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(1)

茨城大学教育学部教育研究所紀要第24号(1992)91−100 91

幼稚園における通津学級の指導のあり方とその考え方

荘司 泰子* 滑川 玲子* 相馬 壽明**

は じ め に

 本研究は,昭和63年5月9日茨城県水戸市常磐幼稚園・すぎの子学級が開設されてから,平成3 年度前期までの4年間の実践をまとめたものである。すぎの子学級は,水戸市西部地区在住の就学 児を対象として,心身の発達に様々な問題をもつ幼児のために,とくに開設された通級学級である。

 幼児の発達についての相談は,早期発見,早期治療が大切である。現在,その考え方が一般に広 く浸透するにつれて,年少児の相談件数通級の人数が増えてきている。

 しかしながら,幼児の発達は,螺旋的経過をたどり,個人差が大きいのが特徴であるため,どう しても発達上のつまずきに気付くことが遅れたり,また,見逃されることが多い。相談者は,疑問 を感じながらも,「なんとか,皆の中ではやっているし,やっていけそうだ。」という気持ちが先行 しているため,相談内容の多くが,言語面での心配1)に比重がおかれ,ことばを出す,増やすため の即効薬的な対応を求めがちになる。

 そこで,軽羅学級の特性を生かし,個別指導と小集団指導を相互に関連させながら指導にあたっ てきた。幼児の発達に不可欠な同年齢児同士の関わりを重視することによって,指導効果を高める ことが可能となると考え2),指導者だけでなく,保護者やその幼児と関わりのある養育者が,幼児 の発達を多面的に捉える観点から協力して,実践を重ねてきた。そして,平成2年6月には,その 実践指導を「小集団における幼児の指導一すぎの子学級 3年間のあゆみ  」3)として報告し

た。

 本年度は,アンケート調査等を基に,昨年度の実践を検討し,残された課題や雲級児と関わりを もつ関係機関や家庭が通級学級へ期待すること等を整理してみた。また,野阜学級としての役割に ついても現在行っている通級の内容から,指導のあり方等を考えてみることにした。

 注1)ことばが出ない,語彙が増えない,繋がらない等。

   2)吃音,場面絨黙等,心の発達につまずきのある幼児については,通級学級の役割として      除く。

   3)平成2年度「第14回 研究論文集」茨城県教育公務員弘済会において発表した。

すぎの子学級とは

1 運営方針

(1)言語及び情緒に障害のある幼児の障害を考え,障害の性質や程度を改善し,幼児が明るく生  活する能力・態度を養う。

*水戸市立常磐幼稚園  **茨城大学教育学部

(2)

 (2)言語及び情緒に障害のある幼児を通級させ,診断検 査に基づく一人ひとりの障害に応じた適   切な治療保育に努める。

2 教育目標

 (1)幼児の障害の実態を的確に捉えるように努め,一人ひとりの変容に応じた治療保育を行うよ   うにする。

 (2)他の研究機関との連携をとり,教師自身の研修を深め指導に当たる。

3 保育内容

 (1)行動を多面的に観察し,幼児の実態に応じた適切な治療保育を行う。(図1)

 (2)幼児の在籍する幼稚園,保育所(園)や学級担任,保護者及び関係機関との連携を図りなが   ら保育を推進する。(図2)

4 入級までの手順(図3)

 図1 ts談開始    状態の把握   図2

     ・主訴・生育暦等     ・聴取内容の整理

     .羅縣 ⇒:畢生響     ・一〔コ9

     .Ptll」:書灘I L 轟談乱

     ・目標・指導内容  ⇔  ・指韓内容と方法       i

      灘の嗣と .購薯との乱       ↓

     ・新しい情報の収     合い

水一委畏会

       ( 認知 )

水戸市心身雲霧児就学捲導委贔会

@ 燗別検査の実施

入  級  物  定

 (水戸市教育委員会)

「すぎの子学級」

(3)

荘司ほか:幼稚園における通級学級の指導のあり方とその考え方 93

指導のあり方とその考え方

1 家庭へのアンケート調査から:アンケ・・一一ト調査結果(43名,回収率100%)を,以下,A, B,

Cの項目ごとにまとめる。 A 現在すぎの子学級で行っている指導

       B 保護者を対象に行った記述によるアンケート調査の抜粋        (「 」内は一文による)

問ABC問B質 質        C 考察及び今後の課題

(1)すぎの子学級をどこで知りましたか。

電話による相談を行っている。

「幼稚園」「保育所(園)」「保健センター」「県立子ども病院」「水戸市役所」「知入」等。

いろいろな関係機関からの紹介が増えている。

(2)すぎの子学級についてどんなイメージをお持ちでしたか。

「全く知らなかった」「不安」「ことばの訓練,発声の仕方を教える所」「何か特別な感じ」

   等。

  C 保護者がもっと気軽に相談しようと思えるような手だてが必要だと思われる。

質問(3)初めて相談にいらした時の印象はいかがでしたか。

  A 〈主訴,生育歴等を個人調査表(表1)へ聴取記入〉幼児の年齢からみても,保護者自身    がまだ不安定な心理状態にあることが多いため1生育歴等についても聴取できる範囲で無理

表1

個 人 調 査 票

平成 月  日 現在

主  訴 子供の氏名 男・女 生年月 昭和 年  薄 臼( 歳 月)

録嚢者氏名 続柄 職業 現 在 の 様 予  平成  …      ( 歳  月) 相談経過

憲誘 ・好き、嫌いの有無 ・遍食、少食、僑食簿 ・自立している

食  藩 続栖 生一月 職 業 競柄

生無月臼 職 藁 ・かむ力 ・ストロー、スプーン、おはしが使えるか

・握問   ・夜間    ・トイレが自立している 排  溝 ・便    ・便

・尿    ・尿

衣股の ・自立しているか 状態橡

(ボタンかけ、褻返しを薩す、靴下をはく 等) 及び問題点

慧脱

書  藷 ・人に向かって欝を出す

。ことばを三〜2語 詣正しくまねる 今、卿心配の事は 何ですか。

捲示理解 ・要求の理解(おいで、ちょうだit 簿) ・身体各郎のポイント

・認知(色、形、大小、畏短、同意弁別 等)

あそび ・興味をもっているもの

その他の特紀醜項

妊娠中の状況 異常

対人関係 ・挨拶 1身掻りをまねする(手遊び、撮遊び)

育 歴 異常 無・膏 保膏器使用 (  目) 手の運動 ・穣み木を積む ・まねる○を魯く ・絵を奮く(顔、その他)

出麓時の状況

在胎期間 選) 体踵 9 移動運動 ・ポールを曼ける、蹴る  ・片足立ち・歩く、走る、跳ぶ、選う、転がる  他

産餌 無・有 仮死状懇 無・有

薪生児期 健康の ・顔色、身体的な特徽、その他 ・睡眠の状態

囎乳力 弱・留通・不明

状懇 首のすわり 月) 離乳( 月)

乳幼児期 初壽菩( 月) 人みしり 月) 医学的 ・今までに受けた検壷(脳波・CT、知能検査、その他)

初歩( 月) 人まね

月) 。定期的に通院している所

蕨見 年令

かかった簿院等

現在の描鐙のようす

蒙腱礫境 工.在宅 2,(   ) 幼稚園

獲育態度他 (   ) 深育所

3通園絶設

4.就学(

5.入院 6.相談筋相談

保護麿の ・通院

考え

(4)

のないよう配慮し,信頼関係づくりに時間を かけるようにしている。〈観察〉幼児の行動 を多面的に観察し,状態像の把握に努めてい る。観察時には母親も傍にいるので,幼児の 姿を観察しながら,家庭での様子も合わせて 考えられるようにしているQ発音の誤り こ とばのテスト絵本,構音検査,必要があれば 入級検査。発達の遅れ,偏り一PVT(表2),

入級検査,すぎの子学級通級児のための発達 チェック資料。情緒不安定,場面絨黙,吃音一 状態について気付いたことを自由記述等。

〈状態の把握〉聴取内容・観察内容の整理,

障害の性質・状態の把握等。主な要因の推測

等。

〈保護者との話し合い〉通級による治療保育 が必要かどうか。すぎの子学級の紹介・案内,

利用の仕方,次回通級日の予約,必要があれ ば他の関係機関の紹介等。

表2

PVT記録用紙

氏 名       男 女 粗  点 検査年月碍      年  月  日 遷択誤答数 生年月日      隼  月  臼 鰹正今一

CA  才  月 VA  才  月 VQ SS

    の︵    もの ︵︵︵るも    べく紙花簾嬢食欝

)鉛葦(     )ライオン(     )

〉醸動車 (      )襯i餐 (      )

)辺隅(     )

 )二物 (      )粟り物(

 )走るもの(    )娯物(

糠習

林檎   描    眼鏡   耀子

あいうあいうえおか

1 2 3 4 5 6

三輪劇1) 食 馴4} 時 闇〔4} 港 ㈲ 勝 負{3) 頂 上② く っ㈲ 泳  ぐ〔3} わかす㈲ 建 物ω 裸一ツ{3} 銀 河㈲

果 物{3} 飛 ぶ② 頭 ω 住 む{1} 土 俵{3} 浜 辺{3)

機 櫨〔4)

7 8 9 10 11 12

研 究ω 灘 説{3} 芸 緻1} 楽 講ω 黛 眼ほ} 滑 走{3)

晒れ蕊{3} 火 災掛 産 鍵{㊧ 入 裕③ 双 穫③ 宗 敏{4}

閃 松〔3} 競 技〔2} 匿 師{2) 浴 窺13) 除 懸場 致 治ω 礼 儀{41 授 禦{3} 絵 醗ω 蕨 轡{2} 積 暫{4} 僧 爆(4)

救 翻2) 製 造〔4} 験 酬4} 田 圏〔3} い樫しえ{4}

年 賀{3) 盤 籍【2)

 B 「きれいな建物」「明るくて親子で自然にとけこめた暖かい所」「良く話を聞いてくれたの   で安心した」「入園前だったが是非仲間に入れてほしいと思った」「嫌な事を忘れて遊べる所」

  等。

 C 明るくきれいな環境聴取の配慮,幼児と遊びながらの観察が良い印象に結びついたと考   えられる。

質問 (4)週何回ぐらいが良いと思いますか。

 A 〈月1回から2回〉吃音または発音の誤りの幼児で,状態が良く経過観察の幼児。<週1   回〉殆どの幼児。〈月5回〉発達の遅れまたは発達の偏りの幼児で,特に必要な幼児。

 B 〈週1回が良い 62%〉「できればいつも同じ女臼の同じ時刻になるといい」等。

  〈週2回が良い 38%〉「子供が忘れない内に継続的な内容に取り組めたらと思う」等。

 C 現在通回している幼児は40数名いる。それぞれの在籍園の行事やお稽古等へ配慮をしてい   るが,小集団指導で効果を上げるためのメンバー構成の上で,条件を整えられない。当学級   の特性から考えてみると,幼児の発達の実態に合わせて個別指導と小集団指導を相互に関連   させながらの指導形態が,より効果的であると考えられる。したがって,今の形態をより強   化して,幼児にとって取り組みやすい指導形態幼児の発達に必要な指導形態を重点化する   ことがより効果的になり,週2回指導への糸ロも見い出せるだろうと思われる。

質問 (5>現在の指導時間についてはどうですか。

 A 基本的には約60分間である。幼児の状態や活動内容等によって,メンバーをスライドさせ   る等して,約50分間から100分間,かなり柔軟な対応で行っている。

 B 〈ちょうど良い 100%〉「時間を決めて盛りだくさんという事」「せめて一日(午前中)

  先生方の指導に接する事ができたらもっと嬉しいです」等。

(5)

荘司ほか:幼稚園における通級学級の指導のあり方とその考え方 95

 C 基本的に約60分間というのは,親子で集中して参加できる時間として適していると考えら   れる。しかしながら,基本的生活習慣の指導等では,行き届かない所が出てくるので,時間   延長によるおべんとう指導の実施等や在籍園との連携を図る等いろいろ工夫する必要がある   と考えている。

質問(6)個別指導(1対1での指導)についてお聞きします。

 A 2名の担任の1名は幼児を指導し,もう1名は,指導内容の観点について保護者と話し合   い,個の発達の姿を正しく理解し合う。視覚的認知・聴覚的認知の受容の可否等その幼児の   伸ばす観点,体の動きが止められない・握る力が弱い等改善すれば発達を助長する観点等,

  その幼児の発達に合った指導の手がかりを得る。行動観察高曇は幼児によって異なるが,2   名の担任が十分に意見を交し合い,大まかな発達の見通しと指導計画(発音の誤り一表3,

  発達の遅れ一表4,発達の偏り一表5)を作成している。幼児の実態により,発達の見通し   が立てにくい場合は,課題を実行しながら状態像の把握に努めるようにしている。そして,

  指導内容,評価,保護者の話,次回の課題等,記録用紙(表6)に記録している。通級とい   うシステム上,前回とつながりにいく点もあるが,カルテ方式を活用し,指導を行っている。

表3

指  導  計  画

氏名      男・女 生年月日 …     在籍園(所)       (  小)六六就学予定 指   導   計   画

幼 児 の 実 態

@(当初観察期間)

樺k開始  ・ ・ 平成  年度 平成  年度 平成  隼度

就学に

ツいて

発音の様子

集団生活での様子 そ   の   他

表4

指  導  計  画

氏名      男・女 生年月曝 …     在籍園(所)       (  小)学区就学予定 指   導   計   画 就学に

ツいて 幼 児 の 実 態

@(当初観察期間)

樺k開始  ・ ・ 平成  年度 平成  年度 平成  年度 運      動

認      知 言      語 墓本的生活習慣

社   会   {生 集団生活での様子 そ   の   他

(6)

表5

指  導  計  画

氏名      男・女 生年月録 …     在籍園(所)       (  小)学区就学予定 捲   導   計   画 就学に

ツいて 幼 児 の 実 態

@(当初観察期間)

サ談開始   ・ ・ 平成  年度 平成  年度 平戒  年度 人 と の 関 係

模      倣 情 緒 反 応

全体的な印象

集國生活での様子 そ   の   他

表6

指  導  記  録

No. 月   H  曜E  天候( 氏名

*活動内容及び幼児の姿

*反省・二二の課題

 B 〈必要である 100%〉「子供の状態に応じて指導援助してもらえる」f子供の得意不得   意がわかるのはいい事だと思う」「学習内容がわかるので安心」「どんどん親に宿題を出して   ほしいj「特にことばが出ないので医学的な面も取り入れて発声の仕方を教えてほしい」等。

 C 個の発達の姿を正しく捉えるために,その幼児の保護者及び関係機関との連携や常に新し   い情報の収集に努めたい。特に医療面については,医師や各分野の治療士とのケース会議等   を密にし,より適切な対応を考え,保護者の医療に対する正しい理解を促せるよう心がけた   い。常に教師自身の研修を深め,指導にあたることが一番大切であると考えている。

質問 (7)小集団指導(数人でのグループ指導)についてお聞きします。

 A 1回の指導時問の15〜40分間,個別指導よりも効果が期待できる活動内容を,同じような   問題をもつ幼児,2から5人のグルー一一.プ1)で行っている。活動内容については,同じ課題で   も,一人ひとりの実態に応じてねらいを持ち,またそのねらいに応じて課題が少し違う場合

  もある。2)

 B 〈必要である 93%〉「同年齢同レベルの友達は,互いに刺激になり,自分だけでなく他   人に目を向ける,他者への意識が出てきた」「いろいろな友達から刺激され,いつもは一人   でできないことも頑張ってやろうとしているj「同じ悩みを持つ者同士で話ができて気持ち   が楽になります」「他の人を見て自分のことに気付く事がとても多い」「いろいろな情報が得

(7)

荘司ほか:幼稚園における通級学級の指導のあり方とその考え方 97

  られる」等。

 C 小集団指導を通してできた人間関係が,皆と一緒にやろう,あの子も頑張っているからも   う少しやってみよう等,お互いの目安として相手を意識することにつながっていると思われ   る。さらに,母親同士も親しみを持ち,幼児の対応を見ながら,家庭や在籍園での行動と重   ね合わせ,問題を見直すきっかけにもなっていると思われる。今後も,小集団指導の方が指   導効果が得られる活動内容の研究,指導の進め方等を考えていきたい。

 注 1)メンバーは一定していない。

   2)例えば,同じハサミの課題でも,直線を切りぬく課題直線上の途中で止める課題     等である。

質問 (8)時々行う活動(学期末や夏休み中の集団指導)についてお聞きします。

 A 学期末最後の通級,夏休み中に1回,お楽しみ会を実施同じような障害をもつ幼児5名   から8名で,活動の一つに自分で作った紙皿でおやつを食べる事を取り入れて行っている。

 B 「普段会ったことのない方にも会えるので楽しみ」「全体の中の姿,集団の中の姿を見ら   れる」「回数を増やしてほしい」「園外での指導を希望します」「変化があって良いと思う」

  等。

 C 人数が多いため,一人ひとりのねらいに応じた指導は行き届かないが,学期の節目や皆で   楽しむ雰囲気を経験するというゆとりの気持ちで,保護者からも好評なので続けていきたい   と思う。

質問 (9)保護者会について

 A 夏休み中に,就学児を持つ保護者で,就学後引き続き何らかの治療教育が必要と思われる   幼児について実施している。平成2年度は,隣i接している茨城県水戸市立常磐小学校・こと   ばの教室と合同で吃音児をもつ保護者会を年4回実施した。平成元年度より,小集団指導に   よる幼児への効果に加えて,保護者同士の結びつきが出てきたため,保育室の一部を相談室   として開放した。

 B 〈必要である 67%〉「参加したことがないのでわかりません」「他の方の悩みや解決方   法等聞けてよい。つまりはグチこぼしかもしれないが」「お友達ができて心強い」「日頃悩ん   でいることや相談したいことがあっても,同じような子を持つ母親同士で話し合う機会が殆   どないので,回数を多くしてほしい」「名簿があってもいいかな,でもあえて作らないのか   もしれませんね」「月に一度か3カ月に一度位,全員で集まって勉強する機会がほしい」等。

 C 保護者(特に母親)にとっては,同じ悩みをもつ者同士,本音で話し合える場が必要であ   り,会えるのを楽しみにしている様子も伺える。すぎの子学級担任としても,保護者が自分   の子の障害を正しく理解し,成長の姿を考えた時,現在の姿,発達をみきわめ,生活する力   を育てていくことの必要性等,保護者に情報を客観的に提供できる利点があるように思う。

  相談室の活用については,養育上の問題を話し合うだけでなく,お互いが力になれるような   雰囲気作りを心掛け,一層充実させていきたいと思う。保護者への啓蒙の一つとして始まつ   た,壁新聞「すてっぷ」についても,保護者の参加の方向で考えたい。

質問 ㈹ その他,何かありましたらお願いします。

 B 「この様な場があるということをもっと早く知りたかった」「気軽に相談できるように,

  活動内容等もっとピーアーールしてほしい」「親心で,就学後,すぎの子学級にお世話になつ

(8)

  たことで子供に負担にならない事を希望します」「この様な機関や教室等をもっと増やして   ほしい」「先生の数を増やしてほしい」「通級でなく各幼稚園にこの様なクラスを設けてもら   いたい」等。

  C 家庭や就学先の小学校の先生達に,すぎの子学級について正しく理解してもらうことが大   切であると考える。また,就学後の子供の負担を考える親心は,ケースによって違うが,す   ぎの子学級を利用された小学生の保護者の話を壁新聞「すてっぷ」への原稿依平等で伝えて   もらう等,家庭と就学先と両サイドから考えていく必要があると思われる。

2 関係機関へのアンケート調査から:当学級と関わりのある幼稚園,保育所(園),通園施設,

小学校二級学級,病院市教委,市福祉課,大学等43カ所を対象にして,学級の印象e指導内容・

今後の課題等についてアンケート用紙を作成し意見を求めた(37カ所,回収率87%)。

質問 (1)水戸市立常磐幼稚園にすぎの子学級があることを御存知でしたか。

  三級から4年目にあたることもあり,殆どが知っていると答えているが,何によって知った  かという項目では,市の広報や市教委の調査用紙からというものが多い。このことは,学級の  存在を知らせる方法を考えていく上で,一方向を示唆していると言える。

質問 (2)すぎの子学級は,どんな学級だと思いますか。

  幼児のことば・こころの教室という名称通りの答えが多く,具体的なイメージが持ちにくい  のではないかとも考えられる。一方,障害児の早期治療・保育をする学級,幼・平等集団保育  をしていく中で,個別指導を必要とする場合,園に代わって専門的な指導をする学級という答  えもみられ,学級をきっかけにして,学級への理解が深まっていることが伺える。

質問 く3)すぎの子学級に,おいでになったことがありますか。

  二級児を持つ担任の見学や話し合い等での二級が最も多かったが,お互いに連絡を取り合う  上でも,相互理解の上でも良い傾向であり,開かれた学級として理解されているものと思われ   るG

  また,見学したことがないと答えた人の多くは,学級の存在は知っているが,訪れる機会が  ないという理由をあげている。この点については,学級参観のあり方に工夫が必要であろう。

質問 (4)始めておいでになった時の印象は,いかがでしたか。

  新設の学級ということもあり,施設・設備に対する印象がまずあげられた。明るく清潔,木  のぬくもりがあり暖かい感じ,きれい,設備が整っている,等である。次いで,担当者の対応,

 指導の様子,教材・教具等,指導内容に関するものになっている。この点は,相談学級の役割  から考えて,重要な点であると言える。幼児期に,我が子の発達に不安をもった保護者を受け  入れる場所であるため,緊張や不安を少しでも柔らげるような配慮と,問題を正しく把握し,

 適切な判断・助言のできる環境を整え,様々なケースに即応できる体制作りが必要となる。

質問 (5)すぎの子学級での指導についてお聞きします。

  個別及び小集団による指導ということを十分に理解した上での答えが多く,学級の内容にっ   いての関心が高くなっていると思われる。

 〈良い点〉「個人に応じたプログラムが組まれている」「個別,小集団の両面から指導してい    る」「発達をじっくり見ている」「保護者との連携が深い」「在籍園との連絡が良い」「就学後   の方向付けができる」「他機関との連携がとれている」等。

 〈改善してほしい点〉「対象年齢枠の拡大」「通級希望者全員に対応できるようにして欲しい」

(9)

荘司ほか:幼稚園における口遊学級の指導のあり方とその考え方 99

   「在籍園への巡回訪問指導をしてほしい」「指導経過等の連絡を充実させたい」「障害児教   育の専門家としての資質の向上と担当者の固定化を図り,学級担任等への指導にあたって欲    しい」「指導内容の公開及び参観学級紹介パンフレットも作成し更に啓発して欲しい」「指   導回数を増やして欲しい」「医療機関・相談機関との実質的な連携を日常的に行っていくこ    とが必要だ」「担任との話し合いの機会を増やして欲しい」等。

質問 (6)関係機関へのアンケートを通して

  通読児をもつ幼稚園や保育所(園)を中心に調査したこともあり,具体的な意見が出され,

 大変参考になった。特に保育者の場合,日常の保育場面での疑問や不安等を園内の判断だけで  解決するのではなく,通級学級等,対象児の発達を様々な面から捉える機関を有効に活用し,

  より望ましい対応を目指したいという,積極的な取り組みの姿勢が伺える。

  水戸市の場合,就学については就学指導委員会が中心となって各学校との連携を密にした対  応がなされているが,就学前の幼児の対応には,いくつかの問題点があげられる。

   その中でも,通級学級の受け入れ年齢と入数歯の拡大,保護者等の諸事情によって通級が叶   わないケースの出現,指導者の要請や増員等に関する要望については,多くの関係機関が指摘   している。更に,これらの対応策として,定期的な巡回指導を望む声も高まり,アンケートの   中にも顕著に表われている。

  本学級は昭和63年度に,市内に在住する5歳児(盲・聾・肢体不自由児を除く)を対象にし   た相談学級としてスタートしたが,当初から対象枠の拡大等は課題であった。しかし,翌年に   は,市療育指導委員会が発足し,新設された保健センターを中心に,早期発見,早期療育のシ   ステムが福祉サイドからも動き始めた。

  現在も十分に機能が果たせない面もあるが,乳児健診でチェックされたハイリスク児のため   に療育教室が作られ,3歳前後までのフォローが可能になってきた。その後,幼稚園や保育所   (園)への入園(所)を機に本学級と関わりをもつ,というケースが増えてきている。

   このように,乳児期から幼児期への橋渡しがスムーズになり,集団保育が望ましいと思われ   る幼児を受け入れる側の対応として,正しい情報の提供ときめの細かいサービスが要求される   ようになり,より専門的な知識と広い範囲での研修の必要を感じている。

  更に,本学級の指導のあり方についても,正しい理解を得られるような広報が必要であると  思われる。少数意見ではあるが,訓練や矯正に重点を置く学級として捉えたり,障害名のつい   た幼児のみを対象にしているのではないか,と考えている意見もみられた。

  本学級の開設時には,市内の関係機関に案内を出し,通級学級の内容について説明会を開催   したが,その際にも,前述のような質問が出された。しかし,その後の説明会も行っておらず,

 一堂に会して話し合う機会は設けられていない。そのため,通好児の多い園は相談ケースも多   く連絡も密になって,より深く理解し合うことができるが,該当児のいない園についてはお互   いに情報不足となり,通級学級の活用の仕方についても,理解が不十分であると言える。この  点についても,今後の課題として残るところである。

3 家庭及び関係機関へのアンケート調査から

(1)〈すぎの子学級を正しく理解してもらうための手だての工夫〉家庭からは「もっと早く知り   たかった」「就学後通齢していたことが子供の負担にならないかj等。関係機関からは「パン   フレットが欲しい」「説明会を開いて欲しい」「あまり早期にはすすめていない」「健常児にす

(10)

 すめるのは迷う」等。すぎの子学級を具体的に紹介する手だてが不足していることがわかった。

(2)〈通級回数の増加〉家庭からは「通級回数をせめて週2回にして欲しい」等。関係機関から  は「通級回数を増やしてみてはどうか」等。指導回数については,幼児の実態に応じて柔軟に  すすめてきたが,回数増加の希望が高まっていることがわかった。

(3)〈通級学級・家庭・関係機関を繋ぐコーディネイター的通級学級教諭の養成〉家庭からは  「幼稚園生活の中で,個別指導を受けられたらよいと思う」等。関係機関からは「通級が叶わ  ない幼児のために園に出向いてもらいたい」「在籍園の先生への助言,アドバイスをお願いし  たい」等。巡回指導の要請を求められていることがわかった。

(4)アンケート調査を通して

  以上のことから,通級希望者全員に対応できるように,ハード・ソフト両面の充実を考えて  いかなければならないことを改めて確認できた。アンケート調査については,話し合いや懇談  では得られない意見を伺い知ることができ,とても参考になったと思う。

  今後は,(1>については早急に検討し実践の手だてを考え,(2)(3)については,それぞれの希望  に応ずることができるように,すぎの子学級の担任としての資質の向上を目指して,更に研鑛  に努めたいと思う。

お わ り に

 幼児の発達相談学級として開設され,通級児の生活する力を育てることを目標に,試行錯誤の取 り組みを重ねてきた。この4年間に出会った幼児・保護者・各機関の先生方から実に多くの励まし や御指導,御意見をいただき,現在のすぎの子学級の基礎を固めることができた。更に平成2年度 には,3年間のあゆみをまとめ,本研究へと繋ぐことができた。

 初めての試みであったアンケート調査でも,それぞれの立場から貴重な考えを聞かせていただく ことができ,すぎの子学級の今後のあり方や,統合保育の考え方等,新しい方向を探る確かな手応 えを得ることができ,大きな励みとなったことを感謝している。

 雨や雪の悪天候の中,熱心に通って下さる多くの方々の思いを大切に受け止め,一人ひとりの幼 児に対しての専門家となれるよう,日々の実践を重ねていきたいと考えている。

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「保育の量」の確保と同時に保育者不足も深刻化し

・最終レポートの内容において、論点を踏まえ、自分自身 の考えや意見を記述できている。 ・小レポートの内容において、学修した授業の内容に触れ ながら、自分自身の考えや意見を整理して表現することが できている。 ・グループ討論や全体発表において、自分自身の考えや意 見を整理して表現することができている。 ・自制した態度で授業に参加し、学修活動に取り組むこと

【語彙・表現】 ぼくは、きのう、ともだちと おにごっこを しました。 ともだちを いっぱい つかまえました。

 このような歴史的経過を持つが故に,日本の侵略戦争や植民地支配と密接な関連がある在日朝鮮

留学生の相談指導には3つのアプローチがあると考えられています