東南アジアインフラ事情の視察研修
14_06939 佐藤路鷹 研修先:カンボジア(シェムリアップ)、ベトナム(ハノイ) 研修期間:3/1〜3/5 の5日間 1. はじめに 今回、春期休暇中に丘友の方々の協力をいただきましてカンボジ アとハノイに海外研修を行いました。私は今まで海外経験がほとん どなく、ニュースや新聞でしか世界様々な国を見たことがありませ んでした。ですが、大学生の間に世界を見ておきたい、知っておきた いと思いこの研修に応募させていただきました。カンボジアとハノ イを選択した理由はそういった国々のインフラ事情に興味があった からです。 また、去年の夏に清水建設のインターンシップに参加させていただきました。清水建設が 過去に施工した例としてハノイのハロン湾郊外にあるバイチャイ橋が紹介されました。そ の施工に関する様々なことを聞き、この橋を見てみたいと思ったのもこの国を選んだ理由 になります。観光もしていますが、カンボジアベトナムのインフラ事情をメインに報告させ ていただきます。 2. カンボジア まず、カンボジアの空港、シェムリアップ空港です。外 見は羽田空港や成田空港のように立派ではなく、サービ スエリアや道の駅のようなつくりでしたが、内装は比較 的綺麗でした。 次に、シェムリアップ市内の道路についてです。感じた ことは 1. 整備されている箇所とそうでない箇所の差が激しい 2. 信号が車両のみなので、歩行者の通行がかなり危険 3. 道路の車両通行が日本と逆 ということです。 1 に関しては、移動にはトゥクトゥクと呼ばれるバイ 図 1 カンボジアの道路クに乗っており、道路状況が直接伝わ ってきます。図 1 のような整備されて いる箇所ではスムーズに進み、整備さ れていない箇所では非常にガタガタで 気分が悪くなるほどでした。 私が最も驚いたことが 2 です。あり えない光景でした。図 2 は、シェムリ アップ市内のある交差点の写真です が、それぞれが自由に通っており、そ の中を歩行者が自由に歩いていまし た。特にこの交差点には信号がなかっ たのでいつ事故が起きてもおかしくない状況で、ただただ驚きました。日本がいかに安全か ということを実感しました。 次に、道路以外で感じたことは 1. 束になった電線 2. 河川の汚れと悪臭 の 2 つです。 1の電線は、ベトナムでも同じことが言える のですが、図 3 のように数十本の電線が束にな って外に露出しているのです。これでは仮に雷 や雨などの刺激が加わった際に停電する可能性 が非常に高く、生活に支障が出てしまうのと同 時に切れた電線により怪我をしてしまう恐れも あるので、かなり危険だなと思いました。 また、近くには河川がありましたが、ゴミが散 乱しかなり汚れた水でした。下水道の普及率は 都市部では 80%を超えては来ていますが、地方に なるとその半分くらいまで下がってしまいま す。日本とは違い、水道水を飲むことが出来ない ことからもできるだけ早く上下水道の整備工事を 進めていかなければならないなと感じました。 こうした数々の問題点を考慮して土木工事を進めていかなければ安心して暮らせないと いう現実に向き合いました。道路や信号、上下水道などの整備は不可欠です。 図 2 カンボジアの交差点 図 3 露出した電線
カンボジアの国旗にも描かれているアンコールワットやその周辺遺跡も見て来ました。 細かく計算されてできた巨大遺跡で、大昔にここまで正確に作ることが出来たということ に感動しました。特にアンコールワットの一部で十字回廊という場所があるのですが、そこ の中心の十字は東西南北を正確に表していました。機械もない時代でここまで正確に作る ことができていたのです。 3. ベトナム 次はベトナムの首都ハノイです。 まず利用したノイバイ空港第 2 ターミナル(国際線)は、2014 年に完成したばかりとい うこともありカンボジアと違いきちんと整備され た新しい空港でした。ですが、国内線はカンボジア のほうが整備されているように感じました。 次にハノイの道路についてです。感じたことは 1. 整備されている箇所とそうでない箇所の差が 激しい 2. 歩道が汚い 3. 信号は整備されている 4. 歩道にバイクが大量に駐車されている 5. 道路の車両通行が日本と逆 6. 通行車両数が多い ということです。カンボジアと比較していきたい と思います。 図 6 ベトナムの歩道 図 4 アンコールワット遺跡 図 5 十字回廊の中心
まず、1 と 5 に関しては同じ状況 でした。特に 1 はその差が激しく、 整備されている箇所は日本の道路と 同じくらい綺麗なのですが、整備さ れていない箇所はカンボジアよりも ひどいです。 2 については、図 6 にあるように 歩道はまったく整備されていません でした。大きな道路で歩道と車道と の明確な境目がなく、4 のように歩道 にもバイクがとめてあるので歩くと きは車道を歩かざるを得ませんでし た。さらに 6 にあるように車両数がカンボジアと比較にならないくらい多いです。図 7 は 早朝の比較的すいているときの写真です。いつ事故が起きてもおかしくない状況でした。 ベトナムは発展が著しく、人口も急上昇し、大きな街へと変化している中でこういったイ ンフラの整備が追いついていないのは仕方のないように感じます。工事用機械の未発達や 人手不足などなかなか進まない原因は多く考えられますが、人々が生活している以上着実 にインフラの整備を進めていかなければならないと思います。 ハノイ郊外にあるハロン湾にも行きました。ここに来た目的の1つは清水建設が施工し たバイチャイ橋を見ることでした。バイチャイ橋は世界最長の支間長(435m)を誇る一面吊 り PC 斜張橋です。このバイチャイ橋の建設には、現地の人々と協力しながら、清水建設を 主軸とした日本企業が最新技術を駆使して完成した立派な橋で、ベトナム北部の交通事情 を改善するだけでなく、観光資源であるハロン湾の新たなランドマークとなり、ベトナムの 人々に愛される橋になるものと思います。この日は天気の影響で写真に写すことは出来ま せんでしたが、かなり大きな斜張橋で日本の多々羅大橋にも匹敵するような貫禄でした。こ ういった日本の支援により親日国としてベトナムの日本に対する姿勢がよくなり、お互い にとって良い関係を築き上げることが出来たのではと思います。 カンボジアとベトナムに研修に行ってみて感じたことは、何より日本がいかに安全で、イ ンフラがきちんと整備されている住みやすい国だということです。安心して歩くことが終 始出来ませんでした。これからより住みやすい街にするためにきちんとしたインフラ整備 の計画立案が不可欠で、その際にベトナムのバイチャイ橋のように日本の技術を積極的に 取り入れることでより迅速に整備が行えるのではないかと思います。将来自分が仕事に就 き、こういった地域の発展の力になれるように、そういったことに少しでも携われるように 図 7 ベトナムの道路状況
これからの学生生活を過ごしていきたいです。
最後に支援をしてくださった丘友の方々、ありがとうございました。