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中国の野菜「開発輸出」による「農業産業化」に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

中国の野菜「開発輸出」による「農業産業化」に関する研

究( 内容の要旨 )

Author(s)

呉, 雪峰

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第374号

Issue Date

2005-03-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2715

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本掴)籍) 学 位 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 呉 雪 峰 (中華人民共和国) 博士(農学) 農博甲第374号 平成17年3月14日 学位規則第4粂第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 岐阜大学 中国の野菜「開発輸出」による「農業産業化」に 関する研究 主査 岐阜大学 教 授 今 井 副査 岐阜大学 教 授 安 部 副査 信州大学 教 授 佐々木 副査 静岡大学 教 授 小 嶋 健 浮 隆 雄 睦 論 文 の 内 容 の 要 旨 本論文は、1980年代後半から開始された中国から日本への野菜「開発輸入」 に閲し、今日までのその展開過程と実態を中国における最大の野菜産地の山東 省の日本ネギ輸出を対象とて調査し」中国における野菜「開発輸入」が中国の 「農業産業化」における「開発輸出」への転化の過程として、実証的に検討し た。 中国の農業は労働力が多い反面、耕地面積が少なく、農民の所得を上げるた めに農業労働力の有効利用は中国農業の重大な課題である。そのために、1980 年代末から中国政府は農業産業構造の調整を始め、畜産、野菜などの労働密集 型産業を優先的に発展する政策が打ち出し、その結果、1990年代には畜産、 野菜などの生産量は大幅に増加してきた。中国の農産物輸出戦略のもとで輸出 野菜産地が形成され、1990年代に中国の改革開放政策の拡大及び畜産、野菜 など農産物の増加に伴い、農産物輸出の拡大の契機となり、中国は畜産、野菜 など農産物の輸出戦略を確立し、生産、輸出の支援政策を実施した。そのもと で山東省を中心とし上海市、広東省などで広大な輸出向け野菜産地が形成され た。

(3)

-110-山東省安丘市における日本ネギの「開発輸入」を対象として野菜「開発輸入」

システムの展開退転を実証的に分析した。日本ネギの「開発輸入」には「導入

期」、「拡大期」、「再編期」3つの段階に分けられる。「導入期」には日本企業 が新技術や経営方法を提供して主導的な役割を果たし、中国企業は土地や労働 力資源を提供して生産・加工・貿易の「開発輸入」システムが形成された。「拡 大期」には、「開発輸入」関係企業の独占的状況が、日本ネギの生産拡大と参 入企業の急増によって破られ、供給過剰は価格低下や貿易量の制限だけでなく、

品質管理問題を引き起こした○しかしこの混乱した過程において、日本ネギ生

産の拡大が中国国内の生産技術の向上・普及に貢献し、また輸出価格の暴落が

ぁらたな中国国内市場の形成を促進した。丁再編期」には生産数量の調整が輸 出と国内市場との間でなされるようになったことや、、生産と凝営管理技術の向 上のもとで自立的な生産の組織化が進んだことなどに段階的な差異を見るこ とができる。同時に野菜「開発輸入」システムの転換によって、日中両国間の 品質管理基準の統一を促進し、生産と需要のバランスが国を超えて調整される ようになった。日本ネギの「開発輸入」は3つの発展段階を経て、相対的に安 定的な生産・加工・流通システムが形成されてきたといえる。また野菜「開発 輸入」には農産物の加工・流通を業務とする合作企業を核とする一元的システ ムの形成が、農業生産の構造改革や市場の形成と近代化を目的とした「農業産 業化」の1形態として有効であることを示している。

っぎに中国の「農業産業化」発源地と言われる山東省維坊市を対琴とレて野

菜「開発輸出」と「農業産業化」の関係を分析した。山東省維坊市を対象とし、 「農業産業化」の展開過程及び野菜「開発輸出」との関係を実証的に分析し、 野菜「開発輸出」は「農業産業化」を促進したと明らかにした。 輸出向けネギ生産農家の経営分析については、山東省青洲市の日本ネギ生産 農家を対象とし、輸出向け野菜生産農家の経営状況を検討した。輸出向けネギ 生産農家は普通農家と比べ、二つの特徴があることを明らかにした。一つは労

働者の教育レベルが高く、そのため、輸出向けネギ生産農家は科学技術や市場

の情報を受けやすい。二つは機械や施設等の投資が多く生産手段の高度化が進 んでいる。輸出向け農家には優良品種の受け入れやビニールハウスなどの先進 的な生産手段があるため」生産力が一層高く、経営規模は拡大の傾向にある。 輸出向けネギ生産農家では以上の生産条件があることが、輸出向けネギを生産

できるポイントと考えられる。本研究では25戸の輸出向けネギ生産農家の経

営分析を通じて、輸出向けネギ生産は穀物、普通野菜生産より土地生産性、労

働生産性、資本生産性がいずれも高いことを明らかにした。

(4)

以上のように本研究で主に明らかにした点は次の通りである。第1に、農村 労働力が多い、耕地面積が少ないと言う実情の中国農業としては畜産、野菜な どの労働密集型農産物の輸出は中国の農業近代化に役に立つと考えられる。第 2に、日本の野菜「開発輸入」には日本の商社は野菜生産資本金、生産資材、 生産技術などを中国へ提供したため、中国の野菜「開発輸出」の先導的役割を 果たし、中国の野菜輸出の拡大を促進したといえる。第3に、中国の野菜「開 発輸出」には分散、零細な野菜栽培農家は契約の型で食品貿易企業と結びつけ、 中国の食品貿易会社は野菜栽培、加工、国内流通及び輸出など一元的組織にな り、中国の「農業産業化」の1つ形態として位置付けるようになった。 審 査 結 果 の 要 旨

本研究では、1980年代後半から開始された中国から日本への野菜「開発輸入」に

閲し、今日までのその展開過程と実態を中国における最大の野菜産地である山東省の

日本ネギ輸出を対象とて調査し、中国における野菜「開発輸入」が「農業産業化」に

おける「開発輸出」へ転化する過程を実証的に研究したものである。

現在、中国の経済と社会の近代化のために農業の近代化は最重要課題となってい

る。1980年代未から中国政府は農業産業構造の調整に取り組み、1990年代たは畜産、

野菜など労働密集型産業の生産量は大幅に増加してきた。このような実績をもとにし

て輸出野菜産地が形成され、1990年代に中国では畜産や野菜など農産物の輸出戦略

が確立し、農業の廼代化の1つの核となっていると考えられる。

本給文では、第1に、山東省安丘市笹おける日本ネギの咽発輸入」を対象として「導

入期」、噸大期」、「再編期」3つの段階に分けて、野菜「開発輸入」システムの展開

過程を実証的に分析している。「導入期」には日本企業が新技術や経営方法を提供し

て主導的な役割を果たし、生産・加工・貿易の「開発輸入」システムが形成された。 「拡大期」に軋「開発輸入」関係企業の独占的状況が破られ、供給過剰は価格低下 や貿易量の制限だけでなく品質管理問題を引き起こしたが、この混乱した過程にお いて、日本ネギ生産の拡大が中国国内の生産技術の向上・普及に貢献し、また輸出 価格の暴落があちたな中国国内市場の形成を促進した。そして「再編期」には生産 数量の調整が輸出と国内市場との間でなされるようになったことや、生産と経営管 理技術の向上のもとで自立的な生産の組織化が進んだことなどに、段階的な差異を 見ることができるとしている。このような野菜「開発輸入」の展開過程で農産物の 加工・流通を主業務とする合作企業を核とする一元的システムが形成され、このよ

うな企業が農業生産の構造改革や市場の形成と近代化を目的とした「農業産業化」

の1形態として有効であることを示した。 -112-一一一■ ■ ニ ー■一 ∵

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第2に、中国の「農業産業化」には地域の農業の展開形態の相違により、輸出企

業主導型、国有企業主導型、農民組織主導型など異なったタイプがあることを明らか

にした。そして具体的な事例としては、山東省維坊市を対象として野菜「開発輸出」 と「農業産業化」の関係について分析し、野菜「開発輸出」が「農業産業化」を促進 したことを明らかにした。

第3に、輸出向けネギ生産農家の経営について、山菜省青洲市の日本ネギ生産農

家を対象として検討し、25戸の輸出向けネギ生産農家の経営分析をもとにて、輸出

向けネギ生産は優良品種の受け入れやビニールハウスなどの先進的な生産手段があ

るため、穀物、普通野菜生産より土地生産性、労働生産性、資本生産性がいずれも高

く、経営規模は拡大の傾向にあることを明らかにした。さらに、輸出向けネギ生産農

家は普通農家と比較し、一つは労働者の教育レベルが高く、そのため、輸出向けネギ

生産農家は科学技術や市場の情報を受けやすい。二つは機械や施設等の投資が多く生

産手段の高度化が進んでいるという特質があることを解明した。 以上のように本研究では、「開発輸入」の展開過程を3つの段階に分けて分析する ことにより、「開発輸入」が中国の企業が中心となった「開発輸出」に発展してきた

歴史的過程を論理的に明らかにしたこと、そして輸出向けネギ生産に取り組む農業経

営の優位性を経済鱒に解明したことは、「農業産業化」の理論を実証的に解明した研

究成果として高く評価される。 以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位

論文として十分価値あ'るものと認めた。

学位論文の基礎と寧る学術論文は以下の通りである。

1.星星蜂、原任利、李豊、荒井聡、今井健

中国における輸出向けネギ生産農家の 経営分析-LLl東省青州市のⅠく村を対象として-、農業・食料経済研究50・2、P21-31、 2004

2.墓室蜂、今井健

中国における野菜「開発輸入」システムの展開過程一輪出向け

日本ネギを対象として-、農業市場研究14・1、2005.6.発刊予定(論文掲載受理 2005.1.13.)

参照

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