亜健康の考えと中医学で未病を治す思想との混合概念
黒竜江中医薬大学 孫岸弢 程偉(指導) はじめに 世界保健機関(WHO)はその《憲章》の中で、健康というのは疾病と虚弱が ないだけではなく身体と心理が社会に完全に適応する状態になることだと定義 している。このことは人々の健康意識が変わったことを示し、肉体的な健康、 精神的な健康、社会にとって良好な適応能力、またその後に追加された道徳的 な健康と生殖的な健康を備えることが真の健康だと提唱した。 1、亜健康医学の新しい考えの起源 20 世紀以降、高度な技術の発展と商品経済の刺激に従って人類の生産方式や ライフスタイルも巨大な変化をし、また社会の競争、複雑な人間関係に加え、 ストレス、文明病、心疾患、脳疾患と腫瘍などの発症率に更なる増多傾向が見 られた。WHO は健康の新概念と基準を提出した後、続いて《国際疾病の分類基 準》を改定し、WHO 新法案を提出し、特に健康と疾病の間に健康でもなく疾病 でもない“第3状態”、 つまり亜健康状態があることを指摘した。 この“亜健康”という観点は最初、20 世紀 80 年代に旧ソ連の学者 Berkman に提出された。当時、彼はこれを“第3状態”と呼び、厳密で科学的な研究方 案の指導の下で統計推理を行った後、健康(第1状態)と疾病(第2状態)の 間に非健康非疾病の状態がありそれを第3状態、次健康、中間状態、或いは灰 色状態という、とした。医学者らは実際には亜健康状態になっている人間が健 康と疾病の中間に過渡段階に存在し、明確な疾病の診断はないが、“一増三減” (疲労の増加、活力、適応性と反応能力の減退)の現象を早めに現し、更に六 高一低(精神と体力の高荷重、高血圧、高脂血症、血液の高粘度、高血糖、高 体重と免疫力の低下)へ進む傾向があると考える。患者の主訴の症状は様々で しかも固定ではないので“第3状態”また“不定主訴症候群”と呼ばれる。 実は人体では健康から疾病までの間は量の変化から質の変化までの動態的な 変化過程である。亜健康状態はこの過程の中の1つで特殊な段階である。この 時期に、安定しないために適切な治療を受ければ健康状態に戻れるが、適当な 治療をしないと、各種疾患に発展して行く。 この状態は《国際疾病分類基準》において“健康に関する問題”の1章に単 独で挙げられたが、中国の学者王育学が最初に“亜健康”(Sub-health)という 概念を使用した。系統的な検査を受けても病気が見つからないが、患者が確か に肉体的、精神的に色々な症状を感じる状態を亜健康という。 次回に続く 中医薬信息Vol.21,No.3,2004,P1~2 による糖尿病の臨床処方に対する新たな提案
邯鄲医学専門学校胕属中医院 趙蘭梅 陳兆修 石炭工業邯鄲設計研究院衛生所 胡慧娟 1、三消理論による処方:この考えは糖尿病の三大症状を上、中、下の3つ の部位に分けて弁証論治を行う。(1)上消―喉が渇いて水を多く飲む。治療は 清熱潤肺を施す。処方:①消渇方《丹渓心法》②麦門冬飲《宣明論》(上消の口 渇多飲、心煩、短気を主治する)。③白虎加人参湯《傷寒論》。④玉泉丸《仁 直 指》(2)中消―消穀善飢(消化が速くお腹が空きやすい)。治療は清胃瀉火を 施す。処方:①白虎湯;②白虎加人参湯;③調胃承気湯(腸胃結燥の中消に); ④地黄八物湯《医学心悟》(清胃滋腎)。(3)下消―喉が渇き、小便が頻繁でク リーム様。治療は滋陰補腎を施す。処方:①六味地黄丸;②六味地黄丸と生脈 散;③知柏地黄丸(陰虚火旺に);陽虚の場合は金匱地黄丸で陰陽両虚の場合は 六味地黄丸と五子衍宋丸を用いる。 2、臓腑弁証によって生薬を選ぶ:(1)脾から論治:①健脾補気:黄耆・茯 苓・人参・太子参・西洋参などを使う;②健脾益陰:黄精・石斛・山薬などを 用いる;③健脾化湿:蒼朮・白朮・薏苡仁と沢瀉など。(2)肝から論治:①疏 肝解欝:柴胡・薄荷・郁金など;②養陰柔肝:白芍・枸杞子・女貞子・旱蓮草 と甘草;③鎮肝潜陽:珍珠母・亀板などを用いる。(3)肺から論治:①清熱潤 肺:天門冬・麦門冬・黄芩・桑白皮・地骨皮;②清肺解毒:金銀花・連翹・魚 腥草・蝉脱などを用いる。(4)胃から論治:①清胃瀉火、養陰生津:石膏・知 母・黄連・石斛・天花粉;②通便瀉熱、生津:大黄・枳実・厚朴と玄参。(5) 腎から論治:滋陰補腎:熟地黄・山茱萸・女貞子・枸杞子・亀板;滋陰温陽: 製附子・肉桂・菟糸子・巴戟天・鹿角膠と補骨脂を処方する。 3、病因弁証により生薬を選ぶ:(1)虚による消渇:①気虚:黄耆・五味子・ 山薬・西洋参・太子参;②陰虚:西洋参・麦門冬・天門冬・玉竹・黄精・石 ・ 地黄と亀板;③陽虚:附子・肉桂・山茱萸を使う。(2)瘀血による消渇:①渇 血:当帰・丹参・赤芍・桃仁・川芎と紅花;②活血通絡:穿山甲・地竜と王不 留行;(3)痰湿の消渇:蒼朮・白朮・薏苡仁・沢瀉と猪苓を用いる。 4、古方・経験方をまとめ:(1)文献の統計による使用率の最高薬:人参・ 葛根・玄参・地黄・栝楼・沢瀉・麦門冬と黄連;(2)王氏が古方を統計した使 用率の順番:甘草・天花粉・黄連・麦門冬・知母・人参・地黄・茯苓・葛根・ 黄耆・烏梅・栝楼・牡蛎・石膏など;筆者らは近代 100 あまりの処方を調べ、 使用頻度の高い順番:人参・天花粉・甘草・地黄・知母・五味子・葛根・熟地 黄・山薬・石膏・当帰・沢瀉・烏梅・山茱萸・鶏内金と玄参であった。 中医薬信息清熱利湿湯による下肢深部静脈炎に対する治療効果
ハルビン市中医医院 尹麗書 王春明 はじめに 下肢深部静脈炎はよく見かける周囲性血管疾病である。筆者は生薬で59 例を 治療したのでそのまとめを報告する。 対象 91 例を対象にした。中国中西医結合学会による診断基準に基づき、患者の下 肢のカラードプラー超音波及び血管造影で診断。彼らを生薬群と対照群に分け た。生薬群は59 例で男性が 37 例、女性が 12 例で年齢が 37~85 歳であり、罹 病期間が 2~31 年間であった。合併症について下肢静脈瘤が 40 例、皮膚炎が 25 例、色素沈着が 34 例、皮下硬結が 17 例であった。対照群は 32 例で男性が 23 例、女性が 9 例で年齢が 35~80 歳であり、罹病期間が 1.8~24 年間であっ た。合併症について下肢静脈瘤が21 例、皮膚炎が 13 例、色素沈着が 14 例、皮 下硬結が9 例であった。2 群の間に年齢、罹病期間などの有意差はなかった。 治療方法 1、生薬群の治療:清熱利湿湯(黄柏20g、牛漆 10g、三棱 10g、金銀花 30g、 大黄5g など)を 240cc 煎じ、朝晩に分けて服用させた。2.対照群の治療:脈栓 通 1.2g を 300cc の 5%ブドウ糖液に入れ、1 日 1 回点滴した。同時にペニシリ ン800 単位を 300cc の 0.9%生理食塩水に入れ、1 日 1 回点滴した。以上の治療 は2 群とも 21 日間行われた。 結果 1、評価基準:治癒:下肢の浮腫が消失し、周径の差(健側との差)<2cm;1000m 歩いた後、明らかな腫脹と痛みがなく、皮下の硬結、色素沈着が消失した。著 効:下肢の浮腫が明らかに軽くなり周径差が<2cm;1000m 歩いた後、症状が 明らかに改善された。有効:浮腫が軽くなり、周径差が減少し、500m 歩いた後、 症状が軽くなった。無効:治療前後、症状、所見の変化がない、或いは悪化し た。 2.結果:表1に参考する。表
1 下肢深部静脈炎の治療効果(例)
群別 n 治癒 著効 有効 無効 生薬群 59 4 41 12 2 対照群 32 1 13 10 8 Ridit 分析により P<0.05中医薬信息Vol.21,No.1,2004,P28 による
小児推拿による夜啼治療の効果
ハルビン市中医医院 王玉蘭 孫洪恩 盧天蛟 はじめに 夜啼とは小児が昼間は正常であるが、夜になると泣いて不眠が見られ、泣い たり泣き止んだりするが、酷い時は一晩中泣いて眠れない、或いは毎晩定時に なると泣いたり、或いは泣いた後寝る、という病気を指す。多くは 6 ケ月以下 の小児で発症する。我々はこの病気を推拿で治療したのでその結果を報告する。 対象 31 を対象にした。その中で、1~2 ケ月の子が 19 例で、3~6 ケ月の子が 12 例であった。罹病期間について発症10 日間の子が 12 例、1 ケ月間の子が 15 例、 2 ケ月以上の子が 4 例であった。 治療方法 弁証による推拿治療を行った。 1、臓寒脾冷型:夜になると泣く、顔色が青白、鼻唇の周りが青い、手足と 臍辺りが不温、腹痛、食欲がなくて緑の粘液便などの症状が見られる。病機: 脾寒凝滞、気機不通;治則:温中健脾;処方:分陽 2 分、推補脾土 5 分、揉乙 窩風穴 4 分、揉外労宮穴 4 分、推清大腸 3 分。また、神厥、天枢に三棱鍼で刺 鍼の後、微量な血を出す。同時に逆運内八卦穴 2 分、推四横紋穴 4 分、揉小天 心3 分、推補腎水穴 5 分。 2、心経積熱型:顔色と唇が赤くてイライラし手足が熱い、便秘、夜になる と仰向きで泣き、親が抱くとさらに酷く泣く、高い声で泣く。病機:邪熱乗心; 治則:清心導赤;処方:分陰1 分、推補腎水 5 分、推清天河水 0.5~1 分、推清 板門穴5 分、同時に揉小天心穴 3 分、推四横紋穴 4 分、推清肺金 3~5 分、推退 下六腑穴3~5 分。 3、驚恐神怯型:神気虚怯、驚きやすくて顔色が青暗く艶がない、睡眠中、 驚惕不安で抱かれると安静になる。病機:心気怯弱、心神不寧;治則:鎮静安 神;処方:揉小天心5 分、推補腎水 7~10 分、推清天河水 1 分、同時に分陰陽 1 分と揉二人馬穴 3 分を配合する。 結果 1 回治療での治癒者が 5 例で、2 回治療での治癒者が 10 例で、3 回での治癒 者が16 例であった。 鍼灸臨床雑誌Vol.17,No.6,2001,P16~17 による小鍼刀、遮断療法と推拿の併用による
腰3横突起症候群の治療効果
山東省莒南県中医医院 庄緒軍 劉希元 はじめに 第3腰椎横突起症候群は第 3 腰椎の横突起が他の 4 つのそれより長くて横突 起に付着している靭帯・筋肉が損傷しやすく、そして軟組織の充血、水腫、瘢 痕、粘着の刺激、或は周囲の神経を圧迫した為に起きた疾病である。筆者は針 刀の上に遮断療法、推拿と併用して本病を治療・研究した結果を報告する。 対象 150 例を対象にした。彼らを無作為に治療群と対照群に分けた。治療群(n=90) は男性が 39 例、女性が 51 例で平均年齢が 38 歳で、罹病期間が 2 ケ月間~10 年間であった。対照群(n=60)は男性が 32 例、女性が 28 例で平均年齢が 39 歳で 罹病期間が1 ケ月間~8 年間であった。診断基準:①青壮年労働者でギックリ腰、 腰筋肉疲労の病歴②腰痛と大腿に沿って膝上までの放射痛、運動制限が見られ るが咳やくしゃみでは増悪しない。③所見:局部に結節、索状物が触れる。④ X線では一部患者で第3 腰椎横突起が長い或いは左右対称でないのが見られる。 治療方法 1、治療群:a 鍼刀治療:患者が腹臥位になり、医者が母指で第 3 腰椎横突起 の尖端を探して印をつける。手術のように厳密な消毒をした後、鍼を刺鍼し横 突起尖端の骨を探した後、刀鍼を患者の脊柱従軸と平行に鍼を沿って皮膚と垂 直に刺入し横突起に達したら助手が鍼を抜き、術者が刀鍼で横方向の剥離を行 い、骨筋肉の間に緩い感があったら鍼刀を抜く。b遮断療法:リドカイン 4cc と確炎舒鬆A10mg を混合し、鍼刀のルートに沿って刺入し横突起の骨面に達し たら少々退鍼し、鍼筒を回して出血がなければ注射をする。その後、絆創膏で 傷口を覆う。c推拿手法:側位斜扳法の後、患者が壁にもたれ、腰を前に回さ すと痛くなる場合、両手で患者の腹部と背部をそれぞれ押し、一回弾圧する。 その後、患者を掴まえて直立させ後へ伸展させると痛くなる場合、一回伸展運 動をさせる。以上の治療が1回を1クールとし、1週間後、次のクールをする。 2、対照群:遮断療法と手法を行い、1 日 1 回で 10 回を 1 クールとし、1 クー ルの後、4 日休ませた。 結果 2 群とも 2 クールの治療を受けた。結果としては、対照群の治癒率の 72%に 対し、治療群が91%であったことが見られた(χ2=8.16 P<0.01)。 鍼灸臨床雑誌Vol.20,No.9,2004,P26~27 による運動刺法による
55 例肩関節周囲炎の治療効果
市中医医院鍼推科 阿地里江 王莉莉 はじめに 肩関節周囲炎は肩関節及び周囲の組織が退行的な病変により起した局部の筋 肉、腱、滑液包、関節包などの広い範囲の慢性炎症である。主な特徴は肩部の 疼痛と運動制限である。筆者が経絡による運動刺法を用い、本病を治療したの でその結果を報告する。 対象 55 例は男性が 21 例、女性が 34 例で、年齢が 39~56 歳であり、罹病期間が 半月間~6 ケ月間であった。彼らを無作為に 32 例の治療群と 23 例の対照群に 分けた。患者はすべて、片方で発症しレントゲンで骨の異常がなかった。 治療方法 1、治療群の治療法:主穴:肩髃、肩髎、肩貞、肩前、阿是穴。配穴:手の 太陽経証では後渓を、手の陽明経証では合谷を、手の少陽経証では外関を、外 邪内犯では合谷、風池を、気滞血瘀では内関、膈兪を、気血虚弱では足の三里、 気海を加えた。刺法:患者が側臥位で患肢を上にする。消毒の後、直径0.38mm、 長さ40mmの豪鍼で 1~1.2 寸直刺し、得気の後、焼山火補法を 3 分間行い、そ の後、鍼を皮下まで抜いて患者に肩の運動を 3 分間させる。前述のように鍼刺 手法と患部の運動を繰り返し 3 回行った。治療は 1 日 1 回であった。2、対照 群の治療法:治療群と同じように鍼刺の後、30 分間の留鍼をした。以上、2 群 とも半月間治療を続けた。 結果 1、評価基準:治癒:肩の痛みが消失し、運動も正常、或いはほぼ正常とな った。伸展が80 度、上挙が 160 度、屈肘内旋がT9まできる。著効:肩の痛み がほぼ消失し、伸展が70 度、上挙が 140 度、屈肘内旋がT12まできる。有効: 痛みが軽くなり、運動範囲が大きくなった。無効:症状と所見の変化がない。 2.結果:表1 で示している。 表1肩関節周囲炎の治療効果 群別 n 治癒(例数・%) 著効(例数) 有効(例数) 無効(例数) 治療群 32 27(83) 3 2 1 対照群 23 8(38) 4 5 5 P<0.05 鍼灸臨床雑誌 Vol.20,No.10,2004,P32 による穴位注射療法について
四川省南充市第2 中医院 羅家山 はじめに 最近、穴位注射療法が中国の鍼灸臨床で広がり、操作が簡単で効果が速いた めに今までの補助療法から普通な治療方法として皆に愛用されて来た。しかし、 臨床ではこの療法を運用する時、問題があるのでいくつの面から検討する。 一.穴位注射療法命名の由来と概念:従来、穴位注射療法は水鍼といって薬 液や生理食塩水をつぼに注射することであったが、臨床での長年の運用により 薬液の種類が増したため、水鍼での本法の特徴の反映ができなくなった。穴位 注射は穴位に薬液を注射する特徴を表す為、中西医結合も意味する。1997 年 8 月中国穴位注射理論と臨床研究会で穴位注射療法は中医弁証施治理論により少 量の生薬、或いは西薬をツボに注入し、疾病を治す方法だと定義をつけた。 二、穴位注射の治療原則:本法は必ず正しい弁証の後、治療方案と処方を決 める。鍼刺と薬液がつぼを刺激するので効果が高い。この為、つぼの選択は鍼 治療より精密で、一般に2~4 個を選び筋肉の豊富なツボを取り、阿是穴を使う のもよい。また切診により、結節や索状物などの陽性点も選ぶ。 三.注射液の用法:臨床では穴位注射用の薬液は生薬注射液、西薬注射液で また特殊の自家血注射と蜂毒注射などもある。薬液の種類は一種や二種以上を 混合したもので、或いは交互に使用する時もある。薬の選択は中医弁証論治に 従い、薬物の効能をよく理解しないと、薬の配合により副作用が出る可能性が ある。注射量は薬物の説明書に書いた通りにし、過量しないようにする。一般 的に1 つのツボに頭部 0.3~0.5cc、耳穴で 0.1cc、四肢で 1~2cc、胸腰部で 0.5 ~1cc、臀部で 2~5cc を注射してよい。 四.注意事項:一般的に取穴と進鍼の角度が正しく深さも適当なら得気がで きるので手法を強調し周りの神経、血管と腱を損傷しないようにする。注射の 時、厳密な消毒の他に解剖の位置を確認し、大神経、血管を避けてつぼに刺入 した後、鍼筒を回して出血のないことを確認して緩慢に薬液を注射する。 五.注射部位の痛みを解消する方法:まず痛みの出やすい部位は薬液を少量 にする、また注射した痛い部位にお灸、赤外線で10 分間照射し、重い時は鎮痛 剤の使用も可能である。 鍼灸臨床雑誌Vol.20,No.9,2004,P3~4 による三鍼水玉法による帯状疱疹の治療効果
黒龍江省鶏西市中医院 金樹武 王苹 はじめに 我々は1997 年 8 月~2002 年 8 月 3 月、鍼と水玉治療を用い、肝経鬱熱型帯 状疱疹の患者を100 例治療したのでその結果を報告する。 対象 1.診断基準:国家中医管理局1994 年 6 月に制定された《中医病証効果基準》 に従い肝経鬱熱型の帯状疱疹の患者を選んだ。西洋医学の診断は現代皮膚病の 診断基準を参照した。 2、100 例を対象にし、彼らを 54 例の治療群と 46 例の対照群に分けた。治 療群は男性が 31 例、女性が 23 例で年齢が 18~27 歳であり、罹病期間が平均 5.2 日間であった。対照群には男性が 27 例、女性が 19 例で年齢が 20~68 歳で あり、罹病期間が平均4.6 日間であった。2 群の皮損は胴体を主とし、頭部、四 肢部がその次であった。 治療方法 1.治療群:患者が横になるか、或いは座位で疱疹の頭と尾の両端及び中間 部に 3 つの阿是穴を選び、消毒後、三棱鍼を用いて疾刺法で素早く点刺・放血 をし、その後、点刺した所にすぐに水玉を抜罐する。また他の疱疹部に抜罐し てもよい。留罐を10~20 分してから水玉を取り、消毒綿で液体を清浄し、再び 元の部位に10 分間抜罐する。進鍼は垂直且つ速やかに行い、進鍼から抜くまで 約 0.2 秒で完成すべきである。抜罐の力が強くなければもう 1 回やり直す。治 療は毎日 1 回で他の薬物は停止した。2.対照群:毎日1回シメチジンを 0.4g 点滴、ビタミンB1100mg・ビタミン B120.5mg 筋肉注射を行った。 治療効果 2 群の治療効果と症状改善の必要時間を表1に示している。一方、対照群に神 経痛の後遺症を残した患者が 7 人居たのに対し、治療群には 1 例も無かったこ とが観察された。 表1.帯状疱疹の治療効果 群別 n 治癒 有効 無効 止疱(d)結痂(d) 止痛(d) 治療群 54 50 4 0 1.72±0.65 3.96±1.63 1.58±0.45 ** 対照群46 36 3 7 4.88±1.64 7.92±2.32 9.32±1.87 **P<0.01 鍼灸臨床雑誌Vol.20,No.9,2004,P21 による生薬の副作用の原因と予防について 武警医学大学付属医院中医科 張果忠 熊桀 天津中医大学生薬部 張徳琴 はじめに 中国には生薬の歴史が何千年とあり、従来、生薬の薬性は穏やかで大きな副 作用がないと思われたが、WHOは生薬の安全性は高いが、その潜在的な有害 性を重視しなければいけないと考えている。最近、生薬の副作用についての報 告が増えたのでここでまとめて報告する。一、不良反応の原因 a 用量過大:各 味の生薬には一般な用量があるが、それは長期の臨床実践でまとめた経験であ る。量が足りないと効果が出ないが、過量になると不良反応を産生する。一般 的に副作用は薬量と正の相関がある。威霊仙を過量に煎じ飲むと低血容量のシ ョックを起す;黄耆を過量に内服すれば肢体の激痛を招く。木通の普通用量は3 ~9g だが、大量に使うと腎臓の尿細管を損傷し上皮細胞の壊死を起す;杏仁を 一日 30g 以上服用すると、頭痛、めまい、嘔吐、腹痛を起し、重い時は呼吸困 難、呼吸麻痺による死亡を招く;麻黄を 30g 服用する時、動悸、頭痛、冷や汗 や言語困難が見られる;細辛を過量に服用すると心不全を起す;桃仁を過量に 服用すると、頭痛、めまい、動悸を起し、酷い時は呼吸不全を来たすなどが報 告されている。b.炮制が適当ではない:炮制不当や生の薬を炮製した薬の代 わりに用いると、効果に影響するだけではなく不良反応も起す。例えば川烏の 中ではアコニチンは毒性が強く、0.2mg を飲むとめまい、動悸を起し、3~4mg だと不整脈、血圧低下、さらに心臓停止を招く。炮制時は一般に水で4~6 時間 煎じ或いは6~8 時間蒸す、時間を短縮すると中毒反応を起す;呉茱萸は小毒が あり、それを10kg 炮制する時、甘草 625g を 2 回煎じて 4~5kg の汁を取り、 熱い内に呉茱萸を液体に入れ、混ぜてから少々蒸らし、薬液を全部吸い込んで から乾燥させ、毒性を取る、そうしないと毒を取る作用に影響する;生の乳香 と没薬を制乳香と没薬の代わりにすれば嘔吐や胸腹痛を起す;リウマチの患者 が草烏散(炮製してない草烏を2g 含む)を服用した後、肢体の痺れ、呼吸急促、 四肢厥冷がみられた。長期的に代赭石を服用すると、肝、腎機能の障害が見ら れる。c.服用の時間が長すぎる:薬は偏性があり、薬毒が気味の偏りである のですべての生薬を過多に服用すると不良効果が見られる。細辛、皀莢、肉桂 を長く服用してはいけない。子供は人参などの補う生薬を飲みすぎると、性早 熟が見られるという報告は少なくない。番瀉葉を長期に服用すれば依存性を残 す;日本の学者は防已、黄耆、蒼朮、棗、甘草と生姜で組成されたダイエット の中成薬を長期的に飲んだ女性に Fanconi 症候群が見られ、薬を止めて症状が なくなり、再び服用するとまた副作用が見られたと報告している。次回に続く 中医薬信息 Vol.19,No.3,2002,P22~23 による