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News Letter Vol. 8 No. 3

2007 年 3 月

PDBj は大阪大学蛋白質研究所が(独)科学技術振興

機構の支援によって運営しています。

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第 3 回国際蛋白質構造データバンク(wwPDB)諮問委員会

 2006 年 10 月 27 日に、東京において、wwPDB の第 3 回諮問者委員会(wwPDB Advisory Committee meeting)が開催されました。Structural GenomiX 社の Dr. Stephen K. Burley が議長となり、そ

の 他 に 下 記 の 方 々 が 参 加 し ま し た。 (1) PDB 各 サ イ ト の 代 表 諮 問 者: Prof. Brian Matthews

(RCSB)、Prof. Neil Isaacs(MSD)、Prof. Robert Kaptein (MSD)、若 槻 壮 市 教 授(PDBj、 フ ォ

トンファクトリー)、由良 敬 研究副主幹(PDBj、 原研量子生命)、甲斐荘 正恒 教授 (BMRB、

名古屋大学大学院)、阿久津 秀雄 教授(BMRB、大阪大学蛋白質研究所)(2) 国際学会の代表者:

Prof. Edward N. Baker(IUCr, オークランド大学)、Dr. R. Andrew Byrd(ICMRBS, 米国立癌研究

所),Prof. Jose-Maria Carazo (Macromolecular EM, CNB) (3) PDB 各 サ イ ト の リ ー ダ ー:Prof.

Helen M. Berman(RCSB、 ラ ト ガ ー ス 大 学)、Dr. Kim Henrick (MSD、EBI)、中 村 春 木 教 授

(PDBj、大阪大学蛋白質研究所)、Prof. John L. Markley (BMRB、ウィスコンシン大学 ) (4) 運営

開発基金の配分機関代表者:小池俊行 氏 (JST) 。

 始めに、PDBj のリーダーである中村春木教授から第 3 回 wwPDB 諮問委員会への参加を歓迎する 挨拶があり、この諮問委員会の以下の役割が確認されました。すなわち、PDB は公共物であり、信 頼性の高い、実験による構造生物学データの世界で唯一の共通のアーカイブとして、永久に誰でも フリーに利用できるものとして維持されることを支援することです。

 続いて、Prof. Helen M. Berman より wwPDB の活動についての全体的な紹介がなされました。主 な内容は、継続的に増加する登録件数、wwPDB の Web サイトの更新、wwPDB としての出版や口頭発表、 タイムスタンプされたデータ、wwPDB メンバー間の交流、アノテーション用の資料の作成、データ 修正、BMRB (BioMagResBank) の wwPDB への加盟などです。

 引き続き Prof. John L. Markley から BMRB が 2006 年に wwPDB に加盟し、生体分子の核磁気共鳴 (NMR)データの国際的なアーカイブとして運営を行う件について、詳細な紹介がありました。生体 分子構造に関連する NMR データについては、PDB のエントリーに関連付けがなされます。また、 PDBj では既に BMRB のミラーサイトとして、BMRB データの登録も行っています。さらに、PDB と BMRB とが協力して、登録される座標データについては、NMR による構造についての「one-stop 登録 システム」を構築して、NMR データを取得し登録する作業を進めています。  理論モデルに対する新しい方策については、中村春木教授から報告がなされました。2005 年 11 月に開催されたワークショップに於いて、分子モデラー、構造ゲノム科学者、電子顕微鏡研究者が 討論を行い、以下の勧告を出しています(Structure (2006) 14, 1211-1217 にて出版):PDB への 登録は、本質的に、生体高分子を含む試料に対する実験による観測によって決定された原子座標に 限定されるべきである。これに対し wwPDB は、次のようなスケジュールで、この勧告を実現してい きました。2006 年 8 月 15 日付で、60 日の猶予期間付きで、この方策を発表いたしました。2006 年 8 月 15 日から 10 月 15 日の間は、移行期間として、この期間中に登録が行われたものに対しては、 登録作業は実施いたしましたが、通常行われるデータの検証はおこなわれず、登録者が提出された ままの形で登録されました。そして、2006 年 10 月 15 日以降は、全ての理論モデルは登録されなく なりました。  次に、その他の問題が討論されました。特に、新たなデータ修正とその紹介手順について報告され、 深い議論がなされました。一つの大きな修正は、特に水素原子の名称について、IUPAC 命名法に従 うようにすることです。これは、NMR の研究者の間で必要とされているデータ編纂方式に対し、PDB が完全に応えたという、大きな進歩を意味しています。様々な利用者やソフトウェア開発者に対し、 この修正された PDB データを配布した場合の問題点が徹底的に討論されました。加えて、4 文字の PDB コードについて、最初の文字を 1 ~ 9 までの数字による 9 文字だけとせず、A ~ Z を加えた 35 文字とする変更を加えた上で、今後とも維持して利用していくことが同意されました。これにより、 1,632,960 のユニークなコードを割り振ることができることになり、ソフトウェアの変更も最小限 に抑えられると思われます。  会議の最後に、次回の第 4 回諮問委員会の予定がアナウンスされ、2007 年 9 月に米国・ニュージャー ジー州、プリンストンで開催されることになっております。なお、この wwPDB 諮問委員会の詳細と 勧告については、wwPDB の Web ページ (http://www.wwpdb.org/news.html) から公開されておりま す。

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A s C a ’ 0 6 : J o i n t C o n f e r e n c e o f t h e A s i a n Crystallographic Association and the Crystallographic Society of Japan  アジア結晶学会(AsCA)と日本結晶学会(CrSJ)合同会 議が 2006 年 11 月 20-23 日、つくばにて開催されました。 この会議は、ナノ、生体物質、X 線や中性子散乱 / 回折、 電子顕微鏡法、XAFS、NMR といった結晶解析分野に関する 国際会議です。  私たちは会期中ブース展示にて PDBj の活動を紹介し、 20 日には中村春木教授によるセミナーを行いました。展示 ブースでは、参加者の方から PDBj のデータベースやサービ スについての多くの要望が寄せられました。

第 3 回 DDBJing & PDBjing 講習会 in 東工大

DDBJ と協力して、2006 年 12 月 20-21 日、東京工業 大学・大岡山キャンパスにて第 3 回 DDBJing & PDBjing 講習会を開催しました。今年は PDBj の活動の紹介の他 に PDBML と eF-site のサービスを主とした講義と実習 を行いました。  

PDBj 構造登録データ統計

* 2007 年 3 月付けデータ 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007* 構造 デ ー タ 登録総数 年間登録数 年 P D B j登録数 世界全体の年間データ登録数 構造データ登録数 会場の様子。 セミナーと展示ブースの様子。

 

統計データは wwwPDB の WEB ページ(http://www.wwpdb.org/stats.html)においてご覧になれます。

構造データの統計

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アナログ・データ検索のためのグリッド Web サービス・システム  PDBj では、以前から蛋白質のかたち(フォールド)や分子表面、という本質的にアナログの値を 検索する仕組みを開発してきました。これらは、テキストや配列等、本質的に文字列に対するデジ タル的な検索とは異なるものであり、計算機資源を多く要するアプリケーション・プログラムで検 索がなされます。これらのアナログ値の検索が将来増加した場合のことを考えると、データベース 管理における計算機資源の増大が懸念されます。その場合の一つの回答として、グリッド計算シス テムによって、他の計算機資源を利用させてもらう方策があります。PDBj では、将来起こりうるこ の問題をあらかじめ技術的に解決しておくため、最新のグリッド技術である OPAL および Opal-OP の 利用を実施しています。

 OPAL は、UCSD の Sriram Krishnan, Wilfred Li, Prof. Peter Arzberger らが開発したソフトウェ

ア・ツールで、コマンドラインベースの様々なアプリケーション・プログラムを、Web サービスでラッ プするものです。OPAL を用いると、ジョブの投入、状態取得、結果取得を Web サービスで実行する ことができます。また、ジョブのキャ

ンセルをすることも可能です。さらに、

Opal Operation Provider (以下

Opal-OP)は、大阪大学大学院情報科学 研究科の市川昊平らによって、UCSD の グループとの共同研究により、OPAL を Operation Provider として、GT4 (Globus Toolkit 4) 環境に移植したも のです。Globus 経由のローカルスケ ジューラによる JOB の投入により、計 算サーバの負荷を分散して実行すると ともに、Globus の証明書をもつユーザ 権限で JOB が実行されますので、確実で Stateful な応答をユーザに返すことができます。  PDBj では Opal-OP を利用して JOB を大阪大学サイバーメディアセンターと東京大学医科学研究所 の PC クラスタへ自動振り割りを行うグリッド計算システムを構築し、現実に Structure Navigator-RT に採用して稼動させています。これにより、リクエストを迅速に処理することが可能 になりました。このような、グリッド・システムを日常的に稼動させる仕組みは、今後、ますます 計算機リソースが必要となるデータベースでのクエリ処理の将来を考えた場合、最適の回答を与え ていると思われます。 Opal-OP 概念図。 New Structure Quick response by using Grid computing

(with Opal-OP) Query for molecular surface Query for fold Result Red: Query Blue: Template Result Looking for the similar folds

Structure Navigator Real-Time serverLooking for the similar surfaces

(eF-seek)

Fold Database

eF-site Database

xPSSS 検索システムの改良

 より利用しやすくするために、データブラウザ xPSSS (XML-based Protein Structure Search Service) の仕組みを改良しました。具体的には、 PDBID と Keyword のクエリを発行する際に、結果の ソートができるようにしました。また、Advanced Search では候補を絞れるように、Results ページに 前回のクエリ内容を残し、利用者がそこに and(空 白文字で代用が可)として他のキーワードを加えら れるようにしました。 そして、これまで PDBj が独 自に収集してきた結晶化条件などの追加データの表 示や、他の有用な web site への蛋白質ごとのリンクも張り、より多くの実験情報や機能情報を閲 覧できる仕組みへ改善しました。更に、削除された PDB ID への対処として、Obsolete Page も追加し、 Obsolete PDB ID データのダウンロードを可能にしました。

また、XQuery/XPath のユーザ利用を支援する XQuery Advice システムのプロトタイプを開発し、 従来の XPath よりも強力な検索機能を実現する XQuery の実装を行いました。これにより、ユーザ はスキーマの詳細を知らなくてもクエリを発行することができるようになります。この仕組みは 2007 年 4 月から公開される予定です。

(5)

eF-seek サービスの開始 PDBj では、以前から蛋白質分子表面のデータ ベース eF-site を開発・公開してまいりました。 今回、この eF-site データベースを用い、蛋白質 分子表面の形状と静電位分布の類似性を検索す るサービスを開発し、eF-seek と称して公開を始 めました。本サービスでは、PDB フォーマット形 式のフラット・ファイルを eF-seek のトップペー ジでアップロードすると、類似表面を探索する 計算が開始され、web で閲覧可能な結果が返って きます。  この結果ページの画面では、似ている結合部 位(プロットの右上にある黒丸で表示)をマウ スでクリックして選び、view complex ボタンを 押すことで予測された複合体の構造を jV で視覚 的に確認することができます。また、複合体の 構造を PDB フォーマットのファイルとしてダウ ンロードすることも可能です。  この計算には多くの計算機資源を必要とする ため、単一の計算機での実行は現実的ではあり ません。そこで、東京大学医科学研究所との共 同研究により、GRID 技術を利用した分散環境下 で計算を行うシステムの開発を行いました。そ の結果、単一の CPU での 30 倍程度の計算速度を 達成することができ、典型的な大きさの蛋白質 ならば 1 日以内に計算結果を返すことが可能と なりました。   eF-seek のトップページ eF-seek の結果ページ。

(6)

連絡先

統括責任者 中村春木(大阪大学蛋白質研究所・教授 ) 研究チーム事務員 鎌田知佐 (JST-BIRD)

     

PDBj

〒565-0871  大阪府吹田市山田丘3-2      大阪大学蛋白質研究所・附属プロテオミクス総合研究センター内      PDBj事務局:TEL(06)6879-4311、FAX(06)6879-8636  PDBjデータベース登録業務:TEL(06)6879-8638、FAX(06)6879-8636      URL: http://www. pdbj.org/   PDBj データベース管理運営グループ 楠木正巳 ( 大阪大学蛋白質研究所・助教授 ) 小佐田高史 ( 大阪大学蛋白質研究所 ) 松浦孝範(大阪大学蛋白質研究所) 五十嵐令子 (JST-BIRD) 見学有美子 (JST-BIRD) 池川恭代 (JST-BIRD) 松浦かんな (JST-BIRD) 井上真由美(大阪大学蛋白質研究所) PDBj 国際運営高度化グループ

Standley, Daron M. (JST-BIRD, 大阪大学臨床医工学融合研究教育センター・招聘助教授 ) 金城玲(大阪大学蛋白質研究所・客員助教授) 岩崎憲治 ( 大阪大学蛋白質研究所・助教授 ) 鈴木博文 ( 大阪大学蛋白質研究所 ) 山下鈴子 (JST-BIRD) 清水有希子 (JST-BIRD) 工藤高弘(大阪大学蛋白質研究所) BMRB データベース管理運営グループ 阿久津秀雄 ( 大阪大学蛋白質研究所・教授 ) 高山裕生 ( 大阪大学蛋白質研究所 ) 中谷英一 (JST-BIRD) 原野陽子 ( 大阪大学蛋白質研究所 ) 九州大学生体防御医学研究所グループ 藤博幸 ( 九州大学生体防御医学研究所・教授 ) 東京医科歯科大学大学院グループ 伊藤暢聡 ( 東京医科歯科大学大学院・教授 ) 関連データベース 木下賢吾 ( 東京大学医科学研究所・助教授 ) 輪湖博 ( 早稲田大学社会科学部・教授 )

参照

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