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Synthesis of Optically-Active Triazine Ligands with α-Amino Acids and Their Metal Complexes

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Academic year: 2021

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(1)

天然アミノ酸を用いた光学活性トリアジン配位子の合成と それらを用いた金属錯体の合成

日大生産工(院) ○加藤 大貴 日大生産工 津野 孝 レーゲンスブルグ大 ヘンリ・ブルナー

1 緒言

α置換天然アミノ酸は光学活性であり,不斉 源として極めて有用である. この化合物はア ミノ基を有していることから, ホルムアルデ ヒドと縮合反応させると光学活性ヘキサヒド ロ-1,3,5-トリアジンを与える. この化合物は, シクロヘキサン環と同様に椅子型および舟型 の立体配座をとることができ, さらに3つの窒 素がη1からη3の配位結合性を示す配位子とな る. 特にη3型配位子として機能する場合は, 6π 電子供与のアレーン配位子にかわるものとな

り, 数多くのη3-金属錯体が合成されている.

Brunnerらは, フェニルエチルアミンとL-バ

リンから光学活性ヘキサヒドロ-1,3,5-トリア ジンを合成し, さらにフェニルエチルアミン から合成しトリアジンを用いてCu, Cr, Mo, W を金属核とする錯体の合成について報告して いる1). しかしながらエステル官能基を有した L-バリンから調製されたトリアジン(1a)との 錯化については調査されていない. 1aを用いた 場合,エステルの酸素が金属へ配位し, 特異的 な不斉金属核を発生する可能性がある. また, 1aと同様な合成法で他の天然アミノ酸から光 学活性トリアジンを合成できる. L-トレオニン を用いホルムアルデヒドと縮合させたところ, ト リ ア ジ ン で は な く 3,3’-methylenebis(oxazolidine) (1b)が得られた2).

今回,これら配位子の合成とそれらを配位子と して用いた金属錯体の合成について報告する.

2 実験

配位子1aおよび1bの合成: ベンゼン中に(バリ ン, トレオニン)メチルエステル塩酸塩と等モ ル量の水酸化ナトリウム水溶液を加え, 続い て過剰量のホルムアルデヒド液を加えた後,12

h撹拌した. 水層を除去し, 有機層を硫酸マグ

ネシウムで脱水-濃縮し1a(12%), 1b(19%)を得 た(Scheme 1).

H O

H H

HCl. H2N COOMe O N N O

COOMe COOMe H

HCl. H2N COOMe

N N N

COOMe COOMe

COOMe

1b HCHO

1a NaOH, C6H6

HCHO NaOH, C6H6

Scheme 1 .

1a銅錯体の合成 :1aと1/2等モル量の塩化銅(II) をメタノール中で3 h撹拌した. 溶媒濃縮残分 を塩化メチレン/ペンタンで再結晶し, 深青色 薄板状結晶Cu(1a)2Cl2を得た.

1b銅錯体の合成 :1bのメタノール溶液に1/2等 モル量の塩化銅(II)メタノール溶液を滴下し,

Synthesis of Optically-Active Triazine Ligands with α-Amino Acids and Their Metal Complexes

Taiki KATO, Takashi TSUNO and Henri BRUNNER

−日本大学生産工学部第43回学術講演会(2010-12-4)−

― 113 ― 5-53

(2)

室温で3 h撹拌した. 溶媒を濃縮除去後, 残分 を塩化メチレン/メタノールで再結晶し, 青色 プリズム状結晶を得た(32%).

3 結果・考察

N N N

COOMe

COOMe

COOMe N

N N

COOMe COOMe

COOMe N

N

N Cu

Cl Cl COOMe

COOMe COOMe

1/2 CuCl2

1a Cu(1a)2Cl2

Scheme 2 .

1aと等モル量の塩化銅(II)をメタノール溶液 で撹拌させると, 緑色から濃緑色となり, また 白色のパラホルムアルデヒドの析出が認めら れた. パラホルムアルデヒドをろ過によって 除去し, 濃縮残分を用いて再結晶を試みたが, 配位子を伴った安定な銅錯体の結晶は得られ ず, 時間と共に銅が還元を受け赤色化してい った. この反応溶液の色の変化より銅が1aに 対して配位していることは明らかであるが, パラホルムアルデヒドの析出は, 1aの分解も同 時に進行したことを示唆している. そこで, 1a に対し1/2モルの塩化銅(II)を反応させたとこ ろ, 溶液が緑色から深青色へと変化し, パラホ ルムアルデヒドの析出は認められなかった. 溶媒濃縮後の残分を塩化メチレン/ペンタンで 再結晶したところ, 深青色薄板状結晶が得ら れた. この結晶のX線結晶構造解析を試みたが, 層状結晶であるため構造を決定できなかった.

しかしIRスペクトルから配位子のエステル部 位の吸収が1747cm-1に確認され, 物質量比から Scheme 2に示したCu(1a)2Cl2と考察した. 続い て, 1aと[C7H8M(CO)3](M = Cr, Mo)との錯化を

行ったが, 何れも原料回収であった.

O N N O

MeOOC COOMe

O N Cu NH O H

Cl Cl COOMe

MeOOC 1/2 CuCl2

1b 2

Scheme 3 .

次にトレオニンメチルエステル塩酸塩とホ ルムアルデヒドとの縮合反応を試みた結果, トリアジンではなく1b (19%)を得た. これはア ミノ基とホルムアルデヒドとの縮合後, ヒド ロキシ基とイミニウム基間で分子内環化を受 けたためである. 1bは二つのoxazolidine環を有 し, トレオニンの不斉炭素を保持した光学活 性配位子として期待できる. そこで, 1bと塩化 銅(II)と反応させたところ青色結晶を得た. X線 構造解析を行った結果, Fig. 1に示した化合物 である事が同定された. 錯体中には1bの架橋 部のメチレン炭素が認められない. この錯体 は. 二つのoxazolidine中のN, 一つのエステル カルボニル酸素と二つの塩化物イオンがCu(II) に配位し, 三角両錐に近い構造を取っている.

2に1bの架橋部位メチレン炭素が, 認められな

い理由として, 1bが溶媒として用いたメタノー ルにより, 加アルコール分解を受けたものと 考察した.

Fig.1. Molecular structure of 2.

4 参考文献

1) Brunner, H.; Winter. A.; Nuber, B. J. Organo- metal. Chem. 1998, 558, 213.

2) Selambarom, J.; Carre, F.; Fruchier, A.; Roque, J.; Pavia, A. Tetrahedron 2002, 58, 4439.

― 114 ―

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