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食に対する行動および態度に及ぼす正負感情の影響

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Academic year: 2021

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食に対する行動および態度に及ぼす正負感情の影響

学校教育専攻 人間形成コース 西 本 撞 キーグ~ f": 企庁嘉手 JEd康 法 王 丸 野 修 はじめに 人間が生命活動を維持していくうえで,睡眠 ・覚醒・呼吸と並ぶ重要な営みが食事である. この食が阻害された場合,身体的にも精神的に も 疾 患 を 招 く 可 能 性 の あ る こ と が 示 さ れ て い る.意図的・意識的に行われる食行動がこのよ うな問題を含んでいるならば,食を阻害する要 因について検討する必要があることが考えられ る.これまで,感情的摂食が日本人の青年男女 の食行動において特徴的であることが示されて おり(今回, 1994), 特 に 過 食 と い う 形 の 阻 害 においては負の感情との関連が注目されてきた

(e.g., Ganley, 1989 ; Blair, Lewis, & Booth, 1990 ; Kenardy, Butler, Carter, & Moor, 2000 Stice, Agras, Telch, Halmi, Mitchell, & Wilson, 2001) . だが,負の感情との関連だけでなく,正の感情 と食との関連について検討する必要性も示唆さ れている (Ganley,1989).そこで,負感情の影 響だけでなく,正感情とも併せ,感情が食に対 する行動および態度に及ぼす影響について縦断 的に質問紙調査を行い検討することを本研究の 目的とした. 方 法 調査対象者 大学生計 270名 ( 男 性 137名, 女性 133名)を対象とした. 調 査 材 料 食 に 関 す る 質 問 紙 と し て , 指 導 教 員 山 崎 勝 之 Johnson, Wardle,

&

Griffith (2002)のチェックリス トと Rozin,Bauer, & Catanese (2003)の質問項目 を参考に,感情には言及しないことに考慮し, 調査実施前 2週間の摂食に対する態度および行 動について尋ねる,全 30項目からなる質問紙 を作成し,用いた.回答は各項目に対し“全く 当てはまらなしい、" “あまり当てはまらない “どちらともいえない"ぺ,“だだ、いたい当てはま る"ぺ,“非常によく当てはまる"¥,の 5件法でで、求 め た . 正 負 感 情 を 測 定 す る 質 問 紙 と し て , Watson, Clark, & Tellegen(1988)によって作成さ れた 20項目からなる the Positive and Negative Affect Schedule (pANAS) の日本語版(佐藤・ 安田, 2001)を用い,調査実施前 2週間の正負 感情の測定を行った.回答選択肢は,“1.全 く 当 て は ま ら な い “2.当てはまらない'¥“ 3. ど ち ら か と い え ば 当 て は ま ら な い " “

4

.

どち らかといえば当てはまる"“

5

.

当てはまる “6. 非 常 に よ く 当 て は ま る の 6件法であっ た.分析には日本語版の標準化項目に従い,正 感 情 (positive affect) 8項目と負感情 (negative affect) 8項目を用い,得点化を行った. 手続き 大学の講義時間を利用し, 3週間の 間隔で縦断的に,質問紙の集団実施を行った. 1 回の調査における回答時聞は約 15分間であっ た.

。 。

(2)

結果および考察 食に対する行動および態度に関する質問紙の 因子構造を検討するため,主因子法・パリマッ クス回転による因子分析を行った.その結果, 最終的に 2因子が抽出され,第一因子 7項目を “体型考慮、ぺ第二因子 7項目を“健康考慮" とし,以降の分析に用いた.体型考慮、と健康考 慮の相関を検討するため,ピアソンの相関係数 を算出したが,男女ともに有意な相関関係は示 されなかった(男性 ;r .059, 女 性 ,r .062) . 確 証 的 因 子 分 析 を 実 施 し た 結 果 , 男 女 とも直交モデ、ルが支持され,両因子には相関が ないことが確認された.食行動に関する質問紙 の 因 子 ご と に 回 目 の 回 答 に つ い て 男 女 別 で 平均値,中央値,標準偏差,歪度,尖度をそれ ぞれ算出した結果 正規分布からの歪みが小さ いことが示された.またそれぞれの因子の男女 差について検討した結果,両因子とも有意差が 見られ,体型考慮では女性が有意に高く (t= -8.34,pく.01),健康考慮、では男性が有意に高か った (t= 2.15, Pく.01). Cronbachの α係数を 算出した結果,体型考慮で .797~.844 ,健康考 慮で .709~ .716と高い値を示したことから,十 分な内的整合性が確認された.2回にわたって 実施された食に関する質問紙の因子ごとに,男 女別でピアソンの相関係数を算出した結果,男 女 と も 両 因 子 で い ず れ も 有 意 な 高 い 値 が 得 ら れ,食行動に関する質問紙の各因子はそれぞれ 信頼性を持つことが示された.以上のことから, 食行動に関する質問紙の因子的妥当性,内的整 合性,ならびに正規性がほぼ確認されたことが 示された.次に,因子分析により抽出された体 型考慮と健康考慮、について正感情と負感情が及 ぼす影響を検討するため,階層的重回帰分析を 行った.その結果,男性と女性において,正感 情・負感情とも後の体型考慮・健康考慮、の両方 に影響を及ぼさないことが示された.そこで, 1 回目の調査結果のみで正感情,負感情の食への 影響の検討を試みるため,重回帰分析を行った. その結果,女性において体型考慮を従属変数と した場合,負感情の影響のみが有意で、あった. 重回帰分析においても正感情の影響は見られな かった.本研究の結果より,負の感情を感じて いる女性ほど,体型を気にしながら食事をとっ ていることが考えられる.また 男性において は健康考慮を従属変数とした場合,重決定係数 が有意ではなかったものの 負の感情の影響が 有意であり,負の感情を感じていない時ほど健 康に考慮した食行動および態度をとっている可 能性が示された. 結論と今後の課題 本研究においても 正感情よりも負感情の方 が食に対する行動及び態度に影響しやすいこと が示唆された. 本研究の問題点としては,方法論的な問題が 三点挙げられる.まず一点目は,食行動および 態度に関する質問紙作成の問題.質問項目の選 定,回答選択肢を実際に行った回数に変更する など,改善が必要と思われれる.二点目は,実 施した 2回の調査の間隔の短さである.正感情 の影響が見られなかったのは,調査間隔が 3週 間という短さであったことが考えられる.三点 目は,調査対象の期間の長さである.特に感情 に対して回答する場合,‘ここ 2週間'では長 いことが考えられる. 今後の課題としては,これら三点の問題を改 善し検討を重ねることが考えられる.この点を ふまえ,食に及ぼす感情の影響についてのさら なる検討が望まれる. Q d t i

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