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高効率色素増感太陽電池の製作

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 高効率色素増感太陽電池の製作 背 景 色素増感太陽電池は低コストな太陽光発電を実現できる可能性を持った太陽電池として注目されている。し かし、高効率な太陽電池を再現性良く製作するための要件は充分に明らかになっておらず、更なる高効率化や 実用化のために、この要件を詳細に明らかにする必要がある。. 目 的 標準的な構成である色素増感太陽電池(微粒子粒径 20nm 程度からなる酸化チタン微結晶均一層膜を N719 色素で増感した構成:図 1)の製作を通じて、高効率な色素増感太陽電池の要件を明らかにする。. 主な成果 約 5mm 角の大きさの色素増感太陽電池を製作して、変換効率への影響因子の洗い出しを行った。これによ り、効率を決定する短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、曲線因子(FF)* 1 のそれぞれに対して、要点を 以下に明らかにした(図 2、3)。その結果、前記の N719 を増感色素に用いた色素増感太陽電池としては高効 率な 8.6 %を再現性を踏まえて系統的に得た(図 3)。 1.Jsc 内部量子効率* 2 の最大値を 100 %にして、高い Jsc を得るためには、太陽電池の対向電極(正極)への電 荷輸送を担う電解液は、アセトニトリルのような極めて低い溶媒粘度を持つことが必要である。このメカニ ズムとして、酸化チタン微結晶膜内の電解質イオン I 3− の光吸収による損失が太陽光放射の強い 400 ∼ 600nm の光波長で低減できることが考えられる。さらに、太陽電池の透明導電膜(FTO)負極/電解液間の 接触面積の低減と金属による裏面光反射が、長波長光の量子効率改善に有効である。これらにより、図 2(a) に示すような、内部量子効率の最大値が 100 %に達する良好な分光特性が得られた。 2.Voc Voc はセルの製作環境に大きな影響を受ける。具体的には、大気中で製作した太陽電池は、水分と酸素を 除去したアルゴン雰囲気中で製作したものに比べて Voc が 16%程度増加して、0.760V に達した。 3.FF 直列抵抗の大きな部分を占める FTO 抵抗の影響の低減が、高い FF を得るために重要であることを確認し た。具体的には、金属を用いた正負電極での集電方法の工夫などで、現在の最高効率のセルに匹敵する 0.721 の高い FF が得られた。. 今後の展開 発電メカニズムの本質に関わる可能性のある太陽電池製作環境の開放電圧への影響等の分析を進める。併せ て、太陽電池の屋外での実使用環境の各種分析を行う。これらを踏まえた色素増感太陽電池設計を行い、実使 用時に高い性能を持った色素増感太陽電池の開発を行う。 主担当者 関連報告書. 材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域 主任研究員 宇佐美 章 「高効率色素増感太陽電池の製作要件」電力中央研究所研究報告(2009 年 3 月). * 1 :曲線因子は、発電電力の最大値/ (短絡電流×開放電圧)で与えられる。 * 2 :量子効率は、太陽電池への入射フォトンが電子に変換されて、短絡電流として取り出すことが出来る効率を、光 波長毎に示したもの。内部量子効率(IQE)は、太陽電池表面での光反射の影響を除いた量子効率。. 114.

(2) 7.新エネルギー/環境・革新技術 酸化チタン微結晶均一層膜 対向電極:正極 ∼20nm 太陽光. 増感色素 N719. 透明導電膜 (FTO) 負極. 電解液. 白金触媒. 図1 本研究に用いた標準構成の色素増感太陽電池の概略図. 20. 大気中 Voc:0.760V. 16. 電解液溶媒の粘 度低減. 80. アルゴン 雰囲気中 Voc:0.658V. 12. 60 40. FTOと電解液の接触面 積の低減. 20 0 420. 8 4 0. 520. 620 波長 [nm]. 720. 0. 820. 0.2. (a)短絡電流密度. 0.4 電圧 [V]. 0.6. 0.8. (b)開放電圧. 図2 短絡電流密度と開放電圧の改善. ―:初期セル、―:改良セル、―:最終セル. 20 2 電流密度 [mA/ cm ]. IQE [%]. 電流密度 [mA/cm 2]. 100. ・電解液溶媒の低粘 度化 ・FTO/電解液界面の接触面 積低減 ・対向電極での 光反射の利用. 効率:8.6%. 16 J sc. 効率:4.8%. 12. FF. ・金属電極の利用等によ るFTO抵抗の影響低減. 8 4. ・電池の製 作環境影響. 0. Voc. 0. 0.2. 0.4 電圧 [V]. 0.6. 図3 電流−電圧特性の改善のまとめ. 115. 0.8. 7.

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