瑜
祇
経
の
研
究
(一
)
(
特
に
成
立
に
注
意
し
て
)
安
原
賢
道
目 次 第 一 瑜 紙 経 の 外 的 研 究 一 瑜 祇 経 の 口 本 へ の 傳 來 二 瑜 祇 経 の 外 形 三 瑜 祇 経 の 課 者 四 大 勝 金 剛 品 に 就 い て の 疑 問 第 二 瑜 舐 経 の 本 質 的 研 究 二 瑜 祇 経 の 梗 概 二 金 剛 乗 の 成 立 1 金 剛 乗 の 本 質 2 法 界 智 の 先 騙 思 想 と 四 智 3 五 法 と 五 智 三 瑜 祇 経 と 雨 部 大 経 1 初 會 の 金 剛 頂 経 と 喩 紙 経 2 瑜 紙 経 と 大 日 経 四 瑜 紙 経 の 本 旨 1 瑜 舐 経 各 品 の 關 係 2 普 賢 金 剛 薩 唾 楡 伽 法 3 普 賢 金 剛 薩 唾 と 喩 紙 経 諸 尊 と の 關 係 イ 普 賢 金 剛 薩 唾 と 愛 染 王 ロ 普 賢 金 剛 薩 唾 と 佛 眼 佛 母 ハ 普 賢 金 剛 薩 唾 と 金 剛 薩 唾 二 善 賢 金 剛 薩 唾 と 金 剛 夜 叉 4 大 勝 金 剛 心 瑜 伽 成 就 法 と 瑜 祇 経 本 尊 第 三 瑜 祇 経 本 曾 寸 と し て の 愛 染 王 の 研 究 一 愛 染 王 の 前 舅 と し て の 托 枳 尼 と 金 剛 手 1 陀 枳 尼 の 前 均 ダ ー キ ン 2 粍 枳 尼 と 金 剛 手 二 印 度 教 に 於 け る 托 枳 尼 瑜 祇 経 の 研 疵 五 九瑜 祇 経 の 研 究 六 ○ 三 密 教 経 典 に 表 れ 旗 ろ 金 剛 手 と 任 杁 尼 1 大 日 経 系 の 金 剛 手 と 呪 枳 尼 2 金 剛 頂 経 系 の 金 剛 手 と 托 枳 尼 3 愛 染 王 と 金 剛 薩 唾 と 吃 枳 尼 第 四 瑜 祇 塔 の 研 究 一 金 剛 峯 櫻 閣 と 金 剛 摩 尼 賓 峯 縷 閣 二 瑜 祇 塔 の 預 想 ぜ る 塔 已 上
第
一
瑜
祇
経
の
外
的
研
究
一
瑜
祇
経
の
日
本
へ
の
傳
來
瑜
祇
経
は
具
さ
に
は
金
剛
峯
縷
閣
一
切
喩
伽
喩
祇
経
と
云
ひ、
梵
文
原
本
未
だ
登
見
さ
れ
す、
叉
西
藏
文
大
藏
経
中
に
も
無
く
只
漢
課
の
み
現
存
す
る
の
で
あ
る。
此
の
漢
鐸
経
典
の
日
本
へ
の
傳
來
を
諸
目
録
並
に
佛
教
大
年
表
等
に
よ
り
年
代
を
墾
照
し
て
請
來
順
に
槻
る
と
左
の
如
く
で
あ
る。
弘
法
大
師
御
請
來
目
録
(大
五
五、
二〇
六
二
)
大
同
元
年
(
一、
四
六
六
)
金 剛 峯 縷 閣 一 切 喩 伽 喩 祇 経 一 巻 課 號 無 し 圓 行 露 嚴 寺 和 尚 請 來 法 門 道 具 等 目 録 (大 五 五、 二 〇 七 二 ) 承 和 六 ハ 年 ( 一、 四 九 九 )金
剛
吉
鮮
大
成
就
品
経
跡
鵡
頂
罫
縷
一
巻
課 號 無 し 恵 運 律 師 恵 渾 律 師 蛍 日 目 録 (大 五 五、 一 〇 七 二 ) 承 和 十 四 年 ( 一、 五 〇 七 ) 金 剛 峯 櫻 閣 一 切 喩 伽 喩 祇 経 一 巻 金 剛 智 繹 圓 仁 慈 畳 大 師 入 唐 新 求 聖 教 目 録 (大 五 五、 一 〇 八 ○ ) 承 和 十 四 年 ( 一、 五 〇 七 ) 金 剛 吉 祥 大 成 就 品 一 憲 繹 號 無 し圓 載 和 尚 新 書 爲 請 來 法 門 等 目 録 (大、 五 五、 二 二 〇 八 ) 貞 槻 七 年 ( 一、 五 二 五 ) 金 剛 吉 詳 大 成 就 法 一 巻 課 號 無 し 繹 林 寺 宗 叡 繹 林 寺 宗 叡 信 正 目 録 繹 林 録 外 (大、 五 五、 一: 二 ) 貞 幅観 八 年 ( 一、 五 二 六 ) 二 説 貞 観 九 年 ( 一、 五 二 七 ) 金 剛 峯 縷 閣 一 切 喩 伽 喩 祇 経 一 憲 繹 號 無 し 黄 桀 の 鐵 眼 繹 師 が 寛 文 年 間 ( 二、 三 二 三-二、 三 三 二 ) 明 藏 の 醗 刻 を 爲 さ れ し よ り 金 剛 峯 櫻 閣 一 切 喩 伽 喩 紙 経 の ﹃ 二 巻 本 ﹄ が 日 本 に 弘 ま る に 至 つ た の で あ る。 二 喩 瓶 経 の 外 形 弘 法 大 師。 恵 運。 宗 叡 の 三 者 の 請 來 録 は 皆 一 巻 の 金 剛 峯 櫻 閣 一 切 喩 伽 喩 祇 経 で あ る。 恵 運 及 宗 叡 の 請 來 せ る 経 典 は 目 録 上 に あ る の み に し て 原 形 如 何 な る や 明 か な ら ざ る も 弘 法 大 師 の 御 請 來 経 は 三 十 帖 策 子 に 載 せ ら れ た る よ り 推 せ ば 大 禮 に 於 て こ の 三 者 の 原 形 は 類 向 し て 縮 冊 藏 経 等 に 載 せ ら れ た る も の と 類 似 せ る も の と 思 は れ る の で あ る。 併 し な が ら 圓 仁、 圓 行、 圓 載 の 三 者 の 請 來 経 は 金 剛 吉 祥 大 成 就 品 経 等 品 経、 品、 法 の 異 は あ れ ど も 何 れ も 皆 嬢 嚴 寺 圓 行 の 請 來 せ る も の と 類 似 に し て 金 剛 峯 縷 閣 一 切 喩 伽 喩 祇 経 の 第 九 品 の 抄 出 せ ら れ し も の と 考 へ ら れ、 而 も 其 の 抄 出 経 典 は 京 都 加 茂 神 光 院 に 傳 は る ﹃ 蓮 膿 自 筆、 浮 嚴 註 ﹄ の 喩 祇 経 一 巻 本 の 第 九 品 に 於 け る ﹃ 説 此 語 巳 時 ﹄ 以 下 は 下 巻 な り と 註 せ ら れ 居 り 叉 南 山 龍 光 院 所 傳 の 金 剛 智 鐸 一 巻 喩 祇 経 の ﹃ 此 秘 経 者 観 照 義 室 律 師 所 持 本 加 朱 黙 書 入 等 了 云 々 寳 暦 十 三 秋 九 月 東 大 寺 戒 檀 院 長 老 性 善 ﹄ な る 奥 書 あ る に 由 る と 同 じ く ﹃ 説 此 語 已 時 ﹄ の 慮 に 註 楡 祇 経 の 研 究 層 六 一
瑜 祇 経 の 研 究 六 二 し て 鞠 ﹃ 此 経 本 末 二 雀 と 爲 る 則 自 下 別 憲 と な る、 題 云 金 剛 峯 縷 閣 一 切 瑜 伽 瑜 祇 経 金 剛 吉 群 大 成 就 品 之 除 ﹄ と あ る。 是 等 の 記 録 よ り 考 ふ る に 本 末 二 巻 と し て 傳 へ ら れ し 事 が 窺 は れ る の で あ る 。 明 本 は 上 下 二 恕 と な り 一 忽 本 と 内 容 に 於 て 差 異 を 認 め ざ る も 外 形 品 節 に 於 て は ︼ 巻 本 に は 多 く 第 一 品 を ﹃ 品 一 ﹄ 或 は ﹃ 品 第 こ と し 明 本 は ﹃ 序 品 第 一 ﹄ と 序 の 字 を 加 へ 更 に 第 五 品 に 於 て 一 巻 品 は 何 れ も 皆 金 剛 峯 縷 閣 一 切 喩 伽 喩 祇 経 愛 染 王 品 第 五 と 一 経 の 総 題 を 置 く に 明 本 は 只 愛 染 王 品 第 五 と の み に て 一 経 の 総 題 を 置 か す 而 し て 第 九 品 以 下 を 以 て 下 雀 と し て を る、 是 れ 私 に 思 ふ に 恐 ら く 明 本 上 刻 の 際 か 或 は そ の 前 に 何 人 か 外 形 整 備 を 目 的 と し て 第 五 品 の 総 題 を 除 き 第 一 品 に 序 の 字 を 加 へ し も の な ら む。 之 に つ き て ﹃ 諸 儀 軌 稟 承 録 第 十 二 ﹄ に 初 品 は 是 れ 一 経 の 宗 要 飴 経 の 如 く 衆 集 現 瑞 之 序 に 非 ざ る が 故 に 序 品 と 云 は す 唯 品 一 と 日 ふ、 大 明 印 本 に 序 品 第 一 と 云 ふ 者 後 人 妄 り に 加 へ た る 歎。
又
第
五
品
に
つ
き
て
は
眞
言
宗
五
部
秘
経
傳
授
要
路
在 騨 光 院 書 庫 本 五 ノ 九 に ﹃ 此 品 殊 に 一 経 の 総 題 を 冠 す る は 愛 染 王 殊 に ︼ 経 の 主 た る を 顯 す 也、 明 本 総 題 を 除 く は 後 人 之 を 除 く 耳 ﹄ と 云 つ て ゐ る。 是 れ 先 徳 已 に こ の 意 を 示 せ る も の に は あ ら ざ る か。 三 瑜 祇 経 の 課 者 瑜 祇 経 の 澤 者 に つ い て 古 來 異 説 あ り、 即 ち 弘 法 大 師 は そ の 御 請 來 本 た る 三 十 帖 策 子 本 に は 明 か に 南 天 竺 國 三 藏 金 剛 智 鐸 と あ る に 其 御 請 來 目 録 に は 不 塞 三 藏 一 百 鯨 部 の 諜 経 の 中 に 列 ね ら る、 又 頼 瑜 の ﹃ 拾 古 鋤 ﹄ に は、 高 野 中 院 等 の 五 本 は 南 天 竺 國 三 藏 金 剛 智 鐸 と云 ふ。 中 略 勧 修 寺 本 は 大 廣 智 不 塞 奉 詔 課 と 云 ふ 云 々 と 記 し 當 時 勧 修 寺 に 傳 は れ る 経 典 に は 不 塞 三 藏 の 謬 號 あ り し 串 を 示 し て を る、 更 に 叉 神 光 院 書 庫 に 傳 は る ﹃ 秘 密 儀 軌 随 聞 録 ﹄ 上 下 二 怒 の う ち 下 に は
御
請
來
の
本
に
は
不
塞
繹
と
あ
り、
金
剛
智
繹
と
有
る
は
誤
り
也
と
云
つ
て
を
り、
東
寺
観
智
院
の
書
庫
に
傳
は
る
日
玉
講、
賢
賀
の
記
た
る
﹃
喩
祇
経
傳
受
聞
書
第
三
﹄
に
は
こ
の
二
経
本
を
概
し
て
左
の
如
く
言
つ
て
を
る。
或
本
の
表
紙
に
註
し
て
云
金
剛
頂
峯
櫻
閣
一
切
喩
伽
喩
祇
経
品
第
一
特
進
試
鴻
櫨
郷
大
興
善
寺
三
藏
沙
門
大
廣
智
不
塞
奉
詔
課
中
略
興
然
の
記
に
云
安
元
二
年
七
月
二
十
四
日
上
件
の
繹
本
を
以
て
雅
交
せ
る
所
金
剛
智
所
繹
経
に
全
く
差
異
無
し
猶
之
を
勘
す
可
し
云
々
と、
之 に 由 つ て 考 ふ る に 安 元 二 年 は 日 本 紀 元 } 入 三 六 年 に し て 二 巻 本 の 未 だ 出 ざ る 時 に し て 一 忽 本 な る 事 明 か な り、 而 も ﹃ 秘 密 儀 軌 随 聞 録 ﹄ の 説 を 墾 し て 考 ふ る と 弘 法 大 師、 恵 運、 宗 叡 の 何 れ か の 本 な る 事 が 考 へ ら れ る、 然 る に 恵 運 の 目 録 に は 金 剛 智 諜 の 號 あ り、 弘 法 大 師 の 目 録 に は 繹 號 な け れ ど 請 來 本 た る 三 十 帖 策 子 本 に 金 剛 智 繹 と あ る こ と は 前 記 の 如 し。 宗 叡 の 請 來 本 の み 未 だ 何 人 の 謬 な る か 明 か な ら す、 然 つ て 又 或 は 宗 叡 請 來 の 経 典 に 不 室 三 藏 の 謬 號 あ り し や と も 考 へ ら れ る の で あ る。 若 し こ の 推 定 を 許 す な ら ば 弘 法 大 師 の 請 來 よ り 約 六 十 年 後 に は 不 室 三 藏 謬 と 號 せ る 経 典 あ り し 事 と な り 又 弘 法 大 師 に し て 明 か に 其 の 請 來 本 に 金 剛 智 謬 と あ る に 其 ﹃ 請 來 目 録 ﹄ 殊 に 朝 廷 へ 奏 上 す べ き 重 要 目 鎌 に 不 室 三 藏 謬 経 中 に 列 ね ら れ る に は 何 等 か の 口 傳 な り 傳 承 な り が 存 せ ざ る べ か ら ざ る も の と 思 考 せ ら れ る の で あ る。 瑜 祇 経 の 研 究 六 三瑜 祗 経 の 研 究 六 四
又
支
那
に
於
け
る
有
力
な
る
謬
経
目
録
を
槍
す
る
に
﹃
貞
元
録
﹄
に
未
だ
之
を
載
せ
す
﹃
至
元
法
寳
勘
同
総
録
巻
第
七
﹄
に
至
り
て
始
め
て
金
剛
峯
縷
閣
喩
祇
経
}
巻
唐
天
竺
三
藏
金
剛
智
繹
拾
遺
編
入
右
蕃
本
闘
と
あ
る。
更 に 課 號 そ の も の を 槍 す る に 二 巻 本 は 唐 南 天 竺國
三
藏
沙
門
金
剛
智
課
と
あ
り、
一
巻
本
は
南
天
竺
國
三
藏 金 剛 智 鐸 或 は 金 剛 智 奉 詔 鐸 と あ り、 或 は 唐 天 竺 國 三 藏 金 剛 智 繹 と あ り 一 定 な ら す。 彼 此 種 々 勘 考 す る に 弘 法 大 師 請 來 當 時 已 に 喩 祇 経 の 課 者 に つ き て 疑 問 の 存 せ る こ と が 窺 は れ、 随 つ て 或 経 本 に は 不 室 三 藏 の 謬 と せ し め た と 思 は れ る。 か く 喩 祇 経 の 課 者 は 何 人 た る か 支 那 に 於 て 已 に 明 か な ら ざ り し も の と 思 考 せ ら れ る の で あ る。 四 大 勝 金 剛 品 に つ い て の 疑 問 喩 舐 経 第 入 品 た る ﹃ 一 切 如 來 大 勝 金 剛 頂 最 勝 眞 實 大 三 妹 耶 品 ﹄ の 一 品 は 内 容 に 於 て 大 日 所 憂 の 大 勝 金 剛 が 三 十 七 尊 の 明 及 び ﹃ 五 喩 伽 の 法 ﹄ を 説 き 且 つ そ の 始 め の 句 は 序 分 と も せ ら る べ き 説 法 の 準 備 の 語 句 で あ る。 帥 ち 時 に 遍 照 薄 伽 品 復 種 々 の 光 明 を 現 じ た ま へ り、 頂 上 よ り 金 剛 威 怒 の 光 明 を 放 つ て 諸 の 菩 薩 を 照 す、 金 剛 手 等 皆 各 黙 然 た り。 復 身 手 を 現 じ 十 二 胃 を 具 ふ、 智 拳 印 を 持 し 復 五 峯 金 剛 と 蓮 花 と 摩 尼 と 錫 磨 と 鈎 と 索 と 錬 と 鈴 と 智 劒 と 法 輪 と の 十 二 の 大 師 を 持 す、 身 千 葉 の 大 自 速 花 に 住 し て 身 色 日 の 如 し。 五 髪 に 光 明 あ り、 其 の 光 主 な う し て 十 方 に 遍 す 云 々。 と 云 ひ、 而 し て 眞 言 等 を 説 く 叉 最 後 の 四 句 は 流 通 分 と も 観 ら る ゝ 語 句 で あ る、 即 ち 時 に 會 の 諸 菩 薩 一 切 執 金 剛 一 心 に 佛 心 を 魏 じ 観 喜 し て 安 住 し き こ れ を 明 本 に 比 す に ﹃ ︼ 心 ﹄ の 心 を 切 と し ﹃ 一 切 ﹄ とせ る 外 皆 同 じ 又 こ の 語 句 を 棘 光 院 に 傳 は る ﹃ 蓮 膿 自 筆、 浮 嚴 註 ﹄ の 経 血 ハに 由 る と 浮 嚴 和 術 は ﹃ 二 品 の 流 通 分 也 と 註 せ ら れ て を る 。 又 喩 祇 経 の 第 一 品 に 於 て 普 賢 金 剛 薩 唾 と 大 勝 金 剛 と を 結 合 同 一 親 せ る 塵 あ り、 即 ち 金 剛 界 の 如 來 復 金 剛 手 に 告 げ て 言 は く、 若 し 善 男 子 善 女 入
あ
り
て
此
深
密
喩
伽
金
剛
︼
切
如
來
大
勝
金
剛
心
喩
伽
を
受
持
し
て
三
十
七
曾
自
豊
の
聖
智
を
成
就
せ
ん
と
な
ら
ば、
中
略
此
れ
を
普
賢
金
剛
薩
錘
の
三
昧
耶
三
十
七
尊
深
密
相
癒
と
名
く、
と
云
つ
て
﹃
大
勝
金
剛
心
喩
伽
﹂
期
ち
﹃
普
賢
金
剛
薩
唾
の
喩
伽
﹄
と
す。
又
喩
紙
経
十
二
品
中
他
の
十
一
品
は
そ
の
醤
告
衆
は
皆
金 剛 手 或 は 金 剛 薩 唾 な る に 第 入 品 の み 秘 塘 主 の 名 に 呼 び か け て を る。 又 喩 祇 経 一 怒 全 禮 は 第 一 品 に 総 膿 た る 普 賢 如 來 則 普 賢 金 剛 薩 唾 の 三 昧 を 説 き 他 は そ の 開 説 な る に 大 勝 金 剛 は 叉 五 智 五 部 総 腱 な る 事 而 も 之 を 策 一 品 に 於 て 結 合 せ る 事 前 述 の 如 し 叉 大 勝 金 剛 は 喩 祇 経 に 始 め て 出 し 尊 に あ ら す 已 に 阿 閣 梨 所 傳 の 曼 茶 羅 に は 第 一 重 左 方 に 位 せ る 尊 な る 事。 是 等 の 事 よ り 考 ふ る に こ の 三 品 は 已 に 一 経 と し て 存 在 し 居 り し を 喩 紙 経 作 者 が 引 用 し て 喩 祇 経 十 二 品 を 作 り し に は 非 ざ る や と 思 は れ る の で あ る。第
二
瑜
舐
経
の
審
質
的
研
究
一 喩 舐 経 の 梗 概 瑜 祇 経 は 他 の 諸 大 乗 経 典 の 結 構 と 同 じ 機 に 序. 正、 流 通 の 三 分 形 式 を 成 し て 居 る。 大 法 を 説 く 準 備 と も 云 ふ べ き 序 説 と 正 し く 大 法 を 説 け る 正 宗 分 と 結 び た る べ き 流 通 分 と よ り な る、 こ の 喩 祇 経 は 一 経 十 二 品 よ り 成 り 第 三 品 に 一 経 思 想 の 源 底 が 有 り 他 品 は 之 を 開 説 し た も の で あ る 。 瑜 舐 経 の 研 究 六 五喩 祇 経 の 研 究 六 六
第
一
品
金
剛
峯
縷
閣
一
切
瑜
伽
瑜
祇
経
品
五
智
所
成
の
四
種
法
身
た
る
金
剛
界
遍
照
如
來
が
五
智
所
成
の
光
明
心
殿
に
自
春
囑
と
倶
に
住
し
三
十
七
尊
各
各
に
一
字
心
を
説
き
叉
こ
の
三
十
七
尊
の
総
髄
た
る
金
剛
界
如
來
が
一
切
如
來
大
勝
金
剛
心
喩
伽
を
持
し
て
三
十
七
尊
の
自
畳
の
聖
智
を
成
す
る
事
を
説
き
叉
金
剛
界
普
賢
如
來
が
三
種
の
成
佛
法
を
説
く。
第
二
品
三
切
如
米
金
剛
最
勝
王
義
利
堅
固
染
愛
王
心
品
世
尊
が
馬
陰
藏
三
摩
地
に
入
り
て
染
愛
王
の
心
眞
言
及
印
功
能
等
を
説
く。
第
三
品
撮
一
切
如
來
大
阿
闇
梨
位
品
金
剛
界
の
如
來
が
一
切
如
來
眼
色
妙
明
照
三
摩
地
に
入
り
罎
一
切
阿
閣
梨
位
の
眞
言
及
印
功
能
等
を
説
く。
第
四
品
金
剛
薩
唾
冒
地
心
品
世
尊
が
金
剛
薩
唾
菩
提
心
の
明
及
印
功
能
等
を
説
く。
第
五
品
金
剛
峯
櫻
閣
一
切
喩
伽
喩
祇
経
愛
染
王
品
金
剛
手
が
佛
の
聴
許
を
得
て
愛
染
王
の
像
法
功
能
及
一
字
心
明、
印
愛
染
王
の
異
名
及
五
種
印
等
を
説
く。
第
六
品
一
切
佛
頂
最
上
遍
照
王
勝
義
難
催
邪
二
切
虚
喩
伽
四
行
揖
法
品
金
剛
手
が
金
剛
薩
唾
の
四
振
行
を
説
く
第
七
品
一
切
如
來
大
勝
金
剛
心
喩
伽
成
就
品
金
剛
手
が
金
剛
薩
睡
を
成
就
す
る
眞
言
及
功
能
を
説
き
會
中
の
諸
地
の
菩
薩
が
金
剛
手
を
嘆
す
時
に
一
障
者
忽
然
現
前
し
世
尊
こ
の
障
者
の
來
由
を
説
き
金
剛
手
が
佛
の
聖
旨
を
承
け
て
こ
の
自
性
障
の
金
剛
頂
法
を
説
く
。
第
八
品
一
切
如
來
大
勝
金
剛
頂
最
勝
眞
實
大
三
昧
耶
品
遍
照
薄
伽
梵
十
二
胃
を
出
生
し
大
勝
金
剛
頂
最
勝
眞
實
大
三
摩
耶
の
眞
言
及
び
頚
を
説
き、
更
に
入
大
明
劒
輪
等
の
密
語
及
び
五
喩
伽
の
法
を
説
く。
第
九
品
金
剛
吉
祥
大
成
就
品
金
剛
薩
唾
一
切
佛
母
の
身
を
現
作
し
て
佛
眼
佛
母
の
眞
言
及
功
能
を
説
き
更
に
観
行
秘
印
曼
茶
羅
法
佛
母
の
無
上
勝
讃
佛
母
の
書
像
と
曼
茶
羅
の
法
と
を
説
く。
第
十
品
一
切
如
來
内
護
摩
金
剛
儀
軌
品
前
温
に
お
け
る
佛
母
が
内
護
摩
の
法
を
説
く。
第
十
二
品
金
剛
薩
錘
菩
提
心
内
作
業
灌
頂
悉
地
品
世
尊
が
内
作
業
灌
頂
法
等
を
説
く。
第
十
二
品
大
金
剛
焔
口
降
伏
一
切
魔
怨
品
世
尊
が
未
來
薄
幅
の
有
情
を
観
じ
て
大
悲
盤
三
昧
地
に
住
し
て
金
剛
盤
の
明
及
阿
尾
捨
の
法
及
曼
茶
羅
及
そ
の
功
能
更
に
金
剛
夜
叉
の
秘
形
を
説
き
流
通
の
文
を
加
ふ。
二
金
剛
乗
の
成
立
1
金
剛
乗
の
本
質
瑜
祇
経
第
一
品
に
五
智
所
成
四
種
法
身
を
も
つ
て
中
略
有
情
を
救
度
せ
ん
と
し
て
金
剛
乗
を
の
べ
た
ま
ふ
云
々、
と
云
ひ
叉
同
経
第
七
品
に
金
剛
の
一
を
乗
と
し
て
諸
法
を
壊
せ
ざ
る
巌
な
り
云
々、
と
云
へ
る
よ
り
観
れ
ば
喩
紙
経
は
金
剛
乗
経
な
る
事
は
明
か
で
あ
る、
金
剛
乗
と
は
永
遠
不
滅
の
宇
宙
の
實
相
を
金
剛
に
比
し
て
之
を
一
身
に
膿
験
し
つ
ゝ
大
樂
の
生
活
を
な
す べ き 事 を 説 け る 教 で あ る 写 即 ち 金 剛 薩 垂 は 自 ら 法 の 金 剛 薩 唾 と 人 の 金 剛 薩 唾 に 分 つ べ き で 有 る、 即 ち 宇 宙 の 實 相 と し て の 金 剛 薩 唾 と そ の 實 相 を 禮 験 し て 大 樂 の 生 活 を な す 人 と 有 る 理 で 有 る、 即 ち 不 塞 課 の ﹃ 五 秘 密 儀 軌 ﹄ に 修 行 し て 金 剛 乗 を 得 た る 入 を 金 剛 薩 錘 と 名 く、 (閏 九 二 五 左 ) と 云 へ る は 帥 ち 人 の 金 剛 薩 唾 で あ り、 又 同 軌 に 金 剛 薩 唾 の 五 秘 密 ば 帥 ち 是 れ 如 來 部 是 れ 即 ち 金 剛 部 是 れ 郎 ち 實 部 是 れ 即 ち 蓮 花 部 是 れ 帥 ち 朔 磨 部 な わ (閏 九 二 五 右 ) と 云 へ る は 法 の 金 剛 薩 唾 を あ ら は す も の で あ る。 こ の 法 の 金 剛 薩 唾 を 膿 得 し て 人 の 金 剛 薩 唾 と し て 大 樂 の 生 活 を な す 事 を 説 け る が 即 ち 金 剛 乗 で あ る 事 明 か な り。即
ち
道
範
が
其
の
﹃
譲
経
口
訣
第
こ
(灘
糀
)
に
喩
祇
経 ︼ 経 の 大 意 を 述 べ て 喩 祇 経 の 研 究 六 七瑜 祇 経 の 研 究 六 八 一 経 悉 く 愛 染 金 剛 の 秘 法 な り、 二 傳 あ り と 錐 も 唯 是 れ 金 剛 薩 唾 な り、 金 剛 薩 唾、 愛 染 金 剛 膿 一 名 異 る 而 已 云 々 と 云 つ て を る の も こ の 事 を 明 せ る も の で あ る。 又 こ の 法 の 金 剛 薩 唾 は 五 部 総 講 で あ る 事 前 述 の 如 し、 即 ち 之 れ を 其 の 悟 り の 當 禮 即 ち 魏 照 の 方 面 よ り 云 へ ば 五 智 で あ る。 ﹃ 性 心 ﹄ が 其 の ﹃ 喩 紙 経 秘 要 訣 第 一 ﹄ 嚇 講 麟 轄 に 喩 祇 経 一 経 の 大 意 を 述 べ て 大 日 金 剛 峯 三 智 の 徳 を 説 く 云 々 と 云 つ て を る は 帥 ち 悟 り の 當 膿 を 表 と し て 云 ひ し の み に て 道 範 の 意 と 同 じ 事 を 云 へ る も の で あ る。 五 智 は 法 界 禮 性 智 を 本 と せ る も の で あ る。 こ の 事 は 不 室 の ﹃ 菩 提 心 論 ﹄ に 五 智 を 説 い て 中 方 毘 盧 遮 那 佛 は 法 界 智 を 成 す る に 由 つ て 本 と 爲 す と 云 つ て 居 り、 又 ﹃ 大 樂 金 剛 薩 唾 修 行 成 就 儀 軌 ﹄ に 能 く 智 の 自 性 に 通 達 す る が 故 に 金 剛 薩 唾 は 能 ー 法 界 禮 性 智 に 住 す と 云 つ て を る 。 こ れ 等 よ 6 親 れ ば 法 界 禮 性 智 は 五 智 の 本 禮 で あ り、 且 つ 智 の 自 性 で あ り、 金 剛 隆 唾 の 住 す る 慮 で あ る。 こ の 法 界 禮 性 智 を 不 塞 の ﹃ 理 趣 繹 ﹄ に は 無 始 の 時 よ り 來 た 本 有 に し て 煩 櫛 に 庭 し て 而 も 減 ぜ す 浮 法 と 相 慮 し て 清 浮 を 謹 す と も 而 も 増 さ ざ る な り (閏 八 四 ノ 右 ) と 云 つ て を る。 即 ち 凡 夫 の 煩 情 に 覆 は れ て ゐ る 時 で も 悟 り を 開 い て 佛 果 に 入 つ て も 塘 す 事 の な い 不 攣 常 住 の 膿 即 ち 萬 有 及 び 諸 智 用 の 本 禮 と し て 親 た る 吾 人 の 本 心 で あ る。 こ の 本 心 の 禮 は 用 た る 四 智 を 具 へ て ゐ る。 是 れ 即 ち 五 智 で あ る。 金 剛 薩 唾 の 本 質 は こ の 五 智 で あ る 事 前 述 に よ り 明 か で あ る。 随 つ て 金 剛 薩 爆 の 三 昧 を 明 せ る 金 剛 乗 の 根 底 を な せ る 思 想 は 即 ち 五 智 な る 事 明 か な り。 2 法 界 智 の 先 駆 思 想 と 四 智
已 に 述 べ し 如 く 法 界 膿 性 智 は 四 智 の 本 で あ り、 本 有 恒 存 の 本 心 で あ る、 而 も 之 を 尊 格 化 せ る が 金 剛 乗 に 於 け る 金 剛 薩 唾 で あ る。 か ゝ る 思 想 の 萌 芽 は 遠 く 法 華 経 の 本 門 思 想 に 観 る 事 が で き る の で み る。 久 遠 實 成 の 佛 陀 と 云 ふ も 所 詮 永 遠 の 法 又 は 佛 性 等 と 云 ふ 本 有 恒 存 の 禮 に 蹄 着 す る も の で あ る、 然 し な が ら 法 華 経 に お い て は 未 だ 積 極 的 に は こ の 恒 存 の 禮 を 説 か ざ り し が 馬 鳴 の ﹃ 起 信 論 ﹄ に は こ の 本 有 恒 存 の 禮 を } 心 眞 如 と し て 説 い て ゐ る、 即 ち ﹃ 起 信 論 解 繹 分 ﹄ に 心 眞 如 と は 即 ち 是 れ 三 法 界 の 大 総 相 な り 法 門 の 禮 な り (義 記 中 巻 本 五 ) と 云 へ る 是 れ 即 ち 吾 人 の 不 生 滅、 不 増 減 の 本 心 を 明 せ る も の で あ る。 ﹃ 起 信 論 ﹄ に よ る と か ゝ る 眞 如 に 塞 と 不 室 の 爾 面 が あ る 帥 ち 一 切 の 差 別 的 念 慮 を 超 絶 せ る 黙 よ り 観 れ ば 室 で あ り 同 時 に 又 無 量 無 鑑 の 性 功 徳 を 具 有 す る 黙 よ り 親 れ ば 即 ち 不 塞 で あ り、 如 來 藏 で あ る と し 又 一 切 の 迷 悟 爾 界 の 現 象 の 仁 源 た る 畳 と 不 畳 と の 義 を 包 藏 せ る 方 面 よ り 観 て 之 を 阿 頼 耶 識 と も 稽 す る の で あ る、 こ の 中 特 に 畳 の 原 理 吹 る 方 面 を 起 信 論 醸 翻 諮 中 に 言 ふ 所 の 畳 の 義 と は 謂 く 心 膿、 念 を 離 急 離 念 の 相 は 虚 室 界 に 等 し 偏 せ ざ る 所 な し 法 界 一 相 即 ち 是 れ 如 來 の 平 竺 寸 法 身 な り 云 々 と 云 つ て を る、 郎 ち こ の 平 等 法 身 よ り 顯 現 せ る 一 切 の 現 象 は 之 を } 面 か ら 親 れ ば 心 以 外 に 何 物 も 存 せ す、 又 他 よ り 観 れ ば あ ら ゆ る 現 象 は 悉 く 眞 如 で あ る と 云 ふ 事 が で き る の で あ る。 之 を 起 信 論 に は 此 の 眞 如 の 膿 は 蓮 る 可 き こ と あ る 無 し、 一 切 の 法 悉 く 皆 眞 な る を 以 て の 故 に 亦 立 つ べ き な し、 一 切 の 法 皆 同 じ く 如 な る を 以 つ て の 故 に と 云 つ て を る。 こ れ 明 か に 金 剛 乗 に 於 て 法 界 膿 性 智 と な る 先 騙 思 想 と 認 む る こ と が 出 來 る の で あ る。 然 し 大 圓 鏡 智 等 の 四 智 思 想 は 未 だ ﹃ 起 信 論 ﹄ 中 瑜 祇 経 の 研 究 六 九
瑜 祇 経 の 研 究 七 〇 に は 見 出 す 事 が 出 來 な い、 而 も 術 こ の ﹃ 起 信 論 ﹄ を 馬. 鳴 の 作 と 爲 す に つ い て は 諸 先 輩 の 間 に 眞 鶴 の 論 が 繰 返 さ れ て を る が、 森 田 寂 授 は 現 存 資 料 の み に て は 眞 鶴 未 決 と せ ら る、 故 に 今 は 森 田 激 授 の 説 に 從 ひ、 未 決 の ま ゝ に お く、 然 し よ し こ の 起 信 論 が 傭 論 で あ る と す る も 無 著 菩 薩 の ﹃ 大 乗 荘 嚴 経 論 第 三 巻 菩 提 品 第 十 ﹄ に お い て は 明 か に こ の 思 想 と 類 同 に し て 而 も 五 智 と な る 具 膿 的 要 素 を 見 出 す こ と が 出 來 る の で あ る。 無 著 菩 薩 の 説 に よ る と 法 界 膿 性 智 に 相 當 す る 思 想 は 帥 ち 無 漏 法 界 と 呼 ば れ て を る、 之 を 説 朋 す る に 相、 虚、 業 の 三 方 面 よ り す る は 起 信 論 の 三 大 義 と 類 同 の も の と 思 は る。 大 乗 荘 巌 経 論 第 三 菩 提 品 第 十 に 無 漏 界 を 三 種 の 方 面 よ り 説 い て 終 り に 重 ね て 左 の 如 く 云 つ て を る 無 漏 界 の 甚 深 は 相、 慮、 業 の 三 種 な り、 諸 佛 是 く
の
如
畿
く
警
へ
墓
を
染
書
す
る
が
如
し
(煮
か
)
と し て 更 に こ の ﹁ 相 に 四 ﹂。 ﹁ 慮 に 一 ﹂。 ﹁ 業 に 入 ﹂ 。 を 分 つ て 説 い て を る 。 更 に こ の 無 漏 法 界 が 如 來 藏 な る 事 を 説 い て 一 切 無 別 の 故 に 如 清 浮 を 得 る が 故 に 諸 衆 生 を 説 い て 名 づ け て 如 來 藏 と な す (暑 四 ノ 一 六 右 ) と 云 ひ 績 い て こ の 繹 を な し て を る。 こ れ 等 を も つ て 考 ふ る に こ の 無 漏 法 界 は 起 信 論 に 於 け る 三 心 眞 如 と 類 同 思 想 と 思 は れ る の で あ る 更 に 又 無 著 菩 薩 は こ の 無 漏 法 界 を 説 い た 次 に 佛 の 三 身 を 説 き 更 に 諸 佛 は 四 智 を 有 せ ら る ゝ こ と を 説 き て 四 智 鏡 不 動 な り、 三 智 の 所 依 な れ ば 入 七 六 五 識 次 第 轄 得 す る が 故 に (暑 四 二 八 右 ) と 云 ひ 之 を 繹 し て 四 智 鏡 不 動 三 智 の 所 依 と は 二 切 諸 佛 に 四 種 の 智 あ り、 一 は 鏡 智 二 は 平 等 智 三 は 観 智 四 は 作 事 智 な り、 彼 の 鏡 智 は 不 動 を 相 と な し 恒 に 鯨 三 智 の 依止
す
る
所
と
爲
る、
何
を
以
っ
て
の
故
に
入、
七、
六、
五
識
次
第
轄
得
の
故
に
と
は
第
八
識
を
轄
じ
て
鏡
智
を
得
第
七
識
を
轄
じ
て
平
等
智
を
得
第
六
識
を
轄
じ
て
槻
智
を 得 前 五 識 を 轄 じ て 作 事 智 を 得 る な り 云 々 暑 四、 一 八 右 と 云 つ て を る、 是 れ 帥 ち 無 漏 法 界 に 封 す る 智 で あ る 。無
著
菩
薩
の
造
た
る
﹃振
大
乗
論
﹄
あ
玄
彗
鐸
の
﹃
掻
大
乗
論
本
彼
果
智
分
第
十
一
﹄
に
由
る
と
法
身
の
五
種
自
在
を
説
い
て
最
後
に
圓
鏡
平
等
観
察
成
所
作
智
に
由
つ
て
自
在
に
識
蔽
依
を
韓 す る に 山 る が 故 に 來 九 四 四 右 と 云 ひ 又 同 じ く 眞 諦 課 の 右 に 相 當 す る 慮 に も 顯 了 平 等 廻 槻 作 事 智 自 在 に 識 陰 依 を 轄 す る に 由 る が 故 に 來 九 六 一 左 と 云 つ て を る 。 か く の 如 く 馬 鳴 の 起 信 論 及 び 無 著 菩 薩 の 造 論 中 に 後 の 法 界 禮 性 智 に 相 當 す る 先 騙 思 想 を 見 出 す 事が
で
き
且
つ
無
著
菩
薩
の
造
論
中
に
ぱ
已
に
四
智
が
説
か
れ
て
を
る
の
で
あ
る。
3
五
法
と
五
智
無
著
菩
薩
の
造
論
中
に
成
立
せ
し
大
厨
鏡
智
等
の
四
智
と
無
漏
法
界
と
を
一
髄
系
に
組
織
立
て
ゝ
説
い
た
の
が
方
等
部
経
中
に
あ
る
﹃
佛
説
佛
地
経
﹄
の
五
法
で
あ
る
と
思
ふ。
帥
ち
佛
説
佛
地
経
に
時
に
世
尊
妙
生
菩
薩
に
告
げ
た
ま
わ
く、
妙
生
當
に
知
る
べ
し
五
種
の
法
あ
り、
大
昼
地
を
撮
す
何
等
を
五
と
爲
す、
所
謂
清
浮
法
界
大
圓
鏡
智、
平
等
性
智、
妙
観
察
智、
成
所
作
智
な
り
黄 八 九 二 左 と 説 き 更 に 一 々 に つ き て 妙 生 に 説 い て を る。 こ の 根 本 思 想 は 無 著 の 造 論 中 に 槻 る 無 漏 法 界 及 四 智 と 全 く 類 同 な も の で あ る。 佛 説 佛 地 経 に 佛 地 の 五 法 と し て 説 か れ た、 こ の 五 法 の 清 浄 法 界 と 呼 ば れ た 本 禮 が 理 智 不 二 を 立 場 と せ る 金 剛 乗 経 た る 初 會 金 剛 頂 経 に 來 る と 親 照 の 鍮 祇 経 の 研 究 七 二瑜 祇 経 の 研 究 七 二 智 の 語 で 呼 ば れ て 法 界 騰 性 智 と な り 五 法 を そ の ま ゝ 五 智 と 構 す る に 至 り、 且 つ 又 こ れ を も つ て 佛 の 本 當 の 悟 り を 表 は す や う に な つ た の で あ る。 こ の 佛 の 本 當 の 悟 り の 境 地 を 金 剛 に 比 し て 即 ち 金 剛 (Vajra 永 遠 不 滅 ) 薩 唾 (sa tva. ア ルモ ノ ・being) と せ ら れ た の で あ る。 こ れ 即 ち 法 の 金 剛 薩 唾 で あ り 之 を 禮 得 せ る も の が 人 の 金 剛 薩 唾 な る 事 前 述 の 如 し。 こ の 金 剛 薩 唾 た る 佛 の 本 當 の 悟 り は 即 ち 理 智 不 二 合 一 の 境 に 外 な ら な い、 故 に こ の 理 智 不 二 を あ ら は す 爲 に 初 會 の 金 剛 頂 経 に は 金 剛 薩 唾 な る 心 眞 言 を 具 髄 化 し て 法 界 の 理 を あ ら は す 普 賢 摩 訂 菩 提 薩 唾 に 智 を あ ら は す 金 剛 を 授 與 し て 普 賢 金 剛 手 を 成 立 せ し め て を る の で あ る。 こ の 永 遠 不 滅 の 實 相 を 膿 験 せ る 普 賢 金 剛 手 則 普 賢 金 剛 薩 唾 は 印 度 本 來 の 無 限 を 享 樂 す る 思 想 と 叉 直 接 に は 振 大 乗 論 等 の ﹃ 韓 依 思 想 ﹄ に 由 り 大 智 を も つ て の 故 に 生 死 に 住 せ す 大 悲 を 以 つ て の 故 に 浬 薬 に 住 せ ざ る 所 謂 無 住 慮 浬 繋 の 大 樂 の 生 活 を な す も の と せ ら る ゝ に 至 つ た の で あ る。 こ の 金 剛 薩 唾 の 大 樂 の 境 地 を 説 く に 第 六 會 の 金 剛 頂 経 等 に な る と 妙 樂 妙 適 等 の 懸 愛 過 程 に よ り 説 明 せ ら る 様 に な り こ れ が 因 を な し て 左 道 金 剛 乗 が 成 立 す る に 至 つ た の で あ る。 三 喩 舐 経 と 雨 部 大 経 1 初 會 の 金 剛 頂 経 と 喩 舐 経 初 會 の 金 剛 頂 経 と 喩 祇 経 と を 観 る に 初 會 の 金 剛 頂 経 は 二 切 義 成 就 菩 薩 (因 位 の 繹 迦 菩 薩 ) が 菩 提 道 場 に 於 て 阿 娑 頗 郷 伽 三 摩 地 に 住 せ ら る や 一 切 如 來 之 を 驚 畳 し た ま ふ。 如 來 の 驚 畳 開 示 を 受 け た 一 切 義 成 就 菩 薩 は 五 相 成 身 の 秘 観 に 由 り 等 畳 一 切 如 來 平 等 智 を 現 誰 せ ら る。 即 ち 理 智 成 満 の 普 賢 金 剛 薩 唾 と 成 り 須 彌 盧 頂 の 金 剛 摩 尼 寳 峯 櫻 閣 に 往 詣 し て 自 の 謹 り の 境 地
(即 ち 金 剛 界 の 曼 茶 羅 ) を 開 陳 せ ら る、 之 が 一 経 の 本 旨 で 更 に こ の 開 陳 せ ら れ た 曼 茶 羅 法 や 灌 頂 法 を 説 け る も の で あ る。 喩 祇 経 は 正 し く こ の 金 剛 摩 尼 寳 峯 櫻 閣 の 自 讃 境 開 陳 を 豫 想 し て そ の 上 に 更 に そ の 開 陳 せ ら れ た 曼 茶 羅 即 ち 総 膿 だ る 自 と と も に 三 十 七 な る 尊 が 五 智 所 成 の 光 明 心 殿 に 住 し 三 十 七 尊 各 々 に 自 の 三 昧 を 三 字 心 と し て 説 き、 そ の 三 十 七 尊 自 畳 の 謹 智 の 成 就 法 を 説 い た も の が 帥 ち 喩 紙 経 の 第 一 品 で あ る。 更 に 後 に 説 く 如 く こ の 喩 祇 経 の 源 底 を 流 る ゝ 思 想 は こ の 第 一 品 に あ り 他 は こ の 第 一 品 の 思 想 を 開 説 し た る も の で あ る。 今 金 剛 頂 経 及 喩 祇 経 爾 者 の 平 等 智 身 た る 普 賢 金 剛 薩 唾 の 説 相 を 比 較 す る と 初 會 金 剛 頂 経 に 三 切 如 來 性 を 自 身 に 於 て 加 持 し て 即 ち 一 切 如 來 普 賢 摩 河 菩 提 薩 唾 の 三 昧 耶 に 入 り 薩 唾 加 持 の 金 剛 三 摩 地 を 出 生 し た ま ふ、 一 切 如 來 の 大 乗 現 謹 の 三 昧 耶 を 一 切 如 來 心 と 名 く 自 心 よ り 縛 日 羅 薩 恒 嚇 を 出 し た ま ふ、 縫 に 一 切 如 來 心 を 出 し て 帥 ち 彼 の 婆 伽 梵 普 賢 衆 多 の 月 輪 と な つ て 普 く 一 切 有 情 の 大 菩 提 心 を 浄 め た ま ふ、 諸 佛 の 所 に 於 て 周 國 し て 住 し た ま ふ、 彼 の 衆 多 の 月 輪 よ り 一 切 如 來 の 智 金 剛 を 出 し て 帥 婆 伽 梵 既 盧 遮 那 如 來 の 心 に 入 る 普 賢 の 堅 牢 に 由 る が 故 に 金 剛 隆 唾 三 摩 地 に 從 ひ } 切 如 來 の 加 持 に よ つ て 合 ま つ て 噌 膿 と な る 量 虚 塞 を 鑑 し て 遍 満 し て 五 峯 の 光 明 と な る 一 切 如 來 の 身 口 心 よ り 金 剛 形 を 出 生 す、 一 切 如 來 の 心 よ り 出 で ゝ 佛 の 掌 中 に 住 す、 ま た 金 剛 よ り 金 剛 形 の 種 々 の 色 相 を 出 し て 侍 遍 し て 一 切 世 界 を 照 曜 す 彼 の 金 剛 の 光 明 門 よ り 一 切 世 界 の 微 塵 等 の 如 來 の 身 を 出 し て 法 界 に 遍 周 し 一 切 虚 室 を 究 寛 し て 三 切 世 界 の 雲 海 に 遍 し 遍 く 一 切 如 來 の 平 等 智 神 境 通 を 讃 す 云 云 と 説 く 又 喩 祇 経 の 序 に 瑜 祇 経 の 研 究 七 三
瑜 祇 経 の 研 究 七 四 ﹃ 三 十 七 尊 ﹄ 各 々 に 本 誓 加 持 を 以 つ て 自 ら 金 剛 月 輪 に 住 し て 本 三 摩 地 の 標 幟 を 持 せ り、 皆 以 つ て 微 細 法 身 秘 密 の 心 地 十 地 を 超 過 せ る 身 語 心 の 金 剛 な り、 各 五 智 光 明 峯 の 杵 よ り 五 億 倶 豚 の 微 細 の 金 剛 を 出 現 し て 虚 室 法 界 に 遍 満 せ り、 諸 地 の 菩 薩 す ら 能 く 見 る 事 あ る こ と な し 云 云 と 説 け る を 槻 る に 正 し く 雨 者 の 思 想 の 類 同 な る を 思 ふ、 更 に 喩 祇 経 第 一 品 の 三 十 七 成 就 法 中 に 金 剛 界 の 中 の 三 十 七 錫 磨 の 印 を 用 ひ て 成 就 す べ し 云 云 と 説 き 叉 第 二 品 に 染 愛 の 眞 言 の 功 能 を 説 い て 一 切 の 眞 言 主 及 び 金 剛 界 の 大 漫 肇 羅 王 皆 悉 く 集 會 し て 一 時 に 成 就 を 與 へ 云 云 と 説 き 叉 第 五 品 に 愛 染 の 法 中 に 金 剛 界 の 三 十 七 の 錫 磨 を 結 び 云 云 と 説 き 叉 第 十 二 品 に 金 剛 夜 叉 の 曼 茶 羅 書 法 を 説 く 中 に 金 剛 界 の 字 を 用 ひ て、 錫 磨 印 を 以 つ て 安 布 せ よ 云 云 又 其 籐 の 諸 聖 尊 は 書 く こ と 金 剛 界 の 如 し 云 云 等 と 説 け る を 観 る 時 喩 祇 経 は 正 し く 初 會 金 剛 頂 経 を 豫 想 せ る 事 が 首 肯 せ ら れ る の で あ る。 更 に 喩 紙 経 に 於 け る 金 剛 峯 縷 閣 は 金 剛 頂 経 に 説 け る 金 剛 摩 尼 寳 峯 縷 閣 を 指 せ る も の で あ る 事 明 か な り、 こ の 事 更 に 喩 祇 塔 の 章 に 説 く。 2 瑜 祇 経 と 大 日 経 古 來 先 徳 の 間 に 喩 紙 経 は 爾 部 合 説 で あ る と す る 説 と 金 剛 の 源 底 を 説 く 故 自 ら 胎 藏 の 理 あ り と す る 説 と あ り。 即 ち 道 範 阿 闊 梨 は 爾 部 合 不 二 を 説 け る も の と せ ら れ て ﹁ 喩 祇 経 口 決 第 一 ﹂ に 喩 祇 経 題 目 ﹃ 金 剛 峯 縷 閣 ﹄ を 繹 し て 左 の 如 く 云 つ て を る。
金
剛
峯
者
金
剛
界
な
り
峯
者
即
頂
の
義
也
縷
閣
者
胎
藏
界
也
云
云
又
喩
祇
経
別
序
に
お
け
る
金
剛
自
性。
光
明
遍
照。
清
浄
不
染。
種
々
業
用。
方
便
加
持。
有
情
救
度。
演
金
剛
乗。
唯
一
金
剛。
能
断
煩
惜。
こ
の
九
句
を
以
っ
て
五
印
四
徳
と
せ
ら
れ
而
も
之
を
喩
祇
経
口
決
第
一
に
は
今
此
五
印
四
徳
は
是
れ
船
藏
入
葉
九
尊
也
と
説
か
れ
て
を
る。
又
三
十
七
尊
各
一
字
心
を
説
く
に
を
い
て
喩
祇
経
に
東
方
四
菩
薩
及
種
子
に
畔、
但
路、
纈
刎、
悪
と
し
西
方
四
菩
薩
及
種
子
に
阿、
阿、
暗、
悪
と
す
る
右
を
繹
し
て
﹃
喩
祇
経
口
決
﹄
に
左
の
如
く
説
か
れ
て
あ
る。
・誕
尋
論
嚢
此
四
字
是
れ
金
剛
界
の
四
佛
種
子
な
り
之
を
以
つ
て
東
方
の
四
菩
薩
及
種
子
と
爲
す
果
則
因
の
義
を
表
也。
醍 憂 ・毅 礎 四 字 は 是 胎 藏 四 佛 の 種 子 な り、 而 も 今 西 方 四 菩 薩 及 種 子 心 と 爲 す は 因 則 果 を 表 す な り 云 々 と 説 か れ て ゐ る 。 又 頼 喩 和 爾 は 其 の ﹃ 拾 古 鋤 ﹄ に 題 目 の 鐸 を 並 べ て 最 後 に 序 品 の 始 終 を 見 る に 但 金 剛 界 の 義 理 を 明 す 不 二 と 云 ふ と 讐 も 金 剛 界 を 表 と 爲 姦 (日 本 大 藏 経 眞 言 宗 章 疏 こ、 二 )と
せ
ら
れ
て
を
る。
又
五
印
四
徳
の
條
に
は
諸
説
を
引
い
て
最
後
に
今
孟
印
四
徳
を
以
つ
て
胎
と
爲
す
前
の
三
十
七
尊
を
も
つ
て
金
と
爲
す
此
言
偏
な
り、
金
剛
等
の
五
印
の
文
重
ね
て
前
の
五
智
の
禮
を
出
す、
救
度
以
下
四
徳
の
文
再
び
前
の
三
密
の
業
用
を
述
ぷ、
何
ぞ
偏
し
て
五
印
四
徳
を
船
藏
と
爲
す
や、
若
し
不
二
を
宗
と
爲
す
と
せ
ば
爾
段
同
じ
ぐ
二
部
に
通
す
可
く
若
金
剛
界
を
本
と
爲
せ
ば
今
文
叉
金
剛
界
と
す
可
し、
就
中
何
閻
佛
印
は
金
剛
堺
瑜 祇 経 の 研 究 七 五瑜 祇 経 の 研 究 七 六 を 指 す に 非 ざ る か 云 云 と せ ら れ て を る 。 こ の 阿 閤 佛 印 と は 弘 法 大 師 二 激 論 に 喩 祇 経 を 引 用 し こ の 九 句 を 五 印 四 徳 と せ ら れ ﹃ 金 剛 自 性 ﹄ を 註 し て ﹃ 阿 閾 佛 印 ﹄ と せ ら る ゝ を 指 す な り。 更 に 又 日 王 講、 賢 賀 の 記 な る ﹃ 喩 祇 経 傳 受 聞 書 ﹄ 東 寺 観 智 院 書 庫 本 色 に こ の 事 を 勘 し て 左 の 如 く 言 つ て を る o 此 経 に お い て 正 智 院 (道 範 ) の 意 と 自 性 上 人 の 意 と 料 簡 聯 か 差 別 あ り 正 智 院 阿 閣 梨 料 簡 は 爾 部 の 上 に, 一 重 超 絶 す る 不 二 徳 経 な り、 其 故 者 此 経 金 ` 剛 界 四 佛 の 種 子 誕 蔀 論 礎 の 四 字 は 東 方 四 菩 薩 の 種 子 と す、 船 藏 四 佛 の 製 凝 鵜 遜 は 西 方 四 菩 薩 の 種 子 と す な り、 然 者 爾 部 の 大 日 今 経 の 四 佛 の 位 に 當 る な り、 故 に 今 大 日 爾 部 超 過 の 大 日 と 名 く な り、 不 二 位 に 當 る と 習 ふ な り、 彷 題 額 金 剛 峯 者 金 剛 界、 縷 閣 は 胎 藏 界、 一 切 者 爾 部 中 三 切 諸 法 な り、 喩 伽 喩 紙 は 不 二 を 指 す と 料 簡 す 也。 故 自 性 上 人 の 義 に は 此 経 金 剛 頂 部 経 な り、 但 本 有 金 剛 界 の 法 門 を 説 く 故 に 自 ら 胎 藏 に 徹 底 し て 不 二 な る 道 理 あ り、 爾 部 の 外 に 別 に 不 二 の 重 あ る に は 非 す、 故 に 題 額 料 簡 す る 時 は 金 剛 峯 縷 閣 者 大 師 の 圖 し 給 ふ 所 の 法 性 塔 圖 に あ た る、 金 剛 峯 は 上 の 五 つ の 五 古 な り、 縷 閣 は 下 の 塔 な り、 一 切 瑜 伽 瑜 祇 者 六 大 無 碍 瑜 伽 の 徳 な り、 別 し て 不 二 を 表 は す に 砿 非 す、 金 剛 界 に し て 不 二 極 際 な り、 と 云 つ て を る。 瑜 祇 経 は 初 會 金 剛 頂 経 を 豫 想 し て の 成 立 な り と は 已 に 述 べ し 如 し、 而 も こ の 瑜 祇 経 三 経 は 後 に 説 く が 如 く 第 一 品 の 思 想 を 根 底 と し て 開 説 せ し も の で あ る、 而 も そ の 開 説 の 品 中 ﹃ 胎 藏 ﹄ の 語 及 び ﹃ 大 悲 胎 藏 ﹄ を 成 就 す る 眞 言 を 説 い て ゐ る、 即 ち 喩 祇 経 第 四 品 に 若 し 側 に 近 く 金 剛 界 場 及 び 大 悲 胎 藏 並 に 諸 部 の
道 場 を 置 く も の あ ら ん 云 云 と 説 き 又 同 第 九 品 に 復 大 悲 胎 藏 を 成 就 す る 入 字 の 眞 言 王 を 説 て 日 悪 尾 羅 畔 欠 畔 纈 剛 悪 と し て を る。 こ れ 等 よ り 考 ふ る に 喩 祇 経 作 者 は 大 日 経 を 豫 想 し つ ゝ 而 も 初 會 の 金 剛 頂 経 思 想 を 根 底 と し そ こ に 流 る ゝ 不 二 思 想 を あ ら は す に 自 ら 胎 藏 の 義 を 含 ま し め し も の と 思 ふ、 故 に 金 剛 界 に し て 不 二 極 際 な う ど す る 説 穏 當 な り と 思 は る の で あ る。 是 れ 吾 組 弘 法 大 師 は 二 教 論 に 喩 祇 経 を 引 用 せ ら れ て 金 剛 頂 経 と 標 せ ら れ 而 も そ の 註、 皆 金 剛 界 を 表 と せ ら れ を る、 叉 こ の 義 を 示 せ る も の に は あ ら ざ る か。 又 道 範 は 製 凝 風 嚢 を も つ て 胎 藏 の 四 佛 の 種 字 と す、 然 し な が ら こ の 夷 慶 艇 奨 を も つ て 胎 藏 の 四 佛 の 種 子 と の み な す を 得 す、 不 塞 の 理 趣 鐸 に は 理 趣 経 謹 悟 の 法 門 段 の 種 字 た る 維 字 を 説 い て 懇 懸 引 字 心 眞 言 者 具 に は 四 字 を 含 ん で 一 膿 と 爲 す と 云 ひ て 磯 一饗 教 奨 の 義 を 説 い て を る の で あ る。 四 瑜 舐 経 の 本 旨 1 瑜 祇 経 各 品 の 關 係 瑜 祇 経 一 経 は 十 二 品 よ り 成 る、 こ の 十 二 品 相 互 に 如 何 な る 關 係 を 保 つ か を 観 る に 第 一 品 は 金 剛 界 如 來 が 三 十 七 尊 自 畳 聖 智 の 成 就 法 を 説 け る も の で あ る。 之 を 亦 ﹃ 普 賢 金 剛 薩 唾 三 十 七 尊 深 密 相 慮 ﹄ と も ﹃ 大 勝 金 剛 心 喩 伽 ﹄ と も 云 ふ の で あ る、 第 二 品 は 世 尊 が 馬. 陰 藏 三 摩 地 に 入 り て 染 愛 の 眞 言 等 を 説 く の で あ る。 第 三 品 は 金 剛 界 如 來 眼 色 妙 明 照 三 摩 地 に 入 り 大 金 剛 阿 闊 梨 行 位 眞 言 を 説 い た も の で あ る 第 四 品 は 世 尊 が 金 剛 薩 唾 菩 提 心 朋 を 説 い た も の で あ る。 第 五 品 は 第 二 品 の 残 で あ る、 こ の 事 は 道 範 の ﹁ 瑜 祇 瑜 祇 経 の 研 究 七 七
瑜 祇 経 の 研 究 七 八 経 口 決 第 二 ﹂ に 此 品 は 是 れ 前 の 染 愛 王 品 の 除 也 云 云 と 云 つ て を る し 叉 第 五 品 の 最 後 の 句 に 大 染 金 剛 頂 の 五 の 蜜 印 説 き 覧 ん ぬ と 有 る ﹃ 大 染 金 剛 頂 ﹄ は 第 二 品 の 眞 言 の 句 義 な る 事 よ り 観 て も 叉 前 第 二 品 に は 染 愛 王 の 眞 言 と 印 と を 説 け る の み で 尊 像 等 を 説 か す こ れ 即 ち 第 五 品 と 第 二 品 と に し て 尊 像 と 印 眞 言 と 成 す る の で 有 る ﹃ 性 心 ﹄ の ﹃ 秘 要 決 ﹄ も 又 嚴 畳 ﹃ の 三 品 鋤 ﹄ も こ の 意 で 有 る 。 第 六 品 は 第 二 品 の 四 撰 を 説 け る も の で 有 る。 即 ち 第 二 品 の 眞 言 句 義 の 下 牢 を 説 け る も の で 有 る 第 七 品 は 第 二 品 の 染 愛 王 の 成 就 法 を 説 け る も の で 有 る 叉 之 を 大 勝 金 剛 心 喩 伽 と 云 ふ の で 有 る 第 入 品 は 第 一 品 の 喩 伽 の 再 説 で 有 る 即 ち 大 勝 金 剛 の 謹 り の 當 膿 を 明 か せ る も の で 有 る 第 九 品 は 第 三 品 の 蝕 で 有 る 即 ち 成 就 法 を 説 い て を る の で 有 る、 こ の 事 は 安 然 も 其 の ﹁ 喩 祇 経 疏 第 二 ﹂ に 第 二 品 を 説 い て 次 に 當 に 一 初 佛 母 佛 眼 菩 薩 阿 閣 梨 位 を 成 じ て 諸 成 就 を 作 す べ し 即 ち 下 の 金 剛 吉 祥 大 成 就 品 是 也 云 云 と 云 ひ 叉 本 圓 は 其 の ﹃ 喩 祇 経 蘇 多 覧 決 第 二 巻 ﹄ に 一 切 如 來 眼 色 妙 明 照 三 摩 地 は 佛 眼 の 三 摩 地 也 中 略 阿 閣 梨 位 の 諸 成 就 は 即 下 の 金 剛 吉 鮮 大 成 就 品 是 也 云 云 と 云 つ て 居 る。 第 十 品 は 第 九 品 の 内 護 摩 法 で あ る、 こ の 事 は 前 品 の 終 り に 時 々 護 摩 せ ば 速 に 大 悉 地 を 獲 む と 云 ひ 又 當 品 の 説 主 は ﹃ 我 内 護 摩 を 説 く 云 々 ﹄ と 云 ひ こ の 我 を 宥 範 の 義 述 に は ﹃ 我 は 佛 母 の 自 樗 也 ﹄ と 云 つ て を る。 第 十 一 品 は 即 ち 第 四 品 胃 地 心 品 の 廣 説 で 有 お こ の
義 は 本 圓 の ﹃ 喩 伽 蘇 多 覧 決 第 六 ﹄ に 私 に 案 す る に 此 品 は 第 四 の 胃 地 心 品 の 義 を 廣 じ て 之 を 説 け る 也 故 に 題 に ﹃ 金 剛 薩 唾 菩 提 心 ﹄ と 云 ふ 彼 の 眞 言 に 誕 字 あ り 今 の 一 字 心 亦 誕 字 な り 彼 品 に 爾 部 の 文 あ り 此 品 に 爾 部 の 義 あ り 故 に 以 て 同 と 爲 す 云 々 と 云 つ て を る 。 第 十 二 品 は 世 尊 が 大 悲 鑑 三 昧 に 住 し て 金 剛 夜 叉 の 實 動 の 法 を 説 い た も の で あ る 以 上 要 略 圖 示 す れ ば