支え合い、学び合う学級経営:―コミュニケーション力を育むジグソー学習―
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(2) 3 研究の成果. 方で,自分の考えを持つことができたり,友だちの考. 今回ジグソー学習を初めて行った児童であったが,. えを聞くようになったこと,以前の自分より考えを言. 思考力・判断力・表現力を高めると同時にコミュニケ. えるようになったりしたと書いていた。. ーションカが活性化された。. プレテストとポストテストでは,知識・理解を中心. まず,ジグソー学習中の児童の発話を分析するため,. として単元の学習内容を問うものを作成した。ポスト. 高垣らが作成した発話の質的分析のカテゴリーを参考. テストではほとんどの児童が単元の内容を理解してお. にして7段階の発話カテゴリーを作成した。また,こ. り,児童のコミュニケーションカの活性化と共に基本. のカテゴリーに社会科における言語力の段階も当ては. 的・基礎的知識も身についていることが分かった。. めた。社会科における言語カは,記述的知識,分析的. 知識,説明的知識,規範的知識の4段階であり,発話. 4 今後の課題. カテゴリーの段階1と2が記述的知識,段階4と5が. 今回の研究において,成果が得られた一方で4つの. 分析的知識,段階6が説明的知識,段階7が規範的知. 課題も見られた。. 識に相当する。これらを用いて調べ学習1時間目と3. ①単元の授業時数を短縮すること。. 時間目の発話を比較すると,どのグループも発話段階. ②児童に見合った資料の量と質,ワークシートを用いる. が上がったり,段階の幅が広がったりしていた。他方,. こと。. 児童を抽出して発話を分析すると,自分の考えを持つ. ③教師の言葉かけや働きかけにっいての考察。. ことができていたり,考えを深めていた児童は発話段. ④個に応じた指導の仕方についての考察。. 階の幅が広がっていることが分かった。ジグソー学習. 授業を行うにあたって,まずは児童理解を充分に行うこ. を授業に取り入れることで,児童のコミュニケーショ. とが必要である。そして児童に適した資料やワークシート. ンカが活性化され,社会科における言語カも高まった。. を準備し,授業中は,個やグループに対する教師の言葉. そして,調べ学習中に用いたワークシートからも,. かけや働きかけ,指導が求められる。特に,児童の学び合. 児童の社会科における言語力が高まっていることが分. いを活発にし,コミュニケーションカを向上させるための具. かった。資料から読み取った内容を記述する記述的知. 体的な働きかけについて考える。. 識にとどまらず,自分の解釈を加えたり,資料を基に. 今後,このような課題を解決し,ジグソー学習の有効性. 自分の考えを書いたりし,分析的知識や説明的知識を. や児童のコミュニケーションカを育むための方法について. 獲得している児童が調べ学習を進めていくにつれて増. 理解を深めていきたい。. えたことも成果である。. さらに,実践授業の前後でアンケートやプレテス ト・ポストテストにおいても児童の変容が見られた。. アンケートでは,r自分の考えをもつ」r分かるまで考. 5参考文献 ・大橋理枝,根橋玲子『コミュニケーション論序説』. 放送大学教育振興会,2007。. える」「分からないときは,進んで質問する」といった. ・西川純『学び合う教室』東洋出版,2000。. 項目に有意差が見られたことにより,児童相互の学び. ・岩田一彦,米田豊他『「言語力」をつける社会科授業モ. 合いや教え合いが活発に行われ,思考カ等が高まると 同時にコミュニケーションカも活性化されたと考えら. れる。事後アンケートではジグソー学習を終えた児童. デル小学枝編』明治図書,2009。. ・筒井昌博『ジグソー学習入門一驚異の効果を授業に. 入れる24例』明治図書,1999。. に率直な感想も記述してもらった。資料の読み取りや 解釈を行うことに関して難しさを感じた児童がいた一. 一157一. 修学指導教員 初田隆.
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