論 文
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(2) 2.実 2.亘 材 料(PETフ. 験. ィル ム). フ ィル ム に使 わ れ る樹 脂 の 中で 最 も代 表 的 な も の の ひ と つ で あ るPET樹. 脂(極. 限 粘 度 が0.6程. 度 の フ ィルム用樹. 脂)を 解 析 の 対 象 と した. PETフ. ィ ル ム は価 格 と性 能 の バ ラ ンス が と れ た 多 機 能. フ ィ ル ム と して,用 途 を拡 大 し て きた.そ. の特 徴 と して 機. 械 的 性 質 が 優 れ て い る こ と な どが あ げ ら れ る.PETフ ル ム の用 途 は広 範 囲 で,磁 気 テー プ,絶 縁 テ ー プ,レ. ィ トル. ト食 品,写 真,レ ン トゲ ン写 真,ラ ベ ル な どの 多 岐 に わ た っ て い る.ま た 長 年 の 技 術 蓄 積 に よ り,各 種 フ ィル ム の 中 で厚 み ム ラ,表 面 特 性 が 最 も高 度 に制 御 され た フ ィル ム で あ る. 2.2引 Fig.. I. Schematic. diagram. of. successive. 張試験. 試 験 片 は368.15K,3.3倍 でMD延 伸 後 のPETフ ィル ム にお け る 幅 方 向 の 中 央 部 か ら1.5(幅)×15(試 験 長)cm. biaxial. process. を切 り出 して サ ンプ ル と した. に厚 さが 均 一 で な い場 合 に は,巻. き取 っ た ロ ー ル に硬 い 部. 引 張 試 験 機 は オ リエ ン テ ッ ク 社 製 テ ン シ ロ ンUCT‑100. 分 と軟 らか い 部 分 が で き,凹 凸 が 生 じて し ま う.そ れ に よっ. を 用 い た.こ. て ロー ル の 巻 き形 状 が 悪 くな り,商 品価 値 が 無 く な る場 合. ス ピー ド200mm/minでTD,MD各. さ え 出 て くる.ま. 試 験 を3回 行 っ た.. た,凹 凸 の 激 し い ロ ー ル で は,し わ が 発. れ を358.15Kの. 炉 の 中に入 れ ク ロスヘ ッ ド 方 向 にそれぞ れ引張. 生 し た り,た るみ が 生 じ,製 造,ス リ ッ ト,ラ ミ ネー ト, コー テ ィ ン グ,印 刷,接 着,蒸 着 な どの 加 工 時 に 支 障 を き. 引 張 試 験 で得 られ たTD方 向 の 真 応 カ‑対 数 ひ ず み デ ー タを 図2に 示 す.な お,こ れ は3回 の 試験 にお け る 平 均 値. た す こ と に な る.こ の よ うに 厚 み ム ラの 低 減 化 は,広 幅 化 ・. を プ ロ ッ トした.. 高 速 化 ・長 尺 化 が 進 む に つ れ て,こ れ まで 以 上 に 要 求 され. 図2か らわ か る こ とは まず,弾 性 の 領 域 が 非 常 に 少 な い こ とで あ る.そ して,対 数 ひず み1.2以 降 で 配 向結 品 化 に. る よ う に な っ て き て い る.そ. こで,本 研 究 で は代 表 的 な結. 品 性 ポ リマ ー フ ィ ル ム の ポ リ エ チ レ ン テ レ フ タ レ ー ト. よる 急 激 な 剛 性 の 立 ち 上 が りが あ り,結 品 性 ポ リマ ー で あ. (PET)フ. るPETの. ィ ル ム の テ ン タ ー に よ る 横(TD)延. 伸工程で. の厚 み 挙 動 に つ い て解 析 を試 み て い る.. 特 徴 を よ く表 し て い る.. 2.3フ. こ れ ま で我 々 は フ ィル ム の 延 伸 工 程 中 に 発 生 す る ボ ー イ ング 現 象 や 厚 み ム ラ を低 減 させ る た め,横. ィル ム厚 み 測 定. サ ン プ ル 作 製 は 図1に. 示す モ デ ル試 験機 を使 つて お こ. 延伸 の行わ れる. な っ た.ま. ず,PET樹. テ ン ター 内 で の フ ィ ル ム の 変 形 挙 動 の 理 論 解 析 を 行 っ て き. 出 され,非. 晶 質 の フ ィル ム シ ー トを作 る.そ. た1ト5).実 際 の フ ィ ル ム は 解 の 導 出 が 非 常 に複 雑 な 粘 弾 塑. トを ロ ー ル の 速 度 差 を 利 用 し て,倍. 性 構 成 則 に 従 う.し か し,ポ (PET)フ. リエチ レ ンテ レフ タ レー ト. ィル ム は 緩 和 時 間 が 非 常 に 短 い の で 固 体 状 態 で. は粘 性 体 と い う よ り,む. しろ弾 性 体,あ. て ふ る ま う こ とが 多 い.特. る い は塑 性 体 と し. に,通 常3倍 以 上 もTD方. 延 伸 し続 け る横 延 伸 工 程 中 で は,フ. 向に. ィルム厚み やボー イ ン. 368.15K,の ル ム を,ク. 脂 が 溶 融 され,チ. ル ロール 上 に押 れか ら,シ ー. 率3。3倍,延. 伸温度. 条 件 下 で 縦 方 向 に 延 伸 し,一 軸 延 伸PETフ リ ッ プ で 把 持 し な が ら,倍 率3.46倍,延. 度368.95Kの. 条 件 の 下 で,横. ィ 伸温. 方 向 に延 伸 し て 巻 き取 り速. 度10m/minで 巻 き取 り,最 終 的 に 二 軸 延 伸PETフ ィル ム を作 製 した.こ の サ ン プル フ ィル ム の厚 み を幅 方 向 に測. グ挙 動 等 の フ ィル ム の マ ク ロ的 な 変 形 挙 動 の 解 析 に は 粘 性 の 影 響 を無 視 して も大 きな 問 題 とな ら な い と考 え る こ とが で きる.そ. こ で,横 延 伸 工 程 中 で の 延 伸 に よ る フ ィル ム変. 形 挙 動 を予 測 す る た め に,フ. ィル ム を弾 塑 性 体 ま た は 剛 塑. 性 体 と仮 定 し,有 限 要 素 法 に よ る解 析 を行 った.フ. ィルム. を弾 塑 性 体 と仮 定 した 時 の 解 析 は応 カ ーひ ず み(S‑S)デ. ー. タの 近似 が 難 しい こ とや 解 が 不 安 定 に な る な ど の 欠 点 が あ る.そ こ で 本 報 告 で は,フ. ィ ル ム を弾 塑 性 体 と仮 定 した と. き と解 の 収 束 が 比 較 的 良 い 剛 塑 性 体 と仮 定 した と きの 二 種 類 の 構 成 方 程 式 に つ い て解 析 を行 っ た. さ らに,こ. れ まで はTD延. 伸前 の フィルム厚みが 均一 な. も の と して 解 析 を 行 つ て い た6m.そ. こ で 本 報 告 で は延 伸. 前 の 初 期 フ ィ ル ム が 実 験 デ 一 タ と ほ ぼ 同等 の厚 み 分 布 を有 す る モ デ ルで 有 限 要 素 法 解 析 を行 い,横 延 伸 工 程 中 で の 厚 み 分 布 挙 動 を予 測 し,延 伸 後 の フ ィル ム 厚 み 分 布 の 実 験 デ ー タ と比 較 した. Seikei-Kakou. Vol.17. Fig. 2 No.9. 2005. True. stress-logarithmic. strain. curves. for TD 637.
(3) 定 した.図3は. フ ィル ム 中 心Aか. ら フ ィ ル ム 端 部Fま. で. の 横 延 伸 前 後 の フ ィル ム厚 み分 布 を示 して い る. 3.解. ひ ず み の 関係 も応 力 増 分‑ひ ず み 増 分 の 関係 で 表 わ され る. vonMisesの. 降伏 条 件,増 分 塑 性 理 論,等 方 硬 化 則 を用 い て. 導 出 した応 力 増 分‑ひ ず み 増 分 の 関 係 式 を 以 下 に示 す81一9〕.. 析. (1). d6=Deーde. 3.1有. 限要素 法解析. 本 報 告 で は解 析 対 象 を横 延 伸 の行 わ れ る テ ン ター 内 の う ち,予 熱 区 間か ら冷 却 区 間 まで と し,テ ン タ ー 内 で 約3.46. こ こ で ヱγρは弾 塑 性 の 微 小 ひず み 接 線 剛 性 で あ り以 下 で 表 さ れ る.. 倍 に延 伸 さ れ る もの と した.解 析 に は厚 み 方 向 が 薄 い た め 四節 点 四 辺 形 平 面 応 力 要 素 を用 い,一 要 素 あ た りの 数 値 積 分 点 数 を4と. して 完 全 積 分 を行 っ た.ま. 対 称 性 を 考 慮 し て,フ. ィ ル ム を1/2モ. 行 っ た.節. 点,要. 点 数1806節. dateLagrange法. た,テ. (2). ン ター 内 の. デ ル と して解析 を. 素 数1500要. 素 と し た.Up.. を用 い て 増 分 解 析 を 行 っ て い る の で,要. 素 の 厚 み は 増 分 毎 に 更 新 す る もの と した.有. 限要素法解析. σ:応 力,ε:ひ. ず み,σ:Misesの. トリ ッ ク ス,〃:加. 応 力,D2':弾. 性の剛性マ. 工硬 化係 数. の プ ロ グ ラ ム と して は非 線 形 汎 用 有 限 要 素 法 ソ フ トMarc 3.4剛. 2000を 用 い た. 有 限要 素 法 の 流 れ は まず,各 係 を 表 すDマ 出す る.次. 要 素 で の 応 力 と ひず み の 関. トリ ッ ク ス か ら要 素 剛 性 マ トリ ッ ク ス を 導. に 各要 素 の 剛性 マ トリ ッ ク ス を 重 ね 合 わせ て 全. 塑性 体構成則 における材料定数. 弾 塑 性 の 時 と 同 様 にPETフ り求 め た.剛 か し,加. 工 硬 化 係 数 が ヤ ン グ率 を大 き くな って は な ら ない. 体 剛性 マ トリ ッ ク ス を導 出 し,境 界 条 件 を代 入 して 変 位 を. と い う 制 限 が な い た め,よ. 求 め る.こ. た.具. 3.2弾. れ を繰 り返 す こ とで 変 形 を表 して い る.. ィ ル ム の 材 料 定 数 を 図2よ. 塑 性 の 場 合 は 塑 性 の 領 域 し か 表 現 し な い.し. り実 験 デ ー タ に 近 い 近 似 を 行 っ. 体 的 に は 塑 性 の 領 域 を3つ. の 領 域 に わ け て塑 性 領 域. 塑 性 体 構 成 則 に お け る材 料 定 数. 弾 塑 性 解 析 に 必 要 なPETフ. ィル ム の 材 料 定 数 を 図2よ. り求 め た.ま ず,グ ラ フ を直 線 で 近 似 す る こ と に よ り弾 性 領 域 の 材 料 定 数 で あ る ヤ ン グ 率Eを. 決 定 し た(図4‑a参. 照).. 塑 性 領 域 に 関 して は 真 応 カ‑対 数 ひ ず み 曲 線 を真 応 カ‑塑 性 ひず み 曲線 に 直 し(図4‑b参 照),さ ら に 塑 性 の 領 域 を 二 つ の 領 域 に 分 け て,塑 性 領域 の 材 料 定 数 で あ る降 伏 応 力 σ1,加. 工 硬 化 係 数h1,h2を. 得 ら れ た 材 料 定 数 を表1に 3.3弾. 決 定 した.こ. の よ う に して. 示 す.. 塑性体 構成則 にお ける支配方程 式. フ ィル ム を弾 塑 性 体 構 成 則 に従 う とす る 時 の 関係 式 につ い て説 明 す る.本 解 析 は 静 的 陰解 法 で あ る の で,静. 的釣 り. 合 い式 を解 い て い る.弾 塑 性 体 の 変 形 挙 動 は,線 形 の 挙 動 を示 す 「弾 性 」と,非 線 形 の 挙 動 を 示 す 「塑 性 」 と,二 つ の 性 質 を も っ て い る.そ の た め 材 料 の 変 形 挙 動 を 示 す 応 力‑ (a) True stress-logarithmic strain curve. (b)Truestress‑plasticstraincurve Fig.4 Fig. 638. 3. Experimental. distribution. of. film. thickness. Schematic diagram of stress-strain elastic-plastic analysis 成 形加 工. 第17巻. curves. 第9号2005. for.
(4) の 材 料 定 数 を決 定 した(図5参 れ た 材 料 定 数 を表2に 3.5剛. Table. 1. Conditions. of elastic-plastic. Table. 2. Conditions. of rigid-plastic. 照).こ. analysis. analysis. の よ うに して得 ら. 示 す.. 塑 性 体 構 成 則 に お け る支 配 方 程 式. フ ィ ル ム を 剛 塑 性 体 構 成 則 に 従 う とす る 時 の式 につ い て 説 明 す る.剛 塑 性 体 変 形 解 析 は 本 報 告 の よ う な弾 性 の 領 域 が 塑 性 の 領 域 に 較 べ て 非 常 に小 さい 場 合 に は十 分 な 精 度 が 得 られ る と考 え られ て い る.剛 塑性 体 の 変 形 挙 動 は 非 線 形 の挙 動 を示 す 「塑 性 」 の性 質 の み を示 す.材 料 の変 形 挙 動 は応 カ‑ひ ず み 速 度 の 関 係 式 で 表 さ れ る8).9}.. (3). 6=D'E. こ こ でD'は 剛 塑 性 の微 小 ひ ず み 接 線 剛 性 で あ り以 下 で 表 される. (4) Fig. 5 σ:応 D':塑. 力,σ:Misesの. 応 力,E:相. 連 続 延 伸 を再 現 した.そ 4.実. 界条件. 境 界 条 件 を 図6に 示 す.フ. ィル ム の 中 央 部 に お い て は,. テ ン ター 形 状 の 対 称 性 か らy方 件 を 設 定 した.ま 部 で は,テ. diagram analysis. of stress-strain. curves. for. 当 ひ ず み 速 度,. 性 の 剛 性 マ トリ ッ ク ス. 3.6境. Schematic rigid-plastic. 向 に は動 か な い と い う 条. た,延 伸 工 程 に 入 る まで の フ ィル ム の端. ン ター の ク リ ッ プ に よ り固定 され て い る 状 態 に. TD延. の 変 形 状 態 を 図7に 示 す. 験 結 果 と考 察. 伸 前 の フ ィル ム に は そ れ ま で の 工 程 で 発 生 す る厚. み 分 布 が あ る.し. か し,今 ま で の 研 究 で は そ の 厚 み 分 布 を. 考 慮 して い な か っ た.そ. こ で 本 報 告 で は 解 析 モ デ ル に 図8. に示 す よ うな 厚 み 分 布 をつ け た.な お,図. 中 の フ ィル ム は. あ る た めx,y両 方 向 に動 か な い もの と し た.テ ン ター 出 口 で は拘 束 条 件 を与 え ず,x,y両 方 向 に 自 由 に動 く こ と. 1/2モ デ ル の もの で あ り,A点. が で き る よ う に した.. 分 が厚 く,そ して フ ィル ム の 中 央 部 分 で 薄 くな っ て い る.. 3.7延. 伸 条件. フ ィル ム 端 部 を示 す.図 図9に. 実 際 の テ ン ター 内 で の延 伸 を表 現 す る た め に フ ィル ムが. は フ ィ ル ム 中央 部,F点. は. の よ うに チ ャ ッ クで 把 持 され る部. 横 延 伸 前 の 実 験 で 得 ら れ た フ ィ ル ム の 厚 み 分 布 と,. 解 析 で フ ィ ル ム 初 期 厚 み と して 用 い た 値 を 示 す.有. 限要素. 進 行 方 向 に進 み な が ら延 伸 され る とい う 条件 を設 定 した.. 法 解 析 を行 うに 当 り,図9の. こ れ に よ りチ ャ ッ ク に よる フ ィル ム 横 延 伸 工 程 の 基 本 的 な. 初 期 厚 み 分 布 が 実 験 値 とほ ぼ 同 じ厚 み 分 布 を有 す る解 析 モ. ;eikei-Kakou. Vol. 17. No.9. 2005. よ うにTD延. 伸 前 の フ ィル ム. 639.
(5) Boundary analysis. Fig. 6. conditions. in. successive. stretching. Fig. 8. Fig. 7. Deformation. shape. Expression for FEA. of initial. thickness. distribution. as time change. デ ル を用 い て い る. 本 報 告 の 解 析 結 果 はSaint‑Venantの. 原 理 よ り右 端 の 影. 響 が ほ と ん どな い とお もわ れ る 最 終 幅 の3倍 の 地 点 にお け る 幅 方 向 の節 点 の 値 が 用 い られ て い る(図10参. 照).. フ ィ ル ム を 剛 塑 性 と仮 定 した 場 合 に お け る幅 方 向 の 中 央 部Aと. 端 部Fに. な おBeginningと. お け る延 伸 前 後 の厚 み 変 化 を図11に 、Endは,そ. と延 伸 終 了 点 を示 す.フ. Fig.. 9. 示 す.. Comparison calculation. between experiment before TD stretching. 10. of having. and. の 地 点 に お け る延 伸 開 始 点. ィ ル ム を弾 塑 性 体 と仮 定 した 時 も. ほ ぼ 同様 の 結 果 とな っ た.こ の 結 果 か ら分 か る とお り,中 央 部 とチ ャ ッ ク付 近 で は違 っ た 傾 向 を 示 して い る.中 央 部 とチ ャ ッ ク付 近 で 延 伸 が 交 互 に推 移 して い る の が わ か る. 実 際 の テ ン タ ー 内 で は フ ィル ム厚 み分 布 の 推 移 を知 る こ と はで きな い の で,非 常 に貴 重 な解 析 結 果 とい え る. 図11と 示 す.相. Fig.. 同 じ条 件 で相 当 塑 性 ひ ず み の解 析 結 果 を図12に. Points. extracted. data. 当塑 性 ひ ず み を見 る こ とで フ ィル ム の ど の 部 分 が. 延 伸 して い る か を 見 る こ とが で き る.大 フ ィル ム の 延 伸 は 中央 部,チ. ャ ッ ク部,中. きな流 れ と して. 比 較 と して は フ ィ ル ム の 端 部(F点)で. 央 部,チ. の の,ほ. ャ ック. 少 しの 差 が あ る も. と ん ど差 が な い 結 果 とな っ た.こ れ は弾 塑性 の近. 部 の 順 に推 移 し て い る の が わ か る.ご. く初 期 に お い て は. 似 に お い て弾 性 の 領 域 が 少 な か っ た こ と に よ る と思 わ れ る.. チ ャ ッ ク 部 分 が 延 伸 さ れ て い る が,本. 報告 の解 析 対 象 の. す な わ ち,高 分 子 フ ィ ル ム の 多 くは 本 研 究 で 用 い ら れ た PETフ ィ ル ム と同 様 に 弾 性 領 域 が 極 め て 狭 く,本 研 究 の. PETで. は剛性 が高 いた めす ぐに中央 部 に延伸 が 移 って い. る.延 伸 され て い る 部 分 の 剛 性 が 高 くな る と剛 性 が 低 い部. よ う な大 変 形 を伴 う延 伸 工 程 で の フ ィル ム厚 み解 析 に は,. 分 に延 伸 が 移 る こ と を繰 り返 して い る の が わ か っ た.図13. 解 の 収 束 性 等 に 問題 の あ る弾 塑 性 解 析 を用 い な くて も,比. に解 析 に お け る最 終 フ ィ ル ム厚 み と実 験 にお け る もの の比. 較 的 安 定 して 解 の得 られ やす い 剛 塑 性 解 析 で,充 分 な精 度 の 予 測 が 可 能 で あ る とい う こ と を示 唆 して い る.こ こ で,. 較 を行 っ た.な お,実 め,端. 験 デ ー タ は トリ ミ ン グ が 行 わ れ た た. の デ ー タ は な い.フ. ィル ム を弾 塑 性,剛. 塑 性 と仮 定. ト リ ミ ン グ さ れ な い 部 分 で あ る 図13のA〜Dの. した そ れ ぞ れ の場 合 にお い て も実 際 の フ ィ ル ム 厚 み ム ラ と. 目 して み る.こ. ほ ぼ 同様 の 傾 向 を して い る の が わ か る.弾 塑 性 と剛 塑 性 の. り,最 も重 要 な 部 分 で あ る.こ. s40. 部 分 に注. の 部 分 が 製 品 と して 巻 き取 られ る わ け で あ の 部 分 か らわ か る こ とは 厚. 成 形加 工. 第17巻. 第9号2005.
(6) Fig. 13 Fig. I l. Change. of thickness. in width. Comparison calculation. between experiment after TD stretching. and. direction に よ る と,延 伸 部 分 に お い て 中心 部 とチ ャ ッ ク部 に 交 互 に 延 伸 が 推 移 して い く様 子 が 分 か っ た. こ れ まで,フ. ィ ル ム を 剛 塑 性 体 と して フ ィル ム の厚 み 解. 析 を行 っ た 例 は な か っ た が,フ. ィル ム を剛 塑 性 体 と して も. 厚 み 解 析 を行 え る こ と が 明 らか とな っ た.即 ち,フ ィル ム の 厚 み解 析 の よ う な分 子 の 方 向性 が 重 要 で な い 解 析 に は, 剛 塑 性 体 と して扱 う こ とに よ り,延 伸 工 程 の よ う な大 変 形 を伴 い弾 塑 性 解 析 で は解 が 不 安 定 に な り収 束 し に く くな る 系 に対 して は,剛 塑 性 体 解 析 が 有 効 で あ る とい え る. 謝. 辞. こ の研 究 を進 め る に あ た り,フ ィル ムの 引 張 試 験 デ ー タ 提 供 に御 協 力 い た だ き ま した㈱ 東 レの 合 田亘 氏 に深 く感 謝 致 します.. 参. Fig. 12. Change direction. of equivalent. plastic. strain. in width. 1)野. 々 村 千 里,山. み 約50μmの 付 近 に お い て も傾 向,値 一 致 が み られ る こ とで あ る . 5.結. ともに非 常 に良 い. 言. 本 報 告 で は,実 験 に 使 用 した フ ィ ル ム のTD延. 伸前 の幅. 方 向 の 初 期 厚 み 分 布 を 考 慮 し,フ ィ ル ム を弾 塑 性 体 また は 剛 塑 性 体 と仮 定 し解 析 を行 つ て,以. 下 の 知 見 を 得 た.. 伸終 了後の幅方 向の フ ィルム厚 み分 布の解 析結 果. は 弾 塑 性 体 また は剛 塑 性 体 と仮 定 した い ず れ の場 合 に お い. 献 形 加 工,4(5),312. 々 村 千 里,山. が フ ィ ル ム厚 み 解 析 に 使 用 で き る こ と を確 認 した.. しか し,本 報 告 の 解 析 対 象 に お い て フ ィル ムが どの よ うな. 形 加 工,5(10),703(1993). 4) Yamada, T. and Nonomura, C and Matsuo, T. : J. Appl. Polym. Sci., 52 (10), 1393 (1994) 5) Yamada, T. and Nonomura, C and Matsuo, T. : Intern. Polym. Prosess., X(4), 334 (1995) 6) Yamada, T., Nasu, Y. and Iwasaki, T. : PPS-19, Melbourne, Paper Filed in CD-ROM, 1(2003.7) 7)那. 須 礼 学:学 位 論 文(修 士 論 文;金. 沢 大 学),155,168. (2003) 8)日. 本 塑 性 加 工 学 会 編:非. ラ ッ ク ボ ッ ク ス と呼 ば れ て い る テ ン ター 内 で. フ ィル ムが どの よ うな 厚 み 推 移 を して い る か は わ か らな い.. 田 敏 郎:成. 3) Yamada, T. and Nonomura, C. : J. Appl. Polym. Sci., 48(8), 1399(1993). て も,実 験 結 果 と非 常 に良 い 一 致 を示 し,こ れ らの 構 成 則 ま た,ブ. 文. (1992) 2)野. TD延. 考. 田 敏 郎,松 尾 達 樹:成. (1994),コ 9)三. 線 形 有 限 要 素 法‑改. 訂版. 好 俊 郎:有. ロ ナ社 限 要 素 法 入 門‑線 形 弾 性 解 析 か ら塑 性 加. 工 解 析 まで(1994),培. 風館. 厚 み 変 化 を して い る か を解 析 に よ っ て再 現 した.解 析 結 果. Seikei-Kakou. Vol.17. No.9. 2005. 641.
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