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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

直示語を扱うための Indexical Hybrid Logic の拡張

Author(s)

関, 帆志生

Citation

Issue Date

2017‑03

Type

Thesis or Dissertation

Text version

author

URL

http://hdl.handle.net/10119/14177

Rights

Description

Supervisor:東条 敏, 情報科学研究科, 修士

(2)

概要

本研究ではBlackburn(2012)により構築された時制に対するIndexical Hybrid Logicを エージェントをドメインとする記述論理として読み替え,Kaplanによる分類の純粋指標詞

Iや直示語He,Sheを扱えるよう拡張した論理を提示する.

指標詞(Indexical)とはIやNow,Heなどのことであり,それらを含む文や会話は指標詞 が指示する対象を文脈に訴えかけないかぎり,真偽を決定することは難しい.文脈により話 者 I(視 点)を 決 定 す る こ と に よ っ て He や She の 指 示 先 も 決 ま る . 指 標 詞 に 対 し Montague(1960)の理論では,指標(index)と相対的に真理値が変わると考えるため"It is raining now."のような文は妥当ではなくなる.指標詞という言葉は,Kaplan(1977)によっ て,導入されたものであるが,Kaplanは指標詞を,指差しが必要かどうか,という観点で 分類した.He や She は指差しを行わない限り,その指示対象は正確にはわからない.一

方で,IやNow,Tomorrowなどは発話されたときに応じて一意に特定される.そういった

面を端的に捉えた文章として用いられるものが"I am here now."である.この文について考 え る と , 純 粋 指 標 詞 の 持 つ 内 包 的 な 意 味 の み で 発 話 さ れ る 限 り 真 と わ か る が ,

Montague(1960)の理論では非妥当となってしまう.そこでKaplan(1977)は,論理的妥当性

(e.g. Either it is raining or it is not.)と区別された,発話される限り真となる文脈的妥当性,

という2種類の妥当性が必要であると主張した.

Kaplan の理論への応答として,2つの意味論的値を表現する二次元意味論や,Blackburn

による時制(Tense)における純粋指標Nowに関して文脈的妥当性を含んだHybrid Logicが 提案されている.Blackburnの論理の意味論では𝜂という関数が純粋指標詞の内包的意味か ら外延への関数として定義され,文脈を引数にNowに割り当てられる時点を返す.そして 論理的妥当性は任意のKripkeモデル,任意の文脈と時点で真になると定義され,文脈的妥 当性は任意のKripkeモデル,任意の文脈において真になると定義される.よって𝜂は任意 の文脈に対しNow に割り当てられる時点を返すことにより,純粋指標詞Nowの文脈的妥 当性を表すことが出来る.このようにして論理的妥当性と文脈的妥当性が区別されている.

本研究の新規な点はBlackburnの時制に対するHybrid Logicを,個体をドメインとする 記述論理として読み換えHybrid Logicを拡張,純粋指標詞Iの文脈的妥当性を表現し,Iを 特定することによって,そのI(視点)ごとにHeやSheの指示先の違いが生じることを関数 𝑔というものを用いて説明できる点にある.証明体系はタブロー法を採用したが,Blackburn らのタブロー法とは異なる.二引数のラベル付き論理式を用いることで構築した二次元意 味論との対応が直感的に理解しやすいからである.そして本研究で新規に構築したタブロ ー法に対して,独自に健全性・完全性の証明を行った.

またBlackburnの論理における関数𝜂,本研究で拡張しモデルに追加した関数𝑔に関して,

Kamp & Reyle(1993)のDRTやGrosz(1994)のCentering理論など,言語学における照応

(3)

解析との関係について拡張した論理のどの部分に組み込み可能なのか述べる.

まとめとして,本研究が歴史的な様々な指示語に対する問題への応答であることを述べ,

今回構築した論理がそれらの問題にも拡張可能であるか考察する.

参照

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