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C言語ベースのシステムレベル設計ツールの試作-設計詳細化フローにおける形式的等価性検証機能とその適用-

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Academic year: 2021

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C 言語ベースのシステムレベル設計ツールの試作

−設計詳細化フローにおける形式的等価性検証機能とその適用− 西原雄次 小池輝昌 山本徹也 辻政信 宇宙航空研究開発機構 情報・計算工学センター 1.はじめに 近年,宇宙機の高度化に伴い,宇宙用電子機器 は,高機能化,複雑化の傾向にある.それらを高 品質,短期開発の要求を満足して開発するために は,多くの課題がある.その為に,我々は,ハー ドウェア(HW)/ソフトウェア(SW)協調設計により, デジタル電子機器の仕様レベル記述から,段階的 な設計詳細化を繰り返しながら,HW/SW 分割や協調 検証,MPU 実装コード/RTL(Register Transter Level)コード生成までを一貫してサポートする C 言 語 ベ ー ス の シ ス テ ム レ ベ ル 設 計 ツ ー ル (ELEGANT[1])を試作した.ここで問題となるのが, 設計詳細化前後の等価性や,同一レベルのモデル の書き換え前後の等価性をいかに保証するかであ る.そこで我々は,形式的な手法により,並列動 作するハードウェアを含んだシステムの設計詳細 化前後の等価性を検証する機能を試作した.本発 表では,形式的等価性検証機能の概要と,デジタ ル電子機器設計に適用した結果について報告する. 2.ELEGANT システム概要と設計詳細化機能 2.1 ELEGANT システム概要

ELEGANT の設計対象は,MPU1 個と FPGA 数個から 構成されるデジタル回路である. ユーザから ELEGANT への入力は,仕様モデルであ る.仕様モデルとは,HW/SW に依存しない,設計対 象のアルゴリズム・機能を SpecC 言語[2]で記述し たモデルである.SpecC 言語とは,C 言語の拡張言 語で,HW の並列動作などを記述可能な言語である. 具体的には,ビヘイビア構成,ビヘイビアの動作, ビヘイビア間の通信,外部システムの動作モデル (テストベンチ)などを定義する.ビヘイビアとは, モデルの基本となる機能単位のことである. そして,その仕様モデルをもとに,段階的な設 計詳細化を繰り返しながら,HW/SW 分割や協調検証, MPU 実装コード/RTL コード生成までを行う. 2.2 ELEGANT 設計詳細化フロー 図 1 に設計詳細化フローの概要を示す.仕様モ デルの各部分を,設計詳細化サブシステムのライ ブラリに登録された設計部品に置き換えることに より,アーキテクチャ構造と HW/SW の配分を決定 したアーキテクチャモデルを作成する.ライブラ リには現在,宇宙用 MPU,FPGA,メモリ等の設計部 品が用意されている. その次に,バスのアドレスおよびプロトコルを 決定し,バスモデルを付加した通信モデルを,設 計詳細化サブシステムの GUI を使って作成する. また,必要であれば,ユーザが各モデルの SpecC コードに手修正を加えることができる. なお,今回は,仕様モデル作成,仕様モデル記 述変更,設計詳細化によるアーキテクチャモデル 生成という流れで設計を進め,適用例として,以 下の組合せで等価性検証を行った. ・記述変更前仕様モデル−記述変更後仕様モデル ・仕様モデル−アーキテクチャモデル 図 1 設計詳細化機能 3.形式的等価性検証機能 ELEGANT では,設計詳細化前後のモデル間での等 価性を保証する為に,設計詳細化機能を用いて生 成された各モデル間での等価性の検証を行う形式 的等価性検証機能を有する.具体的には,同一レ ベルの 2 つのモデルの等価性,および隣接するレ ベルの 2 つのモデルの等価性の検証が可能である. 形式的等価性検証機能における,等価性の定義, 等価性検証アルゴリズムを以下に示す. 3.1 等価性の定義 並列動作などを記述可能な SpecC 言語で記述さ れたモデルの等価性検証に当たっては,まず対象 となる 2 つのモデルの入出力ポートの対応をとる. 2 つのモデルの対応する入力ポートに同じタイミン グ,順序で任意の値やイベントが印加されたとき に,2 つのモデルの対応する出力ポートから同じタ イミング,順序で値やイベントが観測されるとき, 2 つのモデルが等価であると定義する.なお,検証 すべき出力ポートの値の比較を行うタイミングは, SpecC 言語で規定されているシミュレーションの抽 象的アルゴリズムに基づいて,ELEGANT で定義した 4 つの方式から,ユーザ側で選択が可能となってい る.タイミングの方式は,複数ステップから構成 されるシミュレーション実行の比較対照ステップ (イベントによる同期ステップ,時刻による同期ス テップ),および比較条件(変化の順番,時間間隔) の組み合わせで分類される. ※各モデルは全て SpecC 言語

C-Based System Level Design Tool:

Formal Verification for System Level Design. Yuji Nishihara,Terumasa Koike,Tetsuya Yamamoto,and Masanobu Tsuji.

JAXA’s Engineering Digital Innovation Center.

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図 7 検証結果 3.2 等価性検証アルゴリズム

図 2 に等価性検証アルゴリズムを示す. まず,前処理として,検証対象である 2 つのモ デル間でのビヘイビアおよびポートの対応をとり, 次 に , PEN の 生 成 を 行 う . PEN と は Potential Equivalent Node pair の略で,2 つのモデル内部 において等価である可能性がある変数の組である. そして,PEN を利用し,モデルから部分回路に相当 する演算式を切り出し,切り出された 2 つの演算 式が等価であるかどうかを記号シミュレーション により検証する.以後,その処理を繰り返す. 図 2 等価性検証アルゴリズム 4.適用例 以下に形式的検証機能を用いた等価性検証の適 用例とその結果を示す. 4.1 記述変更前仕様モデル-記述変更後仕様モデル 設計対象のアルゴリズム・機能を SpecC 言語で 記述した仕様モデル(図 3)の記述変更前後の等価性 検証を行った.なお,このモデルでは,ビヘイビ ア B1,B2,B3 は並列に動作しており,それぞれは, チャネルと呼ばれる通信部品でデータを受け渡す タイミングの同期をとっている. 図 3 仕様モデル 記述変更では,図 4 のように,順次実行してい る独立した処理を並列実行処理にするために,B3 ビヘイビアを B3_1・B3_2 ビヘイビアへ分割した. 図 4 記述変更後仕様モデル イベントによる同期ステップで,検証モデル間 で対応する各ビヘイビアの出力ポートの値のサン プリングを行う方式で等価性検証を行った.その 結果,仕様モデルに前述の記述変更を加えた前後 での等価性が確認できた. 図 5 に,検証モデルを指定し,処理を実行する 操作画面と検証結果を示す. 図 5 操作画面と検証結果 4.2 仕様モデル-アーキテクチャモデル 仕様モデルと,設計詳細化で作成した,アーキ テクチャ構造と HW/SW の配分を決定したアーキテ クチャモデル(図 6)の等価性検証を行った. 図 6 アーキテクチャモデル 図 7 の検証結果に示 すように,仕様モデル と,設計詳細化により, アーキテクチャ構造に 関する記述が追加され たアーキテクチャモデ ルとの間での等価性が 確認できた. 5.まとめと今後の課題 C 言語ベースのシステムレベル設計ツールと,そ の設計詳細化機能で生成された各モデル間での等 価性を保証する為の形式的等価性検証機能につい て報告した.また試作したツールが,HW/SW 協調の システムレベル設計において,並列言語で記述さ れたモデルの等価性検証に活用できることを示し た.今後の課題として,処理時間の高速化があり, 内部処理やアルゴリズムの最適化を行う. 参考文献 [1] 山本徹也,西原雄次,小池輝昌,辻政信: C 言語ベー スのシステムレベル設計ツールの試作−宇宙用デジ タル電子機器設計への適用−,情報処理学会第 69 回全国大会,2007 年 3 月

[2] Daniel D.Gajski et al.著 木下常雄 他訳:SpecC 仕様記述 言語と方法論,CQ 出版社 C1 C2 C3 v1 B1 B_FPGA1 B2 B_MPU B_FPGA2 B_SRAM C4 C5 B3_1 B3_2 B3 B1 B2 B3 C C2 C3 v1 C4 C5 : v1[0] += 500; : : cmd += 500; : B3_1 B3_2 B1 B2 B3 C1 C2 C3 v1 チャネル(通信) ビヘイビア(演算) 共有変数 (通信) (C2 で同期) : v1[0] += 500; cmd += 500; : (C3 で同期)

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情報処理学会第69回全国大会

図 7 検証結果 3.2 等価性検証アルゴリズム 

参照

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