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ネットワークポリマーNo.4.indb

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(1)

最近の脂環式エポキシ樹脂の技術動向

内田 博・新井 良和 概   要

脂環式エポキシ樹脂は,オキシラン環の構造の違いにより,シクロアルケンオキサイドタイプと,脂環族多価 アルコールポリグリシジルエーテルに分けられる。合成法としては,前者は複数のシクロアルケン骨格を持つも のを直接エポキシ化する方法と,(メタ)アクリル基,アリル基のような他の官能基を持つ二官能型シクロアル ケンオキサイドを予備重合させることによりエポキシ樹脂を得る方法がある。また,後者については芳香族グリ シジルエーテルを核水添する方法,脂環族ポリアルコールをエピクロルヒドリンでグリシジルエーテル化を行う 方法,およびアリルエーテルをグリシジルエーテルにエポキシ化する方法がある。特に製造方法については環境 への負荷が小さい過酸化水素によるエポキシ化反応の重要性が増してきている。また,樹脂の改良は UV 硬化の 速い系や絶縁性能の向上についての検討が行われており,用途に関しても,LED 封止材やプリンタブル材料へ の開発が進められており,今後の発展が期待される。

1.はじめに

ビスフェノール -A のグリシジルエーテルに代表さ れるフェニルグリシジルエーテルをベースとする一般 的なエポキシ樹脂以外にも,古くから二重結合を過酢 酸でエポキシ化して得られる脂環式エポキシ樹脂が知 られている。1957 年に UCC がこの系を開発上市して 以来,カチオン硬化塗料や重電・電子用途向けに広く 使用されてきた。しかし 2006 年に最大手メーカーで あった DOW がこの事業より撤退し,缶用に使用し ていた企業が他材料へ切り替える動きはあったものの,

供給が一時的にタイトになった。その後,ダイセル化 学の能力増強や中国メーカーの参入により,供給面の 不安は解消されつつある。

この樹脂の性能面の特長は低粘度,高 Tg,耐候性,

透明性,UV(カチオン)硬化性,ハロゲンフリーで あり,反面アミン類との硬化は遅く,硬化物が多少脆 いという欠点を持っている。用途としては,電子部品 のポッティング封止,高電圧電子機器の絶縁封止材や 缶外面の下塗り UV 硬化塗料等の用途が主であるが,

今後は LED 封止材や光硬化用途で展開していくこと が期待される。

また,脂環族アルコールとエピクロルヒドリンを反 応させてグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂も工 業化されているが,骨格としては高性能が期待される ものの,塩素の残存が多く,希釈モノマーに一部使用 されるに留まっているのが現状である。

この総説では,これらの脂環式エポキシ樹脂の合成 法について概説するとともに,最近の開発状況につい て述べる。

総 説

内田 博

昭和電工株式会社

研究開発センター(千葉)

〒 290-0067

千葉県市原市八幡海岸通 5 番の 1

新井 良和

昭和電工株式会社

研究開発センター(千葉)

〒 290-0067

千葉県市原市八幡海岸通 5 番の 1

(2)

2.脂環式エポキシ樹脂の合成法

2.1 シクロアルケンオキサイドタイプ

過酢酸によりシクロアルケンをエポキシ化し,対応 するシクロアルケンオキサイドを得る方法は,無触媒 もしくは微量の金属触媒の存在下に,酢酸エチル等の 溶媒を用いて,低温でスムーズに酸化反応が進行し,

溶媒と副生物の酢酸を除去すればエポキシ化物を回収 することができる。ただし,アリルエーテルのよう な反応性の低い二重結合の場合には,反応温度を高く する必要があり,副生する酢酸と生成するグリシジル エーテルとの副反応も多くなる。また,エポキシ樹脂 を安価に製造しようとすると,水分含有量の低い過酸 が容易に得られるアセトアルデヒドのようなアルデヒ ド類の自動酸化を用いて過酸を製造する必要がある1)。 ただし,この系は過去に事故例も多く新規にプラント を建設するのは言うまでもなく,既存プラントの能力 増強を行うのも容易ではないようである。

そのために,過酸を取り出さずに,飽和アルデヒド と分子状酸素を用いて,in situ で過酸を発生させな がら,オレフィン化合物をエポキシ化する方法も検討 されている。工業的に重要な 3- シクロヘキセニルメ チル -3- シクロヘキセニルカーボキシレートをエポキ シ化する系でも,特許が出願されているが2),収率を 向上させるには,アルカリ土類金属の炭酸塩を,二重 結合に対して等量以上存在させる必要があり,このよ うな塩基化合物を存在させることは,生成するカルボ ン酸の回収にも支障をきたすと考えられ,実用的では ない。

一方,クリーンな酸化剤である過酸化水素水溶液を 用いて末端アルケンやシクロアルケンをエポキシ化す る方法は,W や Mo のような触媒を用いれば,比較 的高収率で進行する3)。特に,野依らの見出したハロ ゲンフリー-無溶媒でのエポキシ化反応4)は,環境 面への低負荷からもより好ましい。この反応は,

Fig. 1

に示す機構でエポキシ化反応が進行すると思われ,比 較的分子量が低く,酸性条件で安定な化合物について,

非常に有効な方法である。ただし,多官能アルケンを 基質に用いる場合には,分子骨格にもよるが,粘度が 高くなることもあり,溶媒を使用したほうが,成績が 良いようである5)

更にこの系では,相間移動触媒と生成物との分離の 問題もあり,現時点では過酢酸によるエポキシ化反応

が工業的に主流であるが,環境面,安全性への配慮か ら,今後は過酸化水素によるエポキシ化反応の重要性 が増してくると思われる。

2.2 二重結合を持つエポキシ化合物を利用する方法 熱硬化性樹脂として利用するためには,エポキシ基 が複数個必要であるが,対応する炭素-炭素二重結合 を持つ化合物中のすべての二重結合をエポキシ化する ことは,特に過酸化水素のような酸化活性の低い酸化 剤を用いた場合,非常に難しい課題である。そこで,

脂環式エポキシ基と他の官能基を組み合わせて利用す る方法も検討されている。

例えば,(メタ)アクリル基と脂環式エポキシ基を 持ったものとして,シクロヘキセニル(メタ)アクリ レートを過酸により,重合禁止剤の存在下でエポキシ 化を行う方法が知られている6)。また,シクロヘキセ ンオキサイド骨格は,酸との反応性が高く,配合物と しての保存安定性に問題があるので,

Fig. 2

に示すよ うに,酸との反応性の低いジシクロペンタジエン骨格 に変えて合成した化合物も開発されている7)

これらの化合物は,(メタ)アクリル基と脂環式エ ポキシ基の両方を有するので工業的な利用価値は高い Fig. 1 Catalytic cycle of epoxidation. Q+=CH(n-C3 8H173N+.

Fig. 2 Alicyclic epoxy resin with acrylic group.

(3)

が,(メタ)アクリル基の重合開始剤としても作用す る,過酸化物を用いてエポキシ化反応を行うので,製 造工程で極めて重合しやすく,更に貯蔵および輸送中 に,熱・光およびその他の要因によって,しばしば重 合することが知られており,精製時にもかなりの工夫 が必要である6b)

これに対して,二重結合として(メタ)アクリル酸 エステルではなく,アリルエステルに変えたものは,

アリル基自体の重合性が低い上に,脂環式オレフィン とアリルエステルのエポキシ化速度の差も大きく,比 較的容易に合成を行うことができる8)。合成条件と

しては,

Table 1

に示すように,種々の類似シクロヘ

キセン類で 30 ~ 35% 過酸化水素水溶液を用い,60℃,

4 ~ 6 時間,無溶媒という温和な条件で,目的生成物 が高収率で得られる。従来からも,ブタジエンの二量 体である 4- ビニルシクロヘキセンを原料として,ビ ニル基とエポキシ基の両方を有する二官能性モノマー が合成されていた。この系ではシクロヘキセンへのエ ポキシ化に対して,ビニル基も多少はエポキシ化を受 ける。一方,

Table 1

に示した条件では,アリルエス テル基が(メタ)アクリル基と同様にエポキシ化反応 をほとんど受けない上に,重合反応も無視できるので,

非常に合成しやすい反応系である。

Table 1

では,4 級アンモニウム塩として一般に用

いられている塩化物ではなく,トリオクチルメチルア ンモニウム硫酸水素塩を相間移動触媒に用いることに Table 1 Epoxidation of various cyclohexene compounds. Table 2 Epoxidation of CEA by various catalysts.

Fig. 3 Reaction possibility of CEA.

(4)

より,ハロゲンの混入を防いだが,蒸留精製時に 4 級 アンモニウム塩が混入するために,収率の低下を招く。

そのため,アミンと鉱酸の組み合わせによるエポキシ 化を検討し,

Table 2

に示すように,4 級アンモニウ ム塩と同等の成績で,目的とする 3,4- エポキシシクロ ヘキサン -1- カルボン酸アリル(以下 CEA と略)が 得られることが分かった。この系は,反応後に水洗等 の操作で鉱酸を除去することが容易であり,蒸留精製 時の収率を向上することができた。

このような方法で合成された CEA は,

Fig. 3

に示 すように,ラジカル(共)重合9),エステル交換10), ヒドロシリル化反応により,ポリエポキシ化合物に変 換することができる11)

ビニルエーテル基と脂環式エポキシ基を両方持つ化 合物としては,

Fig. 4

に示すように,脂環エポキシア ルコールを酢酸ビニルを用いて,Ir 触媒により,水 酸基をビニルエーテル化する方法12)と,3,4- エポキ シシクロヘキサン -1- カルボン酸アリルエステルとビ ニルエーテルを含有したアルコール化合物とを,スズ や塩基性触媒によりエステル交換する方法13)が報告 されている。

2.3 グリシジルエーテルタイプ

ポリフェノール化合物と同様に脂環式ポリアルコー ルとエピクロルヒドリンを付加させて製造する方法も あるが,この方法では,

Fig. 5

に示すように,アルコー ル性水酸基が,フェノール性水酸基よりもβ位への付 加反応の比率が高いという問題がある。更に生成した 水酸基が原料と同じアルコール性水酸基であり,この 水酸基ともエピクロルヒドリンが反応しやすいという 問題があり,塩素系の不純物が非常に多く混入してし まう。

そこで,

Fig. 6

に示すようなルテニウムやロジウム

のような遷移金属触媒14)を用いてフェニルグリシジ ルエーテルのベンゼン環を核水添することにより,脂 環族のエポキシ樹脂を合成する方法が開発されている。

この方法は数 MPa 以上の高圧の水素圧は必要とする ものの,エポキシ基の分解率は数 % 程度で抑えること ができており,非常に有効な方法である。

ただし,対応する芳香族グリシジルエーテルが構造 上存在しないか,工業的に入手しにくい場合にはこの 手法を用いることはできない。このような例として,

アダマンタンポリオールがあり,エピクロルヒドリン との反応でも,通常のエポキシ樹脂の製造条件ではう まくいかず,アルコラートを生成させるために水素化 ナトリウムを用い,THF 中で反応させても,6.7% の 収率で目的とするエポキシ化合物が得られる程度であ る15)。そのために,

Fig. 7

に示すように,2- アダマン タノンとフェノールを反応させて得られたアダマンタ

Fig. 5 By-products of the epoxidation with epichlorohydrin.

Fig. 4 Alicyclic epoxy resin with vinyl ether group

Fig. 6  Synthesis of alicyclic epoxy resins by hydrogenation of aromatic epoxy resins.

(5)

ン含有ビスフェノールを,通常の方法でエピクロルヒ ドリンと反応させて,グリシジルエーテル化合物を得 る方法が開発されている16)。この化合物ならば,前 述の芳香族グリシジルエーテルと同様に,水素添加を 行うことにより,導入したベンゼン環をシクロヘキサ ン環に変換することは可能である17)

これらのベンゼン環の核水添によるグリシジルエー テルを得る方法は,比較的良好な収率で脂環式グルシ ジルエーテルを与えるが,脂肪族のグリシジルエーテ ルほどではないものの,原料の芳香族グリシジルエー テルに不純物由来の塩素が,汎用品では 2000ppm 程 度,高純度品でも数百 ppm 程度含まれており,これ らの塩素原子は水素還元工程では除去できないため,

塩素原子の混入を避けることができない。

脂肪族アリルエーテルの場合には,原料の親水性が 高いためと過酸化物との反応性が低いので,過酢酸で エポキシ化を行おうとしても,反応温度を高めに設定 する必要があり,副生する酢酸と生成したエポキシ基 との反応がかなりの割合で起こり,収率良く目的物を 得ることができない。一方,過酸化水素を酸化剤に用 いた場合には,ゼオライト触媒18)や W 触媒19)を用 いた系でエポキシ化反応を行った例が報告されている。

ゼオライト触媒では過酸化水素の効率は高く基質に よっては非常に有効な酸化系になるものの,基質の大 きさに制約がある。W 触媒ではシクロアルケン,末

端アルケンのエポキシ化には有効であるものの,アリ ルエーテル型の二重結合では,転化率を上げることも 難しい。そのために,

Table 3

のように過剰の過酸化 水素を用い,基質の 1,4- ブタンジオールジアリルエー テルに対して約 20mol% の W 触媒を用いて,ようや く 79% の収率で対応するジエポキサイドを得ること ができている19b)

3.脂環式エポキシ樹脂の物性改良

3.1 シクロアルケンオキサイドタイプ

原料の脂環化合物は,

Fig. 8

に示すようにブタジエ ンのようなジエン化合物とアクロレインのようなジエ ノフィル化合物とを用いて Diels-Alder 反応を行いそ の付加物から誘導していく方法が一般的であるが,こ の方法以外にもリモネンやピネンのような天然物も原 料として用いられている。

この中でも工業的に最も多く使用されているのは 3,4- エポキシシクロヘキシルメチル -3,4- エポキシシク ロヘキサンカルボキシレートであるが,硬くて脆いと いう問題があり分子中にε- カプロラクトンを開環挿 Fig. 7  Production method of epoxy resins of phenyladamantane derivative.

Table 3  Influence of temperature on the epoxidation of 1,4-bis(allyloxy)butane in the presence of chloroform as solvent and CH3N[(CH27CH33Cl (Aliquat®336) as PT catalysta

Experiment Temperature Molar ratio Conversion (wt%) Yield of products (wt%)

No. (?C) H2O2:DiAB H3PO4:Na2WO4·2H2O H2O2 DiAB Monoepoxide Diepoxide

1 60 2:1 2:1 75 85 39 28

2 60 4:1 8:4b 86 95 9 54

3 50 2:1 2:1 67 90 33 57

4 50 4:1 8:4b 61 98 19 79

5 40 2:1 2:1 45 72 43 29

6 40 4:1 8:4b 40 87 41 46

7 30 2:1 2:1 40 87 43 29

8 30 4:1 8:4b 12 50 29 6

a  The reactions were carried out by using 18 mmol of DiAB, 0.35 mmol of PT catalyst and 0.87 mmol of Na2WO4·2H2O.

b  3.48 mmol Na2WO4·2H2O, monoepoxide-(1-allyloxy-4-glycidyloxybutane) and diepoxide-(1,4-bis(glycidyloxy)butane).

Fig. 8  Diels-Alder reaction that is used for production of the alicyclic epoxy resins.

(6)

入したエポキシ化合物や,アジピン酸エステル基を含 むエポキシ化合物などが古くから工業化されている。

ただし,これらの化合物はガラス転移点が低下し,

分子内のエステル基のために吸水率も大きく加水分解 もしやすい。そこで,

Fig. 9

のように加水分解速度の 遅い炭酸エステルを内部に組み込んだエステル化合物 が提案されている20)

また,

Fig. 10

のように 3- シクロヘキセン -1- カル ボン酸と,9,9- ビス〔4-(2- ヒドロキシエトキシ)フェ ニル〕フルオレンを原料に用いて,分子内にフルオレ ン骨格を導入した屈折率の高いカチオン硬化性化合物 も提案されている21)

分子内にエステル基が存在すると,その加水分解性 のために,高温高湿下での使用や,強酸が発生する条件 等に用いた場合,硬化物の物性低下が起こるため,ビス

-シクロヘキサノールを脱水し,ビス-シクロヘキセン に変換した後にエポキシ化を行い,ビス-シクロヘキセ ンオキサイドに変換する方法が行われていた22)。更に,

Fig. 11

に示すように,原料のビスシクロヘキサノー

ルを,水添ビスフェノール- Z や水添フルオレン型 ビスフェノールに代えて,同様にエポキシ樹脂を合成 すると,光学用の透明材料として重要な光学異方性の 低い硬化樹脂になると報告されている23)

また,このような脱水反応では,

Fig. 12

に示すよ うに,脱水反応時に水の付加脱離が繰り返され,4,4’

- ジヒドロキシビシクロヘキシルの場合には,目的の

ビシクロヘキシル -3,3’-ジエン以外にも二重結合が異 性化した副生物が生成してしまい,結果として得られ るジエポキシ化合物にも異性体由来のジエポキシ化合 物が混入してしまうという問題があった。この点に関 して,脱水触媒の最適化と,有機溶媒中で副生する水 を留去する脱水反応条件を最適化することにより,異 性体比率を 21% から 9% まで低下させている24)。この ことにより,硬化反応速度が著しく速く,しかも硬化 後の硬化物のガラス転移温度が大幅に高くなり,耐熱 性等の物性が飛躍的に向上させることが可能となった。

また同様に,

Fig. 13

に示すような方法で合成した エポキシ基とオキセタン基をからなるモノマーも開発 されている25)。この系もエポキシ,オキセタン官能基 以外は炭化水素のみであり,カチオン硬化速度は速い。

3.2 二重結合を持つエポキシ化合物を利用する方法 アクリル基を有した脂環式エポキシをラジカル重合 により予備重合化し,カチオン硬化性樹脂として利用 しようとする検討は数多く行われており,例えば,パー フルオロアルキル(メタ)アクリレートと 3,4- エポキ

Fig. 10 Alicycle epoxy resins containing the fluorene structure.

Fig. 11 Epoxy resins of bicyclohexene dioxide.

Fig. 13  Alicycle epoxy resins containing the epoxy and oxetanyl functional group.

Fig. 12 Side reactions under the dehydration of cyclohexanol.

Fig. 9 Alicycle epoxy resins containing the carbonate.

(7)

シシクロヘキシルメチルメタクリレートとを溶媒中で 重合させ,透明,低屈折率の接着剤組成物としたもの や26),メタクリル酸との共重合体をアミノ樹脂と組み 合わせた光学膜用コーティング剤が検討されている27)。 また,通常の重合を行った際,重合度が上がり過ぎて しまう場合には,スルフィド化合物等の連鎖移動能を 有する添加剤を重合系に加えて,分子量を調節してい る例も報告されている28)

ラジカル重合だけでなく,リビングアニオン重合を 用いることもでき,高分子量で分子量分布の非常に狭 いメチルメタクリレートと 3,4- エポキシシクロヘキシ ルメチルメタクリレートとの共重合体を得ている29)。 また,3,4- エポキシシクロヘキシルメチルメタクリ レートは,耐水性の高い脂環骨格を有しているので,

グリシジルメタアクリレートの代わりに,ポリカルボ ン酸のカルボキシル基にエポキシ基を付加させて,ア ルカリ現像可能な UV 硬化ポリ(メタ)アクリレー ト樹脂とする検討も行われており,プリント配線板用 フォトレジスト樹脂30)やカラーフィルター31)として の応用例が報告されている。

エポキシ基側を利用して予備重合を行う例として

は,

Fig. 14

に示すように,脂環式エポキシをカチオ

ン触媒により開環重合させて,メタアクリル系予備重 合体を得る方法も開発されている32)。トルエン溶媒中,

特定の仕込み組成比で合成した予備重合体は,ゲル化 も早く,鉛筆硬度が 4H ~ 6H,Tgが 147℃~ 170℃

の高強度で耐熱性の高い硬化物が得られる。

4- ビニルシクロヘキセンジオキサイドの場合には,

Fig. 15

に示すように,シクロヘキセンオキサイド側

がカチオンとの反応性が高いことを利用して,エポキ

シ基を開環重合することもできる。この反応を利用し て,多価アルコールを共存させて重合度のバランスを とりながら,多数のエポキシ基を含む,室温で固形の 硬化用樹脂としたものが市販されている。

また,ビニルシクロヘキセンモノオキサイドの場合 には,この化合物が持っているビニル二重結合を利用 しての重合が難しいこともあり,ヒドロシリル化反応 を利用して,脂環式エポキシを複数有するシリコーン 化合物を合成する方法が良く行われている33)

CEA はアリル基とエポキシ基を両方持つために,

Fig. 3

に示すように,それぞれの官能基を利用した変

性や重合を実施することができる。また,モノマーの 変性としては,

Fig. 16

に示すようにカチオン重合性 に優れたオセタニル基を導入することもできる34)

CEA の予備重合特性を見るために,

Fig. 17

に種々 の反応条件での DSC の発熱曲線を示した。カチオン 重合,重付加反応ともに発熱ピークは大きく,反応性 は高いが,ラジカル重合の場合には官能基がアリル基 であり,退化性連鎖移動のために反応熱は低い。その ため,かえって予備重合時の暴走を抑えることも容易 であるし,分子量も適度に調整することができるため,

ラジカル重合はアリル二重結合へのヒドロシリル化反 応とともに,予備重合には利用しやすい35)

そこで,アリル二重結合を利用したラジカル重合ま たはヒドロシリル化反応による予備重合を検討した。

まず,

Table 4

35)には,CEA 単独重合物,アクリル 系モノマーとの共重合体,およびカチオン重合によ り硬化した成形品の物性値を示す。ここでは残存モノ マーを単離すると固形状になるため,重合液をそのま ま用いて,そこに硬化剤を入れて硬化させたため,や や脆い硬化物になった。それでも,特に CEA 単独系 の場合には,柔軟性は低いが,硬質プラスチックスと して耐熱性の高い硬化物を与えることがわかる。

アリル二重結合の場合には,α- オレフィンともラ ジカル共重合が容易であり,共重合比を工夫し,重合 後に薄膜蒸発等により,モノマーと分離すれば,液状 のオリゴマーを得ることができる。

Table 5

35)にはヒ ドロシリル化反応により得られたものと合わせて,液

COOH+ O O

O O

O

O H

n

O O

n

Fig. 14  Prepolymer containing acrylic groups prepared by cationic polymerization.

Fig. 15 Epoxy prepolymer prepared by cationic polymerization. Fig. 16 Alicycle epoxy resins containing the oxetane.

(8)

状オリゴマーの物性値を示した。この系はどれも残存 モノマー成分を 1wt%以下まで精製したものだが,一 部の系を除き,注型法による成型が可能なほど,低粘 度の液状オリゴマーであることが分かる。

このプレポリマーをベースにして,他のエポキシ樹 脂を配合し,酸無水物を硬化剤に用いた硬化物の物性

値を

Table 6

35)に示した。この表より,他のエポキ

シ樹脂との相溶性もよく,オレフィン系プレポリマー

の場合には,耐熱性をそれほど落とさずに柔軟性を付 与でき,シリコーン系プレポリマーの場合には,透明 性の優れた硬質プラスチックが得られることが分かる。

また,

Fig. 18

に 3,4- エポキシシクロヘキシルメチル -3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレートと配合 した系で,曲げ弾性率,誘電率,及び吸水率を測定し た結果を示す36)。20wt% の添加量では,弾性率にあ まり影響を与えることなく,誘電率と吸水率を低下さ Table 4 Prepolymer conditions and properties of various CEA coprepolymer

Fig. 17 DSC profile in various CEA polymerization.. 20℃ /min.

(9)

せることができている。

また,

Fig. 19

に示したように,CEA は,パーフルオ

ロアルキルエチレンとも共重合を行うことができる36)

Table 7

に,このようにして得られた共重合体と 3,4-

エポキシシクロヘキシルメチル -3,4- エポキシシクロ ヘキサンカーボキシレートとを組み合わせた系で,水 との接触角を測定したところ,フッ素系共重合体を 5wt% 程度配合しただけでも,水との接触角は 90°を

超える。ただし,10wt% 以上配合すると,相分離を起 こし,光線透過率は低下する。

3.3 グリシジルエーテルタイプ

シクロヘキサンジメタノールを原料に用いて,エピ クロルヒドリン法と過酸化水素酸化による方法でエポ キシ化した,シクロヘキサンジメタノールジグリシジ ルエーテル(CDMDG と略)を分析し,それぞれの

Fig. 18 Influence of the CEA-copolymer.

Table 6 Properties of various CEA coprepolymer.

Table 5 Coprepolymer of CEA.

Comonomer

Prepolymer Viscosity

mPa・s

Equivalent weight of Epoxy

1-hexene 23,000 357

4-Methyl-1-penten 300,000 321

4-Methyl-1-penten 2,700 592

1-Octene 4,000 389

1-Dodecene 4,200 328

1-Dodecene 2,100 481

1-Dodecene 260 778

1-Tetradecene 34,000 276

1-Tetradecene 130,000 297

Bifunctinal Silyl Oligomer 20 259

Tetrafunctinal Silyl Oligomer 1,200 245 Octafunctinal Silyl Oligomer 7,300 371 CEAmonomer:Viscosity 4.8mPa・s,

      Equivalent weight of Epoxy:182 Fig. 19 Alicycle epoxy resins containing the perfluoroalkane.

(10)

分析値を比較した結果を,

Table 8

36)に示す。両系と も製造時の副生物が多く,ジグリシジルエーテルの純 度は必ずしも高くないが,過酸化水素酸化で得られた 系は塩素不純物が低く,特に電子材用途で使用する場 合での性能低下を低く抑えることが期待される。

また,グリシジルエーテル系は脂環式エポキシと比 較して,カチオン硬化速度が遅いイメージがあるが,

過酸化水素酸化により得られた系を分子蒸留により精 製した。その前後のカチオン硬化系での反応性を比較 した。DSC による発熱曲線を

Fig. 20

36)に,市販のビ ス A 型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂と併せて 示した。ピークが二山になるという現象が見られたも のの,蒸留を行うだけで,最初のピークは通常の脂環 型エポキシ樹脂と比較して,ピーク面積に遜色はなく,

ピーク温度が 20℃遅れた程度である。また,カチオ ン硬化触媒に対してエーテル基は悪影響を及ぼすので,

決して速い硬化とはいえないが,分子蒸留を行うだけ でも,カチオン硬化挙動がこのような変化を生じる。

工業的な製造法としては,難しい面はあるが,製造条 件を検討することにより,不純物を制御し,カチオン 硬化系でも十分に実用的な速度で硬化を行える系を組 める可能性がある。

Fig. 20  DSC profile of various epoxy resins with San-Aid SI- 100L 1phr. 20℃ /min.

Table 8  Analysis data of cyclohexanedimetanol diglycidyl ether

Hydrogenperoxide Method

Epichlorohydrin Method Appearance Colorless or Slight

yellowish liquid Yellowish liquid

Color

L 100.06 99.92

a -0.01 -0.53

b 0.56 2.14

Viscosity 25℃ 44 37

Equivalent weight of Epoxy 144 135

Cl (ppm) 4.5 503.0

DSC (+Acid anhydride)

Initial temperature 83.0 100.0

Peak temperature 150.6 161.5

End temperature 203.0 210.0

ΔH(J/g) 228.5 251.0

GC Purity 84.7 89.7

No Weight ratio Light transmittance Contact angle

(water)

epoxy resin Copolymer Haze Total Diffusion Parallel

1 0 100 5.9 88.9 5.3 83.7 97.9

2 60 40 55.7 90.9 50.6 40.3 99.9

3 80 20 29.6 91.0 26.9 64.1 95.7

4 90 10 6.9 90.2 6.2 84.0 97.1

5 95 5 1.4 89.4 1.3 88.1 91.1

6 100 0 3.9 91.8 3.6 88.3 77.7

Alicyclic epoxy resin:3,4-epoxycyclohexylmethyl-3,4-epoxycyclohexanecarboxylate CEA-perfluorohexylethylene copolymer = equivalent weight of epoxy 355

Table 7  Properties of combination of alicyclic epoxy resin and CEA-perfluorohexylethylene copolymer

(11)

4.用途面における最近の開発動向

脂環式エポキシ樹脂は,耐候性に優れており,光カ チオン硬化も可能である。これらの特徴を生かした,

最近の用途開発動向について紹介する。

4.1 LED 封止材

LED の封止材は,照明などの高輝度・白色用に利 用されつつある青色 LED にはシリコーン樹脂が,赤 色等の波長の長い LED にはエポキシ樹脂が主に使用 されている。エポキシ封止材が使用されている LED の具体的用途は,自動車のハイマウントストップラ ンプやメータパネル,信号機,電光掲示板, 携帯電話 のバックライト,テレビやエアコンなどのリモコンの 光源,家電製品などのパイロットランプ等,非常に幅 広い。封止材料に使用されているエポキシ樹脂にはビ ス A 型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,水添ビ ス A 型エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアヌレー ト(TEPIC)などがある。赤色 LED では,ビス A 型 エポキシ樹脂で十分であるが,高輝度,短波長になる に従い,耐候性の点から脂環式エポキシや水添エポキ シ,TEPIC などを多用する必要がある。

ただし,脂環式エポキシ樹脂でいえば,硬化樹脂 自体が硬いため,フリップチップ実装時の配線の断線 や冷熱サイクル時の亀裂破壊が起こりやすいという問 題と,エポキシ樹脂共通の課題である,耐熱黄変特性 が悪いという問題がある。前者は樹脂骨格の変性37)

や実装方法の工夫による改善が可能であるが,後者 に対しては有効な方法が未だ見つかっていない。一 方,LED の高出力化に伴う発熱の問題が非常に深刻 になっており,耐熱黄変性は,最も解決が望まれる課 題となっている。加速試験条件も,150℃あるいは更

に高温で 100 時間経過後のΔE を比較するようにな

り,

Table 9

36)に示したように,本来耐候性の良い水

添ビス A 型エポキシ樹脂が耐熱黄変性では最も悪い 結果となっており,エポキシ樹脂の場合には Tg自体 を如何に高くするかも重要な要素となっている。

一方シリコーン樹脂は高価ではあるが,耐熱黄変性 が非常に良いため,白色 LED 用途向けに急速に需要 を拡大している。しかし,価格以外にもエポキシ樹脂 に比べ,硬化した樹脂の強度が弱い上に,接着性にも 乏しく,ヒートサイクル試験でケースから剥離しやす いという欠点と,

Table 9

に示したように,水蒸気等 のガス透過性が大きいという欠点がある。強度や密着 性については,エポキシ基を持つ骨格をシリコーン 樹脂に組み込むことによりに改良38)は可能であるが,

ガス透過性を改良することは非常に難しい。特に照明 用の白色光については,青色 LED と蛍光体の組み合 わせが主流となりつつあるが,蛍光体によって,耐湿 性が弱いものもあることと,封止樹脂の水蒸気透過性 が高いと LED チップや封止樹脂が保たれても,配線 の絶縁破壊が起きやすくなるという問題も生じる。

こ こ で,CEA を シ リ コ ー ン で 変 性 し た も の は,

Table 9

に示したように,耐熱黄変性は通常のエポキ

シ樹脂並ではあるが,水蒸気透過性についてはエポキ シ系の中でも数値が良好だった水添ビス A 型エポキ シ樹脂の半分以下であり,脂環骨格とシリコーン樹脂 の特性をうまく引き出すことができている。

4.2 カチオン硬化インクジェット用インキ 印刷分野,液晶ディスプレイやプリンタブルエレク トロニクス用途で今後重要性が増すと思われるインク ジェット印刷は,従来,ソルベント系インキが主流で あった。この系では,使用時の臭気の問題だけでな く,揮発性の溶剤がインキの主成分となるため,ヘッ ドのノズル面において,溶剤の揮発による乾燥が非常 に早く,頻繁なメンテナンスが必要となる。更に,イ ンキは本質的に溶剤に対する再溶解性が必要とされる ため,溶剤に対する耐性が十分に得られないという欠 点があった。これらの欠点を解消するために,カチ オン重合性化合物を用いたインキ39)が注目されてお り,溶媒を用いる欠点がなくなる上に,酸素阻害作用 も受けないため,エネルギー照度の低い光源であって も硬化させることができるという利点がある。これら Table 9 Properties of encapsulation materials for LED.

(12)

の特許では,脂環式エポキシ樹脂とオキセタンを併用 し,画像耐候性に優れる印字物を作製することのでき る,活性光線硬化型インクジェットインキを提案して おり,今後の展開が期待される。

4.3 ナノインプリント用樹脂他

次世代の半導体や,光学フィルム材料への展開が期 待されるのがナノインプリント技術である。ただし,

熱ナノインプリント方式では成型サイクルが長いとい う問題があり,UV 硬化によりナノインプリントがで きる系が求められている。アクリル系材料で UV ナ ノインプリントを行った場合には,硬化時の体積収縮 率が大きく,重合時に空気阻害も受けるという問題が あった。そこで,カチオン硬化系のエポキシ樹脂の開 発が期待されるところだが,従来のエポキシ樹脂を用 いたカチオン硬化系では,多少収縮率は低くなるもの の,硬化速度が遅く,UV 硬化を行うメリットが生か せないという問題があった。

体積収縮率に関しては,硬化時に膨張系になる 3,4,3’,4’-ジエポキシビシクロヘキシル(体積膨張率 2.4%)やジメチルトリメチレンカーボネート(体積膨 張率 1.4%)と,脂環エポキシもしくはオキセタン化 合物のオリゴマーを組み合わせ,硬化収縮を非常に低 く抑えた系が報告されている40)

また,3,4,3’,4’-ジエポキシビシクロヘキシルは低 線膨張率と寸法安定性から,表示用プラスチック基板 としての検討41)や,ガラスクロスと組み合わせた光 学樹脂シートとしての応用が検討されている42)

5.おわりに

脂環式エポキシ樹脂は,従来は成熟産業である光(カ チオン)硬化塗料や重電・電子用途向けの絶縁材料に 用いられていた。ここにきて,LED の封止剤やプリ タブルエレクトロニクス等の市場が立ち上がりつつあ り,無溶剤で比較的硬化収縮も低く,空気阻害の少な い UV カチオン硬化を行うことができる脂環式エポキ シ樹脂は,重要な役割を担える可能性を秘めている。

新しい材料はもとより,古くから使用されている材 料でも,使用方法を見直したり,他の系との複合化に より機能を付加させ,新しい用途に使用することでき る可能性がある。

今後,脂環式エポキシ樹脂を用いた最先端の材料開

発が行われていくことを期待したい。

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(14)

Recent Technical Trend of the Alicyclic Epoxy Resins

Hiroshi U

chida

and Yoshikazu A

rai

Corporate R&D Center (Chiba), Showa Denko K.K.

5-1 Yawatakaigan-Dori, Ichihara-shi, Chiba, 290-0067, Japan

Synopsis

The alicyclic epoxy resins are broadly divided into a cycloalkene oxide type and an alicyclic polyglycidyl ether type by the oxirane ring structure. As for the cycloalkene oxide type, there are two methods to prepare epoxy resins. One is the direct epoxidation of cycloalkenes, and another is the prepolymerization of cycloalkene oxides having (meth)acrylic or allyl groups. About the glycidyl ether, there are three methods as follows; hydrogenation of aromatic glycidyl ethers, etherification of alicycles with epichlorohydrin, and epoxidation of allyl ethers. Particularly the epoxidation by hydrogen peroxide is very important, since hydrogen peroxide is relatively inexpensive, environmentally friendly and safe. Improvements of alicyclic epoxy resins are focused on the development of fast curing systems and high performance insulation resins. Applications to LED encapsulation materials and printable materials have been examined, so a future development is expected.

(Received May 17, 2010)

[Review]

参照

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