外国語活動において日本語歌曲を英語詞で歌うことの効果に関する一考察
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(2) 入れられていない。教科学習には消極的な児童も. したり口ずさんだりする機会のあるもののうち,. 含め,多くの児童が活発に活動に参加している。. 普遍性のあるテーマを持っ楽曲の英語詞があれ. 一方で,多くの児童が聞き取った音を模倣するこ. ば望ましい。洋楽を使用する際には,児童の学習. とへの強い苦手意識を持っていた。. 歴や生活体験とのつながりを明示する他,特定の. 単元における使用歌曲は『Misty Moon』 (都. 宗教観が歌詞に反映されでないものを選ばなけ. 名『おぼろ月夜』),『㎜SEKI』 (都名『キセ. ればならない。ただし,高学年であっても初めて. キ』),及び『We Are The Wor1d』である。実. 外国語活動に取り組む際には,歌詞内容よりも歌. 践者が授業を取り行い,学級担任は特別支援学級. いやすさに配慮すべきである。そのため,上述の. 所属の児童の指導を行っている。全ての授業にお. 楽曲を取り扱う前に,アルファベットの発音に慣. いて,ビデオ撮影及び質問紙調査を行った。また,. れ親しむ歌,メロディと音節の当てはまりが簡素. 音源は英語母語話者が歌ったものを使用した。児. な歌を導入すべきである。 (2)今後の課題. 童の実態を考慮し,フリ仮名をつけた歌詞のプリ. 今後の課題としては,個別の音素の発音指導,. ントを配布した。. カタカナ歌詞の使用,従来使用されてきた歌の価 値や使用方法の再検討が挙げられる。小学校外国. 4.研究の成果と今後の課題. 語活動の目標は対象言語の習得ではないため,過. (1)歌の選定への提案. 計3回の実践とその考察より,児童が日本語と. 度な発音の指導は求められていない。しかし,学. の比較を通して調音や音節構造の違いに気付く. 習の初期段階における誤りが化石化すると修正. 様子がうかがえた。また, 「みんなが知っている. は困難である。歌を用いて実践を行う際も,発音. 歌を英語で歌えるようになった」という児童の達. 指導を曖昧にすると,他言語母語話者に認識不可. 成感や自己肯定感の高まりが見取れた。他方,児. 能な発音が定着してしまう。カタカナの利用に対. 童のっぶやきと歌詞の分析から,日本語にない発. しては,子音の発音に母音が挿入される懸念から. 音,音声変化,子音結合などの音素・音韻的特徴,. 避けるべきであるとの見解が一般である。ただし,. 及び16分音符が連続し,その全てに音節が当て. 高学年の視覚情報依存の傾向や両言語の音声の. はまる箇所において,児童が難しさを覚えること. 比較の面などから,使用の意図や効果について一. が明らかとなった。. 考に値する。さらに,本研究の実践は本来ならば. 以上を勘案し,本研究からは音楽科教科書で取. 現実的な活動の展開ではない。加えて,児童の対. り扱われている歌の使用を提案する。音楽科で歌. 象言語に対する運用能力に対応した教材選定す. 詞の解釈を深く行うことで楽曲への愛着を高め,. ることの困難が残っている。このため,欧米諸国. 英語でも歌えるようになるならば,愛唱歌として. の童謡や遊び歌も含め,それぞれの歌を用いる意. 児童の心により深く根付くだけでなく,多文化交. 義を明らかにし,児童が主導権を持ち能動的に参. 流にいかすことも可能となる。また,例えばrお. 加できる活動,そして達成感や自信が芽生えるだ. ぼろ月夜」のような日本の四季を歌った歌の歌詞. けの十分な時間を確保し成果を実感できる機会. を比べることで,r日本語には季語が豊富である」. を保証するよう,活動が構成されるべきである。. のというような母語への気付きも促される。ポピ. ュラー音楽はテンポや音符の組み合わせが複雑. 修学指導教員. な場合が往々にしてあるため,児童にとって歌い. あげることが可能な題材であるか吟味が必要で ある。加えて,児童が成長したのちにもふと耳に. 一169一. 小学校教員養成特別コース. 大西 入 メンタ]. 神戸市立和日ヨ岬小学校教諭. 辻 丈治.
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