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いじめ加害行動とストレスコーピングとの関連 : 加害者の役割による違い

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Academic year: 2021

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(1)いじめ加害行動とストレスコーピングとの関連 一加害者の役割による違い一              学校教育学専攻             臨床心理学コース.                 M10048B                市井 桃子        【問題と同的】. なってくるといわれている。. 1.いじめ加害様態といじめの分類. 5.いじめとストレスコーピングとの関連.  現代のいじめについて森田・清永(1986)は,.  滝(1992)は,いじめ発生の図式として,. 「被害者」,「加害者」,「観衆」,「傍観者」の4. 学校生活で不適応状態にある者が,憂さ晴ら. 層構造であることを論じている。また,斎藤. しのためにいじめを行う,という可能性を示. (2003)がいじめを中心人物としてしたか,ま. 唆している。このことから,ストレッサーを. たはリーダーに追従する形で参加したかに焦点. 抱えた者がそれを解消するためにいじめを行. を当てた調査を行っており,役割に着目したう. う可能性が考えられる。. えで,いじめ加害行動を捉える必要がある。. 6.臨床的意義. 2.いじめ加害行動とストレスとの関係.  いじめの背景として加害者のストレス反応の.  いじめの発生要因については,さまざまな観. 高さが明らかにされているが,岡安・高山(2000). 点からの指摘がなされているが,近年,いじめ. では,「加害者側の生徒のストレス状況を理解し,. 加害行動が発現する背景として,ストレスとの. それを緩和するための対策を講じることも重要」. 関係を示唆する見解もある(岡安・高山,2000)。. だと論じられており,ストレッサー,ストレス. 3.いじめ問題と家庭. 反応と共にストレスコーピングに着目していく.  池上・井上(2002)は,中学生の攻撃性と “家. ことが重要であると考える。本研究においてそ. 庭”で生起するストレスとの関連を示唆してい. れらが明らかになることで,いじめ防止プログ. る。特にいじめとの関連では,永浦・市井・冨. ラムとしてのストレスマネジメント教育を展開. 永(2010)が,親子関係といじめ加害との関連. していくことが可能になると考える。. を検討し,いじめ加害経験のある者は親子関係. 7.本研究の目的. のストレッサーが高いことを報告している。.  いじめ加害者を取り巻くストレッサー(学校. 4.ストレスコーピングの重要性. ストレッサー・親子関係のストレッサー),スト.  いじめ加害行動とストレスとの関連を調査す. レス反応,ストレスコーピングから,いじめ加. る上で,ストレスコーピングにも着目する必要. 害者のストレス状況を明らかにする。その際に. がある。Laz趾us&Fo1kman(1984)はストレ. いじめ加害者をリーダーと加担者に分類し,2. ス反応と関連するとされている個人的特性につ. つの群の特徴も明らかにする。. いて,コーピングの概念を挙げており,どのコ.          【方法】. ーピングを行うかによって,ストレス反応は異. 調査対象・方法:A県内の高校および短大,B. 一104一.

(2) 県の大学における計888名を調査対象者とし  準×ストレス反応要因2(低群・島群)水準の2 た。888名のうち,記入もれや記入方法に誤  要因被験者間計画の平均値と標準偏差および分 りのあづた者を除いた有効回答者数718名  散分析の結果を示した。. (男子346名,女子372名:有効回答率   「傷つけ発散型対処」における主効果の横 80.85%)を分析対象とした。        走を行ったところ,「加害経験」(F(2,712)= 倫理的配慮:本研究では,アンケートヘ回答  13.35,pく.01)において有意な差がみられた。. しない自由があることを表紙に記載し,過去  多重比較の結果,「加害経験」においては傷つ. のいじめについて問う回顧研究の形にするな  け発散型対処得点が加害経験なし群<加害経 との配慮を行った。さらに,い一じめに関する  験低群<加害経験島群の順で高い結果となっ 心理教育を目的としたリーフレットを作成し, た(なし群と低群の差はpく.05,低群と島群 調査対象者全員に配布した。        の差はpく.01)。 調査内容:①いじめ被害・加害経験,②いじめ          【考察】 加害タイプ,③中学生用学校ストレッサー尺度   本研究において,加害者の「傷つけ発散型タ (岡安ら,1992),④親の関わり意識尺度(寺田,  対処」の高さが明らかとなった。この対処は一. 2010),⑤小学生用ストレス反応(嶋田ら,1994), 般的にストレス反応を増大させるとされてい. ⑥ストレスコーピング尺度(冨永ら,2009)。  る。また,滝(1992)で示唆されているよう.         【主な結果】       に,憂さ晴らしとしての「いじめ加害」があ  いじめ加害経験とストレス反応がストレスコ  るとするならばこの対処そのものがいじめ加 一ビングにどのような影響を及ぼしているか明  害行動になっている可能性が考えられる。 らかにするために,ストレスコーピング尺度の   本研究より,いじめを予防するためには,心. 5下位尺度得点を従属変数とし,いじめ加害経  理社会的に望ましくないコーピングの問題点を 験(10項目)の得点とストレス反応合計得点を  自覚し,適切なコーピングを採択できるように 独立変数とした2要因の分散分析を行った。分  指導していくことが有効と考えられる。. 祈に先立ちいじめ加害経験は3群(なし群・低        【主要引用文献】 群・島群)に,ストレス反応は2群(低群・高 岡安孝弘・高山巌2000中学校におけるいじめ被害者およ 群)に分類した。分散分析の事後処理について  び加害者の心理的ストレス教育心理学研究,48,410−421.. は,交互作用優先の分析を行い,いじめ加害経. 験要因及びストレス反応要因の主効果の検定を          主任指導教員 冨永良喜. 行い,さらに多重比較を行った。Tab1e1にい        指導教員冨永良喜 じめ加害経験要因3(なし群・低群・島群)水          Tabb1ストレス:1一ビング得点に及ぼす加害経験とストレス反応の効果         加書経験なし群 加害経験低群  加害経験島群      主効果      交互作用          ストレス反応丁  ストレス反応丁  ストレス反応丁  加害経験  ストレス反応T.                                           F値          低群  島群  低群  古群  低群  島群   F値     F値.       N 248 118 122 72 54 104 (df・2712) (df・2712) (df・2712)       ”   2,21   4,43   3,56   4.64. 4,46.      SD   O.26   0,37   0,36   0.4フ. 0.55. 傷つけ発散. 6.36.     13135***     26.63*** 0.39. 1.17 n.s.. ***pく.01 **p<.05 *p〈.10. ■105一.

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