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物流機能の概念整理と物流データを活用したマーケティング戦略の必要性について

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発行日 2021 年 3 月 31 日 要  旨  本稿には,岡田千尋先生に助言賜り,物的流通とロジスティクス概念の変遷を整理し定義づ けた論文および岡田千尋先生らとの共著本にて発表した内容を再整理して掲載した箇所が含ま れている。  その他,IoT や AI などを活用した物流機能管理の現状を交えながら物流機能の概念を整理し, 初学者向け出版物への掲載を目的に実施した文献・ヒアリング調査から得た情報を,流通シス テムに関連付けて整理している。さらに,これからの持続可能な企業活動には輸配送実績デー タをはじめとする物流データを活かしたマーケティング戦略が必要であることとともに,脱炭 素社会の実現やSDGs への関心の高まりなどでロジスティクス概念の核ともいえる全体最適化 をサプライチェーン全体で見直す好機が到来していること,DX の取り組みが加速し管理デー タを活用しやすい環境が整ってきた今,そのことへの実現可能性が高まっていることを述べて いる。 キーワード: ロジスティクス,物流機能,イノベーション,サプライチェーン,マーケティング

Concept of the Logistics function and necessity which is a

Marketing strategy using Physical distribution data

Reiko SUGIURA

Faculty of Commerce Nagoya Gakuin University

物流機能の概念整理と物流データを活用した

マーケティング戦略の必要性について

杉 浦 礼 子

名古屋学院大学商学部 〔研究ノート〕

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1.はじめに  経済の三大要素の一つである流通の必要性が生じた背景には,社会的分業の進展がある。社会的分 業が進展して専門性・生産性が向上したことにより,自給自足経済下ではスムーズであった交換行為 に,人的(所有的)懸隔,場所(空間)的懸隔,時間的懸隔,品質・数量的懸隔,情報的懸隔,価格 的懸隔など様々な懸隔をもたらした。これらの懸隔を埋める機能を果たしているのが流通である。流 通は,生産者から需要者・消費者に商品を届けるまでに生じる所有権の移動,つまり人的(所有的) 懸隔を主に架橋する商的流通と,取引活動における金銭の流れである金流(資金流),流通に対応し て発生する場所(空間)的・時間的懸隔を架橋する物的流通に大別される。場所(空間)的懸隔は物 流機能の輸送によって,時間的懸隔や品質・数量的懸隔は物流機能の保管によって埋めているが,本 稿においては,まず,物的流通の概念および同義のように使われる場面が散見されるロジスティクス の概念について第2節および第3節にて定義づける。これは,文献および先行研究に加えて実態調査 結果を踏まえて拙者が整理し,岡田千尋先生に助言賜り日本産業科学学会論叢に発表した論文1),共 著させていただいた著書2)に掲載した内容を再整理したものである。  次に,輸送や保管を含む物流機能の概念については,第4節において文献・ヒアリング調査から得 た情報をもとに整理する。  最後に,環境問題への関心の高まりにより実需への対応および全体最適化実現への期待が高まって いる。物流業界のみならずサプライチェーン全体の流通システムにおいてデジタル化やAIの導入, デ ー タ や デ ジ タ ル 技 術 を 活 用 す る デ ジ タ ル ト ラ ン ス フ ォ ー メ ー シ ョ ン(DX:Digital Transformation,以後DX)の取り組みが加速してきている今,ロジスティクス概念の核ともいえる 全体最適化をサプライチェーン全体で見直すために,物流起点のマーケティング戦略の必要性につい て第5節で考察する。 2.物的流通(Physical Distribution)概念の登場と変遷  流通における場所(空間)的・時間的懸隔を架橋する物的流通(Physical Distribution)は,物流 と略して称することが一般的となっている。この物的流通の概念は,大量生産・大量流通・大量消費 を可能とする社会的仕組みである流通機構が構築された20世紀初頭のアメリカにおいて発祥した。 19世紀後半のアメリカは,急速に鉄道の敷設が進み,貨物および人の交換・交流が広域に可能となり, 場所(空間)的懸隔を架橋する流通システムが促進されたことによって,商業活動がより活発化する スパイラルが生じた時代であり,そのようななか物的流通の概念は生成されている。  商業活動の広域化・活発化は,商的流通と物的流通それぞれの機能が明確となり,やがて商的流通 と物的流通の流れを分ける商物分離が芽生え,それぞれの概念が発祥するに至ったと考えられる。同 時に,マーケティング概念が誕生した時代でもあり,企業における流通活動を需要創造と物的供給に 分類し,需要創造をマーケティング,物的供給を物的流通の概念へ進化させた変遷を先行研究より整 理する。

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 流通活動を商的流通と物的流通とに分け,それぞれの概念について最初に触れた人物はショーであ る。ショーは1915年にマーケティングに関する古典的名著と評される自身の著書『市場流通に関す る諸問題(Some Problems in Market Distribution)』において,企業経営活動を生産活動,流通活動, 促進活動の3つに区分した。そのなかの流通活動(The Activities of Distribution)を構成する重要な 要素に需要創造活動(The Activities of Demand Creation)と,物的供給活動(The Activities of Physical Supply)をあげている。そのうえで,需要創造活動と物的供給活動の関係を「企業経営機構 の全般にわたって相互依存および均衡の2つの原則に継続性があることを如実に示している。…これ らの活動のうちのどれか一つを必要以上に重要視する場合には,効率的な流通をもたらす諸力のつり 合いを必ず壊すことになる」と位置付け,需要創造活動と物的供給活動を流通活動において必要不可 欠であると同時に不均衡であってはならず,企業経営活動の両輪であることを説いている。  ただ,この著書においては,物的な流通を「Physical Distribution」とは表現しておらず,物的な 供給「Physical Supply」と表現している。同年,同タイトルで発表した論文においては,物的流通 「Physical Distribution」と表現を変更したうえで,改めて物的流通は流通活動において需要喚起と同 様に注意を払うべき問題であると指摘している3)  次に,クラークは著書『マーケティング原理(Principles of Marketing)』(1922年)において,現 代の流通を意味する言葉として当時用いられていたマーケティングの機能として,交換機能と補助ま たは促進機能,そして物的流通機能をあげている。つまりマーケティング機能の一つと位置付けてい る。ただし,1922年初版本では,物的流通に該当する用語として,ショーを引き継ぎ物的供給(Physical Supply)が使われており,20年後の1942年に出版された第三版で物的流通(Physical Distribution) に変更されている。なお,物的流通の機能についても触れているが,輸送と保管に限定されている。  AMA(American Marketing Association:アメリカ・マーケティング協会)においても,1940年 頃の物的流通を,「生産地から消費地または利用に至るまでの商品の移動および取扱いを管理するこ と」と定義しており,物流機能やその管理について非常に抽象的な表現ではあるが,産業界において 物的流通が注視されていたことがうかがえる。1950年代には,物的流通の研究がさらに多くなされ るようになった。コンバースは1954年に,「物流とは,生産地から消費者に至る財またはサービスを 物理的に移動する過程である」と定義している。さらに,コンバースは,「物流はマーケティングの もう半分である」と記しており,流通を商的流通と物的流通に二分する考えを有していたことがわか る。1960年代には物的流通はコスト削減の切り札として産業界が注目しはじめ,1970年代には,産 学において重要性の認識が浸透した。コトラーは1983年の第四版『Marketing Management』にお いて,「物的流通またはロジスティクスは従来,補助的な活動とみなされていたが,最近は顧客へのサー ビスを改善し,競争企業に差をつけ,原価低減に役立つ多くの可能性を提供するものとして見直され ている」とし,ロジスティクスと並列で物的流通を捉え,また場所的・時間的懸隔を埋める交換機能 にとどまらず,企業に利益をもたらす能動的な活動として捉えた。  日本で物的流通(Physical Distribution)の用語が確認されているのは,日本生産性本部がアメリ カに派遣した流通技術専門視察団が帰国後発表した報告書「流通技術」(1956年)である4)。高度経 済成長期であった当時の日本は,アメリカでマーケティングおよび物的流通の概念が誕生した背景と

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同じく大量生産が可能となり,大量生産・大量流通・大量消費時代が到来していた。国民所得は上昇 し消費は活発化,流通業においてはスーパーマーケットが登場した時代である。大量生産・大量流通・ 大量消費時代の流れにボトルネックを発生させないために輸送力を確保するなど強靭な流通システム を構築すると同時に,人件費が上昇し続けるなかでコストをいかに削減するかの課題も抱えていた。  当時日本においては,輸送,保管,荷役,包装,流通加工といった個々の活動を指す用語は以前か ら存在していたが,現在では重要な物流機能と位置付けられるこれらの活動を包括する用語は存在し なかった。よって,物的な移動に関する個々の活動を包括的に捉える用語として,物的流通の概念は 日本において使用されることとなった5)。  1960年代には,運輸白書をはじめとする書物などでも物的流通を略した「物流」という用語が新 たな日本語として使用されるようになり,流通分野の専門用語として定着した。1966年産業構造審 議会答申書「物的流通の基本政策について」のなかで,「物的流通というのは,有形・無形財の供給 者から需要者へ至る実物的流れのことであって,具体的には包装,荷役,輸送,保管および通信の諸 活動を指している」と物流の諸活動について具体的に記述されているが,ここに流通加工は含まれて いない。1970年代以降は,日本において物流の技術や機械,システムが導入され,流通センターが 建設され,インフラも整備されるなど物流は飛躍的に進展した。日本ロジスティクスシステム協会『基 本ロジスティクス用語辞典』(2005年)において,物流は,「商品の供給者から需要者・消費者への 供給についての組織とその管理方法およびそのために必要な包装,保管,輸配送と流通加工,並びに 情報の諸機能を統合した機能をいう」と定義づけている6)。また,JIS(日本工業規格:z0111: 2006)では,物流とは「物資を供給者から需要者へ,時間的および空間的に移動させる過程の活動。 一般的には,包装,輸送,保管,荷役,流通加工及びそれらに関連する諸機能を総合的に管理する活 動。調達物流,生産物流,販売物流,回収物流(静脈物流),消費者物流など,対象領域を特定して 呼ぶこともある」と定義している。  物的流通の概念の変遷について先行研究を中心に整理したが,拙者が産業界に対して実施した独自 調査7)で,物流とロジスティクスの概念をどのように使い分けているかを問うた具体的記述において, 物流概念に対しては「モノの移動」「物流機能(活動)」「効率化」の用語の出現が多かったため,現 在の産業界における物流概念は,「物流とは,生産者と消費者の間に生じる場所的・空間的懸隔を埋め, 物的にモノを移動させるための流通活動である。その機能には包装,輸送,保管,荷役,流通加工, そして情報システムなどがあり,それらを包括する概念が物流であり,効率化を図る活動である。」 と定義すべきであると結論付けた。 3.ロジスティクス(Logistics)概念の変遷とその分類  ロジスティクスは,兵站を意味するフランス語のlogistiqueが語源である。兵站とは,前線の兵士 を支援するために,武器や食糧などを必要な時に必要な分だけ供給・補充・輸送する後方活動支援の ことを意味する。現在,物流用語として浸透しているロジスティクス(Logistics)は,ミリタリー・ ロジスティクスとビジネス・ロジスティクス,ソーシャル・ロジスティクスに分類されるが,兵站は

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ミリタリー・ロジスティクスに該当する。後方支援活動をうまく機能させ,戦略的に的確に物資を移 動させることで戦いに勝つミリタリー・ロジスティクスの概念は,アメリカで1950年から1960年代 にかけて経済や企業活動に応用され,物流用語として使われるようになった。これをビジネス・ロジ スティクスという。現在,企業活動において一般的に用いられるロジスティクスはこれに該当する(以 後,本章においてロジスティクスと表記する箇所はこのビジネス・ロジスティクスをさす)。  このロジスティクス概念の変遷は,1963年に設立されたNCPDM(The National Council of Physical Distribution Management:アメリカ物流管理協議会)8)による定義に始まる。この協議会の

名称そのものに既存の物流(Physical Distribution)という用語を使用し,管理する意のManagement を付して表していることから推察できるように,この当時,ロジスティクスという用語は使用されて おらず,同協会は「財の起点から消費点に至るまでの原材料や中間財,完成品,関連情報の移動に関 する流れと貯蔵を効果的に計画,遂行,統制する過程」を物流の定義とした。しかし,13年経過し た1976年,これはロジスティクス(Logistics)の概念を定義したものであったとし,ロジスティク スの概念として新しく定義しなおしている。その後1984年,NCPDMは自らの組織名称もLogistics の用語を用いたCLM(Council of Logistics Management:米国ロジスティクス・マネジメント協議会) に変更し,ロジスティクスの定義を,「顧客の欲求に適合させることを目的に製品,サービス,これ らに関連する情報の出発地点と消費地点の往復のフローと保管を,効果的かつ適正化するように計画, 実施,統制するサプライチェーン・マネジメントの一部である」と再定義した。なお,CLMは2005年, CSCMP(The Council of Supply Chain Management Professionals)に名称変更している。

 日本においては,物流という用語が定着した高度経済成長期の1960年代を経て,1976年に日経流 通新聞で「ロジスティックス」のコーナーが企画され,①軍事から経営の武器へ ~兵站の手法習う, 適時に適量を適所配置,②統合マーケティングの一部 ~個別活動を結合,③効率的な利益拡大の道  ~主として社内での改造,効果測定できる,④不可欠なシステム思考 ~組織全体を効率化,⑤経 営トップの支援がカギ ~「需要創造効果」認める,以上全5回にわたり思想や効果が紹介されたが, ロジスティクスの概念が浸透し一般化するには時を要した。  時を経て日本においてロジスティクスが注目されたのは,飽和市場のなかで消費が多様化し,画一 的な大量生産,大量流通,大量消費時代が終わりを告げた1980年代である。多様なニーズに対応し 顧客満足度を向上させるため,多品種少量生産へと移行するに伴い,物流は多頻度小口即納物流にシ フトチェンジし,製品ライフサイクルの短命化により在庫量が増加するなど,企業が抱える課題は変 化した。そして1990年代にはバブル景気が崩壊し,企業内の個々の部分最適を目指して行われてい た輸送,保管,情報の管理などの諸活動を一体的に捉え全体最適化を目指してモノの流れを管理する ロジスティクスは,戦略的な経営管理として取り組まれるようになった。1992年6月には旧通商産 業省(現経済産業省)と旧運輸省(現国土交通省)の共管によって社団法人日本ロジスティクスシス テム協会(JILS)が設立されている。また翌 1993年,日本物流学会において,統一論題を「ロジスティ クスとネットワーク形成」と,初めてロジスティクスが用いられた。日本ロジスティクスシステム協 会によるロジスティクスの定義は,「市場の需要情報に対応して最も効果的に商品を市場に供給する システムを中心に,その供給を実現するための最小在庫を維持するための生産計画の支援,その生産

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計画を実現するための原材料や部品の調達を一貫する企業の戦略的経営システム。戦略的情報システ ムによって支援される。」とされている。  以上の先行研究を中心とする学術的変遷を踏まえロジスティクス概念を整理すると,「ロジスティ クスとは,場所的・空間的懸隔を埋めるための活動の流れを一体的に捉えて,適切な販売計画・生産 計画・調達計画など需要予測に基づき在庫管理を徹底し最適化を図ることで,企業内における全体最 適化を目指す物流管理の活動である。」といえる。さらに,拙者が実施した前述の調査おいて,物流 とロジスティクスの概念をどのように使い分けているかを問うた具体的記述において,ロジスティク ス概念に対しては「管理(コントロール)」「戦略(的)」「全体最適(化)」の出現が多かったため,「ロ ジスティクスとは,場所的・空間的懸隔を埋めるための活動の流れを一体的に捉えて,適切な販売計 画・生産計画・調達計画など需要予測に基づき在庫管理を徹底し最適化を図る活動である。全体最適 化を目指し,物流機能を包括的にコントロールする戦略・手法である。」と定義すべきであると結論 付けた。  最後にソーシャル・ロジスティクスは,ビジネス・ロジスティクスによって全体最適化を求めるだ けではなく,交通渋滞や環境破壊など社会に与えるマイナス要因を削減し,持続可能な社会を目指し, 安全安心な生活を確保することを目指す物流活動のことである。企業も社会の一員として公益性を目 的とする企業活動を展開することを求められるようになってきた社会的背景がある。環境破壊の削減 やステークホルダーとの関係性を目指すグリーン・ロジスティクス,災害時に救援物資を迅速に確保・ 補給したり食の安全を確保したりするライフサポート・ロジスティクス,3R(Reduce・Reuse・ Recycle)に代表されるリバース・ロジスティクスなどがソーシャル・ロジスティクスに該当する。 4.物流機能とその管理  本節では,1項で物流機能について整理し,2項で流通システムにおける物流機能管理について拙 者がヒアリング調査した青果物熟成加工企業の事例を交えて紹介する。 4.1.6大物流機能  メーカー物流には,調達物流,生産物流(社内物流),販売物流のほか,回収物流(静脈物流)が ある。それぞれ起点と終点の差異によって分類されるが,これらを実現する物流の働きを総称して物 流機能という。  近年,AIやロボット,DXの導入などが進み,専門化・高度化・多機能化してきている物流機能に ついては,1940年代のアメリカにおいて,クラークが「輸送」と「保管」機能を,AMAが「移動お よび取扱いを管理すること」と限定的・抽象的に示したことに始まり,現代においては専門家や研究 者によって主要とする物流機能に数的異なりがある。本稿においては第2節で「物流とは,生産者と 消費者の間に生じる場所的・空間的懸隔を埋め,物的にモノを移動させるための流通活動である。そ の機能には包装,輸送,保管,荷役,流通加工,そして情報システムなどがあり,それらを包括する 概念が物流であり,効率化を図る活動である。」と定義づけたため,5大物流機能とされる包装,輸送,

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保管,荷役,流通加工に情報システムを含めた6大物流機能を取り上げる。  まず,輸送機能とは,物流の起点と終点の場所(空間)的懸隔を,物理的に移動させることで埋め る機能のことである。福田敬太郎は『商業概論』で,「交通とは,人,物財または意思が有意的にそ の場所を変更することであると解せられてをる。従って交通を大別して運送と通信の二つとし,運送 をさらに二つに分けて旅客運送と貨物運送とする」9)として,交通概念の一部として人やモノの場所 (空間)的懸隔を架橋する働きを運送という用語で示している。そのうえで,場所を変更する対象を 人とモノに区分し,対象である人を旅客,その輸送を旅客運送とし,一方の対象であるモノを貨物, その輸送を貨物輸送とした。  物流機能の輸送と同じく場所(空間)的懸隔を架橋する役割に関する用語に,運送,運輸,配送な どがある。輸送は場所(空間)的懸隔を架橋するためにトラックや鉄道,船舶,航空機などの手段を 用いて異なる地点に運び移動させる経済活動を,運送は手段をトラックとする経済活動を,運輸はこ れらの役割を担う産業・職種の総称を示すことが一般的である。配送は,輸送と同じ機能を果たす用 語であり,これらを合わせて輸配送という。輸送は,比較的貨物量が多く,移動距離が長い地点間に おける移動を示し,一次輸送ともいわれる。配送は,比較的貨物量が少なく,地点間の移動距離が短 く複数地点に向けて移動させることで,二次輸送ともいわれる。  輸送機能では,移動対象の種類や形状,量,緊急度などを把握し,要する時間やコストなど手段ご との特徴と照らし合わせて最適な手段を都度選択したり,輸送プロセスを効率化したりすることが重 要である。日本国内の貨物輸送の実態は,トラック輸送が輸送重量を示すトンベースで全体の約9割 を担っているが,ドローン輸送や自動運転の実用化に向けた実証研究も進み,ドライバー不足や人件 費削減など業界課題改善を目指した取り組みがなされている。また,トラック輸送は輸送重量×距 離を表すトンキロベースで約5割を担っているが,第3節で触れたソーシャル・ロジスティクス実現 の視点では,輸配送の共同化,AIを活用した最適ルートや輸送網の集約などによる物流効率化,トラッ ク輸送から環境負荷の低減効果が大きい鉄道輸送や船舶輸送へと転換するモーダルシフトが喫緊の課 題である。  次に,保管機能とは,生産と消費のように地点や需要間に生じる時間的懸隔を埋める機能のことで ある。また,福田が「保管とは,貨物を占有してその原状を維持することであり,…」としている通 り,時間的懸隔を埋めるだけではなく同時に質量ともに原状,つまり価値を損ねることなく維持する 機能も含まれる。近年は,冷蔵・冷凍技術をはじめとする技術革新に伴い保管機能は高まっている。 生鮮食料品や医薬品などを低温で輸送したり,一定温度に保つことができる倉庫で保管したり,生産・ 流通・消費の過程で途切れず温度管理が可能なコールドチェーン・システムが確立している。時間的 懸隔を埋めるために,一定期間にわたって留めるつまり保管する施設として古くから倉庫が用いられ てきた。Eコマースの市場拡大や取引先からの出荷要請にこたえる多頻度小口即納物流が増加の一途 を辿ってきた現代においては,IoT,AIをはじめとする高度な機能が付加された物流センターが台頭 している。物流センターは,受入れから出荷までの一連の流れをコンピュータで一元管理できるシス テムを導入した自動倉庫であることも少なくはない。保管機能には,在庫管理である在庫の数量管理 に加えて保管場所の管理も含まれる。在庫の数量管理は,倉庫や物流センター内において出入庫の数

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量を把握し,その履歴を管理・保存することである。保管場所の管理は,何をどこにどれだけ保管し ているかを正確に管理することである。RFIDやハンディターミナル,スマートマットなどIoT機器 を導入して数量・発送管理をデジタル化しAIで需要予測を行うことで在庫最適化をはかったり,正 確でタイムリーなデータ管理を実現することでロボットの精度向上に繋げ物流センター内の少人化を はかったりすることが期待されている。  次に,荷役機能とは,トラックや列車,船舶,航空機の輸送手段などへの貨物の積み込みや荷下ろ し,倉庫など物流施設への貨物の積み込みや荷下ろしのほか,物流施設内で貨物を移動させる作業, それに伴い生じる作業の総称である。物流施設内における質・量を確認する作業である検品,保管地 点から必要に応じて必要数量を取り出す作業であるピッキング,出荷別や輸送温度別に分ける作業で ある仕分けも,荷役機能に含まれる。輸送機能で説明した輸送と配送に類似する用語に搬送がある。 搬送とは,倉庫内や工場内など短い距離を移動させる作業のことをさすが,これも荷役機能に含まれ る。荷役は従来,人手による作業である部分が大きいが,荷姿をまとめて終点まで一貫して輸送する システムであるユニットロードシテムにより合理化がはかられ,それに伴い機器導入も進んでいる。 国内外同一規格としたコンテナの発明は,荷役を大幅に効率化した事例として広く知られている。生 産年齢人口の減少,物流業界を担う従事者の高齢化などが業界の課題となっている今日,自動仕分け システム,AGV(Automatic Guided Vehicle)やパワーアシストスーツなど少人化・省力化を目指し たシステムやマテリアルハンドリング機器開発による合理化が急速に進められている。  次に,包装機能とは,貨物(商品)を包装資材に収めることで,劣化させず質・量を保ち価値を維 持するほか,梱包することで作業効率を高めたりする機能のことである。包装機能は目的別に,貨物 (商品)を守るための包装,販売するための包装,効率性を高めるための包装に分類される。守るた めの包装とは,輸配送時の衝撃,保管時の温度変化,荷役時の落下など多くの貨物(商品)を取り巻 くリスクから守る包装である。衝撃に耐えられるよう緩衝材で梱包したり,光劣化しにくい資材を用 いて包装したり容器に充填したりすることが該当する。販売するための包装とは,商品価値を高める 包装で,需要者・消費者を引き付けるキャッチ・コピーを施したり,デザインを工夫したりすること が該当する。効率性を高めるための包装とは,段ボールに貨物(商品)大量に入れ包装することで荷 役や保管を容易にしたり,持ち運びしやすいように包装資材を用いて梱包に工夫を施したりすること が該当する。包装機能においいても,自動梱包機や製函機などによる自動化が進んでいる。  次に,流通加工機能とは,流通過程で商品を成形・加工する作業のことである。商品価値を高めた り,川下の取引先・納品先の作業を軽減することで商取引上の利便性や競争力を高めたりしている。 この流通加工機能は,生産加工と販売促進加工の2つに大別される。生産加工とは,組み立てたり, 切断したり加工することで形状を変化させ価値を高めることである。販売推進加工とは,取引先・納 品先の要望に合致する量・大きさにユニット化することで品質・数量的懸隔を埋める働きをしたり, 値札やタグをつけたりラベルやシールを貼り付けたりすることで競争力を高める作業のことである。 従来は,メーカーや小売店で行われることが一般的な作業であるが,取引先に選ばれるために引き受 けて行うケースが増え,近年は,物流関連企業がこの分野に積極的に参画し,倉庫や物流センター内 で行うケースが増えている。

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 最後に,情報システムの機能とは,流通過程で発生する様々な情報を正確に把握して管理・分析・ 活用できるよう支援する機能のことである。物流機能それぞれにおけるIoTやデジタル化に向けた取 り組みを紹介してきたが,情報システムは,受発注システム,輸配送管理システム,在庫管理システ ムなど多岐にわたる。情報システムの機能により,物流機能を管理・分析することは,作業の効率化・ 最適化をはかり物流コストを低減させたり,需要者・消費者サービスを向上させたりすることに繋げ ることができる。物流業界の課題であるトラックドライバー不足の原因の一つに拘束される時間が長 いことがあげられるが,1運行当たりのドライバーの拘束時間の内訳は,運転(52.5 %),荷役 (22.4 %),休憩(11.5 %),手待ち(6.4 %),その他(7.1 %)であり,本来業務である運転時間は 半分程度で,荷役および荷役のために発生していると考えられる手待ち時間に3割程度の時間を割い ている現状がある(「トラック輸送状況の実態調査(厚生労働省,国土交通省)」)。情報システムを企 業内のみで活用するのではなく,企業や業界の垣根を越えて共有するシステムの構築を実現すること で,トラックドライバーの拘束時間を短縮することはもちろん,全体最適なサプライチェーンシステ ムを再構築することへと繋がるものと考える。 4.2.流通システムにおける物流機能管理  本項では,青果物であるバナナの流通システムと物流機能管理について,文献調査および青果物熟 成加工企業へのヒアリング調査から得た情報をもとに紹介する。  現在,日本で流通しているバナナの9割以上が輸入されたもので,輸入は量にして年間100万トン, 金額にして1000億円を超えている(2019年,農林水産物輸出入統計)。輸入実績は十数か国であるが, 輸入量の約8割はフィリピン産である。諸外国から日本に向けて出荷されるバナナは,「植物防疫法」 により熟成が進んだものは国内への輸入が禁止されているため,渋い緑色の未熟バナナを収穫し,熟 さないよう成長を止めつつ,鮮度を保った状態で日本まで輸送し,その後,日本において消費者に選 ばれる商品に仕上げる流通システムが構築されている。  諸外国からバナナを輸送する際は,温度調整が可能な保冷船「バナナボート」で,バナナが仮眠状 態となる13~14 ℃に温度管理しながら輸送機能を実現している。成長を止めつつ鮮度を維持する保 管機能を備えたバナナボートで,未熟バナナはフィリピンからは5日ほどかけて海路で日本に到着す る。日本に到着した未熟バナナは,港で検査し,さらに港に設置されている倉庫で2時間程度燻蒸す ることで害虫が国内に入り込まないよう徹底し管理されている。港での検査・処置を終えた未熟バナ ナは,熟成・加工技術を有する企業へトラック輸送される。  未熟バナナが収められている箱はパレットに積んだ状態で産地から出荷され,パレットに積んだ状 態のまま保冷船およびトラックで輸送されてくるのが一般的である。マテリアルハンド機器の導入が 進んでいなかった頃は,トラックから工場内に荷下ろし搬送する荷役を人手によって行っていたが, パレットやフォークリフトなどのマテリアルハンド機器を導入している現在は,省力化を実現すると 同時に,荷役に割く時間も大幅に短縮可能となり効率化も実現している。  未熟バナナは仕入れた状態のまま,箱ごと「室」に入れ,需要者に出荷する商品に熟成し加工する。 室は,追熟に適切な温度・湿度・エチレンガスとなるよう数値を測定・コントロールできる特別な機

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能を持つ保管庫である。バナナは追熟が始まると,酸素を吸いでんぷんを糖度に変えながら二酸化炭 素とエチレンガスを排出する。よって室は,酸素濃度が低くなるため換気が可能な保管機能が求めら れ,バナナが収められている箱の中の温度にむらが発生しないよう管理されている。諸外国の農家か ら海路を渡り国内で追熟が終わるまでの間,バナナが収められている包装資材である箱にも,バナナ を衝撃から守るだけではなく,底・側面に穴をあけることで追熟時の環境を均一に保ち,品質が均一 となる工夫が施されている。  追熟が始まったバナナは3日目に室から出され,需要者・消費者ニーズを満たす商品とすべく流通 加工の工程へと移る。ヒアリング先企業におけるバナナの流通加工に該当する主な業務は次の通りで ある。まずは,バナナカッターで,固い付け根を切り落とし,店頭で販売する商品として重さの見当 をつけながら房を切る。小分けしたバナナを,息ができるように穴があき,商品情報が印刷され,バ ナナの形にフィットする形状のビニール製包装資材に入れ,シーラーでとじる。金属探知機に通して 最終検査を行う。出荷先ごと仕分けしてカートにのせ,出荷までの間は再び追熟を抑えるために 13 ℃に冷却された小さな室でカードごと保管している。  出荷先となる小売店とは受発注システムで情報を共有しているほか,室では追熟に最適な環境を維 持するための情報管理システムを導入したり,未熟バナナを輸送するトラック輸送事業者と輸送シス テムで情報を共有したりするなど,流通システムにおいて情報システム機能が果たす役割は大きい。 出荷先である小売店の手元にわたった後も,バナナの生産国,生産者,パッキングされた日,流通加 工業者など,生産・流通にかかわる履歴を追跡(trace)可能(ability)な情報システム,トレーサビ リティのシステムにも対応し,食の安全・安心に寄与している。 5.物流データを活用したマーケティング戦略の必要性  マーケティング戦略のフレームワークに,マッカーシーが提唱したマーケティングの4Pがある。 売り手視点で売れるモノ,売れる仕組みを構築する際に重要となる要素,Product(製品),Price(価 格),Place(流通),Promotion(プロモーション)のことである。そして,売り手視点からだけで はなく買い手視点もマーケティング戦略には必要性であるとして,ラウターボーンが提唱したマーケ ティングの4Cがある。4Cとは,Customer Value(顧客価値),Cost to the Customer(顧客コスト), Convenience(利便性),Communication(コミュニケーション)のことである。物流は,ターゲット にどのような流通経路・手段で製品・サービスを届けるかを考える4PのPlace,顧客が求めるスピー ドで負担を軽減して商品・情報を入手できるにはどうあるべきかを考える4CのConvenienceに該当 し,双方を意識して意思決定する活動である。しかし,マーケティング戦略を成功させるには,物流 が該当するPlaceとConvenienceに限定したものではなく,他の要素とも調和がとれていることが重 要となる。Eコマース市場の急成長は,どこにどのように届けることで競争力を発揮するかPlace戦 略の意思決定と,顧客が求める利便性を追求し提供したConvenience戦略の意思決定が,ニーズに合 致したことによる。Amazonや楽天などが提供する時間指定や翌日配送サービスを可能とした流通シ ステムの構築は,顧客ニーズを的確に捉えた戦略であることは誰もが認めるところであるが,前節で

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取り上げた物流機能それぞれにおけるイノベーティブな取り組み,技術革新があってこその成果であ る。  現在企業においては,市場狭隘化による競争激化,物流コストの上昇,物流人材不足などの課題に 加え,脱炭素社会の実現やSDGsへの関心の高まりもあり環境負荷の低減,持続可能性を追求する経 営姿勢が一層求められてきている。また,日本においても超スマート社会(Society5.0)「必要なもの・ サービスを,必要な人に,必要な時に,必要なだけ提供し,社会の様々なニーズにきめ細やかに対応 でき,あらゆる人が質の高いサービスを受けられ,年齢,性別,地域,言語といった様々な制約を乗 り越え,活き活きと快適に暮らすことのできる社会」の実現を掲げている。そのような環境下,企業 における物流機能の管理がPlace戦略とConvenience戦略に直接的に関わることに変わりはないが, 製品の軽量化やコンパクト化で環境負荷低減に繋がるProduct戦略,物流コストの価格転嫁に踏み切 るPrice戦略など,Place戦略とConvenience戦略の枠を超え,業界や社会課題の解消を意識したマー ケティング戦略を展開する重要度が高まっている。マーケット・リサーチで得た情報を分析・活用す る活動は多々あるが,輸配送実績データや在庫データをはじめ物流機能を管理するなかで得られる膨 大な情報を活用している企業は多くはない。DXの取り組みが加速しデータやデジタル技術を活用す る環境が整ってきた今,物流機能を管理するなかで得たデータを実需予測に生かして脱炭素化やロス 削減を実現するなど,ロジスティクス概念の核ともいえる全体最適化をサプライチェーン全体で見直 す好機,そしてそれを可能とする時が到来していると考える。 6.おわりに  生産と消費の経済活動を維持・発展させるために,それらの懸隔を架橋する物理的移動にかかる役 割を担ってきた物流であるが,近年,物流は効率化・高度化・高品質化を遂げており,産業界におい ても物流戦略を企業戦略の一部と位置付ける動きが見受けられるほど,単なる場所(空間)的懸隔, 時間的懸隔を埋めるに留まらず重要度が増している。  これからの物流業界は,環境・社会問題にも配慮しつつ,大容量通信システムやAI,ロボットを はじめとする新技術と既存システムやノウハウとを新結合させることでイノベーションを起こし,目 下の課題である少人化や省力化への対応に留まらず,より多くの付加価値をステークホルダーにも提 供しうるプロフィットセンターとなることに期待が寄せられている。  2020年は新型コロナウイルス感染症が蔓延したことにより,様々な制約の下で課題を解決すべく イノベーションが求められた。物流業界も例外ではない。予てからの業界を取り巻く課題であるEコ マース市場の更なる成長,少子高齢化による労働力不足の深刻化などを含め,あらゆる外部環境の変 化に呼応して物流業界のあり方は変化し,それに伴い概念も変化し,今後も変化し続けていくであろ う。物流を起点としたマーケティング,そして超スマート社会(Society5.0)実現に向けた持続可能 な物流業界に関する実践と理論の研究は緒に就いたばかりである。

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追想  岡田千尋先生と学会そして名古屋学院大学の商学部にてご一緒できたことを光栄に存じます。最後 に,岡田千尋先生に深甚なる感謝の意を表すると共に,ご冥福をお祈り申し上げます。 注 1) 杉浦礼子[2019]「物流・ロジスティクス概念と日本企業におけるその実態」『日本産業科学学会日本産業科学 学会研究論叢第24号』pp.43―49。 2) 名古屋学院大学商学部[2019]「第7章物流」『商業概論』中央経済社 pp.117―138。 3) 大神賢一郎[1997]「変貌を遂げつつある物流概念とその戦略的経営課題」『経営・情報研究』No.1。 4) 菊池康成[1998]「21世紀のロジスティクスの展望」『流通情報No.353』1998年11月号,財団法人流通経済研 究所,p.7。 5) 橋本直之[2015]『図解入門業界研究 最新物流業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』株式会社秀和システ ムp.10。 6) 日本ロジスティクスシステム協会監修[2009]『基本ロジスティクス用語辞典』白桃書房 p.149。 7) 杉浦礼子[2019]「物流・ロジスティクス概念の使い分け実態調査」。

8) 現在の全米サプライチェーン・マネジメント専門化協議会(The Council of Supply Chain Management Professionals)のこと。

9) 福田敬太郎[1931]『商業概論』p.169.現時点の常用漢字に置き換えて表記している。

参考文献

Converse, P.D., “The Other Half of Markeing” Proceedings of the Twenty-Sixth, Boston Con-ference on Distribution, Harvard Business School. Boston. 1954.

Converse, P.D.『アメリカ・マーケティング史概論』白桃書房,1986年。

Shaw, A.W., “Some Problems in Market Distribution”, The Quarterly Journal of Economics, Vol.26, No.4, Harvard University, 1912. 大神賢一郎,「変貌を遂げつつある物流概念とその戦略的経営課題」『経営・情報研究』No.1,1997年。 角井亮一,『物流がわかる』,日本経済新聞出版社,2012年。 兼村栄哲,青木均,林一雄,鈴木孝,小宮路雅博,『現代流通論』,八千代出版株式会社,1999年。 苦瀬博仁編,『ロジスティクス概論』白桃書房,2014年。 国土交通省ホームページ http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/modalshift.html(2020年4月検索) 齋藤実・矢野裕児・林克彦,『物流論』,中央経済社,2015年。 齋藤実・矢野裕児・林克彦,『現代ロジスティクス論』,中央経済社,2009年。 杉浦礼子,「物流・ロジスティクス概念と日本企業におけるその実態」『日本産業科学学会研究論叢第24号』,2019年。 丹下博文,「物流の変遷に関する国際的経営視点からの考察」『経営管理研究所紀要』,愛知学院大学,第15号, 2008年12月。 辻本興慰,水谷允一,『最新商学総論-商業・流通の現代的課題』,株式会社中央経済社,1995年。

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中田信哉・橋本雅隆・嘉瀬英昭編,『ロジスティクス概論』,実教出版株式会社,2007年。 名古屋学院大学商学部,『商業概論』,中央経済社,2019年。 日通総合研究所編,『ロジスティクス用語辞典』, 日本経済新聞出版社,2007年。 日本物流団体連合会,『数字でみる物流―2019年度―』,2019年。 日本ロジスティクスシステム協会監修,『基本ロジスティクス用語辞典』,白桃書房,2009年。 橋本直之,『図解入門業界研究 最新物流業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』,株式会社秀和システム,2015年。 番場博之,『基礎から学ぶ流通の理論と政策』,八千代出版株式会社,2014年。 福田敬太郎,『商業概論』,千倉書房,1931年。 フレッド・イー・クラーク(著),緒方清・緒方豊喜(翻訳),『売買組織論〈上・下巻〉―貨物配給ノ原理』,1930年。 マーケティング史研究会編,『マーケティング学説史―アメリカ編―』,同文館,1993年。 横井のり枝,「物流起点の小売マーケティング研究」『産業経済研究』NO.20,日本産業経済学会,2020年。

参照

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