第 二 章
全文
(2) 第 二 章. 2.1 緒言 貧溶媒添加法には,常温・恒温で操作が可能である,短時間で高純度の結晶を高収 率で得られるといった利点がある.また貧溶媒を回収・再利用することにより,循環 型の連続晶析プロセスを構築することができる.しかし,溶媒添加時に生成する局所 的な高過飽和により,得られる結晶は様々な形状を有し,凝集晶となることが多い 1, 2, 3) .その結果,所望の性状を有する均一な結晶を生産することは困難であり,結晶品 質の低下が問題となっている.また,貧溶媒添加法による晶析現象には未知な部分が 多く,操作設計のための過飽和概念についても十分な議論はなされていない. 貧溶媒添加法により所望の品質を有する製品結晶を得るために,凝集のない単分散 結晶が得られるような操作設計が必要である.Zijlema らは,希釈した溶液からの晶 析操作あるいは,希釈した貧溶媒を添加することにより過飽和を緩和する手法につい て検討し,結晶形状の制御,結晶核の単分散性の向上が認められたと報告している 4). しかし,溶液や貧溶媒を希釈する手法は,操作の複雑化や生産性を考慮すると晶析プ ロセスとしての優位性に問題がある.筆者は,過去の研究から,貧溶媒添加法ではバ ルクの過飽和だけでなく,特に局所部分における過飽和を緩和することが単分散結晶 を得るための重要な操作であると考えた. 本研究では,新規操作法として,予め貧溶媒を含む塩の溶液からの晶析操作を行い, 発生核の性状について調査した.実験は,モデルとして水−塩化ナトリウム系を対象 とし,貧溶媒としてエタノールを用いる回分晶析を行い,操作条件と製品結晶の関連 について検討を行った.また,本操作法における過飽和概念を装置内現象を考慮して 予測した.得られた予測より,晶析操作の過飽和度を定義し,晶析データとの関連に ついて検討を行った.これより,晶析プロセスとしての貧溶媒添加法の適応可能性が 示唆されると考えられ,装置・操作設計のための工学的理論の提出が可能となると考 えられる.. 19.
(3) 第 二 章. 2.2 塩化ナトリウムの溶解度測定 2.2.1 溶解度測定の目的 晶析操作を決定する重要なパラメータとして,溶解度曲線が挙げられる.貧溶媒添 加法における溶解度曲線は,溶媒分率に対する溶質の溶解度を測定することにより得 られる. この目的から,水−エタノール系における塩化ナトリウムの溶解度を沈殿滴定を用 いて測定した.また,併せて飽和溶液の密度測定も行った. 2.2.2 沈殿滴定法 5) 塩化ナトリウムの溶解度は,クロム酸カリウム(K2 CrO 4 )を指示薬とした硝酸銀 (AgNO3 )溶液を用いて沈殿滴定法により測定することで算出することができる. 本法は,塩化銀(AgCl)の溶解度より,クロム酸銀(Ag2 CrO 4 )の溶解度が少し大 きいことを利用して,クロム酸イオンを適量共存させた検液に,銀イオンの標準溶液 を添加する方法であり,検液中の Cl イオンがすべて塩化銀になった後,赤褐色のク ロム酸銀が生成しはじめるので,この点を終点とする方法である.はじめの塩化ナト リウム溶液の被滴定量を a ml,濃度 CAgNO3 硝酸銀溶液の滴定量を b ml とすると,塩 化ナトリウム濃度 CNaCl は次式によって算出される Eq.2-1. C NaCl = C AgNO3 ×. b a. Eq.2-1. 2.2.3 溶解度測定のための実験装置および操作 サンプル瓶には,内容積 70 ml の平底円筒形ガラス製のネジ口瓶 Fig.2-1 を用いた. ネジ口瓶中に,所定のエタノール体積分率(混合前の溶媒体積分率)に調製した水− エタノール混合溶媒 50 ml を入れ,298 K に保たれた恒温槽内に設置してマグネティ クスターラーにて撹拌を与えた.これに,塩化ナトリウム結晶を過剰量懸濁させ,24 h 以上撹拌したものを飽和溶液とした. 作成した塩化ナトリウム飽和溶液を孔径 0.2 µm のセルロースアセテート製のメン ブランフィルター(アドバンテック東洋)でろ過し,所定量をメスフラスコに入れ, 100 ml に定容し,希釈した.希釈率は,滴定操作の精度を考慮し,溶液の濃度により 変えた.希釈率は,滴定操作の精度を考慮し,溶液の濃度により変えた.200 ml の三 角フラスコに希釈溶液を所定量分取し,これに,指示薬としてクロム酸カリウム (K2 CrO 4 )を数滴加えた.この溶液に対し,0.1 mol/L 硝酸銀標準溶液(f = 0.998)に て滴定した. また,飽和溶液の密度を密度比重計(京都電子工業製,DA – 300)を用いて測定し た. 各々の測定条件を Table 2-1 に示す.また,溶液の希釈条件を Table 2-2 に示す. なお滴定及び密度の測定は,各々のサンプルに対して三回ずつ測定し,それらの平均. 20.
(4) 第 二 章. 値を測定値として解析を行った. 実験に使用した試薬は,塩化ナトリウム結晶(国産化学,特級,99.5%),エタノー ル(関東化学,特級,99.5%),硝酸銀標準溶液(関東化学,特級,99.5%) ,超純水(電 気伝導度 ≤ 4 mS/cm)である.. Table 2-1 Composition of solutions saturated sodium chloride solution in mixed water-ethanol solvent ethanol volumetric fraction in the solution [-]. 0.00, 0.10, 0.20, 0.30, 0.40, 0.50, 0.60, 0.70, 0.80, 0.90, 1.00. Table 2-2 Diluting conditions ethanol volumetric fraction diluting ethanol volumetric fraction in the solution [-] ratio [-] in the solution [L/L]. diluting ratio [-]. 0.00. 50. 0.60. 20. 0.10. 50. 0.70. 10. 0.20. 50. 0.80. 10. 0.30. 20. 0.90. 10. 0.40. 20. 1.00. 1. 0.50. 20. 20 mm. 76 mm 62 mm. 40 mm. 30 mm Fig.2-1 Schematic diagram of experimental apparatus. 21.
(5) 第 二 章. 2.2.4 溶解度測定の結果 298 K における塩化ナトリウム飽和溶液の沈殿滴定の結果を Table 2-3 に示す. Table 2-3 Solubility of sodium chloride in mixed water-ethanol solvent ethanol volumetric fraction in the solution [-]. a [ml]. b [ml]. solubility [mol/L]. 0.00. 5.00. 5.44. 5.43. 0.10. 5.00. 4.65. 4.64. 0.20. 10.00. 7.62. 3.80. 0.30. 5.00. 7.80. 3.11. 0.40. 5.00. 6.19. 2.47. 0.50. 5.00. 4.61. 1.84. 0.60. 10.00. 6.25. 1.25. 0.70. 10.00. 7.40. 0.74. 0.80. 10.00. 3.20. 0.32. 0.90. 20.00. 1.61. 0.08. 1.00. 5.00. 0.50. 0.01. 塩化ナトリウムの溶解度は,溶媒のエタノール体積分率の増大に伴い,減少した. 得られた塩化ナトリウムの溶解度曲線を Fig.2-2 に示す.溶解度曲線より得られた溶 解度と溶媒のエタノール体積分率の関係について実験式を得た Eq.2-2. C NaCl = 3.59 X 2 − 9.21 X + 5.50. Eq.2-2. 得られた実験式の相関係数は0.999と良好な近似であった.また,溶解度測定結果と 文献6)を比較した結果,ほぼ同様の値であることが明らかとなり,得られたデータの 妥当性が示された.. 22.
(6) 第 二 章. 298 Kにおける塩化ナトリウム飽和溶液の密度測定結果を Table 2-4 に示す.. Table 2-4 Density of saturated sodium chloride solution ethanol volumetric fraction density [g/cm3 ] in the solution [L/L] 0.00. 1.197. 0.10. 1.159. 0.20. 1.124. 0.30. 1.080. 0.40. 1.045. 0.50. 0.998. 0.60. 0.954. 0.70. 0.901. 0.80. 0.871. 0.90. 0.828. 1.00. 0.794. 塩化ナトリウム飽和溶液の密度は,溶媒のエタノール体積分率の増大に伴い,減少 した.得 られた エタノール体 積分率に 対する 塩化ナトリウム飽和溶液の 密度を Fig.2-3 に示す.得られた飽和溶液密度と溶媒のエタノール体積分率の関係について 実験式を得た Eq.2-3. ρ NaCl so ln . = − 0.413 X + 1.20. Eq.2-3. 得られた近似式の相関係数は0.999と良好な近似であった.また,溶解度測定結果と 文献1)を比較した結果,ほぼ同様の値であることが明らかとなり,得られたデータの 妥当性が示された.. 23.
(7) 第 二 章. Solubility of sodium chloride [mol/L]. 6 5 4 3 2 1 0 0.0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1.0. Ethanol volumetric fraction [-]. Density of saturated NaCl solution [g/cm 3]. Fig.2-2 Solubility of sodium chloride in mixed water-ethanol solvent. 1.4. 1.2. 1.0. 0.8. 0.6 0.0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1.0. Ethanol volumetric fraction [-] Fig.2-3 Density of saturated sodium chloride solution in mixed water-ethanol solvent. 24.
(8) 第 二 章. 2.3 溶解度曲線からの晶析量の導出 ここでは,溶解度曲線に基づく理論晶析量の算出式を導出する. ある貧溶媒体積分率 X に対する塩化ナトリウムの溶解度 C,飽和溶液密度ρは,X の関数として実験的に得られた式を用いる Eq.2-4,Eq.2-5. C = C (X ). Eq.2-4. ρ = ρ( X ). Eq.2-5. 本研究において,貧溶媒体積分率は混合前の溶媒体積分率と定めているので,次の ような定義で表せる Eq.2-6.. X=. w EtOH ρ EtOH = w H 2 O w EtOH + ρ H 2O ρ EtOH. VEtOH V H 2O + V EtOH. Eq.2-6. ここで,VH2 O,VEtOH は水,エタノールの体積を,wH2O,wEtOH は水,エタノールの 重量を,ρH2 O,ρEtOH は水,エタノールの密度を表す. wH2O,wsolv. は Eq.2-4,Eq.2-5 を用いて次のように表せる Eq.2-7,Eq.2-8. w H 2O = w solv. − w EtOH. Eq.2-7. wsolv . = w − w solute = ( ρ ( X ) − M C ( X ) ) V. Eq.2-8. ここで,wsolv. は溶媒の重量を,w は溶液の重量を,wsolute は溶質の重量を,V は溶液 の体積を,M は溶質の分子量を表す. Eq.2-7 に Eq.2-8 を代入すると,次式が得られる Eq.2-9. w H 2O = ( ρ ( X ) − M C ( X ) ) V − w EtOH. Eq.2-9. また,Eq.2-9 に Eq.2-6 を代入して,これを wEtOH について解くと,次式にように なる Eq.2-10.. w EtOH =. ρ EtOH X (ρ ( X ) − M C( X ) ) V. (. ). Eq.2-10. ρ H 2 O − ρ H 2O − ρ EtOH X. 25.
(9) 第 二 章. ある貧溶媒体積分率をもつ塩化ナトリウムの飽和溶液に純粋なエタノールを添加 した場合,エタノール添加後の貧溶媒体積分率 X* は,定義より以下の式で表される Eq.2-11. w EtOH + w EtOH [ feed ] ρ EtOH X* = w H 2 O w EtOH + w EtOH [ feed ] + ρ H 2O ρ EtOH. Eq.2-11. ここで,添字 * は貧溶媒添加後の溶液を, feed は供給液を表している. 貧溶媒添加による結晶の晶析量 W は,貧溶媒添加前の溶液(原料液)の溶質の溶 解量から貧溶媒添加後の溶質の溶解量を差し引くことにより得られる Eq.2-12.. (. W = w solute − w * solute = M C( X ) V − C ( X * ) V *. ). Eq.2-12. 貧溶媒添加後の溶液体積 V* は,貧溶媒添加後の溶液密度ρ(X*)を用いて次式で表せ る Eq.2-13. V* =. w + w[ feed ] − W w* = ρ (X * ) ρ (X * ). Eq.2-13. w と wfeed は次式で表される Eq.2-14,Eq.2-15. w = ρ( X ) V. Eq.2-14. w feed = ρ EtOH V[ feed ]. Eq.2-15. Eq.2-14,Eq.2-15 を Eq.2-13 に代入したものを,Eq.2-12 に代入すると,次式が得 られる Eq.2-16.. ρ ( X ) V + ρ EtOH V[ feed ] − W W = M C ( X ) V − C (X * ) ρ (X * ) . . Eq.2-16. Eq.2-16 を W について解くと,最終的な W の導出式が得られる Eq.2-17.. W =. (. ρ (X * ) C ( X ) V − C ( X * ) ρ ( X ) V + ρ EtOH V[ feed ] 1 ρ * − C( X * ) M (X ). 26. ). Eq.2-17.
(10) 第 二 章. 2.4 実験装置および操作 所定貧溶媒分率(混合前の溶媒体積分率)に調製した水−エタノール混合溶媒に塩 化ナトリウム結晶を過剰量懸濁させ,24 h 以上撹拌して飽和溶液としたものを,孔径 0.2 µm のセルロースアセテート製のメンブランフィルター(アドバンテック東洋製) でろ過した溶液を原料液とした. 晶析槽には内容積 200 ml の丸底円筒形ガラス製の撹拌槽 Fig.2-4 を,撹拌翼 Fig.2-5 には 45 °傾斜付き(down pumping)4 枚羽ガラス製のものを用いた. 晶析槽内に,所定のエタノール体積分率に調製した水–エタノール–塩化ナトリウム 飽和溶液 100 ml を入れ,298 K に設定された恒温槽内に設置した.晶析槽は溶媒の蒸 発による溶液濃度変化を防ぐために,晶析槽とアクリル製の蓋の接触面にゴムを巻き 付けることにより密閉化を図った.実験に用いた回分型晶析装置を Fig.2-6 に示す. 撹拌翼にて 250 rpm の撹拌を与えながら,マイクロピペット(柴田科学製 デジフ ィット AU)を用いて所定量の純粋なエタノールを撹拌翼近傍に瞬時に添加し,操作 開始とした.操作時間は,予備実験の結果より結晶の晶析挙動を観察するには十分な 時間であると考えられる供給液添加後 15 min とした. 操作開始より核発生が起こるまでの時間を待ち時間として測定した.核発生は目視 により確認した. 所定時間操作後,懸濁液の一部をマイクロピペットを用いてサンプリングし,結晶 を光学顕微鏡(オリンパス光学工業 BH-2)にて写真撮影し,結晶粒径分布特性を得 た.また,サンプリングした懸濁液を含め,懸濁液を孔径 0.2 µm のセルロースアセ テート製のメンブランフィルターを用いて全量ろ過し,結晶表面に付着している母液 を取り除くことを目的としてエタノールを用いて結晶表面を洗浄し,323 K に保たれ た乾燥器中に 24 h 以上静置して,乾燥結晶を得た.装置内結晶個数は,光学顕微鏡写 真によって求められた結晶平均径と乾燥結晶重量より算出した Eq.2-18,Eq.2-19.各 操作条件にて得られた結晶は,性状評価を行い,結晶径の CV値(Coefficient of Variation) を算出し,CV ≤ 0.2 は単分散結晶とした.. ∫ n(l ) l dl = ∫ n(l ) dl. Eq.2-18. W kc ⋅ ρ c ⋅ Lave 3. Eq.2-19. ∞. Lave. 0. ∞. 0. N=. 本系における塩化ナトリウムの溶解度はエタノールの供給量の増加に伴い減少す ることから,エタノールの供給量の増加は,実験における初期過飽和度と対応してい. 27.
(11) 第 二 章. る Fig.2-2 .本操作条件を Table 2-5 に示す.本実験における操作因子は原料液のエ タノール体積分率及びエタノールの供給量である. 光学顕微鏡にて写真撮影された結晶は,得られた結晶を立方晶と仮定し,代表され る一辺について粒径を電子ノギス(ミツトヨ製 CD-15C,DP-5)にて,300 個以上測 定し,粒径分布特性を得た.乾燥器にて保存した結晶については,電子秤(研精工業 製 FX-40)にて結晶重量の測定を行った. 実験に使用した試薬は,塩化ナトリウム結晶(国産化学,特級,99.5%),エタノー ル(関東化学,特級,99.5%),超純水(電気伝導度 ≤ 4 mS/cm)である.. 28.
(12) 第 二 章. 15 mm. 30 mm. 130 mm 100 mm. 60 mm. 40 mm Fig.2-4 Geometrical parameters of crystallizer. 3 mm 20 mm. 45 °. 40 mm Fig.2-5 Geometrical parameters of 4-pitched impeller. 29.
(13) 第 二 章. 1. 3. 6 2. 4. 7. 8. 5. 1. Micro pipette 2. Thermostat bath 3. Impeller 4. Crystallizer. 5. Draft tube 6. Cooler 7. Heater 8. Thermal controller. Fig.2-6 Schematic diagram of experimental apparatus. Table 2-5 Operational conditions saturated sodium chloride solution starting solution in mixed water-ethanol solvent ethanol volumetric fraction in the starting solution, X [-]. 0.40, 0.45, 0.50, 0.55, 0.60, 0.65, 0.70, 0.75. feed solution. ethanol. volume of fed ethanol, V [ml]. 2.0, 4.0, 6.0, 8.0, 10.0. operating temperature [K]. 298. agitation speed [rpm]. 250. operation time [min]. 15. 30.
(14) 第 二 章. 2.5 実験結果および考察 2.5.1 結晶の性状および至適操作条件 所定の操作条件毎に得られた結晶を光学顕微鏡により観察を行い,製品結晶の性状 を凝集の程度,単分散性について評価した.その結果,一部の操作条件において,凝 集のない単分散性結晶が得られることが明らかとなった.得られた結晶の代表的な光 学顕微鏡写真を Fig.2-7 に示す.本結果より,予め貧溶媒を含む塩の水溶液からの晶 析操作を行うことにより,凝集のない単分散結晶を得ることが可能であることが見出 された. 本操作範囲において,凝集のない単分散結晶を得られる操作条件を至適操作条件と して決定した.その結果を Fig.2-8 に示す.これより,原料液のエタノール体積分率 が 0.5 ~ 0.7 の範囲において単分散結晶が得られる至適操作条件が存在することが明ら かとなった.原料液のエタノール体積分率が 0.40,0.45 の範囲おいては凝集晶が得ら れた.これは,溶媒添加により生成した過飽和が高いことにより凝集したものと推察 された.一方,原料液のエタノール体積分率が 0.75 の範囲においては核発生が不十分 であったり,認められなかったりした.これは,溶媒添加により生成した過飽和が低 すぎることにより十分な核発生が起こらなかったものと推察された. 2.5.2 装置内結晶個数と操作条件の関係 装置内結晶個数と操作条件の関係を Fig.2-9 に示す.装置内結晶個数は,原料液の エタノール体積分率の増大に伴い,減少した.これは,エタノール供給に伴い生成す る過飽和の減少が装置内結晶個数の低下に寄与したものと推察された. また原料液のエタノール体積分率が同じ条件においては,装置内結晶個数はエタノ ールの供給量に関わらず,ほぼ一定であった.これより装置内結晶個数は,エタノー ルの供給量よりも原料液のエタノール体積分率の影響をより強く受けることが示唆 された. 2.5.3 結晶平均径と操作条件の関係 結晶平均径と操作条件の関係を Fig.2-10 に示す.結晶平均径は,原料液のエタノ ール体積分率が 0.50 の場合を除いて,エタノールの供給量の増大に伴い,増大した. これは,エタノールの供給に伴い生成する過飽和の増大に従って,結晶平均径が増大 したものと推察された.一方,原料液のエタノール体積分率が 0.50 の場合は,エタノ ールの供給によらず,結晶平均径はほぼ一定であった.これは,単分散結晶が得られ る至適操作条件の中では,エタノール供給に伴い生成する過飽和が最も大きく,その ため,一次核発生が支配的に起こり,ほとんど結晶成長に過飽和が消費されないこと によるものと考えられた. また同エタノール供給量下においては,原料液のエタノール体積分率の増大に伴い, 結晶平均径は減少する傾向を示した.これは,原料液のエタノール体積分率の増大に. 31.
(15) 第 二 章. 伴い,生成する過飽和は同エタノール供給量下において減少することから,生成過飽 和の減少が結晶平均径の減少に寄与したものと推察された. 2.5.4 待ち時間と操作条件の関係 発核までの待ち時間と操作条件の関係を Fig.2-11 に示す.待ち時間は,原料液の エタノール体積分率の増大に伴い,増大する傾向を示した.これは,エタノール供給 に伴い生成する過飽和の減少が待ち時間の増大に寄与したものと推察された. また原料液のエタノール体積分率が同じ条件においては,待ち時間はエタノールの 供給量の増大に伴い,減少した.これは,エタノール供給に伴い生成する過飽和の増 加が待ち時間の減少に寄与したものと推察された.. 100µm. Fig.2-7 Photograph of typical obtained sodium chloride crystals (Ethanol volumetric fraction in the starting solution = 0.60, Volume of fed ethanol = 10 ml). 32.
(16) 第 二 章. monodispersed agglomerated insufficient. Volume of fed ethanol [ml]. 12 10 8 6 4 2 0 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. Ethanol volumetric fraction [-] Fig.2-8 Operational conditions for obtaining monodispersed sodium chloride crystals. Number of prdouced crystals [#]. 10. 7. 10 6. 10. 5. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 10 4. 10. 3. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. Volume of fed ethanol [ml] Fig.2-9 Relationship between number of produced crystals and operational conditions. 33.
(17) 第 二 章. Average crystal size [µm]. 250 X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 200. 150. 100. 50. 0. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. Volume of fed ethanol [ml] Fig.2-10 Relationship between average crystal size and operational conditions. 100. Induction period [s]. 80. 60. 40 X=0.50 X=0.55 X=0.65 X=0.60 X=0.70. 20. 0. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. Volume of fed ethanol [ml] Fig.2-11 Relationship between induction period and operational conditions. 34.
(18) 第 二 章. 2.6 装置内現象に基づく過飽和概念 2.6.1 既往にみる貧溶媒添加法の過飽和概念 Matsuoka ら,Zijlema らは,エタノールを貧溶媒として使用した塩化ナトリウムの 貧溶媒添加晶析実験を行い,その過飽和概念について検討を行っている 2, 4).その概 念より定義された過飽和度の算出式を Eq.2-20 に示す. C* − Cs σ0 = Cs. Eq.2-20. 定義された初期過飽和度σ0 は,溶液 A と溶液 B を混合して得られた見かけの溶液 濃度(C* )と最終的な平衡濃度(Cs)を用いて表されている. 2.6.2 装置内現象に基づく過飽和概念の予測 単分散結晶が得られる至適操作条件で操作を行った場合,エタノールの添加直後, 供給部近傍が白濁し,装置内に広がるにつれ一度白濁が消失した.その後,時間の経 過と共に徐々に結晶が目視で確認されるようになり,その粒径を増加させていくよう に見受けられた.これは,エタノールの添加と同時に供給部近傍の局所部分において 核発生が起こったと考えられた.それが装置全体に広がるにつれ,一度は結晶核が目 視できなくなったが,結晶が成長することで,時間経過と共に目視が可能になったと 推察された.これより,本操作法による晶析現象は,供給液の添加直後,供給部近傍 における局所的な核発生段階と,装置全体におけるバルクの結晶成長段階に分けられ ると考えられた. この装置内現象に基づき,本操作法における核発生現象と結晶成長現象は別々の過 飽和に依存することが推察された.それぞれに対応する過飽和は,核発生現象は「原 料液と供給液の界面における局所的な混合時に存在する局所的な過飽和」であり,結 晶成長現象は「原料液と供給液の十分な混合後に存在するバルクの過飽和」であると 予測された.予測された過飽和の概念図を Fig.2-12 に示す.図中の C は原料液の塩 化ナトリウム濃度を,Csn は供給エタノールの塩化ナトリウム濃度を表す.また,C* は供給エタノールの十分な混合後の混合溶液の見かけ濃度を,Cs はそのエタノール 体積分率における塩化ナトリウムの平衡濃度を表す. この過飽和モデルに対応する過飽和度を定義し,晶析データとの関連について検討 することにより,本過飽和モデルの妥当性および装置・操作設計のための工学的理論 の提出が可能になると考えられる. 2.6.3 本操作法における過飽和度の算出 予測した過飽和概念に基づき,核発生段階の過飽和度を相対初期過飽和度 (relative initial supersaturation) σ n ,結晶成長段階 の過 飽 和 度 を操 作 過 飽 和 度 (operational supersaturation) σg と定義した.その算出式を Eq.2-21,Eq.2-22 に示す.本来,核発. 35.
(19) 第 二 章. 生段階の過飽和度はσ=C/Csn (原料液の塩化ナトリウム濃度(C)と供給液の塩化ナ トリウム溶解度(Csn)との比)で表されるが,本系においては,Csn がほぼ 0 である ことから,この値を算出することは困難であった.そこで,貧溶媒添加操作において 付与できる最大の過飽和(原料液のエタノール体積分率 0 の溶液からの晶析操作)σ =C0 /Csn との相対値を用いて表現した.ここで,C0 は塩化ナトリウム飽和水溶液(エ タノール体積分率 = 0)濃度を表す.一方,操作過飽和度σ g は,混合液の塩化ナト リウム濃度(C* )と混合液の塩化ナトリウム溶解度(Cs)との比で表した.. σn =. C / Csn C = C 0 / Csn C 0. Eq.2-21. σg =. C* Cs. Eq.2-22. 定義したσn およびσg がどのような値をもつか算出した結果を Table 2-6 に示す. なお,これらの値の算出には,予め測定した水−エタノール系における塩化ナトリウ ムの溶解度および飽和溶液密度から得た実験式 Eq.2-2,Eq.2-3 を用いた.. 6 NaCl concentration [mol/L]. C0. 5. solubility curve. 4 3 2. starting solution C. mixing line. 1 0 0.0. C* Cs. solution after the operation. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1.0. Csn. Ethanol volumetric fraction [-] Fig.2-12 Concept of supersaturation in antisolvent crystallization. 36.
(20) 第 二 章. Table 2-6 Relationship between σn , σg and operational conditions ethanol volumetric fraction in the starting solution [-] volume of fed ethanol [ml] relative initial supersaturation σn [-] operational supersaturation σg [-]. 0.50 10. 8. relative initial supersaturation σn [-] operational supersaturation σg [-]. 1.055. 1.045. relative initial supersaturation σn [-] operational supersaturation σg [-]. 10. 8. relative initial supersaturation σn [-] operational supersaturation σg [-]. 1.054. 1.044. relative initial supersaturation σn [-] operational supersaturation σg [-]. 1.023. 1.011. 6. 4. 2. 1.033. 1.022. 1.011. 4. 2. 1.022. 1.011. 4. 2. 1.021. 1.011. 4. 2. 1.021. 1.011. 0.60 10. 8. 6 0.230. 1.053. 1.043. 1.032 0.65. 10. 8. 6 0.187. 1.053. 1.042. ethanol volumetric fraction in the starting solution [-] volume of fed ethanol [ml]. 1.034. 0.277. ethanol volumetric fraction in the starting solution [-] volume of fed ethanol [ml]. 2. 0.55. ethanol volumetric fraction in the starting solution [-] volume of fed ethanol [ml]. 4. 0.326. ethanol volumetric fraction in the starting solution [-] volume of fed ethanol [ml]. 6. 1.032 0.70. 10. 8. 6 0.148. 1.053. 1.042. 37. 1.032.
(21) 第 二 章. 2.6.4 装置内結晶個数と過飽和度の関係 装置内結晶個数と相対初期過飽和度σn の関係を Fig.2-13 に示す.装置内結晶個数 は,相対初期過飽和度σn の増大に伴い,増大した.装置内結晶個数の初期過飽和度 に対する強い依存性が認められたことより,本操作法における核発生現象は,局所的 な過飽和に依存することが明らかとなった. 装置内結晶個数と相対初期過飽和度σn の関係より,次の実験式が得られた Eq.2-23.. N = 2.0 E + 09 σ n. 7. 0. Eq.2-23. 実験式より,装置内結晶個数は相対初期過飽和度σn の 7.0 乗に比例することが明ら かとなり,これは通常の晶析操作の過飽和度依存性(通常の晶析操作では過飽和度の 1〜2 乗)と比較して大きなものであった.このことから,本操作法において装置内で 生成する結晶個数は,原料液のエタノール体積分率に大きく依存し,エタノールの供 給量に対する依存性は小さいことが明らかとなり,装置内で生成する結晶個数の制御 には原料液のエタノール体積分率の制御が不可避であることが示唆された. 一方,装置内結晶個数と操作過飽和度σ g の関係には明確な相関関係が認められな かった Fig.2-14. 装置内結晶個数は,本手法では乾燥結晶重量と結晶平均径から間接的に算出してお り,結晶形状,単分散性などの影響を受けることが予想される.今後,さらに詳しく 議論する際には,結晶個数の直接測定法の確立が望ましいと考えられる. 2.6.5 結晶平均径と過飽和度の関係 結晶平均径と操作過飽和度σg の関係を Fig.2-15 に示す.結晶平均径は,原料液の エタノール体積分率が 0.50 の場合を除いて,結晶平均径の操作過飽和度に対する依存 性が認められたことより,本操作法における結晶成長現象は,バルクの過飽和に依存 することが明らかとなった. 原料液のエタノール体積分率が 0.50 の場合は操作過飽和度σg に対して,結晶平均 径はほぼ一定値を示した.これは,原料液のエタノール体積分率が 0.50 の操作条件は, 単分散結晶が得られる至適操作条件の中では,相対初期過飽和度σn が最も大きく, そのため核発生が支配的に起こり,ほとんど結晶成長に過飽和が消費されないことに よるものだと考えられた. 一方,結晶平均径と相対初期過飽和度σn の関係には明確な相関関係が認められな かった Fig.2-16.. 38.
(22) 第 二 章. Number of produced crystals [#]. 107. 6. 10. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70 Total. 5. 10. 4. 10. 103 0.00. 0.10. 0.20. 0.30. 0.40. Relative initial supersaturation [-] Fig.2-13 Relationship between number of produced crystals and relative initial supersaturation with various ethanol volumetric fractions in the starting solution 7. Number of puroduced crystals [#]. 10. 6. 10. 5. 10. 4. 10. 103 1.01. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 1.02. 1.03. 1.04. 1.05. 1.06. Operational supersaturation [-] Fig.2-14 Relationship between number of produced crystals and operational supersaturation with various ethanol volumetric fractions in the starting solution. 39.
(23) 第 二 章. Average crystal size [µm]. 200. 150. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 100. 50. 0 1.01. 1.02. 1.03. 1.04. 1.05. 1.06. Operational supersaturation [-] Fig.2-15 Relationship between average crystal size and operational supersaturation with various ethanol volumetric fractions in the starting solution. Average crystal size [µm]. 200. 150. 100. 50. 0 0.1. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 0.2. 0.2. 0.3. 0.3. 0.4. Relative initial supersaturation [-] Fig.2-16 Relationship between average crystal size and relative initial supersaturation with various ethanol volumetric fractions in the starting solution. 40.
(24) 第 二 章. 2.6.6 待ち時間と過飽和度の関係 待ち時間と相対初期過飽和度σn の関係を Fig.2-17 に示す.待ち時間は,相対初期 過飽和度σn の増大に伴い,減少する傾向を示した.待ち時間τは,核の形成と関連 があり,核発生速度 J の逆数に比例すると仮定して核発生速度の測定に用いられるこ とが多い 7) Eq.2-24.このことからも,待ち時間が相対初期過飽和度σn に依存するこ とは妥当であると推察された. τ ∝ J −1. Eq.2-24. 一方,待ち時間と操作過飽和度σg の関係を Fig.2-18 に示す.待ち時間は,操作過 飽和度σg の増大に従い,減少することが明らかとなった.これは,待ち時間を結晶 が目視で確認できるまでの時間と定義した結果,結晶が目視で確認できる大きさまで その粒径を増大させなければならないことにより,操作過飽和度σ g にも依存したも のと考えられた. 待ち時間は,本手法では目視によって測定しており,分子クラスターが準定常状態 なるまでの緩和時間τr,安定核の形成までの時間τn ,核が検出できる大きさまで成 長する時間τq の中でもτq の時間が大きく影響してくることが予想される.今後,厳 密な意味での発核までの待ち時間τを測定する際には,目視ではなく,レーザーデバ イスなどを用いた核検出法を用いることが望ましいと考えられる. 2.7 結言 水−塩化ナトリウム系において貧溶媒としてエタノールを用いた回分晶析実験を 行った結果,予め貧溶媒を含む塩の溶液からの晶析操作を行うことにより,凝集のな い単分散結晶を得ることが可能であることが見出された.単分散結晶が得られる操作 条件では,エタノール供給部近傍の局所部分において核発生が,装置全体のバルクに おいて結晶成長が起こった.装置内結晶個数は相対初期過飽和度σn の増大に伴い, 増大した.結晶平均径は操作過飽和度σ g の増大に伴い,増大した.待ち時間は,相 対初期過飽和度σn ,操作過飽和度σg の増大に伴い,減少した.これより,本操作法 における核発生現象は局所的な過飽和に,結晶成長現象はバルクの過飽和にそれぞれ 依存することが示された.. 41.
(25) 第 二 章. 100. Induction period [s]. 80. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 60. 40. 20. 0 0.00. 0.10. 0.20. 0.30. 0.40. Relative initial supersaturation [-] Fig.2-17 Relationship between induction period and relative initial supersaturation with various ethanol volumetric fractions in the starting solution. 100. Induction period [s]. 80. 60 40. 20 0 1.01. X=0.50 X=0.55 X=0.60 X=0.65 X=0.70. 1.02. 1.03. 1.04. 1.05. 1.06. Operational supersaturation [-] Fig.2-18 Relationship between induction period and operational supersaturation with various ethanol volumetric fractions in the starting solution. 42.
(26) 第 二 章. Nomenclature C : concentration of sodium chloride in the starting solution [mol/L] Csn : concentration of sodium chloride in sodium chloride-ethanol saturated solution [mol/L] Cs : equilibrium concentration of sodium chloride in the mixed solution [mol/L] C0 : concentration of sodium chloride in sodium chloride-water saturated solution [mol/L] * C : apparent concentration in the mixed solution [mol/L] J : nucleation rate [number/s] kc : crystal shape factor of sodium chloride crystal [-] Lave : average crystal size [µm] N : number of produced sodium chloride crystals [#] W : amount of produced sodium chloride crystals [g] X : ethanol volumetric fraction in the mixed water-ethanol solvent [-] ρc : density of sodium chloride crystals [g/cm3 ] σn : relative initial supersaturation [-] σg : operational supersaturation [-] σ0 : initial supersaturation [-] τ : induction period [s]. Literature cited 1) T. G. Zijlema, H. Oosterhof, G. J. Witkamp, G. M. van Rosmalen, (1995), ‘Crystallization of Sodium Chloride with Amines as Antisolvents’, ACS symposium series, 667, 230-241, American Chemical Society, Washington DC. 2) K. Funakoshi, Y. Okada, M. Funyu, H. Takiyama, and M. Matsuoka, (1998), ‘Agglomeration Kinetics and Product Purity of Sodium Chloride Crystals’, International Symposium on Industrial Crystallization, Waseda, C-6, 429-434 3) H. Takiyama, T. Otsuhata and M. Matsuoka, (1998), ‘Morphology of NaCl Crystals in Drowning-Out Precipitation Operation’, Trans IChemE, 76, Part A, 809-814 4) T. G. Zijlema, G. J. Witkamp, and G. M. van Rosmalen, (1999), ‘Control of Particle Size in Continuous Antisolvent Crystallization’, Industrial Crystallization of Chemical Engineering 14th, 1893-1907 5) 日本海水学会,(財)ソルト・サイエンス研究財団 共編, (1992), 塩の分析と物 性測定 , 123-133. 43.
(27) 第 二 章. 6) American Chemical Society, (1965), ‘Solubility Inorganic and Metal – Organic Compounds Forth Edition’, Vol.2, 994-996 7) J.W. Mullin, (1993), ‘Crystallization Third Edition’, Butterworth Heinemann, Great Britain, 218. 44.
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