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色彩表現の可能性についての研究及び方法

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Academic year: 2021

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色彩表現の可能性についての研究及び方法

著者 横瀬 美恵

雑誌名 東京家政大学生活科学研究所研究報告

12

ページ 1‑9

発行年 1989‑03

出版者 東京家政大学生活科学研究所

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009783/

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「花粉の舞」

(3)

木馬

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色彩表現の可能性についての研究及び方法

研修生横瀬美恵

Painting Color and expression Mie YOKOSE

はじめに 作品説明について

 私の場合,子供の頃から現在まで墨の世界,

書を通じて表現する訓練を続けている為,等に よる一本の線や点,流れ等の意味や魅力をおろ そかにしたくないと思っています。それを色彩 におきかえて考える為に自分の作品が比較的,

他の作家の作品との類似点が少ないのかもしれ ないと考えています。

 油絵というと,西洋文化が中心である,と思 いこみがちですが,これからの世代,私達はもっ ともっと自分たちの国,文化に誇りを持ち,積 極的に肯定し,楽しんでいくべきだと思う。現 存する古典作品にとらわれることなく,本当に 自然な,自分自身の中から湧き出てくるものを,

色,そして形によって表現できたらと思い,さ まざまな勉強と試みを続けてきました。

 解説について

 基本的に,作品には解説は不用だと思ってい ます。むしろ観る立場から考えると自由な想像 の邪魔になるのではないかと思う。作品は完成 して,作者から離れた場合は,一っの人格を持 ち,独立したものになります。

 自分の感動したもの,発見したものを色や形 として表現した結果,一っの作品となった場合 は,その作品に語らせるべきなのです。

 作家は,できる限りの自己表現をし,さらに,

観る人々が自由に想像出来るような,触発され る作品を作り,その世界の参加を呼びかけるの が良いのではないかと思います。

 私は,いっも言葉で説明し得ない心,映像を,

絵画で表現し,追求してきているので,その

「私」自身の解説,そして説明が,写真として 転載されている「絵」なのです。

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      東京家政大学生活科学研究所研究報告 第12集 1.61年卒業制作 制作過程について

  題名「金魚」 100号 P  油彩    油絵用  キャンバス

    まるで宇宙を遊泳するように,大きく描いてみたくて,100号を選びました。

    観察に使った時間は,自分自身が金魚の目になったり,水になったり藻になってゆ    らめいて流れになって見たり,小石になって金魚を眺めたりの繰りかえしでした。

    金魚の動きが色と線になって共鳴していく,画面が少しずっ小石や水の流れを増し    ていく。

    小石が少しずっ多くなり,金魚も色を増していく,そして光が少しずつ色で表れて    いく。

    この作業を繰りかえし画面が,色でうずめられていき,完成する。

臨惹鷲蜘聴

誰4綴

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       色彩表現の可能性にっいての研究及び方法 2. 「花粉の舞」 場所 学内 59年 春〜初夏

 四月から五月の風景というテーマである。

 春風の楽しげなおしゃべりや,地上の生命を描いてみました。

使用顔料  油絵具

3. 「編み姿」 場所 実習室 59年 秋  モデルを使った人物像がテーマである。

 私は絶えず心の中でモデルの心を想っている,モデルが編みものにふけっている。

 観察している時間と,それを考えながら色を決める時間とが足りなくなって,個人で延長して描 いて仕上げた。

使用顔料 油絵具  主な顔料

  コバルトブルー,カドミューム,レッド,

  ズグレイ,其の他

ブラック(アイボリー),カーマインレッド,ロー

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東京家政大学生活科学研究所研究報告 第12集

4.石膏像 っまり,造りものの人型を主題にした静物画がテーマである。No. 1, No. 2ともに在学 中の作品である。

 石膏像を外見上のままに表現するだけでは作品と言えないと思って,絶えず会話を試みながら画

いた。

 何故ヘルメス(No. 1)は下を向いていたのか,何を考えているのだろうか話しかけて,その答え を自分で受けながら描いていった。トルソーの裸婦にも同じように話しをして見た(No. 2)その答 えを色で,その話しをリズムで表現しようとした。

 アンテーク人形をモデルに描いた作品。最近63年度である。人形とは皆,話し相手として子供の 頃からなじんでいるから,描く時も楽しみながら描けるのではないでしょうか。勿論,内容は各自 の表現したいものの比重の違いが出てくると思うが。

 使用顔料 油絵具   主な顔料

   特にイエロー系の色が多い

    カドミュームイエロー デープ,カドミュームイエロー オレンジ,バーミリオン,ヴィ     オジアン,コバルトブルー,コバルトグリーン,カーマイン,コバルトヴァイオレット,

    バイオレット グレイ      使用顔料 油絵具   主な顔料

   特にブルー系の色が多い

    コバルトブルー,プルシアンブルー,ブルーグレイ,コバルトバイオレット,セピア,バー     ントシエナ,バーミリオン,カドミュームレッド プープル,カドミュームオレンジ

 石膏像の作品1,IIと違いアンティークドールの作品は,その会話を書いて説明するとわかりや すいかもしれないが,その気持ちがどうしてこんな色や形になるのか,という問題になった時は,

お互いの持っているセンサーの差だとしかいえないでしょう。

 使用顔料 油絵具

  No. 1,No. 2,アンティークドール,三点共に

   ホワイト(アイボリー),バーントシエンナー,カドミューム系,コバルト系,ヴィリジァ    ン,グレイ,其の他

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色彩表現の可能性にっいての研究及び方法 5.鏡の中の自画像について

 鏡の中にちがう自分を発見し,話しかけ,問いかける。自画像というよりも,不思議な鏡の世界 に魅かれて描いた作品です。

 左の小品は三年前59年秋に自画像というテーマのもとに提出した作品である。右は60年夏休みの 課題としての作品で,自由課題だったが一番取り組みたいテーマだったので一ケ月間で仕上げた。

6.「洗礼」 場所 千葉海岸 61年 夏

 海の風景というのは,もしかしたら,自画像よりも自分に似ているかもしれない。自分自身を見 せっけられ,浴びさせられたという意味で「洗礼」という題名になった。

 使用顔料 油絵具   主な顔料

   コバルトブルー,カドミューム系,グレイ系,他

璽霧・

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東京家政大学生活科学研究所研究報告 第12集 7. 「海・海・海」 場所 真鶴海岸 62年夏

実際に海中に潜って見て,油絵作品としてまとめた。

 卒業制作で外から水を眺めて描いたが,やはり,水の中から見る世界を表現したいと思って実行 してみた。地球の海底の生命や息遺い,その流れや圧力などを違う次元の中でとらえたいと思った。

 使用顔料 油絵具   主たる顔料

   カドミューム系,コバルト系

8.「木馬」 場所 学内 61年 夏から秋

 幼女時代の記憶に照らした,一番好きなテーマです。

 使用顔料 油絵具

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       色彩表現の可能性にっいての研究及び方法 9. 「遠い恋人」 場所 学内 62年 夏から秋

 道を歩く主人公は私。手の届かない遠い人をポストにたくし,夢を描いた作品です。

 使用顔料 油絵具

10. 「過去・未来」 場所 学内より見えた風景

 第一本館の屋上から北西の方向の雲の間から私の育った方角を描いてみました

 同じような条件になる時を待って,色をなるべく正確に見ていきたいと思ったので時間がかかっ てしまいました。

 使用顔料 油絵具   主な顔料

   グレイ系の色が多い,ブルーグレイ,トラインローズ,ビリジアン,コバルトヴィオレット

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       東京家政大学生活科学研究所研究報告 第12集 11. 「風の囁き」

 先に出てきた「花粉の舞」は春風がテーマだったが,こちらは秋。風が,私の頭を透明にしなが ら,散る前の一一eeの赤を告げている。

 使用顔料 油絵具   主な顔料

   バイオレット系,カドミュームレッド,バーミリオン,ヴイリジアン,ブルーグレイ,カド    ミュームイエローライト,其の他

12. 「時空中」 場所 北極に近い空中

 アンカレッジを過ぎ北極に近づいた1000m近い上空で見た風景。

 地球の丸さと空中の月,さえざえとした見事な空間。一瞬に過ぎ去る風景を目に焼きっけ,筆の 流れに託して,表現した。

 顔

 使用顔料 油絵具   主な顔料

   コバルトブルー,プルシアンブルー,カドミューム レッド,カドミューム イエロー,グ    レイ系,其の他

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色彩表現の可能性にっいての研究及び方法

 今まで色々なモチーフを自分の表現方法でキャンバスに描いて来ました。自分の感覚を通し,自 分のセンサーに反応したものをそれに最も近い表情を持っている色彩で表現してきました。

 直感を大切にするという事を基本にして,制作してきたと思います。だから参考作品,引用した 記事,論文はありません。私が参考にしたものは自然の中に沢山有る光や生命,無限の可能性を持っ ている全ての未来,過去の途方もない時間です。そんな素晴しいものを創り出した全ての物や光,

人達,生きものに心から感動し,感謝したいと思います。

参照

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