著作権に関する表記
■ 著作権について 「⾼い“勝率”と⼤きな“値幅”が同時に取れる非常識な投資術〜ボリンジャーバンド編 〜」(以下、本冊子と表記)は、著作権法で保護されている著作物です。本冊子の著作権 は、著者(維新の介)と発⾏者(株式会社インベストメントカレッジ)にあります。 本冊子の使用に関しましては、以下の点にご注意ください。 ■ 使用許諾契約書 本契約は、本冊子を入手した個人・法人(以下、甲と称す)と発⾏者(以下、乙と称す)と の間で合意した契約です。本冊子を甲が受け取り開封することにより、甲はこの契約に 同意したことになります。 第1条 本契約の目的: 乙が著作権を有する本冊子に含まれる情報を、本契約に基づき甲が非独占的に使用する 権利を承諾するものです 第2条 禁止事項: 1.本冊子に含まれる情報は、著作権法によって保護されています。甲は本冊子から 得た情報を、乙の書面による事前許可を得ずして出版・講演活動および電子メディア による配信等により一般公開することを禁じます。特に当ファイルを 第三者に渡すこ とは厳しく禁じます。 2.本冊子のオークション等への転売はお控え下さい。仮に転売をされた場合、乙 は、今後の甲との取引を中止させて頂くことがございます。 第3条 損害賠償: 甲が本契約の第2条に違反し、乙に損害が⽣じた場合、甲は乙に対し、違約⾦が発⽣す る場合がございますのでご注意ください。 第4条 契約の解除: 甲が本契約に違反したと乙が判断した場合には、乙は使用許諾契約書を解除することが できるものとします。 第5条 責任の範囲: 本冊子の情報の使用の一切の責任は甲にあり、この情報を使って損害が⽣じたとしても 一切の責任を負いません。はじめに
非常に基本的でメジャーなインディケーターであるボリンジャーバンド。 このボリンジャーバンドを紹介している書籍は数多くありますが、 ±2σからの逆張りであったりとか、バンドウォークしたらエントリーであるとか、 ボリンジャーバンドの表面的なところしか⾒ていないものがほとんどです。 ですがこのインディケーターは、本来非常に多くの情報を我々トレーダーに提供してく れる、とてもすぐれたものなのです。 このレポートでは、それらを紹介するとともに、 私が常⽇頃どのように利用しているか、そして他のどのようなインディケーターと合わ せて⾒ているかを具体的に そして実戦的な部分を紹介したいと思います。 かなり細かいところまで説明するため、少し複雑な内容となっておりますが、 これらをマスターすることによって、チャートを⾒る⼒は⾶躍的に⾼まることと思いま す。 特に相場の「現在性」、つまり相場環境を認識する⼒のベースとなりますので、 「手法」をどうのこうのと考える前に、ぜひ身に付けてください。目 次
はじめに...3P
第 1 章 ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンド...6P ボリンジャーバンドの基本的な⾒⽅...9P第 2 章 「勢い」を把握する
相場における「勢い」とは?...14P 「勢い」で決済を考える...16P第 3 章 「勢い」の波及(利の伸ばし⽅)
「勢い」の波及...19P 利を伸ばすための条件...23P 各時間軸のボリンジャーバンド決済ポイントの関係...25P第 4 章 ボリンジャーバンドにおけるエントリーポイント
ミドルバンド上抜け...27P ブレイク...31P 1σ抜け...36P まとめ...42P タイミング同時合わせ...47P第 5 章 ボリンジャーバンドで押し目を拾う
勢いで押し目可能か判別...51P レートに「勢い」がない場合の押し目エントリー...59P第 6 章 ボリンジャーバンドにおける決済と損切りの考え⽅
ボリンジャーバンドによる決済...64P第 7 章 ボリンジャーバンドで流れを読む
±2σからの逆張りはアリ?...71P 上位足に注目する...74Pおわりに...75P
第 1 章
ボリンジャーバンド
1980 年代に、ジョン・ボリンジャー⽒によって考案された、 あまりにも有名な価格指標です。 基本的な概念は、 移動平均線を基準に標準偏差分を加算、そして減算した値で求めることができます。 こう書けば難しく感じるかもしれませんが 一般的に利用されるラインは移動平均線である「ミドルライン(ミドルバンド)」 ±1σ ±2σ ±3σ のライン これくらいですね。 【ボリンジャーバンド】式で表すと、
ボリンジャーバンド = 移動平均 ± 標準偏差
のようになり、 標準偏差というのは、簡単に言うと、データがどのように分布しているかを表すもの… と考えてください。 このボリンジャーバンドの ±1σ内にレートが納まる確率が 68.3% ±2σ内にレートが納まる確率が 95.5% ±3σ内にレートが納まる確率が 99.7% つまり、±3σの外側にレートが位置する確率は 100%から 99.7%を差し引いた 0.03%であると考えられ、±3σより外にレートがあるときに逆張りポジションをとれば、
99.7%の確率で内側に戻る。
±2σより外にレートがあるときに逆張りポジションをとれば、
95.5%の確率で内側に戻る。
この考え⽅がボリンジャーバンドを逆張り指標と言わしめている根拠です。つまり、ボリンジャーバンドを⼤きくレートがはみ出たときに逆⽅向にエントリーすれ ば、「⾼確率」で元に戻るため、 当然⾼勝率トレードにつながる・・・という考え⽅ですね。 ですが、実際は、ある特定の条件下でなければ使うことはできませんので、 そのような、よくトレードの教科書に書いてあるような使い⽅は、ここでは完全に忘れ てください。 ここらへんは後述します。
ボリンジャーバンドの基本的な⾒⽅
ボリンジャーバンドには 3 つの特徴的な動きがあります。「スクイーズ」→「エクスパンション」→「バンドウォーク」
この一連の流れです。 【スクィーズ】 「スクィーズ」というのは、英語で両面から強く押すとか、圧迫する、絞るといった意 味合いです。 ボリンジャーバンドがぎゅぅぅぅ!!っと狭まった状態を言います。 値動きがほとんどなく、トレードするにはかなり不向きです。【エクスパンション】 エクスパンションはスクィーズ後によく⾒られる現象です。 ボリンジャーバンドの「両側」が開き、
相場(値動き)に「勢い」があることを示します。
このエクスパンションという現象は、私のトレードの中で重要な位置を占めますので、 よく覚えておいてください。 そしてこのエクスパンション後に、開き続けるボリンジャーバンドの外の縁にそって レートが動き続ける現象を 「バンドウォーク」と言います。上位足でそのような状態のときには、
下位足でトレードしやすくなっていることが多く、
例えば⽇足でこの現象が起こっていると、値幅が広く(値動きが⼤きく)、一⽅通⾏の トレンドを形成しやすく、つまりはトレードしやすい状態になりやすいですね。 【バンドウォーク】 陽線が並び、一⽅通⾏相場なのがわかりますね。また、このバンドウォークには、以下のようなパターンも存在します。
エクスパンションしていない、
つまり一⽅向に進みながらも、「勢い」がなく、
第2章
相場における「勢い」とは?
「勢い」という概念は、あまり相場で語られることがありませんし、だいたいにおいて 「トレンド」という言葉にひとくくりに置き換えられてしまいます。 ですが私の考えでは、この両者には⼤きな違いがあり、その違いを把握することによっ て、非常に効率のよいトレードをすることが可能となります。 ではその「勢い」と「トレンド」の違いですが、以下のチャートをご覧ください。 ユーロ/ドルの1時間足です。 左が「勢い」がなく、ただの上昇「トレンド」の状態であり、 右が「勢い」のある上昇です。違いは、ボリンジャーバンドがエクスパンションしながらの上昇かどうか。
エクスパンションのない上昇はただの上昇「トレンド」
エクスパンションしながらの上昇は「勢い」のある上昇。
次の 1 時間足のチャートを⾒てもらえればわかるとおり もし左側のような「勢い」のない状態でデイトレ、例えば 5 分足程度でトレードしたと すると 非常に難しいトレードが続きます。「勢い」で決済を考える
ボリンジャーバンドがエクスパンションを始めたら、決済は非常に簡単です。「勢い」がなくなった時点で決済をすればいいだけ
ですからね。 まず注目するのは、トレンドが出ているのと反対側の2σのバンド。 ボリンジャーバンドの特性として、値幅がなくなってきたらバンドが閉じてくるという ものがありますので、 このレートの動く⽅向と反対側のバンドが閉じてきたあたりが、第 1 の決済ポイント となります。だいたいにおいて、ここらへんで勢いがかなりなくなります。 その後、レートの動きと同⽅向のバンドが閉じてきます。 第 2 の決済ポイントですね。 完全に勢いがなくなるポイントですので、これ以上利を伸ばしにいく必要はありません。
より上位足の流れ、
つまり、このチャートは1時間足ですので、
4 時間や⽇足に逆らっているのであれば、
第 1 の決済ポイント
ですべて決済し、
上位足の流れに沿ったトレードであれば、
第 1 の決済ポイント
で半分決済し、
残りは
第 2 の決済ポイント
まで利を伸ばす・・・といった使い⽅が
考えられます。
このチャートの場合、第 2 の決済ポイント後も少しレートが伸びていますが、 ⾼値掴みしたトレーダーたちによるものです。 笑いながら⾒ていましょう(笑) 私は決済に関しては、もちろんオシレーター等も参考にしますが、 ボリンジャーバンドに頼るところがかなり⼤きいですね。第3章
「勢い」の波及
「勢い」が波及するというのはどういうことかと言いますと、ある時間足にて発⽣した値動きの「勢い」が、
次々と上位足へとつながっていく状態です。
それを把握するのに、ボリンジャーバンドほどわかりやすいものはありません。 以下のチャートで 「5 分足」 → 「15 分足」 → 「1 時間足」 と利が伸びていくのを⾒てみましょう。 【5分足】【15 分足】
この利の伸ばし⽅で注意するのはエクスパンションのみ。 つまり、
レートの伸びる⽅向と反対側の2σが開いているかどうか。
そして、それが閉じる前に、次の足でエクスパンションが始まっているかどうか。
この2点です。 下のチャートで、 5分足に、15 分足と1時間足のボリンジャーバンドを入れてみました。 オレンジが 5 分足のボリンジャーバンド ⻘⾊が 15 分足のボリンジャーバンド 緑が 1 時間足のボリンジャーバンド期間設定はすべて「20」期間です。 注目してほしいのは、第 2 章で説明した「第1の決済ポイント」。 つまりレートの伸びに対して反対側に開いているボリンジャーバンドの 2σのバンドで す。
5分足でこの部分が閉じる前に
15 分足のバンドが開いていれば、「勢い」続⾏。
さらに時間が経過し、
15 分足でこの部分が閉じる前に1時間足のバンドが開いていれば、
1時間足まで利を伸ばすことができます。
利を伸ばすための条件
といっても、ボリンジャーバンドが広がり続けたからいつまでもポジションを保有して いたらいいというわけではなく、 それには多少の条件があります。 それは、最低限1つ上の時間軸と同⽅向、
できたら2つ上の時間軸と同⽅向
この「⽅向」というのはボリンジャーバンドのミドルバンド、 つまり「移動平均線」で⾒ます。5分足の1つ上の時間軸の⽅向は 15 分足のミドルバンドの⽅向
15 分足の1つ上の時間軸の⽅向は、1時間足のミドルバンドの⽅向
2つ上の時間軸までの「⽅向」の一致が⾒られなければ、
ボリンジャーバンドのエクスパンションは
本物とはみなしませんので、
早めの決済等の工夫が必要となってきます。
チャートで⾒ていきます。【5分足】 5分足のボリンジャーバンドがエクスパンションを起こしていますが、 この時、15 分足と1時間足のボリンジャーバンドのミドルバンド(移動平均線)より も上にレートがあり、 また、⽅向も全体的に上となっています。 このようなときの5分足のエクスパンションは信用に足りますので、 第1の決済ポイント(下)だけでなく、 第2の決済ポイント(上)まで利を伸ばすことが可能です。
各時間軸のボリンジャーバンド決済ポイントの関係
各時間軸が連続してエクスパンションを起こしている場合、次のことが成り⽴ちます。 【5分足】 まず①が閉じてきて、続いて②が閉じてきます。 5分足の勢いはこれで完全に終息しています。 そしてその②が閉じるのは、15 分足の③、つまり15 分足における第1の決済ポイン トが決済サインを出す前触れとなります。 同じように15 分足の勢いが完全に終息する④は 1時間足においての第1の決済ポイント⑤の前触れとなります。 この関係をよく覚えておいてください。第4章
ボリンジャーバンドにおける
エントリーポイント
ミドルバンド上抜け
ボリンジャーバンドのミドルバンド(中央のライン)は移動平均線です。 移動平均線であるわけですから、当然「指数移動平均線(EMA)」や「加重移動平均線 (WMA)」等があり、 ボリンジャーバンドもそれに対応したものがあります。 ですが、今回このレポートで利用するのはすべて「単純移動平均線(SMA)」であり、
期間設定は「20」期間とします。
これは移動平均線を利用したトレードですので、ボリンジャーバンドとは直接関係ない かもしれませんが、この先の話を進めるのに必要ですので簡潔に説明しておきます。 少しトレード経験のある⽅ならば、グランビルの法則を知らない⽅はいないと思います。 が、それを使いこなせているトレーダーはほとんどいないと言わざるを得ません。 そもそもグランビルの法則とはどういうものかと言いますと、レートと移動平均線を利用した売買ポイント、
つまりエントリーのタイミングを示したものだったはずです。
私のトレードの軸となっている部分でもありますし、 エントリーのタイミングに悩んでいる⽅は、ぜひ注目してもらいたい法則です。【グランビルの法則】 ①②⑤⑥にあるような、 移動平均線を突き抜けるところは絶好のエントリーポイントです。 ③や⑦の移動平均線からの反発よりもエントリーしやすく、損失も出しにくいトレード が可能ですので、ぜひ注目しておいてください。 ④や⑧のように、 移動平均線から乖離しているところからの回帰を狙った逆張りはおススメしません。 チャートで⾒ると次のとおりとなります。 ⻘○は成功ポイント、赤○はロングエントリー後すぐに戻ってきて失敗のパターンです ね。
エントリー後順調に利が伸びるに越したことはないのですが、 相場は思い通りにはなかなかいかないものです。
ですが、移動平均線に傾きがあるときにエントリーすることによって、
思惑に反して利が伸びなくても、
上の図のように、薄利で逃げることができるか、
もしくはわずかの損失で終わらせることが可能です。
トレンドフォローは移動平均線の⽅向に沿ってトレードすることが基本であり、 移動平均線の⽅向に沿ってトレードするということは、 それを割ってきたら失敗ということを認めることによってグランビルの法則のエント リーポイントと合わせると効果的なトレードができます。 また、もう少し付け加えるならば、 このエントリーのタイミングのとり⽅はこれよりも上位足において
「勢い」があるときに使用するほうが
圧倒的に成功率は⾼まります。
ブレイク
ボリンジャーバンドを使ったトレードで代表的なものが、バンドが広がり始めたらエントリー
とされるものが基本的な形です。 トレードの参考書?にもよく書いてありますね。 ですがそんなに簡単なものではありません。 まず考えなければならないのが、そのバンドの広がりが「本物」かどうかということで すね。 第 3 章の「利を伸ばすための条件」で書きましたように、 上位足の⽅向から一致していなければ、そのバンドの広がりは一過性のものである可能 性が⾼くなります。次のチャートで⾒てわかるように、 上位足の流れ(240MA)に逆らったポイントでのエクスパンションしかけた状態では、 結局伸びずにすぐに反転して戻ってきています。 失敗となる可能性の⾼いトレードです。 このように上位足の流れに逆らったポイントでエントリーしてしまった場合は、 迷わず第 1 の決済ポイントである、最初のバンドが閉じたところで決済してください。 これを守らないと「ダマシ」連発となります。 初心者のころによくやる失敗ですね。 次のチャートは⾼値更新を狙う、一般的なブレイクのものですが、 この⽅法は基本的にダマシが多く、使いこなすにはそれなりの実⼒を必要とします。
ですが、ボリンジャーバンドを使うことによってその判断が容易になります。 ポイントは、 レートが前回の⾼値を更新したときに、 ボリンジャーバンドの反対側のバンドが開いているかどうか。 上のチャートでは、中⻑期の移動平均線の向きから考えても、そのエクスパンションが 「本物」になる可能性が⾼い状態です。 その状態で、反対側のバンドが開いている、 つまり、値動きに「勢い」を保ちながらの⾼値更新(ブレイク)ですので 成功する確率は⾼くなります。
この時(5 分足)、1時間足や4時間足などでバンドが広がっていれば、 上位足でも「勢い」を保っていることになりますので、より成功率が⾼まります。 また、エクスパンションの始まる前に⾼値抜け(ブレイク)でエントリーしたとしても エクスパンションが発⽣しなければ、そのブレイクは失敗に終わった(ダマシ)と判断 して、 薄利でもいいので決済してしまうのも一つの⽅法です。 ダマシは一般的に損切りになってしまいますが、 この⽅法ならば、それをわずかとはいえ利益にすることが可能です。 チャートでは⾼値ラインを越えたときをタイミングとしましたが、 その他にも、下のチャートのように、 移動平均線を抜けた時等にも応用することが可能です。
いくら移動平均線を抜けるところ(グランビルの法則)がエントリーのタイミングだと しても、 上のチャートのようなポイントからエントリーするのは怖いものがあります。 ですが、
「勢い」を重視することによって、それも可能となってきます。
また、移動平均線で反発するのでは? という悩みもなくすことができますね。 ただし、ここで移動平均線が上を向いている場合は、
急反発の可能性もありますので注意してください。
(※グランビルの法則)1σ抜け
ここまでで紹介したエントリーのタイミングは、 ミドルバンド(移動平均線)抜けと、 ブレイクによるエントリーの2つになるわけですが、 この 2 カ所の間にも、もう1つエントリーポイントが存在します。 それが流れの⽅向への、1σ抜けのタイミングです。
ポイントは、1σのバンドを移動平均線のように考えることです。
上のチャートにはエントリーポイントが2カ所存在していますが、 2つ目はあまりすすめられるポイントではありません。 次のチャートのように考えてください。 エントリーポイントとなる1σは、上位足の移動平均線よりも上にあること。 ですので、その少し前の1σ抜けは NG です。 そして1σのラインを移動平均線のように考えるわけですから、
そのラインよりも上にレートが存在し続ける限りは
ポジションを保有するのが基本です。
つまりバンドウォーク中はポジションを保有し続けるということですね。この利の伸ばし⽅、および決済⽅法は、あまり深く考える必要がなく、 機械的に決済することでき、 それでいて、かなりいいポイントで決済することが可能ですので、 ぜひ利用してみてください。 以下にチャートを掲載しておきます。 1σよりも上をガッツリといただくようなイメージです。 オシレーター(↓は MACD)等とタイミングを合わせると成功しやすいですね。
特に「短期」「中期」さらには「⻑期」ともタイミングが同調していれば、 より容易なトレードになります。
他にもエントリーのタイミングをとる⽅法として、ストキャスティクスを使うものがあ ります。 レートが動き始めたときのボリンジャーバンドの±1σのバンドは、 表示してみたらわかりますが、移動平均線の「8」期間と似た動きをします。 そのことを利用して、同じくストキャスティクスでも「8」期間を利用する⽅法です。 ストキャスの設定は以下のとおりです。
レートが 1σを抜いてくるときに、ストキャスが同⽅向を向いていたらエントリー可能 とする⽅法ですね。
まとめ
少々ややこしくなってきましたので、 ここまでのことを簡単にまとめてみたいと思います。 下のページのチャートは 5分足上に、5分足のボリンジャーバンド、15 分足のボリンジャーバンド そして1時間足のミドルバンド(移動平均線)を描写したものです。このチャートを踏まえた上で下のチャートをご覧ください。 ①〜⑤まではエントリーポイントで、 ⑥〜⑧までは決済のポイントとなります。 ①は5分足のミドルバンドを下に割れたところ。 ②は5分足のボリンジャーバンドの-1σを下に割れたところ。 この①と②は 15 分足のミドルバンドの⽅向にも、1時間のミドルバンドの⽅向にも 逆らっており、 また、すぐ近くに 15 分のミドルバンドが存在して下支えているため、 あまりおすすめのエントリーポイントではありません。
③は5分足のボリンジャーバンドが開いて、つまり「勢い」が存在したままの状態での 15 分足のミドルバンド割れですので、ひとつのエントリーポイントとなります。 その下に1時間のミドルバンドが下支えていますのであまり利益は期待できませんが、 デイトレであれば「リスクを承知の上」で攻めてもいいと思います。 ただこのとき、1時間のミドルバンド(移動平均線)が下向きであることも考慮すれば、 グランビルの法則により、1時間ミドルバンドを下抜く可能性も⾼いためリスクは少し 少なくなります。 ④は15分足のボリンジャーバンドの-1σの下抜けのエントリーポイントとなります が、 このとき、すぐ下で1時間足のミドルバンドが下支えする可能性がありますので、 ちょっとエントリーにためらいますね。 ですが、上で書いた1時間のミドルバンドの下抜きの可能性と、5分足のバンドがこの 時点で開いていることを考慮すれば、エントリーを試みてもいいポイントです。 ⑤は5分足や 15 分足のバンドが広がっている、つまり「勢い」が下位足にある状態で の、しかも下げ⽅向の1時間足のミドルバンドに対してグランビルの法則が成⽴する可 能性の⾼い状態での1時間ミドルバンド下抜きです。 エントリーポイントとしては最⾼のところですが、 この時、⑥のように、すでに5分足のバンドが閉じていれば、下抜きするのに少し手間 取って(「勢い」が足りないため)値動きがもたついてエントリーのタイミングが少し つかみづらいかもしれません。 そんな時は、オシレーター等で、再度流れが下向くのを待ってエントリーすることを おススメします。
ここからは決済となります。 ⑥ですが、これは5分足の第 1 の決済ポイントですね。 ⑤のように遅めのエントリーの場合は、一度ここらへんで決済しておくと、とりあえず の利益は確保することができます。 もしくはポジションを半分手仕舞いし、残り半分を⑧くらいまで伸ばすのありですね。 この時(⑤の遅めのエントリーの時)、 1つの決済ポイント(⑦)である5分の-1σのラインが、 エントリーポイントである1時間のミドルラインを下回っています。 そのため、残りの半分のポジションは、その決済ラインを目安にしておけば その残り分も損失を出すことはありません。 利を伸ばすときにも、常に決済ポイントを考え、そしてそこから逆算してとにかく損失 を出さないようにする。 利を伸ばすときに非常に重要な考え⽅です。 そのためには、この多重にしたボリンジャーバンドというのはとても優秀な インディケーターです。 ⑦は、レートが5分足の-1σ内に戻ってきたポイントです。 とりあえずの「勢い」終息、そして継続しない可能性が⾼く、また継続したとしても、 あまり⼤きな伸びが⾒込めなくなるポイントです。 この時、1時間のバンドが広がっていれば、もうちょっと利を伸ばしにかかってもかま いませんが、 デイトレで少しでも確実に利益を確保しておきたいのであれば、半分決済しておいても いいでしょう。
⑧は5分足のミドルバンドを上回ったときですね。 デイトレであれば、これ以上伸ばす必要はありません。 一度決済して、再度エントリーのタイミングを探ったほうがいいと思われます。 ⑨は 15 分足のバンドが閉じるところ、 つまり 15 分足の第 1 の決済ポイントです。 また、ここではレートが 15 分の-1σのバンド内に戻ってきたポイントでもあります。
⼤切なのは、
エントリーの時点でのリスクの把握、
そしてそのリスクを最小限で抑えることができる
決済(損切り)ポイントを
「常に」把握しながらトレードすることです。
タイミング同時合わせ
同時にタイミングが合う。 つまり、1 つの時間軸だけではなく、 同時に 1 つ上の時間軸まで同様のエントリーのタイミングが重なれば、 より簡単な値動きになりやすくなります。 ここで説明するのは、 レートの 1σライン抜けとストキャスとのタイミングのパターンです。 では次のページのチャートをご覧ください。 1分足に5分足のボリンジャーバンドとストキャスを重ねたものです。 5分足は1分足の5倍の期間ですので、重ねた5分のボリンジャーバンドも 20 期間を5倍にした「100」期間のボリンジャーバンドです。ストキャスも同じく「8」期間を5倍にして「40」期間としました。 ストキャスを設定する際の他の数値も同じく5倍にしてください。 この設定で、チャート上の緑の○の部分で、 2本のストキャスが同⽅向の上を示しながら、レートが同時に1分と5分の1σを上抜 いています。 少し⾒つけにくいかもしれませんが、エントリーのタイミングとしては非常に使いやす いのでぜひ探し出してください。 この関係は、もちろん5分足と 15 分足、15 分足と1時間足上でも適用されます。
第5章
ボリンジャーバンドで
押し目を拾う
トレードって、レートが動き出す前にエントリーするのは怖いし、 かといって、押し目と思われるところでエントリーしても、この先本当に伸びるのかど うかが不安・・・
でも初動を逃したときに、
押し目からでもエントリーできる技術がほしい・・・
そんなときの目安にもボリンジャーバンドは使えます。勢いで押し目可能か判別
押し目エントリーができるかどうかの判断基準を一言で言うと、その際に値動きに「勢い」があるかどうか
この一言に尽きます。 では、「勢い」があるのはどのような状況なのか? ということになりますが、これは、
ボリンジャーバンドがエクスパンションを起こしている状態、
もしくは、
ミドルバンド(移動平均線)に傾きがあり、
レートが±1σよりも外にある状態です。
±2σよりも外にあればなおいいですね。 その場合は、ボリンジャーバンドもエクスパンションを起こしていることがほとんどで す。上のチャートのような状態であれば、下位足では、途中で押し目エントリーし放題です。 相場状況としては、15 分足の-2σよりも外にレートがあり、5分足の-1σよりも外に レートがあるわけです。 15 分足においては、かなり勢いが強く、5分足においても勢い継続中と判断できます。 このとき(5分足と 15 分足で勢いがある)の押し目のタイミングは1分足でとってい きます。 ただこの時気を付けなければいけないのは、 そのボリンジャーバンドのエクスパンションが「本物」かどうか?ということです。 第 4 章で説明しましたように、上位足のミドルバンドの位置や⽅向にしっかりと注意を 払ってください。 では上のチャートの状態のときの1分足を⾒ていきます。
【1分足】 エントリーのタイミングは、前章で説明した「8」期間のストキャスを使用します。 ですがストキャスが反転したから・・・と言ってエントリーしていてはダマシにあいま すので、 (オシレーターはわずかの動きにも過剰に反応する) これも説明しましたように、「1σ」を移動平均線のように使用します。 ストキャスの反転を⾒てエントリーの準備をし、 そしてレートが 1σ(ここでは-1σ)を抜けた時点でエントリーです。 次のページにエントリー部分を拡⼤したチャートを載せています。
【1分足】
1分足の-1σラインを一度上回ったレートが、
再度ストキャスと同⽅向へ下げてきて
1分足の-1σラインを下抜く瞬間がエントリーのタイミングとなり
ます。
その後、5分足のチャートがこのような状態になります。 一度5分足のバンドが閉じて、15 分足の勢いに波及した状態です。 5分足が閉じるということは、勢いが一旦落ち着いたことを示しますので、 比較的戻しが⼤きくなりがちです。 ですがこの状態であってもレートは 15 分足の-2σよりも外、 5分足の-1σよりも外にあり、「勢い」は継続中です。 このときの1分足は次のような状態です。
【1分足】 1分足のミドルバンドまでレートが戻っていますね。 ですが上位足において「勢い」が健在なため、まだ下げる可能性が⾼い状態です。 そこで①のポイント、1分足のミドルバンドを下抜きや反発の瞬間や、 ②のように今までと同じく、ストキャスとタイミングを合わせて-1σを下抜くタイミン グで押し目エントリーが可能です。 ここでの説明は、5分足と 15 分足に「勢い」がある状態での1分足における 押し目エントリーのタイミングでしたが、 この関係は、15 分足と1時間足において勢いがある状態での5分足での 押し目エントリーや、
1時間足や4時間足において勢いがあるときの、15 分足での押し目エントリーにも 使うことができます。 【1時間足】 4時間足の 2σよりも外、1時間足の 1σよりも外で なおかつボリンジャーバンドが開きレートに非常に「勢い」がある状態です。 この状態では 一度下がってきても、押し目を築いて再度上昇することがほとんどです。 下がったにも関わらず、2σと 1σラインを割り込まかったのがポイントですね。 ですが、たとえ割り込んできたとしても、 ボリンジャーバンドが「開いた状態」であれば、再度 2σや 1σラインを上抜き 上昇することがほとんどです。
この状態での、この部分の 15 分足を⾒てみましょう。 【15 分足】 先ほどまでの説明どおりにトレードするとするならば、 15 分足のミドルバンドからの反発や、 再度1σを上抜いたところがエントリーポイントとなります。 オシレーターでタイミングを⾒つつ適切な⽅でエントリーするようにしてください。 ではレートに「勢い」があまりない場合はどうなるのでしょう?
レートに「勢い」がない場合の押し目エントリー
どのような場合かと言いますと、下のチャートのような状態ですね。 【1時間足】 1時間のボリンジャーバンドに対してダラダラとバンドウォークしながら上昇するも、 1時間足でも4時間足でもエクスパンションは⾒られず、「勢い」がないため 押し目の判断に迷う状態。 このようなときは、その時間軸に固執せずに、 ひとつ下の時間軸をチェックしてみると道が拓けることが多いです。 1時間足の1つ下の時間軸ということで、15 分足をチェックしてみます。【15 分足】
1 時間足ではダラダラ上げているようでも、
15 分足ではしっかりとしたエクスパンションが⾒られます。 【5分足】
15 分足でエクスパンションを起こしているので、5分足に 15 分足を重ねた状態にし てみました。 この状態でも①のようにストキャスと 1σのライン上抜けのタイミングから エントリーすることもできますし、 15 分足のバンドが開いている(「勢い」がある)状態で、 ②の5分足ミドルバンド上抜き(グランビルの法則)からのエントリーや ③のオシレーターとタイミングを合わせた 1σ上抜きのエントリーが考えられます。 また、レートが 15 分足の 2σの外にあり、5分足の 1σの外にある時点で非常に 「勢い」があると判断でき、 (5分、15 分のバンドも広がっている。) 少し前に説明したように、1分足で押し目を探ることも可能となります。
第6章
ボリンジャーバンドにおける
決済と損切りの考え方
ボリンジャーバンドを使うと、
エントリー後思ったように利が伸びなくとも、損失を出すことなく、たとえ薄
利であってもとりあえずプラスにして逃げることも可能です。
ボリンジャーバンドによる決済
基本的な考え⽅は、「勢いが波及しなければ決済」です。
それには、値が動く⽅向と逆の側のバンドに注目します。 【5分足】 ストキャスとタイミングを合わせて、5分足のミドルバンド上抜けのタイミングで エントリーしたパターンを考えた時、 エントリー後注目するのは、まず5分足ボリンジャーバンドの-2σライン。 これが開いてこなければ、再度レートが1σ内に戻ってきたら決済です。 スプレッドが狭い通貨ペアでしたら、薄利で逃げることも可能です。 もう一つのエントリーポイントとして、1σラインを上抜いた時がありますが、 ここでも反対側の-2σが開いてこなければ、 再度レートが 1σ内に戻ってきたら決済です。 この場合は損切りになりますが、失敗しても⼤きな痛手はこうむりません。 違うパターンも⾒ていきましょう。 【5分足】 ここではエントリーを5分足のボリンジャーバンドの 1σを上抜いたところとします。
5分足のミドルラインを越えるところでは、 まだすぐ上に15 分足のミドルバンドが存在しますので、最低でもそのラインを越えて からエントリーのタイミングを探る⽅がよいと思われます。 ここの場合は、15 分足ミドルバンド上抜きと5分足 1σライン上抜きが同時でしたね。 エントリー後、すぐに5分足のバンドが広がってきました。 ですが、15 分足のバンドに「勢い」は波及せず、失速してきています。 この場合も、 決済のポイントは5分足の1σ内にレートが戻ってきたときであり、 最⼤でも 15 分足の 1σ内にレートが戻ってきたら決済しておきましょう。 薄利で逃げることが可能です。 その後ストキャスが反転上昇し、レートも5分の 1σを上抜いてきますが、 (エントリーの 1 つのタイミングですが) 15 分足のバンドが広がっていない、 つまり上位足に「勢い」が波及しなかったので、 押し目と思っての追撃はやめたほうが賢明です。 では次のパターンです。
【5分足】 5 分足の「8」期間のストキャス、 15 分足の「8」期間である「24」期間のストキャスが同⽅向を向いて、 そのタイミングで、 レートが5分足の-1σと、15 分足の-1σを同時に下抜いてきています。 第 4 章の「タイミング同時合わせ」で説明しましたね。 エントリーのタイミングの一つの⼤きなパターンです。 ここで注意してもらいたいのが次のポイントです。
【5分足】 前2つの⾒⽅でしたら、まず5分足のバンドの開きに注意するわけですが、 ここでは開いてきていませんね? ですが、 かわりに 15 分足のバンドが開いてきているためそのまま伸ばすことができます。 また、5分足の-1σの外、そして 15 分足の-2σの外にレートが位置しているため 非常に強いトレンドと判断することができます。 エントリーのポイントを-1σとしているわけですから、 前に書きましたように、このラインを移動平均線と同じように考え、 再度-1σライン内にレートが戻ってくるまでポジションは保有します。
戻ってきたら決済ですので、 決済の⽅法としては非常に簡単でわかりやすくなっています。 5分足の第 1 の決済ポイントから第 2 の決済ポイント、 その第 2 の決済ポイントが 15 分足の第 1 の決済ポイントの前触れ この流れがこのバンドの開き⽅ではわかりにくいですので、今回のような決済の⽅法を 用います。
第7章
ボリンジャーバンドで
流れを読む
±2σからの逆張りはアリ?
ボリンジャーバンドの±2σを越えてレートが動く確率は(±2σ内にレートが納まる確率 は)95.5%ということを根拠として レートが±2σを越えた時点で逆張りをする・・・ いまだにこんなことを書いてある書籍やサイトを⾒かけますが、結論から言うと、ほとんど使えません。
そもそもこのボリンジャーバンドという指標は、レートが±2σラインを⼤きく越えて動 くときを「トレンド」とするというトレンド判定器なのです。 ですが、いくつかの諸条件が重なることによって逆張り気味に使用することは可能です。 今まで書いてきたことからそれが⾒えてきます。 【1時間足】上のチャートは1時間足ですが、 前半は、日足のミドルバンドの⽅向に逆らった動きをしています。 その状態で、①でレートが1時間足でバンドが閉じて「勢い」が終息しており、 さらに4時間足にも「勢い」は波及していません。 そのため「失速」して戻してくる可能性が⾼くなります。 あくまでも失速であって、みなが逆張りをするから反対に動くわけではありません。 しかも、レートは4時間足のミドルラインの上にあり、1時間足のミドルラインはまだ 上を向いています。 この場合、1時間足のミドルラインが上を向いているため、期待できる下げは、 そのミドルラインあたりまでです。 ②のポイントも同じですね。 1時間足にも4時間足にも「勢い」が存在しない状態で、それぞれの2σ突き抜けから 戻ってきています。
上のチャートのように、オシレーターを表示させるとわかりやすいかもしれません。 ボリンジャーバンドでこのような状態のときに さらにダイバージェンスを起こし、上に上げる⼒が弱まっていることを示唆しています ので、逆張りには絶好のポイントです。 5分足レベルで丁寧にタイミングを計って、そのミドルラインの⽅向へエントリーすれ ばうまくいくことが多いです。 ダイバージェンスに加え、その後下げてきたときに1時間足のミドルラインはほぼ水平 になってきています。 その場合ミドルラインを下抜けする可能性もでてきますので、その時点でオシレーター に反転が⾒られなければ、しばらく静観しておいてもいいと思われます。