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~帝京科学大学における地域貢献活動誕生の経緯~

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Academic year: 2021

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地域連携研究 帝京科学大学地域連携推進センター年報 第1巻

巻頭言「学生を活かし、大学を活かし、社会を活かす」

~帝京科学大学における地域貢献活動誕生の経緯~

花園誠(地域連携推進センター)

本学は19904月、山梨県北都留郡上野原町に、物質工学科、電 子情報工学科、経営工学科、バイオサイエンス学科の理工系4学科か ら構成される理工学部のみの単科大学として開設された。

一期生を世に輩出した翌年の1994年、技術支援による地域連携を 構想し「地域連携協議会」が設置された。これ以降、一時期ではある が地域との連携方針が定期的に協議されるようになる。そして1999 年、上野原キャンパスに隣接した場所に「上野原・東京西工業団地」

が完成したとき、企業の研究所を誘致する「テクノリサーチパーク」

構想が生まれた。本学がもつ工学系の知的財産による地域貢献が模索 され、教員主体での公開講演会も開催された(図1)。

図 1. 教員主体の地域貢献体制

しかし、バブル崩壊の余波で金融機関は設備投資に慎重であった。

融資がままならず、テクノリサーチパークが建設されるはずの造成地 は、研究所誘致が空転してしまう。整備途中で人と車の立ち入り規制 がされた広大な空き地は、そのまま荒れ果て、いつしか野生動物の住 処となった。テクノリサーチパーク構想の中で、アカデミズムの一翼 を担うはずであった本学は、この時、一旦は組織的な地域貢献の機会 を失う。

2000年になり、バイオサイエンス学科の中に「動物との共生」を 理念とする新コースの新設が構想された。同年7月、その構想は具体 化に向けて動き出す。そして翌20014月、バイオサイエンス学科 にアニマルサイエンス学科の前身である「アニマルサイエンス・コー ス」が開設された。この時、「学校飼育動物支援」「上野原ペット楽 園化」「農山村セキュリティ」「セラピーホース育成」を4本の柱と する新たな地域貢献プランも誕生した。理念を「動物との共生」とす るこれらの新たな地域貢献プランは、現在の本学の包括的なイメージ である「いのちをまなぶキャンパス」へと発展的に昇華することとな る。

20014月、アニマルサイエンスコースの一期生124 を迎え 入れた。新興の分野に期待する若者の集団である。彼らを活かすため、

志を共にする学生の組織づくりに取り組んだ。今に至るアニマルサイ エンス系のサークルの立ち上げである。そして、動物園研究、ドッグ

トレーナー研究、野生生物研究、ビオトープ研究、動物介在活動、馬 術、アニマルサイエンス研究(後の猫の目報道部)等の同好会が誕生し た。次に、この学生たちの活躍の場所を求め、あらゆるつてをたどり 交渉に出向いた。学生を引率し、上野動物園、多摩動物公園、葛西臨 海水族園、山梨県動物愛護指導センター、老人養護施設、動物病院等 の訪問を繰り返し、活動の受け入れを打診したのである。今日の地域 連携活動の過半は、このようにして始まった課外活動の副産物である。

大学組織の中で最大構成員である学生を組織化することで「学生の若 い力を建設的に地域還元する仕組み」-いわば「学生運動のルネッサ ンス」-が動き出したのである (図2)。折に触れ用いるキャッチフレ ーズ「学生を活かし、大学を活かし、社会を活かす」はこのときに生 まれた。

図 2. 主戦力学生・教員バックアップの地域貢献体制

2005年、学生主体の活発な地域貢献活動を支援する目的で、「地域

連携教育推進センター(初代センター長引馬基彦教授、2代センター 長落合鐘一教授)が設立された(3)。このとき、学生の地域貢献活動 に対して助成金を支給する制度が整備された。年度末には報告会が開 催され、学生の活動のみに限定していたが、年次報告書が発刊される ようになった。

図 3. 主戦力学生・教員バックアップの地域貢献(センター設立以後)

地域 講演会など 教員

有識者 地域連携 部局長会 協議会

地域

有識者 地域連携 部局長会 協議会

課外活動 団体

(

学生

)

交流

地域連携教育推進 センター 講演会など 教員

- 5 -

(2)

花園誠

2010年、東京都足立区に千住キャンパスが開設され、「地域連携教 育推進センター」の活動を継承・統合した「地域連携推進センター」

が発足した。事務局には「地域連携推進室」を置き、専従職員を配置 するとともに、これまでの地域貢献活動を「教育推進」「研究推進」

「社会貢献」の3部門に整理し、プロジェクトチームを立ち上げた。

そして、各プロジェクトに取りまとめ役のコーディネーターをおいた。

地域貢献の組織は全学的になり、機能的に整備され、今日に至る体制 が整ったのである(図4)。

図 4. 地域連携推進センター設立後の地域貢献体制

2012年、本学は本部を上野原から千住キャンバスに移設した。こ れに伴い、山梨地域と足立区の地域貢献活動の拡充を図り、地域連携 推進センター所属の教員を増やし、「教育推進」「研究推進」「社会 貢献」の3プロジェクトにそれぞれ1名としていたコーディネーター を両キャンパスに1ずつの配置とした(図5)。

図 5. 現在の地域貢献体制

このようにして「学生を活かすこと」を目的として始まった「地域

貢献活動(=地域における課外活動)」であるが、予想もしない展開も

あった。それが「こども学部(2017年「教育人間科学部」に名称変更) の開設」である。その経緯を簡単に紹介する。

20024月のある日、入学したばかりのアニマルサイエンス学科 の2期生が教員を尋ねてきた。新しいサークルを作りたいという。先 週末にアニマルサイエンス学科のサークル説明会を聴いたばかりで ある。「学校飼育動物の支援をしたいのだけれども、そんな活動目的 のサークルはなかった。あたらしいサークルを作りたい。

彼一人の申し出ではあるが、アニマルサイエンス学科が構想する地 域貢献ブランの4本柱の一つ「学校飼育動物支援」に合致する。さっ そく支援することにした。例によって、活動の場所を求め、市内の小 学校全てに活動受け入れの交渉したのである。電話交渉の結果、当時

の町内10校中の4校より活動受け入れの快諾を得ることができた。

そして、「一人ではサークル活動にならないから」と活動の主旨に賛 同する数名の学生を発起人に「動物介在教育研究会(後の動物介在教育 研究部)」を組織し、小学校の訪問活動を開始した。「ふれあい動物教 室」の始まりである。

そして5年が経過、この活動が累積して150回を超えた2006年、

「動物との共生」を一歩進めた「子どもと動物の共生」をコンセプト とする「動物こども学科」が構想された。学生主体の地域貢献活動で ある「ふれあい動物教室」に対する地域社会のニーズの高まりが確信 となり、この構想の具体化を後押しした。翌20073月に「指定保 育士養成施設」の設置計画書を、6月に「学部設置認可申請書」を、7 月に「課程認定申請書」を提出した。そして、20084月、こども 学部こども学科が開設された。元をたどれば「学生主導で始まった地 域貢献活動が、新学部設置にと結びついた」のである。

発端は「学生のために」と始めた地域貢献活動であった。しか し、実際に活動に出かけてみると、地域社会が大学に期待することは 実に多岐にわたっていることに気が付く。地域連携推進センターの、

地域と大学を結びつける役割はますます重要性を帯びてきたと実感 する。「本学ではどのような地域貢献活動が実施されているのであろ うか。」地域と大学を結びつけるためには、本学の地域貢献活動の実 態を広く地域に配信することも重要であろう。この年報が、その一助 になれば幸いである。

引用参考文献

花園誠.(2005)「課外活動と教育」帝京科学大学教育懇談会記録集

帝京科学大学.(2013)A-2地域と大学との関係性の強化」平成25年度大学機関別認証評価自 己点検評価書,pp.78-94.

地域

東京 山梨

地域連携推進室

(事務局)

課外活動団体 (学生) 地域連携推進センター

連携 (教員)

帝京科学大学

山梨

地域

地域連携推進室 (事務局)

課外活動 団体 (学生) 地域連携 推進センター

(教員)

帝京科学大学

東京

地域

連携

連携

連携

連携

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