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Can-Do 評価-学習タスクに基づく モジュール型シラバス構築の試み

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Can-Do 評価-学習タスクに基づく モジュール型シラバス構築の試み

長沼 君主

はじめに

1. Can-Doチェックリストの開発

1.1 内部指標としてのCDS開発の必要性

1.2 学習シラバスに基づいたCan-Doフレームワークの記述

1.3 客観的能力指標に基づいたCan-Doフレームワークの検証

1.4 自己評価のためのCan-Doチェックリストの開発 1.5 アカデミックCan-Do尺度によるスキルバランスの検証 1.6 Can-Doチェックリストによる到達度の検証

2. Can-Do評価-学習タスクの開発

2.1 学習タスクとしてのCan-Do評価タスクの開発

2.2 Can-Do評価タスク実施におけるスパイラル・デザインと技能融合

2.3 Can-Do評価-学習タスク実施によるタスクの効果検証

3. Can-Do学習モジュールの開発

3.1 出口を見据えた入り口からのCan-Doタスクの積み上げ

3.2 Can-Doタスクの有機的つながりによるモジュール型シラバスの展開

おわりに

はじめに

外国語教育の分野では近年 Can-Do Statements(以下、CDS)に基づいた能力指標が用いら れ、「言語を用いて何ができるか」(Can-Do)といった視点から、到達目標や評価に関する様々 な教育改革が行われている。大学においては、大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)では、

ヨーロッパにおける言語能力発達段階の参照枠組みである CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)[Council of Europe 2001]を参照とした到達度評価制度 を設けることにより、複数の言語がそれぞれの言語ごとに適切な到達目標を持ちつつも、言語 間の到達目標に共通性と透明性を持たせることを可能としている[真嶋 2007]。慶應義塾大学で

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も、外国語教育研究センターにおいて、複言語間での横のつながりを生み出すべく、CEFR を 参照とした共通参照枠策定の研究が始まっており、同時にまた小中高大の縦の連携も模索して いる段階である[慶應義塾大学外国語教育研究センター 2009]。その中では、CEFRにおける自 己評価型のCan-Do リスト 1)を、日本人学習者に合わせて内容を修正し、客観テストにより測 られる現実の能力とどれくらい相関するのかを調べるといった検証も行われている。

言語を英語に限っていえば、さらに多くのカリキュラム改革の試みがなされており、茨城大 学でもCEFRに基づいた改革が行われ、CEFRレベルに対応した5つのレベル(A1-B2)のそれぞ れで共通教材が設定されている[永井・福田 2004; 阿野他 2007]。愛媛大学では、CEFR他、国

内外のCan-Doリストを参照した英語運用能力判断基準が開発され、その調査結果は、共通シ

ラバスや統一教科書への反映がなされつつある[山西・廣森 2008; 廣森 2009]。東海大学では、

CEFRに準拠しつつも独自のCan-Do リストが作成され、授業目標を記したリストとは別に学 生の自己評価用リストなども作られ、試験的に運用が始められている[東海大学外国語教育セン ター 2009]。東京外国語大学でも、英語学習支援センターにおいて、CEFR を参考としたレベ ル判定による共通課題の設定が行われており、CEFR に準拠した形での言語パスポートの発行 が目指されている[長沼・工藤・吉冨 2009]。こうしたCEFRの日本人大学生へのあてはまりは 様々な形で研究がされており[根岸 2006; 中島・永田 2006; 斉田 2008]、その適用可能性につ いて多くの事例が生まれつつある。

こうした大学における試みが、カリキュラム管理者側の視点からの CDS の活用であり、多 くは授業を超えた形での共通の到達目標を設けようとのねらいからの、トップダウン的なもの であるのに対して、授業者の立場からのボトムアップ的な事例についても、主に高校英語教育 において増えつつある。神戸市立葺合高等学校では、CEFR を直接に適用したシラバスが組ま れ、新潟県立村上中等教育学校では、CDSにより記述されたレッスンごとの「単元カリキュラ ム」が作成された。埼玉県立南稜高等学校では、CDS を用いて学習タスクを記述することで、

シラバス内の相互のタスクがつながりを持つようになった。福岡県立香住丘高等学校では、全 体のシラバスを俯瞰する CDS を用いたフレームワークが作成され、付随する自己評価チェッ クリストや評価タスクが開発されつつある[長沼 2008]。この他にも、埼玉県や山梨県などでは、

県教育委員会主導でのCDSを用いた高校英語教育改革の推進が行われており[長沼 2007]、鹿 児島でも県レベルでの中高一貫での CDS に基づいた「鹿児島スタンダード」の開発と運用が 行われている[有嶋 2009]。CDSを用いた研究の広まりは中学校や小学校においても見られ[北 原 2008; 小川・長沼 2008]、小中高大連携の足掛かりとなることが期待されている[小池・投 野 2008]。

本論文ではこれらの実践研究のうち、香住丘高等学校と行った共同研究成果について、その

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研究開発過程を述べ、CDSを用いたモジュール型シラバス構築による高校英語教育改革の方向 性を示すことを目的とする。モジュール型シラバスの特徴は、項目配列の柔軟性と多次元性に あり[長沼 2004:116]、変化する学習者の能力やニーズに応じて、適切なモジュール選択を行い ながら、CDSに基づいた能力評価を組み入れることにより、自律的学習を促すことが可能とな る。香住丘高等学校は、文部科学省による平成15-17年度SELHi(Super English Language High School)指定校であり、指定年度終了後も共同研究の覚え書きを交わし、縦断的な研究を行っ ており、現在、3サイクル目の研究期間に入っている。本論文では、①Can-Doチェックリスト の開発、②Can-Do評価タスクの開発、③Can-Do学習モジュールの開発の3つの過程に分け、

現在、開発されつつあるCan-Do評価-学習タスクを用いたモジュール型シラバスの開発過程 について述べていく。

1. Can-Doチェックリストの開発 1.1 内部指標としてのCDS開発の必要性

CEFRに見られるような共通の参照枠組みとしての外部指標のCDSは、到達段階を客観的に 把握し、相互に比較参照が可能な形で記述する上では有用であるものの、利用者を限定しない 汎用的な能力記述となっている点で、それぞれが置かれた学習状況での具体的な個別の学習内 容を扱うには抽象の度合いが高い。また、CEFR が開発された文脈上の特性から、コミュニケ ーション志向の記述が多く、例えば、音読やシャドーイングなどといった日本における教室場 面で観察されるような学習内容を記述する際には、より一般化した抽象度を上げた記述に頼ら ざるを得ない[長沼 2008:2-3]。

こうした現実場面での能力を記述した汎用性の度合いの高い外部指標の CDS は、学習して いる内容の説明責任(accountability)を高め、一貫した透明性の高い学習の指針を与えること により、「できるようになるはずのこと」(Could-do)を示す意味で、学習者を動機づけること が期待される。その一方で、学習者が現在の教室における学習到達段階を具体的に把握するに は情報量に欠け、より詳細な能力情報のフィードバックのためには、実際に学習をしているシ ラバスに基づいた内部指標としてのCDSの開発が必要となる。

1.2 学習シラバスに基づいたCan-Doフレームワークの記述

香住丘高等学校では、平成15-17年度にかけてのSELHi研究指定期間終了後に、それまでの 研究の総括として、SELHi対象クラスにおける学習シラバスを反映した内部指標Can-Doフレ ームワークである「香住丘Can-Doグレード」の開発を行った[長沼・永末 2006]。フレームワ ークでは、学年ごとの到達段階記述では到達までに要する期間が長いことから、より短期の目

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標を定めるために各学年を2つの期間に分け、入学時のGrade 1から卒業時のGrade 6までの 6つのグレードが設けられた。その上で、それぞれのグレードにおいて、大抵の生徒(70~80%)

ができると判断されるレベルの行動を、実際に教室で行われている具体的な活動に基づいて技 能ごとに記述した。

フレームワークにおける CDS は、ある程度の記述の一般性も持たせつつも、可読性に考慮 し、教材名を記すなど実際の教材を参照した形で記述された。例えば、Grade 2のリーディン グのCDSでは、「『Reading Power』のReading Fasterセクションのテキストを120 wpmで読む ことができる」といった記述が、Grade 5のスピーキングのCDSでは、「『The Japan Timesニ ュースダイジェスト』の英文記事を読んで、口頭で要約することができる」といった記述がな された。これらのCDSはシラバス上に記載される到達目標としてのCDSであるだけでなく、

生徒の置かれた「今、ここ」の教室場面において、過去において現実に達成された到達基準に 基づいたものでもあり、複数の教師の判断のもと作成された。

こうしたフレームワークの開発を通して、各グレードで学習している内容を具体的な CDS に落とし込む作業の中で、それぞれの教室や学年間における取り組みに整合性をもたらすこと が、個々の学校での内部指標としてのCan-Doフレームワーク開発の効用の1つである。また、

これまで語られることの少なかったそれぞれの教員の内的なシラバスが外に出されて可視化さ れ、教員間の対話が生まれることにも意義がある。

1.3 客観的能力指標に基づいたCan-Doフレームワークの検証

「香住丘Can-Doグレード」におけるCDSは、各グレードにおける英検(実用英語技能検定)

到達級、TOEICやGTEC for STUDENTSなどの外部試験スコアとともに示され、到達度基準 となる具体的な行動記述に加えて、それぞれのグレードでの能力レベルが客観的指標により記 述され、質的、量的の両側面から能力発達を把握できるものとされた。英語能力スコアの発達 と、実際の授業内で到達されている具体的な行動が相互に参照できる形式となっており、各能 力試験において開発されたCDS 2)と相互比較することにより、フレームワークの妥当性を検証 することが可能となる。例えば、Grade 2 の平均リーディング・スコアに対応した GTEC for

STUDENTS CDSには、「文章を読むスピードはあまり速くないが、ほぼ正確に理解できる」と

いった記述があり、上記にあげた香住丘高等学校におけるフレームワークの CDS 記述にほぼ 該当している。

また、こうした客観的な外部試験スコアとの対応づけに加えて、外部指標である参照枠組み としてのCEFRのCDSの分析を行い、それぞれのグレードにあてはまると判断され、なおか つ実際の教室での活動と整合性が高いと思われる能力記述を抽出して、CEFR との対応関係を

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併記した。その結果、CEFRのA1-C2の6段階の能力レベルで、Grade 1でA1-A2、Grade 2で B1、Grade 3-4でB2、Grade 5-6でC1のCDSの一部が達成されていることが確認された3)。し かしながら、これらの判断は教師の主観によるものであり、とりわけ、C1レベルのCDS達成 に疑問が残されることから、現在、慶應義塾大学外国語教育研究センターにおいて開発された 日本語版CFERチェックリスト[跡部他 2008]をもとに、調査検証を進めているところである。

1.4 自己評価のためのCan-Doチェックリストの開発

「香住丘 Can-Doグレード」は、教師の視点から記述されており、フレームワークとして、

継続して利用を行ったり、外部に示したりする必要性から、具体性を損ねない範囲で汎用的な 一般的な記述を心がけており、必ずしも学習者にとってわかりやすい記述とはなっていない。

また、項目数の上でも、学習者の自己評価のためのチェックリストとして実施するには量も多 く煩雑であることから、各グレードで4 技能のそれぞれで5項目ずつに絞った形で、「香住丘

Can-Doチェックリスト」の開発が行われた。

チェックリストは、フレームワークにおける CDS から項目間のスキルバランスを考慮して 代表的な項目を選択し、学習者にとってわかりやすい記述であることを意識して記述を改めた ものであり、それぞれの項目において「できる度チェック」(Can-Do)と「やりたい度チェック」

(Needs)を4段階で尋ねる形式となっている。CDSは「できる(can do)」か「できない(cannot do)」

の判断に加えて、「困難を覚えるができる(can do with difficulty)」といった「TOEIC Can-Doガ イド」2)の形式と、「楽にできる(can do easily)」といったCEFRのCan-Doリスト1)の形式を合 わせた形で尋ねており、「非常にあてはまる」から「まったくあてはまらない」といったような 抽象的な段階で尋ねることはしていない。また、ニーズも単にニーズの度合いを尋ねるのでは なく、能力との関連から判断を促すようにしており、「できるけどしたい」、「できるのでしたく ない」、「できないのでしたい」、「できないけどしたくない」と、ニーズが低い場合の判断根拠 が明確になるようにしている。(図1)

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図1 「香住丘Can-Doチェックリスト」(Grade 3: リーディングCDS改訂版)

チェックリストにおける CDS は、各学年での学習段階を示すための指針であると同時に、

学習者にとっての自己の学習段階を認識するための道具としても機能することが期待される。

このように個々の教室場面に応じて開発された、現実感を伴った能力記述は、学習者を動機づ け、自律的学習を促す上でも効果的であると思われる。チェックリストは、フレームワークで 記述した CDS が、実際にどの程度達成されているかを、生徒の主観的評価から実証するもの であると同時に、学習者にとって今後の学習指標を与え、継続的な能力発達を意識させること も意図している。香住丘高等学校では、「言語学習動機づけ診断調査」[長沼 1999]を合わせて 実施し、「動機づけ診断レポート」の個別フィードバックを同時に行っており、情意面と能力面 の両面から学習者の状況を判断し、それが英語力スコアとどう関連しているのかを分析するこ とを可能としている。それはまた教員のみならず、学習者にとっても自己の能力発達段階や情 意的な状況をモニターする有効な道具となり、自律的学習を支えるものとなっている。

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1.5 アカデミックCan-Do尺度によるスキルバランスの検証

このような内部指標としての Can-Doチェックリストの他、外部指標として「清泉アカデミ ックCan-Do尺度」[長沼・宮嶋 2006]も実施しており、4技能各5項目の20項目からなるCDS 上での能力発達のバランスも見ている。内部指標としての CDS がすべての項目が到達される べき目標であるのに対して、外部指標における CDS は必ずしもシラバスの内容を反映したも のではなく、逆にそのような外部指標を用いることにより、各技能における下位技能が、各学 年でどのようなバランスで発達をしていくのかを検証することができる。「清泉アカデミック

Can-Do尺度」においては、各項目は4段階の具体的なCDSで記述されており、下位技能の発

達段階を診断するなどの利用が可能である。また、同時にニーズや経験の度合いも尋ねており、

経験に基づいてのCDSの判断かどうかも確認することができる。(図2)

図2 「清泉アカデミックCan-Do尺度」(リーディングCDS抜粋)

清泉アカデミックCan-Do尺度を用いて行った2006年度の1年次生および2年次生を対象と した調査の結果、図3に示すように、SELHi対象クラスでは、1年次生と2年次生の前期と後 期とでCDSに伸びが見られ、学年間でも差が観察されたのに対して、非SELHi対象クラスで はまったく伸びが見られなかった[長沼・永末 2007]。この結果は図に示したライティングCDS においてだけでなく、全ての技能において同様に見られ、教科書を用いた通常の授業展開では CDSで測られるようなスキルに対する自己効力が低く、学年が上がっても能力の伸びが感じら れていないことが分かった。一方で、SELHi対象クラスでは、いずれの技能においても着実に 能力に対する自信をつけていっている様子が伺えたが、全ての下位技能において一律に向上し

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ている訳ではなかった。実際にはそれぞれのグレードで力をいれたスキルが伸びており、例え ば、D3のパラグラフ・ライティングのCDSは、本格的に指導の始まるGrade 3において急激 な伸びを示している。しかしながら、D2のディクテーションでの要約のCDSのように、Grade 4においても自信の程度が中程度に留まっているスキルも見られ、こうして外部指標CDSを用 いてスキルバランスを見ることによって学習上の課題が見えてくる。

D1) 英語で書いた原稿を見て、自分で文法的な誤りを直すことができる

D2) 高校の教科書レベルの英語を聞いて、メモを取った上で英語で要約することができる D3) 英語で一貫したまとまりのある文章を書くことができる

D4) 英語で出来事や状況を説明する文章をことができる

D5) 知人や友人、先生からの英語のメールを読んで、返事を書くことができる

図3 「アカデミックCan-Do尺度2006年度調査結果」(ライティングCDS)

1.6 Can-Doチェックリストによる到達度の検証

それでは内部指標としての Can-Do チェックリストにおける自己効力はどうであろうか。

SELHi対象クラス2年次生を対象として行った2006年度調査の結果を図4に示す[長沼・永末

2007]。「できる(3)」と「楽にできる(4)」を到達基準と考えると、Grade 4のリーディングにお

いては、R41: 94.1%、R42: 58.8%、R43: 85.3%、R44: 58.8%、R45: 70.6%の到達率となり、R42の調 べ読みのCDSと、R44のパラグラフ・リーディングのCDSにおいて、フレームワーク作成時 に想定された70~80%の到達率を下回っており、予想されていたより自信の程度が低いことが 分かった。また、これらのCDS においては、「できない(1)」と答えた学習者が 5~10%ほどお り、これらの学習者に「困難を覚えるができる(2)」と、部分的にでも効力感を感じさせること

1.5 2.0 2.5 3.0 3.5

D1 D2 D3 D4 D5

C AN-DO(英語)

1年夏 1年冬 2年夏 2年冬

1.5 2.0 2.5 3.0 3.5

D1 D2 D3 D4 D5

C AN-DO(普通)

1年夏 1年冬 2年夏 2年冬

SELHIクラス 非SELHIクラス

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が課題となった。精読に関してはGrade3のR34の「総合英語Aの『記述問題対策リーディン グ』のテキストの英文のパラグラフの内容を細部まで理解することができ、全体の流れも適切 に理解することができる」のCDSでも到達率が67.6%と低く、Grade4のR44のCDSにかけて 一貫して自己効力が低い結果であった。Grade 4のライティングCDSには要約に関するCDS はなかったものの、Grade 3のW34の「Crown Reading のテキストの250語程度の英文の要約 を書くことができる」のCDSでは到達率が55.9%と、アカデミックCan-Do尺度調査における 結果と同様の傾向が見られ、リスニングによらないディクテーションではない形式の要約にお いても自信の程度が低いことが分かった。

R41)『Reading POWER』のテキストを、150WPMで読むことができる。

R42) ディベートの準備において必要な特定の情報を得るために、新聞記事やインターネ

ット上の英文を十分に理解できる。

R43) 朝学習で、英語の物語やエッセイを読むとき、辞書を引かなくても、ある程度推測

しながら読み飛ばして理解することができる。

R44) 総合英語Aの『現代を見る』の英文テキストにおいて、論理の流れを理解しながら、

内容を詳細に理解できる。

R45) TOEICのリーディングセクションにあるような、英語で書かれたインターネットの

サイト、料理のレシピ、薬や製品の説明書など日常的なテキストを理解できる。

図4 「Can-Doチェックリスト2006年度調査結果」(Grade 4:リーディングCDS旧版)

2. Can-Do評価-学習タスクの開発

2.1 学習タスクとしてのCan-Do評価タスクの開発

香住丘Can-Doチェックリスト2006年度調査の結果、2年次のGrade 3から4の段階で、精 読に関するCDSや要約に関するCDSでの自信の程度が低かったことから、それら下位技能を

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補うため、精読および要約スキルの向上を目的とした「Can-Do評価-学習タスク」の開発を行 った[永末・長沼 2008]。開発にあたっては、精読スキルに焦点をあてるだけでなく、速読スキ ルとの関連を考慮し、「速精読(timed intensive reading)」タスクの開発を行った[長沼・和田

2007]。また、要約タスクの開発においては、アカデミックCan-Do尺度の結果も参考に、リス

ニングに基づいた「ディクトグロス(dictogloss)」のタスクと、それと平行して、ディクテーシ ョンの代わりに、ある程度の速さで速読をした文章をコピーイングさせることによる「コピー グロス(copygloss)」のタスクを開発した。タスクは単なる活動ではなく CDS により遂行すべ き目標が明示された点に特徴があり、自己評価にあたっての客観的な到達基準が設けられ、評 価と学習が一体化したタスクとなっている。(図5-6)

「まとまった文章をある程度の速さで読みながら、正確な理解をすることができる」

1) ゆっくりと時間を書けて読んでも理解できないところがある。

2) ゆっくり時間をかければ大体理解できるが、速く読むと分からないところが出てくる。

3) ある程度の速さで読んでも大体理解でき、ゆっくりと読めばほぼ完全に理解できる。

4) ある程度の速さで読んでも、ほぼ完全に理解できる。

図5 「Can-Do評価-学習タスク」(速精読タスクCDS)

「ある程度まとまった量の英語を聞いて、重要な部分を書きとめてまとめることができる」

1) 2 回聞いても部分的な理解であり、全体の概要が理解できない。

2) 2 回聞けば全体の概要を理解できるが、とりこぼしてしまって書きとめられない部分もある。

3) 1 回聞いただけでは分からない部分もあるが、2 回聞けば重要な部分をほぼ書き取れる。

4) 1 回聞いただけで、重要な部分をほぼ書き取ってまとめることができる。

*コピーグロスにおいては「聞く→読む」

図6 「Can-Do評価-学習タスク」(ディクト・コピーグロスタスクCDS)

2.2 Can-Do評価タスク実施におけるスパイラル・デザインと技能融合

これらのCan-Do評価-学習タスクには実施にあたって、CDSの段階的な到達指標と合わせ

て具体的な数値的評価基準が定められた。例えば、速精読タスクにおいては、CDSに記述され た「ある程度の速さ」を1分間に130語読める速さ(WPM130)と定め、「大体理解できる」を4 問の理解確認問題のうち3問に正解することなどとした。タスクは素材難易度をいくつか設け、

次第に難易度をあげていきながら、スパイラルに自信をあげていけるようにデザインされた。

「速精読」タスクは精読への自信の低さを補うべく、速読したテキストをもう一度精読し、理

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解度を比べることで、「速読でもこれくらいまでは理解できる」、「精読してもあまり理解できな い」といった自己の能力認知を高めることを目的としており、難易度を変えたタスクを繰り返 し行う中で、テキストの難易度に応じて読みのスピードをコントロールし、最適な読みを行う ためのストラテジーを身につけることが期待される。

速精読においてはテキストを見ずに理解確認問題に解答をすることが要求され、読んだ内容 を頭の中で整理し、保持する能力が問われることになる。「ディクト・コピーグロス」タスクは こうした情報保持能力の向上の効果も狙ってのものであり、相互にタスクが補完しあうように 設計された。コピーグロスはディクトグロスにならい、聞き取りに換えて速読を行い、書きに よる文章のリプロダクションを行う活動であるが、速精読において段落ごとに内容をまとめな がら読んでいくための下位技能のトレーニングとなる。また、同時にディクトグロスも行うこ とにより、読みと聞き取りのスキルを関連づけ、読みにおいて戻り読みをせずに速読をするこ とが、聞き取りにおける理解のプロセスと重なることを意識させることを目指した。こうして

複数のCan-Doタスクを有機的に結び付けて展開することにより、タスク間の技能融合を図っ

ている。「ディクト・コピーグロス」タスクにおいては、70語から100語程度の文章を聞いた り読んだりし、内容を再生するが、正確に同じ文である必要はなく、内容を落とさずに再現で きるかが重視される。通常はピア同士でフィードバックを行いながら行う活動であるが、ここ では個人タスクとした。評価にあたっては、テキストの主要な情報を8~9箇所ほど取り上げ、

いくつ再生できたかで判断するようにし、速精読と同様に学習者による客観的な自己評価を可 能とした。

2.3 Can-Do評価-学習タスク実施によるタスクの効果検証

Can-Do評価-学習タスクは3年次のGrade 6のSELHi対象クラスにおいて、2007年度の10 月下旬から1月中旬にかけて実施された。速精読タスクは週5回、合計49回実施され、「コピ ーグロス」タスクは週1回、合計8回実施された。「ディクトグロス」タスクに関しては、計3 回補完的に行うに留まった。以下に速精読タスクの実施結果について述べ、その効果を検証す る。素材としては、難易度のコントロールを行う必要があることから、主に英検2級および準 1級の読解問題を許可を得て使用した。素材はまとまった一定の本数を1セットとして、級を 上下させながら交互に実施され、WPM(word per minute)および確認問題の正答率に基づいて、

CDSの自己評価を行った。また、評価にあたっては、学習コメントを書かせ、自己の学習過程 の内省を促した。(図7-8; 表1-2)

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100 110 120 130 140 150 160

2級① 準1級① 2級② 準1級②

図7 「速精読タスク実施結果グラフ」(WPM)

2.0 2.2 2.4 2.6 2.8 3.0

2級① 準1級① 2級② 準1級②

図8 「速精読タスク実施結果グラフ」(CDS)

表1「速精読タスク分散分析結果」(WPM)

Mean S.D. Source Sig.

2 級① 143.5 25.8 Time .000 ***

準1級① 122.8 20.4 Level .001 ***

2 級② 151.2 24.2 Time * Level .971 n.s.

準1級② 130.4 19.9

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表2「速精読タスク分散分析結果」(CDS)

Mean S.D. Source Sig.

2 級① 2.64 0.62 Time .000 ***

準1級① 2.49 0.62 Level .017 *

2 級② 2.86 0.59 Time * Level .378 n.s.

準1級② 2.60 0.59

分散分析の結果、WPMとCDSスコアのいずれにおいても実施時期(time)と素材レベル(level) の交互作用は有意でなく、それぞれの主効果が有意となった。グラフに示したように2級から 準1級に素材難易度が上がると、WPMもCDSも一時的に低下するが、次に2級や準1級レベ ルの素材に取り組んだときに、前段階よりもスコアが向上していた。CDSには読みの速さだけ ではなく、正確さも考慮されていることから、やみくもに読みが早くなった訳ではなく、素材 の難易度にしたがって、理解度に応じた読みの速さのコントロールを行っていることがわかる。

Can-Do評価タスクはCan-Doリストにおける自己評価の客観的な検証のための道具となるだけ

でなく[吉池2006; 竹村 2008]、このように評価タスクが学習タスクとしても機能し、授業に組 み込まれることにより、自己効力を育てながら学習を促進するものともなることが期待される。

3. Can-Do学習モジュールの開発

3.1 出口を見据えた入り口からのCan-Doタスクの積み上げ

2008年度からは前年度の3年次におけるタスク実践結果を踏まえ、1年次の入学段階からの Can-Do タスクの積み上げを行っている。1 年次においては「多読サマリー(extensive reading summary)」タスクを導入し、一度目は辞書なしで、二度目は辞書を使ってサマリーを書かせ ることで、ナラティブ型のテキストから入りながら自然な速さの読みを実感させるよう配慮し た。(図9) Grade 1においては、多読用書籍(Leveled Readers)であるICR(I Can Read Book)シリ ーズから数冊を選んで、多読サマリーを書かせ、Grade 2においては、InfoTrailシリーズに移 行し、物語文(narrative)ではなく、説明文(expository)を読ませることで、続くグレードで速精 読タスクに無理なく入れるように設計した。

また、英文での要約を要求するタスクが多くなることから、書きへの抵抗感を払拭するため に、「3文日記(3-sentence diary)」タスクも設けた。上位学年での「ディクトグロス」タスクの 導入に向けては、1文単位のディクテーションである「センテンス・ディクテーション(sentence dictation)」タスクをまずは行い、ある程度の長さの複雑な構文の処理能力と保持能力を訓練す

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るなど、各タスクの下位レベルのスキルを育成するタスクを開発し、組み合わせて実施した。

「多読サマリー」タスクは、清泉アカデミックCan-Do 尺度上、リーディングのサブスキル領 域において欠けていた領域でもあり、1 年次からの新たなサイクルにおいて、よりバランスの とれたスキルトレーニングを行うため、補完的に導入された。

「ある程度の長さの英語の文章を読んで、要約を書くことができる」

1) 2 回読んで、単語を調べても、要約を書くことができない。

2) 2 回読んで、単語を調べれば、テキストをつなげて、要約を書くことができる。

3) 1 回読んだ後、読み直せば、単語を調べながら、自分の言葉で要約を書くことができる。

4) 1 回読んだだけで、わからない単語はあるものの、推測をしながら要約を書くことができる。

図9 「Can-Do評価-学習タスク」(多読サマリータスクCDS)

3.2 Can-Doタスクの有機的つながりによるモジュール型シラバスの展開

今年度の2年次においては、新たに「センテンス・サマリー(sentence summary)」タスクを 開発し、「コピーグロス」タスクの導入の前に、一段落程度のまとまった文章を速読し、展開ま で含めて一文でまとめて書くことを始めた。(図 10) これにより書くことがより深い論理的な 読みという目的を与え、読みと書きとの間につながりが生まれる。素材としては、GTEC for

STUDENTS の速読パートのテキストを許可を得て利用した。GTEC for STUDENTS は

AdvancedとBasicの2つのレベルのテストがあり、Grade 3では、Basicレベルの素材からは じめ、要約文も比較的短いものをモデルとして提示し、Grade 4からはAdvancedレベルの素材 に移り、要約もより長い要約文(extended summary)を書かせるようにした。また、その後、再

びBasicレベルの素材に戻ることにより、スパイラルなタスクデザインを実現した。

さらには、加えて「ディスコース・コンプリーション(discourse completion)」タスクも実施 し、3 文で構成された文章の真ん中の一文を空所として、前後の文脈から類推して書かせるこ とを行った。センテンス間のつながりをより深く意識して読む力のトレーニングを行うことで、

引き続き行っている「多読サマリー」タスクと合わせて、様々な形で読みと書きを融合させて いる。(図11)「ディスコース・コンプリーション」タスクはリライトのための訓練としても有 効であり、一文単位のライティングからパラグラフ単位のライティングをつなぐ懸け橋ともな る。素材としては、口語体(Spoken Monologue)と文章体(Written Monologue)のモノローグを交 互に実施し、日常性の高いテキストから次第に論理的な読みのトレーニングを行うよう工夫し ている。これらのタスクは、学習者の CDS の自己評価結果を見ながら軌道を修正しながら開 発されており、授業中に適宜組み入れるモジュールとして、柔軟に組み合わせながら、シラバ

(15)

スを構築している。

「一段落程度のまとまった英文を読んで、1 文で要約を書くことができる」

1) 2 回速読しても、主旨をとらえて 1 文で要約することができない。

2) 2 回速読すれば、主旨をとらえて 1 文で要約することができる。

3) 2 回速読すれば、論旨展開をふまえて、1 文で要約することができる。

4) 1 回速読しただけで、論旨展開をふまえて、1 文で要約することができる。

図10 「Can-Do評価-学習タスク」(センテンス・サマリータスクCDS)

「前後の文から判断して、1 文を入れて文章を完成させることができる」

1) 選択肢が与えられても、前後の文脈に適した文を選ぶことができない。

2) ヒントがあっても、文章を完成させることは難しいが、適した文を選ぶことができる。

3) ヒントがあれば、前後の文から判断して文章を完成させることができる。

4) ヒントがなくても、前後の文から判断して文章を完成させることができる。

図11 「Can-Do評価-学習タスク」(ディスコース・コンプリーションタスクCDS)

おわりに

Can-Do 評価-学習タスクに基づくモジュール型シラバスの構築にあたっては、その開発過程にお

いて様々な形での多面的なCDSの利用が求められるが(図12)、外部指標としてのCDSと内部指標 としてのCDSの使い分けだけでなく、外部指標CDSの利用においても、それぞれの質的な違いを理 解した上で、効果的に組み合わせて利用していくことが必要となる。CEFR のような「基準参照のため

の CDS」は、内部指標としての「到達度評価ための CDS」を解釈する上で、より大きなフレームワーク

に位置づけて学習者の発達を理解する上で指針となりうる。「到達度評価ための CDS」は、到達度の 設定が内部基準によっており、学年間の発達が見えづらい欠点があるため、「基準参照のための CDS」を併用することは全体的な発達過程を俯瞰的に見渡す上で有用である。

(16)

図12 「CDSによる多面的トライアンギュレーション」

また、同じく外部指標としての「スコア解釈のための CDS」を、具体的数値評価とともに利用すること により、「到達度評価ためのCDS」に客観性が生まれる。多くのテストではCEFRのレベルとのスコアの 関連付けが図られており4)、「基準参照のためのCDS」と客観的なテストスコアとの結びつきがより明確 になってきている他、それぞれのテストスコア解釈のためのCDS記述も参照することにより、より多様な 文脈から学習者の言語発達をとらえることができる。これら2つのタイプのCDS は、とりわけ「Can-Do フレームワーク」の開発段階において記述の透明性をもたらす。

CEFRに見られるような基準参照のための外部指標CDSが、能力を幅広く記述したチェックリスト型 のCDSであり、リスト間での下位技能の発達が把握しづらいのに対して、教室における学習に焦点を あてた外部指標CDSとして、清泉アカデミックCan-Do尺度のような到達指標型の「診断評価のための

CDS」を併用することで、より詳細な発達段階を知ることができる。内部指標CDSはその性質上、すべ

ての項目が到達されるべき項目であり、シラバスにない技能項目に関しては情報を得ることができない が、より技能間のバランスの取れた外部指標CDSを利用することにより、内部指標CDSのスキル的な 偏りを補い、技能発達のバランスを診断的に検証することができる。「Can-Do チェックリスト」を基にし た「Can-Do 評価-学習タスク」の開発にあたっては、こうした内部指標と外部指標の両側面からの能 力の検証により、不足している学習を補完するタスク設計を行っていくことになる。

このように、「Can-Do 学習モジュール」の構築にあたっては、開発の各段階において役割に応じた CDS の利用を行い、多面的にトライアンギュレーションをかけていくことが望ましい。こうして開発され

たCan-Doタスクを有機的に関連させながら展開し、授業内に位置づけて実施していくことで、

(17)

それぞれのタスクがモジュール的に機能しながら、多様な技能が互いに関連づいていき、技能 統合型の授業となっていく。本来の授業においても、読んだ内容にもとづいて書き、それを発 表するといった技能の連環はできるが、こうしたタスクの実施により、より細かい部分での技 能統合が可能となる。Can-Do評価-学習タスクはCan-Doリストと合わせて実施することで、

授業に学年をまたいだ具体的な関連性と連続性を持たせることにつながり、学習者が自己効力 を育てながら、学習を継続していく上での支援のための道具となる。教育工学の分野では授業 設計におけるインストラクショナル・デザインの力が求められるが、これらのタスクの多くは 少し手を加えることにより、教科書の素材を用いて行うことも十分に可能である[長沼・工藤他 2009]。学習指導要領の改訂から波及する今後の技能統合型の授業の実現には、いかに授業をモ ジュール的な発想から組み立て直していくかといったデザイン力が求められるだろう。

これらのCan-Doタスクは現時点においては、主にSELHi対象クラスであった英語科クラス において実施されているが、普通科クラスにおいても部分的に取り入れながら広げていく試み が始められている。このようにして授業を一般化しやすい形でタスク化することで、それぞれ のクラスに適したタスクを選択したモジュール単位のシラバスに基づいて授業を構成していく ことが可能となるだろう。アカデミックCan-Do 尺度を用いた調査において、通常の教科書に 基づいた授業展開では、数値的な能力の伸びに比した自己効力をつけさせることは難しいとい った結果がでているが、Can-Do評価-学習タスクを取り入れていくことにより、普通科におい て自己効力がどのように変化し、英語力の変化に影響を及ぼすか見ていきたい。

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「英検とCEFRの関連性について」(http://www.eiken.or.jp/eikentimes/special/20091101.html) 「英国入国管理制度PBS(Point Based System) Tier2認定テスト言語能力基準」

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Development of Module Syllabus Based on Can-Do Evaluation-Learning Tasks

NAGANUMA Naoyuki

Currently, there are increasing attempts by teachers or organizations to use can-do lists in their language classrooms or language programs at university and high school levels. This paper will present a current attempt to construct a module-based syllabus on the basis of can-do evaluation-learning tasks at one of the high schools.

A can-do framework has been developed based mainly on the syllabus of the high school.

The can-do descriptors are described by experienced teachers, which reflect their estimation of students’ competence by the teachers’ previous experience. Then can-do checklists are developed by selecting representative can-do items from the framework. The descriptions of can-do statements are modified so as the learners can easily understand them.

The can-do checklists reveal the gap in competencies of the learners among sub-skill areas.

The can-do tasks are developed as supplementary tasks used in the classroom to fill in those gaps.

These can-do tasks function as learning tasks as well as evaluation tasks, which confirm whether learners’ have achieved the can-do abilities described in the framework. Currently additional can-do evaluation-learning tasks are under development. They are expected to be connected to each other systematically and construct a module syllabus to support the classroom learning.

図 1  「香住丘 Can-Do チェックリスト」(Grade 3:  リーディング CDS 改訂版)  チェックリストにおける CDS は、各学年での学習段階を示すための指針であると同時に、 学習者にとっての自己の学習段階を認識するための道具としても機能することが期待される。 このように個々の教室場面に応じて開発された、現実感を伴った能力記述は、学習者を動機づ け、自律的学習を促す上でも効果的であると思われる。チェックリストは、フレームワークで 記述した CDS が、実際にどの程度達成されているかを、生徒
図 12  「CDS による多面的トライアンギュレーション」  また、同じく外部指標としての「スコア解釈のための CDS」を、具体的数値評価とともに利用すること により、「到達度評価ための CDS」に客観性が生まれる。多くのテストでは CEFR のレベルとのスコアの 関連付けが図られており 4) 、「基準参照のための CDS」と客観的なテストスコアとの結びつきがより明確 になってきている他、それぞれのテストスコア解釈のための CDS 記述も参照することにより、より多様な 文脈から学習者の言語発達をとらえるこ

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