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2001年度京都女子大学入試問題解答チェック・内部用講評作成要領

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Academic year: 2021

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2013 年度 京都女子大学 入試問題 受験生向け講評 現代文 <全体:一般入試> 【出題傾向】 本文の分量は二千字~二千五百字程度で比較的短めである。ほとんどが評論であるが、随筆に近い評 論が出題されることもある。テーマの上では多様な文章が取り上げられているが、筆者・時代について は比較的近年のものからの出題されている。また、出題された文章は全て論理性の高いものではあるが、 難解、晦渋すぎる文章ということでは決してない。 個々の設問内容に関して。まず、漢字問題が必出で、しかも書き取りだけでなく読み取りを課す場合 もある。いずれの日程においても五題~十題出題されている。ついで、接続詞・副詞(接続語)を空欄 に補充する問題がいずれの日程でも出題された。抽象的な語句の空欄補充や、脱落した一文を補充する 問題を出題した日程もある。接続詞・副詞の機能や現代文の頻出語句の意味についての知識に加え、空 欄周辺の精密な読解力(文脈把握力)が要求されている。傍線部問題はほとんどが選択式問題であるが、 極端に紛らわしい選択肢の作りは少ない。しかし、内容合致問題などで全体の論旨・構成を問うといっ た問題もあり、単純な傍線部付近の読み取りだけでは対応しきれない問題もある。 なお解答欄に合わせる形での記述問題(二十~五十字程度)が後期日程以外では出題されている。傍 線部だけでなく、設問文をも精緻に読み取り「設問で要求されていることは何か」を十分に捉えて回答 しなければならない。今回は比喩的な表現になっている部分に傍線部が引かれ、それが何を意味するの かを答える(言い換える)問題がほとんどだった。本文中の根拠にもとづいて、設問で要求されている ポイントを客観的かつ正確に把握する読解力、そしてそれを解答欄に合わせて文章を組み立てる(編集 する)技術力が要求されている。 【学習対策】 上記の傾向分析から明らかなように、本文内容だけでなく設問形式という点でも多様であるというの が特徴の試験である。しかし、だからといって受験生に様々な学力を要求しているということを必ずし も意味してはいない。大学側が受験生に求める学力は、国語力の基盤たる「語彙力(知識)」と、それ を応用しての「読解力」の二点である。 まずは基礎の力、つまり語彙力の養成に努めたい。漢字問題の出題量が多いことからも、日々の勉強 時間の中で漢字の書き取り・読み取りの訓練を行って欲しい。そしてその際に大切なことは、手元に常 に辞書を用意しておくことである。漢字(言葉)の力は単に「書ける・読める」だけでは不十分である。 漢字問題を通して書けない、読めないものに出会ったのなら、意味も調べて必ずその言葉を自分のもの にする。こうした「知らないものを知る」という不断の取り組みが現代文の基礎たる語彙力を培うので ある。こうして培われる豊かな語彙力は、語句の空欄補充、脱落文補充問題などにももちろん効果を発 揮する。 「読解力」とは何か。「読解力」あるいは「論理」や「文脈把握力」、これらの根幹を成す力とは、畢 竟、指示語や接続語の理解という文法の力である。どのようなジャンルの文章であれ「現代文」であれ ば現代語文法に基づいて筋(論理)が成立しているということだ。過去問や、基礎から中級レベルの問 題集を用いて、はじめはじっくり時間をかけて指示語や接続語に気をつけながら丁寧に文脈を読み、客 観的読解に基づいて選択肢を一つ一つ吟味する訓練をしてみよう。客観的に読み、正答を選ぶことが出

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来るようになったら、だんだん時間を短くし、最終的には受験本番と同じ時間内に解けるようにすれば よい。 記述問題が苦手な人は多いと思うが恐れすぎることはない。本文と設問文の客観的な読解のもと、「何 が問われているのか」をまずは把握し、解答に必要な「材料(解答のポイント)」を集める。これは選 択式の他の問題となんら変わりはないからだ。 記述問題が他の問題と違った難しさを持つのは、本文中から得られた「材料」をもとに文章を「編集」 する力が別に必要だからである。この「編集」する力は「技術力」と言っても良い。語彙や文法など「知 識」にかかわる問題ならば、知らないものに出会い、それを調べて知れば基本的には解決する。しかし 「技術」にかかわる問題はそうたやすく解決はしない。頭では分かっていても上手く体を使いこなせな い、書けない。そんな経験をしたことがある人は多いだろう。 この対策についてはともかく自分の手で実際に書く。そしてポイントを中心に模範解答とじっくり見 比べるという練習を続けることである。何度も繰り返し練習していくことで、得られた解答の材料を使 いこなし、解答欄・制限字数に合うように文章を組み立てることが少しずつできるようになる。「技術」 は一朝一夕に得られるものではなく、不断の練習によって磨かれていくものである。 継続は力なり。受験生諸氏の努力に期待したい。

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2013 年度 京都女子大学 入試問題 受験生向け講評 現代文 【一般前期A1】 問三 接続詞・副詞の空欄補充問題。 1について。空欄の前では教育において効率や成果を重視することは無意味であると述べられてい た。そうであれば、空欄の後の、教育機関「質」や「成果」を見るということは可能であるという内 容は筆者の主張そのもではない、譲歩的なものであろう。したがって「たしかに」が正解。空欄の二 行後に逆接の接続詞「だが」が置かれていることもヒントになっていた。 2について。空欄を含むこの一文は、「 2 、~測定したいと思うなら…」というものだった。 つまり、仮定の文章である。したがって、「もし」が正解。空欄の前の「もし~なら(ば)」という副 詞の呼応関係に気づいて正解を導きたい。 3について。空欄を含む段落では、卓越した教育機関の「卓越性」や「質」は、「そこで学んだ若 者たちがそれからあとなしとげた仕事の質によって見るほかない」ものであることが述べられていた。 つまり、「あと」にならなければ「卓越性」や「質」について考えることはできないのである。「その とき 3 ~推論が成立する。」の「そのとき」が「あと」を指しているのだから、空欄には「はじ めて」が当てはまる。 4について。空欄の前では「経験的に比較的効果的な方法」あること、そして「その方法」は教師 ごとに違うことが述べられていた。空欄の後には、教師たちの「正しい合意形成」が起こりえないこ とが明示されている。すなわち、この空欄の前後は因果関係が成立する。したがって「だから」が正 解。 5について。空欄を含む一文の中にある「ブレークスルー」という言葉がヒントになる。3ページ 6~7行目でも「ブレークスルー」への言及がなされていたが、これは学びの「トリガー」つまり「働 きかけ」が前提となっている。そうであれば、「トリガー」の後に起こるものが「ブレークスルー」 である以上、空欄には「やがて」が当てはまることになる。 問六 脱落文補充の問題。このタイプの問題は本文の論理性(つながり)を意識できたかどうかに正解 へのカギがある。脱落した文章を元に戻すということは結局、本文の適切な部分に脱落文を「つなぐ (つなぎ直す)」作業なのである。指示語、接続語、同一(同類)語彙の連続性、つまり論理を構成 する要素(「つなぐ」働きをする言葉)に意識を払いながら問題に取り組みたい。 今回の脱落文で注目すべき箇所は「死の床において~はじめて」と「『~教育のおかげだ』という ことに不意に気づくことだってある」の部分であった。正解は(ウ)であるが、その直前を見てほし い。「教育をうけた直後にきわだった成果を示す人もいるし~」「その成果が現れたのが卒後五〇年し てからという人もいる」とある。つまり、「教育の成果」が現れる「時間」は人によって様々である という内容が連続して挙げられている文脈である。「教育の成果」と「時間」という語彙の連続性ニ 点に注目して正解に辿り着こう。 問八 傍線部の理由説明問題。傍線部中の「それ」に注目しながら文脈を追うこと。2ページ3行目で も述べられていた通り「教育機関の卓越性は科学的に(単位時間を切り出して)考量不能」であり、 結局、若者たちが学んだ「あと」の成果を見なければ、教育機関の卓越性・質について推論すらもで

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きないことが傍線部を含む段落に述べられている。したがって、そうした内容をまとめた選択肢ウが 正解。ポイントは「科学的な分析・判断ができないこと」と「若者たちの学んだ『あと』の成果を見 なければならないこと」の二点である。 【一般前期A2】 問三 語句の空欄補充問題。空欄前後の読解力と選択肢群の語句の知識が要求される問題。 Ⅰについて。空欄の前では「感性重視」による「知識」を軽視の傾向が「社会から文化に至るまで」 を「なし崩し」にしてしまったという意見を取り上げている。空欄の直前直後は「近年のわが国の諸 分野におよび Ⅰ の根本的な原因に、基礎教育の欠落がある~」とあり、「社会から文化」が「諸 分野」に、「知識」が「基礎教育」にそれぞれ対応している。したがって、「なし崩し」への対応とし て選択肢イの「退潮」を空欄に補う。 Ⅱについて。空欄の前で「芸術に感動できる者」が「優れた感性の持ち主」とみなされることが示 されている。これは本文で「感動」するために「感性をみがかなければならない」のは「疲れます」 という筆者からすれば批判すべき内容である。したがって選択肢ア「偏見」を空欄に補う。「偏見」 とは「客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断」の意味。 Ⅲについて。空欄の前で「見事な技」「歴史的文脈(知識)」を備えた作品にもかかわらず「~心を 動かされない」と述べている。空欄を含む一文の文頭「こういう作品」はこの部分を指しているのだ から、空欄には否定的な意味合いの語句が補充されるはず。したがって選択肢ア「無惨」を補う。選 択肢ウ「無念」は「くやしいこと」の意味なので文脈に合わない。 Ⅳについて。空欄の前後は、「ここで勘違いしてしまうと~別の Ⅳ に陥ってしまう」となって いる。先の空欄Ⅲで触れた内容を踏まえて「別の Ⅳ 」と述べているのだから、否定的な意味合い の語句を補充しよう。したがって選択肢オ「悪弊」が正解。「悪弊」とは「悪い習わし。悪習。」の意 味。空欄直後の「陥る(望ましくない状態になる)」もヒントになる。 問八 傍線部に関わる理由説明問題。傍線部の内容は「『感動』」=「諸悪の根源」というものだった。 「感動」には鍵括弧が付されているので、この文脈における「感動」の意味内容を把握しなければな らない。傍線部直前には「しばしば『感動』などとひとくくりにしてわかったつもりになってしまう」 とある。つまり、この安直な「感動」が筆者にとって「よくない」ものを生む源泉となるというのが 傍線部の内容。次に「諸悪」に注目する。もちろん「諸悪」なのだから、「よくない」ポイントは複 数あるはずだ。傍線部直後には「感性を磨いた者」のみが「感動」できるという安直な考え方を生み 出してしまうこと、また、感性を磨くために「知識や技術」を求めてしまうことが示されていた。い ずれも筆者が本文で否定的に取り扱う内容である。したがってこれらのポイントを反映させている選 択肢ウが正解。 問九 傍線部の内容を説明する記述問題。傍線部から「肝心の絵」が「イラスト風情」に変化した(成 り下がった)ことにまずは注意しよう。つまり本来、鑑賞の目的とすべき大切なものは「絵」である。 しかし、「解説を聞くこと」のほうが重視されてしまうことによって、「絵」は「イラスト風情」とい う肝心ではないものになってしまった。なお「解説」は「ガイド」であり、もともとは鑑賞の「助け (手段)となる知識」に過ぎないことが傍線部の前で示されている。

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したがって、本来は、 「絵」→肝要なもの、鑑賞の目的 「解説」→絵を鑑賞するための「ガイド」「助け」(=手段) であるにもかかわらず、その立場が逆転して、 「解説」→肝要なもの、鑑賞の目的 「絵(イラスト風情)」→解説のための「ガイド」「助け」(=手段) と変化してしまうことへの懸念を述べたのが傍線部である。以上、本来の「目的」と「手段」とが逆 転する内容を制限字数以内でまとめればよい。 【一般前期B】 一問五 脱落文補充の問題。今回の脱落文には指示語があるので、まずはこの指示内容を手がかりにす ること。また脱落文には「金銭~初めて可能になった」とあることから、これをキーワードに言葉の 連続性に気を払えば、この脱落文が(エ)の部分に補える内容ものであることは明らかである。脱落 文補充の問題にはフィーリングであたるのではなく、指示語、接続語、同一(同類)語句の連続性を 発見し、それらを根拠にしながら脱落文と補充箇所を「つなぐ」作業を行うこと。 問九 二重傍線部「壁を乗り越える」は比喩的な表現である。したがって「壁」と「乗り越える」が実 際上は何を意味しているのかをそれぞれ明らかにしよう。「壁」とは「前進・進展を阻むもの」とい う意味の比喩表現。したがって、この傍線部が付されている文の一文前にある「一葉」の「日々わだ かまっている『金銭』(金銭的な問題)」のことを「壁」は意味しているであろうし、また「乗り越え る」は井原西鶴の影響を受けて「初めて意図的に直視」できるようになったこと、そして『大つごも り』という作品を完成させたことを意味している。したがって、以上の「壁」、「乗り越える」の二点 について整理し、説明すればよい。 二問九 設問文には解答に辿り着くための条件が示されていたので必ずそれに従うこと。つまり「マル クスやカント」が文脈上どのような意味をもった言葉なのかを明らかにする必要がある。そのうえで 筆者の主張を傍線部から読み取ろう。 マルクスについては6ページおよび注3、カントについては注9に説明がある。また傍線部の文脈 を確認すると、傍線部の二行前に「欧米型~現在では~だが、私自身の思考は間違いなく『伝統』の 影響を受けている」とあり、傍線部自体は「マルクスやカントではない」だったわけだから マルクス・カント…欧米型の思考 筆者 …「伝統」(日本)に基づいた思考 というポイントが得られる。以上の対比的な二点について整理し、説明すればよい。 【一般後期】 問三 選択式の漢字問題。書き取り問題とは違った難しさがある。つまり、このタイプの問題は一つの 問題でありながら正確に解答を導くためには六つの熟語の知識が必要なのだから、通常の書き取り式 問題よりも豊富な語彙力が要求される問題である。また、該当傍線部がどういう意味の熟語なのかを

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文脈から判断した上で問題に取り組まなければ、同音異義語の取り違えが起こる場合があるので注意 すること。 aは「鎮痛」と書く。選択肢の漢字はそれぞれ「沈思」「賃貸」「珍説」「陳謝」「鎮護」。 bは「情動」と書く。選択肢の漢字はそれぞれ「常道」「情熱」「城下」「場外」「浄机」。 cは「抑制」と書く。選択肢の漢字はそれぞれ「欲望」「比翼」「抑揚」「浴場」「翌朝」。 dは「脅威」と書く。選択肢の漢字はそれぞれ「胸囲」「驚異」「強圧」「脅迫」「恭順」。 eは「誘発」と書く。選択肢の漢字はそれぞれ「有閑」「勇敢」「幽明」「優雅」「誘惑」。 問六 空欄に適切な語句をそれぞれ補う問題。今回の問題は同じ一文の中に空欄が二つあった。空欄A は「恐怖」に関係するもの、空欄Bは「不安」に関係するものであることをまずは区別しよう。 この一文前によると、空欄Aに関係する「恐怖」は「外からの脅威に対する反応」とあり、空欄B に関係する「不安」は「心の中の脅威に対する反応」とある。したがって、「恐怖」と「不安」には、 「外」からやってくるものと、「中」からやってくるものという対照的な関係性があることがわかる。 空欄Aについて。空欄を含む段落の次の段落によると、「恐怖を呼び起こすものは、視覚や聴覚など から入ってくる刺激によるイメージ、まさに心の中で像として立ち現れるものが大きいようだ」とあ る。したがって、選択肢④「視覚的に」が正解。「外」から心の「中」に漠然としたイメージとして 入ってくるものが「恐怖」である。 空欄Bについて。これは空欄Aに入るものとは対照的なものが正解となる。つまり漠然としたイメ ージではないものについて述べているものが空欄Bの正解。本文の最終段落にて「言葉よりも心に描 くイメージ~」とあり、「イメージ」の対になるものが「言葉」であると読み取れるので「言葉」関 連する選択肢①「言葉による物語として」が正解となる。なお空欄を含む一文の次の文で、「~心配 性に関わるは前頭前野」とあり、注2には「前頭前野は、言語理解・思考・創造性を担う~」ことが 示されていたことからも、不安(心配)は言語によって人間の中で生成されるものであることがわか る。 問十一 傍線部を含む文脈を確認し「動物と自閉症の人」の特徴をおさえよう。まず、この両者に共通 するのは「恐怖を抑制すること」に「不利」があること、そして31ページの引用箇所から「前頭葉 のブレーキシステム」が「弱い」ことを確認する。前頭葉の働きとは「恐怖」が発生したときに「言 葉」によって処理し、恐怖にブレーキをかけるというものだった。つまり、「動物と自閉症の人」は 前頭葉という「言葉」を司る働きが不十分なために、結果として恐怖を処理しにくいという不利を蒙 っているのである。こういった内容を的確に再構成した③が正解。

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2013 年度 京都女子大学 入試問題 受験生向け講評 古文 <全体:一般入試> 【出題傾向】 2013 年度では、『常山紀談』という近世文、『正徹物語』『無名抄』という歌論、『東関紀行』という日記から出 題され、受験生にとってはいずれも馴染みのない作品であった。これまで京都女子大学では、近世作品を一部 にまじえた構成で出題されており、本年度も近世作品である、『常山紀談』が出題されて例年の傾向が踏襲さ れていた。問題文にはリード文及び注を付すなど配慮をした上で、全般的にストーリー性のある文章が選ばれ ている。本文量は 600~1000 字程度で昨年度とほぼ同じ。 設問形式は、前期A・B方式及び後期の総設問数は、昨年度とほぼ同じで 7~10 問であり、前期では記述 式設問が必ず出題され,昨年度同様に記述式設問を重視する傾向が維持されている。 その設問内容は、主体判定、敬意の対象、現代語訳、傍線部の内容に関する説明、和歌解釈、さらに空欄 補充、内容合致などの多岐にわたって読解力を測定する設問を中心に、古語の意味、助動詞・助詞の用法を 問う文法的知識に関する設問、旧暦の読みなどの基本的な知識を問う設問を組み合わせて多彩に構成されて いる。特に和歌解釈などの和歌に関する説明は文学史での出題も含めて本年度も出題されたが、これまでの 傾向を踏まえると、引き続きその対策を丁寧に講じておきたい。またすべての日程で文学史が出題されたこと は昨年度の傾向がより踏襲され、特筆すべきことである。 総じて、本文と設問のバランスのとれた出題内容であり、非常にバラエティーに富んだ出題である。この傾向 を踏まえるならば、それぞれの試験時間は、解答するにあたって余裕のある時間とは言い難く、時間配分に大 いに注意を要するだろう。 【学習対策】 京都女子大学の古文は、本年度に出題された『常山紀談』 、『正徹物語』のような非有名出典からの出題 が見られることが特徴として指摘できる。したがって、付け焼き刃でない正確な読解力を身につけて受験するこ とを期待されており、またバラエティーに富んだ設問構成を見る限り、総合的な学力が要求されているともいえ る。ふだんの古文に対する学習姿勢がいかに真摯であるかが得点に大きく影響するであろう。 読解力の基盤として古語、文法の知識は不可欠である。古語の学習は形容詞などを中心に慣用表現も含 めて何度も反復して習得すること。特に文脈上、より適切な語意を要求する場合が見られるので、単純な暗記 で終わらせないように。また文法に関しては文法的説明を問う設問などが出題され、これらは失点しないように 注意しておきたい。文法に苦手意識のある人は薄手の問題集などを用意した上で、反復学習を試みて不安感 を払拭しよう。さらに、これらの学習と併行して詳しい解説の付いた問題集か参考書を用意し徹底的に反復して 取り組もう。この際に本文を音読することもまた速読力養成のためには効果的である。くれぐれも記述式設問 が必出であるので、常に着眼点及び解答作成の手順を意識して、実際に書いてみよう。 最後に和歌は頻出事項であり、また文学史の出題も見受けられる。古典常識を深めるためにも国語便覧など を利用して充実させておこう。

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2013 年度 京都女子大学 入試問題 受験生向け講評 古文 【一般前期A1】 「常山紀談」 問三 甲「男なりせば」の「なり」は名詞「男」に接続することから断定の助動詞「なり」の連用形ないしは終止形。 これより、サ変動詞「す」や助動詞「す」は排除される。過去の助動詞「き」の未然形に「せ」があったことを確 認しておくこと。 乙「ざれ」は打消の助動詞「ず」の已然形。 問五 A副詞「などか」は「どうして」と訳出する。この波線部を含む発言は、敵討ちを望む「りや」の説明を聞い た「源介」の発言である。直後に「源介」は、「りや」に剣術を「教え試むる」ことをしているので、反語で訳出す るよい。 C「討ちなむ」の「なむ」は、「討ち」が四段動詞「討つ」の連用形であることから、「な」は完了(強意) の助動詞「ぬ」の未然形、「む」は助動詞「む」の終止形と判断する。この「りや」の発言は、直前に描写されて いるように、「小泉文内」に親の敵の証しである疵を確認したことによって生じたものである。したがって、 「む」は意志の意で訳出すればよい。 問六 設問文に「りやがこのように語った」とあることから、「りや」の行動の理由を問うていると考える。波線部 の直前で、文内の話を聞いて「いかさまにも似たることもあるよ」、「確かに聞き届けむものを」と「りや」が考え ている点に着目すればよい。 【一般前期A2】 「無名抄」 問二 「つかまうまつり」は四段動詞「つかうまつる」の連用形で謙譲の本動詞。「お仕えする」、「為(す)・行ふ」 の謙譲表現として「(~)し申し上げる」の意がある。この傍線部の直前に「鹿の音を~」という和歌があること から、ここでは「和歌を詠み申し上げて」と解すればよい。 問四 ①「給ふる」は下二段動詞「給ふ」の連体形で「~おります」と訳出する謙譲の補助動詞。この「思ひ給ふ る」の主語は「静縁法師」である。謙譲表現であることから、動作の客体に対する敬意とわかり、静縁に対す る敬意ではないと判断される。またこの場面ではまだ大夫公は登場していない。よって、作者である「予」に 対する敬意となる。②「侍り」はラ変動詞「侍り」の連用形で「~です、~ます」と訳出する丁寧の補助動詞。会 話文中の丁寧語であることから、聞き手に対する敬意となる。この発言は、静縁が作者に謝罪を述べる内容 であることから、作者である「予」に対する敬意と判断される。③「給ひ」は四段動詞「給ふ」の連用形で「~な さる」と訳出する尊敬の補助動詞。尊敬語は主語に対して敬意を払うはたらきであることから、静縁を「難じ」 た人物を考えればよい 問六 「心す」はサ変動詞「心す」の終止形で「気をつける、用心する」の意。この傍線部は、作者の指摘を聞い た静縁法師の不満そうな態度に対する発言の一部であり、また傍線部の直後には「悔しく」という心情を伴っ ている。作者は自らの不用意な指摘に反省しているといえよう。よって、「べかり」は当然(適当)などで訳出 すればよい。

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【一般前期B】 「正徹物語」 問四 陳述の副詞「さらに」は形容詞「なし」の連体形である「なき」(打消表現)と呼応して、「まったく、少しも、 決して」と訳出する。また「なり」は断定の助動詞「なり」の終止形で「~である」と訳出すればよい。 問五 傍線部を含む「禅温が若盛りの時などにてこそ、さやうの事は承りしか」は、「禅温(=私)が若い盛りで あった時などで、そのようなことをお聞き申し上げた」と現代語訳される。これは、第二段落冒頭に「恩徳院の 律僧のありしが、~ 行き侍りしかば」に対して発した発言と確認され、作者が律僧に連れられて歌の勉強の ために禅温を訪問したことを内容とする。この禅温の発言では、「今の時分」と「若盛りの時」とが対比的に提 示されており、「児の歌あそばさるること」が傍線部の内容と推測される。 問七 この和歌は、「深夜閑月」を歌題として詠んだ、三句切れの歌である。下の句に「独りながむる 秋の夜 の月」とあることから、月の出ている夜を詠んだことは明白となる。これより、月夜とは無関係であるア・イ・ウ はいずれも不適切と判断される。また「 A なれや」は「秋の夜の月」に対して抱いた感慨であるから、「月の 光」を意味する「(月)かげ」を思い出せばよいだろう。 問八 直前にある「やらむ」は「にやあらむ」が短縮した形で、「~であろうか」と訳出する。また本文中に引用さ れている「山の端に 一列見ゆる 初雁の声」は第三句目が字余りになっている。「雁の歌は、~ ありしやら む」という疑問表現は、直後の「上を忘れ侍り」に対して発せられたものであることから、すでに作者が上の句 を失念していることが確認される。 【一般後期】 「東関紀行」 問四 Aの和歌では、係助詞「や」と「帰らまし」の「まし」とが係り結びを形成しており、三句切れとなっている。 「おかずは」の「ずは」は「~ないならば」と訳出する仮定条件であることから、これをうけて助動詞「まし」は 「~ただろうに」と訳出する反実仮想の意味と判定すればよい。またこの和歌は、大江匡衡の故事に対して 詠まれたものであることから、和歌の中の「人」は「大江匡衡」のこととなる。 問六 選択肢はすべて形容詞を活用させたもの。空欄部直前に係助詞「ぞ」があることから、その結びとして連 体形となっているものを正解と判断すればよい。 問七 「海の面はるかにあらはれたり。~ 山路につづきたるやうに見ゆ」と、直前に描写された情景を踏まえ て考える。これは、山道の延長線上に海原が広がっている情景である。「明けゆく」の「ゆく」と「ゆく先」の「ゆ く」が掛詞として用いられ、「ゆく先」は海である。 問九 Bの和歌は、在原業平の故事を思い起こしつつ、眼前に広がる稲を見て詠んだものである。この和歌で は、在原業平が詠んだかきつばたの歌を聞いて流した古人の涙を、稲の上に置いた露に見立てて詠んでい る。また係助詞「や」の訳出にも注意しておきたい。

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