「マ ハ ー バ ス ツ
』 「燃 燈 仏 事 記 」試 訳 (二)
福
井
設
了
密 教 文 化 24. 最 勝 の お方 よ!シ ヤ タ ラ シ ュ ミの 清 明、 最 上 無 比 の地 に 白蓮 華 に取 り囲 まれ てい る に も似 た 清 明不 繊 のふ し どに登 りた い の です。」 25. 妃 のや さ しい か の声 に、 ア ルチ マ ッ ト王 は満 足 して 気 持 は喜 び勇 み、 王 は廷 臣 た ち に話 しか けた。 40 26.「 疾 く、シ ヤ タ ラシ ュ ミ(の 所 在 地)を 余 に報 告 せ しめ よ 天 上 の天 宮 の如 く美 花 を もっ て飾 り、散 華 せ しめ よ! 27. 速 や か に、 シ ヤ タ ラシ ュ ミに繕 練 を と りつ け 優 美 な金 の網 で掩 い、 ス メ ー ル山 の素 晴 しい 山頂 の よ うに 飾 りた て よ! 28. 種 々 の槍、 矢、 投 槍 を もつ 四 部 よ りな る軍 勢 を も って 41 速 や か に シ ヤ タ ラ シ ュ ミの、 意 に適 った 建 物 を警 固 せ しめ よ!」 29. 王 の 命 じ た よ う に す べ て の も の が 造 られ 42 用 意 を し終 っ て、 廷 臣 た ち は王 に近 づ い て 言 った。 43 30.〔202〕 大 王 よ!千 年 に満 つ る間、 わ れ ら民草 を守 りた ま え。 42 す べ て用 意 で き ま した、 宮 殿 は輝 き王 は喜 び に ぞ くぞ くな され ま し ょ う。」 31. か くて妃 は、 不 死 の女 に も似 て、 彼 女 は美 しい席 か ら立 ち上 って 王 に言 っ た。 「太 陽 が沈 む とす ぐ44 32. 私 は生 く と し生 き る もの を害 しな い 心 を養 い、 梵 行 に(住 し) 楡 盗、 飲 酒、 不 注 意 な こ とば をや め ま す。 454 6 33. 王 よ!私 は不 親切 な 言辞 をや め又、 両 舌 をや め ます 王 よ!私 は悪 口 をや め ます。 これ は私 の決 心(し た こ とな の で す)。 34. 私 は 他 人 の 悦 楽 を羨 み ませ ん、 ま た生 き もの を害 しま せ ん 誤 った 見 解 を もっ こ と を致 しま せ ん。 35. 王 よ/私 は十 一 の戒 律 を実 践 致 します 一 晩 じ ゅ う、 この よ う に私 の決 心 が湧 い て い る の です。 36. さ らに、 ま た、 王 よ!性 愛 の想 い を も って 私 を求 め な い で下 さ い。 47 梵 行 に住 した い と願 っ てい る私 に、美 徳 を積 む よ うに心 を お持 ち下 さい。 37. 「お ま え の 全 て の 願 い を 満 た して あ げ よ う」 と王 は 言 っ た 48 「安 ん ぜ られ よ。 高貴 な人 とな っ て しま っ た方 よ!私 と国土 は お ま え の 意 見 に従 う も の だ。」 38. 妃 は殊 妙 の、寵 愛 す る千 人 の待 女 を伴 い、 か の素 晴 しい 宮 殿 へ 登 って、 横 に な った。 切 な る願 い が叶 え られ て。 39. 妃 は か の純 白 の蓮 花 に も似 たふ し どで 心 は平 静 で、 自制 心 に満 足 しな が ら黙 然 と して、 時 を過 ご した。 40.〔203〕 妃 は 右 脇 を下 に して 美 しい体 を横 た えた 花 咲 く蔓 草 が、 樹 に まつ わ る よ うに、 彼 女 は ふ し ど に横 た わ っ た。 41. こ の とき、 あ で や か な天 女 の姿 に も似 た妃 が、 ふ し どに 横 た わ る の を見 て 天 衆 た ち は トソツ天 宮 か ら降 りて、 宮 殿 の屋 根 に 立 った。 ﹃ マ ハ ー バ ス ッ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 42. 宮 殿 の頂 きで、 不 死 の天 人 た ち は皆、 喜 び、 手 を合 わせ て頭 を下 げ た。 ふ し どに横 た わ る無 量 の福 徳 を具 えた 勝者 の母、 妃 に恭 し く礼 拝 した。 43. こ の とき、 おお い に関 心 を も って、 大 勢 の天 女 が 白 い花 環 を抱 え 49 勝 者 の母 に近 づ き、(彼 女 を)見 た い と思 っ て、 宮 殿 の屋 根 に 立 っ た。 44. ふ し どに横 た わ る妃 に近 づ き、 窺 つた と き、美 しい閃 光 に も似 て い た (天 女 らは)お お い に喜 び、 こ の時、 天上 の華 を雨 と降 らせ た。 45. 人 とは言 え、 誠 に か く も美 しい 肢 体、 これ ぞ、 誠 に稀 有 な る こ と よ! 50 暫 ら く、件 んで い た の が、 心 に思 うに「妃 と同 じほ ど美 しい 天 女 はい な い 」 と。 46.「 ま あ友 よ!妃 の 美 し さ を ご らん。い か に(勝 者 の母 に)ふ さわ しい か を! ふ し どで(横 た わ りな が ら)光 を放 ち心 を奪 う、ま さに黄 金 の よ う に輝 く。」 47.「 こ の(妃)は 偉 丈 夫 を生 むで あ ろ う。(その人 は)不 断 の布 施 と自制 と戒 律 に身 を ゆ だね 一 切 の苦 悩 を終 わ ら しめ、 諸 煩 悩 を離 れ た か た(で あ る)。王 妃 よ/あ な た に何 が欠 けて い ま し ょ うや 」 51 48.「 また、 円 い お な か は掌 に似 て、 きれ い な毛 の美 しい 條 は、 光 り輝 く。 終 りない 英 知 を も ち、 常 に悪 に汚 され ず、 高 潔 な あ の方 が、 お生 れ に な る で し よ う。」 49.「 こ の あ で や か な 妃 は、 長 時 に亘 って多 くの最 勝 の善 を積 み 重 ね てお られ る 〔204〕 妃 は あ の方 を生 む で あ ろ う、 限 りな い功 徳、 長 時 に積 聚 した 福 徳 の力 をお 持 ち の方 を。
50. あ な た は、 あ で や か な女 性 に ふ さわ し く、最 も勝 れ た 母 で あ り あ な た の御 子 は、 最 勝 の丈 夫 とな る で し ょ う 御 子 は捨 欲 の か た、離 欲 の かた。妃 よ!あ なた に何 が欠 け て い ま し ょ うや 」 52 51. こ の時、 種 々 の形 の羅 刹 た ち は命 令 を う けた。 「最 妙 の武 器 を もつ もの よ 53 天 の四 方 に素 早 く守 りにつ け。 あ らゆ る方 位 に障 擬 な し とせ よ。」 と。 52. こ こで 次 に、 ナ ー ガ 軍勢 が警 護 の た め に諸 方 に立 っ た 54 (彼 等 は)風 が そ よ ぐの を聞 い て、 烈 火 の よ うな怒 りを発 す る の で あ る。 53. こ こ で次 に、 夜 叉 た ち が火 の燃 え さ か る棍 棒 を持 って 警 護 に立 っ た 55 「悪 心 を もつ も の を近 づ け る な!し か し、殺 生 は何 び とた りと もな らぬ。 」 56 54. 覚 者 のた め に、 つ い で、 強 い 乾 闊 婆勢 が こ こで警 護 に立 った。(彼 等 は)姿 が 美 し く 警 備 の た め に 立派 な 弓 を持 ち、端 麗 な顔 つ き を して い た。 57 55. 四 天 王 が 自身 の待 者 と と もに天 空 に立 た れ て(言 った) 「今 に ・ 世 に福 利 と繁 栄 を斉 す た め に実 に、 世 尊 が下 生 な さ れ る。」 56. 三 十 三 神 の首 神 が、 神 が み と倶 に妙 輪 を も って 空 中 に 立 って、(言 っ た) 「や が て(世 尊 は世 の)至 福 を願 って最 後 の下 生 をな され る。 」 と 58 59 57. 多 くの天 衆 は妃 の足 許 に 向 って合 掌 礼 拝 した や さ しい 声 で 話 し(な が ら)ト ソツ天 の仏 陀 を仰 ぎ見 てい た。 60 58.「 清 浄 法 で 積 聚 され た福 徳 の力 を もつ お方 お ん 身 は最 後 の生 に入 る時(と な りま した) あ な た の母 は準 備 が で きて い ま す。 今 こ そ苦 悩 す る人 に 憐 み を 垂 れ た ま え。」 ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 61 59.〔205〕 「 さ あ今 か ら下 生 し よ う」 と吉 祥 な言 葉 を宣 され た(欠 落) さて、 そ の瞬 間、 勝 利 者 の母 は夢 に素 晴 しい 果 報 を もつ 者(の 姿)を 見 た。 62 60. 白銀 の雪 の よ うに輝 き、 六 本 の 牙 を もち優 し くゆ れ る鼻 を した、 深紅 色 の 頭 の 63 愛 ら しい歩 き方、 申分 の ない体 つ きの 象(の 姿)の(菩 薩 が)胎 に 入 った。 大 目腱 連 よ!菩 薩 は、(月 の 欠 けた)黒 半 月 に は母 胎 に入 らな い もの な の で あ る。(そ れ は)満 月 が、 プ シ ャ星 宿 に あ る 日に、 菩 薩 は 入胎 す る もの な の で あ る。 断 食 を守 り、背 は高 く均 整 が とれ、 堪 能 で、 若 盛 りで躾 け よ く、学 識 深 く、正 念 ・正 知 で す べ て の挙措 は恭 謙 の心 を もって し、 す べ て の挙 措 は美 わ し く、最 上 の あで や か な 婦 人 に、 菩 薩 は そ の母 胎 に入 胎 す る の で あ る。 大 目腱 連 よ!菩 薩 が ト ソツ天 宮 よ り下 生 され る とき、 光 が放 た れ、 そ の光 で全 仏 土 が照 され る の で あ る。 あ る天 神 が(も う一 人 の)天 神 に尋 ね る。 61.「 な ぜ イ ン ドラ神 に よ って光 が放 たれ る の か。 月光 よ りお だや か な、 金 の よ う に清 純 な。 阿 修 羅 神 た ち、人 間 の王 た ち も喜 ば せ、燃 え る焔 にあ た る地 獄 で さ え も(喜 ば せ る光 が)」 彼 は言 った。 62.「 そ れ は 常 に人 び と を守 っ てい る の だ。 輪 廻 の獄 に と ら え ら れ、 愛 欲 に と りつ か れ(て い る人 た ち を) こ こで 解脱 を成 就 す る こ とを大 い に讃 え る呼 び声 と して、 離 垢 の光 が放 た れ た の だ。」 〔206〕菩 薩 は述 べ られ た。 63.「 不 滅 の もの よ!町 を去 られ よ!今 は 明 か に喜 び に浸 って い る 時 で は な い。
老 死 の城 を擢 破 す る た め に、 智 の一 撃 を加 え る時 期 で あ る。」 菩 薩 は思 慮 深 く、正 智 を もち、 恭 謙 な 心 を も ち、(彼 は)母 胎 に 入 った。 64 64.「 獅 子 の雄 叫 び もて獅 子 の よ うな人 は、 下 生 の時 で あ りそ の時 期 で あ る時 瞬 時 に して姿 を消 し(そ して又)王 宮 にそ の姿 を現 わ す。 65. 菩 薩 は 今、 トソツ(天)全 体 を美 しい光 で 照 ら し 65 天 神 の城 か ら下 生 して、 世 の無 比 の光(と な る の で あ る)。 66. 沙 門、 バ ラモ ン、 一 切 の人 び とを含 む 神 も と も に住 む(全)世 界 を 比 べ よ うのな い 世 の光 は 美 し く照 らす の で あ る。 67. こ の不 思議 な、 この稀 有 な こ とを 見 よ!か く も大 神 変 の師 は 思 慮 深 く、正 智 の師 は母 胎 に入 胎 した も うた。 68. 最 勝 の 相 をそ な え、 正念 で 具慧 者・ 正 知 の か く も最 勝 の丈 夫 が母 胎 に(入 胎 した も うた)。 66 大 目腱 連 よ!菩 薩 摩 詞 薩 が母 胎 に入 胎 す る とす ぐ、大 地 は六 種 に震 動 し、 み な震 動 し、激 し く震 動 した。(大 地 は)ぞ くぞ くす る よ うに、 美 し く、心 楽 し く、嬉 しそ うに、 優 し く、爽 快 に、 満 足 で きる よ うに、 た た え られ る よ うに 67 〔207〕心 を 奪 うよ うに、 お とな し く、愛 ら し く、喜 ばせ る よ うに、 不 安 を与 え ず、 驚 か さな い ふ うに大 地 は震 えた。 震 え なが ら、 どん な生 命 あ る も の、 動 物 で あ ろ う と植 物 で あ ろ う と傷 っ けな か った。 69. こ の時、 海 と須 弥 山 に 囲 ま れ た地 域 は、 大 地 が六 種 に震 動 した。 真 の暗 黒 を除 く(菩薩 の)威 徳 に よ っ て世 界 は清 浄 に な り、美 し くな っ た。 70. 大 威 徳 あ り、 思慮 深 い方 が、 トソ ツ天 宮 よ り下生 され た と き 68 白い 雲 に も似 た六 本 の牙 を もつ象 の形 を して お られ た。 ﹁ マ ハ コ バ ス ヅ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 69 71. 高 所 の宮 殿 で、 精 進 日を守 る人(妃)が 清 浄 に住 して 臥 して い る と き 正 念 ・正 知 の、有 徳 の人 は、 母 の胎 に入 った。 72. 夜 が 明 け て 明 る くな っ た と き、妃 は愛 す る夫 に語 っ た 「大 王 よ!(私 は)白 い 象 王 が 入胎 した(夢 を見 ま し た)。 」 70 73. この こ と を聞 い て、 夫 の 王 は予 言 者 た ち を集 め て 言 った 「この夢 の な か に(あ った)誠 の果 報(の 事 情)を 総 て 話 せ。 」 と 74. そ こ で(彼 等 は)、 尋 ね られ た前 兆 につ い て 王 に 語 った 71 「(大 丈 夫 の)三 十 二 相 をお持 ち の方 が妃 の胎 に入 られ た の です。 」 72 75. 「王 よ!お 慶 び あ れ!あ な た の家 族 に 姿 を現 わ され た ので す 世 界 の支 配 者 よ!高 貴 なみ ど り児 は 無比 の方、 偉 丈 夫 な の で す。」 76.「 私 自 身 が、 先 師 た ち か ら習 っ た こ と の よ う に 73 〔208〕猛 虎 の剛 毅 さの お わす 王 よ!王 子 に は た だ二 つ の 道 が あ り ます。」 77.「 も し王宮 に と どま れ ば王 とな り、財 宝 を もち、 富 み栄 え、 常 に勝 利 を得 て 百 千 の王 を従 者 とす る(大 王 とな られ ま し ょ う)」 78.「 宗 教 的 修 行 者 と して 遊 行 し、四 洲 の国 土 を捨 て られ る な ら 他 人 に指 導 され ない 自 ら悟 る人 ・人 と天 の指 導 者 ・仏 陀 とな られ ま し ょ う。 全 て のナ ー ガの 王侯 た ち は、菩 薩 の守 護 に けん め い に馳 せ 参 じた。 ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に 入 った とき、 全 て のス パ ル ナ の王 侯 た ち は、 菩 薩 の守 護 に けん め い に馳 せ 参 じた。 四 護 世 神 もま た、 菩 薩 の守 護 に け ん めい に馳 せ 参 じた。 79. 四 天 王 は、 世 の救 護 主 の護 りの 見張 りを した
誰 か悪 意 の者 が(魔 王)波 旬 の力 を除 く(菩 薩 に対 して)害 を加 え ない よ うに。 諸 天 神 の王 で あ る帝 釈 天、 切 利 天、 兜 率 天、 化 楽 天、 他 化 自在 天、 大梵 天、 浄 居 天 も、 菩 薩 が母 胎 に入 っ た とき、(菩 薩 の)守 護 に け ん めい に 馳 せ 参 じ た。 80. 嬉 ん だ幾 千 の天 神 た ち が不 死 者 の町 の よ うな ア ル チ マ ッ トの町 に来 る 75 守 護 す る た め に(原 文 欠 落)最 勝 の智 を もつ もの を。 81. 心 を喜 ばせ る デ ィー バ バ テ ィ ー の町 は最: 高 の町 とな り(こ の町 へ 入 る)神 々で また、 心 に思 う(と 同 じ速 さ の)足 ど りの不 死 の神 々 に よ っ て、赫 々 と輝 や い た。 82.〔209〕 妃 を 囲 ん で、 実 に八 千 の大 自在 天 衆 は 空 中 に、 あ る い は ま た大 空 で(妃 を)守 っ て い た。 83. こ こ で今、(大 自在 天 衆 の)背 後 に は、 清 浄 な髪 を もつ幾 千 の イ ン ドラ神 た ち が 数 多 く、多 くの福 徳 を もつ菩 薩 の 守護 の た め に部 署 につ い た。 84. こ こで 今、(イ ン ドラ神 た ち)の 背 後 には、 千 千 億 の天 衆 欲 界 に住 ん で い る諸 天 衆 が、 天 空 に浮 ん で部 署 に つ い た。 85. これ らの天 衆 の背 後 に は、 阿修 羅(神)衆、 両 つ の舌 を もつ 阿 修 羅(神)衆 形 貌 醜 随 の夜 叉(神)衆、 羅 刹(神)衆 が また部 署 につ い た。 76 86. ヒ の よ うな手 順 で、 天 空 は百 千 の不 死 者 た ち に よ っ て満 ちみ ちて、 輝 き 全 く清 浄 とな っ た。 そ れ は離 垢 の人 に よ り積 聚 され た善(の 偉 大 さ)で あ ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 っ た。 大梵 天 は 言 った。 87.「 夢 の 中 で、 空 か ら太 陽 が 胎 に 入 る の を 見 た妃 は 瑞 相 を具 えた 人 を生 む で あ ろ う。 そ の方 は転 輪 聖 王 とな られ よ う。」 88.「 夢 の 中 で、 空 か ら月 が胎 に入 る の を見 た 妃 は 人 で あ り、天 神 で あ る御子 を生 む だ ろ う。そ の方 は転 輪 聖 王 とな られ よ う。」 89.「 夢 の 中 で、 白 象 が 胎 に入 る の を見 た妃 は 77 象 の よ うな最 勝 の人 を生 む だ ろ う。 そ の方 は理法 を悟 った仏 陀 とな られ よ う。」 〔210〕妃 に 王 が尋 ね た。 「誰 を 懐 妊 してい る のか?」 妃 は 答 え た。 「(全世 界 の王)転 輪 聖 王 で す。」 90.「(私 の)胎 は、 金 色 の美 し さに照 らされ 最 勝 の 相 を具 えた 人 世 界 中 の王、 最 勝 の人、 虎 の剛 毅 さを持 つ 人 を懐 妊 して い るの で す。」 空 にい る天衆 た ち は、 世 尊 の た め に歓 呼 の声 をあ げ た。((そ の お方 は)仏 陀 とな られ る の だ。権 力 の あ る世 界 中 の王 ・転 輪 聖 王 で は な い の だ。」 大 梵 天 は偶 を説 い た。 91.「 最 勝 の宝 で あ る(人 中 の)象、 情欲 の 力 と暴 発 を除 去 した人、 78と も しび 世 の暗 黒 の迷 妄 を除 く(こ れ ぞ、 そ の)燃 燈 諸 徳 の庫 蔵、 無 量 の財 宝 の源 の所 持 者 王 族 出身 の聖 人、 妨 害 者 の ない 法 輪 を も ち、 不滅 の光 を もつ方 を、 あ な た は 懐 妊 した。」
妃 は答 え た。 92.「 愛 憎 の念 は私 に克 て な い し、人 の王 を私 は懐 妊 して い るか らに は、 言 わ れ て い る よ うに(こ の児 は)光 を放 つ者 とな る で あ ろ う こ とは 疑 な い。」 ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に入 られ た とき、 菩 薩 の威 徳 に よっ て、 菩 薩 の母 は、 行 ・住 ・坐 ・臥、 常 に快 適 で あ る。 菩 薩 の 威 徳 に よ って どん な武 器 も(母 の)体 に害 を加 え る こ とはで きな い し、 どん な毒 も、 火 も、 雷 電 も、打 ち 負 か す こ とは で き ない。 また、 大 目腱連 よ!菩 薩 が 母 胎 に入 られ た 時、 天 女 た ち は香 油 を(母 の)体 にす りこみ、 体 を もみ、 天 上 の資 具 を も って か しつ くの で あ る。菩 薩 の威 徳 に よ って(菩 薩 の母 の)体 は天 衣 に包 ま れ、 天 上 の装 79 身 具 を帯 び て い る。 菩 薩 の威 徳 に よ っ て、 天 上 の香 料、 華 髭、 塗 油、 精 を得 て い る。 〔211)さ て、 大 目 腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に 入 った と き、菩 薩 の威 徳 に よ って (菩 薩 の母 の)内 待 の もの た ちは(彼 女 に)従 順 で(そ の指 図 を)聞 くべ き も の だ と考 え て い る。 菩 薩 が母 胎 に 入 っ た とき、 ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 の威 徳 に よ っ て、 菩 薩 の母 に注 意 して い る 内待 の者 た ち は、 彼 女 の そ ば に 歩 み よ 80 り、彼 らのす べ き仕 事 を申 し出 る。 菩 薩 の威 徳 に よ っ て、 誰 も、鳥 で さ え も (菩 薩 の母 の)上 を飛 び は しな い。 また、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 の胎 へ 下 っ 81 た と き、 菩 薩 の母 は無 病 で、 息 災 で あ る。菩 薩 の威 徳 に よ って、 胃腸 は正 常 で よ く(食 物 を)消 化 し、(体 温 は)冷 た過 ぎ る こ と も、 熱過 ぎ る こ と もない。 ま た、 大 目腱連 よ!菩 薩 が母 胎 に 入 った とき、 菩 薩 の威 徳 に よ って、 菩 薩 の 母 は極 上 の風 味、 新 鮮 な風 味 の、おい しい硬 い 食 べ も のや、軟 か い食 べ も の を得 る。 ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に入 った とき、 菩 薩 の母 は情 欲 を捨 て て お り、欠 点 が な く、蝦 疵 な く、純 粋 の、 稼 れ な い、 完 全 に清 浄 で、 全 く円満 な 梵 行 に住 して い る。 か の最 もあ でや か な婦 人(妃)の 心 に は、 どん な 男性 に対 して も、 ア ル チ マ ッ ト王 に対 して も情 欲 の念 は 起 らな い。 ま た、 大 目腱 連 よ! 菩 薩 が母 胎 に 入 った と き、 菩 薩 の母 は五学 処 を受 持 して 暮 してい る。 ま た、 そ 82 れ(=五 学 処)を 完 全 に遵 守 して い る。 ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に入 ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 った とき卵 生、 胎 生、 湿 生、 自生 を問 わず、 あ らゆ る龍 王、 龍 侯 た ちは、 妃 の 住 居 に入 って、 天 上 の白 檀 の粉 を撤 く。か く同様 に、 彼 らは沈 香 の 粉 と散 華 を 撤 いた。 彼 等 は全 く尊 敬 して、彼 女 を讃 嘆 した。 尊 敬 の念 に 満 ち み ちて、彼 女 を 讃 嘆 した。全 く清 浄 な尊 敬 の念 を もって、彼 女 を讃 嘆 した。彼 らは、天 上 の 白檀 の 粉 を撤 き終 って、 ケ ー サ ラの 粉、 タ マ ー ラ樹 の葉 の 粉、 散 華 を撤 い た。 〔212〕 彼 らは全 く尊 敬 の念 を も って妃 を讃 嘆 した。 申分 の な い尊 敬 の念 を もっ て彼 女 を讃 嘆 した。 全 く清 浄 な尊 敬 の念 を もって 彼 女 を讃 嘆 した。 申分 の ない 尊 敬 の 念 を もっ て讃 嘆 し、全 く清 浄 な尊 敬 の念 を も って讃 嘆 した。 そ れ か ら、天 上 の 白檀 の香 を撤 き、1天上 の沈 香 の粉、 ケ ー サ ラの 粉、 タ マ ー ラ樹 の葉 の香、 散 華 を菩 薩 の母 に撤 き、 あ た りに撤 き、 上 へ 撤 き、 酒 ぎ、 撤 き終 って、 菩 薩 の 母 に 83 向 って 右 邊 三 匝 し、(そ れ が終 って か ら)思 い の ま ま に出 て行 っ た。 これ は菩 薩 の威 徳 に よ る(も ので あ っ た)。 さ て、 大 目 腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に 入 った 時 ▽ 卵 生、 胎生、 湿 生、 自生 を問 わ ず、 あ らゆ る スパ ル ナ の王 侯 た ち は、 妃 の 住 居 に 入 って、 天 上 の 白檀 の 粉 を撤 く、天 上 のい ろい ろの 粉 を撤 く、天 上 の ケ ー サ ラの 粉 を撤 く、天 上 の タ マ ー ラ樹 の葉 の粉 を撤 く、天 上 の 華 の 粉 を撤 く。 彼 等 は全 く尊 敬 の念 を もっ て彼 女 を讃 嘆 した。 申分 の な い尊敬 の念 を も って 彼 女 を讃 嘆 した。 全 く清 浄 な尊 敬 の念 を も って彼 女 を讃 嘆 した。 彼 等 は 菩 薩 の 母 に天 上 の 粉 を撤 き、 沈 香 の粉、 ケ ー サ ラの粉、 タマ ー ラ樹 の葉 の粉 を撤 き、 天 上 の散 華 を撤 い て か ら、 右 遠 三 匝 し、(そ れ が終 って か ら)思 い の ま ま に 出 て 行 った。(こ れ は)菩 薩 の威 徳 に よ る(も ので あ った)。 ま た、 大 目腱 連 よ! 菩 薩 が母 胎 に 入 っ た とき、 四天 王 部 衆 の神 々、 切利 天、 夜 摩 天、 兜 率 天、 化 楽 天、 他化 自在 天、 梵 種 天(=梵 部 衆 の神 々)、 浄 居 部 衆 の神 々 は妃 の 住 居 に入 り、菩 薩 の母 に天 上 の 白檀 の粉 を撤 い た。 天 上 の沈 香 の粉、 ケ ー サ ラ の粉、 タ マ ー ラ の樹 の葉 の粉、 天 上 の散 華 を撤 い た。 そ れ か ら彼 等 は全 く尊 敬 して 彼 女 を讃 嘆 した。〔213〕尊敬 の念 に満 ちみ ちて、 彼 女 を讃 嘆 した。 全 く清 浄 な 尊 敬 の念 を も って 彼 女 を讃 嘆 した。 彼 等 は 天上 の 白檀 の粉 を撤 き、天 上 の沈 香 の粉、 天 上 のケ ー サ ラの 粉、 天 上 の タマ ー ラ樹 の葉、 天 上 の散 華 を撤 き、 そ れ か ら彼 等 は全 く尊 敬 して彼 女 を讃 嘆 し、尊 敬 の念 に満 ちみ ち て彼 女 を讃 嘆 し、全 く清 浄 な尊 敬 の念 を もっ て彼 女 を讃 嘆 し終 って、 菩 薩 の母 に 向 っ て右 続 三 匝 し、(そ れ が終 っ て か ら)思 い の ま ま に出 て行 っ た。(こ れ は)菩 薩 の威 徳 に よ る(も
の で あ った)。 さて、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に入 った と き、(彼 は)低 くす ぎ て は い な い、 あ るい は 高 す ぎ て は い な い。 うつ伏 せ で は な く、上 向 き で は な く、左 脇 を下 に して は い な い し、 しゃ が ん で は い ない。 しか し、 母 の胎(内) で は、 右 側 で結 跡 跣 坐 して い る。 ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が 母 胎 に入 っ た と き、 胆 汁、 粘 液、 血、 そ の他 の ど ん な汚 物 に も繊 され て は い な い。 また、 菩 薩 は母 の胎(内)に 居 る と き は、香 料 を体 にす りこま れ、 浴 み させ られ て 清 浄 で あ る。 また、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が 母 胎 に 入 った と き、菩 薩 は母 を見 る こ とが で き る。 また 一方、 菩 薩 の母 も、 入 胎 した黄 金 の(輝 き を して い る)菩 薩 の体 84・85 を見 る こ とが で きて、 お お い に喜 ん で い る。 そ れ は丁 度、 瑠 璃 宝 が水 晶 の小 筐 に入 れ られ て い る よ うな もの で あ る。 菩 薩 の母 は、 黄 金 の(菩 薩 の)体 が母 胎 を照 ら してい る さ ま を、 見 る ので あ る。 〔214〕ま た、 大 目腱 連 よ!菩 薩 が母 胎 に入 った と き、天 衆 た ち は(妃 が) 昼 も夜 も快 適 で あ るか を、 た つ ね にや って くる。菩 薩 は右 手 を挙 げ て、 天 衆 た ち を喜 ば せ る。 しか し、母 を苦 しめ は しな い。 ま た、 大 目腱連 よ!菩 薩 が母 胎 に 入 った と き、天、 龍、 夜 叉、 ダ ー ナ バ魔 神、 羅 刹、 毘 舎 遮(鬼 神)な どは、 昼 も夜 も放 っ て は お か ない。 ま た、 そ こで は、 執 着 の話 や 情 欲 に関 す る こ と及 び そ の他 の不 実 な話 は され ない。 菩 薩 の美 しさ、 眉 目の よ さ、(菩 薩 が)居 られ る とい うこ と、威 徳、 膚 色、 栄 誉、 善 根 以 外 の こ と につ い て は語 らない。 母 胎 に入 った 菩 薩 へ の(彼 等 の)崇 敬 はや ま な か った。 天 上 の 楽 器 が奏 で られ る、 天 上 の沈 香 の 香 が 薫 り、天 上 の華 が雨 ふ り、天 上 の 香 が 雨 ふ る。 幾 千 の天 女 が 讃 歌 を唱 い、 踊 りま わ る。 さて、 大 目腱連 よ!菩 薩 が母 胎 に 入 った と き、菩 薩 の母 は幾 千 の天 女 た ち 86 と倶 に、 談 笑 して い る。 ま た、 菩 薩 の 母 が眠 って い る と きは、 天 女 た ち は曼 茶 羅 草 の花 環 で あ お ぐ。(こ れ は)菩 薩 の威 徳 に よる(も の で あ っ た。) こ の こ とは、 ま た、 大 目腱 連 よ!三 千大 千世 界 に於 て、 無 上 の 母 胎 に下 生 到 達 した もの な の で あ る。 93. あ の も う一 つ の不 思 議 な こ とを見 な さ い。 か の広 汎 な天 衆 の 中 で 最 上 の喜 び を生 み だす(そ の よ うな)話 が あ っ た の だ。 ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 94. 愛 欲 の話 もな い、 ま た、 天 女 の話 も な けれ ば、 歌 に つ い て の話 も ない 楽 器 の話 もな い、 こ の よ うに食 べ る話 もな け れ ば、 飲 む話 もな い。 95. 装 身 具 の話 も な けれ ば、 この よ うに、 衣 服 の話 も一 度 も起 らな い 〔215〕乗 車 や遊 園 の 話 も彼 らの心 に起 こ らない 96.「 善 い 哉!福 徳 の 力 を もつ大 導 師 の無 比 の光 は 天 界 及 び 世 間 に卓 越 して輝 く」 これ らが、 そ こで 咲 い た 話 で あ る。 97.「 善 い 哉、 そ の容 姿 の整 っ て い る菩 薩 が 無 比 の母 胎 に下 生 到 達 した こ と よ !」 これ らが、 こ の集 ま りの中 で 咲 い た い ろい ろ の話 で あ る。 87 98. 智 慧 勝 れ た方 につ い て美 しい 清 純 な称讃 の こ とば で時 を過 ごす。 また、 これ が集 団 の中 で咲 い た 話 で あ る。 99. こ の よ うに、 い ろい ろな 話 を して天 衆 た ち は喜 んで い る。 (つ ま り)離 欲 の人 の 姿、 膚 色、 威 徳、 威 神 力 の 話 を して。 す べ て の菩 薩衆 の母 た ち は、 十 カ月 が満 ちた 時、 子 供 を生 む。 十 カ月 が満 ち た 時 ス デ ィー パ ー妃 は(ア ル チ マ ッ ト王 に)言 った。 「王 よ!私 の願 い は、 蓮 華 苑 に行 く こ とな の です。 」 と。 王 は、 ス デ ィ ーパ ー妃 の(こ とば を)聞 い て大 臣 た ちに言 っ た。 「蓮 華 苑 に女 官 た ち を連 れ て、 私 は気 晴 ら し に行 く。」 と。 88 100.「 速 く、蓮華 苑 を、草、 木 株、 木 葉、 塵 埃 を と り除 い て 89 美 し く、香 ぐわ しい多 くの花、 香 水 を も って、 妙 香 あ る所 とせ よ!」 90 101.「 蓮 華 苑 で は、 タ マ ー ラ樹 の葉 の香 りをの せ て風 が戯 れ 香 わ しい香 りを放 た しめ よ。 爽 快 な気分 を生 じる風 を吹 か しめ よ!」
102.「 沈 香 の す ば ら しい香 りを もつ雲 を空 か ら蓮 華 苑 に降 ろせ 妙 香 気 に満 ち て い る蓮 華 苑 を速 か に蔽 うた め に!」 〔216〕 91 103.「 良 樹 を 一 本 ご と に、 上 棉、 羊 毛、 絹(の 細 布)で も っ て 92 天 上 の諸 神 の首 領 の(樹 の)よ うに如 意 樹 を飾 れ。」 天 衆、 天 女 衆 は香 気 あ る花 環 を も って、 アル チマ ッ ト王 の蓮 華 苑 にや って く る。 93 104. 頗 梨 珠 の耳 飾 りをっ け、 立 派 な着 物 を き て宝 石 ・真 珠 の首 飾 りを垂 れ 下 げ 94 香 気 あ る花 輪 を た つ さ え、 天 空 の道 を舞 い 降 りて くる。 95 105. あ る者 は 曼 茶 羅 華 の花 籠 を も ち、 あ る者 は、 黄 白檀(の 花 籠)を も ち 他 の も の た ち は、 ま た如 意 樹 製 の(幾 重 ね の)衣 服 を(も っ て い る) 106. 心 か ら喜 ん で、 天 女 衆 は、 陸 生、 水 生 の(花 の)花 環 を もち 宝 石 や 装 身 具 を身 に っ け て南 謄 部 洲 の方 を 向 くの で あ る。 96 107. 天 女 衆 は、 金 と宝 石 で で き て い る八 十 四千(=八 万 四 千)に 満 ち る 天 蓋 を た つ さえ、 天空 を舞 っ て い る。 97 98 108. 水 晶 ・宝 石 をち りば め られ た あ た か も楼 閣 の よ うに 幾 百 流 の 布 の憧 が、 空 高 く掲 げ られ て 空 い っ ぱい とな った。 99 109. 秋 の雲 は象 の 息 に も似 て、 明 る く光 り 蓮華、 青 蓮 華 とチ ャ ンパ カ の ま ざ りあ った 芳香 の あ る花 の 香 り(が 漂 う) 主要引用書 目及 び略号表
A. Anguttara-Nikaya part 1 (2nd ed.): A. K. Warder, PTS.
Lon-﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
-91-密
教
文
化
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BHSD Buddhist Hybrid Sanskrit Grammar and Dictionary, vol. i.
mar, vol. ii. Dictionary: F. Edgerton, New Haven, 1953
B HS G see above
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白 石(藤 田) 1. 山 梨 大 学 紀 要('51-'62) ドイ ツ 語 訳 2. 密 教 研 究No. 50, 53, 55, 59, 原 典 批 判 和 訳
abl. ablative loc. locative
acc. accusative m. masculine
AMg. Ardha-Magadhi n. neuter caus. causative nom. nominative
Edg. F. Edgerton see BHSD Opt. Optative
f. feminine para. parasmaipada
gen. genitive pl. plural
Impv. Imperative pres. present Indic. Indicative sg. singular
inst. instrumental Skt. Classical Sanskrit
註 (註 番 号 直 後 の 数 字 はMv. 原 典vol. 1の ペ ー ジ、 行 数 を 示 す。) 40. 201. 14. prativedayantu: Senartの 原 註 に、 こ ん な 語 形 は 全 く あ りそ う で な い と 言 っ て い る。 語 形 か ら で は な く、構 文 上、問 題 が あ る よ う に 言 う の で あ ろ う。 そ し yatamp又 はprativedayathaが よ い と し て い る。 結 果 は 原 訂 者 の 意 見 を く ん で、 「報 告 せ し め よ 」 と訳 した。 ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 しか し、B、C写 本 と も-antuで あ る。Senartの よ うに写 本 を無 視 して 語 尾 を変 え て しま え ば、 語 脈 の論 理 を悠 意 的 に 変 え られ る-こ の 場 合 はそ う で は な い が一 こ とに な る。antuが、 写 本 の記 述 され た時 代 の語 法 を正 し く表 現 して い る か ど うか は、 専 門 的 に検討 され ね ば な らな い が、 一 応、 二 つ の写本 に記 され て い る こ とは重 視 すべ き で あ る。 ここ で、 私 は 「シ ヤ タ ラシ ュ ミへ行 く複 数 の人 び と を して、 私 に報 告 せ しめ よ!」 の意 と して今 は理 解 して い る。 従 っ て、 原 訂 者 の改 訂 の語 形 は と らない。 41. 201. 19. mano na-samghata: samghataと は、複 雑 な 建 築物 全 体 を指 す の だ とい う原 訂 者 の 意 見 に沿 った。
42. 201. 20. d 202. 2. sajjam: SKt. srj Caus. sarjayati, Pali sajjeti の
Ger. 形 で あ る。
43. 202. 1. ayuh: JonesはJMv. 160. Noteで"for the usual praya im this formula"と 言 っ て い る。 そ し て"the race of mem"と 訳 し て い る。
これ は、 写 本Cpprajam, B. prapamと あ る の で、 prajamと 見 た の で あ ろ う。 写 本 か ら して ス ジ が 通 っ て い る と 思 う。 原 訂 者 も そ の 意 見 の よ うで あ る。 し か し、 こ こ で 使 用 さ れ た 写 本 全 部 がprajamを 支 持 して い る の に な ぜ Senartが、ayuhを 使 っ た の で あ ろ う か 判 ら な い。 も しayusを 使 う な ら、 p1. Acc. ayuを 使 う方 が よ い の で は な い か と思 う。
44. 202. 5. samadiyami: 専 心 す る 意 で 漢 訳 は 受 持 で あ る。
45. 202. 7. akhila: sakhilaの 反 意 語 と し て 使 用 さ れ て い る。Edgertomは
BHSD akhila, JomesはJMv. i. 160. moteで 指 摘 し て い る。
46. 202. 7. prativiramami: EdgertonはBHSD pratikramatiの 項 で、i.
145. 10. のtristubhの 半 ば に つ い てSenartの 校 訂 に つ い て、 写 本 に よ っ
詞pratikra-mtahはMvy. 2563に あ る よ う に、 極 め て 類 似 す る 意、味 だ と し そ の 漢 訳
で は 「棄 」 の 意 と な っ て い る-misrjaの 一 連 の 同 義 語 だ と も 言 っ て い る。
さ てpratikrantahは 蔵 訳 で はphyir-log-pa=go back又 はspais-pa=
abandonの 意 が あ る。 し か し、prati-/kramの 語 意、の 多 数 派 は や は りgo
backで あ り zuruckkommenで あ る。 意 味 か ら す れ ば、 こ こ
は、prati-vi-ramの 方 が ふ さ わ し い。 白 石 教 授 はabstehen, Jomesはrefraim fromと
訳 し て い る。
47. 202. 14. bhaveya: metreを 考 え な く て よ い の な ら、bhaveya単 で あ ろ う
が、 こ こ で は、bhaveyaが 適 当 で あ る。ii. 6. 11. の 酷 似 し た 情 景 描 写 の な
か でbhaveyaが 使 わ れ て い る。
48. 202. 16. abhirama: abhiramaが、 命 令 法、2. sg. と し て、metreに も 適
し て い る の で は な い か。abhiramaと 読 む。
49. 203. 8. jina-matur-: metreを 破 る こ と も な い の で、f. sg. acc. と し て
jina-matamと す る 方 が よ い。upa-/gamはacc. を 要 求 す る。
50. 203. 12. antarato: JomesはJMv. 116. の 註 で、 熟 慮 と か 独 り語 と言 う 概 念 は、 心 の 内 に とい う副 詞antaratoと い う語 中 に 含 ま れ て い る も の と 理 解 さ れ て い る と述 べ て い る。 「心 に 思 う」 と 訳 し た。
51. 203. 17. capodare:
a) i. 147. 2. capodare karatala-pratime vara-roma-rajini citra-stavane
b) i. 203. 17. raji-vicitre rucire
c) ii. 7. 13. -pramite
写 本 の 異 読 は、a)でBNACML=echatodare, b) でBC=nabhodare,
c)でB=chatodare, M=ehatore
Mvy. 5207. capodari(ni)rked-pa gshu-hi chap-gzuns,
bzun-ltar-phra-baと あ り、Dasはrked-paの 項 でthe waist, more particuary that part
﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密
教
文
化
where the girdlc is wormと し、 ま たalso defimed as gshu-hi hchai-bzui 仕 し て、弦 を 保 持 す る 弓 端 のV字 形 の 切 り 目 だ と説 明 し て い る。漢 訳 は 「腰 細
如 弓 把 」 と あ る。 本 来capaは 弓 と か 虹 の 意 で あ る。弓 の よ う に 細 い 腰 で は、 菩 薩 を 懐 胎 した 母 の 腹 と し て は ふ さ わ し く な い。EdgertonはBHSDの
capaの 項 で、capaはchata-=thinの 意 で、chatodareで あ る べ き だ とい う。 し か し、 こ れ は 明 ら か に 誤 解 で あ る。pali chata, Prak. chaa(cf. Pischel 328.)で 「空 腹 な、 飢 え た 」 を 意 味 す る。Mvy. の 漢 訳 も、Edgertonの 言 う意 も 語 脈 全 体 と し て、 す さ わ し い 訳 で は な い。 こ の と き、Mvy. 304. ksamodarah phyal-phyai-ie-baに つ い て の 荻 原 雲 来 博 士 の 解 説 註 記 を 一 読 す る 必 要 が あ る と 思 う。 同 博 士 の 梵 漢 対 訳 仏 教 辞 典 は 古 籍 に 属 す る の で、 以 下 煩 を い と わ ず、 全 文 を転 載 す る。 36. ksamodarahは 「腹 痩 」 の 義 に して 漢 訳 の 「腹 円 満 」 と は 其 意 義 相 反 す、 Lalit p. 107. 4. に はeapodarahと あ り、 此 れ 「弓 腹 」 の 義 に し て 腹 の 豊 満 せ る状 を詮 は せ る な ら ん、 故 に 此 を 「腹 円 満 」と訳 せ る は 至 当 と 言 ふ べ し、 然 る に 何 を以 て 今 の 文 にksamodarahと あ る や、 蓋 し雅 音 のksaは 俗 音 に て は 語 の 初 に あ る 時 はcaと な る慣 ひ な れ ば、 仏 教 用 語 を 俗 語 よ り雅 語 に 改 む る 際 に、caと あ る べ き 誤 り てksaと な せ し が 為 な り、 而 し て 雅 のpaは 俗 に maと な れ ば、終 にksamodaraと 言 ふ 不 道 理 の 語 を 生 ぜ り、 さ れ ば に や 後 の 仏 教 学 者 はksamodaraに 否 定 の 字 を加 え てa-ksamodaraと し て 通 用 し た る が 如 し、 故 にPV. 265. b. に はa-ksama-kuksitaと 言 へ り、 〔不 痩 腹 」 の 義 な り、Dhにa-ksobha-kuksita(不 動 腹)と あ る はa-ksama-kuksitaの 転 写 の 誤 か 又 は 転 誰 に して、 何 れ に し て も 此 に て は 意 義 を 為 さ ず、 宜 し くa-ksama-kuksitaと 改 む べ し、 而 し て 今 の 文 は 復 たcapodarahと 改 む の 要 あ り
PV.=Prajnaparamitd-vydkhya by Haribhadra. Prof. S. Levi's MS.
Dh.=Dharma-samgraha, ed. By F. M. Muller & H. Wenzel
(Anecdo-ta Oxoniensia, Aryan Series Vol. 1-Part V.) Oxford 1885.
(同 辞 典、 注 記P. 6. 36. 参 照)
同 博 士 の こ の 解 説 は 正 鵠 を 得 て い る と 思 う。 裏 打 す る よ う に、 そ の 蔵 訳 phyal-phyan-ne-baに つ い て、Ja. はpaumch, swag-bellyの 訳 を 与 え て い る。 弓 の よ う に 細 い の で は な く、(引 き し ぼ っ た)弓 の よ う な 布 袋 腹 の 意 な
の で あ る。 当 然 の こ と な が ら、 こ こ で は、 菩 薩 を懐 妊 し て、 お お き い 〔お な か 」 の こ と で あ る。
52. 204. 4. dnatta: Pali, AMg.=id. Skt djndpta
53. 204. 5. asamvarana: i. 536. にSenartは 「天 空 で 遭 遇 す る 可 能 性 の あ る 障 害 を 全 て、 天 空 か ら 一 掃 せ よ 」 の 意 だ と し て い る の で、 こ れ に 従 っ た。 54. 204. 7. こ の 最 後 の2padaに つ い て、Edgertpmは、BHSG8. 48. で、 krodhamをabl. のkrodhatかkrodhaに、agnisamoをagnisamaに 校 訂 す べ き で あ る と 言 っ て い る。Senartはace. を 用 い て い る。 写 本 はaCC. を 使 っ て い る。 私 は 原 訂 の 通 り が よ い と思 う。sam-ut-padの 目的 語 で あ る か ら、 原 訂 の語 形 が普 通 で あ る。 55. 204. 9. こ の 最 後 の2padaは、i. 536. の 原 訂 者 の 意 見 に 拠 っ て 訳 した。 56. 204. 11. vipula-buddhimato: i. 536. のmoteでSenartはvipulaを 支 配 し て い るaraksaか ら 隔 っ て い る が、vipulaはgamdharvaに か か る
momimatif plurielで は な く て、bodhisattvaを 示 すgenitifと し て と ら え ね
ば な ら ぬ と し て い る。 今 は、 原 訂 者 の 意 見 に 従 っ て 訳 し た。 又、 格 関 係 か ら
し て も 正 し い と 思 う。
57. 204. 12. catvari loka-patimo: 男 性 名 詞 を 中 性 変 化 形 の 形 容 詞 が 修 飾 し て い る。
58. 204. 16. mule: EdgertonはBHSG8. 11; 60. 及 びBHSD muleの 項
で、metreの 必 要 上、mullと す べ き だ と言 っ て い る が、 た し か に、-i locative も あ る が、 ま たshort e も あ っ て そ の よ う に 発 音 す れ ば、 原 訂 ど お りで も よ い。 写 本BCはmulaで あ る。 ﹃ マ ハー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密
教
文
化
59. 204. 16. dasamgulim: EdgertomはBHSG 10. 189. でdasanguliは i-stem f. で、metreは 短 を 要 求 す る の で、oliと す べ き だ と い う。
Edgは こ の 詩 形 を 何 調 に し よ う と す る の か 理 解 で き な い。 つ ま り、Edg. の 言 う通 りな ら ばabhimukkaに つ い て は、 校 訂 し な い の で あ る か ら、 第6と 第10韻 は 短 韻 で あ る と い う こ と に な る。 そ の 点 だ け を 強 調 す れ ばrathodd-hata調 と な り、 そ うす れ ば 却 っ て、 約 施 の 韻 が す べ て 合 わ な く な る。 と す れ ば、 た し か に1韻 が 合 わ な い が、imdra-vajra調 と考 え る方 が、 合 理 的 と 思 う。 60. 204. 18. upetu:=upetum
204. 19. tava: 写 本 はC, B, BCと もtavaで あ る。metreか ら し て も
tavaの 方 が よ い。
204. 19. amukampa: Opt. 2md. sg. と し て。peと 校 訂 す る 方 が よ い。 写 本
はBC amukampaya, C anukampayaで あ る。-yaは こ こ で は 語 脈 か ら し て
適 当 で な い。
204. 19. duhkkitam: Senartはduhkhitamと す る と し て い る。
61. 205. 1. lacuma: Senartはi. 537のmoteで、 こ の 欠 落 部 分 は 菩 薩 の 名
又 は 性 質 形 容 詞 な ど が 入 る の で あ ろ う と 言 っ て い る。
恐 ら く、(-)o-o-の4-5韻 の 語 で あ ろ う。
62. 205. 3. himarajata-nibho se sad-visano su: Lal. 55. 7. で
はhimaraj-ata-nibhas ca sad-visanah suと な っ て い る。
63. 205. 4. anavadya-gatra-sandhih: samdhihと 書 く べ き で あ ろ う
が、-m-の 音 価 がmで あ る こ と を 考 え、 写 本 に も-m-と は し て い な い の で、 そ の ま
ま 残 し た。
64. 206. 5. madiya: Edg. がBHSG §35に 述 べ て い る よ う に、mad+itva
65. 206. 8. amativara: Edg. のBHSDのamativaraの 項 を参 照 し、写 本 の 表 記 も併 せ て 検 討 す る と、amaticara, anabhicara等 の 語 形 が あ る。Edg. は anaivaraがH. D. T. ShethのPaia-sadda-mahannavo(Pkt.-Himdi Dict.)
に あ る と い う が、 同 書 を 参 照 で き な か っ た。 し か し、Semart及 びEdg. の 所 説 の よ う に、 「無 上 の 」、「無 比 の 」 の 意 と し た。
66. 206. 16. maha-prthivi ativa sad-vikaram kampe: Mvy. 3019-3030の 間
に、 東 西 南 北 と 辺、 中 央 の 六 方 が、 高 く な り、 低 くな る と い う計12種 が 記 さ れ て い る。 こ れ を 例 え ば 東 が 沈 み、 西 が 高 く な る の を 一 種 に 組 合 わ せ ば6種 と な る。
67. 207. 1. prasaraniyam: Edg. はBHSDの そ の 項 で、prasadaniyamと 読 む と し て い る。 し か し、 直 前 の 語 も、pra-sadの 派 生 語 で あ る の に、 同 じ 系 統 の 派 生 語prasadaniyamを 使 用 す る の も不 自然 で あ る。 第 二 に、 写 本 の ど れ に もsaraは あ っ て もsadaは な い。 従 っ て、 こ の 語 は 原 訂 どお り と し て お く。 た だ、prasaraniyaはSenartはPaliのsaraniyaの 相 当 語 と し て 理 解 し て い る。saraniyaの 語 根 に つ い て は 各 種 の 説 が あ り断 定 で き な い で い る。 い ま はpra-srを 考 え て も、pra-sriの 過 去 分 詞 がsrta。 と 誤 用 さ れ る 面 か ら考 え て も、 解 決 で き な い の で、Kernの 説 に 従 っ て、 「喜 ば せ る よ う に 」
と 訳 し た。
68. 207. 8. varahaka-: ii. 11. 19. に も 同 語 が あ る が、vala又 はbalaで
あ っ て、 雲 で あ る。i. 207. 8. も雲 の 方 が ふ さ わ し い か も 知 れ な い。
69. 207. 9. virasayane: Senartはi. 538. のmoteで 「勇 士 の 褥 」 を 想 わ せ る 語 で あ る が、 そ う で は な く、Prakritのvirasaneな る語 に ま ど わ さ れ て い る も の で、 「(宮 殿 の)高 い 所 に 横 た わ っ て い る 王 妃 」 の 意 で あ る と し、 virasanaはJaima教 徒 の 専 門 用 語 で あ る と指 摘 し て い る。 こ の 註 記 の 意 見 に 全 く従 っ た。 ﹃ マ ハ ー バ ス ッ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
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教
文
化
し か し、Jomesは、JMv. i. 164. noteでvirasayaneの 代 り にvirasaneを 入 れ る 方 が、PWの 説 明 に 合 致 す る し、 ま た こ れ ま で の 話 の 状 況 と も一 致 す る と言 っ て い る。 語 形 に つ い て は、 私 はJomesの 説 が 正 し い と思 う。 70. 207. 13. の 一 行 はii. 12. 3. の 一 行 に 相 応 す る。 71. 207. 16. dvatrimsallaksa-: い わ ゆ る 「大 丈 夫 の 三 十 二 相 」 と い わ れ る 相 に っ い て は、 こ の 燃 燈 仏 事 記 の 訳 後 に、 比 較 対 照 表 を用 意 し て い る の で、 こ こ で は 述 べ な い。
72. 207. 17. bhavasi: BC写 本 もbhavasiと な っ て い る。 要 は 語 尾 のsi
を ど う見 る か で あ る。Edg. はbhavahi(Impv.)で あ ろ う と言 っ て い る。 構 文 上 は、 「王 よ! お 慶 び あ れ!」 と い う と こ ろ で あ る。Jomesも"O
kimg, you should rejoice…"と 訳 し て い る。 関 係 す るii. 12. 7. で はhrsto bhavahi maravara yasya Lava kulasmim pratyutpammoと し て い る。 写 本 もbhavahiに つ い て は 異 読 は な い。 従 っ て、bhavahiと す る かOptative を 使 っ てbhavesiと す る か で あ る。 し か し、 hrsto bhavesiと 言 う用 法 の 是 非 は 今 後 の 用 語 例 を 見 て か ら考 え た い。'今 はbhavahiが 適 当 と思 う。 Senartはsubjonetifと し て 原 訂 の 語 形 を 取 っ た と 述 べ て い る。
73. 208. 1. ananya: そ の 前 の 語gatayoの 修 飾 語 で あ る が、 「こ れ 以 外 に は な い 」 の 意。
74. 208. 8. suvarna-rajano suvarnadhipatyo: suvarna- AMg. suvanna-, Skt. suparna, Pali supannaでgaruda(漢 訳 迦 楼 羅)の こ と で、 写 本 BCだ け が、varnnapata。 と し て い る。 基 本 的 に はsuvarnaを 否 定 し て い な い。
75. 208. 17. Lacuna: 記 録 さ れ て い るB、C写 本 か ら し て も、 復 原 で き な い。6韻 の 語 で あ る。
76. 209. 9. etaye vidhiye: vidhiは 男 性 名 詞 で あ る が、 女 性 変 化 を し て い る。 こ の こ と は、Edg. もBHSDのvidhiの 項 で 言 及 し て い る。 77. 209. 23. budhitartha-dharmo: budhitaに つ い て は、 写 本BとCが buddhitaで あ る。 当 然、budhitaの 原 訂 が 正 し い の で あ る が、 筆 者 の 誤 記 な の か、 そ の よ う な 語 法 が 半 ば 一 般 化 し て い た の か、 多 少、 気 に か か る 表 現 で あ る。
78. 210. 7. あ9. lokasya taとdharesi ra: lokasya taとdharesi
raと 読 む。
79. 210. 19. ojamam: Pali oja; AMg. oya; で あ る。PTSDはVedic ojasと
し、Child. はarjとojasの 二 っ を 挙 げ て い る。SemartはSkt. rasaの 相
当 語 で あ るUrjにojaを 帰 す べ し だ と 言 っ て い る。
Edg. はBHSDのojaの 項 で、ii. 131. 2.-3. (prose)vayam te
roma-krtpa-vivarantaresu divyam ojam adhyoharisyamah〔 わ れ わ れ は、 あ な た
の 毛 孔(の 隙 間)か らdivyam ojamを(あ な た の 体 に)入 れ ま す。 〕 を 例 文
と し て、 こ と にadhyoharatiを"used lm Pali, like lts moum ajjhohara
of food" と 言 っ て い る。 し か し、PaliのajjhoharatiはChild. PTSDと
も にto eat, to swallowで あ り、PTSDはtake as foodと も 言 っ て い る。
こ れ で 直 ち に、divyam ojamを"divine food"に 限 る と し、"oja meams simply food, not essemce or the like"と 断 言 し て 好 い も の で あ ろ う か?
'gottliche Emergie'と か、'divime stremgth'と も 言 え る の で は な か ろ う
か?こ と に 食 物 を 毛 孔 か ら と る と は つ じ っ ま が 合 わ な い。 私 は、 食 物、 エ ッ
セ ン ス、 栄 養 と も に よ く、 そ れ を 捨 象 し た 「活 力 」 で さ え も よ い と 思 う。
80. 211. 5. antamasato: i. 7. 10. で は、 次 の 通 り で あ る。
Senart校 訂 amtamasato
写 本BACML amta
BNA oantasas tato
﹃ マ ハ ー バ ス ッ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 L antasah tato CM antasah va C antasas va 恩 師 白 石(藤 田)教 授 の 和 訳 に よ れ ば、 荻 原 博 士 批 評 と写 本 に 従 っ て antasah tato valagraと 校 訂 す る と さ れ て い る。(密 教 研 究 第53号)211. 5. に つ い て は、 写 本BCはanasatoと して い る。 し か し、 こ こ は 全 くcorrupt
し て い る の で、 写 本 と恩 師 の 説 に 従 っ て、antasahと 改 定 す る。
81. 211. 6.-7. の 一 連 の 表 現 に つ い て
a) alpabadha bhavati alpatamka samaye vipakaniya grahaniye samanvagata
b) appabadho ahosi appatanko sama- vepakiniya gahaniya samannagato
a)続 き Anape atisitaye napy atiusnaye(samma-parlnamaye… …)
b)続 き natisitaya naccunhaya (ativiya annehi mamussehi……)
a) Mv. i. 211. 6.-7. b) DN. ii. 177. s. 20. 以 上 の 如 く、 全 く 同 文 と 見 て よい。 さ ら に、 こ の 直 後 の 語 句 が、a)、b)に 於 て 異 る の で、 上 記 で 一応、 区 切 っ た が、 次 の 問 題 に 取 りあ げ る の は そ の 直 後 の'samma-parinarnaye'と い う語 句 で あ る。 以 下 に 二-三 の 資 料 を 掲 げ る。 1. Mv. ii. 15. 5.-6. 上 記 a)と 同 文 が 続 き、 ……rtu-parinamaye… … 2. Mv. ii. 424. 2.-4. 上 記a)と 語 句 は 異 る が、 概 ね 似 た 表 現 が あ り、 ……rtu-viparinamaye(写 本Cはrtu-viparinaye)…… 3. A. ii. 87. 30.
……utu-parin. ama-Jaml va……
4. Anguttaratthakatha iii. 114. 19.
utu-parinamato atisita-atiunha-ututo jatani
はrtu-parinamayeで あ る と し て い る。Edg. の 論 謹 は 多 くの 例 証 に 支 え ら れ て 納 得 で き る。 と 同 時 に、Senartが 指 摘 して い る よ う に、Child. のparinamoの 項 にsammaparinamam gaccheyyaの 句 が あ り 'should become thoroughly digested'と 訳 が 与 え られ て お り原 訂 者 は こ れ に 依 拠 し て い る。
私 はi. 211. 7. のsamma-parinamayeに 関 す る 限 り、Senartの 校 訂 の 方 が 合 理 的 で は な い か と 思 う。 そ の 理 由 は 次 の よ うな こ と で あ る。 1. i. 211. 7. で は 写 本 はrtu-pariを 全 く支 持 し て い な い。 こ の 点、 上 記 の 資 料1. と2. に つ い て は 全 写 本 がrtu-pariを 支 持 して い る。 資 料3. と4. に っ い て も(4. に 於 て は、T. 本 がparinamajaniと して い る 以 外)異 読 は な い。 従 っ て、 私 は 上 記 の 資 料 でEdg. が 提 起 し た こ と は、 広 汎 な 資 料 を 裏 付 け と し て い る だ け に 納 得 で き る の で あ る が、 直 ち に そ の ま まsamma-をrtu-(utu-)に 変 え る こ と は 賛 同 で き な い の で あ る。 資 料211. 7. で 全 写 本 が 支 持 し て い な い の に、 語 脈 が 相 似 し て い る か ら と 言 っ て、 語 の 同 一 化(samma-をrtu-に 変 え る こ と)に 進 ん で よ い も の か と言 う こ とで あ る。
2. Child. の 例 句 の 動 詞 はgaccheyyaで あ る が、gacchatiはbhavatiと は 相 互 に 周 延 す る 概 念 を共 有 す る語 で あ る。 従 っ て、bhavati……samma-parlnamaye, と 考 え られ る の で あ る か ら、 こ こ は 写 本 を 尊 重 し てrtu-pare と は し な い でsamma-pariの 方 が よ い の で は な い か と思 う の で あ る。 82. 211. 14. sa-purva-samadznnani: 写 本C. に よ っ て、sampurna-samad-innaniと 読 む。
83. 212. 5. & others trikhuttam:
当、Dipamkara-vastuに 用 い られ て い る 個 所 と写 本 の 語 形 及 び 校 訂 を示 す と 次 の よ う に な る。
Senart校 訂 写 本B 写 本C
212. 5. trikhuttam trisutum trskrtva 212. 13. triskhuttam triskhutam triskrtya 213. 5. triskrtva triskrtva triskrtya
﹃ マ ハ ー バ ス ッ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密
教
文
化
231. 1. triskrtyo triskrtva triskrtya 246. 5. trikhutto triksunto trikhattam 246. 8. trikhutto triksunto triksuttam
こ の 部 分 の 校 訂 にSenartの 使 用 した 写 本 はBとCで あ る。
さ て、 上 記 の 語 はSkt. のtris-krtvasの 転 誰 で あ る が、tris-に 相 当 す る 前 分 を と り、 語 形 の 類 ご と に 整 理 す る と次 の よ う に な る。
Pali: -khattam, AMg.-khatta (Pischel Sgo, S566), -khutto (Pischel
§206)、
84. 213. 14. veruliyasya: Skt. vasurya; Pali veluriya; 本 文 の 此 の 語 は
Prakrit語 化 し て お り、AMg. と 同 形 で あ る。(cf. Pische1 §80、 §131、
§134、 §241)
85. 213. 14.-15. の 二 行 の 散 文 に つ い て
Senartは 散 文 の こ の 部 分 をii. 16. 18.-20. のarya調、3hemistichか ら な る詩 形 に あ わ せ て 再 建 し よ う と し て い る。 第2、 第3hemistichに つ い て は、 そ れ ぞ れ の 写 本 の 表 現 を 対 比 し精 し くmetreを 合 わ せ て も、 基 本 的 に 疑 問 に な る こ と は な い の で、 結 局、 問 題 は 第1 hemistichで あ る。 写 本 の 記 述 も合 わ せ て 見 る と 次 の と お りで あ る。
ii. 16. 18. (arya 調)
Senart 校 訂 yatha vaiduryasya mani sphatika-samudge kati-utsamgasmim
写 本BC yatha vai mudga-kati-samamgasmim
写 本B vaidurya
i. 213. 14. (散 文)
Senart校 訂 yatha veruliyasya mani sphatika- samudgasmim
写 本C yatha ceruliyasya tikasya mamudgatesmim
写 本B yatha ceruli dgasmi
と こ ろ が、 こ れ を上 棚 の 詩 句 に な ら っ て 校 訂 す れ ば、 写 本 の 記 述 も全 部 無 視 し て、 乱 暴 にii. 16. 18と 同 文 の よ う に や る か、 正 攻 法 と し て 写 本 に 頼 る 以
外 に方 法 は な い。 し か し、i. 213. 14. の 写 本 に はkati-utsampgaと い う語 は 何 一 つ な く、 そ の き ざ し も な い。 と い う こ と に な れ ば、 敢 てii. 16. 18. の 句 に な ぞ ら え よ う と す る こ と は 徒 労 で は な か ろ う か?こ の 事 情 に つ い て、 Jonesも"but has to admit that there is mo MS. authority for the imtroductiom of the mecessary Words"と 言 っ て い る。 要 は、i. 213. 14. は ii. 16. 18. に 比 し て7 matra不 足 し て い る の で、 そ の 直 前 の-samudgasmim を 工 夫 し てmats数 を減 ら し、ii. 16. 18. の よ う に、 kati-utsamgasmim
又 は そ れ に 類 す る 語 を 入 れ ば 完 全 にarya調(upagiti)が 復 元 で き る と 思 わ れ る が 一 私 も そ う し た い が 一 写 本 の 重 さ は ど う に も な ら な い。
従 っ て、 こ の 散 文 は 詩 形 が 恐 ら く崩 れ て 散 文 化 し た も の で あ ろ う と い う結 論 を 付 して、 暫 ら く、 保 留 し て 他 を 精 査 し て、 そ の 上 で 再 び 取 上 げ ら れ る 資 料 を 得 れ ば 再 論 す る こ と と し、 今 は こ れ 以 上、 進 め ら れ な い。
86. 214. 10. abhyabhavati: Edg. はBHSDのabhyavasatiの 項 でimdulges
imの 意 を 与 え、abhyabhavatiをabhyavasatiと 読 む べ き だ と し て い る。
私 はEdg. の 読 み 方 が よ い と 思 う。 そ れ は 語 意 が よ り 適 切 で あ る こ と と、 写
本Cが そ れ を 支 持 し て い る こ と か ら で あ る。
abhy-a-/bhuにpw. はJmd (acc.)begegnen、PWは 例 文 を 挙 げ 乍 ら
geschehem、begegnenの 意 を 与 え て い
る。abhyavasatiは、vasにabhy-a-と い う 前 接 字 が っ い た も の は 辞 典 に 見 あ た ら な い がa-VIS verweiem,
rimgem (eime Nacht)と あ り、abhi-vasはid. で あ る か
atiも 向 様 な 意 で あ る こ と は ま ち が い な い。 こ こ で、 写 本Cはabhyavasatiを 使 っ て い る し、 意 味 も 適 っ て い る。 以 上 か ﹃ マ ハ ー バ ス ッ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 ら、Edg. の 意 見 の よ う にabhyavasatiと 読 む。 87. 215. 6.-7. の 詩: こ れ はii. 18. 3.-4. の 詩 と基 本 的 に は 同 じ で あ る。 写 本 の 記 述 で、 多 少、 注 目す る こ と はsamjna-padehiをsamjnotpadehiと 記 し て い る こ と で あ る。 こ れ は 恐 ら く、metreの 制 約 上、utpadaが 使 え な い の で あ ろ う。 88. 215. 14. apagata-trna-khanda-patra-samskaram: Edg. はBxsDの khanuの 項 でkhandaはkhanuだ と し て、 三 例 を 引 用 し て い る。Edg. の 主 張 を 私 は 支 持 す る。Edg. の 引 用 は 簡 単 す ぎ る の で、 多 少、 前 後 に 文 を加 え、LaL Gv. に は 相 応 す る 漢 訳 を 参 考 の た め 添 え た。
資 料1: Lal. 39. 22.-40.2.
katamdny astau, tad yathd, vyapagata-trna-khdnu-kantaka-sarkara" kadhalya-nirmalam susiktam susodhitam anakula-vdta-tamo-rajo-vigata-da: nsaka-maksikd-patamga-sarisrpdpdgatam avakirna-kusumam samam panitala-jdtam...
大 正 蔵No. 187方 広 大 荘 厳 経 巻 第 二 vol 3. 546a.
何 等 為 入。 一 行 王 宮 忽 然 清 浄。 不 加 掃 漉。 無 諸 礒悪 塵 土 瓦 礫 蚊 虻 蛸 蜘。 百 足 之類。 周 匝布 散 種 種 妙 花 香 気 券 酸 。 私 訳 どん な八 つ の こ とか? そ れ は こ の よ うな もの で あ る。 草、 木 株、 荊 あ る も の・ 砂 利 ・瓦 礫 な どを取 り除 い て 清 らか に し、水 を撤 き、ひ く清 掃 され、 さ や か な風 は瞑 暗 と塵 を吹 き と ば し、蝿、 蚊、 蛾、 蛇 蜴 を取 り除 き、花 を散 じ、 平 坦 な さ ま は掌 の よ うで あ る。 資 料 2 Gv. 482. 7.-8.
raga-dosa-trna-thanu-kantakam drsti-sangabahukam ksatarnkuram
sattva-ksetra-parisodhanart hikah prajnalarngala drdham gavesate //30//
大 正蔵No. 278 (六 十 華 厳)巻 第 五 十 八vol. 9. 774. b 衆 生 田荒 稼 貧 志 邪 見 刺 為 浄 修 治 故 専 求 利 智 黎 大 正 蔵No. 279(八 十 華 厳)巻 第 七 十 七 vol. 10. 426. a 善 財 見 衆 生 心 田甚 荒 稼 為 除三 毒 刺 専 求 利 智 黎 大 正 蔵No. 293 (四 十 華 厳)巻 第 三 十 五 vol. 10. 821. b 善 財 見 衆 生 心 田甚 荒 礒 以 除三 毒 刺 専 求 利 智 黎 資 料 3 Mv. ii. 350. 18.-19.
khanu ca kantaka-thala ca sarkara sikata pi ca/
samanta bodhi-mandato hesta bhumau pratisthitah//
私 訳 木 株、 荊 あ る もの の叢、 砂 利、 小 石 の類 が(取 り除 かれ た) 菩 提 樹 下 の 開 悟 の座 の あ た りの地 面 で は。 こ こ で、 資 料2のthapu=sthnuで、 資 料3のthala=sthalaで あ る こ と は 言 う ま で も な い。 私 はkhanu=thanu=sthanu(木 株)で あ る と思 う。 従 っ て、Edg. の 意 見 を支 持 す る の で あ る。 次 はsamskaramな る 語 で あ る が、 こ れ は、 語 意 と し て、 ふ さ わLく な い 語 で あ る。samkaram(ご み)と す べ き で は な か ろ う か?写 本Bもsamkaram を 支 持 し て い る。 合 成 語 の 第 一 支 分 がapagata-で あ り、 第 二 支 分 以 下 が ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密 教 文 化 apagata さ れ た も の の 名 が 連 ね ら れ て い る の で あ る が、samkasaも、 samskaraも 語 脈 に 適 す る 意 味 を な さ な い。
89. 215. 15. -nikaram: Edg. はBHSD vikiraの 項 で、 写 本BCに-vikaram
と あ る の を も っ て、 そ れ を 採 用 し てvara-surabhi-kusuma-vikiramと し、 一
般 的 に は(act of)strewing, throwimg aboutの 意 と し て い る が、(ii. 18
11. で は 写 本BCは-vikiramで あ る)こ こ で はbahuvrihiと し てhaving
astrewing of beautiful fragrant flowersの 意 だ と し て い る。vikiraを 撤
く 意 で 使 う な らSkt vikirana=BHS vikiraと す る と い う 例 証 を 挙 げ な く
て は な ら な い。Mvy. 7391で もvikiranaで あ っ てvikiraで は な い。 蔵 語 で
はhthorで 撤 か れ る 意 と さ れ て い る。vikiraは 米 で あ る。Edg. の よ う に、
後 分 に 付 し て、 撤 布 さ れ た の 意 を 持 た せ る 意 見 は こ こ で は 支 持 で き な い。
90. 215. 16. -gamdha-vasita-sarira: -sarlraは 写 本BCもriraihと し て い
る が、i. 543. でsincantuに よ っ て 支 配 さ れ るace. と し
てgandha-vasita-salilaを と る かvataと 関 連 づ け てgandha-vasita-salilaを と る か に 迷 っ た
とSenartは 述 べ て い る。 私 は 後 者 を と る。 そ の 理 由 はSenart校 訂 の
-sariraや 写 本BCのriraihで は な くsalilaを と り た い か ら で あ る。
91. 216. 1.-2. の 詩: cf. i. 149. 5.-6. の 詩 形 と 同 文 で あ る。 92. 216. 2. kalpayatha: 2md. pl. の 命 令 形 に よ く 使 わ れ る 語 形 で あ る。 93. 216. 4. vigalita-vasana: こ れ は、 何 か の 誤 読 で は な か ろ う か? 語 意 は 「裸 形 の 」 「裸 の 」 で あ る。 私 は 全 く 反 対 の 意 に 訳 し た。 耳 飾 り や 首 飾 り を つ け た 天 衆、 天 女 が 裸 で は お か し い。 さ り と て、 写 本 に は 何 ら の 異 読 も な い。Jonesもresplemdemt garmemtsと は 訳 し て い る が、 彼 も 註 は つ け て い な い。 私 はsuvestita-vasanaと 読 む。-e-は 短 音 と す る。
94. 216. 5. oliyamti: Edg. はBHSD praliyatiの 項 でSkt pra-diの 代 用
う にflies dowmで は な くてflies upで あ る。 こ れ は 原 訂 の 方 が 正 しい。 216. 11. にpraliyamtiが 出 て く る が、 そ れ は、 「舞 い 降 り る 」 の で な く、
「空 を 舞 っ て い る」 意 で あ る。
95. 216. 6. Samgerioyo: Ardha-Magadhiで はsamgellia, でacollectiomの 意 だ とす る。Ratmaehamdraに よ れ ば、 正 確 に 対 応 す る 梵 語 は な い と言 う。 一 応、 「花 籠 」 と 訳 した が、 「多 く の 花 の量 」 を 言 え ば よ い の で あ る が、 Senartも 国 語 に ど う訳 した ら よ い か 頭 に 浮 か ば な い と言 っ て い る が、 私 も 同 様 で あ る。
96. 216. 10. caturasiti: Skt caturasiti, pali caturasiti
97. 216. 12. lepana-lepitaih: こ の 形 の 過 去 分 詞 に つ い て、Pischelは §565. で、 「あ ら ゆ る 方 言 で、 現 在 語 幹 か ら過 去 受 動 分 詞 は 頻 繁 に 形 成 さ れ る で あ ろ う」 と 言 い、 又、Geigerも §196. で 〔-ita形 の 過 去 分 詞 は 最 も多 く の 現 在 語 幹 に も と つ い て、 新 造 語 が つ く られ る に い た る そ の 故 に、 お お い に 普 及 し た の だ。 そ れ ら は、 総 て の 言 語 時 代 に 見 られ る。」 と言 っ て い る。 し か し、Edg. はBHSG 34. 7. で、 「こ れ は 中 期 印 度 ア リア ン共 通 の 現 象 で、 Pischel, Geigerの 上 記 の 論 で は 解 明 さ れ て い な い。M. Leumamm, IF 57. 206に よ い 記 述 が あ っ て、-ita形 の 規 則 変 化 の 中 期 印 度 ア リ ア ン の 過 去 分 詞 は、Pischel, Geigerが 言 う よ う に"現 在 語 幹"に 基 づ く も の で は 決 し て な く て、 語 幹 現 在(thematic presemt)に 基 づ く も の な の で あ る」とい う。 M. Leumamm教 授 の"lmdogermanische Forschumg"を 読 ん で い な い の で 意 見 を 述 べ る 立 場 に は な い。 又、Edg. の 文 法 書 で 言 う thematic presemtと は 何 か、Geiger, PischelのPraesensstaminと ど う違 う の か、 も うひ とつ 私 に は ハ ッ キ リ理 解 で き な い。 意 味 と し て は、 「塗 りつ け られ た 」 が 正 し い が、 「幾 百 の 楼 閣 に 水 晶 ・宝 石 を 塗 りつ け た 」 姿 で あ っ て、 果 し て 私 訳 の よ う に、 あ た か も 乏 し く壁 面 に 「ち り ば め た 」 よ う に 表 現 し て よ い か ど うか は 多 少、疑 念 は 残 る。却 っ て、 「水 晶 ・ 宝 石 を(一 面 に)塗 りあ げ た 」 と 表 現 す る 方 が 適 して い る か も知 れ な い。 ﹃ マ ハ ー バ ス ツ ﹄ ﹁ 燃 燈 仏 事 記 ﹂ 試 訳 (二)
密
教
文
化
98. 216. 12. kutagara-satehi: Jomesが、JMvi. 172. moteで 指 摘 し て い る よ う にii. 19. 9. で はkutagara-samehiと な っ て い る。 と こ ろ が、 そ の ど ち ら に も写 本 に 異 読 が な い。 従 っ て-satehiも-samehiもSenartの 校 訂 通 り で よ い の で あ る が、 全 体 の 文 意 か ら し て、 掲 げ ら れ た 憧 幡 の さ ま が、 ま る で 楼 閣 の よ う に 見 え る と し た 方 が ふ さ わ し い の で は な い か と 思 う。 ひ と た び は 幾 百 の 楼 閣 と 訳 し た が、 相 似 ・等 し さ を表 わ す 形 容 詞samaの つ い たin-strumemta1と 解 し た。 た 雲、 写 本 に そ の 種 の 記 述 が な い こ と に、 た め ら い を感 ず る。
99. 216. 14. gaja-svasana-sannikasa: Senartはi. 544. のnoteで、 「天 の 象 の 呼 気 の 蒸 気 に も な ぞ ら え られ る雲 」 の 意 で あ る が、gagama-gaja-「 天 の 象 に 似 た 雲 」 と置 き 換 え た い ほ ど だ と 述 べ て い る。 こ の 詩 と 同 じ句 を も つ ii. 19. 11. に は、 全 く同 一 語 が 用 い られ て い る。 但 し、 そ の 部 分 の 写 本 の 異 読 は 全 く無 意 味 で あ る。 従 っ て、 こ こ は原 訂 ど お り の 読 み と し た。