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「訪問看護師の職業的アイデンティティの尺度開発の試みと信頼性・妥当性の検討」

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Academic year: 2021

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(1)最終論文表紙 紙 様式507. 訪問看護師の職業的アイデンティティの 尺度開発の試みと信頼性・妥当性の検討. 公益財団法人. 在宅医療助成. 2013年度. 後期. 勇美記念財団. 申請者 香川大学大学院医学系研究科看護学専攻修士課程. 内海. 共同研究者 香川大学大学院地域看護学分野在宅看護学. 妙子. 穴吹医療大学校 提出日. 白井. 瑞子. 平成 27 年 3 月 2 日. 松井. 恵子.

(2) Ⅰ.研究の背景 超 高 齢 社 会 を 迎 え ,在 宅 医 療 は 慢 性 期 患 者 の 療 養 や 終 末 期 患 者 の 看 取 り を 含 め た 医 療 提 供 体 制 の 基 盤 と し て 整 備 さ れ て い る .医 療 依 存 度 の 高 い 高 齢 者 の 増 加 に 伴 い ,訪 問 看 護 サ ー ビ ス に は 在 宅 高 齢 者 の 自 立 支 援 や 看 取 り の 機 能 の 充 実 , 緊 急 時 の 体 制 と し て 24 時 間 対 応 な ど 今 以 上 に 量 的・質 的 な 充 実 が 求 め ら れ る . 厚 生 労 働 省 「 第 7 次 看 護 職 員 受 給 見 通 し( 2010 年 )」 に よ る と , 訪 問 看 護 事 業 所 に お け る 従 事 者 の 需 要 数( 常 勤 換 算 )は 増 加 が 見 込 ま れ て い る の に 対 し て , 看 護 職 員 の 供 給 数 (常 勤 換 算 )は 不 足 す る 見 通 し で あ る. 1). .ま た 訪 問 看 護 業 界 全. 体 の 離 職 率 は , 2007 年 度 は 15.0% で あ り , 同 じ 年 の 病 院 看 護 職 員 の 離 職 率 12.6% と 比 較 す る と 高 い. 2). .その理由として,5 人未満の小規模型訪問看護事. 業 所 に お け る 休 日・夜 間 待 機 の 問 題 ,医 療 保 険 と 介 護 保 険 の 利 用 に か か る 複 雑 な保険事務請求業務などの労働環境や事業所運営の難しさがある. 3). .訪 問 看 護. 事 業 所 の 管 理 者 は 業 務 内 容 の 調 整 や 予 算 設 定 を 含 め た 経 営・運 営 に つ い て 母 体 3). .ま た ,. と な る 施 設 か ら 裁 量 権 が 制 限 さ れ ,結 果 的 に 管 理 者 の 離 職 に つ な が る. 訪 問 看 護 師 に は 判 断 力・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術・自 律 性 な ど の 高 い 専 門 性 が 求められる職業. 4). としての達成感を得る反面,技術不足や責任感. 係のストレスからバーンアウトに至る. 5). ,人間関. 6). .こ の よ う な 背 景 の 中 で ,高 齢 者 の 在. 宅 療 養 生 活 を 支 え る た め に は 訪 問 看 護 師 数 の 増 加 が 必 須 で あ る .在 宅 医 療 を 支 える専門職の一員として訪問看護師には療養者の生活を重視した看護の提供 や医療と介護をつなぐ調整者として重要な役割を遂行するために資質の向上 が 求 め ら れ る .し た が っ て ,訪 問 看 護 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 の た め に は 訪 問 看 護 師数の確保と訪問看護師の資質の向上が課題である. 看護の質の向上についてグレッグ. 7). は職業的アイデンティティの確立が質. の 高 い 業 務 の 遂 行 に つ な が る と 報 告 し て い る , Hogston 8 ) は 専 門 職 と し て 自 ら の 成 長 を 動 機 づ け ら れ た 看 護 師 た ち は ,さ ら に 質 の 高 い ケ ア を 提 供 す る よ う に な る と 論 じ て い る . Fagermoen 9 ) は 職 業 と の 自 己 一 体 意 識 を 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ と 定 義 し ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は 看 護 実 践 と 正 の 関 係 が あ り 看 護 の 質に影響すると述べている.同様に岩井ら. 12). も看護職における職業人として. のアイデンティティの獲得はその人の職業的発達やよりよいケアを提供する た め の 基 と な る と 主 張 し て い る .看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ と こ れ に 影 響 を 与 え る 要 因 を 明 ら か に し て い く こ と は ,看 護 師 の 職 業 的 発 達 や 職 場 へ の 適 応を検討していくためも重要である 助産師. 15). ,行 政 保 健 師. 関する研究は増加傾向. 1 6 ), 10). 看護教員. 10). .近年,看護学生. 17). 11,12). ,看護師. 13,14). ,. についての職業的アイデンティティに. にあり,看護職における職業的アイデンティの確立. は看護の質向上のために重要な課題である. 訪問看護師の職業的アイデンティティに関する研究は開始されたばかりで あ り ,看 護 師 を 対 象 に し た 研 究 に 比 べ る と 少 数 で あ り ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 構 成 要 素 も ま だ 明 確 に な っ て い な い 現 状 が あ る .そ の よ う な 中 で ,研 究 着 手 後 に 発 表 さ れ た 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 し. -1-.

(3) た研究. 18). は,看護師の職業的アイデンティティ尺度を改変し使用している.. 職業的アイデンティティの確立は質の高い業務の遂行につながる. 7). というこ. と か ら ,訪 問 看 護 師 が 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 確 立 す る こ と は 訪 問 看 護 の 質 を 向 上 さ せ る 一 つ の 方 法 で あ る .訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺 度 を 開 発 で き れ ば ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 確 立 の 程 度 を 測 定 す る こ と が 可 能 に な る .そ れ を 尺 度 と し て 使 用 す る こ と に よ り ,訪 問 看 護 実 践 や ス ト レ ス 耐 性 と の 関 連 を 探 索 す る こ と が で き ,訪 問 看 護 師 の 職 業 継 続 や 看 護 実 践 の 質 の 向 上 へ の 示 唆 を 得 る た め の 研 究 へ と つ な げ る こ と が 可 能 に な る .職 業 継 続 や 看 護 実 践 の 質 の 向 上 は 急 務 で あ り ,そ の た め の 方 策 は 訪 問 看 護 師 の 働 く 意 欲 を支えるとともに訪問看護の利用者への質の高いケアの提供に貢献できる. ア イ デ ン テ ィ テ ィ は「 自 分 」に つ い て の 意 識 や そ の 内 容 を 指 す も の で あ る 1 9 ). ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 中 核 に は ,自 己 と の 一 貫 性 ,自 分 の 仲 間 関 係 の 中 で の 自 分 の 位 置 づ け ,自 分 と 社 会 と の 関 係 の 中 で の 自 分 の 位 置 づ け が あ り ,こ の 社 会 と の 位 置 づ け に 自 分 と 職 業 と の 関 係 が 含 ま れ る .職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は「 同 一 性 」の 中 で も 職 業 と の 同 一 性 を さ し ,特 定 の 職 業 領 域 に 係 る 共 通 の 特 徴 と さ れ る 1 9 ). 訪問看護師の職業的アイデンティティを高め,質の向上を目指すためには, 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 測 定 用 具 が 必 須 と な る .訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺 度 を 作 成 す る こ と で ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 測 定 が 可 能 と な る .訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 経 年 的 に 測 定 す る こ と に よ り ,訪 問 看 護 師 と し て の ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 発 達 過 程 の 変 化 を 個 別 に 測 定 す る こ と が で き ,訪 問 看 護 経 験 年 数 に 応 じ た 支 援 に つ な げ る こ と が で き る .ま た 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 関 連 す る 要 因 を 明 ら か に す る こ と に よ り ,ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 高 め る 要 因 を 明 確 に し ,訪 問 看 護 師 へ の教育や育成に役立てることができる。 そ の た め ,自 己 と 訪 問 看 護 師 で あ る 自 己 と の 一 体 感 の 程 度 を 測 定 で き る 訪 問 看護師の職業的アイデンティティを測定する用具の開発は急務といえる. Ⅱ.目的 1.研究目的 本 研 究 の 目 的 は ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺 度 を 開 発し,その信頼性・妥当性の検討を行うことである. 2.用語の定義 本研究における用語を下記のように定義した. 1 )「 訪 問 看 護 師 」 と は 訪 問 看 護 事 業 所 に 在 籍 し , 訪 問 看 護 の 業 務 に 従 事 し て いる看護職であり訪問看護事業所の管理者や非常勤の訪問看護師を含む. 2 )「 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 」 自 己 と「 訪 問 看 護 師 で あ る 自 己 」と の 一 体 感 で あ る . 「斉一性」 「連続性」 「帰 属 性 」の も と に ,自 己 と 訪 問 看 護 師 で あ る と い う 感 覚 が 同 一 化 へ 向 け て 発 達 し. -2-.

(4) て い く 過 程 で あ る .看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に つ い て グ レ ッ グ 美 鈴. 7). は ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 職 業 と の self-identification(自 己 一 体 感 )と 定義した. 「 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は ,看 護 師 で あ る こ と の 意 味 や 看 Fagermoen 9 ) は , 護 師 と し て 働 く こ と の 意 味 と い っ た 観 念 に 関 連 し て い る .す な わ ち ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は ,看 護 師 の 看 護 観 を 象 徴 す る も の で あ る .よ り 厳 密 に は ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は ,看 護 師 の 価 値 と 信 念 で あ る と 定 義 さ れ る 」と 述 べ て いる. そ こ で ,本 研 究 に お け る「 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 」と は ,自 己 と 職 業 と の 一 体 感 を 表 す も の で あ る と 考 え ,「 訪 問 看 護 師 と い う 職 業 に つ い ている自己との一体感および訪問看護観である」と操作的に定義した. Ⅲ.研究方法 1.訪問看護師の職業的アイデンティティを測定する質問項目の作成 先 行 研 究 を 調 べ た と こ ろ ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺度は病院看護師の職業的アイデンティティ尺度を改変して用いた報告だけ で あ っ た .訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る た め に ,看 護 師 の 職業的アイデンティティを測定する尺度を使用することを検討した.しかし, 先行研究. 20). によると職業的アイデンティティ尺度を使用する場合,対象の特. 徴 に あ っ た 尺 度 を 選 択 す る 必 要 が あ る と 述 べ て い る .既 存 の 尺 度 は ,そ の 生 成 過 程 に お い て ,一 般 の 臨 床 看 護 師 ,行 政 保 健 師 と な っ て お り ,仮 に 調 査 対 象 者 が 在 宅 医 療 に 関 わ る 訪 問 看 護 師 や 臓 器 移 植 コ ー デ ィ ネ ー タ ー な ど の 場 合 ,こ れ ら の 尺 度 を そ の ま ま 使 用 し て も ,得 ら れ た デ ー タ の 信 頼 性 の 低 下 は ,否 め な い 20). と あ る .小 川 ら. 21). は訪問看護の特徴を利用者ばかりでなく家族を含めてケ. ア す る こ と ,多 職 種 と 連 携 を 図 る こ と と 述 べ て い る .職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は 自 己 と 職 業 的 な 自 己 と の 一 体 感 で あ る こ と を 踏 ま え る と ,訪 問 看 護 師 特 有 の 看 護 観 ,専 門 的 特 徴 が 存 在 す る の で は な い か と 考 え た .以 上 の こ と か ら ,病 院 等の施設内勤務の看護師を対象に作成された看護師の職業的アイデンティテ ィ尺度を使用することは不適切と判断した. そこで訪問看護師の職業的アイデンティティの尺度作成のための質問項目 を 作 成 す る 目 的 で ,訪 問 看 護 師 を 対 象 に グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー を 行 い ,収 集 し た訪問看護職の職業的アイデンティティを表す表現を使用して質問項目を作 成することとした. 1)質 問 項 目 の 作 成 方 法 質 問 項 目 の 作 成 に あ た り , Erikson の ア イ デ ン テ ィ テ ィ 概 念 を も と に , 5 年 以上の経験を持つ訪問看護師に半構造化面接法を用いたグループインタビュ ー を 行 い ,そ の 内 容 か ら 11 の 構 成 要 素 を 抽 出 し た .そ れ を も と に 33 の 質 問 項 目 を 作 成 し た .作 成 の 過 程 に お い て 経 験 の あ る 訪 問 看 護 師 ,在 宅 の 質 的 研 究 者. -3-.

(5) に 内 容 の 妥 当 性 を 確 認 し て も ら い ,真 実 性 を 確 保 し た .回 答 選 択 肢 は 先 行 研 究 18). をもとに 7 件法を用いた.. (1)グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー の 対 象 グループインタビューの対象は訪問看護事業所に就業する常勤の訪問看護 経 験 年 数 5 年 以 上 の 訪 問 看 護 師 と し た .訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 以 上 と し た 理 由 は ,先 行 研 究 に お い て 5 年 以 上 に な る と 職 業 人 と し て の 自 己 イ メ ー ジ が 定 着 し 職業への態度が安定した時期と考えられている. 14). からである.. グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー は 同 意 を 得 ら れ た 5 事 業 所 の 訪 問 看 護 師 ,計 6 人 を 対 象 と し た . 6 人 の 平 均 年 齢 は 47.0 歳 , い ず れ も 女 性 , 職 位 は 管 理 者 5 人 , 主 任 1 人 ,訪 問 看 護 認 定 看 護 師 の 資 格 を 有 す る 者 3 人 ,勤 務 形 態 は い ず れ も 常 勤 で あ っ た . 訪 問 看 護 経 験 年 数 は 6 年 か ら 13 年 9 か 月 , 平 均 9 年 4 か 月 で あ っ た . 臨 床 看 護 経 験 年 数 は 13 年 か ら 21 年 で あ っ た . (2)グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー の 方 法 ①インタビューガイドの作成 訪問看護師の職業的アイデンティティとして職業的アイデンティティの構 成 要 素 と 関 連 要 因 を 引 き 出 す 目 的 の イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ド を 作 成 し た .イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ド は Erikson の ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 概 念 か ら 5 つ の 下 位 概 念( 斉 一 性 , 連続性,自己信頼,自尊感情,適応感)をもとに佐々木 業的アイデンティティ尺度」や根岸. 16). 14). らの「看護師の職. が作成した「行政保健師の職業的アイ. デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 」を 参 考 に 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 構 成 概 念 を 引 き 出 す 内 容とした. ②グループインタビュー グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー は 半 構 造 化 面 接 法 を 用 い ,イ ン タ ビ ュ ー 場 所 は 訪 問 看 護事業所の個室および大学のカンファレンスルームを使用した. そ の イ ン タ ビ ュ ー 内 容 の 逐 語 録 を 作 成 し ,そ れ を デ ー タ と し て 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 焦 点 を あ て ,質 的 帰 納 的 に 分 析 を 行 っ た .具 体 的 に は , 逐 語 録 か ら 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 関 す る 内 容 を 一 意 一 文 と し て 236 項 目( 以 下 、重 要 ア イ テ ム と 呼 ぶ )抽 出 し ,そ れ ら を 尺 度 作 成 の た め の ア イ テ ム プ ー ル と し た .ま た , 236 項 目 に キ ー ワ ー ド を つ け , 抽 象 化 し た 結 果 , 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 構 成 す る 要 素 と し て 11 の 構 成 要 素 を 抽 出 した. 訪問看護師の職業的アイデンティティの構成要素 【 思 い を か な え る た め の 信 頼 関 係 の 形 成 】, 【 主 体 的 な 看 護 実 践 】, 【 療 養 者 や 家 族 へ の 安 心 の 提 供 】, 【 家 族 が 後 悔 し な い 看 取 り の 支 援 】, 【 巧 み な 会 話 の 駆 使 】, 【 療 養 者 の 変 化 を 予 測 で き る フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト 力 】,. -4-.

(6) 【 多 職 種 連 携 に よ る 相 乗 効 果 を 意 識 し た 調 整 】, 【 訪 問 看 護 師 と し て の 成 長 】, 【 職 務 へ の 責 任 感 】, 【 訪 問 看 護 技 術 を 高 め る た め の 学 習 ニ ー ズ 】, 【訪問看護師として社会から必要とされる存在】 以 上 の 構 成 要 素 作 成 の 真 実 性 を 確 保 す る た め ,逐 語 録 と 分 析 結 果 を グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー の 対 象 者 6 人 に 返 却 し ,ア イ テ ム プ ー ル 作 成 の 過 程 ,抽 象 化 の 過 程 ,抽 出 し た 構 成 要 素 に 関 し て ,再 検 討 を 行 っ て も ら っ た .ま た ,グ ル ー プ イ ンタビューに応じた訪問看護事業所の所長 3 人と研究者および研究指導者と で 妥 当 性 を 検 証 す る た め の 検 討 会 を 2 時 間 程 度 行 っ た .さ ら に ,質 的 研 究 を 行 っ て い る 研 究 者 に 専 門 的 視 点 か ら 抽 象 化 の 過 程 の ス ー パ ー バ イ ズ を 受 け た( 図 2). (3) 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 関 す る 質 問 項 目 の 作 成 質 問 項 目 の 作 成 に あ た り , 抽 出 さ れ た 11 の 構 成 要 素 そ れ ぞ れ に つ い て 内 容 を よ く 表 し て い る も の を 重 要 ア イ テ ム 236 項 目 の 中 か ら 選 び 出 し ,一 意 一 文 に な る よ う 文 の 構 成 や 表 現 方 法 な ど 内 容 を 吟 味 し ,質 問 項 目 を 作 成 し た .質 問 項 目 の 内 容 妥 当 性 を 高 め る た め に ,各 項 目 に つ い て ,訪 問 看 護 の 研 究 者 に 確 認 し た .看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に つ い て の 文 献 を 参 考 に 最 終 的 に 1 構 成 要 素 に 対 し て 3 項 目 , 計 33 項 目 を 作 成 し た ( 表 1). 質問項目の回答選択肢は先行研究. 18). を参考に数量的な変化を見るため 7 段. 階 評 価( 7:非 常 に あ て は ま る ,6:か な り あ て は ま る ,5:や や あ て は ま る , 4 : ど ち ら と も い え な い ,3 : や や あ て は ま ら な い ,2: か な り あ て は ま ら な い ,1:全 く あ て は ま ら な い )と し た .得 点 が 高 い ほ ど 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イデンティティが高くなるようにした. 2)調 査 項 目 の プ リ テ ス ト に つ い て 調 査 内 容 の 妥 当 性 を 検 討 す る た め ,研 究 協 力 の 得 ら れ た A 県 以 外 の 訪 問 看 護 師 25 人 に プ リ テ ス ト を 行 っ た . 質 問 項 目 に つ い て , 言 い ま わ し や 表 現 の 不 適 切 な も の ,実 情 に そ ぐ わ な い 表 現 ,意 味 が 分 か り に く い 表 現 ,質 問 項 目 の 配 置 な ど 回 答 の し づ ら さ や 違 和 感 等 が あ る 場 合 は ,そ の 内 容 を 調 査 票 に 記 入 し て も らうようにした.全員から回答が得られ,質問項目を加筆修正した. 以上の経過を経て本研究の調査票を作成した. 2.調査方法 1) 対 象 調 査 対 象 は A 県 内 の 全 訪 問 看 護 事 業 所 50 か 所 ( 全 数 ) と し た . 在 籍 者 の う ち , 現 在 就 業 し て い る 訪 問 看 護 師 ( 管 理 者 ,常 勤 ・ 非 常 勤 を 含 む ) 283 人 と し た.. -5-.

(7) 2) 調 査 期 間 調 査 期 間 は 平 成 26 年 9 月 ~ 平 成 26 年 10 月 で あ る . 3) 調 査 方 法 横 断 的 郵 送 調 査 と し た .研 究 概 要 を 記 し た 文 書 と 調 査 票 を A 県 内 の 訪 問 看 護 事業所(全数)に郵送し,一定期間留め置き回収した. 4) 調 査 内 容 基 本 属 性 と し て ,先 行 文 献. 18). を 参 考 に 年 齢・性 別・学 歴・婚 姻・子 ど も の. 数 ・ 同 居 者・身 近 な 人 か ら の サ ポ ー ト・取 得 免 許 ま た は 資 格・ 経 験 年 数( 訪 問 看 護 師 ,そ れ 以 外 )・勤 務 年 数・雇 用 形 態・勤 務 形 態・1 週 間 の 延 べ 訪 問 件 数 ・ 職 位 を 設 定 し た .ま た ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 関 係 す る 独 立 変 数 と し て 職 場内研修・職場外研修を設定した. 従 属 変 数 と し て ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 項 目 と し て 33 項 目 を 設 定 し た . 基準関連妥当性を検討するために企業就業者の職業的アイデンティティ尺 度. 22). を用いた.企業就業者用職業的アイデンティティ尺度は,職業的アイデ. ン テ ィ テ ィ を Erikson の 自 我 同 一 性 の 概 念 か ら 職 業 領 域 に お け る 自 我 同 一 性 と 捉 え ,「 職 業 役 割 に 関 す る 自 分 ら し さ の 感 覚 」,「 職 業 的 な 生 き 方 に 関 す る 自 分 ら し さ の 感 覚 」 を 職 業 に 関 す る 確 信 感 ( 自 分 で 決 断 で き て い る か ), 職 業 に 関 す る 目 的 感 ( 目 的 が 明 確 か , 実 現 し て い る と 思 っ て い る か ), 有 能 感 ( う ま く や っ て い け そ う な 感 じ が あ る か )と い う 3 つ の 特 性 を も と に 測 定 す る も の で あ る . 企 業 就 業 者 を 対 象 と し た 尺 度 で あ る が , Erikson の 概 念 を も と に 作 成 さ れ た も の で あ り ,信 頼 性 ,妥 当 性 が 確 認 さ れ て い る . 12 項 目 と 項 目 数 が 厳 選 されていることより,回答者の負担を軽減するためにもこの尺度を採用した. 3. 分 析 方 法 調 査 内 容 は , SPSS Ver.20 for windows を 使 用 し , 以 下 の 分 析 を 行 っ た . 1)項 目 分 析 基本属性の項目ごとに回答の割合や分布,平均値,標準偏差を算出した. 天 井 効 果 と フ ロ ア 効 果 , I- T 相 関 分 析( Item-Total Correlation Analysis), α 係 数 に よ る 方 法 , G-P 分 析 ( Good‐ Poor Analysis), 項 目 間 の 相 関 分 析 を 行 った. 2)因 子 分 析 探索的因子分析を行い,抽出された因子に基づき構成要素の命名を行った. 3)妥 当 性 の 検 討 基準関連妥当性として,企業就業者の職業的アイデンティティ尺度. 22). を用. い て ,職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 特 性 を 測 定 し て い る か ,Pearson の 積 率 相 関 係数を算出し検討した. 4)信 頼 性 の 検 討 内的整合性の検討のためにクロンバックのα係数を算出した. 4. 倫 理 的 配 慮. -6-.

(8) 研 究 対 象 者 に は ,書 面 に て 研 究 目 的 ,意 義 ,方 法 ,プ ラ イ バ シ ー の 保 護 ,デ. ー タ の 保 管 ,得 ら れ た 情 報 や 結 果 を 研 究 以 外 の 目 的 に 使 用 し な い こ と ,研 究 へ の 参 加 は 自 由 で あ り ,参 加 し な い 場 合 も 業 務 上 不 利 益 に は な ら な い こ と ,研 究 成 果 の 公 表 を 文 書 で 説 明 し た .調 査 票 へ の 記 入 は 無 記 名 で 行 い ,回 答 を も っ て 同 意 が 得 ら れ た も の と し た .本 研 究 は K 大 学 医 学 部 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 得 た .. Ⅴ .結 果 1 . 調 査 の 状 況 (表 2) 回 答 は A 県 内 の 訪 問 看 護 事 業 所 50 施 設 の 内 41 施 設 ( 82% ) か ら 得 ら れ た . 調 査 対 象 で あ る 50 事 業 所 の 訪 問 看 護 師 283 人 の 内 , 回 答 が あ っ た の は 196 人 で あ っ た( 回 収 率 69.3% ).そ の 196 票 中 か ら 回 答 に 不 備 の あ っ た 6 票 を 除 き , 190 票 ( 有 効 回 収 率 67.1% ) の デ ー タ を も と に 内 容 を 分 析 し た . 2. 基 本 属 性 の 結 果 対 象 190 人 の 基 本 属 性 ( 表 4) と し て , 女 性 が 184 人 ( 96.8% ), 男 性 が 6 人( 3.2% ),平 均 年 齢 は 45.3( SD±8.5)歳 で あ っ た .既 婚 者 が 157 人( 82.6% ), 子 ど も「 あ り 」が 164 人( 86.3% ),同 居 者「 あ り 」が 172 人( 90.5% ),職 業 継 続 に つ い て 身 近 な 人 か ら の サ ポ ー ト 「 あ り 」 が 142 人 ( 74.7% ) で あ っ た . 資 格 取 得 で は 看 護 師 が 150 人( 79.0% )と 最 も 多 く ,保 健 師 ,助 産 師 ,看 護 師 の 複 数 の 資 格 を 持 つ 者 は 17 人 ( 8.9% ), 准 看 護 師 23 人 ( 12.1% ) で あ っ た . 介 護 支 援 専 門 員 の 資 格 取 得 者 は 45 人 ( 23.7% ) で あ っ た . 勤 務 形 態 で は 正 規 職 員 が 123 人( 67.6% ),非 正 規 職 員 が 59 人( 32.4% )で あ っ た .職 位 は 正 規 職 員 の う ち 所 長・ 統 括 管 理 者 が 17 人 , ( 8.9% ),主 任 が 11 人( 5.8% )ス タ ッ フ が 81 人 ( 42.6% ), 非 正 規 職 員 は 全 員 ス タ ッ フ で あ っ た ( 33.2% ). 訪 問 看 護 経 験 年 数 は 平 均 5.7 年 ,訪 問 看 護 以 外 の 看 護 職 と し て の 経 験 年 数 は 平 均 15.6 年であった. 訪 問 看 護 の 教 育 を 受 け る 機 会 と し て 職 場 内 ,職 場 外 の 研 修 の 有 無 に つ い て 調 査 し た . 職 場 内 の 現 任 研 修 は 「 あ る 」 と 答 え た 者 が 117 人 ( 62.9% ),「 な し 」 と 答 え た 者 が 69 人( 37.1% )で あ っ た . 「 あ る 」と 答 え た 者 の う ち 正 規 職 員 が 75 人 ,非 正 規 職 員 が 42 人 で あ っ た . 「 な い 」と 答 え た 者 で は 正 規 職 員 が 48 人 , 非 正 規 職 員 が 21 人 で あ り , χ 2 検 定 の 結 果 , 職 場 内 の 現 任 教 育 の 機 会 の 有 無 について正規職員と非正規職員に関係はなかった. 職 場 外 の 研 修 に つ い て ,「 あ る 」 と 答 え た 者 が 127 人 ( 67.2% ),「 な し 」 と 答 え た 者 が 62 人( 32.8% )で あ っ た . 「 あ る 」と 答 え た 者 の う ち ,正 規 職 員 が 94 人 ( 74.0% ), 非 正 規 職 員 が 33 人 ( 26.0% ) で あ り ,「 な し 」 と 答 え た 者 の う ち , 正 規 職 員 が 32 人 ( 51.6% ), 非 正 規 職 員 が 30 人 ( 48.4% ) で あ っ た . χ 2 検 定 の 結 果 ,職 場 外 の 研 修 の 機 会 に つ い て 正 規 職 員 と 非 正 規 職 員 に 関 係 が み ら れ た ( p < 0.05 ).. -7-.

(9) 3 .訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 信 頼 性 と 妥 当 性 の 検 討 結 果 (表 3) 1) 項 目 分 析 (1)回 答 の 偏 り に つ い て 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 下 位 項 目 33 項 目 の 合 計 得 点 は 831 点 か ら 1128 点 , 平 均 値 は 4.37 点 ( SD±1.04) か ら 5.94 点 ( SD±1.06) で あ っ た .度 数 分 布 で み る と 各 項 目( 以 下 ,項 目 名 を「 」で 表 し ,文 頭 に 項 目 番 号 1~ 33 を つ け る ) の 得 点 の 範 囲 は 1 点 か ら 7 点 で あ っ た . 33 項 目 各 々 の 項 目 に つ い て , 回 答 者 全 員 の 合 計 得 点 数 で み る と , 合 計 得 点 が高い項目は, 「 9.私 は 在 宅 の 看 取 り に は 訪 問 看 護 師 の 力 量 が 発 揮 さ れ る と 思 う 」が 合 計 1128 点 ,平 均 5.94 点( SD±1.06)と 最 も 高 く ,次 に 得 点 が 高 い 項 目 は 「 15. 私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 や 家 族 の 意 思 を 優 先 し , 看 護 を 行 う 」 が 合 計 得 点 1083 点 , 平 均 5.73 点 ( SD±0.75),「 5. 私 は こ れ ま で に 培 っ た 経 験 を 訪 問 看 護 に 活 か し て い る 」が 合 計 得 点 1079 点 ,平 均 5.68 点( SD±1.04), 「 23.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 機 会 が あ れ ば 訪 問 看 護 師 に 同 行 し て 技 術 を 学 ぼ う と 思 う 」 が 合 計 得 点 1077 点 , 平 均 5.62 点 ( SD±1.11) で あ っ た . 合 計 得 点 の 最 も 低 か っ た 項 目 は「 11.私 は 訪 問 看 護 師 と し て ヘ ル パ ー の 力 を 引 き 出 す 」が 合 計 得 点 831 点 ,平 均 4.37 点( SD±1.04),次 に 低 か っ た 項 目 は 「 18.私 は 訪 問 看 護 に 関 す る 学 習 会 に 主 体 的 に 参 加 し て い る 」が 合 計 得 点 846 点 , 平 均 4.48 点 ( SD±1.54), 3 番 目 に 低 か っ た 項 目 は 「 28. 私 は 訪 問 看 護 師 と し て フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト の 力 が あ る と 思 う 」 が 合 計 得 点 856 点 , 平 均 4.53 点 ( SD±1.24) で あ っ た . (2)天 井 効 果 , 床 効 果 33 項 目 に つ い て 天 井 効 果 , フ ロ ア 効 果 を 確 認 し た . 天 井 効 果 と し て , 各 項 目 の 平 均 値 に 標 準 偏 差 値( 1 SD)を 加 え た 値 が 最 大 値 7 を 超 え る 項 目 は な か っ た .床 効 果 と し て ,各 項 目 の 平 均 値 に 標 準 偏 差 値( 1 SD)を 減 じ た 値 が 最 小 値 1未満の項目はなかった. (3)I-T 相 関 分 析 I-T 相 関 分 析 で は ,相 関 を 求 め る 項 目 と そ れ 以 外 の 項 目 に よ る 合 計 得 点 と の 相 関 分 析 を 行 っ た . 33 項 目 す べ て に 正 の 相 関 が み ら れ た . (4)G-P 分 析 G-P 分 析 で は , 合 計 得 点 の 上 位 25% に 含 ま れ る も の を G 群 , 下 位 25% に 含 ま れ る も の を P 群 と し た . G 群 は 合 計 得 点 が 190~ 225 点 の 44 人 で あ っ た . ま た P 群 は 110~ 157 点 の 42 人 で あ っ た .項 目 ご と に 2 群 間 の 平 均 得 点 の 差 の 検 定( t 検 定 )を 行 っ た 結 果 ,全 項 目 と も G 群 は P 群 に 比 べ 有 意 に 得 点 が 高 か っ た ( p < 0.01). (5)項 目 間 相 関 33 項 目 ご と に 相 関 分 析 を 行 っ た . 共 通 性 の 確 認 を 行 い 0.8 以 上 と 因 子 負 荷 量 0.4 以 下 の 5 項 目 を 除 い た 28 項 目 に つ い て 項 目 ご と に 相 関 分 析 を 行 っ た . 結 果 , 項 目 間 の 相 関 係 数 は 0.7 以 下 で あ っ た ( 表 4).. -8-.

(10) 2) 因 子 分 析 ( 表 5) 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 33 項 目 の 因 子 構 造 を 得 る 為 , 探 索 的 因子分析(主因子法,プロマックス回転)を行った. 33 項 目 の 共 通 性 を 確 認 し ,共 通 性 0.3 以 上 ,0.8 以 下 の 項 目 を 採 用 し た .2 項 目( 0.8 以 上 ) 「 3.私 は 訪 問 看 護 の 仕 事 を 生 活 の 手 段 と し て 考 え て い る 」 「 26. 利 用 者 と の 会 話 に は 訪 問 看 護 師 と し て の 自 分 ら し さ が 含 ま れ て い る 」を 削 除 し た. 主 因 子 法 を 用 い た .因 子 数 は 固 有 値 1 以 上 の 基 準 を 設 け ,因 子 分 析( プ ロ マ ッ ク ス 回 転 ) を 行 っ た . 因 子 負 荷 量 が 0.40 以 上 の 項 目 を 採 用 し , 複 数 因 子 に ま た が っ て 因 子 負 荷 量 0.40 以 上 あ る も の は 除 外 し た . 33 項 目 の う ち , 2 因 子 間 に 因 子 負 荷 の 高 か っ た 3 項 目 を 質 問 項 目 か ら 除 外 し た .除 外 し た 項 目 は「 9. 私 は 在 宅 の 看 取 り に は 訪 問 看 護 師 の 力 量 が 発 揮 さ れ る と 思 う 」, 「 17.私 は 求 め ら れ た ら 知 識 や 技 術 を 他 機 関 の 訪 問 看 護 師 に 提 供 す る 」, 「 30.私 は 訪 問 看 護 師 として利用者の心身の変化を予測した観察ができる」である. 上 記 5 項 目 を 除 外 し た 後 の 28 項 目 に つ い て ,再 度 探 索 的 因 子 分 析 を 行 っ た . 結果,6因子が抽出され, その累積寄与率は 58.76%であった. 第 1 因 子 は ,7 項 目 か ら 成 り ,「 8.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 家 族 が 訪 問 看 護 を 選 択 し た こ と を 後 悔 し な い よ う に 関 わ っ て い る 」,「 7. 私 は 利 用 者 の 希 望 す る 看 取 り を 行 っ て い る 」,「 1. 私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 か ら 頼 り に さ れ て い る 」,「 6. 私 は 利 用 者 の 生 活 リ ズ ム や ス ケ ジ ュ ー ル に あ わ せ て 看 護 を 提 供 し て い る 」, 「 2.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 の 人 生 に 関 わ っ て い る 」. 「 5.私 は こ れ ま で に 培 っ た 経 験 を 訪 問 看 護 に 活 か し て い る 」,「 4. 私 は 訪 問 看 護 の 役 割 を わ か り や す く 利 用 者 に 説 明 し て い る 」で 負 荷 量 が 高 か っ た .こ れ は グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー の 中 で 訪 問 看 護 師 が 共 通 に 語 っ て い た 内 容 で あ り ,こ の 7 項 目 の 内 容 を 各 々 の 訪 問 看 護 師 が 強 調 し て 話 し て い た こ と よ り ,自 身 の 訪 問 看 護 に 対 す る思いである訪問看護観を表している内容であると考え, 『自身の訪問看護観』 (以下,因子名を『』で表す)に関する因子と命名した. 第 2 因 子 は , 5 項 目 か ら 成 り ,「 25. 私 は 訪 問 時 の 会 話 を 通 じ て 利 用 者 に 楽 し み を 提 供 し て い る 」, 「 27.私 と の 会 話 を 通 じ て 利 用 者 は 表 情 が 穏 や か に な る 」, 「 19.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 に 安 心 感 を 提 供 し て い る 」, 「 28.私 は 訪 問 看 護 師 と し て フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト の 力 が あ る と 思 う 」等 で 負 荷 量 が 高 か っ た .看 護 技 術 の 中 で も 訪 問 看 護 師 と し て ,利 用 者 や 家 族 と の 会 話 に 重 要 性 を 見 出 し ,療 養 者 に 安 心 感 や 会 話 に よ る 楽 し み を 提 供 す る た め に 訪 問 看 護 師 が 自 分 ら し い 応 答 の 仕 方 を 加 味 し 対 応 し て い る こ と か ら『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関係形成技術』に関する因子と命名した. 第 3 因 子 は 4 項 目 か ら 成 り ,「 21. 私 は 利 用 者 や 家 族 か ら 訪 問 の 依 頼 が あ れ ば す ぐ に 対 応 し て い る 」, 「 20.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 の 治 療 に 関 す る 要 望 を 医 師 に 代 弁 し て い る 」, 「 32.私 は 他 職 種 か ら 利 用 者 に 関 す る 相 談 を 受 け る 」, 「 18.私 は 訪 問 看 護 に 関 す る 学 習 会 に 主 体 的 に 参 加 し て い る 」と い う 項 目 で 負 荷 量 が 高 か っ た .こ れ ら は 訪 問 看 護 師 と し て の 役 割 を 認 識 し た 行 動 で あ り ,そ. -9-.

(11) の基になる療養者や他職種との関係性の構築や訪問看護に関する知識を自ら 学 ぼ う と す る 内 容 で あ る こ と か ら ,『 主 体 的 な 看 護 実 践 』 に 関 す る 因 子 と 命 名 した. 第 4 因 子 は 5 項 目 か ら 成 り ,「 11. 私 は 訪 問 看 護 師 と し て ヘ ル パ ー の 力 を 引 き 出 し て い る 」, 「 33.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 社 会 か ら 必 要 と さ れ て い る と 感 じ る 」, 「 31.私 は 訪 問 看 護 師 は 医 師 や ヘ ル パ ー か ら 求 め ら れ て い る 職 業 で あ る と 思 う 」「 12. 私 は 他 職 種 と 連 携 す る た め に 日 頃 か ら コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と っ て い る 」, 等 で 負 荷 量 が 高 か っ た . 他 職 種 と の 関 係 に お い て , 訪 問 看 護 師 は そ れ ぞ れ の 職 種 を つ な ぐ 橋 渡 し 的 な 存 在 で あ り ,連 携 に お い て も 実 際 の 活 動 と し て中心的な役割を担って活動しているというグループインタビュー時の表現 か ら も 訪 問 看 護 師 の 役 割 を ふ ま え た 自 負 が 感 じ ら れ た こ と よ り ,『 訪 問 看 護 師 としての自負』に関する因子と命名した. 第 5 因子は 4 項目から成り, 「 22.私 は 訪 問 看 護 を 一 生 の 仕 事 と 考 え て い る 」, 「 16.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 機 会 が あ れ ば 訪 問 看 護 に 同 行 し て 技 術 を 学 ぼ う と 思 う 」, 「 23.私 は 訪 問 看 護 は 苦 労 す る こ と も あ る が 楽 し い と 感 じ て い る 」, 「 24. 私 は 勤 務 時 間 外 に 利 用 者 の 看 護 を 考 え て い る 時 が あ る 」, 等 で 負 荷 量 が 高 か っ た .こ れ は 訪 問 看 護 に 楽 し さ を 見 出 し ,訪 問 看 護 師 で あ る 自 分 を 肯 定 し 一 生 の 仕 事 と し て こ の 職 業 を 継 続 し よ う と す る 斉 一 性・連 続 性 を 示 す 内 容 と 考 え , 『職 業への肯定的な認識』に関する因子と命名した. 第 6 因 子 は 3 項 目 か ら 成 り ,「 15. 私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 や 家 族 の 意 思 を 尊 重 し 看 護 を 行 う 」, 「 14.利 用 者 の 話 し た 内 容 を 要 約 し ,利 用 者 の 気 持 ち と ず れ て い な い か 確 認 す る 」, 「 13.私 は 利 用 者 か ら の 質 問 に 対 し ,自 ら 調 べ 返 答 し て い る 」等 で 負 荷 量 が 高 か っ た .こ れ は 単 独 で 訪 問 す る 機 会 の 多 い 訪 問 看 護師であるからこそ対象の思いをきちんと受け止めることができているかと い う 訪 問 看 護 師 で あ る 自 分 へ の 真 摯 な 問 い か け で あ る と と も に ,そ の 根 底 に は 利 用 者 の 尊 厳 を 重 視 し 看 護 を 提 供 し た い と い う 内 容 で あ る こ と か ら『 利 用 者 の 尊厳の尊重』に関する因子と命名した. 3) 妥 当 性 の 検 討 ①内容妥当性の検討 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺 度 ( 33 項 目 ) の 作 成 は 5 年 以 上 の 訪 問看護経験を持つ訪問看護師へのグループインタビューの逐語録から重要ア イ テ ム を 抽 出 し た .内 容 妥 当 性 を 確 保 す る た め に 研 究 者 と 指 導 者 と で 一 致 し た 重 要 ア イ テ ム を 抽 出 し た .次 に 抽 出 し た 重 要 ア イ テ ム に 関 し て ,グ ル ー プ イ ン タビューに応じた訪問看護事業所の所長 3 人と研究者および研究指導者とで 真 実 性 を 確 保 す る た め に 検 討 会 を 持 っ た .さ ら に ,質 的 研 究 を 行 っ て い る 研 究 者 に 専 門 的 視 点 か ら 抽 象 化 の 過 程 の ス ー パ ー バ イ ズ を 受 け ,重 要 ア イ テ ム 236 項目を作成した. ②基準関連妥当性の検討 基 準 関 連 妥 当 性 を 検 討 す る た め に ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 6 因子と企業就業者の職業的アイデンティティ尺度 3 因子との相関を検討した.. - 10 -.

(12) 訪問看護師の職業的アイデンティティ尺度と企業就業者の職業的アイデンテ ィ テ ィ 尺 度 3 因 子 に つ い て 相 関 分 析( Pearson の 積 率 相 関 係 数 )を 算 出 し た( 表 8).訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 の 6 因 子 は ,企 業 就 業 者 の 職 業 的アイデンティティ尺度 3 因子において中程度から弱い正の相関がみられた. ( r = 0.29~ 0.63) そ の 中 で , 第 3 因 子 「 主 体 的 な 看 護 実 践 」, と 相 関 が 弱 か っ た の は「 職 業 的 自 己 喪 失 感 」, 「 職 業 的 な 自 分 ら し さ の 獲 得 感 」,第 4 因 子「 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 」と 相 関 が 弱 か っ た の は「 職 業 的 自 己 喪 失 感 」で あ っ た ( 表 6). ③構成概念妥当性の検討 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 構 成 要 素 は Erikson の ア イ デ ン テ ィ テ ィ 論 か ら 下 位 概 念 と し て「 自 己 信 頼 」 「斉一性」 「連続性」 「自尊感情」 「適 『自身の訪問看護観』 応 感 」1 4 ) を も と に 作 成 し た .抽 出 さ れ た 6 因 子 に つ い て , は 訪 問 看 護 師 で あ る 自 分 の 思 い や 目 標 は ,時 間 的 に あ ま り 変 化 し な い こ と よ り 連 続 性 を 表 す 内 容 と い え る .第 2 因 子『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』は 利 用 者 へ の 援 助 の 中 に 自 分 ら し さ を 反 映 し 利 用 者 と の 援 助 関 係 を 築 く 内 容 と い え 斉 一 性 を 表 す 内 容 と い え る .第 3 因 子『 主 体 的 な 看 護 実 践 』は 訪 問 看 護 へ の や り が い が 含 ま れ る 内 容 で あ り ,訪 問 看 護 を 通 し て の 成 功 体 験 や 達 成 感 が 一 貫 性 と し て 認 識 さ れ 自 尊 感 情 を 形 成 し て い く 内 容 と い え る .第 4 因 子『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 の 変 化 を 予 測 し た ア セ ス メ ン ト が で き る と い う 内 容 か ら 訪 問 看 護 師 と し て の 自 分 を 信 頼 し て い る( 自 己 信 頼 )内 容 と い え る ,第 5 因 子『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』は 訪 問 看 護 師 と し て の 自 分 は 社 会 か ら 必 要 と さ れ る こ と を 自 分 自 身 も 認 識 し ,社 会 か ら も 認 識 さ れ て い る ,と い う 内 容 か ら 自 分 自 身 の 斉 一 性 ,連 続 性 が 職 業 的 な 自 己 の 斉 一 性 ,連 続 性 に 一 致 す る と い う 意 味 で 適 応 感 を 表 す 内 容 と い え る .第 6 因 子『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』は 本 研 究 で は 因 子 構 造 と し て 別 に 抽 出 さ れ ,訪 問 看 護 師 独 自 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 特 徴 と し た .利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 は 訪 問 看 護 観 の 根 底 に あ る も の と い え ,訪 問 看 護 師 は 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 を 意 識 化 顕 在 化 し て い た 利 用 者 の 内 容 と 考 え ら れ る .以 上 の こ と か ら Erikson の ア イ デ ン テ ィ テ ィ 論 の 下位概念と対応しているといえる. 4) 信 頼 性 の 検 討 内的整合性法による信頼性の検討 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 に つ い て ,ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 を 算 出 し た . 28 項 目 全 体 で は ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 = 0.94 で あ っ た . 次 に 6 因 子 毎 に ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 を 算 出 し た .第 1 因 子『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』で は = 0.88, 第 2 因 子 『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』 で は = 0.89 は 第 3 因 子『 主 体 的 な 看 護 実 践 』で は = 0.76,第 4 因 子『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』で は = 0.79,第 5 因 子『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』で は = 0.76,第 6 因 子 『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』 で は = 0.85 で あ っ た . い ず れ の 因 子 も ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 は 0.7 以 上 で あ っ た .. - 11 -.

(13) 5) 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 6 因 子 と 訪 問 看 護 経 験 年 数 と の 関 連 に つ い て ( 表 7) 職 業 経 験 が 5 年 以 上 に な る と 職 業 人 と し て の 自 己 イ メ ー ジ が 定 着 し ,職 業 へ の意欲向上がみられるため,職業への態度が安定すると述べられている. 14). .. そ こ で ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 6 因 子 ご と に ,訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 未 満 の 群 と 訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 以 上 の 群 と の 平 均 値 の 比 較( t 検 定 ) を 行 っ た . そ の 結 果 , 第 2 因 子 『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』, 第 3 因 子 『 主 体 的 な 看 護 実 践 』, 第 4 因 子 『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』 で は 訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 未 満 と 5 年 以 上 の 群 に 有 意 差 が み ら れ た ( p < 0.01). 第 1 因 子『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』,第 5 因 子『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』,第 6 因 子『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』で は 訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 未 満 の 群 と 5 年 以 上 の 群 に 有 意 差はみられなかった. Ⅷ .考 察 1.基本属性 調 査 対 象 者 の 基 本 属 性 を み る と ,調 査 対 象 者 は ,ほ ぼ 女 性 で あ り 平 均 年 齢 は 45.3 歳( SD±8.5)で あ り ,既 婚 者 は 82.6% を 占 め た ,こ ど も の 有 無 に つ い て は , あ り と 答 え た 者 が 86.3% . 全 国 の 訪 問 看 護 事 業 所 を 無 作 為 抽 出 し た 先 行 研究. 20). で は 訪 問 看 護 師 の 平 均 年 齢 は 44.4 歳 ( SD±8), 既 婚 者 は 88.9% で あ. っ た .先 行 研 究 で は 87.5% で あ っ た . 訪 問 看 護 経 験 年 数 は 5 年 未 満 が 57.9% , 先 行 研 究 で は , 6 年 以 下 が 64.7% , 資 格 取 得 で は 看 護 師 の 免 許 を 有 す る 者 が 87.9% ,先 行 研 究 87.3%で あ っ た .勤 務 形 態 で は 常 勤 者 が 66.8% ,非 常 勤 者 が 33.2% で あ り , 先 行 研 究 で は 常 勤 者 が 64.4% , 非 常 勤 者 が 35.6% と ほ ぼ 同 じ 割 合 を 示 し て い た . 職 位 は ス タ ッ フ が 75.8% , 先 行 研 究 に お い て も ス タ ッ フ 79.6%と ほ ぼ 同 様 の 構 成 で あ っ た . こ の こ と よ り 訪 問 看 護 師 を 対 象 に し た 先 行 研究. 18.23). における調査対象者の属性の割合とほぼ同じであるとみなすことが. できる. 以 上 ,本 調 査 の 対 象 者 は 全 国 の 訪 問 看 護 師 の 基 本 属 性 の 実 態 を お お む ね 反 映 していると考えられる. 2.訪問看護師の職業的アイデンティティ尺度の信頼性と妥当性の検討 1 ) 項 目 分 析 ( 表 3) 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 33 項 目 に つ い て , 全 項 目 の 平 均 値 は 5.23±1.09 で あ っ た .項 目 分 析 の 結 果 ,33 項 目 の 平 均 値 に 標 準 偏 差 を 加 え る と 最 大 値 7 を 超 え る 項 目 は な か っ た .し た が っ て ,天 井 効 果 は な か っ た と い え る .次 に 33 項 目 の 平 均 値 に 標 準 偏 差 を 減 じ た 値 は 1 以 下 の 項 目 は な か っ た . したがって床効果もないといえる. I-T 相 関 分 析 で は ,相 関 を 求 め る 項 目 の 得 点 と そ の 項 目 以 外 の 項 目 の 合 計 得 点 と の 相 関 分 析 を 行 っ た . 33 項 目 す べ て に 正 の 相 関 が み ら れ た . こ の こ と よ. - 12 -.

(14) り ,各 項 目 に お い て 得 点 の 高 い 者 は 全 体 の 合 計 得 点 も 高 い と い う 関 係 が あ る と いえる. G-P 分 析 で は ,合 計 得 点 の 上 位 を G 群 ,下 位 を P 群 と し ,項 目 ご と に 2 群 間 の 平 均 得 点 の 差 の 検 定 を 行 っ た .結 果 ,全 項 目 と も G 群 は P 群 に 比 べ 有 意 に 得 点 が 高 か っ た ( p < 0.01). 2 群 間 に 有 意 差 が み ら れ た こ と よ り , 全 項 目 は 合 計得点と適切に対応しているといえる. 項 目 間 の 相 関 分 析 で は , 28 項 項 目 間 の 相 関 係 数 は 0.7 以 下 で あ り , 質 問 項 目 間 に 強 い 相 関 は な く ,そ れ ぞ れ の 質 問 項 目 は 同 じ 意 味 内 容 を 表 し て い な い と い え る ( 表 4). 2)因子分析 主因子法,プロマックス回転による探索的因子分析を 2 回おこなった結果, 固 有 値 1 以 上 の 因 子 が 6 因 子 抽 出 さ れ ,項 目 の 因 子 負 荷 量 は 全 て 0.4 以 上 で あ っ た ( 表 5). 質問紙作成時に使用した訪問看護師の職業的アイデンティティの構成要素 で あ る 11 の 構 成 要 素 の う ち 【 1. 職 務 へ の 責 任 感 】,【 2. 主 体 的 な 看 護 実 践 】 の 項 目 に つ い て は ,因 子 分 析 の 結 果 ,除 外 し た 1 項 目 を 除 き ,全 て の 項 目 が 第 1 因 子 の 『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』 に 含 ま れ て い た ( 表 5). こ の こ と は 訪 問 看 護 師 の 看 護 観 に は ,利 用 者 の 人 生 に 関 わ っ て い る ,利 用 者 か ら 必 要 と さ れ て い る と い う 内 容 が 含 ま れ る よ う に ,自 分 自 身 の 職 務 に 責 任 感 を 持 ち ,臨 ん で い る こ とが看護観に反映されていると考えられる. 第 2 因 子 の 『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』 に は , 11 の 構 成 要 素のうち, 【 9.巧 み な 会 話 の 駆 使 】, 【 10.利 用 者 の 変 化 を 予 測 で き る フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト 力 】の 項 目 が 含 ま れ て い た .訪 問 看 護 技 術 の 中 で も ,会 話 を 重 視 し て ,利 用 者 に 安 心 感 や 会 話 に よ る 楽 し み を 提 供 し て い る 内 容 と 言 え る .会 話 の 中 に 自 分 ら し さ が 含 ま れ て い る と あ る よ う に ,訪 問 看 護 師 で あ る 自 分 と の 重なりを見ることができる項目と考えた. 第 3 因 子 の 『 主 体 的 な 看 護 実 践 』 で は 【 7. 利 用 者 や 家 族 へ の 安 心 の 提 供 】 の 項 目 や 主 体 的 に 学 習 す る と い う 項 目 が 含 ま れ て い た .利 用 者 か ら の 依 頼 や 要 望 が あ れ ば 即 時 に 対 応 す る ,相 談 を 受 け る と い う ,訪 問 看 護 の 実 践 者 の 特 徴 を 表している項目といえる. 第 4 因 子 の 『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』 に は ,【 4.他 職 種 連 携 に よ る 相 乗 効 果 を 意 識 し た 調 整 】, 【 11.社 会 か ら 必 要 と さ れ る 存 在 】の 項 目 が 含 ま れ て い た . 訪問看護師の特徴として,他職種との連携の占める割合は大きい. 24). .他職種. の 職 務 を 理 解 し た う え で ,効 果 的 な 連 携 に つ な が る よ う 日 頃 か ら 意 識 し て 自 分 か ら コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る ,ま た 他 職 種 や 社 会 か ら 自 分 が 必 要 と さ れ て い ることを実感することが,訪問看護師としての自負につながると考えられた. 第 5 因 子『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』に つ い て は , 【 8.訪 問 看 護 師 と し て の 成 長 】や 同 行 訪 問 か ら 訪 問 看 護 技 術 を 学 ぼ う と す る 項 目 が 含 ま れ て い た .こ の こ と は 訪 問 看 護 師 で あ る 自 己 の 看 護 実 践 を 肯 定 的 に と ら え る 内 容 と い え る .訪 問 看 護 を 楽 し い と 感 じ ,一 生 の 仕 事 と 考 え る と い う 内 容 か ら ,斉 一 性・連 続 性 を. - 13 -.

(15) 含む内容であるといえる. 第 6 因 子 『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』 で は 【 5. 利 用 者 の 思 い を か な え る た め の 信 頼 関 係 の 形 成 】の 項 目 が 含 ま れ て い た .利 用 者 や 家 族 の 意 思 を 優 先 し た 看 護 を 行 う ,利 用 者 の 思 い を き ち ん と 聞 け て い る か 確 認 す る と い う 項 目 は ,利 用 者 と の 信 頼 関 係 を 作 る と と も に ,利 用 者 の 尊 厳 を 尊 重 す る と い う 看 護 の 基 本 的 な 考え方が含まれている内容と考えられた. 先行研究. 18). は,医療系学生の職業的アイデンティティ尺度を一部改変して. 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 と し て 20 項 目 を 作 成 し て い た . 因 子 分 析 の 結 果 ,4 因 子 が 抽 出 さ れ 第 1 因 子 は『 社 会 へ の 貢 献 の 志 向 』(α = 0.936), 第 2 因 子 は 『 訪 問 看 護 師 と し て 必 要 と さ れ る こ と へ の 自 負 』( α = 0.922), 第 3 因 子 は 『 自 分 の 訪 問 看 護 観 の 確 立 』( α = 0.948), 第 4 因 子 は 『 訪 問 看 護 師 選 択 へ の 自 信 』 (α = 0.920)で あ っ た . 各 因 子 は ど れ も 5 つ の 項 目 か ら 構 成 さ れていた. 本 研 究 に お い て は ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ と し て 6 因 子 が 抽 出 さ れ て お り , そ の う ち の 第 1 因 子 『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』, 第 4 因 子 『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』に 上 記 の 先 行 研 究 と 同 じ 意 味 内 容 を 表 す 項 目 が あ っ た .第 1 因 子『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』で は ,訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 の 人 生 に 関 わ っ て い る こ と ,利 用 者 か ら 頼 り に さ れ て い る こ と を 認 識 し ,利 用 者 の 状 況 に 合 わ せ て 説 明 を 行 い ,利 用 者 の ス ケ ジ ュ ー ル に 合 わ せ た 看 護 を 提 供 し て い る .看 護 に あ た り ,こ れ ま で の 自 分 の 看 護 経 験 を 踏 ま え ,訪 問 看 護 に 活 用 し て い る こ と よ り ,先 行 研 究 の「 私 は 訪 問 看 護 の あ り 方 に つ い て 自 分 な り の 考 え を も っ て い る と 思 う 」,「 自 分 が ど ん な 訪 問 看 護 を し た い か は っ き り し て い る と 思 っ て い る 」 と い う 項 目 か ら ,内 容 的 に 同 じ 意 味 を 含 ん で い る と い え る .第 2 因 子 の『 自 分 ら し さ を い か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』に つ い て は ,先 行 研 究 の 第 3 因 子『 自 分 の 訪 問 看 護 観 の 確 立 』に 含 ま れ る 項 目 と 内 容 が 一 部 類 似 し て い た .訪 問 看 護 師 と し て ,利 用 者 と の 会 話 を 通 し て 利 用 者 に 楽 し み を 提 供 す る ,会 話 の 内 容 に は 訪 問 看 護 師 と し て の 自 分 ら し さ が ふ く ま れ て お り ,会 話 を 通 じ て 利 用 者 の 表 情 は 穏 や か に な る ,利 用 者 に 安 心 感 を 提 供 し て い る な ど 援 助 関 係 形 成 に 関 す る 内 容 で あ っ た .先 行 研 究 の「 自 分 ら し い 訪 問 看 護 を し て い く こ と が で き る と 思 っ て い る 」と い う 項 目 と 内 容 的 に 同 じ 意 味 を 含 ん で い る .た だ し ,本 研 究 で は 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 の 中 に ,そ こ か ら 得 た 利 用 者 の 反 応 な ど か ら 利用者の心身の変化を予測した観察や通常との相違を判断する内容が含まれ て お り ,訪 問 看 護 師 の 特 徴 を 表 し て い る 内 容 と い え る .第 5 因 子 の『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』は 先 行 研 究 の 第 4 因 子『 訪 問 看 護 師 選 択 へ の 自 信 』に 含 ま れ る 項 目 と 類 似 し て い た .本 研 究 で は 訪 問 看 護 を 楽 し い と 感 じ ,一 生 の 仕 事 と 考 え る .そ の た め 訪 問 看 護 技 術 を 実 践 か ら も 学 ぼ う と す る 内 容 が 含 ま れ て い た .先 行 研 究 か ら も ,「 訪 問 看 護 職 を 生 涯 続 け よ う と 思 う 」,「 訪 問 看 護 以 外 の 仕 事 は 考 え ら れ な い 」な ど 同 じ 意 味 内 容 を 示 し て い る と い え る .第 5 因 子『 主 体 的 な 看 護 実 践 』は 本 研 究 独 自 の 内 容 で あ り ,主 体 的 な 看 護 実 践 が 求 め ら れ る 訪 問 看 護 の 特 徴 を 表 し て い る 内 容 と い え る .訪 問 看 護 第 6 因 子『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』. - 14 -.

(16) は訪問看護師を含む看護職共通の職業的アイデンティティを表す項目といえ る .訪 問 看 護 師 は 利 用 者 宅 で 看 護 を 行 う た め ,こ の 内 容 を 意 識 化 し て い る の で は な い か .そ の た め こ の 内 容 が 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ と し て 顕 在 化 し た と 思 わ れ た .本 研 究 と 先 行 研 究 の 因 子 構 造 と の 比 較 で は 第 1 因 子 ,第 2 因 子 ,第 4 因 子 ,第 5 因 子 の 質 問 項 目 の 内 容 が 共 通 し て いた .第 3 因 子 ,第 6 因子は本研究独自に抽出された.先行研究にある第 1 因子『社会への貢献』 は 本 研 究 で は ,質 問 項 目 は 作 成 さ れ て い な か っ た .た だ し ,グ ル ー プ イ ン タ ビ ューの内容から訪問看護師として地域社会への貢献や看護教育への貢献が発 言されており,この内容について研究者の視点が弱かったためと考える. 3.訪問看護師の職業的アイデンティティ尺度の妥当性の検討 1) 内 容 的 妥 当 性 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺 度 ( 33 項 目 ) の 作 成 に あ た り , 内 容 妥 当 性 を 確 保 す る た め に ,以 下 の 手 順 を 踏 ん で 項 目 の 作 成 を 行 っ た .訪 問 看 護 師へのグループインタビューの逐語録から重要アイテムを抽出する過程にお い て ,研 究 者 と 指 導 者 と で 一 致 し た 重 要 ア イ テ ム を 抽 出 し た .次 に 抽 出 し た 重 要 ア イ テ ム に 関 し て ,グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー に 応 じ た 訪 問 看 護 事 業 所 の 所 長 3 人 と 研 究 者 お よ び 研 究 指 導 者 と で 真 実 性 を 確 保 す る た め に 検 討 会 を 持 っ た .さ ら に ,質 的 研 究 を 行 っ て い る 研 究 者 に 専 門 的 視 点 か ら 抽 象 化 の 過 程 の ス ー パ ー バ イ ズ を 受 け , 重 要 ア イ テ ム 236 項 目 を 作 成 し た . こ の 一 連 の 過 程 か ら 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 尺 度 33 項 目 を 作 成 し た の で , あ る 程 度 の 内 容 妥当性を有していると考える. 2 ) 基 準 関 連 妥 当 性 ( 表 6) 基準関連妥当性の検討として,企業就業者の職業的アイデンティティ尺度 を使用した. 訪問看護師の職業的アイデンティティの 6 因子と企業就業者の職業的アイ デンティティ尺度の 3 因子の合計得点についてそれぞれクロンバックのα係 数 を 算 出 し ,そ れ ぞ れ の 項 目 の 信 頼 性 を 確 認 し た .次 に 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イデンティティ尺度 6 因子と企業就業者の職業的アイデンティティ尺度の 3 因 子 に つ い て 相 関 分 析 を 行 い ,妥 当 性 を 検 討 し た .検 定 は Pearson の 検 定 を 用 い た ( p < 0.05). 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 6 因 子 は 企 業 就 業 者 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 3 因 子 と そ れ ぞ れ に ,弱 い ~ 中 程 度 の 正 の 相 関 が み ら れ た ( r = 0.29~ 0.63). 以 上 の こ と よ り , あ る 程 度 の 基 準 関 連 妥 当 性 が 認められたといえる. 3)構成概念妥当性 結 果 に 述 べ た と お り , Erikson の ア イ デ ン テ ィ テ ィ 論 か ら 下 位 概 念 と し て 「 自 己 信 頼 」「 斉 一 性 」「 連 続 性 」「 自 尊 感 情 」「 適 応 感 」 1 6 ) を も と に 質 問 項 目 を 作 成 し た .抽 出 さ れ た 6 因 子 に つ い て ,そ れ ぞ れ 下 位 概 念 と 対 応 し て い る 内 容 で あ る こ と を 確 認 し た .し た が っ て ,本 尺 度 は 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン ティティを測定していると考える.. - 15 -.

(17) 4.訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 の 信 頼 性 の 検 討 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 に つ い て ,ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 を 算 出 し た . 全 体 で は ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 = 0.94 で あ っ た . 次 に 6 因 子 毎 に ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 を 算 出 し た .各 因 子 に お け る ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 は 第 1 因 子『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』で は = 0.88,第 2 因 子『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』で は = 0.89,第 3 因 子『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』で は = 0.76,第 4 因 子『 職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』で は = 0.79,第 5 因 子『 主 体 的 な 看 護 実 践 』 で は = 0.76, 第 6 因 子 『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』 = 0.85 で あ っ た . い ずれの因子もクロンバックのα係数は高く,尺度の信頼性は高いといえる. た だ し ,今 回 の 調 査 は 1 回 の み で あ り ,同 じ 対 象 者 へ の 再 検 査 に よ る 安 定 性 の 検 証 は で き て い な い こ と か ら ,尺 度 の 安 定 性 に む け て さ ら に 検 討 が 必 要 と な る. 5.訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 6 因 子 と 訪 問 看 護 経 験 年 数 と の 関 連 に つ い て ( 表 7) 先行研究によると職業経験が 5 年以上になると職業人としての自己イメー ジ が 定 着 し ,職 業 へ の 意 欲 向 上 が み ら れ る た め ,職 業 へ の 態 度 が 安 定 す る と 述 べられている. 14). .それを確認するために,本研究の調査対象者を訪問看護経. 験 年 数 5 年 未 満 と 訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 以 上 の 2 群 に 分 け て ,第 1 因 子 か ら 第 6 因 子 ご と に 訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年 未 満 の 群 と 5 年 以 上 の 群 の 平 均 値 の 比 較( t 検定)を行った. そ の 結 果 , 第 2 因 子 『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』, 第 3 因 子 『 主 体 的 な 看 護 実 践 』, 第 4 因 子 『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』 に お い て は , 訪 問看護経験年数 5 年未満と訪問看護経験年数 5 年以上の 2 群の間に有意差がみ ら れ た .第 1 因 子 ,第 5 因 子 ,第 6 因 子 の 3 因 子 に お い て は ,訪 問 看 護 経 験 年 数 5 年未満と訪問看護経験年数 5 年以上の 2 群間に有意差はみられなかった. 第 5 因 子『 主 体 的 な 看 護 実 践 』の 下 位 尺 度 は「 21.私 は 利 用 者 や 家 族 か ら 訪 問 の 依 頼 が あ れ ば す ぐ に 対 応 し て い る 」, 「 20.私 は 訪 問 看 護 師 と し て 利 用 者 の 治 療 に 関 す る 要 望 を 医 師 に 代 弁 し て い る 」, 「 32.私 は 他 職 種 か ら 利 用 者 に 関 す る 相 談 を 受 け る 」, 「 18.私 は 訪 問 看 護 に 関 す る 学 習 会 に 主 体 的 に 参 加 し て い る 」 で あ っ た .言 い 換 え る と 第 5 因 子 は 利 用 者・家 族 ,医 師 を 含 め た 他 の 専 門 職 種 と の 関 係 性 を 表 し て い る 内 容 と い え る .特 に 利 用 者 の 要 望 を 医 師 に 伝 え る ,他 職種から利用者に関して相談を受けるなどの項目は訪問看護師としての看護 の 役 割 が 発 揮 さ れ る 内 容 で あ る .そ の た め 経 験 年 数 に よ る 差 が 生 じ た と 考 え ら れた. 「 21.利 用 者 や 家 族 か ら 訪 問 の 依 頼 が あ れ ば す ぐ に 対 応 す る 」に つ い て , 突 発 的 な 訪 問 依 頼 と し て は 利 用 者 の 症 状 の 変 化 や カ テ ー テ ル 類 の 抜 去 ,医 療 機 器 の ト ラ ブ ル な ど が あ る .適 切 に 対 応 す る た め に は 情 報 収 集 力 や 判 断 力 な ど が よ り 求 め ら れ る .在 宅 療 養 を 支 え る た め に は ,利 用 者 の 状 況 に 応 じ た 臨 機 応 変 な 判 断 や 対 処 能 力 が 求 め ら れ る .こ の こ と は 訪 問 看 護 師 と し て 実 践 力 を 問 わ れ. - 16 -.

(18) る 内 容 で あ り ,訪 問 看 護 経 験 年 数 に よ る 差 が 生 じ た も の と い え る .学 習 会 へ の 参加は,訪問看護に関する知識や在宅医療への理解を深めることにつながる. 関 連 す る 法 規 や 制 度 に つ い て 新 し い 情 報 を 得 る 機 会 で も あ り ,訪 問 看 護 師 と し て 主 体 的 に 行 動 で き る た め の 基 礎 的 知 識 と い え る .経 験 的 に も 利 用 者・家 族 や 他 職 種 と の 関 わ り の な か で ,学 習 会 参 加 の 重 要 性 を 認 識 し て い る た め ,訪 問 看 護経験年数による差が生じたものと考える. 職 業 経 験 が 5 年 以 上 に な る と 職 業 人 と し て の 自 己 イ メ ー ジ が 定 着 し ,職 業 へ の意欲向上がみられる. 14). .看護職において,経験年数が高いほど職業的アイ. デンティティは高くなることが報告されている.先行研究. 18). では,訪問看護. 経 験 年 数 0~ 4 年 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ が 低 く ,10 年 以 上 が 最 も 高 か っ た . 本 研 究 に お い て は , 第 2 因 子 『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』, 第 3 因 子『 主 体 的 な 看 護 実 践 』,第 4 因 子『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』に お い て 5 年 未 満 と 5 年 以 上 の 2 群 間 に 有 意 差 が み ら れ た .5 年 以 上 の 群 で は 看 護 実 践 に お い て ,主 体 的 に 行 動 で き ,訪 問 看 護 師 と し て の 認 識 が 自 覚 さ れ て い る こ と が 考 え ら れ る .就 業 し て 5 年 目 を 境 に 差 が 出 て い る こ と よ り ,本 研 究 は ,先 行 研 究. 14,18). を支持する結果であった.. 以 上 ,本 研 究 で 作 成 し た 訪 問 看 護 師 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 尺 度 は 訪 問 看 護 経 験年数 5 年を境とした場合に差がみられることからも内容妥当性があると考 えられる. Ⅶ .研 究 の 限 界 本 調 査 の 対 象 は A 県 内 の 41 事 業 所 の 訪 問 看 護 師 を 対 象 と し た も の で あ り , 一般化するにはさらに検討を要する. 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 の 信 頼 性 の 検 討 と し て ,項 目 分 析 , 探 索 的 因 子 分 析 を 行 い ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 を 算 出 し た .妥 当 性 の 検 討 と し て , 内 容 的 妥 当 性 の 検 討 と 基 準 関 連 妥 当 性 の 検 討 を 行 っ た .以 上 の こ と よ り ,一 定 の 信 頼 性・妥 当 性 の あ る こ と を 確 認 し た .し か し ,再 テ ス ト 法 に よ る 安 定 性 の 検 討 お よ び 確 証 的 因 子 分 析 は 今 回 の 研 究 で は 行 っ て お ら ず ,今 後 の 課 題 で あ る . 今 後 ,一 般 化 に 向 け た 尺 度 に す る た め ,調 査 対 象 の 範 囲 を 広 げ ,項 目 を 精 選 し信頼性・妥当性を検討することで,尺度の精度を上げていく必要がある. Ⅷ .結 論 因 子 分 析 の 結 果 ,訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 構 成 要 素 と し て 6 因 子 を 抽 出 し た .訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ は『 自 身 の 訪 問 看 護 観 』, 『 自 分 ら し さ を 活 か し た 援 助 関 係 形 成 技 術 』, 『 訪 問 看 護 師 と し て の 自 負 』, 『職 業 へ の 肯 定 的 な 認 識 』,『 主 体 的 な 看 護 実 践 』,『 利 用 者 の 尊 厳 の 尊 重 』. か ら 構 成 さ れ る .6 因 子 は 各 々 7 項 目 か ら 3 項 目 で 構 成 さ れ ,合 計 28 項 目 か ら 成 る . 信 頼 性・妥 当 性 の 確 認 を 行 っ た と こ ろ ,あ る 程 度 の 信 頼 性・妥 当 性 を 有 す る こ. - 17 -.

(19) とを確認した. 以 上 の こ と か ら ,本 研 究 で 作 成 し た 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 尺 度 は 訪 問 看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 測 定 す る 測 度 と し て ,使 用 す る こ とは可能である. 謝辞 本 研 究 に あ た り ,多 忙 な 業 務 の 中 ,調 査 に ご 協 力 く だ さ い ま し た 訪 問 看 護 師 の皆様および訪問看護師の職業的アイデンティティ尺度作成のためご指導い ただきました皆様に御礼申し上げます. な お ,本 研 究 は 公 益 財 団 法 人 在 宅 医 療 助 成 勇 美 記 念 財 団 の 平 成 25 年 度 研 究 助 成 を受けて実施しました.. 引用文献 1)日 本 看 護 協 会 編 : 日 本 看 護 協 会 が 推 進 す る 「 在 宅 医 療 ・ 訪 問 看 護 」 の 方 向 性 ,15-28.平 成 23 年 度 版 看 護 白 書 ,日 本 看 護 協 会 出 版 会 ,2011. 2)日 本 看 護 協 会 編 : 訪 問 看 護 に 関 す る 基 礎 デ ー タ .平 成 23 年 度 版 看 護 白 書 ,日 本 看 護 協 会 出 版 会 ,172-182,2011. 3)田 口 敦 子 ,永 田 智 子 ,成 瀬. 昂 他:訪 問 看 護 の 潜 在 ニ ー ズ を 含 め た ニ ー ズ の 集. 計 ,厚 生 の 指 標 ,59(4),16-22,2012. 4)日 本 看 護 協 会:訪 問 看 護 事 業 所 数 の 減 少 要 因 の 分 析 及 び 対 応 策 の あ り 方 に 関 す る 調 査 研 究 事 業 ,平 成 19 年 度 研 究 報 告 書 ,153-164,2008. 3)武 田 彩 子 ,岡 本 有 子 ,葛 西 好 美 他:訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン 管 理 者 の 離 職 意 向 に 関 連 す る 要 因 ,日 本 在 宅 ケ ア 学 会 誌 ,13(1),38-45,2009. 4)光 本 い づ み ,松 下 年 子 ,大 浦 ゆ う 子 :訪 問 看 護 師 の 仕 事 負 担 感 や 就 業 継 続 意 思 と 業 務 特 性 と の 関 連 ,産 業 医 科 大 学 雑 誌 ,30(2),185-196,2008. 5)高 瀬 美 由 紀 ,寺 岡 幸 子 ,宮 腰 由 紀 子 他:看 護 実 践 能 力 に 関 す る 概 念 分 析:国 外 文 献 の レ ビ ュ ー を 通 し て ,日 本 看 護 研 究 会 ,34(4),103-109,2011. 6)松 井 妙 子 ,岡 田 進 一 : 大 阪 府 内 の 訪 問 看 護 職 の burnout に 関 連 す る 要 因. 利. 用 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 と 職 務 環 境 を 中 心 に ,日 本 在 宅 ケ ア 学 会 誌 ,7(1),40-48,2003. 7)グ レ ッ グ 美 鈴:看 護 師 の 職 業 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 関 す る 中 範 囲 理 論 の 構 築 , 看 護 研 究 ,35(3),2-9,2002. 8)Hogston,R.:Nurses perceptions of the impact of continuing professional education on the quality of the nursing care,Journal of Advanced Nursing,22,586-593,1995. 9) Fagermoen,M.S.:Professional identity: Values embedded inmeaningful. - 18 -.

参照

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