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現代におけるカタカナ表記の と襲態
教科@領域教育専攻 言語系コース(国語)
中 本 美 穂
I 研究の目的と方法
現代の日本語においてカタカナ表記する語 として、外来語、擬音語があげられるが、他 に平仮名や漢字で書き表すことができるにも かかわらず、あえてカタカナ表記している語 が見られる。本研究はそれらも含め、現代に おけるカタカナ表記の体系を明らかにするこ とを目的とする。その中で、カタカナ表記の
「規範j と「実態
J
という観点から調査、考 察を行う。第2章では、カタカナ表記にする語の「規 範
J
を明らかにするため、 「カタカナで表記 する語」を規定している用字用語集類、教科 書の指導書を用いて、各媒体の作成時のガイ ドラインとしてのカタカナ表記の原則を調査 する。第3章では、一般向け媒体におけるカタカ ナ表記の実態の全体像を明らかにするため、
本研究と同じような問題意識を持ちカタカナ 表記を扱っている先行研究を網羅的に調査 し、そこで明らかにされているカタカナ表 記の実態を媒体別に考察し、カタカナ表記 の実態の全体像を明らかにする。
指導教員 茂 木 俊 伸
て抽出し、語種と品詞という観点から分析を 行う。それをふまえ、子ども向け媒体の実態 と第
2
章で明らかにした規範との比較、考察 を行う。また、一般向け媒体との関連性を述 べる。H 論文の構成 第 1章 序 章
第2章 カ タ カ ナ 表 記 の 規 範 2. 1 一般向け媒体の規範 2.2 子ども向け媒体の規範
2.3 一般向け媒体と子ども向け媒体の 比較
第
3
章 カ タ カ ナ 表 記 の 実 態 3. 1 一般向け媒体の実態 3.2 考察第
4
章 事 例 研 究4. 1 子ども向け媒体の実態 4.2 語種からの分析 4.3 品詞からの分析
4.4 学年別における品詞の割合 4. 5 教科書と学年誌の比較 4.6 規範と実態の比較 第
4
章では、子ども向け媒体におけるカ 第 5章 本 研 究 の 成 果 と 課 題 タカナ表記の実態を明らかにするため、「小学校国語教科書
J
、 「学年誌J
を対象資料 皿 論 文 の 概 要とし、各媒体におけるカタカナ表記語をすべ 第2章では、カタカナ表記の「規範Jを
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明らかにするため、用字用語集類、教科書の 指導書を調査した。その結果、、一般向け媒体 では、幅広いカタカナ表記語を認めていた。
一方子ども向け媒体では、全体として一般向 け媒体の原則に比べるとかなりカタカナ表記 語の幅が狭く、表記上の規制が強く働いてい るということが明らかになった。また、一般 向け媒体と子ども向け媒体の原則が共通して
「カタカナ表記する語
J
の中核として、 a)外 来語系、 b)動植物、 c)擬音語の 3パターン があることが明らかになったo第
3
章では、先行研究を網羅的に調査、考 察することで、一般向け媒体におけるカタカ ナ表記の実態を明らかにした。その結果、作 り手にとっての「規範J
をこえてさまざまな 語がカタカナ表記されているという実態が観 察された。さらに、先行研究の観点を整理す るために、石黒 (2007)の記述を参考にし、カタカナ表記を使用する根底として、①表記 上の理由、②音・声関係の語、という 2点に 集約できると結論づけた。
第
4
章では、事例研究として、先行研究で は扱われていなかった、子ども向け媒体にお けるカタカナ表記語の実態を探るため f国語 教科書」、「学年誌J
を語種と品詞という観点 から調査、考察した。語種という観点からは、国語新ヰ書のカタ カナ表記語はl年生の段階で外来語が大半を 占め、学年が上がるにつれて外来語以外の漢 語、混種諾の割合が増えるが、決まった語が カタカナ表記されているということが明らか になった。
一方、学年誌のカタカナ表言百吾は、
1
年生 の段階で外来語と同じくらいの割合で和語が あらわれており、学年が上がるにつれて、漢語、混種語、といったさまざまなカタカナ表 記語が現れ、さらにそれらの割合も高くなっ ていき、よりカタカナ表記の使用が複雑にな っでいるということが明らかになったo
品詞という観点からは、国語教科書におけ るカタカナ表言百舌は、
2 . 3
節で明らかになっ た規範内の項目の語であり、ほとんどが「規 範の中核項目J
で構成されていた。また、品 詞の種類は徐々に増えるが、割合はあまり変 化せず、カタカナ表記語の使用方法は単純であることが明らかになったo
一方、学年誌におけるカタカナ表記語は、
2. 3節の規範外の項目の語が 1年生の段階か ら多く現れ、品詞の種類も割合も学年によっ て変化していき、カタカナ表記語の使用方法 は非常に複雑であるということが明らかにな ったo
また、教科書におけるカタカナ表記語は、
厳密に教科書における原則に従っているとい うことがわかったo 学年誌におけるカタカナ 表記語は、一般向け媒体の原則と重なる部分 が多くあり、質的には一般向け媒体の表記体 系に近いことがわかった。
W
今後の課題今回の事例研究において、子どもたちが生 活する上で接するカタカナ表記の実態が明ら かになったo しかし、それらの表記体系に触 れる中で、実際に子どもたちが、どのように カタカナ表記を捉え、使用しているのかに疑 問が残る。そのため、今後は書き手の生の文 章を扱った研究を行いたいと考える。その上 で、教育現場においてどうカタカナ表記と向 き合い、どのように指導していくべきか、そ の可能性を探っていきたい。
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