目
次
• 第2章 スペクトル解析
– フーリエ展開と
フーリエ変換
演習
• スペクトル解析とはどのようなものかを、わかりやすく簡潔
に説明せよ。
• ポイント
• 物理的には、ある時系列の現象が、どの周波数成分をど
の程度の大きさを含んでいるかということを表すのがスペ
クトル解析である。
• ある時系列の現象の変動がどのような周波数成分を含ん
でいるかを調べること
– 具体的には、周波数別に振幅、もしくは、パワー(振幅
の
2乗に比例)を表した図など
– 通常、横軸(縦軸)に周波数を取り、縦軸(横軸)に振幅や
パワーなどを取る
授業の流れ
• 前回では、スペクトル解析(周波数解析などとも言う)の基本的な手 法であるフーリエ級数展開の方法を学んだ。 • フーリエ級数展開とは、N次元の任意のベクトルを直交基底ベクトル で近似する方法を、関数を無限次元ベクトルとみなした場合に応用 したものとして考えられる。 • 今回は、それを発展させたフーリエ変換を説明する。フーリエ級数展開
• ベクトルと同様に、単位直交関数列を利用して関数を展開する(近似 する)。 • この単位直交関数列を使って、関数 を展開した時、 • 右辺を関数 のFourier(フーリエ)級数といった。 • 因みに , sinは奇関数, cosは隅関数である。1
1
1
,
cos
,
sin
(
1)
2
n x
n x
n
a
a
a
a
a
0 11
( )
(
cos
sin
)
2
n n nn x
n x
f x
a
a
a
a
( )
f x
( )
f x
フーリエ級数の複素表示
• オイラーの関係式を用いて、 • 三角関数から指数関数表示に変更すると,cos
sin
ie
θ
i
θ
i
2
1
/ / 0( )
(
in x a in x a)
n n nf x
A e
B e
/1
1
(
)
( )
2
2
a in x a n n n aA
i
f x e
dx
a
a
/1
1
(
)
( )
2
2
a in x a n n n aB
i
f x e
dx
a
a
1
i
クイズ複素フーリエ表示
• あるいは、n=-∞から∞とし、右辺をまとめて表示すると、 • この表示を複素フーリエ表示という. /( )
in x a n nf x
C e
/1
( )
2
a in x a n aC
f x e
dx
a
フーリエ級数展開からフーリエ変換へ
• フーリエ級数展開を拡張する. • 区間(-a
,a
)は有限な任意の大きさであるがa
→∞とした時の表 現を考える。 • 今、k
n=nπ/a
とおく(k
nは波数と呼ばれる量) • すると、その間隔Δk
は、Δk
=k
n+1‐k
n=π/a
で /1
( )
2
2
n ik x in x a n n n nk
f x
C e
C e
a
△
( )
n a ik x n aC
f x e
dx
フーリエ変換への移行
• a→∞の時、Δk→0 となるので、 • と考えてよい. • よって、 として • が得られる.( )
nk
C
C k dk
△
,
nk
k
△
k
dk
1
( )
( )
2
( )
( )
ikx ikxf x
C k e dk
C k
f x e
dx
ディラックの
δ関数
• 前の式の積分変数の表記を変えてもよいので、
• すると、
• これと、
を比較すると、
•
のように見える。
• 事実、これはδ関数の定義の一つである。
12 ( ) ( )1
1
( )
( )
( )
2
2
1
( )
2
ikt ikx ik x t ik x tf x
f t e
dt e dk
f t e
dtdk
f t
e
dk dt
1
( )
( )
,
( )
( )
2
ikx iktf x
C k e dk
C k
f t e
dt
( )
( ) (
)
f x
f t
x t dt
( )1
(
)
2
ik x te
dk
x t
数係数2
πの任意性
• フーリエ変換,またはその逆変換の間には見て判るように2π が入っている.この2πをどこにつけるかにより,見掛けが変わ るが、本質的な差はない. • 本授業では, のフーリエ変換を • その逆変換を • と書くようにする.1
( )
( )
2
ikxF k
f x e
dx
( )
( )
ikxf x
F k e dk
( )
f x
余弦変換と正弦変換
• 関数 が偶関数の時、すなわち、 であれば、 • となることは容易にわかる。この時、 も偶関数で、 • となる。 • 関数 が奇関数なら、同様に以下の形にかける。( )
f x
f x
( )
f
(
x
)
0( )
( )
ikx2
( ) cos
f x
F k e dk
F k
kxdk
01
1
( )
( )
( )(cos
sin )
2
2
1
( ) cos
ikxF k
f x e
dx
f x
kx i
kx dx
f x
kxdx
( )
F k
( )
f x
01
( )
( )sin
F k
f x
kxdx
0( )
( )
ikx2
( )sin
f x
F k e dk
F k
kxdk
虚数はF(k)に入れているフーリエ変換とスペクトル
• 例えば、プリズムによる光のスペクトル分解の様に、計測値や不 規則信号をフーリエ変換によって、周波数とその成分波の強さ、 エネルギーに分解されたものをスペクトル(あるいはエネルギー スペクトル)と言う。 光のスペクトル (7色) どちらが青? どちらが赤? (硝子、もしくは、水晶) 常識問題パワースペクトル密度関数
• 周波数 の波のエネルギーはその振幅 の2乗で表される • 周波数 の信号成分の単位時間当たりのエネルギー(=パワー) は,一般に の関数である。 • これをパワースペクトル密度関数と呼び,次の様に定義する。 • この時、T
は測定時間で、理想的には十分長い間測定すること を で表現している • 定常状態に近い現象を暗に仮定。 2 *1
1
( ) lim
( )
lim
( )
( )
T TP f
X f
X f X
f
T
T
lim
T( )
X f
f
f
f
平均パワーとパワースペクトル密度関数
• 不規則変動である信号x(t)の平均パワー は、 • であり、これはあらゆる周波数成分のパワーを含んでいる • よって,周波数 の間の成分波のエネルギー の 総和であるから、 2x
2 2 2 21
lim
( )
T T Tx
x t dt
T
P
f
df
x
2(
)
f
~
f
df
P f df
( )
ディジタルフーリエ変換を使用したデータ処理の例
• 右の図は、実験装置と計測装置を示したも のである. • 実験装置は、立体磁気軸のヘリオトロンJ で図1ではピンク色がプラズマ,赤の装置は ヘリカルコイルで青と緑がトロイダルコイル である. • 図2の高速カメラ(上)でプラズマに近づけ たリミター(下)を撮影 • また,水平ポートからも低速カメラでモニター している fast camera (40500fps, max.) half mirror Heliotron J plasma cannonball-shape limiter Langmuir probes second camera (500fps, max.) <R>=1.2m to spectroscopy (movable) 図1 ヘリオトロンJプラズマの鳥瞰図 図2 計測装置概要実験結果の一例
• 下図は、高速カメラによるヘリオトロンJプラズマの計測の結果の一例です. (Journal of Plasma and Fusion Research 80 (2004) pp179-180)
• 左が原映像(白黒64x64画素)
• 右が時間についてフーリエ変換(実際は,FFT)をかけ、最も強い周波数成分 (5.7kHz程度)を取り出したもの
• これにより、コヒーレントな振動が確認されている.