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水利用と水利権

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Academic year: 2021

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全文

(1)

小水力発電の登録制について

国土交通省 九州地方整備局

河川部 水政課

(2)

日本では、古くから豊富な河川水を利用した水力発電が盛んに行わ

れてきた。最近、地球温暖化対策として、再生可能エネルギーの利用

推進が図られ、小規模な水力発電が多く計画されるようになった。

国土交通省では、小水力発電の導入促進を図るため、水利使用手続

きの簡素化・円滑化を進め、従属発電について、許可制に代えて

登録制を導入

した。

*九州地方整備局では制度開始から16箇所の登録を行っている。

1

はじめに

(3)

1.河川法が一部改正され登録制が導入

≪登録制の対象となる流水の占用は以下の2種類≫

河川法第23条の許可を受けている流水を利用して行う発電

【法律で規定:河川法23条の2】

政令で定める流水を利用して行う発電

【政令で規定:河川法施行令第14条の2】

河川法の一部改正(平成25年12月11日施行)

河川法第23条の2(流水の占用の登録)

前条の許可を受けた水利使用のために取水した流水その他これに類する流水とし

て政令で定めるもののみを利用する発電のために河川の流水を占用しようとする者

は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の登録を受けなければならな

い。

(4)

1.1- ①河川法第23条の2に基づく登録

河川法第23条の許可を受けている流水を

利用して行う発電

(従属発電)

発電所

(登録)

取水堰

取水

農業用水路

法第23条の

許可済み

かんがい水利権を利用した例

農業用水路

*従属元の取水の範囲内で、当該流水を消費することなく利用する

(5)

1.

1ー②河川法施行令第14条の2に基づく登録

河川法施行令第14条の2

法第23条の2の政令で定める流水は、ダム又は堰から専ら次に

掲げる場合に放流される流水とする。ただし、魚道その他の魚類の

通路となる施設を流下するものを除く。

一.

河川の流水の正常な機能を維持するため

に必要なとき。

二.

ダム等の洪水調節容量を確保するため

に必要なとき。

三.

法第23条の許可を受けた水利使用

(発電以外のためにするものに限る)

のため

に必要なとき。

政令で定める流水を利用して行う発電

(6)

1. 1ー③ 以上を図にすると・・・

上記以外の流水(いわゆる自流)及び魚道その他の

魚類の通路となる施設を流下するものは

登録対象外

*正常流量=維持流量及び利水流量

の両方を満足する流量

ダムに貯留

しない水

流水の正常な機能を

維持するための水

(1号)

洪水調節容量を確保

するための水

(2号)

項 目

河川法第23条の許可を受けた水利使用

(発電以外)のための水(3号)

登録制の対象となる水

ダムに貯留

する水

発電所

(1号)正常流量

(3号)かんがい・

上水・工水・

常満維持

(2号)洪水調節

容量確保

ダム・堰

(7)

1. ①②③を概要図にまとめると・・・

政令の従属発電

法律の従属発電

発電

農業

工業

水道

登録

登録

登録

許可

許可

許可

許可

登録

登録

政令の流水を利用する

発電

(8)

2.-1 登録(許可)権者をまとめると

通常の水力発電

従 属 発 電

河川

許可権者

直轄

区間

指定

区間

1,000kW以上

(特定水利使用)

200kW以上

1,000kW未満

(準特定水利使用)

県又は

政令市

200kW未満

(その他)

県又は

政令市

二級河川 県又は政令市

河川

登録権者

直轄

区間

指定

区間

従属発電の規模に関係なく

、発電に利用す

る流水(①~③)によって登録権者が決定

①既許可水利権

のために貯留又

は取水した流水

従属元水利使用の許可権者

(都道府県等が許可した水利使

用に係る流水を利用するものは

都道府県等が登録権者。)

②ダム・堰から

放流される正常

流量、洪水調節

のための流水

県又は政令市

③慣行水利権の

流水

県又は政令市

二級河川 県又は政令市

※従属発電は、原則、従属元の水利使用区分に従う。

(9)

2.-2① 登録の要件:河川法に基づくもの

登録の拒否(河川法第23条の4)

次の各号のいずれかに 該当する場合には、

その

登録を拒否しなければならない

一. 河川法違反により罰金以上の刑に処せられ、2年を経過しない者。

二. 許可等の取り消しを受け、2年を経過しない者。

三. 法人又は団体の役員が前二号のいずれかに該当する者。

四. 従属元の許可受者と申請者が異なるときに、許可受者の同意を

得ていない。

五. その他、国土交通省令で定める場合。

(10)

2.-2 ② 登録の要件:河川法施行規則に基づくもの

登録の拒否(規則第11条の4)

国土交通省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一. ダム等からの放流水を利用する場合で、

次の者の同意を得ていない場合

①ダム等の設置者

②水利使用のために23条の許可を受けて貯留している者

二.

河川に新たに減水区間を生じさせる場合

三. 水利使用に関連した

河川法第24条又は第26条第1項の許可を受け

る見込みがない場合

四. 申請書等の重要な事項について、記載漏れや虚偽の記載がある場合。

(11)

2.-3 登録権利の存続期間

利用する流水の区分

既許可水利権の流水を利用する従属発電

従属元水利使用の許可期間

正常流量または洪水調節容量確保

のための流水を利用する場合

従属元がないため、

最長20年

(ただし、

利水ダムからの維持流量の

みを利用

する場合は、維持流量を放流

している

水利使用の許可期間

法第23条の許可を受けた水利使

用のために貯留された流水を利用

する場合

当該水利使用の許可期間

(複数混在する場合は、

最も短い許可

期間

正常流量、洪水調節容量確保、水

利使用のために貯留された流水が

混在する場合

許可期間の定めがある水利使用

の許可期間

存 続 期 間

(12)

3. 手続が必要かどうかの確認 ①

水利使用の許可

又は登録

土地の占用の

許可

工事の許可

河川保全区域内

での工事の許可

河川及び水利の着色は、発電所の設置場所ごとに必要な

許可手続きの内容を示しています。

かんがい用水の場合

*九州には河川保全区域設定箇所は無し

(13)

3. 手続が必要かどうかの確認 ②

水利使用の許可

又は登録

土地の占用の

許可

工事の許可

河川保全区域内

での工事の許可

河川及び水利の着色は、発電所の設置場所ごとに必要な

許可手続きの内容を示しています。

上水・工水等の場合

(14)

4.ー1 慣行水利を利用した従属発電について

慣行水利権を利用する従属発電

については、河川法第23条の

許可を受けたものとみなされた権利を利用するものであること

から、通常の許可を受けた水利権を利用するものと同様に、

登録を受けることができる。

ただし

申請前に慣行水利権の期別の取水量を

明確にする必要がある!

(15)

4.-2 取水量の計測方法等

慣行水利権を利用した従属発電

取水堰

①流量計測地点

・慣行水利権の取水地点

となります。

(慣行水利権として取得している量の把握が必要)

*Aと同流量であることが確認できれば、

でも可。

・従属発電地点

で流量計測を行う場合は、C地点と

A地点との受益面積比、または同時流量計測による

換算率等により、慣行水利権の取水量を推定する

ことが可能。

②計測期間

・少なくとも

1年間

③計測頻度

・少なくとも

半旬毎(5日に1回)

(地域の環境学習等で活用の場合は月1回)

④存続期間

・取水量の計測期間と同期間(最長10年間)

水 田

(ha)

水 田

(16)

4.-3 届出書との関係

①届出書の記載内容と現状(期別・取水量)が異なる場合

3月

6月

9月

12月

届出書の数値

現在の

取水状況

現在の取水状況が、届出書の記載内容よりはみ出している部分

(赤塗り部分)は、

法23条の許可を受けたものと見なされず、

従属としては扱えない。

(17)

5.登録申請に係る河川法手続きの流れ

施設利用等の相談

(一級河川の直轄管理区間の場合)

発電の構想

施設利用等の契約

発電計画の作成

事前相談

登録申請書類の作成

提 出

追加資料の作成・提出

受付【河川事務所】

審査(拒否要件の該当

の有無)

登録(水利使用規則)

水利台帳への登録

登録書受理

工事着手

完成検査

取水(運転)開始の報告

都道府県知事

従属元水利使用者

申請者

国土交通省

関係行政機関

書面(写)添付

同意書添付

確認

(18)

6.登録制導入によるメリット等

水利使用手続きの簡素化・円滑化

1.審査要件の明確化(

一定の要件を満たせば登録

2.

関係行政機関との協議や関係利水者の同意不要

(河川法35・36条は不用)

※従属元の同意は必要

3.水利権取得までの

標準処理期間の大幅縮減

(5ヶ月→1ヶ月)

※河川区域内の工事等が伴う場合は3ヶ月

4.小水力発電プロジェクト形成

支援窓口の設置

(許可制も同様)

・地方整備局及び河川事務所に窓口を設置し、積極的に支援を実施

5.慣行水利権を利用する従属発電の

取水量計測方法の簡素化

6.取水量報告の簡素化

・従属元の取水量と同量の場合は、その旨の報告で可 など

(19)

7.登録制に関する注意点

1.一つの従属発電で従属元水利使用が複数存在する場合(ダム等)の存続

期間は最も短い従属元の許可期間にあわせる。

2.標準処理期間(1ヶ月)の中に、書類の不備等の補正期間は含まれない。

なお、従属元水利使用の処理期間(5ヶ月)、従属発電の処理期間

(1ヶ月)のため、申請時期に注意する(従属元の許可がなければ、従属

の登録はできない)

3.従属発電は、他の水利使用に従属することが前提であるため、発電のた

めに河川からの取水量を操作することはできない。また、従属元が変更に

より取水量が減る場合には、従属発電で使用できる水量も減る。(登録の

変更申請が必要)

4.慣行水利権の取水量が不明な場合の存続期間は、取水量の計測期間と同

期間とする。その後、新たに計測した場合は、次回の登録申請の際、その

計測した期間と合算できる。

(20)

8.九州における設置事例①

りょうちく えがわ

両筑江川発電所(福岡県朝倉市)

事業者:福岡県

根拠法令等

河川法施行令第14条の2

(利水放流・常時満水位

保持)

(21)

8.九州における設置事例②

ひ た し お が せ い ろ

日田市小ヶ瀬井路小水力発電所(大分県日田市)

事業者:日田市

根拠法令等

河川法第23条の2

(かんがい用水:慣行)

(22)

8.九州における設置事例③

き ば る い ろ

城原井路発電所(大分県竹田市)

事業者:城原井路土地改良区

根拠法令等

河川法第23条の2

(かんがい用水)

(23)

小水力発電に関する問合せ先(九州)

九州の一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 九州地方整備局 河川部 水政課 092-471-6331 福岡県 佐賀県 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 筑後川水系、矢部川水系 筑後川水系、嘉瀬川水系 九州地方整備局 筑後川河川事務所 占用調整課 0942-33-9131 九州地方整備局 筑後川河川事務所 占用調整課 0942-33-9131 遠賀川水系 松浦川水系、六角川水系 九州地方整備局 遠賀川河川事務所 占用調整課 0949-22-1830 九州地方整備局 武雄河川事務所 管理課 0954-23-5151 山国川水系 一級水系(一級河川指定区間)、二級水系のお問い合わせ先 九州地方整備局 山国川河川事務所 管理課 0979-24-0571 佐賀県 県土づくり本部 河川砂防課 0952-25-7161 一級水系(一級河川指定区間)、二級水系のお問い合わせ先 福岡県 県土整備部 河川課 092-643-3667 長崎県 熊本県 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 本明川水系 筑後川水系 九州地方整備局 長崎河川国道事務所 河川管理課 095-839-9211 九州地方整備局 筑後川河川事務所 占用調整課 0942-33-9131 一級水系(一級河川指定区間)、二級水系のお問い合わせ先 菊池川水系 長崎県 土木部 河川課 095-822-0397 九州地方整備局 菊池川河川事務所 管理課 0968-44-2171 白川水系 大分県 九州地方整備局 熊本河川国道事務所 河川管理課 096-382-1111 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 九州地方整備局 立野ダム工事事務所 調査設計課 096-385-0707 筑後川水系 緑川水系 九州地方整備局 筑後川河川事務所 占用調整課 0942-33-9131 九州地方整備局 熊本河川国道事務所 河川管理課 096-382-1111 九州地方整備局 筑後川ダム統合管理事務所 管理課 0942-39-6651 九州地方整備局 緑川ダム管理所 0964-48-0216 山国川水系 球磨川水系 九州地方整備局 山国川河川事務所 管理課 0979-24-0571 九州地方整備局 八代河川国道事務所 河川管理課 0965-32-4135 大分川水系 九州地方整備局 川辺川ダム砂防事務所 総務課 0966-23-3174 九州地方整備局 大分河川国道事務所 河川管理課 097-544-4167 一級水系(一級河川指定区間)のお問い合わせ先 九州地方整備局 大分川ダム工事事務所 調査設計課 097-538-3391 熊本県 土木部 河川港湾局 河川課 096-333-2508 大野川水系 熊本市 都市建設局 河川公園課 096-328-2523 九州地方整備局 大分河川国道事務所 河川管理課 097-544-4167 (一級河川緑川水系加勢川・鶯川・健軍川・藻器堀川・保田窪放水路の 番匠川水系 指定区間で、熊本市域に存する区間に限る) 九州地方整備局 佐伯河川国道事務所 河川管理課 0972-22-1880 二級水系のお問い合わせ先 一級水系(一級河川指定区間)、二級水系のお問い合わせ先 熊本県 土木部 河川港湾局 河川課 096-333-2508 大分県 土木建築部 河川課 097-506-4593 熊本市 都市建設局 河川公園課 096-328-2523 (二級河川坪井川水系万石川・兎谷川・麹川で、熊本市域に存する区間に限る) 宮崎県 鹿児島県 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 一級水系(一級河川大臣管理区間)のお問い合わせ先 五ヶ瀬川水系 川内川水系 九州地方整備局 延岡河川国道事務所 河川管理課 0982-31-1155 九州地方整備局 川内川河川事務所 管理課 0996-22-3271 川内川水系 九州地方整備局 鶴田ダム管理所 0996-59-2030 九州地方整備局 川内川河川事務所 管理課 0996-22-3271 肝属川水系 小丸川水系、大淀川水系 九州地方整備局 大隅河川国道事務所 河川管理課 0994-65-2541 九州地方整備局 宮崎河川国道事務所 占用調整課 0985-24-8221 一級水系(一級河川指定区間)、二級水系のお問い合わせ先

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