体層の識別区分は,今日のように様々な文体層の語彙が 一般語彙の中に氾濫している状況では,不可欠であり,特に外国人には必要であろ う。WDGは序文で,このような試みは,これまでも無かったわけではないが,(34)首尾一

貫して行なわれたことはないと自認している(ib.,11ff.)。この識別は,しかし主観的にな りやすくWDGはこれを避けるために,辞書編纂関係者や各種専門家など多数の人々との 意見交換を行ない,できるだけ客観的になるように心掛けられたらしい。1960年代の

(33)4.2参照。

,(34)例えば既にCAMPEが,いろいろの記号を用いて工夫している。

(19)

WDGのこうした一貫性のある作業の試みは,確かに評価されよう。この後,このような文 体層標識を示すことは,一般辞書では自明となった感がある。W恥に続いて,DuDENも 新しいB−Wも,そして少し前のWAHRIGでも取入れられ,更にMAcKENsENも1977年の 新版で,不完全ながら旧版になかった,この種の指示を追加している。(35)

9.1具体的にWDGの文体層琉"c"た〃及び文体ニュアンスS〃勿伽"zgの区分を 紹介しよう(ib.,12ff.)。

まず文体層としては1.〈高層語>配加"",2.〈通常語>〃0γ"、α卜S"mc"此九3.〈俗 語>saノひ',"畑gwMS"mc"此",4.〈卑語>〃"妙γと4分される。(36)1.は公式の場な ど改った状況で用いられるが,更に〈文学語>〃℃"た油c〃を含み,2.は通常の文体層で あるが,〈共通口語>〃刀噌zz"邸SMzc"此〃が含まれる。これらに対し3.はいくらか軽く,

公式の場などでは適さないくだけた文体層,4.は明らかに粗野と感じられる層というこ とになっている。卑語の下に〈狼雑語>obszd〃のランクが想定されているが,この層の語 彙は全く収録されていない。

この文体層のうち2.は無表示であるが,〈共通口語>を含めて他の場合は,見出しの後 或いは意味や用法の後に略語で表示される。例えば,通常のsterbenに対しableben, entschlafenはgE".,又abkratzenはs2zノひ〃krepieren,verreckenなどはり"心であ

る。 耽肱の例としては通常語Fliigelに対するFittich,これには高層語Schwingeがあ る 。 通 常 の b e k o m m e n に 対 し て は k r i e g e n ( " " g ) , e m p f a n g e n , e r h a l t e n ( g e " . ) が あ る 。 もち論,すべての文体層の語がセツトのように揃っているわけではなく,この点では極め て不完全な体系であることはいうまでもない。

次に文体層と相補的関係にあるく文体ニュアンス>の区分については次の11が示され

ている。

1.〈戯語>sc舵γz"α/f(Adamskostiim,<まる裸>のこと),2.<親密語>

" e γ 伽 z " " b h ( A l t e r c h e n ) , 3 . < 腕 曲 語 > 〃 g 戒 " 此 " α ( a b b e r u f e n w e r d e n = s t e r b e n ) , 4 . < 擬 古 語 > α 肋 冗 加 、 e / " α ( a l l d i e w e i l ) , 5 . < 美 化 語 > g e S ' 〃 " ( B e i n k l e i d = H o s e ) , 6 . < 文 書 語>" γz左"たc"(aktenkundig<書類証明可能な>,laut),7.<誇張語>〃虎γ加助c〃

( a b s c h e u l i c h = s e h r ) , 8 . < 軽 侮 語 > α 伽 e 池 " α / M り" z ノ ( A b l a 6 k r a m e r 史 語 で < 免 罪 符 販 売商人>のこと),9.〈噸笑的>""fsc"(Amtsmiene),10.<侮辱語>勘"""i"0"(Aas,

Esel),11.<粗野>娩妨(abkratzen)

具体的には,以上の文体層と必要ならこの文体ニュアンスが組合されるが,後者だけ示 される場合もある。組合せた例で例えば,Adamskosttimには〃畑gsc肋だ".とある。全

(35)ULLsTEINやSPRAcH‑BRocKHAusでも簡単であるが考慮されている。

(36)原語は形容詞で示されているが,訳語は名詞としてある。後に「的」でも付ければ正確であろう。次

の文体ニュアンスなどでも同様にした。

(20)

体的に非常に有意義な情報といわなくてはならない。(37)

9.2DuDENの区分と標識もほぼWDGに近いものである(ib.,15)。ここでは文体層 は,〈文体的評価>s""s姑cheM"e戒"噌巴",文体ニュアンスはく用法標示>Ge""""c"s‑

α"M舵とされている。前者の区分では,まずく教養語>〃J上加"S"γ"c"肋〃という層が 注目される。これは,特に高等教育を前提とするような語彙層で,例えばAffront<侮 辱>,analogのような専門語に属さない外来語などを含んでいる。(38)この他Aar(Adler), Odem(Atem)などの〈文学語>,それに<高層語>が通常より高く,下のランクとしては,

〈共通口語>,〈俗語> ノ。如く粗野語>吻池〈卑語>〃" γと区分されている。

他方,用法指示にはWⅨ3に類似のSc膨瀝"Z危Sp6"fsch,"o"isc",α伽g池 〃αC"‐

"c灼脆geS"e""e伽ノ〃"&"wW加伽などが示されてし、る。",)

ここで此幼は文体的評価の区分となっているが,WMではDuDENの用法指示に相当 するニュアンスの標識であった。この〈粗野語>はWDGのsa/0"とり" γの中間が想 定されている。全体的には大差はないといえよう。

しかし個々の語や意味用法についての,これらの指標は必ずしも相互に一致していると はいえない。例えばBeinkleidはDuDEN:(veraltet,geh.,nochscherzh.)/WDG:〃"た gespreizt,又alldieweilはDuDEN:<konj.>(veraltet,nochscherzh.);<Adv.>(geh., scherzh.)/WDG:altertUmelndとある。DuDENでaktenkmdigは無標示,lautは (Amtsspr.)abscheulichは文法的標示として<intensivierend...>と(umg.),(WDG:

saloppUbertrieben),Abla6kramerは無標示,Amtsmieneは(meistiron.),abkratzenは (derb)と異なっている。sterbenの意のkrepierenはDuDEN:(salopp),WDG:vulg., Fittich,Schwinge,empfangenは両者で共通しているがerhaltenはDuDENでは無標示,

つまりノーマルなレベルの語と見なされている。

これらの相違から分かるように,文体層や文体ニュアンスの表示には,かなり不安定な 面が感じられる。これが東西ドイツの相違なのか,又その本質による必然的変動なのか,

多分後者の要因によるものであろう。とすれば,現在はこの程度で満足すべきかも知れな い。なお意味と共に或いは場合によっては意味よりも早く,これらの実体が変化するとい

うことは充分念頭においておかなくてはならない。

9.3詳細な比較はできないがB−Wの区分についても見ておく必要があろう。ここで は区分そのものが少々異なっている。まず通常の文体層はく標準語>伽chsp"c〃此〃

(s""血刑−,"0""zzJ‑SMzc"此")とされ,これは同様無標識である。これに対し〈共通口語>

(37)WDGではこれらの標示はすべてローマ隔字体で示されている。

(38)この区分はB‑Wでは特殊語のひとつとされる。因みに前者はB−Wでは同一標示,WDGではく準 古語,高層語>とされている。後者analogは両者で無標示。

(39)これらはすべてローマ体で示されている。

(21)
(22)

の例に,〈(2頭馬車の)3頭目の馬>の意味のBeipferdがある。

一方DuDENは特に比較的大きな地域に広がっている語で,それらをカヴァーする標準 語がない場合に<区域的>畑g伽、αノという標示を用いる。例えばfegen(regional),kehren ( r e g i o n a l , b e s . s i i d d . ) や S a m s t a g ( r e g i o n a l , b e s . w e s t d . , s U d d . , 6 s t e r r . , s c h w e i z . ) , Kn6del,Semmelなどでこのマークが付されている。Sonnabendは(bes.nordd.)との承 記されている。WDGでは最初の2語は無標示,Kn6delは南ドイツ・オーストリア,他の 2語はく地方的>とされる。Samstagには更に比s.siiddt.6sterT.schweizが付加される が,逆にSonnabendには標示はなく,語義はここに示されている。B‑Wについては未刊 なので,これらの語の比較はできない。(41)

次に有名なく夕食>とく肉屋>を意味する語の標示を示すので参照されたい。一は無標示。

Abendessen Abendbrot

Nachtessen

Nachtmahl

FleiKher Fleischhacker Flei誕肋auer Metzger Schlachter Schlachter

W 閃

landschaft

landKhaftl.Ws.

Ridwestdt・schweiz siiddt.6sterT.

osterT、

6SterT.

westmitteldt.sUddt norddt.

landschaftl.

DUDEN

bes・westnd.,westmd.,bayr bes.nord‑u.

nordostd.

bes.siidd.,schweiz

6sterr.auchsudd.

ost6sterr.ugs.

6sterr.

landschaftl.,bes.westmd.,siidd nordd.

nordd.,bes.berl.

更に東西ドイツで別々に生じた語や意味についてはWDGはKombine,Heldder Arbeit,ではDDRを示し,ausgrmden,ParkometerなどでBRDとする。DuDENもこの 標示を用いるが,後者については略語を用いないのは興味深い。しかしここでは2番目以 外の語は無標示である。DuDENで西ドイツとされる形式に例えばArbeitsfriedeがあ る。Arbeitの関連語ではDuDENにもかなりのDDRの形成が収録されている。(42)

B−WはDDRの代りにⅨ.Dem.Rep.のような中間的略語を用いている。<労働グルー プ>を意味するAktiv,Brigadeは3者で共通している。他方DuDENとB−Wで東ドイツ の形成とされるAbenduniversitatはWDGでは無標示,DuDENとWDGで西ドイツの形

(41)WAHRIGではSamstag<siiddt.;rhein.;6sterr.;schweiz.>Sonnabend<bes・nord‑u.mitteldt.>

とされ説明は後者にある。Kn6del<oberdt.>,fegen/kehrenは無標示である。

(42)4.5を参照。

(23)

成とされるArbeitsfriedenはB−Wではく法律語>とのゑ示されている。

10.2語の時代的標識も,特に古語の場合には必要である。この具体的な各語での取 扱も又,必ずしも全面的な一致は見られないが,基本的には共通した結果となっている。

序文で,やや詳細な説明を加えているWDGでは6区分が示されているo(43)それは1.

〈古語>"""此オ2.<準古語>""zz"E""3.<史語>"f加蛎c"4.<ナチス用語>"azf"c"

5.1945年以後の〈新語>Ne""o"<新形成語>M"'"""g<新義>"b"〃〃"〃'M 6.〈流行語>ノMb〃"o〃である。1.は今日最早用いられないが,現今読まれている文学 作品などに現われるような語,例えばBinokel<(両眼の)眼鏡>,Eidam<娘むこ>など,

2.は今日用いられることが少なく,主として老世代によって用いられる語,例えばAbsud

〈煮出汁>,3.は過去の歴史的な事物,風習を示す語で現今,用いられ,理解される 語,Abla6brief<免罪符>,Turnier<(中世)馬上試合>など,4.Gestapoなど,5.

の新語は例えばAutomation,新形成語はAtomenergieのような新しい造語,新義は例え {fbespielenの<(ある場所で)上演する>の意味などがある。なお,5.の語では東西ド イツの区分が付加されることがあるわけである。最後の6.には例えばdiebreiteMasse

〈一般大衆>のbreitやSソ"たの意のEbeneなどがある。

なお意味や用法についても,これらの標示が,必要な場合は付加される。

DuDENやB‑Wも同じような区分によるが,どちらも新語や流行語については配慮して いない。前者では,はっきりとそのことを巻頭(16)で断っている。DuDENでは以上の他 に<過去>/シ"舵γという標示が用いられているが,これは例えば,Armenarzt<施療医>

のような語で示されている。この実体は今日存在しないが,そのような場合に用いられる。

〈史語>に近いといえようか。B一Wも同じ標示が用いられているが,WDGにはこの語は

採録されていない。

更にDuDENは時代区分に関連して〈稀>seノ彪卯を説明しているが,WDGは頻度の関連 で説明している。この方が合理的であろう。当然,WDGは砿加eぶなどについても触れ ている。巻頭に説明はないが,DuDEN,B‑Wでもこれはいろいろの場合に用いられている。

B一Wは序文の後の説明では最も簡単な区分〃"zz/"se/蛇",/滅舵豚〃7SMjmg"b"( ) しか示していないが,実際には,ナチ用語も,中世の表現(WDGの史語に相当),又〈史 語>"s加流Sc〃の標示も用いられているので,情報という点では,さして不備はなさそう である。ただ〃em"e"αの区分をしていない点が少し不充分かもしれない。

ここでも個々の標示での相違は避けられない。いくつかの例を示す。なお他の標示も合 わせて付しておく。WDG,DuDEN,B‑Wの順で示す。又Oは無収録,−は無標示を意味す

る 。

(43)WDG,14f.ここでも原語の形容詞を名詞的に訳す。又辞書の標示はローマ隔字体である。

(44)〈元来>は意味についてのみ適用される。

参照

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