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段階的開発指向型組織におけるソフトウェアプロダクトライン開発の適用

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 73 回全国大会. 5A-5. 段階的開発指向型組織における ソフトウェアプロダクトライン開発の適用 明神智之† †. 1. 深谷直彦 †. 小川秀人 †. 株式会社日立製作所 中央研究所. のため、開発初期段階において製品系列に対し て製品毎のシステム仕様を明確化できない。そ 組込みソフトウェア開発の大規模化や開発期 のため、Proactive アプローチを採用することは難 間の短縮が進む中、ソフトウェア開発のコスト しく、Reactive アプローチをとった場合には、後 削減と品質向上のためにはソフトウェアの再利 から決定したシステム仕様によって、ソフトウ 用が必須となっている。組込みソフトウェアを ェア 資産に変更 が生じる 懸念がある 。 また、 再利用するために、複数製品にわたって、組織 Extractive アプローチはベースラインとなる既存 的、計画的に構築したソフトウェア資産を再利 の製品が必要である。 用することによってソフトウェアの生産性を高 そこで、本研究では段階的開発指向型組織に め る ソ フ ト ウ ェ ア プ ロ ダ ク ト ラ イ ン (SPL: 対して有効な SPL 適用アプローチを提案する。 Software Product Line)と呼ばれる開発手法が提唱 まず、Proactive アプローチに則り、開発初期段階 されている。 において判明しているシステム仕様を基にして、 しかしながら、開発初期段階において製品系 列に対して製品毎のシステム仕様を明確化せず、 ソフトウェア資産を構築する。次に、Reactive ア プローチに則り、ソフトウェア資産を変更する 段階的に製品開発を行う組織では、SPL による計 ことなく再利用するためのソフトウェア資産の 画的なソフトウェア資産の構築が困難となる。 運用プロセスを定義し、運用プロセスにしたが そのため、ソフトウェア資産の再利用性が低下 って開発を行う。このように、Proactive アプロー し、開発コストが増加するという問題がある。 チと Reactive アプローチを併用することによって 本研究ではこのような、段階的に製品開発を行 SPL の適用を実現する。 う組織を段階的開発指向型組織と呼ぶ。 このような問題を解決するために、本研究で 3 SPL 適用試行 は、最初に、段階的開発指向型組織に対する最 SPL 適用試行対象システム 適な SPL 適用アプローチの検討を行った。次に、 3.1 本研究で提案した SPL 適用アプローチにした 検討した適用アプローチにしたがって、適用試 がって、実際の開発に SPL の適用を試行した。 行を行い、ソフトウェア資産への変更を抑制す 本研究では図 1 に示す構成のシステムを適用対象 るためのソフトウェア資産の構築と、ソフトウ とする。本システムは、ID を持った各種個体に ェア資産の運用プロセスを定義した。最後に、 対して特定の加工処理を行った後、別装置に搬 SPL の適用によるソフトウェア開発のコスト削減 送する。本システムは個体に対して多様な加工 効果を評価した。 処理を行うユニットの組み合わせで構成する。 加工処理の内容はユニット毎に定められている。 2 SPL 適用アプローチ [1] ユニット内、及びユニット間はベルトコンベ SPL 適用アプローチは次の 3 つに分類される 。 アで接続されており、個体はベルトコンベアで ・Proactive アプローチ:製品開発前に計画をし 搬送される。ベルトコンベア上には、次の機構 てソフトウェア資産を開発し、製品に適用 が配置されている。 ・Reactive アプローチ:製品開発において必要 ・特定の位置で個体の搬送を停止する停止器 に応じてソフトウェア資産を整備 システム全体 ・Extractive アプローチ:ベースラインとなる ユニット2 ユニット1 ユニット3 既存製品を基にソフトウェア資産を構築 段階的開発指向型組織では、リソースの制約、 組織形態、スケジュール上の問題といった理由 ・・・ ・・・. はじめに. 個体. Application of Software Product Line Engineering in Phased Development Oriented Organization Tomoyuki Myojin †, Naohiko Fukaya†, Hideto Ogawa† † Central Research Laboratory, Hitachi, Ltd.. 1-225. 個体. 個体. 加工処理部1. 個体. 加工処理部2. 個体. :行先切替えスイッチ. 個体. 個体. :個体センサ. 個体. 加工処理部1. 個体. 加工処理部2. 個体. 個体. :個体停止器. :ベルトコンベア. 図 1 SPL 適用試行対象システム. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 73 回全国大会. ・行き先を切り替えるスイッチ ・個体の有無、個体の ID を識別するセンサ ユニットに搬送されてきた個体は、ユニット 内の個体処理位置まで搬送され、個体処理を行 った後、次のユニットに搬送される。 3.2 SPL 適用試行方針 対象とするシステムは、10 種類のユニットで 構成される。今回の開発では開発リソースに制 約があるため、3 ユニットを先行して開発し、3 ユニットの開発後、残りの 7 ユニットを 1 ユニッ トずつ開発する。まず、先行して開発する 3 ユニ ットに対して Proactive アプローチに則り、全ユ ニットで再利用可能なソフトウェア資産を構築 する。次に、ソフトウェア資産運用プロセスを 定義し、Reactive アプローチに則って残りの 7 ユ ニットを開発する。 3.3 ソフトウェア資産の構築 ソフトウェア資産を構築するにあたって、先 行して開発する 3 ユニットのシステム仕様と、残 りの 7 ユニットの判明している部分のシステム仕 様を基に、全てのユニットで共通して利用可能 な部品の分析を行った。その結果、全てのユニ ットが有している搬送機構を共通部品としてソ フトウェア資産を構築することにした。 搬送機構には、搬送方式に関するバリエーシ ョンと、ベルトコンベア上のスイッチ、停止器、 センサといったハードウェア配置のバリエーシ ョンが存在する。これらのバリエーションの組 み合わせはユニット毎に異なる。例えば、搬送 方式には次のようなバリエーションがある。 ・停止器から停止器への搬送 ・停止器から次のユニットへの搬送 ・前のユニットから停止器への搬送 ・加工処理部への搬送 そこで、本システムでは、搬送方式やハード ウェア配置をソフトウェアデータ構造でモデル 化し、各ユニットでシステム仕様を基にしたバ リエーションの選択を容易にした。モデル化に よって、新規にユニットを開発するとき、検討 した仕様に記載されている搬送方式やセンサ等 の配置がモデルに適合するかを判定して、共通 部品への改造要否を判断できる。改造が必要な 場合、改造コストを見積もり、改造を行うか、 センサ等の配置の見直しを行うかを検討する。 3.4 ソフトウェア資産の運用 次に、新規にユニットを開発するときに、ソ フトウェア資産への変更を防止する運用プロセ. スを定義した。運用プロセスを図 2 に示す。 本プロセスでは、既に開発したユニットのソ フトウェア仕様を基にシステム仕様に対する制 約を定義し、フィードバックを与える。例えば、 ユニットの入り口には必ず停止器と検知センサ を設置するといった制約を与えている。本制約 により、ソフトウェア資産への変更を防止する ことが可能となり、ソフトウェア資産の再利用 性が向上する。 システム要求 仕様書. 凡例 :開発工程 システム仕様 制約書. ハードウェア 開発者. :成果物. システム仕様書 加工処理部 システム ソフト開発者 仕様検討. センサ・ アクチュエータ 駆動仕様書. 加工処理部 機能仕様書. 加工処理部 ソフト仕様検討. 加工処理部 ソフト. ソフトウェア 仕様検討 搬送機構部ソフト 仕様・共通化検討. 搬送機構部 ソフト開発者. 加工処理部 ソフト開発. 個別部・ 部品利用部 マッピング. マッピング 情報作成 搬送機構部 ソフト 個別開発. 図 2 ソフトウェア資産運用プロセス. 4. 評価. SPL を適用した場合と、適用しなかった場合の コストを比較する。ソースコード量と開発コス トの相関関係について、開発コストがソースコ ード量に正比例すると仮定する。実際の開発に おけるソースコード量と開発コストの実績値の 比と、SPL を適用しなかった場合のソースコード 量の見積もりを基に、適用しなかった場合開発 コストを見積もった。結果を表 1 に示す。この結 果から、SPL を適用することによって、 65 人月 分の開発コスト低減可能であるという見込みが 得られた。 表 1 SPL 適用効果見積もり ソースコード量 開発コスト. 5. SPL 非適用 107Kstep 88 人月. SPL 適用 27.8KStep 23 人月. 予想削減効果 79.2Kstep 65 人月. 結論. 段階的開発指向型組織において、ソフトウェ ア資産への変更を抑制するためのソフトウェア 資産の構築と、ソフトウェア資産の運用プロセ スを定義することで、SPL の適用を実現した。 SPL を適用した結果、65 人月分の開発コストが 低減可能であるという見込みが得られた。今後 は、システム仕様からのバリエーション選択時 に、モデル適合性検証の自動化を行うことでさ らなるコスト低減と品質向上を目指す。. 参考文献 [1] Charles Krueger: Eliminating the Adoption Barrier, IEEE Software, Vol. 19, pp. 29-31 (2002).. 1-226. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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