≪はじめに≫
1.前基本構想策定から今日まで
豊島区においては、平成7年3月15日区議会の議決により、「暮らし豊かに こ ころ輝く都市」を都市像に掲げる基本構想を定めました。平成 9年3月には、基 本構想を実現するための区政の基本指針として平成9年度から18年度までの基 本計画を定め、各種施策を推進してきました。
この間、区を取り巻く状況は、本格的な少子・高齢社会の到来、急速な IT化 の進行など極めて大きく変化しています。また、介護保険制度の導入や清掃事業
の移管、学校週 5日制の導入など新たな行政課題の発生ととも に、ソフト面、ハ ード面におけるバリアフリーのまちづくりや児童・生徒の放課後対策など行政組
織をまたがる課題も出てきています。
2.地方分権等の進展
「第三の改革」と言われる地方分権や都区制度改革の実現により、区の法的な
位置付けが基礎的自治体となるなど大きく変わりました。しかし、この改革を到
達点とするのではなく、地方分権、都区制度改革をさらに進め、財政面での自立
と23区の制度面からの自立への取り組みを継続していくことが必要です。
また、NPO法の施行を契機として、ボランティア団体やNPOをはじめ各種団 体等の活動 が活発に行われています。地域の実情に応じた、きめの細かいサービ
スを提供するためには、これまでのように公共サービスの提供を行政だけで実施
するのではなく、こうしたNPO団体をはじめ民間企業や様々な方々との連携を 図っていく必要があります。
3.長引く景気低迷と構造改革の進展
これまで、長引く景気低迷の影響を受けた厳しい財政状況に対応するため、施
策の見直しなどを実施してきました。歳出を抑制し、歳入を図ることで危機的な
状況を乗り切ろうとしてきたのです。ところが、成長を繰り返すことを前提にし
ている社会や組織の構造では、対応に限界があることが明らかになってきました。
そこで、民間企業のみならず国においても構造改革が進められています。
地方自治体においても、さらなる自己改革を進めるとともに、高度の成長が望
めない社会に適したシステムへの転換が求められています。
4.安定した成熟社会に向けて
地方分権の時代を迎え、自己決定、自己責任に基づく地域づくりが可能となっ
た今、すべての区民の主体的な参画と協働により、社会の安全性、快適性、利便
性を高めていくことが求められています。
平成13年の東京都の推計によれば、区の合計特殊出生率が0.77となり、さら なる少子化が進展する一方、総務省の推計では 2025年における我が国の 65歳 以上人口比率は、28.7%となり超高齢社会の到来が予想されています。こうした
ことから、世代構成の大幅な変化に伴い区民の意識も大きく変わってくることが
想定されます。
今後、安心で安全な暮らしを営める成熟社会を創り上げるためには、さらなる
分権を進め、区民の参画と責任により、地域づくりを進めていくことが求められ
ています。
そこで、区の新たな将来像を描くとともに、区民参画、協働型の行政運営の指
針として新たな基本構想を定めます。
この基本構想は、分権型社会における豊島区のあるべき将来像とその実現の
ための総合的かつ計画的な地域づくりの方向を定めることを目的とします。
構想の目標年次は、21 世紀の第1四半世紀とします。
ただし、
この間に社会経済状況や豊島区を取り巻く環境が大きく変化した際に
は、基本構想の見直しを行います。
① 案
「みんなで築く、未来に誇れる都市」
② 案
「みんなで創り、育む活力都市
豊島」
③ 案
「躍進しつづける進化都市」
④ 案
「多様な自己実現と生きがいが創出できる都市」
Ⅰ.基本構想の目的
Ⅱ.目標年次
1.
「あらゆる主体が参画しながら、まちづくりを実現していく」
2.
「活力にあふれ、安心して住み続けられるまちを創造する」
3
.
「魅力と賑わいのあるまちをめざす」
21 世紀の地方分権の時代を迎え、あらためて、すべての人々の人権が守られ、個性
が尊重される地域づくりを進める決意をし、実行していきます。
区民が誇りを持ち、住み続けることができるまちを創造していくためには、地域性を
踏まえた個性あふれる施策の展開や魅力づくりが必要です。そのため、区民をはじめ豊
島区と関わるすべての人々の参画した計画づくりや区民や各種団体等との協働に基づ
く施策運営を進めるとともに、歴史や伝統に根ざした文化的資源を再発掘した「豊島ら
しさ」の創出に努めていきます。また、ターミナル駅を有する特性を生かした魅力ある
まちづくりを進め、地域の活性化を図っていきます。
そこで、基本構想の将来像を実現するため、区に住み、働き、訪れる人びととともに
地域づくりを推進していく姿勢として、次の 4 つの柱を示します。
∼「参画」と「協働」のシステム構築∼
豊島区は、地方分権、都区制度改革により基礎的自治体としての位置づけが
明確にされたことを契機に、「わかりやすい区政」、「区民の目線での行政運営」
など様々な主体の参画と協働による区政の実現をめざします。
また、区は自律的な行政運営を進めるため、新たな行政経営システムの確立
に取り組みます。
∼生活者としての区民が喜びあえるまち∼
区に生活し、働き、学び、訪れるすべての人の個性や人権が尊重され、ゆと
りと笑顔にあふれた地域づくりをめざします。
また、区民のライフステージのさまざまな場面で人々の交流を活発にし、共
生、共存、安心のまちをめざした地域の連携を構築します。
∼大入満員の観光都市∼
東京を代表する都市として、業務、商業、文化、交流を中心とした多様な機
能が集約した都市づくりを誘導し、魅力あるまちづくりを進めていきます。
4.
「伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまちをめざす」
1.あらゆる主体が参画しながら、まちづくりを実現していくまち
気に溢れたまちづくりを進めます。
さらに、「他県区民」や来街者とともに魅力あるまちづくりを進めていきま
す。
∼「∼芸術文化都市
豊島」の発信∼
区内において芸術・文化の創作活動が盛んに行われてきた歴史や、「東京芸
術劇場」などの施設を中心に芸術・文化を発信するとともに、地域の歴史や伝
統芸能等を再発見していきます。
また、国内外の都市との交流を進め、芸術文化都市として発信していきます。
基本方針をより具体化させるため、地域づくりのみちすじや取り組むべき方
向性を以下に示します。
① 区民等の参画の推進
○ 計画づくりや施策、事業等への参画、協働を進めるための仕組みを「(仮称)
自治基本条例」に位置づけます。
○ 政策や計画等の政策形成過程に関する情報を公開するなど説明責任を果た
すとともに、区民の意見等に対する対応について明らかにしていきます。
○ まちづくりなど地域の問題の解決を地域住民自らが決定し、取り組める体
制を整備します。
○ 区民、NPO、ボランティア団体、事業者、区の役割分担を明確にし、それ
ぞれがその能力を十分に発揮できるよう、区は調整していきます。
② 新たな区政運営システムの確立
○ 政策立案、施策実施にあたっては、社会の変化や区民の生活観等に柔軟に
対応できる体制を整備します。
○ 施策、事業の実施にあたっては、区民の立場から見た成果を重視し、区民
の満足度を高めるとともに、真に区民が必要とする施策を優先的に実施し
ていきます。
○ 財源確保の取り組みを行い、財政運営基盤を強化していきます。
2
.活力にあふれ、安心して住み続けられるまち
3.魅力と賑わいのあるまち
① すべての人が地域で共に生きていけるまち
○ こころと身体が健康で安心した日常生活がおくれるまちづくりをすすめま
す。
○ 年齢や障害、性別にかかわらず垣根のない交流ができる環境をつくります。
○ すべての区民が個人の能力を発揮し、社会参加できるまちをめざします。
○ 地域で学びあいや健康づくりが気軽にできる環境を整備します。
② 子どもの成長を共に育むまち
○ 個性を尊重し、社会性に富んだ学校教育をめざします。
○ 子どもの権利を保障し、子どもがのびのびと育つ環境づくりをすすめます。
○ 子ども一人ひとりの成長と生活を全体としてとらえ、地域全体が温かい目
で子どもや家庭を見守り、支援していくネットワークを整備します。
○ 地域でのさまざまな体験学習を通した温もりのある教育を充実していきま
す。
③ みどりがネットワークするまち
○ みどりの拠点づくりを行うとともに、身近なみどりを増やします。
○ 区民が主体的に取り組むみどりの価値を再認識する仕組みを整備します。
○ 資源循環を通じた美しいまちづくりをすすめます。
④ 共生、安心、安全のまち
○ 地域の魅力を高める個性あるまちづくりを推進していきます。
○ 災害に強い情報網の確立と都市基盤の整備をすすめます。
○ 「既存道路の有効活用」を重視した人間優先のまちづくりをすすめます。
○ 防犯・防災のための地域のパートナーシップをつくります。
○ 日常生活に係る危険を排除し、安心して生活できる環境を整備します。
⑤ 多様なコミュニティがあるまち
○ それぞれのコミュ二ティの個性を尊重しながら、連携を図っていきます。
○ 世代を超えて社会参加できる、人々の善意が触れ合う地域社会をつくりま
す。
○ 地域の一員として、外国人も共に知恵を出し合い、共に暮らすコミュニテ
ィをつくります。
①
首都圏の顔としての様々な機能が集積するまち
○ 商業、業務、文化、娯楽、居住等の多様な機能の充実を図ります。
4.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
○ J R 線、東武東上線、西武池袋線、地下鉄丸の内線・有楽町線、新たに整備
される 13 号線が通るターミナルとしての特性を生かしたまちづくりをす
すめます。
②
魅力と活力のあるまち
○ 区のシンボル、区民が集える場を創造します。
○ 若者のエネルギーを活用したまちづくりを推進します。
○ 魅力ある都市として、地域の歴史や特性を生かしたまちづくりをすすめる
とともに、地域経済の活性化を図ります。
○ まちづくりを進めるにあたっては、来街者にとっても魅力のあるまちを整
備します。
① 文化に触れ、文化とともに発展するまち
○ 地域の伝統芸能等を継承し、まちづくり等との連携を図っていきます。
○ 豊島ならではの独自の庶民文化を育んでいきます。
② 芸術文化都市として発展するまち
○ 区内にある芸術文化施設を核として、芸術文化の活動、鑑賞機会を創出し
ていきます。
○ 友好都市等との交流を進め、広く「芸術文化都市 豊島」を発信していき
ます。
③
個性が醸成される、彩り豊かなまち
○ 都市美や風景を多くの人と共に創り上げていきます。
○ 芸術領域に囚われない総合芸術都市をめざします。
豊島区は、分権型社会において、自己決定、自己責任による地域づくりをすすめるに
あたり、区民等の参画と協働を基本とします。
区は、区民とともに、めざすべき都市像 「○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 都市」を実現す
るため、おおむね10年間を計画期間とする基本計画を策定し、構想の具体化を図って いきます。基本計画では、目標指標や実施時期を明らかにするとともに、実施状況等に
ついては、行政評価結果等とあわせ明らかにしていきます。