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軽水炉燃料を対象とした乾式再処理の実用化技術の開発 ─模擬使用済酸化物燃料から金属ウランを回収─

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 軽水炉燃料を対象とした乾式再処理の実用化技術の開発 ─模擬使用済酸化物燃料から金属ウランを回収─ 背 景 金属燃料高速炉と乾式再処理を組み合わせた金属燃料サイクルは、将来の高速増殖炉サイクル技術として高 い性能を有している。当所では、その研究開発の一環として、酸化物である軽水炉燃料に乾式再処理技術を適 用し、核燃料を金属として回収する研究を行ってきた。軽水炉燃料の乾式再処理プロセスは、図 1 に示すよう に、前処理/電解還元/電解精製の 3 つのプロセスから成る。これまでに、溶融 LiCl 中での電解還元により、 UO2 や MOX(UO2-PuO2)を金属に還元できることを実証し、基礎的な電解条件と還元機構を明らかにした。. 目 的 実用的な電解装置を考案し、乾式再処理プロセス全体の工学的な成立性を実証することを目的として、模擬 使用済酸化物燃料を用いた前処理/電解還元/電解精製の連続試験を行い、金属ウランを回収する。. 主な成果 1.前処理 酸化熱処理脱被覆法(酸化物燃料を粉体化して被覆管から分離)を想定し、出発物質の模擬使用済酸化物 燃料を、まず空気中・ 1000 ℃で酸化し、ウランを U3O8 に転換して粉末を得た。次に粉末を加圧成型し、N213%H2 気流中・ 1700℃で還元・焼結することにより、多孔質性の酸化物ペレットを作製した(図 2)。 2.電解還元 処理量 100g の電解還元装置にて、酸化物ペレットを陰極バスケットに装荷し(図 3(a))、650 ℃の溶融 LiCl 中で電解を 7.8hr 行ったところ、ウランはほぼ完全に金属へ還元された(図 3(b))。多孔質性の酸化物 ペレットは溶融塩が内部に浸透するため還元されやすく、かつ還元速度が酸化物ペレットの装荷量に依存し ないこともわかった。酸化物の簡易ペレット化は、試料の取扱い面においても工学的メリットが極めて大きい。 3.電解精製 還元生成物を陽極バスケットに装荷し、500 ℃の溶融 LiCl-KCl-UCl3 中で電解を 6.0hr 行った。その結果、 陽極では還元生成物に含まれる金属ウランが速やかに溶解し(図 4(a))、陰極では樹枝状の金属ウランが析 出した(図 4(b))。FP 元素は、各々の化学的性質から予測された通りの挙動でウランから分離された。 4.乾式再処理プロセスの成立性評価 実用的な処理速度として目標に掲げていた 10hr 以内に酸化物を金属に還元することを達成し、しかも精 製された金属ウランを高い物質収支で回収できた。本試験をスケールアップすることに本質的な課題はなく、 プロセス全体の成立性を工学的観点からも実証できたと評価できる。 本研究は、特別会計に関する法律(エネルギー対策特別会計)に基づく文部科学省からの受託事業として、 電力中央研究所が実施した平成 18 − 20 年度「電解還元法を適用した酸化物燃料の乾式再処理に関する技術開 発」の成果です。. 今後の展開 実規模である 5 ∼ 10kg /バッチの UO2 を陰極に装荷して電解還元試験を行い、工学的な設計データ(電極 の構造や配置、材料など)を取得して、より高い処理速度や電流効率を達成する。 主担当者. 原子力技術研究所 次世代サイクル領域 上席研究員 坂村 義治. 関連報告書. 平成 18、19、20 年度「電解還元法を適用した酸化物燃料の乾式再処理に関する技術開発」 成果報告書、電力中央研究所(2007 年 3 月、2008 年 3 月、2009 年 3 月). 84.

(2) 5.原子力発電/エネルギーと環境の調和. ①前処理: 使用済燃料を脱被覆 し、電解還元に適し た形態に成型する。. ②電解還元処理:陰極の酸化物から 酸素がイオンとなって溶け出し、酸 化物は金属に還元される。一方、陽 極では酸素ガスが放出される。. ③電解精製処理(高速炉金属燃料の乾 式再処理技術):陽極でUとPuを溶解 し、固体陰極で高純度Uを、液体カド ミウム陰極でUとPuを回収する。. 図1 軽水炉燃料の乾式再処理プロセス. 陽極. (a). 陰極バスケット (高さ80mm× 直径24mm). 5. 図2 前処理により作製した多孔質性の酸化物 ペレット:代表的FP元素のCe,Nd,Sm,Sr,Zr,Mo,Pd を各1wt%含有したUO2で、気孔率は32%。. 電解還元(7.8 hr) (b). ステンレス棒(直径20mm). (a). 酸化物ペレット の装荷状態. (b). 図3 電解還元試験の結果: (a) 電解前、電解槽に電極をセットする様子 (酸化物ペレットを101g装荷した陰極バスケットの  周囲に陽極が配置されている) (b) 電解後の陰極バスケット内部とペレット断面 (UO2は金属ウランに還元された) 36mm. 図4 電解精製試験の結果:陽極の還元生成物から    金属ウランが塩中に溶解し、陰極に高純度で析出 (a) 電解後の陽極バスケット (b) 金属ウランが樹枝状に析出した固体陰極. 85.

(3)

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