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知的降がい者の雇用 一雇用機会の創出 と就労支援のあり方 -

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Academic year: 2021

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神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報j

1 3

2 0 0 9

年3月

1 4 3

■ 修士論文要旨

知的降がい者の雇用

一雇用機会の創出 と就労支援のあり方 ‑

EmploymentoftheMentallyDisabled:

CreationofEmploymentOpportunitiesandHowEmploymentAssistanceShouldB

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

佐 藤 恒 仁

SATO,Tsunehito

知的陣がい者の生活の向上が急がれている。 ア メ リカで

1 9 90

年 に陣 がい者 への差別 その もの を 禁止 す る法律 で あ る

ADA

法 が成 立 し、 その後

4 0

カ国以上の国で同様の法律が制定 された。国際的 に陣 がい者 の生活 向上 が潮流 とな り

、2 0 0 6

年 に 国連 で障害者権利 条約 が採択 され

、2 0 08

年 に障 害者権利条約が発効 した。 これに署名 している日 本 も陣がい者の生活の向上 を急がなければな らな い。 日本では身体障がい者 に比べ、知的陣がい者 の生活の改善が遅れている。 なぜ な ら知的陣がい 者 は企業などで有益 な労働者 として雇用 されてお

らず、収入が低 く抑 えられているか らである。

日本 が抱 える様 々な課題 か らも知 的降 がい者 の雇 用の改善 が急がれている。医療の発達や社会 的な要因によって知的陣がい者 が増加 しているた めに彼 らに対す る社会 的なサポー トがより多く必 要 となってい く。 しか し、政府や 自治体は著 しい 財政難に陥ってい るために降がい者 に対 して も金 銭的な負担 を求めている。 そのために知的陣がい 者 の収入 を上 げなければな らない。 また急激な少 子化に伴 って労働力人口の減少が危恨 されてお り、

知的陣がい者の数が増加傾向にあることを考 えれ ば、知的陣がい者 を有益 な労働者 として雇用す る

ための職場での受 け入れ方 を明 らかにす ることが 労働力人 口の減少に対す る一つの手段 となると考 えられ る。

日本では、従業員数に応 じて一定割合 の陣がい 者 を雇 用 しなければな らない法定雇用率が設定 さ れている

。2 0 0 3

年頃か らのCSR(企業の社会的責 任)への関心の社会的な高 まりか ら、企業が法定 雇用率 の達成 を目指 したため、知的陣がい者の企 業での就労数 は増加 している。 しか し、企業で雇 用 されている知的陣がい者の多 くは雇用形態がア ルバ イ トやパ ー トであ り、収入が低 い。正社員 と して雇用 されていて も、彼 らの能力 を低 く評価 し、

簡単で単純 な作業 を与 えている。一部の悪質 な企 業では法定雇用率のために雇用契約 を しているも のの職場で彼 らを受け入れず、出勤 させ ないとい うこともある。 しか し国内の企業の先進的な事例 をみ ると、重度知的陣がい者 も有益 な労働者 とし て活躍 してお り、知的降がい者 は必ず しも有益 な 労働者 とな らないわけではない。

知的陣がい者の離職や定着理 由、先進的な国内 企業の事例 をみ ると、知的降がい者 を有益 な労働 者 として職場で受 け入れ るためには個 々人の能力 を評価 した上 で採用方法、業務 内容、指導方法、

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144 神 奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』 第13 20093月

サポ ー ト体制、動機付 けの

5

点 において個 々人の 状態 に応 じて配慮す るべ きである。 そ して、知的 降 がい者 も個 々人の能力 を評価す る機会 を与 え、

適性のある業務 を担当 させ、 自信 を持 たせ、経験 を積 ませ ることでより有益 な労働者 として成長す る可能性がある。つ まり、知的陣がい者 としてで はな く、健常者 と同様 にひ とりの労働者 として能 力 を評価す ることが知的陣がい者の雇 用の改善の 根本的な課題である。

また教育機 関や福祉就労施設 に も課題 がある。

教育機関では学習 に必要 な能力の指導 を目的 とし てお り、企業で必要 とされ る能力 を指導す る機会 はほとんど与 えてこなかった。福祉就労施設では 日常生活 の場 を提供す るかを重視 してい るため、

就労移行支援 を目的の一つ としているものの簡単 で単純な作業 を行ってお り、企業で行われ る業務 とは程遠 い ものである。知的陣がい者 は環境の変 化に対応す ることが健常者 に比べて困難であるこ とが考 えられ るため、教育機 関や福祉就労施設で 早 い段階か ら企業 などで就労す るために必要 とな

るビジネスマナーなどを指導 してい くべ きである。

また教育機関や福祉就労施設の職員が就労支援 を 行 うことがあるが、企業などに就職後 に離職 した 場合 はそれ らの機関か ら支援 を受 けに くい。その ため就職や就労中、離職後 といった全ての就労支 援 を就労支援機関に一任す ることで継続的でより 有効 な就労支援 を行 うべ きである。 しか し、就労 支援機関は企業 などで就労経験 がある職員が少 な く、職場で適切 な支援 が行 えていない。 そのため に就労経験のある職員 をいかに増加 させ るかが課 題である。

日本では法定雇用率 によって陣がい者の雇用の 促進 を行って きたが、それに も限界がある。法定 雇用率 を達成すれば、それ以上雇用 しない企業 も 見 られ、陣がい者の間で も競争が起 こってい くこ とが考 え られ る。 また、法定雇 用率 を廃 止 して

ADA

法 と同様 の法律が成立す る可能性 もあるが、

ADA

法で は雇用 に関 して知 的陣 がいに対 す る配 慮 は されてお らず、 日本で も知的陣がい者 が置 き 去 りに され ると考 えられ るO知的陣がい者の雇用

が改善 され るためには、知的陣がい者 を有益 な労 働者 として雇用す る企業が増 え、彼 らが活躍す る 姿 が地域で見 られ るよ うになることで彼 らに対す る理解が高 まり、雇用 も増加 してい くと考 えられ る。つ まり、職場で知的陣がい者 を有益 な労働者 として受け入れ る方法 を明 らかにす ることが急が れているのである。

参照

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