• 検索結果がありません。

旧法期土地区画整理事業に関する計画史的研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "旧法期土地区画整理事業に関する計画史的研究"

Copied!
44
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

旧法期土地区画整理事業に関する計画史的研究

池添, 昌幸

九州大学人間環境学研究科空間システム専攻

https://doi.org/10.11501/3172377

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(人間環境学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第5章 事業実施過程における理想的計画像と計画実態

5. 1 序

前章において、 土地区画整理行政の組織体制及び計画の立案及び決定の主体を考察した結果、

本来は土地医両整理事業を業務としない委員会事務局職員が区両整理研究と組合設立段階の基 本計岡を行い、 その後、 職員である駐在員と市士木課が換地設計を含んだ画地レベルの計|酎を 作成し、 委員会事務局職員が統轄・ 調整を行っていたことが明らかとなった。 すなわち、 組令 施行土地区画整理事業の計画は、 ①組合設立時に委員会事務局職員によって立案される街区レ ベルの計画、 ②駐在員を中心として立案される換地設計を考慮した画地レベルの計画の2つの 計画の存在が考えられる。 しかし、 組合設立時の計画案では画地に対する考慮が全くみられな いかというと、 そうではなく、 本研究の対象組合の中には画地レベルまで記入されている計画 案が確認でき、 また、「組合設立認可申請書Jには画地標準や配列方法に関する記述がみられ る。 さらに、 換地処分時の最終的な計画案では、 個々の所有する従前両地の評価に基づき従後 画地の面積が決定されるため、 その計画には計画主体の意図に加えて実務的な要件が必要であ り、 むしろ後者が優先される。 そのため、 本研究で注目している計画主体の標準化意図を考察 するためには、 換地設計が行われる前段階である組合設立時の計画実態分析がより有効である。

そこで本章では、 以下の2つの視点から換地処分時と組合設立時の2つ計画案における街区、

幽地の形状及び配列方法を分析する。

( 1 )計画主体の標準化に対する計両意図の解明

組合設立時の計画案における街区及び画地の計画実態を把握し、 これを、 ①組合が独 に作成した街区、 画地の標準(以下、 組合標準)、 ②全国標準、 以上の2つの設計標準と比 較する。 すなわち、 組合標準及び組合設立時の計画案が各組合の計画的理想像を具体化し たものと位置づけ、 この2つを組合間で比較することによって、 福岡県全体の計画的理想 像を明らかにする。 さらに、 全国標準の影響と換地処分時の計画案における標準化意図に ついて考察する。

(2)計画変更の実態と変更要因の解明

組合設立から換地処分までの街区、 画地の計画変更の特徴を2つの計画案の比較によって 明らかにする。 また、 計画変更の要因分析のために自作農創設特別措置法( 1946年)に基づ く買収除外地指定のための宅地率調査(1947年) 1 )を基礎資料として地区全体の農地利用の

(3)

状況を把握する。 以上の考察に基づく計画変更要肉の分析対象として「市街地対応)��!Jと

「農地残存型」の2つの計阿変更タイプの典明的な組合を選定し、 日1-阿変更街lベ及びIll1j地の 上地利用と所有状況を考察する。

本章の 分析対象 である①組合標準、 ②組合設立時の計両案、 ③換地処分時の計l!lfj案の法礎資 料及び分析対象組合は以下の通りである(表5.1)。

①組合標準が確認できる資料として、「組合設立認可中請書J I設計変更認可申請書」の'11のi二 地区画整理設計書と各組合が定める「換地細則」の2種があるが、 計両主体の意闘が強く現 れている「組合設立認可申請書J(入手組合数:福岡7、 小倉2、 八幡2、 若松1)を分析対象 とする2)。 加えて、 1935年の「都市公論」に記載された土地区画整理に関する統計資料3)を もとに街区標準、 画地標準を相互に比較する。

②組合設立時の計両と判断できる資料として、「組合認可申請書」に添付された「市街化見込 み図」及び「計画図」、「設計変更認可申請書Jに添付された「新旧対象図」の旧計阿図、 、並 びに「換地説明書」に添付された「予定図J4)の4つの図面があり、 15の組合(入手組合 数:福岡2、 小倉2、 八幡9、 若松l、 門司1)においてこれらの4つの図面の中のいずれかの 図面が確認できた。 これらの計画図のうち、 画地まで記載されているのは、 8つの組合(福 岡l、 小倉2、 八|幡4、 門司1)であった。 組合設立時の計画案の分析は、 この15の組合を対象 とする。 具体的な分析方法は、 組合標準の設定方法に基づき、 街区長辺、 短辺の長さと画地 間口の長さの測定、 街区形状と画地割の分類によって計画実態を分析する。 尚、 15の組合の v地をみるとTKを除く八幡の8つの組合では施行区域が隣接しているため、 立地的影響に ついても考察する。 他の組合は福岡の2つの組合及び八幡のTKで一部の区域が隣接してい ることを除くと独立した立地となっている。

③換地処分時の計画案と判断できる資料は、「換地説明書」に添付される「換地確定図」のみ であり、 23の組合(福岡5、 小倉4、 八幡12、 若松l、 門司1)において確認できた。 分析対象 とした組合は、 組合設立時の分析対象である15の組合と計画自由度の高い平坦地に位置し、

相対的に施行面積が大きい3つの組合(福岡l、 小倉2 )の18の組合を分析対象とする。 追 加対象組合の選定の条件は、 ①分析が可能であると判断した街区5) のうち四角形街区が30街

メ以上、 ②分析が可能であると判断した街区に対する四角形街区の割合が50%以上、 ③施行 地区、 組合認可年が著しく偏らない、 以上の3つである。 分析方法は組合設立時の計両と同 様であり、 2つの計画案の比較によって街区、 画地の形状及び配列方法がどのように変更さ れているかを分析し、 換地処分時の計画案における標準化意図を明らかにする。 計画変更要

(4)

組合名

割1計区滋名 福岡

姪ノ漬 NB SB SY NM NT TB TT 南部永田町 西新駅裏 薬院;峰火 題原 小倉

MS T S MT NJ K F ID SS MH SH 南部第四 八幡

K E F T K B T K N R HH NH SR YT

KT FY SI

KU 若松

F K E S F J 護ノ木中部 KI 戸畑

KS SW 00 中原西部 夜宮 門司

KO 大牟田 三川町第一

川尻第一 不知火町 川尻第一 久留米

第一東町 第五旭町 第四小森江 第二東町

表5. 1 分析対象組合一覧

事業概要 分析対象

設立認可 施行年度 施行面積 事業貸 減歩率 5. 2 5. 3、 5. 4 5. 5

年月日 公共 保留地 組合標準 計画案 計画変更要因

組合設立認 統計資料 換地 組合 農地残存 市街地対応

昭和 Bg手口 ha 千円 % % 可申請書 (1935年) 設立時

2. 6.13 2-6 1.7 4 10.7

3.11.29 3 10 90.9 534 19.2 7.1 ?

4. 8.30 4 -11 101.8 226 14.2 6.0

5. 3. 4 5 9 33.1 52 17.3 5.4

5. 7. 4 5- 9 34.1 84 13.9 3.3 +

5.10.13 5 18 149.0 301 15.6 5.8

7. 3.31 6 26 234.0 900 21.3 11.1 '

8. 9. 7 8 23 91.8 222 19.7 10.7

11. 9.12 11-12 76.5 15 16.4 5.6

12. 4.17 12-27 45.4 45 10.0 7.9

13. 3.15 12-26 2.7 35 10.0 5.0

15. 2.18 14-34 2.6 142 14.0 6.0

4. 8. 8 4 15 39.1 256 18.9 11.0

6. 2.13 5- 7 2.1 15 17.3 12.7

6. 3.13 5-27 47.8 794 15.4 14.6

7. 7.17 7 14 10.7 17.5 12.5

7.12. 7 7-17 36.5 150 17.2 12.8

7.12. 7 7-16 64.4 208 18.1 11.9

10. 2.19 9 21 :n.9 19 19.7 10.3

15. 1.11 14-34 122.3 3,970 12.4 16.0

15. 2. 2 14 34 77.2 155,073 14.8 29.6

18. 3. 6 17 24 8.9 90 25.8 。 。

5. 7.11 5-13 18.9 101 25.0 6.7

6.10.21 6 22 66.9 294 31.0 11.5

6.12.19 6 20 43.8 132 24.0 7.3

7. 3.10 6 19 56.7 151 31.0 6.9

9. 7.27 9 14 3.7 5 15.0 4.8

9. 1.19 8-34 48.4 134 21.0 4.9

9.10. 9 9-17 11.2 26 18.0 9.7

10. 4. 6 10 -13 1.1 6 32.5 。 。

10. 7. 9 10-34 19.9 250 7.0 24.7

12. 3. 5 11-33 9.2 249 12.9 24.7

12. 6.17 12-21 11.1 47 13.0 11.4

12. 6.18 12-34 8 3.9 240 18.0 12.9

16. 9.22 16-34 41.7 420 25.0

6.10.21 6-11 8.0 34 17.7

6.10.23 6-29 82.4 261 14.4

8.11. 8 8-30 20.3 54 9.6

12. 6.25 12-30 46.9 479 18.6 13.2

15. 8.20 15-30 136.7 25.388 0.6 23.0

4.12. 4 4-16 8.6 50 14.9 7.0

5.1 2.18 5-17 65.6 261 20.5 5.7 ー「

7. 8.23 7-17 49.0 323 23.4

10. 7.18 10-18 23.0 86 22.8 8.4

12. 1.27 11-34 22.6 14,503 15.0 12.9

10. 8.14 10-11 6.5 26 20.4

T15. 5. 1 T.15-27 41.7 177 25.6 5.6 4. 8. 2 4-12 33.8 194 23.2 6.9

.

5.10.10 5-12 18.1 140 20.3 6.9 +

8. 3. 7 8-15 57.5 471 16.5 6.6

5. 7.20 5-26 13.1 78 14.4 7.0

7.10 15 7-23 18.4 162 14.0 0.0

7.12.10 7-18 13.9 298 12.8 31.4

13. 4.20 13-16 9.3 53 11.3 5.5

資料)全国区画整理組合総(1969.3) 全国土地区画整理組合連合会 注)計画図の項目はOは資料入手組合、 。は分析組合を示す 研究対象とした組合は、 アルファベットの略称で示している。

(5)

因の考察では計阿変更街灰及び両地の土地利用と所有状況を分析するが、 この考祭では恭礎 怠料として「換地設計書」を用いた。

5. 2 組合標準の特徴

5. 2. 1 街区標準

まず、 組合設立認可時の街区標準を分析する(表5.2、 図5.1 )。 福岡では各組合ともに長辺 91 m (50間) ...._ 109m (60問)、 短辺45m(25問) ----55m (30問) に近い値を設定している。

組合標準の共通性がみられるのは、 7組合ともほぼ同時期に基本計阿が行われているためと考 えられる。 というのは、 福岡円日新聞の1928年5月18日の記事にIEf T調査中の6のには原材 荒江庄に亘り三百九町、 住吉部九ト五町、 西竪粕百七十四町があってjとあ句、 後者の2つは それぞれTB、 TTに相当する。 さらに、 同年12月2円の記事に同様の地区での準備委員会に 関する記事があり、 福岡県は早期から7つの土地区画整理を一体的に施行しようとする意図が あったと推察できる。 丘陵地に位置している組合は設定に幅を持たせており、 地形に応じて決 定するという記述がみられる。 また、 NM、 NTの長辺の上限は145m(80間)、 127m(70問)、

と平坦地に比べ大きな値となっているのに対し、 画地奥行きと関係のある短辺は、 SYを除い て共通しており、 標準化の意識が強いといえる。 最も早期に認可されたNBは唯一、 方位を考 慮、した設定となっている。 一方、 1937----41年の認可である八幡、 小倉、 若松の組合についてみ ると短辺では各組合ともlこ40...._50mの値が含まれているのに対し、 長辺は各組合によって差異 が大きく、 福岡と同様に短辺の標準化の意図が強くなっている。 また、 その内容をみると、 ノ 幡では数値による設定のみで、 配列に関する方針は設定されていない。 一方、 小倉のMHと+

松のK 1では方位と幹線道路との関係を考慮した同じ方針が記述されており、 両市の連携が考 えられるとともに、 この方針は街区割に関するものであり、 街区標準の発展性が窺える。 以上 のように、 それぞれの組合で全く同一の標準となっているものはなく、 基本計画段階において、

既に地形や将来用途を考慮したものとなっているが、 各市問で街区辺長の設定及び街区割の方 針において共通性がみられる。 特に、 短辺でその傾向が強く、 福岡県都市計画課による統 ー的 な街区標準があったと考えられる。

次に、 1935年3月の統計資料をもとに同様の分析を行う(表5.3、 図5.2)。 この統計資料は

1935年6月の「都市公論」福岡特集号の「北九州及福岡に於ける土地区画整理概況」に掲載さ れたものであり、 街区標準、 岡地標準の数値は、 福岡特集号のために新たに調査したものと考 えられる。 最も明確な特徴として福岡:長辺100m、 110m、 短辺45m、 55m、 八幡:長辺100

(6)

表5. 2 組合設立認可時の街区標準

'巳,

(第21込)1091 1091 耕地として川すゐ('rr'i:父、'IJ火に水怖をI出irlネ:i'�長任℃地とな

(東曲) 1 (商北) 1す場1'ì/)く路をìIT路に変史し第 オメーと|叶僚にする

1091 45�551 .丘陵地は相、iiなるIfJj松任宅地を佳試せうれえは出納付J1E宅が出什する 5060聞の正方形lものと認むゐν

(工業地域) 1 .地形に応じ杓t米のI!J.i芸を-0"!むして決返せりc 91 �1091 36�451・地形にj必じ府米のJlJ.i主を考!留して決記せり亡 91 �1451 45�541 .地形l[jJーならさゐため向慨を a定すゐこと能わす」

91 �1271 40�501 .地形|司 'ならさるため向厚I�を .Æすゐこと能わず

911 551 .此ぷjj[l的治は相古家jポ街集しrJ}後}jにおいても家l七少なからず写版ご

1001 541・都市計聞Ifr出�(Hは|問末路誠にJ'怨して)1宣叶にどを定めゐn

注)- の組合は、 間単位による表記をメートル単位に変換している。2.N Bの街区標準は東西・南北によって辺長を 設定している。 3計画方針に関する記述は原文を引用し、 旧字体は新字体に直している。

E Eコ福岡(7)

!民 Eコ八幡(2)

100 Eコ小倉(1)

Eコ若松(1)

土地区画整理設計標準 N 8 ,�高1区)

(住居地域) S8 住居地域

T8 TT

資料1土地区画堅理般富十・

50 -b

MT K I

50 100 150 200 長辺(m)

注) 0は組合数を示す 土地区画霊理設置十療準の短辺は画1也奥行の2倦としている

図5. 1 組合設立認可時の街区標準の形状分布

(7)

: 11

100 11

50

表5. 3 都市公論掲載の街区標準

単位

i主)この間査(;1.1935年3月に行われたため、 表5,1の中の組合のうち、

1935�手以降に組合が設立されたT T (福岡)、S,K' (八申書)、 MH,

S H (小倉j、 K' (若松)は調査されていない 資料)都市研究会:都市公論(18巻6号福岡特集号19356)

- 福岡(7) - 戸畑(3)

. 八幡(7) . 若松(3)

'

土地区画整理設計標準 (住居地域)

資料 flß市川J18-6 5106) 1

@

oは対象組合数、 Oの数字は該当組合数を示す。

図5. 2 都市公論掲載時の街区標準の形状分布

200 長辺(m)

m、120m、 小食:長辿115m、�tlJl150mという特定の数似にイi,�っているのがわかる。 これと対 照的に) Î畑、)',:松の街1>(偲準は剤[介によって大きく)'J�なった数イl円のl没定となっている。 つまり、

この調子正に伺}依された組作似派は、 作rhが「キIl介litlリ・"r ,l'1 ,ヰ」に日放された街lx� t��H,(�をもとに 新たに設定したものと考えられ、 制|刊、 八|階、 小作では独nの際派を11HJえていたといえる。 し かし、 多くの組合が長辺lOOm�120m、�\lill40m55 mの純UHに合まれており、 来Il作認I1III1

li!?lヰの街Ix�原市と側めて類似したイ,,'[となっている。 |川、十1'11刊のSYとTBではキ1'-介l没,'(Il.j-:の街

|ベ似rV�に刈ーして、「都dJ-公l命」の術Ix:似71Eが長Jl1、 �'J Jl1ともに大きくなっている。 これはイii'七 地を似;ぶした,n-IUljから_f�染地を氾llじしたものへと,illllij変)!iが行われていたためである。

以後に、 制l介紋i111を設定したLイ本を4g-祭する。「キ1'-介li;t kkliZIlia||l l;|Ij ti;:Jには、 制lイTW:i111が,i�

(8)

述される上地区画整理設計書とともに、 組合標準の設定の三基礎となる基本計,01]案が添付される。

これらを作成する主体は、 士地区画整理設計書が駐在員と市職員であるのに対し、 基本JHl由iは 福岡県の委員会事務局職員であることから、 街区標準は、 まず、 福岡県において基本的な街区 形状を長辺 100m ---- 120m、 短辺40m ---- 55 mとするという方針が決定され、 さらに駐ヂf:員がjて 地区画整理設計書を作成する際、 市と協力して施行予定地区の地形、 将来の用途といった随伴 条件を考慮、し、 街区辺の詳細な値や街区割の方針を決定したと考えられる。

5. 2. 2画地標準

組合認可時の画地標準は関口長のみを設定し、 奥行長は街区短辺の2分のlとしている組合 が多く、 背割線を街区中央に持つ二列型の画地割を標準としている(表5.4、 図5.3)。 市別に みると、 福岡ではNBが面積、 SB、 SYが面積と間口長、 NM、 NTが面積と奥行長、 TB、

TTが間口長による設定であり、 認可時期によって異なっている。 さらに設定数値をみると、

間口長は18m ( 10間)、 最小5.5m (3問) と2つの設定がある。 加えて、 区域が隣接している NMとNTでは、 奥行長を 18m( 10問) ----27m (15問) とし、 街区短辺とは無関係に設定して いる。 さらに、 !団地面積は平坦部・ 高位部という立地条件を加味しており、 他の5組合と比較 すると特異な標準となっている。 一方、 他の3市をみると八幡では標準間口長による設定( S

1 : 15m、 K U : 10m) であり、 小倉の2組合は設定なし、 若松のK 1は最小間口20mと共通 性がみられない。

続いて、「都市公論」に掲載された画地標準をみると、 街区標準と同様に各市で特化した間 長となっており、 福岡: 18 m ----20 m、 八幡: 12m、 小倉: 22m ----26m、 若松: 20mとなっ ている(表5.5、 図5.4)。 さらに、 奥行長との比(D/F比) をみると、 八幡と戸畑が2、 福

岡が1.5、 小倉と若松が1に近い値となっており、 D/F比によって画地形状を決定していた

と考えられる。 D/F比の共通性は福岡の組合で特に強く、 市全体の方針として奥行長と間口 長の関係が強く意識されていると考えられる。

以上のように、 画地標準は組合や各市が独自の標準を設定しており、 福岡県全体の標準とい った強い統一性はなみられないことから、 標準画地の設定は駐 在員と市土木課が中心となって 決定されたと考えられる。

(9)

表5. 4 組合設立認可時の画地標準 画地標準

組合名 間口(m) 奥行(m) 計画方針に関する記述

N8 設定なし -現イ正の状況に依り300坪を標準として決定せりν -幹線沿いの|両地は幾分大ならしけるものとす士

S8 18 街廓の

定-せ大きり=さは持ち分に依るは無論なるも大体において120昨を際準として決 1/2

SY 最小5.5 街廓の -幹線沿の両地は路線的商業地とする}j針により -llllj地を

1/2 100坪乃宅120,30坪として決定せり=

NM 設定なし 18�27 . れ |EII 5 l

(

)坪r �にPおf.J

いては l

準 地のす

大きさは80坪乃セ120坪とし、 山小'ï. fH)にイí1) てli150.tt P.J l�200tf.を と るこ

NT 設定なし 18�27 .、I�坦部においては凶i地の大きさは8otFJ)辛口or、ドとする「

T8 18 街廓の1/2 -幹級沿の利用を考慮する=

TT 18 27

)\ SI 15 20

K U 10 街廓の1/2

MH 設定なし

SH 設定なし -将す 米高級住吉地帯を予忽せらる 、処を以て特に大きく、 地形に応じて決

^じ'_

K 1 最小20 街廓の -保権は家尾及びllJ間部を除くp

1/2

注) 1網掛けの組合は、 間単位による表記をメートル単位に変換している。2.NBの街区標準は東西・南北によって辺長 を設定している。3.計画方針に関する記述は原文を引用し、 旧字体は新字体に直している。

E

長40

30

2

0

1

0

1

0

D/F=2 D/F=1.5

/

特1級

/

1級

K I

(間口は最小を設定)

福岡(6) 若松(1) D/F=1

S I : 八幡(2)

20

土地区画整理設計標準

(住居地域)

資料 土地区画整理t宣言十・

30 40

間口(m) 図5. 3 組合設立認可時の画地標準の形状分布

(10)

E

Fo

30

20

10

表5. 5 都市公論掲載の画地標準

単位: m (1935年3月現在)

組合名 間画口地奥準行

什1 円1

小倉 MS 22 26

TS 22 26 MT 24 28

N M 210 9 27

N T

N j 24 28

K F 26 24

TB 18 27 ID 24 28

TT 18 27 S S

)\ K E 15 同. 20 戸畑 KS 12 36

F T 12 22 SW 10 24

KB 118 2 25

T K 20

OD 15 25

若松 F K 11 17

N R 10 20 E S 20 22

HH 12 - 23 F j 20

N H 12 20

i主)1小倉SIの画地標準(j記述がない 2戸畑K Sの画地奥行は誤記と 思われる 3この調査は1935年3月に行われたため、表5.1の中の組合の うち、 1935年以降に組合が設立されたTT (福岡)、S I ,K I (八幡)、

MH,S H (小倉)、 KI (若松)は調査されていない 資料)都市研究会:都市公論(18巻6号福岡特纂号19356)

10

D/F=3 D/F=2 D/F=1.5

20

- 福岡(7) 戸畑(3)

八幡(7) 若松(3)

小倉(7)

土地区画整理設計標準

(住居地域)

資料 f都市公論J18・6 5106

30 40

間口(m) 注) ()は対象組合数、 Oの数字は詰当組合数を示す。

図5. 4 都市公論掲載時の画地標準の形状分布

(11)

5. 2. 3 全国標準との比較

福岡県の組合標準の特徴の一つは、 街区標準を重視した内容となっていることである。 公的 設計標準において「審査標準」が街区重視型、「設計標準Jが岡地重視型の提案となっている ことを考慮すると「審査標準」との関係が大きいと考えられる。 注はできる共通点は2つあり、

①街区短辺長を指定し、 画地奥行長については街区短辺の二分の ーとしている、 ⑦小倉のMH 及び若松のK 1でみられた幹線道路沿に長辺を配置するという}j針は「審査標準J íね案」と 今く同様であるという点である。 しかし、 組合標準の中心である街区標準の辺長の設定は全国 標準と大きく異なっている。 組合標準において街区長辺100m --- l20 m、 短辺40---50mという 統一的な標準が確認できたが、 全国標準においてこの値は、 長辺が3級に相当しているが、 短 辺は2級から1級に相当している(図4.1参照)。 つまり、 組合標準の万が短辺長が深い街区と なっている。 さらに、 街区の形状と配列に関する方針についてみると、 組合標準の全体的傾向 であった丘陵地等の地形に応じて決定するという方針は「審査標準」及び「設計標準」でも述 べられている。 しかし、 小倉のMHの長辺を東西に短辺を南北にとるという方針は、 全国標準 では確認できない。 この方針は中村網のロット割研究において重要な方針となっており、 これ との関連が推察される6)o

続いて、 両地についてみると、 福岡(18m ---20m)は2級、 八幡(12m)は3、 4級、 祖倉 (22m ---26m)は1級にそれぞれ該当しており、 各市で等級が異なっていることから、 全国標 憎の福岡県全体に対する影響は小きかったと考えられる(図4.3参照)0 また、「審査標準J í設 計標準Jの配列に関する方針は組合標準では全く述べられていない。 逆に、 福岡の組合標準で みられた高位部と低位部に分けて画地面積を設定するという方法は全国標準では行われていな

し'0

以上のように、 全国標準と福岡県の組合標準の関連において、 組合標準は街区標準を重視し たものであり、 街区の配列に関する方針において「審査標準」との共通点がみられるが、 全体 的な特徴として組合標準は全国標準を強く意識したものではないといえる。 特に街区形状にお いて注目すべき差異がみられ、 福岡県独自の街区標準の存在が考えられる7)。

5. 3 街区の標準化の意図

5. 3. 1 組合設立時

まず、 八幡の9つの組合の全体的な特徴について分析する。 全体の構成において直線街区、

曲線街区の2つの方針に大きく分けることができ、 組合設立時の段階で既に基本設計調査に某

(12)

づく地形を考慮したものとなっている(図5.5)。 このような2つの街区構成パターンは、 初期 に組合設立が行われたFT、 KB、 TKの計両立案において確立し、 その後の組合ではこの3 つの組合の計画方針に基づいて計両されている。 FTの計画は丘陵地に立地する街区割の基準 であったと考えられ、 隣接するKT及びFT、 YTの丘陵地の街区において同様の方針が採用 されている。 一方、 施行面積の大きいS 1、 KUでは、 平坦地に位置する直線街区においてK B、 TKと同様に組合標準に基づいた街区形状となっている。 しかし、 宅地化の進行といった 組合固有の土地利用条件によって形状や配列が規定されている街区もみられる。

さらに、 組合別の計画の特徴について詳細に考察する。 まず、 FT、 KB、 TKについてみ ると、 当時、 この3つの組合は八幡の「三大区画整理」と呼ばれ、 その計画案は、 ほぼ同じ時 期に作成されたと推察される8)。 曲線街区構成のFTでは、 ①等高線に沿って区画道路を配管 する、 ②区画道路の交差部は直交する、 という2点が重視され、 申請書中にも「丘陵地におい ては曲線を選ぶの阻むを得ざる所にして地形を尊重し地勢に順応することト〔路線は、 一般に 直角交差を標準とす」という方針が明記されている。 この2つの方針は造成費の軽減といった

、1/時の経済的理由に加えて、 1927年の「審査標準Jの街区形状に関する方針と全く同様である ことから、 全国標準の影響が窺える9)。 一方、 直線街区によって構成されているKB、 TKは

「理j僚的新市街地J 10) の形成を目的として計画されたため、 街区標準を強く意識した街区形状 となっている。 両組合の街区形状は、 KBの南北方向の街区が短辺: 40----50m、 長辺: 90---- 100m 、 KB及びTK北部の東西方向の街区が短辺: 40--- 50m、 長辺: 1 00 ---- 110mに統ーされ ており、 街区標準と一致している(図5.6)。 さらに、 街区割の特徴をみるとKBでは幹線道路 沿いに街区長辺を配置しており、 南北方向の街区と東西方向の街区が混在した計画となってい る。 両方向の街区の短辺長さはほぼ一致していることから、 方位に対する考慮、は重視されてい なかったと考えられる。 同様にTKにおいても幹線道路沿いに街区長辺を配置しており、 これ らの街区は「筋線筋業地域J 11) を想定しているため、 長辺長さが相対的に大きくなっている。

これらの3つの計画案は、 事業実施過程においても大きな変更は行われず、 当初の計画通り実 行されている。

次に、 丘陵地に位置するKT、 FY、 YTでは、 幹線道路が地区内に計画されていないため、

YTの西部を除く全域が曲線街区によって構成されており、 その街区割はFTの2つの方針に 従っている。

続いて、 S 1、 KUにおける組合固有の計画的特徴についてみると、 S 1では四角形街l涯を 某本としながらも、 地区西部の街区では整然とした格子状配置とはなっていないため、 矩形街

(13)

fSK1竺盛

|組合設立時(1932) f

o 100 200 ・0酎n

一一

図5. 5

1 �� 200__400m

注1) ( )は組合設立認可及び燥地処分認可年を示す。

換地処分認可年を示す。

(八幡)

(14)

;: | I I I I I I I i ::

;;

I I

40図60 70 80 90100 LV20 30困50 60 70 80

I I I I I I | ;:

「一一一一寸 雇辺の長さ (m) r-一一一「短迎の長さ

I K B I I T K I

80 90 109 . \m, 20 30也旦2到60 70 80 90 109一一一一「短辺の長さ .

|KUI

|街開園1�3園4�6圏7�9 _10� 1

注)図注の口は組合標準の値を示す。

|

組合設立時

|

nunununununu-nu-nunu

、J

1J

1J

J

J 市げ市河川口

刊叩引創引

白山日sh刷仙

(m) 180 170 160 150 140 130

nu nu nu nu nu nu aU マr

《b にJ AU守 内J

(m) 180 170 160 150 140 130 120 110

nu nu nu nu oロ 句f

《hu EJ

図5. 6 四角形街区の形状分布1 (八幡)

|組 合 設 立 時|

丘r F TE酒闇!IIIII!!IIII!!I-i磁溺醐 12 齢制泌総結議綜ね持政ね蕊お必� 73

陵IY1:圃民園闘翻鐙2醐醐 4 t総治問問総持鴻都鈎:::::::�:ミ*主�:��] 27

I K 1: 麟醸産主::::::::;:::{::;::�:;;;:;::;;:;おJill持訟総滋選殺慰伐撚 ミ掠撚::滋縦:訟税泌総段総:主診♂郁桝料E診以斡制料悦3誌詳烈伐時吟�:::匂粍:::宅宅於4宅宅投恕慌檎;:主♂お殺:::京詩路総'::,完滋溺静炉��蕊設絞綜i主お荻炉が例3浮伊伊阿料附3主詫浴符玲:.主湾冷::巧投潟2努投窃凋5主点潟:::司;当� 9

L F Y臨盟 2 l:rtr::;::i:;I泌総��t���;m���!�減税濯減�;��t:�長;::::��:::::�:�::�:誕生総会問j主将司 17 r'K B-・E・-ーE・E・-ーー由一中。明白石辺司潟概観欄唖密閉 5I 55

平I N R一一蝿盟蝿臨調臨踊醐 1 W!N:K;:!�抑制 5

坦I S 1.:・m醐鴫唖]綴踊磁磁調 49 I;:;:;:�:::::;;:::�;日:�;;:�;�:� 131 1也I KU_fi�翻 8 �;:;:;:�;:;::会,::�;:;;::宇;:;:;:;:;:22;:;:;::'::主主主泌総生::I 48

ITKE圃園町p 哩崎翻溜踊 12 I,:;:i泌総:岐部::�:��;主:�:�:��j�::� 79

1111111111111111111111111111111111川111111 11 1 11 1 11 1分析め区数 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 10o (%)

一街区の辺数N

矩形街区 . N>4'N<4口 N=4曜と十 |

�::t非矩形街区 |幽線のある街区図

図5. 7 街区形状のタイプ別割合1 (八幡)

区の割合が6.1%と極めて低くなっている(図5.7)。 これは、 従前の宅地面積が地区面積の 26%と整理前に宅地化が進行しており、 加えて地区西部は緩やかな斜面地であったことが要 となっている12)。 さらに、 KUでは地区東部において大小の街区が混在した不規則な街区割と なっているが、 これは中央の街区に神社が立地しており、 地形的にも丘陵状であったためであ る。 一方、 北西一南東方向の4列の矩形街区は長辺: 120m、短辺: 40mに統ーされ、 組合標準 と一致しているが、 このうち南の3列は組合設立時の時点で社宅用地として計画されている。

これはKUが一帯の土地区画整理の中で最後に認可され、 隣接する士地区画整理地区の土地利 用が既に決定されていたことが要因として考えられる。 最後に、 施行面積が3.7haと狭小なN

(15)

(m) 福 岡

130

�j日言語 ð1r.r.

,,1 伽'Z

(m)

180 同} 小倉

180 170 160 150

20 L _j11111 | LLJ

Z t工士 土百 1 2

20 30匝三回60 70 80 90100 <.v20 30 40[司60 70 80 90100(m) 短辺の長さ (m) . - -20医ヨヨ50 60 70 80 90109_,

EE

短辺の長さ t

J EE

t

[f0EJ

短辺の長さ

|街区数翻1-3翻4-6醐7-9 _10-\

i主)図注の口は各辺の組合標準の値を示す。

図5. 8 四角形街区の形状分布2 (福岡、 小倉)

Rでは、 南北方向の街区の形状が短辺: 48m、

長辺: 100mに統一され、 隣接するKBの街医 と全く同じ形状となっている。

続いて、 福岡のSB、 TTについて考察する《

2つの組合の従前の地形はSBの東部の丘陵地 を除いて平坦地に位置しており、 ほぼ全域が整 形街区によって構成されている(図5.10参照)0

しかし、 短辺長さにおいて明確な差異がみられ SBでは40...50mに統一されているのに対し、

福r

SB

小(MH

悶lTT 倉I SH Z fF

J .

門(KD

|組 合 設 立 時|

'- Ilililiiiilliillliiiliillliillliiiillllil'liililiil分析荏I区数

o 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) 一街区の辺数 N

---矩形街区 . N>4. N<4仁コ

N=4唱と十 |

..._非矩形街区 臨調 |曲線のある街区医m

図5. 9 街区形状のタイプ別割合2 (福岡、 小倉、 若松、 門司)

TTでは40...60mの範聞に分布している。 また、 長辺長さは両組合ともに分布幅は広くなって

いるが、 SBは90"""'" 100m、 110...120m、 150"""'" 160mの3つの収束がみられるのに対し、 TT では主に90"""'" 140mの範囲に分布しており、 相対的にTTの街区形状が大きくなっている(図 5.8)。 組合標準の短辺長さはSB : 45...55m、 TT : 54mであり、 計画案とほぼ一致している が、 長辺ではTTの街区標準が100mとなっており、 計画案とのズレがみられる。 TTの街区 標準である100m X54mと一致する街区は地区南部の東西方向の街区であるが、 これらの街区 では幹線道路と区画道路が直通しない「交列式J 13)配置を採用しており、 住宅地としての利 用を考慮していたと推察される。 同様に、 SBの街区標準に相当する長辺110----120mの街区は 地区東部の南北方向の街区に相当するが、 この街区の画地割は背割二列型となっており、 高級

(16)

|換地処分時(1936)I

o -1(悶 2∞ 40曲n

S B (福岡)

|組合設立時(1940)I

|組合設立時(1940)I

T T (福岡)

o 100 2∞ 柑伽

一一

|組合設立時(1933)I

|換地処分時(1955)I

F j (若松)

|組合設立時(1935)ト...,換地処分時�1936) I

(17)

住宅地の形成を想定しているのに対し14)、 地区阿部の内角形街|えのl同地割は短辺にもI�li地問I 1 が配置されており、 イ主商混合地域を怨定している。 つまり、 福岡の2つの組合では、 J1J途に応 じて街区形状及び街区割を決定しており、 住宅地としての利用を忽定した街灰では来日令標準に 基づいて計|判されていることが分かる。

寂後に、 ]940年に組合が設立された小倉のMH、 SHについて考察する。 現在中心市街地と

なっている両組合の街区割は大規模な公共施設と不規則に通る幹線道路の規定性が強く、 組合 設立時の段階で既に大小の街区が混在した計画となっている。 MHでは事業の主目的で都市計 画事業であった地区中央の総合運動公園整備に加えて、2つの小学校、 高等学校が予定されて お旬、予測される急 議主な布街化対し {周辺の用地買収離耕地の問題を円滑に処理すJ 15) ため土地区画整理事業が併用されている。 全区域を住宅地として想定しており、 組合標準にお いて{街廓の長辺を東西に短辺を南北に採りJ 16)ヒ方位を考慮した方針が明記されたが、 同 時しこ{都市計画街路沿は大体に於て商業地の予定なるに依り街廓の長辺を採りi川ヒ斡線道路

との関係についても記されており、 実際の計画では後者が優先されている。 唯一、 北東部にお いて東西方向の街区配置に対する意図が確認できる。 街区形状の点では、 街区標準である短辺 35 ---45 mの収束度は強いと言えるが、 幹線道路沿の街区短辺が他の街区より相対的に大きくな っており、 福岡、 八幡ではみられない計画的意図が窺える。 一方、 SHは地区全域が丘陵地に v地しているが四角形街区の割合が59%と直線街区によって構成されており、 八幡の丘陵地の 計画と大きく異なっている。 しかし、 街区標準では「将来高級住宅地帯を予想せらるる処去る

を以て街廓及び画地は特に大きく地形に応じてJ 18) 決定することを原町ヒし、 具体的な数値 設定を行っておらず、 実際の計画においも街区形状は短辺、 長辺ともに統一されていない。 尚、

若松のF]及び門司のKDは、 両組合ともに計画変更が行われていないため、 換地処分時と全 く同様の計画となっている。 F]は主に四角形街区で構成されており、 その街区形状は短辺に おいて組合標準が強く意識されている。 また、 KDは、 地形に応じた曲線街区による構成であ るが、 幹線道路に対して全ての区画道路が直交しており、 小倉の組合に近い整然とした計画と なっている。

以上のように、 組合標準に基づき街区短辺の標準化を重視する傾向や幹線道路沿いに街区長 辺を配置するという点で福岡県全体の特徴がみられた。 街区形状の点では画地奥行が決定され る街区短辺において強い共通性がみられ、 福岡県全体の組合標準の特徴であった短辺長の深い 街区が計画案として実現されている。 一方、 街区長辺は相対的に分布範囲が広く、 街区割の調 整が街区長辺によって行われてることから、 短辺に比べ標準化の意図は重要視されていなかっ

(18)

たと考えられる。 また、 計画案において個別の組合標準は主に住宅地を怨定した街lベに対して 適応されているが、 八幡の初期のKBやTKでは街区の大半が組合標準に準じているのに対し、

福岡のSB、 TTでは 一部の街|又のみが一致しているだけであり、 組合標準の適応の度合いは 各市、 組合設立時期によって差異がみられる。 このような福岡県全体の計画の共通性と八幡、

福岡、 小倉の各市の個別性というこ面性は、 福岡県の都市計画福岡地);委員会事務局職員が基 本計画を立案し、 その後、 各市の職員と県都市計画課の駐在員がその案を検討し、 組合設立時 の計画を作成するという計画主体の属人的組織関係に基づいていると考えられる。

5. 3. 2 換地処分時

まず、 組合設立時と換地処分時の計画案を比較し、 街区の計画変更の実態について考察する。

八幡の9つの組合についてみると、 計画変更の度合と変更内容によって3つに区別できる。 F

区街れ更変

(T)�占 400m

注) ( )は組合股立U可及び換地処分甥可年を示す。

図5. 11 計画変更街区の分布1 (八幡) T K (八幡)

(19)

T、 KB、 TKの計画変更は一部の街区のみで あり、 組合設立時の計両がほぼ実現している (図5.11)。 変更の内容をみるとFT、 KBは 複数の街区が統合されているのに対し、 TKで は組合設立時の街区が分割されている。 一部の 街区の変更であるため、 組合設立時でみられた KBの短辺: 40 ---50m、 長辺: 90---1 OOm、 T Kの短辺: 40--- 50m、 長辺: 1 00--- 110mという 街区標準は換地処分時でも継続されており、 標 准化の意図が継承されている(図5.12)0 一方、

丘陵地に位置するKT、 FY、 YTの街区は地 メの大半が変更されている。 この変更の内容は 複数の街区の統合であり、 大規模な街区の形成 によって図5.13に示すように地区全体の街区数 が減少している。 しかし、 街区割はKT、 FY は曲線街区、 YTが矩形街区による構成を基本 としており、 街区形状のタイプ別割合における 組合設立時との大きな変化はみられない。 また S I、 KUでも大半の街区が変更されているo S Iでは地区西部の不整形街区において区画道 路が変更されている。 組合設立時には規模や方 位に統一性がみられたが、 計画変更によって大 小の規模、 東西長街区と南北長街区が混在した 構成となっている。 換地処分時では方位よりも 幹線沿に街区長辺を配置するという方針が優先 されており、 幹線道路を基本とした街区割へと 変化している。 KUでは地区中央の組合標準に 基づくグリッド配置の街区が統合された結果、

地 区全体で街区規模が大きくなっている。 図 5.12をみるとS Iでは組合設立時にみられた短

」引」

処地 換 同 nununu マfFOE-d

180

(m)

170 160 150 140 130 120 110 nunununU QU7FハDF3

;; mlH ;;

一 o 40[到60 70 80 90100 c.v20 30困50 60 70 80 90 100 区E

短辺の長さ m}

[TI]

酬の長さ

180

(m)

170 160 150 140 130 120 E110 品回

1)1-

90 80 70 60

需 主

1::1

ouo心0 0 一 円以 一 0 0 000o n 876543 一 2 一 1C9876 h 111111 1 11 一

一一

で 「 1 寸1 1 1 1 1 11 :�

�: 1 1 111 1 1 1 1| 二

;�

I 1 111 1 1 1 1| ニ

え竺 堅 苦ぷ38090 % 竺雪山J090 100

| S I 1 川くul

|街区数日1-3閥4-6醐7-9 _1叶

図5. 12 四角形街区の形状分布3 (八幡)

j主)図注の口は組合標準の値を示す。

|換 地 処 分 時|

FYKFKNSKT

/Illi--K /Ill1111iL 陵 丘 地 平 坦 地

o 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%)

一街区の辺数N

N=4叫---矩形街区 .

.__非矩形街区 霞罰

l

N>4 Nく4口 幽線のある街区仁コ 図5. 13 街区形状のタイプ別割合3 (八幡)

(20)

辺40----50mへの収束性は小さく、 換地処分時には40----60mの範聞に分布している。 � )j、 KU では大きく分散しており、 特定の形状への標準化の意図はみられない。 このように八幡の9つ の組合は施行地医が互いに隣接しているにも拘わらず、 街区変更の実態は組合によって異なっ ている。 このため、 全体の街区構成は街区標準に基づく整形街区による構成と不整形街|べによ る構成が混花しており、 結果的に統一的な計画意図を見出すことができない計画となっている。

次に、 福岡のSB、 TTの街区変更について考察する。 この2つの組合でも、 八幡と"可様に 大半の街区が変更されているが、 換地処分時の街区割は整形街区によるグリッド配置が巾心で、

組合設立時の構成を基本的に継承している(図5.14)。 さらに、 詳細に分析すると、 SBでは 地区南西部において東西長街区が東西5列から4 �iJへ、 南北3列から2列へ変更され、 これに 伴い南北方向の街区は東西2列から3列へと変更されている。 さらに、 換地処分時の計阿は地 メ東部の南北道路が幹線道路と平行に配置されており、 地区外道路との関係よりも幹線道路と の関係が優先されている。 また、 TTでは地区北部において南北長街区から東西長街区を基本 とした構成へと変更され、 さらに、 地区南部では街区長辺を統一して区画道路を直通させてい る。 しかしながら、 幹線道路沿いに街区長辺を配置するとい った基本的な計画方針は継承され ている。 以上の変更の結果、 換地処分時の短辺長の分布は相対的に分散傾向にある。 しかし、

S B : 40m ----50m、 TT : 40----60mの範囲に分布しており、 組合設立時よりも短辺長が大きく なる傾向にあるが、 組合設立時の標準化意図は継承されているといえる(図5.15)。 一方、 長

閣両主主分時行百司

S B (福岡)

t」2LLJ

m

図5. 14

計画変更街区の分布2

(福岡)

T T (福岡)

(21)

N \

(m)

塑旦

刷 小倉

1 1 1 出 問 Ji

I;JU

1 I 闘い1 1 1 ,_,v

[ 時

圃Jf什 揚封 十卜|イ ニ H場llu ll I j �

川 計ιi I.. J.IJ.l. 1 I I II 120 口 弘 初 寸寸Tl L ��I

|処 見�l 紛11 I I ,|山lr� 1 1 Lコ

M 子 1 2I 「UWJ |よ TI �D 圏 _ L上J t! I 附;� I � 日 u 川.� ;� � l-- ulH �-- I-+-W ;�

oトト→一寸寸十十一←ート→

60

(( 出 二m 円 平 l j;

v.

t -_,

一一

ート一昨

-.�ーートー 占同

一 一._-

Z乙

ト一一 一ー一

ート一一 ト一一

20 30 [1Q三司60 70 80 90100 ιV20 30 40[盟60 70 80 90100 --20130 40150 60 70 80 90109 、

「一一一「 短辺の長さ (m) r一一一「短辺の長さ (m) r-一一一「短辺の長さ J

IS B I I T TI I MHI

|街区数口1-3翻4-6閥7-9圃10-1

i主)図注の口は各辺の組合標準の値を示す。

図5. 15 四角形街区の形状分布4 (福岡、 小倉)

地処 分時|

岡 TT

130

小什J「fMS k F H 159

H

J 33

D

分析荏I区数

o 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) 一街区の辺数N

N=4

〈ご:ド

矩形街区 .

矩形街区 医習 曲線のある街区Eコ

図5. 16 街区形状のタイプ別割合4 (福岡、 小倉、 若松、 門司)

N 、\

S H (小倉)

o 100 200 400m

j-ーーー一一一一一

M H (小倉) 図5. 17 計画変更街区の分布3 (小倉)

(22)

生九分時(1941)l

M背開斗

M T (小倉) 500(m)

|D (小倉)

図5. 18 換地処分時の計画図(小倉)

辺方向の収束傾向は小さく、 広い範囲に分布しており、 標準化意図は全くみられない。 また、

図5.16をみるとSBの矩形街区の減少が顕著であるが、 これは幹線道路に接する医両道路がて]z 行に配置されていないためである。

続いて、 小倉のMH、 SHについてみると一部の街区において統合型の計画変更が行われて いる。 また、 MHでは規則的な街区割から曲線街区や変則的な街区割への変更が部分的にみら れる。 このため、 図5.16に示すように矩形街区の割合が小さくなっているが、 その他の街区に

おける形状の大きな変化はみられない。 小倉では組合設立時の段階から大規模な公共施設と不 規則な幹線道路によって、 大小の街区規模が混在した計画となっており、 また、 街区標準の数 値設定も行っていないことから、 換地処分時の計画における標準化意図は重視されていなかっ たと考えられる。 一方、 小倉の中にも換地処分時の標準化意図の窺える組合も確認できる。 幹 線道路が直交しているMTでは短辺: 40'"'- 50m、 長辺: 100'"'- 110mに四角形街区の半数が分布 しており、 これは組合標準と一致している(図5.15,5.18)。 また、 1 Dでも短辺: 40---50m、

長辺: 100'"'-110mに分布が集約しており、 短辺に加えて長辺も組合標準が意識的に適用されて v'る。

以上のように、 組合設立時の計画で確認できた各市の個別性は、 計画変更の内容にも確認で きる。 その結果、 大半の街区が変更されている組合では組合設立時の標準化意図はみられなく なり、 大小の街区が混在した統一性のない街区割となっている。 一方、 区画道路の変更が行わ れている組合では幹線道路との関係がより強く、 組合標準の規定性は小さくなっており、 特に、

短辺長が大きくなる傾向にある。

5. 4 画地の標準化の意図

5. 4. 1 組合設立時

参照

Outline

関連したドキュメント

平成 27 年 2 月 17 日に開催した第 4 回では,図-3 の基 本計画案を提案し了承を得た上で,敷地 1 の整備計画に

また,文献 [7] ではGDPの70%を占めるサービス業に おけるIT化を重点的に支援することについて提言して

日頃から製造室内で行っていることを一般衛生管理計画 ①~⑩と重点 管理計画

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

⑰ 要求水準書 第5 施設計画(泉区役所等に関する要求水準) 1.泉区役所等に関する基本的性 能について(4 件). No

う東京電力自らPDCAを回して業 務を継続的に改善することは望まし

FSIS が実施する HACCP の検証には、基本的検証と HACCP 運用に関する検証から構 成されている。基本的検証では、危害分析などの

・本計画は都市計画に関する基本的な方 針を定めるもので、各事業の具体的な