<論説>地区詳細計画の規範統制に関する一考察--自然人・法人の申立適格を中心に
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(2) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 頁)。 ま た,都 市 計 画 法(平 の4第1項1号. 成2年 法 律 第61号 に よ る改 正 前 の もの)12条. の 規 定 に基 づ く地 区 計 画 の 決 定,告 示 は,区 域 内の 個 人 の. 権 利 義 務 に対 して 具 体 的 な 変 動 を 与 え る と い う法 律 上 の 効 果 を 伴 う もの で はな く,抗 告 訴 訟 の 対 象 とな る処 分 に は 当 た らな い(最 判 平 成6年4月22 日判 時1499号63頁)。 も っ と も前 掲 最 判 昭 和57年4月22日. 民 集36巻4号705頁. は,「 右 地 域 内の. 土 地 上 に現 実 に前 記 の よ うな 建 築 の 制 限 を 超 え る建 物 の 建 築 を しよ う と し て それ が 妨 げ られ て い る者 が 存 す る場 合 に は,そ の 者 は現 実 に 自 己の 土 地 利 用 上 の 権 利 を 侵 害 され て い る と い う こ とが で き るが,こ の 場 合 右 の 者 は 右 建 築 の 実 現 を 阻 止 す る行 政 庁 の 具 体 的 処 分 を と らえ,前 記 の 地 域 指 定 が 違 法 で あ る こ とを 主 張 して 右 処 分 の 取 消 を 求 め る こ と に よ り権 利 救 済 の 目 的 を達 す る途 が 残 され て い る と解 され る」 と述 べ て い る(前 掲 最 判 昭 和57 年4月22日. 判 時1043号43頁. も同 旨)。 従 って,都 市 計 画 に不 服 を 有 す る者. が 全 く救 済 され な い と い うわ けで はな い。 しか し,具 体 的 処 分 と は切 り離 して 都 市 計 画 を 直 接 争 う手 段 が あ って も良 いの で はな いか と も思 わ れ る。 現 行 法 上 の 対 応 と して は,行 政 事 件 訴 訟 法4条. に定 め る 当事 者 訴 訟 と し. て の確 認 訴 訟 を 活 用 す る こ とが考 え られ る(1>。 平 成16年 の改 正 で,行 政 事 件 訴 訟 法4条. は,「公 法 上 の法 律 関係 に 関す る確 認 の訴 え」が 当事 者 訴 訟 に. 含 ま れ る こ と を 明 記 した。 この 立 法 趣 旨 に 関 して,内 閣 総 理 大 臣 答 弁 書 (内 閣 衆 質159第69号)は,「. 行 政 立 法,行 政 計 画,行. 政 指 導 等 の そ れ 自体. と して は抗 告 訴 訟 の 対 象 と はな らな い行 政 の 行 為 を 契 機 と して 争 いが 生 じ た公 法 上 の 法 律 関 係 に関 し確 認 の 利 益 が 認 め られ る場 合 につ いて は,現 行 の 行 政 事 件 訴 訟 法(昭 和37年 法 律 第139号)に. お い て も,当 事 者 訴 訟 と し. (1)他 方,取 消 訴 訟 の 活 用 を 論 ず る もの と して,久 保 茂 樹 「都 市 計 画 と行 政 訴 訟 」 芝 池 義 一・ 見 上 崇 洋=曽 和 俊 文 編 『ま ちづ くり ・環 境 行 政 の 法 的 課 題 』(日 本 評 論 社,2007年)91頁. 以下参照。. 144.
(3) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. て 確 認 の 訴 え が 可 能 で あ るが,そ の 活 用 を 図 るた め,「公 法 上 の 法 律 関 係 に 関 す る確 認 の 訴 え 』 を 当事 者 訴 訟 の 一類 型 と して 明 記 す る」 と して い る。 そ うだ とす る と,確 認 の 利 益 次 第 で は あ るが,都 市 計 画 を 争 う確 認 訴 訟 の 提 起 が 認 め られ る可 能 性 も あ るの で はな いか と思 わ れ る。 それ に対 して,行 政 計 画 や 行 政 立 法 につ いて は,特 に規 制 的 効 果 を 受 け る者 以 外 の 第 三 者 との 関 係 に お いて,法 律 関 係 な い し権 利 義 務 関 係 に引 き 直 す こ と は必 ず しも容 易 で はな く,ま た判 決 の 対 世 効 の な い確 認 訴 訟 は紛 争 解 決 方 法 と して も適 切 で あ る と は限 らな い との 立 場 か ら,「行 政 計 画,行 政 立 法 の 違 法 性 を 直 接 争 う訴 訟 」 を 第2弾 の 行 政 訴 訟 改 革 にお いて 検 討 す べ き と い う意 見 もあ る(2)。 確 認 訴 訟 が行 政 計 画 に関 す る紛 争 の解 決 方 法 と して 不 適 切 か ど うか は と もか く,例 え ば都 市 計 画 を 直 接 争 う特 別 の 争 訟 形 式 を法 定 す る こ と も,立 法 政 策 と して あ り う る選 択 肢 の1つ. と考 え られ. る(3)。. (2)ド. イ ツ行 政 裁 判 所 法 の 規 範 統 制. そ こ で 注 目 さ れ る の は,ド (Normenkontrolle)で. あ るq)。 同 条1項. の 裁 判 権 の 範 囲 内 に お い て,申 (2)福 井 秀 夫=村. イ ツ の 行 政 裁 判 所 法47条 に よ れ ば,上. 立 て に 基 づ き,同. 級 行 政 裁 判 所 は,そ. 条1項1号. 田斉 志=越 智 敏 裕r新 行 政 事 件 訴 訟 法. (新 日本 法 規,2004年)264頁. に 定 め る規 範 統 制. ・2号 所 定 の. 逐 条 解 説 とQ&A」. 。 中川 丈 久 「 行 政 訴 訟 と して の 「確 認 訴 訟 」 の 可. 能性. 改 正 行 政 事 件 訴 訟 法 の 理 論 的 イ ンパ ク ト」民 商 法 雑 誌130巻6号(2004. 年)34頁. も参 照 。. (3)行 政 事 件 訴 訟 法 の 立 案 過 程 に お け る法 令 を攻 撃 す る訴 訟 形 式 の 立 法 化 の 試 み につ い て は,雄 川 一・ 郎 「行 政 事 件 訴 訟 立 法 の 回 顧 と反 省 」 公 法 研 究45号(1983 年)127頁. 参照。. (4)ド イ ツ行 政 裁 判 所 法 の規 範 統 制 全 般 に 関 す る 先行 研 究 と して,藤 原 静 雄 「西 ドイ ツ 行 政 裁 判 所 法 上 の規 範 審 査 訴 訟 」 一 橋 論 叢92巻6号(1984年)165頁 下,山 本 隆 司 「行 政 訴 訟 に関 す る外 国 法 制 調 査 号(2003年)86頁. 以下。. 145. 以. ドイ ツ(上)」 ジ ュ リス ト1238.
(4) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 法 規 定 の 有 効 性 に つ い て 判 断 す る 。 規 範 統 制 の 対 象 と な る の は,「 建 設 法 典 の 規 定 に よ り発 布 さ れ た 条 例,及. び 建 設 法 典246条2項. 令 」(行 政 裁 判 所 法47条1項1号)と. 「州 法 が こ れ を 定 め る 限 り に お い て,. そ の 他 の 州 法 律 よ り下 位 の 法 規 定 」(同 条1項2号)で 申 立 適 格(Antragsbefugnis)を. に 基 づ く法 規 命. あ る。 規 範 統 制 の. 有 す る の は,「 当 該 法 規 定 又 は そ の 適 用 に. よ っ て 自 己 の 権 利 を 侵 害 さ れ て い る 又 は 近 い う ち に(inabsehbarerZeit) 侵 害 さ れ る と 主 張 す る,す で あ る(同. 条2項1文)。. (ungultig)」. べ て の 自 然 人 又 は 法 人 」 と 「す べ て の 行 政 庁 」 上 級 行 政 裁 判 所 は,当. こ と を 宣 言 し(6),こ の 場 合 に お け る 裁 判 所 の 判 断 は 一般 的 拘 束. 力 を 有 す る(同. 条5項2文)(7)。. て 権 利 侵 害(の. お そ れ)を. る 。 他 方,行. こ の 制 度 は,自. 要 求 す る 点 で,権. 然 人 ・法 人 の 申 立 適 格 と し. 利 保 護 手 続 の 側 面 を 有 して い. 政 庁 に 申 立 適 格 が 認 め られ る 点 や,本. の 権 利 侵 害 に 限 定 さ れ て い な い 点 で,客 現 に 奉 仕 す る も の で あ る(8)。ま た,法. 「有 効 で な い(ungUltig)」. 案 審 理 の 対 象 が 申立 人. 観 法 の 保 障 な い し法 治 国 原 理 の 実. 規 定 が 効 力 を 有 し な い 旨 の 判 決 が 一一. 規 定 が よ り上 位 の(h6herrangig)法. 規定 は. 「有 効 で な い. と の 確 信 に 到 達 す れ ば(5),そ れ が 「効 力 を 有 し な い(un-. wirksam)」. (5)法. 該法 規定が. と 両 立 し え な い 場 合 に は,当. 該 法. と 解 さ れ て い る。Vgl.DirkEhlers,Die. verwaltungsgerichtlicheNormenkontrolle,JURA2005,171(176). (6)「 効 力 を 有 しな い(unwirksam)」. と い う の は,規. 範 定 立 機 関 が 補 完 手 続(er一. 帥nzendeVerfahren)を. 通 じ て 暇 疵 を 治 癒 す る こ と が 可 能 な 「未 確 定 的. (schwebend)無. の よ うな 余 地 の な い 確 定 的 な 無 効 の 両 者 を 含 む 概 念. 効 」 と,そ. で あ る 。Vgl.HeinrichAmadeusWolf,in:HeinrichAmadeusWolff/ AndreasDecker,Verwaltungsgerichtsordnung(VwGO)Verwaltungsverfahrensgesetz(VwVfG)Studienkommentar,2.Aufl.(2007),§47 VwGORn。57. (7)そ. れ に 対 して,規. 範 統 制 の 申 立 て を 斥 け る 裁 判 所 の 判 断 は,一. 有 しな い 。Vgl.BVerwG,BeschluBvom12.3.1982,BVerwGE65,131 (137);vgl.auchBT-Dr3/55,S.34. (8)Ehlers(Anm.5),S.171;vgl.auchBVerwG,Urteilvom9.4.2008, NVwZ2008,899(900).. 146. 般的拘束力を.
(5) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. 般 的 拘 束 力 を 有 す る点 で,訴 訟 経 済 お よ び裁 判 所 の 負 担 軽 減 に資 す る面 が あ る(9)。 行 政 裁 判 所 法47条1項1号. は,規 範 統 制 の 対 象 と して 「建 設 法 典 の 規 定. に よ り発 布 され た条 例 」 を 挙 げて い る。 建 設 法 典 の 規 定 に よ る条 例 の 代 表 例 は,地 区 詳 細 計 画(Bebauungsplan)で. あ る。 建 設 法 典 の規 定 に よ れ ば,. 地 区 詳 細 計 画 は,「拘 束 的 な建 設 管 理 計 画(Bauleitplan)」 項),市. 町 村 が 条 例 と して議 決 す る(10条1項)。. で あ り(2条2. 地 区詳 細 計 画 は,「 都 市. 建 設 上 の 整 序 の た め の法 的 拘 束 力 を 有 す る指 定(Festsetzung)」 (8条1項1文)。. 地 区 詳 細 計 画 に お いて 指 定 しう る もの は,建 設 法 典9条. 1項 に列 挙 され て お り,建 築 的 利 用 の 種 類 ・程 度(1号),建 地 部 分(2号),交. を含 む. 通 施 設 用 地(11号),緑. 地(15号),有. 防 止 す る施 設 ま た は措 置 の た めの 用 地(24号)等. 築可能 な敷 害 な環境作用 を. が あ る。 地 区 詳 細 計 画 の. 指 定 は,建 築 施 設 の 設 置 等 を 内 容 とす る事 業 案(Vorhaben)の 準 と な る(建 設 法 典30条1項. 許容 性基. ・3項)。 地 区 詳 細 計 画 は,周 知 の通 り,日. 本 の 都 市 計 画 法 に定 め られ て い る地 区 計 画 制 度 の モ デル で あ る。 ドイ ツ行 政 裁 判 所 法 の 規 範 統 制 は,地 区 詳 細 計 画 の み を 対 象 とす る もの で はな いが,地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 して は,多 数 の 実 例 の 蓄 積 が あ り,独 自 の 問題 領 域 が 形 成 され て い る⑩。 この 地 区 詳 細 計 画 の規 範 統 制 を 検 討 す る こ と は,日 本 に お け る 都 市 計 画 を 直 接 争 う訴 訟 を構 想 す る に あ た っ て も大 い に 参 考 とな る と考 え られ る(ll)。 本 稿 は,こ の地 区詳 細 計 画 の (9)ThomasWUrtenberger,Verwaltungsprozessrecht,2.Aufl.(2006), Rn.437.行. 政 裁 判 所 法 案 の 理 由 書 に よ れ ば,規. よ っ て 一 連 の 個 別 訴 訟 を 回 避 し,そ. 範 統 制 の 目 的 は 「唯 一・の 判 決 に. れ に よ って行 政 裁判 所 の 負 担 を 軽 減 す る こ. と 」 に あ る 。Vgl.BT-Dr3/55,S.33. ω. 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 全 般 に 関 す る 先 行 研 究 と し て,藤 行 政 裁 判 所 法 上 の規 範 審 査 制 度 の展 開 =金. 子 宏=小. 早 川 光 郎=園. 原静雄. 「西 ドイ ツ. 部 逸 雄=塩. 地 区詳 細 計画 の訴 訟 統 制 」 成 田 頼 明 野 宏 編 『行 政 法 の 諸 問 題(中)雄. 一 郎 先 生 献 呈 論 集 」(有 斐 閣 ,1990年)437頁. 147. 以下。. 川.
(6) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 規 範 統 制 に関 す る法 的 問 題 の う ち,規 範 統 制 の 申立 て の 適 法 性 の 問 題(本 案 前 の 問 題)に 注 目す る。 申立 て の 適 法 要 件 は複 数 あ るが,地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に お い て 最 も争 点 に な る の は,自 然 人 ・法 人 の 申立 適 格 で あ る⑫。 そ こ で以 下 で は,ま ず 規 範 統 制 の 申立 て の 適 法 要 件 を概 観 した 上 で (本稿2),自. 然 人 ・法 人 の 申立 適 格 が 具 体 的 に いか な る場 合 に認 め られ る. か と い う問 題 を,や や 詳 し く取 扱 う(本 稿3お. 2規. よ び4)⑬ 。. 範統制の申立ての適法要件. (1)規 範 統 制 の 対 象 行 政 裁 判 所 法47条1項. に よれ ば,上 級 行 政 裁 判 所 は,そ の 裁 判 権 の 範 囲. 内 に お い て⑭,申 立 て に基 づ き,同 条1項1号 性 に つ い て 判 断 す る 。 同 条1条1項1号. (ll)こ. は,規 範 統 制 の 対 象 と し て,「 建 設. の よ う な 視 点 を 有 す る 先 行 研 究 と し て,大. 造. 橋洋一. 「都 市 計 画 訴 訟 の 法 構. 規 範 審 査 訴 訟 と 計 画 維 持 原 則 の 関 係 を 中 心 と し て 」 法 政 研 究72巻3号. (2005年)1頁 ⑰. ・2号 所 定 の法 規 定 の 有 効. 以下。. こ れ に 関 す る 先 行 研 究 と し て,竹 格. 之 内一幸. 「規 範 統 制 訴 訟 に お け る 申 立 適. 地 区 詳 細 計 画 を め ぐ る 問 題 点 を 中 心 に 」 鹿 児 島 女 子 大 学 研 究 紀 要15号. (1993年)1頁 格. 以 下,同. 「ドイ ツ 行 政 裁 判 所 法47条. 連 邦 行 政 裁 判 所1998年9月24日. 学 部 紀 要4号(2003年)49頁 ⑱2006年 よ り,一. 改 正 と規 範 統 制 上 の 申立 適. 判 決 を 中心 に」 武 蔵野 女 子 大 学 現 代 社 会. 以下。. に 制 定 さ れ た 環 境 ・法 的 救 済 法(Umwelt-Rechtsbehelfsgesetz)に 定 の環 境 保 護 団 体 が地 区詳 細 計 画 に対 す る規範 統 制 の 申 立 て を す る こ. と も 可 能 に な っ た が(vgl.WolfgangSchr6dter,DieneueUmweltverbandsklagegegenBebauungspl註nenachdemUmwelt-Rechtsbehelfsgesetz,LKV2008,391),本 ω. 行 政 裁 判 所 法40条1項1文 weg)は,す. 稿 で は 環 境 ・法 的 救 済 法 に つ い て は 検 討 し な い 。 は,「 行 政 上 の 出 訴 の 途(Verwaltungsrechts-. べ て の 非 憲 法 的 性 質 の 公 法 上 の 紛 争 に お い て,そ. の紛 争 が 連 邦 法. 律 に よ っ て 他 の 裁 判 所 に 明 示 的 に 割 当 て ら れ て い る の で な い 限 り,開 る 」 と 規 定 す る 。 上 級 行 政 裁 判 所 に よ る 規 範 統 制 は,こ. が 発 生 す る 限 り に お い て 認 め ら れ る 。Vgl.Ehlers(Anm.5),S.172.. 148. かれてい. こで い う公 法 上 の 紛 争.
(7) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. 法 典 の規 定 に よ り発 布 され た条 例,及. び 建 設 法 典246条2項. に基 づ く法 規. 命 令 」 を 挙 げて い る。 1960年 制 定 時 の 行 政 裁 判 所 法47条1文. は,「州 の立 法 は,上 級 行 政 裁 判 所. が その 裁 判 権 の 範 囲 内 に お いて 申立 て に基 づ き州 法 上 の 命 令 又 はそ の 他 の 州 法 律 よ り下 位 の 規 定 の 有 効 性 につ いて,… … 判 断 す る こ とを 定 め る こ と が で き る」 と規 定 して い た。 つ ま り当時 に お いて は,上 級 行 政 裁 判 所 に よ る規 範 統 制 を 導 入 す るか ど うか は,州 の 立 法 者 に委 ね られ て いた わ けで あ る。 その 後1976年 の 「行 政 訴 訟 規 定 の 改 正 に関 す る法 律 」 に よ り,行 政 裁 判 所 法47条 は改 正 され,規 範 統 制 の 対 象 と して 「連 邦 建 設 法 及 び都 市 建 設 促 進 法 の 規 定 に よ る条 例」 が 明 記 さ れ た(同 条1項1号)。. こ の改 正 の 理. 由 につ いて 連 邦 政 府 は,「 連 邦建 設 法 お よ び都 市 建 設 促 進 法 に基 づ く条 例, 特 に地 区 詳 細 計 画 につ き,規 範 統 制 手 続 に よ り権 利 保 護 を 改 善 す る必 要 性 が 明 らか とな っ た。/地 区 詳 細 計 画 は非 常 に決 定 的 な 仕 方 で 市 民 の 法 的 地 位 に干 渉 しう る。 こ こで は,当 該 規 範 それ 自体 に対 す る実 効 的 な 権 利 保 護 を 利 用 で き る こ とが 特 に重 要 で あ る。 この 種 の 規 範 の 有 効 性 が 争 わ れ る場 合,法 状 況 を 適 時 に明 らか にす る こ とが,す べ て の 関 係 者 の 利 益 の た め に 必 要 で あ る」 と述 べ て い る⑮。 そ の後1986年 に連 邦 建 設 法 と都 市 建 設 促 進 法 を 統 合 した建 設 法 典 が 制 定 され,行 政 裁 判 所 法47条1項1号. は,規 範 統. 制 の 対 象 と して 「建 設 法 典 の 規 定 に よ り発 布 され た 条 例 」 を 掲 げ る に至 っ た。 建 設 法 典 の 規 定 に よ る条 例 の 代 表 例 は地 区 詳 細 計 画 で あ るが,そ れ 以 外 の もの と して は,事 業 案 の 主 体 が 市 町 村 と調 整 した 上 で 策 定 す る事 業 案 ・ 開 発 計 画(Vorhaben-undErschlieBungsplan)を ⑮BT-Dr7/4324,S.7.当 入 し た 州 は5州(バ セ ン,シ. 時 に お い て は,上 ー デ ン=ヴ. ュ レ ス ヴ ィ ヒ=ホ. 構 成 要 素 とす る 「事 業 級 行 政 裁 判 所 に よ る規 範 統 制 を 導. ュ ル テ ンベ ル ク,バ ル シ ュ タ イ ン)の. 4324,S.6,15.. 149. イ エ ル ン,ブ. レ ー メ ン,ヘ. み で あ っ た 。VgLBT-Dr7/. ッ.
(8) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 案 関 連(vorhabenbezogene)地. 区 詳 細 計 画 」(建 設 法 典12条1項),策. 定 中. の 地 区 詳 細 計 画 の 適 用 予 定 区 域 に つ い て な さ れ る 「変 更 禁 止(Ver一 註nderungssperre)」(建. 設 法 典16条1項),外. 部 地 域(AuBenbereich)に. 属 す る 地 域 ま た は 土 地 を 建 築 物 連 担 地 区(imZusammenhangbebaute Ortsteile)に. 指 定 ま た は 編 入 す る 条 例(建. 設 法 典34条4項1文2号. ・3号). 等 が あ る ⑯。 地 区 詳 細 計 画 は,原. 則 と し て 土 地 利 用 計 画(Fl註chennutzungsplan)を. 前 提 と し,そ こ か ら 展 開 さ れ る も の で あ る(建 設 法 典8条2項)。 の 規 定 に よ れ ば,土 条2項),市. 地 利 用 計 画 は,「 準 備 的 な 建 設 管 理 計 画 」 で あ り(2. 町 村 の 全 域 に つ い て,意 図 さ れ る 都 市 建 設 的 発 展 か ら生 ず る 土. 地 利 用 の 種 類 を,当. 該 市 町 村 の 予 測 可 能 な 必 要 性 に 応 じて,そ. 徴 に お い て 表 示 す る も の で あ る(5条1項)。 を と る も の で は な く,従. 用 地 を 表 示 す る 土 地 利 用 計 画 が,行. 判 決 ⑱ は,風. 力 発 電 施 設 の 集 中設 置. 政 裁 判 所 法47条1項1号. は,同. 条1項2号. 力 発 電 施 設 の 設 置 を 含 む)に. つ き,土. が 表 示 さ れ て い る 場 合 に は,そ. ㈲. 土 地 利 用 計 画 は,条 例 の 形 式. の類推適用 に. 範 統 制 の 対 象 に な る 旨 判 示 して い る 。 外 部 地 域 に お け る 事 業 案 の. 許 容 性 を 定 め る 建 設 法 典35条 案(風. の基本的特. 来 の 判 例 に よ れ ば 規 範 統 制 の 対 象 に な ら な い(1の 。. しか し連 邦 行 政 裁 判 所2007年4月26日. よ り,規. 建設法典. ド イ ツ に お い て は,市 な 敷 地 部 分,地. に列 挙 され た事 業. 地 利 用 計 画 に お いて 設 置 用 地. れ 以 外 の 場 所 で は 当該 事 業 案 は通 常 許 容 さ. 町 村 の 区 域 は,①. 建 築 物 利 用 の 種 類 ・密 度,建. 区 内 交 通 施 設 用 地 を 指 定 す る 完 全(qualifiziert)地. お よ び 事 業 関 連 地 区 詳 細 計 画 の 適 用 地 域,② 詳 細 計 画 も存 在 しな い が,建 地 区),③. か ら6号. そ れ 以 外 の 地 域(外. 完 全地 区詳 細 計 画 も事 業 関 連 地 区. 築 物 が 連 担 し て 立 ち 並 ん で い る地 区(建 部 地 域)に. 区 別 さ れ,地. Aufl.(2008),Rn.19-22.. ㈹BVerwG,Urteilvom26.4.2007,NVwZ2007,1081.. 150. 築物連担. 域 ご と に事 業 案 の 許 容 性. 基 準 が 異 な っ て い る 。Vgl.FrankStollmann,OffentlichesBaurecht,5.. q7)Vgl.BVerwG,BeschluBvom20.7.1990,NVwZ1991,262(262).. 築可能. 区詳細計画.
(9) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. れ な い もの とす る(3項3文)。. 上 記 判 決 は,「 建 設 法 典35条3項3文. が適. 用 され る範 囲 内 に お いて,土 地 利 用 計 画 は地 区 詳 細 計 画 に比 肩 しう る機 能 を 果 たす 。 建 設 法 典35条3項3文. の 法 的 効 果 を と もな う土 地 利 用 計 画 の 表. 示 は,地 区 詳 細 計 画 の指 定 と 同様 に,基 本 法14条1項2文. ⑲ の 意 味 にお け. る所 有 権 の 内容 お よ び制 限 を 規 定 す る」 と指 摘 して い る。 行 政 裁 判 所 法47条1項1号. は,規 範 統 制 の 対 象 と して,「 建 設 法 典246条. 2項 に基 づ く法 規 命 令 」を 挙 げ て い る。 建 設 法 典246条2項. に よ れ ば,都 市. 州 で あ るベ ル リン お よ びハ ン ブル ク は,建 設 法 典 にお いて 予 定 され た 条 例 の か わ りに,い か な る形 式 の 法 定 立 を行 う か を 定 め る も の と され て お り (1文),同 き る(2文)。. じ く都 市 州 で あ る ブ レー メ ン も その よ うな 定 めを す る こ とが で 地 区詳 細 計 画 が法 律 で定 め られ た場 合,当 該 地 区 詳 細 計 画 は. 規 範 統 制 の 対 象 外 とな る よ う に も思 わ れ るが,連 邦 憲 法 裁 判 所1985年5月 14日 決 定 ⑳ は,ハ ン ブル クの 州 法 律 で 地 区 詳 細 計 画 が 定 め られ た 事 案 につ き,平 等 原 則 を 援 用 して,ハ 47条1項1号. ン ブル クの 地 区 詳 細 計 画 法 律 は行 政 裁 判 所 法. の意 味 に お け る条 例 と解 す べ き で あ る 旨判 示 して い る。. 行 政 裁 判 所 法47条1項2号. は,規 範 統 制 の 対 象 と して,「州 法 が これ を 定. め る限 りに お いて,そ の 他 の 州 法 律 よ り下 位 の 法 規 定 」 を 挙 げ る。 現 在 の と こ ろ,ド イ ツの 全16州 の う ち13の 州 が,州 法 律 を 定 め る こ と に よ り行 政 裁 判 所 法47条1項2号. の 規 定 に よ る規 範 統 制 を 導 入 して い る(こ れ を 導 入. して いな いの は,ベ ル リン,ハ ン ブル ク,ノ ル トラ イ ン=ヴ ェ ス トフ ァー レンの3州 で あ る)⑳。 そ れ に対 して連 邦 の法 規 定 は,そ もそ も規 範 統 制 の ⑲. 基 本 法14条1項. は,「 所 有 権 及 び 相 続 権 は 保 障 さ れ る 。 内 容 及 び 制 限 は 法 律. に よ り定 あ ら れ る 」 と 規 定 す る 。 ⑳BVerfG,BeschluBvom14.5.1985,BVerfGE70,35. ⑳Vgl.FerdinandO.Kopp/Wolf-RndigerSchenke,VerwaltungsgerichtsordnungKommentar,15.Aufl.(2007),§47Rn.23.基. 本 法19条4項1文. は 「何 人 も 公 権 力 に よ り そ の 権 利 を 侵 害 さ れ る 場 合 に は,そ 開 か れ て い る 」 と 規 定 し て い る が,こ. 151. の 者 に出 訴 の 途 が. の 規 定 は 州 法 律 よ り下 位 の す べ て の 法 規/.
(10) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 対 象 と は され て いな い。. (2)申 立 適 格 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. は,規 範 統 制 の 申立 適 格 を 有 す る者 と して,. 「当 該 法 規 定 又 は そ の 適 用 に よ って 自己 の 権 利 を侵 害 され て い る又 は 近 い う ち に侵 害 され る と主 張 す る,す べ て の 自然 人 又 は法 人 」 と 「す べ て の 行 政 庁 」 を 挙 げて い る。 自然 人 ・法 人 の 申立 適 格 につ いて,1960年. 制 定 時 の 行 政 裁 判 所 法47条2. 文 は,「 当 該 規 定 の適 用 に よ って 不 利 益 を 受 け る又 は 近 い う ち に予 想 せ ざ る をえ な い,す べ て の 自然 人 又 は法 人 」 と規 定 し,1976年 改 正 直 後 の 同法 47条2項1文. は,「 当該 法 規 定 又 は そ の 適 用 に よ って不 利 益 を受 け る又 は. 近 い う ち に予 想 せ ざ るを え な い,す べ て の 自然 人 又 は法 人 」 と規 定 して い た⑳。 いず れ に して も,「不 利 益 」 を受 け る(お そ れ が あ る)自 然 人 ・法 人 に 申立 適 格 が 認 め られ て い たわ けで あ る。1996年 の 改 正 で,自 然 人 ・法 人 の 申立 適 格 に関 す る規 定 は現 在 の 文 言 に改 め られ,「権 利 侵 害 」を 主 張 す る こ と が 必 要 と な っ た。 取 消 訴 訟 ・義 務 付 け 訴 訟 の 出 訴 資 格(Klagebefugnis)は,従. 前 か ら,「行 政 行 為 又 は その 拒 否 若 し くは不 作 為 に よ って 自. 己の 権 利 を 侵 害 され て い る と主 張 す る」 者 に認 め られ て い るが(同 法42条 2項),1996年. 改 正 の 結 果,自 然 人 ・法 人 の 申立 適 格 は,取 消 訴 訟 ・義 務. 付 け訴 訟 の 出訴 資 格 に近 似 した もの とな っ た㈱。 自然 人 ・法 人 の 申 立 適 格 につ いて は,本 稿3(1996年. 改 正 前)お. よ び本 稿4(1996年. 改 正 後)に. お. \ 定 に 関 して 行 政 裁 判 所 に よ る 抽 象 的 規 範 統 制 を 設 け る こ と を 保 障 す る も の で は な い と い う の が 判 例 で あ る 。Vgl.BVerwG,BeschluBvom1.8.1990, NVwZ-RR1991,54(54). ⑳1976年 normen)の. 改 正 の 理 由 に つ い て,連 場 合,既. 邦 政 府 は,「 い わ ゆ る 執 行 規 範(Vollzugs-. に規 範 そ の もの に よ っ て不 利益 が 生 じう る」 と指 摘 して. い るQVgl.BT-Dr7/4324,S。11. ㈱Vgl.BT-Dr13/3993,S.10.. 152.
(11) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. いて,や や 立 ち入 っ た検 討 を 加 え る。 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. は,「す べ て の行 政 庁 」に も 申立 適 格 を 認 めて. い る。 行 政 庁 の 場 合 は,「 不 利 益 」 を主 張 す る こ と も,「 権 利 侵 害 」 を 主 張 す る こ と も必 要 と され て いな い。 ただ し連 邦 行 政 裁 判 所1989年3月15日. 決. 定 ⑳ は,「 もち ろん 行 政 庁 も必 ず 申立 適 格 を有 す る わ けで は な く,当 該 行 政 庁 に権 利 保 護 の 利 益(Rechtsschutzinteresse)が. 認 め られ る場 合 に限 られ. る」 と述 べ て お り,権 利 保 護 の 利 益 は 「当該 行 政 庁 に よ って 抗 議 され て い る 規 範 の 執 行 に 当 該 行 政 庁 が 携 わ っ て お り,自 (verfUgen)特. ら当 該 規 範 を 処 分 す る. に 当該 規 範 を廃 止 ま た は改 正 す る. ことができな い. 場 合 に は,常 に存 在 す る」 と判 示 して い る。 学 説 にお いて も,こ の 判 例 は 結 論 に お いて 支 持 され て い るが,こ. こで い う権 利 保 護 の 利 益 と 申立 適 格 は. 区 別 され るべ きで あ る との 指 摘 が あ る㈱。 な お上 記 決 定 は,市 町 村 が 行 政 庁 と して 規 範 統 制 の 申立 適 格 を 有 す る こ とが 認 め られ る た め に は,「争 わ れ て い る規 範 が,市 町 村 の 区 域 内 にお いて 妥 当 し,か つ 当該 市 町 村 に よ って 固 有 の ま た は委 託 され た 事 務 を 遂 行 す る に あ た り顧 慮 され るべ きで あ るな らば,十 分 で あ る」 とす る。 しか し市 町 村 が 近 隣 市 町 村 の 地 区 詳 細 計 画 の 指 定 を 争 う場 合,「 そ の よ う な指 定 は,当 該 市 町 村 の 区 域 で は妥 当せ ず,当 該 市 町 村 に対 して 市 町 村 の 任 務 遂 行 につ いて の 拘 束 力 を 及 ぼす もの で もな い」 の で,こ の 場 合 に は法 人 と して の 市 町 村 の 申立 適 格 の み が 問 題 とな る 旨判 示 して い る。. (3)申 立 期 間 規 範 統 制 の 申立 て は,当 該 法 規 定 の 公 布 後1年 以 内 に しな けれ ばな らな. ⑳BVerwG,BeschluBvom15.3.1989,BVerwGE80,307. ㈲VgLWolff,in:Wolff/Decker(Anm.6),§47VwGORn.45;Kopp /Schenke(Anm.21),§47Rn.82,94.. 153.
(12) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. い(行 政 裁 判 所 法47条2項2文)。 1996年 に行 政 裁 判 所 法 が 改 正 され る まで は,規 範 統 制 の 申立 期 間 は定 め られ て いな か っ た。 連 邦 政 府 は,行 政 裁 判 所 法 第6次 改 正 法 案 に お いて, 当時 規 範 統 制 の 申 立 て は,例 外 的 な 申立 権 の 失 効(Verwirkung)の を除 き,法 規 定 の 発 効 後 何 年 で もす る こ とが で き る こ と,そ. 場合. して この こ と. は,特 に建 設 計 画 法 の 領 域 に お いて 重 要 な,法 的 安 定 性 の 著 しい侵 害 とな りう る こ とを 指 摘 して,規 範 統 制 の 申立 期 間 を 当該 法 規 定 の 発 効 後1年 間 とす る こ とを 提 案 した ⑳。 それ に対 して 連 邦 参 議 院 は,そ の よ うに短 い期 間 で は利 害 関 係 人 が 規 範 の 作 用 を 見 通 す こ とが で きな い こ と等 を 指 摘 し, 政 府 案 で は 規 範 統 制 の 可 能 性 が 無 に帰 す る と の意 見 を 表 明 し た⑳。 結 局 1996年 の 改 正 で は,規 範統 制 の 申立 期 間 は 「当該 法 規 定 の公 布 後2年 以 内」 と され た。 2006年 の 「都 市 の 内部 発 展 の た め の計 画 事 業 案 の容 易 化 に 関す る法 律 」 に よ り,規 範 統 制 の 申立 期 間 は 「当該 法 規 定 の 公 布 後1年 以 内」 に短 縮 さ れ た。 こ の 改正 の 理 由 に つ い て 連 邦 政 府 は,「 期 間 の導 入 は成 功 で あ っ た が,2年. で は長 す ぎ る こ とが 明 らか で あ る。 と い うの も,す べ て の 地 域 に. お い て 経 済 的 お よ び 人 口統 計 上 の 発 展 を 引 き 起 こ して い る 緊 急 の 挑 戦 (Herausforderung)に. 鑑 み る と,行 政 に と っ て も,投 資 者,市 民 そ の 他. の 利 害 関 係 人 に と って も,法 的 安 定 性 を 遅 滞 な く確 立 す る こ とが 必 要 で あ るか らで あ る。1年 の 期 間 は この 願 望(Anliegen)を. 満 た し,規 範 統 制 の. 範 囲 内 に お け る実 効 的 な 権 利 保 護 の 観 点 の 下 で も十 分 で あ る こ とが 明 らか で あ る」 と述 べ て い る㈱。 申立 期 間 に関 して 留 意 す べ きで あ るの は,申 立 期 間 が 経 過 した後 に お い 4. 3. 凪. 6 ∩J 4 2 /. 8. 保. ⑱. &. 9﹂ 9 9 90 /. . r D. T B. 00 90 禽U lI占 -1占 -1⊥. . r D. T B. ⑳ ②. 9﹂ ∩﹂ Qり 00 /. . r D. T B. ③ の ⑦ ⑦. 154.
(13) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. て も,取 消 訴 訟 等 の 個 別 訴 訟 に お い て 裁 判 所 が 法 規 定 の 効 力 を 付 随 的 に (前提 問題 と して)審 査 す る こ と は妨 げ られ な い と い う点 で あ る⑳。 そ れ ゆ え 学 説 に お いて は,規 範 統 制 の 申立 期 間 を 制 限 して も法 的 安 定 性 が 高 ま る わ けで はな く,か え って これ が害 さ れ る こ とに な る と主 張 す る者 もあ るG① 。 ま た,規 範 が その 発 布 後 に生 じた事 情 に よ り効 力 を 失 うケ ー ス につ いて, 申立 期 間 の 例 外 を 認 め るか ど うか と い う問 題 が あ るGl)。. (4)被. 申立 人. 規 範 統 制 の 申 立 て は,当 造 物 法 人(Anstalt),ま い る(行. 該 法 規 定 を 発 布 し た 社 団(K6rperschaft),営. た は 財 団(Stiftung)に. 政 裁 判 所 法47条2項2文)。. に 関 して は,権. す な わ ち 被 申 立 人(Antragsgegner). 利 主 体 主 義(Rechtstr鎗erprinzip)が. 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 の 場 合,被. 対 して す る も の と さ れ て. 採 用 さ れ て い る勧。. 申 立 人 は 当 該 地 区 詳 細 計 画 を 発 布 した. 市 町 村 と な る 欝。. (5)前 置 手 続 取 消 訴 訟 お よ び行 政 行 為 の 実 施 を 求 め る 申請 が 拒 否 され た 場 合 の 義 務 付 ⑳Vgl.Wolff,in:Wolff/Decker(Anm.6),§47VwGORn.47.こ と は,行. 政 裁 判 所 法 第6次. の こ. 改 正 法 案 に お い て も 前 提 と さ れ て い た 。Vgl.BT-. Dr13/3993,S.10. G①Kopp/Schenke(Anm.21),§47Rn.84;vgl.auchEhlers(Anm.5), S.176. ⑳VgLWolff,in:Wolff/Decker(Anm.6),§47VwGORn.47.こ 題 に つ い て は,大. 橋. ・ 前 掲 注(ll)9頁. の 問 以 下 も 参 照 。. 圃Wolff,in:Wolff/Decker(Anm.6),§47VwGORn.25;Kopp/ Schenke(Anm.21),§47Rn.39. ㈱J6rgvonAlbedyll,in:JohannBader/MichaelFunke-Kaiser/ StefanKuntze/J6rgvonAlbedyll,VerwaltungsgerichtsordnungKommentaranhandderh6chstrichterlichenRechtsprechung,4.Aufl. (2007),§47Rn.90.. 155.
(14) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. け 訴 訟 に つ い て は 不 服 申 立(Widerspruch)前 (行 政 裁 判 所 法68条1項. ・2項),規. 置 主 義 が と ら れ て い るが. 範 統 制 の 申立 て に あ た って は不 服 申立. 手 続 は 実 施 さ れ な い 剛。. (6)地 区 詳 細 計 画 等 に対 す る規 範 統 制 の 申立 て の 制 限 2006年 の 「都 市 の 内部 発 展 の た め の計 画 事 業案 の容 易 化 に 関 す る法 律 」に よ り,行 政 裁 判 所 法47条 に第2a項 細 計 画,建 設 法 典34条4項1文. が 追 加 さ れ た。 同 項 に よ る と,地 区 詳. ・2文 ま た は35条6項. ㈱ に よ る条 例 を 対 象. とす る,自 然 人 ・法 人 の 申立 て は,以 下 の 場 合 に は許 され な い。 す な わ ち 「当 該 申立 て を す る人 が,公 衆 の 縦 覧(建 設 法 典3条2項)の は利 害 関 係 を 有 す る公 衆 の 参 加(建 設 法 典13条2項2号 1号)の. 範 囲 内,又. お よ び13a条2項. 範 囲 内 に お いて,主 張 しな か っ た又 は時 機 に遅 れ て 主 張 したが,. 主 張 す る こ とが で き たで あ ろ う異 議 の み を 主 張 す る」 場 合 で あ って,し か も 「参 加 の範 囲 内 に お い て こ の法 効 果 に つ い て 注 意 が 喚起 され た 殉 場 合 で あ る。 この 改 正 の 理 由 につ いて 連 邦 政 府 は,「当該 規 律 は,一 般 的 な 権 利 保 護 の 必 要 性(RechtsschutzbedUrfnis)を. 具 体 化 す る もの で あ り,既 に. 〔 地 区 詳 細 計 画 の 〕 策 定 手 続 に お い て 各 々 の 利 益 を 適 時 に衡 量 素 材(Abw鎗ungsmaterial)に. 加 え る と い う 目 的 に 奉 仕 す る参 加 権 が 存 在 して い. る と い う状 況 を考 慮 して い る。 その こ と お よ び計 画 策 定 者 と行 政 裁 判 所 の 間 の原 則 的 な 任 務 配 分 に,重 要 な(sachlich)異. 議 が 苦 もな く裁 判 手 続 に. ③DvonAlbedyll,in:Bader/Funke-Kaiser/Kuntze/vonArbedyll(Anm. 33),§47Rn.32. ㈲. 建 設 法 典35条6項. は,市. 町 村 が,外. 部 地 域 の う ち,農. る 程 度 の 住 宅 建 設 が な さ れ て い る 地 域 に つ い て,住. 居,小. 業 的 利 用 が 少 な く,あ 規 模 の 手 工 業 ・営 業. に奉 仕 す る事 業 案 を 容 易 化 す るた め の 条 例 を 制 定 す る こ とを 認 め て い る。 ㈹. 都 市 の 内 部 発 展 の た め の 計 画 事 業 案 の 容 易 化 に 関 す る 法 律 に よ り,建 に,公. 設法典. 衆 縦 覧 手 続 等 に お い て規 範 統 制 の 申立 て の制 限 に つ い て 注 意 を 喚 起 す る. も の と す る 規 定 が 設 け ら れ た(3条2項2文. 156. 等)。.
(15) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. お いて は じめて 主 張 され る と い う こ と は,矛 盾 す るで あ ろ う」 と述 べ て い る⑳。 も っ と も この 規 定 は,規 範 統 制 の 申 立 て を 制 限 す る に と ど ま り,取 消 訴 訟 等 の 個 別 訴 訟 に お いて 地 区 詳 細 計 画 の 無 効 を 主 張 す る こ とを 制 限 す る もの で はな い鮒。. (7)権 利 保 護 の 必 要 性 規 範 統 制 の 申立 て が 適 法 と され る た め に は,権 利 保 護 の 必 要 性(な. いし. は権 利 保 護 の 利 益)が 存 在 しな けれ ばな らな い と考 え られ て い る。 権 利 保 護 の 必 要 性 と は,「権 利 保 護 を求 め る者 の利 益 で あ っ て,求 め られ た 権 利 保 護 を 達 成 す る た め に裁 判 所 を 利 用 す る こ とが 許 され る もの 」 と解 され て い るG窃 。 行 政 裁 判 所 法 は,権 利 保 護 の必 要 性 な い し権 利 保 護 の利 益 とい う語 を 用 いて いな いが,裁 判 所 に よ る権 利 保 護 を 求 め る いか な る 申立 て につ い て も権 利 保 護 の 必 要 性 が 要 求 され る と い う点 で,学 説 ・判 例 は一 致 して い る。 権 利 保 護 の 必 要 性 が 欠 け る場 合 の 類 型 と して は,権 利 の 濫 用 ・失 効 が 認 め られ る場 合,よ. り容 易 な 権 利 保 護 の 可 能 性 が あ る場 合 の ほか,権 利 保. 護 の 目的 を 達 成 す る こ とが で きな い場 合 が 挙 げ られ る㈲。 連 邦 行 政 裁 判 所1989年2月9日. 決 定 ω は,「一 般 的 な解 釈 に よ る と,裁 判. 所 に よ る権 利 保 護 を 求 め る 申立 て に権 利 保 護 の 必 要 性 が 欠 けて い るの は, 求 め られ た裁 判 所 の 判 決 に よ って 申立 人 が 自 己の 法 的 地 位 を 改 善 す る こ と (3のBT-Dr16/2496,S.18. ㈱vonAlbedyll,in:Bader/Funke-Kaiser/Kuntze/vonArbedyll(Anm. 33),§47Rn.94.2. 働Vgl.DirkEhlers,in:FriedrichSchoch/EbrhardSchmidt-ABmann/ RainerPietzner,VerwaltungsgerichtsordnungKommentar(1996), Vorb§40Rn.74. ωFriedhelmHufen,Verwaltungsprozessrecht,6.Aufl.(2005),§19 Rn.46-52;Ehlers(Anm.5),S.176. ωBVerwG,BeschluBvom9.2.1989,NVwZ1989,653;vgLauch BVerwG,Urteilvom28.8.1987,BVerwGE78,85.. 157.
(16) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. が で きず,そ れ ゆえ に裁 判 所 の 利 用 が 彼 に と って 無 益 で あ る よ う に思 わ れ る場 合 で あ る。 しか しこれ が いつ 起 こ るか は,基 本 的 に は個 別 事 例 に お け る それ ぞ れ の 状 況 に よ る」 と判 示 して い る。 本 決 定 は,地 区 詳 細 計 画 に含 まれ る道 路 計 画 に対 して,道 路 の 完 成 ・供 用 後 に,規 範 統 制 の 申立 て が な され た事 案 に関 す る もの で あ る。 本 決 定 は,「 地 区詳 細 計 画 の 無 効 の 場 合 に,申 立 人 の,彼. に よ って 争 わ れ て い る施 設 を 除 去 す る法 的 可 能 性 が,法. 的 に改 善 され る こ とが 判 明 す る場 合 」 に は権 利 保 護 の 必 要 性 が 存 在 す る 旨 述 べ,こ れ を 肯 定 した上 級 行 政 裁 判 所 の 判 断 を 支 持 して い る。 権 利 保 護 の 必 要 性 が 否 定 され た例 と して は,連 邦 行 政 裁 判 所1995年9月 22日 決 定 幽 が 挙 げ られ る。 本 件 は,地 区 詳 細 計 画 に基 づ いて 隣 地 に お け る 多 家 族 住 宅(Mehrfamilienhaus)の. 建 築 が 認 め られ た め,こ れ に不 服 が. あ る 申立 人 が 不 服 申立 て お よ び規 範 統 制 の 申立 て を した と こ ろ,手 続 係 属 中 に 当該 地 区 詳 細 計 画 が 廃 止 され た と い う もの で あ る。 本 決 定 は,争 わ れ て い る地 区詳 細 計 画 が 将 来 に 対 して 何 らの効 果 も もた な くな っ た た め, 「規 範 統 制 手 続 に お い て 求 め られ た無 効 宣 言 に よ る 申 立 人 の 法 的地 位 の 改 善 は,せ いぜ い係 属 中の 近 隣 争 訟 との 関 係 で 問 題 にな る にす ぎな い」 と指 摘 した上 で,問 題 の 住 宅 は 「仮 に 当該 地 区 詳 細 計 画 が 無 効 で あ っ た と して も,建 築 仮 決 定(Bauvorbescheid)の. 時 点 で,〔 建 築 物 連 担 地 区 に お け る. 事 業 案 の 許 容 性 を 規 定 す る〕 連 邦 建 設 法34条1項. に よ り法 的 に許 容 され て. い たで あ ろ う」 と述 べ て い る。. (8)ノ』 、 亨 舌 1960年 制 定 時 の 行 政 裁 判 所 法 は,上 級 行 政 裁 判 所 に よ る規 範 統 制 を 導 入 す るか ど うか を 州 の 立 法 に委 ね て い たが,1976年 規 定 に よ る条 例,特. の 改 正 で,連 邦 建 設 法 の. に地 区 詳 細 計 画 が 連 邦 全 域 で 規 範 統 制 の 対 象 とな る も. 幽BVerwG,BeschluBvom22.9.1995,NVwZ-RR1996,478.. 158.
(17) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. の と され た。 この 改 正 で 規 範 統 制 は従 来 と比 較 して 拡 充 され た と いえ る。 しか し1996年 に は,規 範 統 制 の 申立 期 間 が 定 め られ,規 範 統 制 の 申立 て は 当該 法 規 定 の 公 布 後2年 以 内 に制 限 され た。 さ らに2006年 の 改 正 で,申 立 期 間 が1年 間 に短 縮 され る と と も に,地 区 詳 細 計 画 に対 す る規 範 統 制 の 申 立 て は,当 該 地 区 詳 細 計 画 の 策 定 手 続 に お いて 主 張 す る こ とが で きた に も か か わ らず 主 張 しな か っ た,あ る い は時 機 に遅 れ て 主 張 した 異 議 の み を 主 張 す る場 合 に は,許 容 され な い もの とな っ た。 この よ う に1996年 以 降,立 法 者 は規 範 統 制 の 申立 て の 適 法 要 件 を 厳 格 化 す る傾 向 に あ る。 自然 人 ・ 法 人 の 申立 適 格 に つ い て は,1996年 改 正 前 に お い て は,「不 利 益 」 を 受 け るか ど うか が 基 準 とな って い たが,改 正 後 にお いて は,「 権 利 侵 害 」 の 主 張 が 必 要 と され て い る。 以 下 で は,1996年. 改 正 前 と改 正 後 に分 けて,. 自然 人 ・法 人 の 申立 適 格 が 具 体 的 に いか な る場 合 に肯 定 され るの か を,連 邦 行 政 裁 判 所 の 判 例 を 参 照 す る こ とを 通 じて 明 らか にす る。. 3自. 然 人 ・法 人 の 申 立 適 格(1996年. 1960年 制 定 時 の 行 政 裁 判 所 法47条2文. 改 正 前). は,「 当 該 規 定 の適 用 に よ り不 利. 益 を受 け る又 は近 い う ち に 予 想 せ ざ る を得 な い,す べ て の 自然 人 又 は 法 人 」 に 申立 適 格 を 認 め,1976年. 改 正 直 後 の 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. は,. 「当該 法 規 定 又 は そ の 適 用 に よ り不 利 益 を 受 け る又 は 近 い う ち に予 想 せ ざ るを 得 な い,す べ て の 自然 人 又 は法 人 」 に 申立 適 格 を 認 めて いた 。 そ こで 問 題 とな るの は,自 然 人 ・法 人 が 地 区 詳 細 計 画(の 適 用)に よ り 「不 利 益 」 を 受 け るの は どの よ うな 場 合 か,と. い う点 で あ る。. (1)連 邦 行 政 裁 判 所1979年11月9日. 決定. 地 区 詳 細 計 画 に よ って,自 然 人 ・法 人 が,1996年 159. 改正前の行政裁判所法.
(18) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 47条2項1文. に い う不 利 益 を受 け るの は どの よ うな 場 合 か につ いて,連 邦. 行 政 裁 判 所 の 見 解 が 初 めて 示 され たの が,連 邦 行 政 裁 判 所1979年11月9日 決 定 で あ る。 本 決 定 は ま ず,行 政 裁 判 所 法47条2項1文. に い う不 利 益 概 念 に つ き,. 「『不 利 益 』 と は,あ る利 益 が 影 響 を 受 けて い る こ と と 同義 で あ り,そ れ も … … 否 定 的 ,侵 害 的 な 影 響 を 受 けて い る こ とで あ る」 と述 べ る。 ただ し, 「行 政 裁 判 所 法47条2項1文. に お い て,発 生 した又 は 予 想 され う る不 利 益. を要 求 す る こ と は,申 立 適 格 を 有 す る者 の 範 囲 の 制 限 を 達 成 す る,… … す な わ ち民 衆 に よ る 申立 て(Popularant画ge)の. 許 容 性 を 排 除 す る もの で あ. る」 と の立 場 か ら,「す べ て 利 益 のす べ て の 否 定 的 な 接 触(Beruhrung) が 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. の 意 味 に お け る不 利 益 と して 評 価 され る こ と. は あ りえ な い」 と判 示 す る⑬。 そ こで,い か な る利 益 が いか な る侵 害 的 影 響 を 受 け た場 合 に,こ こで い う不 利 益 が 認 め られ るか が 問 題 とな る。 本 決 定 は,「(建 設)計 画 法 に お い て は,い わ ゆ る衡 量 要 請(Abw註gungsgebot)が. 支 配 的 な役 割 を演 ず る」. の 立 場 か ら幽,「あ る利 益 が,あ る法 規 定 の 発 布 につ いて の 決 定 の 際 に顧 慮 され るべ きで あ る程 に十 分 重 要 で あ るな らば,そ れ は 同時 に,当 該 法 規 定 が 発 布 され た後 に規 範 統 制 の 申立 て を 正 当化 す るの に十 分 保 護 に値 す る」 と述 べ る。 その 上 で,地 区 詳 細 計 画 に対 す る規 範 統 制 の 申立 適 格 を 基 礎 づ け る,行 政 裁判 所 法47条2項1文. にい う不 利 益 が 存 在 す るの は,「 申立 人 が. 地 区 詳 細 計 画 ま た は その 適 用 に よ って,こ の 地 区 詳 細 計 画 の 発 布 ま た は 内 容 につ いて の 決 定 の 際 に 申立 人(ま. た は その 被 承 継 人)の 私 的 利 益 と して. ⑬BVerwG,BeschluBvom9.11.1979,BVerwGE59,87(96). 幽1960年. 制 定 時 の 連 邦 建 設 法1条4項. は,建. 設 管 理 計画 に あ って は. 「公 的 及 び. 私 的 利 益 が 相 互 に 適 正 に 衡 量 さ れ る べ き で あ る 」 と 規 定 し て い た 。1976年 後 の 連 邦 建 設 法1条7項,1986年 建 設 法 典1条7項. も,同. 制 定 時 の 建 設 法 典1条6項,2004年. 内 容 の 規 定 で あ る。. 160. 改正. 改正後の.
(19) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. 衡 量 に お いて 考 慮 され な けれ ばな らな か っ た利 益,つ. ま り… … 必 要 な 「衡. 量 素 材 』 に属 す る利 益 に,否 定 的 す な わ ち侵 害 的 な 影 響 を 受 けて い る場 合 な い しは近 い う ち に影 響 を 受 け う る場 合 」 で あ る と判 示 す る㈲。 そ うす る と,こ こで い う衡 量 素 材 と は どの よ うな 利 益 か が 問 題 とな る。 本 決 定 は,過 去 の 連 邦 行 政 裁 判 所 の 判 例 を 引 用 して,以 下 の よ う に判 示 す る。 「建 設 管 理 計 画 に あ って は,必 要 な 衡 量 素 材 は,『 諸 般 の事 情 に よ り (nachLagederDinge)』. 衡 量 に 『取 り入 れ られ 』 な け れ ば な らな い す べ. て の(私 的)利 益 を 含 む 」。 「建 設 計 画 法 に お いて は,衡 量 素 材 と して 顧 慮 す べ き 私 的 利 益 は,公 権(subjektive6ffentlicheRechte)や,基 条1項. ま た は2条2項. 本 法14. に よ り憲 法 上 … … 保 護 され て い る もの 〔 所 有 権,生. 命 ・身 体 〕 に限 られ な い… … 。 あ る土 地 の 利 用 が 賃 貸 借 契 約 や 小 作 契 約 に 基 づ くもの にす ぎな い と い う事 実 は,そ れ に関 連 す る利 益 は計 画 上 の 衡 量 の 際 に考 慮 され な い ま まで な けれ ばな らな い と い う結 論 を 当然 に もた らす もの で はな い」。 「既 存 の 営 業 を 拡 大 す る利 益 は,そ れ が 所 有 権 と して は保 護 され て お らず,そ れ ゆえ に憲 法 上 保 護 され て いな い場 合 で も,衡 量 上 有 意(abw註gungserheblich)で. あ り う る」。 「土 地 の 所 有 者 は,そ の土 地 の. 前 で 従 前 存 在 して い た交 通 状 況 を 悪 化 させ る何 か が 起 こ っ た場 合,権 利 を 侵 害 され る こ と は決 して な い。 しか しその こ とか らも,既 存 の 交 通 状 況 の 維 持 を 求 め る沿 道 住 民 の 利 益 は計 画 上 の 衡 量 の 際 に いつ も考 慮 され な い ま まで な けれ ばな らな い と い う結 論 は 出て こな い㈹」。 この 通 り連 邦 行 政 裁 判 所 の い う衡 量 素 材 は,相 当 広 い範 囲 の 利 益 を 含 む こ とが わ か る。 しか しな が ら本 決 定 は,「必 要 な衡 量 素 材 は,こ の 拡 大 の 傾 向 と は別 に,適 切 な 制 限 を 必 要 と す る」 と述 べ,「 す べ て の 低 価 値(geringwertig)で. あるか. ㈹BVerwG,BeschluBvom9.11.1979,BVerwGE59,87(98-100). ㈹BVerwG,BeschluBvom9.11.1979,BVerwGE59,87(101-102).. 161. 客観 的 に. そ もそ も,あ る い は所 与 の 事 実.
(20) 近畿大学法学. 関 係 に お いて. 第56巻 第3号. 保 護 に値 しな い(影 響 を 受 け る)利 益 は,計 画 上 の 衡 量. の 際 に考 慮 され な い ま ま にす る こ とが で き る」 と判 示 す る。 保 護 に値 しな い利 益 と して は,「 非 難 す べ き(miteinemMakelbehaftet)利. 益」 が挙. げ られ て い る ほか,利 益 が保 護 に値 しな い 場 合 の例 と して,「 そ の主 体 が 『何 か が 起 き る』 と い う こ と を思 慮 分 別 に 従 って(vernUnftigerweise)予 測 しな けれ ばな らず,そ れ ゆえ に例 え ば一一 定の市場状況や交通状況が存続 す る こ と につ き生 じう る信 頼 が 保 護 に値 しな い場 合 」が挙 げ られ て い る幽。 さ ら に 本 決 定 は,衡 量 上 顧 慮 す べ き 影 響 は,「 第1に fUgig)を. 超 え,第2に. 特 に これ で あ る. 僅 少(gering-. そ の発 生 の 点 で 少 な くと も蓋 然 的 で あ り,第3に 計 画 当局 に と って 当該 計 画 につ いて の 決 定 の 際 に. 衡 量 上 顧 慮 す べ き もの と して 認 識 可 能 で あ る」 もの に限 られ る とす る。 「計 画 当 局 が 「見 て』 お らず,所 与 の状 況 に よ り 「見 る』必 要 もな い もの は,衡 量 の 際 に 当局 に よ り考 慮 され る こ と はで きず,考 慮 され る必 要 もな い。1976・1979年 連 邦 建 設 法2a条6項. に よ る市 民 参 加 は,と. りわ け,利. 益(に 対 す る影 響)を 計 画 当局 に見 え る よ う にす る任 務 を 有 す る。 影 響 を 受 け る者 が,そ の 影 響 を 市 民 参 加 の 中で 主 張 しな か っ た場 合,当 該 影 響 が 衡 量 上 有 意 で あ るの は,計 画 当局 に と って この 影 響 の 事 実 が 思 い浮 か ばな けれ ばな らな か っ た(sichaufd鉛ngenmuBte)と. き に 限 られ る㈹」。. 以 上 の 判 示 を 整 理 す る と,地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 の 場 合 に は 「衡 量 上 有 意 な利 益 の 侵 害 」,す な わ ち① 特 定 の者 の 低 価 値 で は な く保 護 に値 す る 利 益 が 地 区詳 細 計 画 に よ って 僅 少 を 超 え る程 度 の 侵 害 的 影 響 を 受 け る こ と,さ. らに② その こ とが 当該 計 画 につ いて の 決 定 の 際 に蓋 然 的 で あ り計 画. 当局 に と って 認 識 可 能 で あ る こ とが,1996年 項1文. 改 正 前 の 行 政 裁 判 所 法47条2. に い う 「不 利 益 」 とみ な され る㈹。 そ の 特 色 を こ こ で2点 指摘 す る. ㈲BVerwG,BeschluBvom9.11.1979,BVerwGE59,87(102-103). ㈹BVerwG,BeschluBvom9.11.1979,BVerwGE59,87(103-104).. 162.
(21) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. と,第1に,厳. 密 な 意 味 で の権 利 が 侵 害 され る必 要 は な く,(保 護 に 値 す. る)利 益 の 侵 害 で 足 りる と い う点 が 挙 げ られ る。 これ は 自然 人 ・法 人 の 申 立 適 格 を 広 く認 め る方 向 に作 用 す る。 他 方 で,利 益 侵 害 が 計 画 決 定 時 に当 局 に と って 認 識 可 能 で あ る こ とが 必 要 と され て い る。 この 基 準 で は,計 画 決 定 後 に発 生 した事 情 の 変 化 を 理 由 に 自然 人 ・法 人 が 規 範 統 制 の 申立 て を す る こ と は困 難 にな る と思 わ れ る。. (2)79年. 決定の射程. 上 記 の 通 り,前 掲 連 邦 行 政 裁 判 所1979年11月9日 利 益 の 侵 害 を,1996年. 決 定 は,衡 量 上 有 意 な. 改 正 前 の 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. に い う不 利 益 と. み な して い る。 しか し連 邦 行 政 裁 判 所 は,規 範 統 制 の 申立 適 格 を 判 断 す る に あ た り,常 に必 ず 衡 量 上 有 意 な 利 益 の 侵 害 の 有 無 を 問 うて い るわ けで は な い。 こ の 点 で 注 目 され る の が,連 邦 行 政 裁 判 所1988年11月11日 る。 申立 人 は,1985年. 決 定6①で あ. に 発 効 した 地 区 詳 細 計 画 の 区 域 内 に あ る 事 務 所 を. 1987年 か ら賃 借 し,成 人 向 け商 品 の 販 売 を 行 っ た と こ ろ,当 該 地 区 詳 細 計 画 の 指 定 に基 づ き,当 該 事 務 所 を 当該 商 品 販 売 の た め に使 用 す る こ とを 禁 止 す る命 令 を 受 け た た め,不 服 申立 て お よ び規 範 統 制 の 申立 て を した 。 こ れ まで 当該 事 務 所 に お いて 当該 商 品 の 販 売 が 行 わ れ た こ と はな く,土 地 所 有 者 も前 の 賃 借 人 も,当 該 地 区 詳 細 計 画 の 策 定 手 続 にお いて 特 に異 議 を 述 べ て いな か っ た。 本 件 決 定 は,以 下 の よ う に判 示 し,申 立 適 格 を肯 定 した。 「当 裁 判 部 の 判 例 に よ る と,行 政 裁 判 所 法47条2項1文. の 意 味 にお け る不 利 益 は,衡 量 上. 有 意 な 人 格 的 利 益 が 侵 害 され る場 合,既. に存 在 して い る… … 。 衡 量 上 有 意. ㈹VgLBVerwG,BeschluBvom9.11.1979,BVerwGE59,87(104). ⑳BVerwG,BeschluBvom11.11.1988,NVwZ1989,553.. 163.
(22) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. で あ るの は,市 町 村 に と って 思 い浮 か ばな けれ ばな らな か っ た利 益,ま. た. は影 響 を 受 け る者 に よ って 主 張 され た利 益 の み で あ る。 それ に よ って,行 政 裁 判 所 法47条2項1文. よ る 申立 適 格 の 前 提 とな る人 格 的 な 影 響 の 最 も外. 側 の境 界 が示 さ れ て い る。 しか し本 件 で は そ の よ うな 限 界 事 例 が 問題 に な って い るの で はな い。 原 告 は(少 な くと も第1次 的 に は)市 町 村 に と っ て 地 区 詳 細 計 画 の 発 布 の 時 点 で も しか した ら認 識 で きな か っ たか も しれ な い個 人 的 利 益 を 援 用 して い るの で はな く,… … 土 地 所 有 権 に結 びつ け られ た利 用 権 が 現 実 に制 限 され て い る こ とを 援 用 して い る。 その よ うな 権 利 侵 害 が 同 時 に行 政 裁 判 所 法47条2項1文 は,明. の 意 味 に お け る不 利 益 で あ る こ と. らか で あ る。 規 範 統 制 手 続 に お け る争 訟 提 起 資 格(Anfechtungs-. befugnis)は,行. 政 裁 判 所 法42条2項. に よ る 出訴 資 格 よ りも著 し く広 く定. め られ お り,後 者 の 規 定 の 意 味 に お け る権 利 侵 害 を 容 易 に その 中 に含 む も の で あ る… … 。 原 告 は争 わ れ て い る地 区 詳 細 計 画 に基 づ く使 用 禁 止 の 名 あ て 人 で あ る。 既 に その こ とか ら,原 告 が 当該 地 区 詳 細 計 画 に よ って 自 己の 権 利 を侵 害 され う る こ とが 明 らか にな る」。 本 決 定 に よれ ば,申 立 人 が 地 区 詳 細 計 画 に基 づ き使 用 禁 止 命 令 を 受 け る よ うな ケ ー ス につ いて は,衡 量 上 有 意 な 利 益 の 侵 害 の 有 無 を 問 わ ず,当 然 に 申立 適 格 が 認 め られ る こ と にな る。 本 決 定 は,土 地 所 有 者 で はな い賃 借 人 の 申立 適 格,そ れ も地 区 詳 細 計 画 の 発 効 後 に地 区 内の 事 務 所 を 賃 借 した 者 の 申立 適 格 を認 め た例 と して も重 要 で あ る。 関 連 判 例 と して,連 邦 行 政 裁 判 所1992年12月17日. 決 定6Dが 挙 げ られ る。. 申立 人 は外 部 地 域 に存 す る土 地 を 所 有 し農 業 を 行 って い た と こ ろ,当 該 土 地 が 地 区 詳 細 計 画 に よ り 「特 別 な 住 居 需 要 の た めの 一般 住 居 地 区 」 に指 定 され た。 当該 指 定 は,子 供 の 多 い世 帯,若 年 世 帯,片 親 世 帯 等,特 定 の 世 帯 の た めの 住 宅 建 築 の み を 認 め る もの で あ り,申 立 人 は この 要 件 に該 当 し 61)BVerwG,BeschluBvom17.12.1992,BVerwGE91,318.. 164.
(23) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. な か った。 そ こで 申立 人 は 規 範 統 制 の 申 立 て を した。 本 決 定 は,「 土 地 の 所 有 者 は,自 己の 土 地 所 有 権 の 内容 お よ び制 限 が 地 区 詳 細 計 画 に よ り規 定 され る場 合 に は,原 則 と して 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. の 意 味 にお け る不. 利 益 を 主 張 す る こ とが で き る」と判 示 し,申 立 適 格 を肯 定 した。 本 決 定 は, 次 の よ うに も述 べ て い る。 「申立 適 格 を 否 定 す る こ と は,権 利 保 護 の 迅 速 化 に奉 仕 し,行 政 裁 判 所 に よ る規 範 の 有 効 性 につ いて の 個 別 的 判 断 を 可 能 な 限 り回 避 す る と い う,規 範 統 制 手 続 の 目的 に矛 盾 す るで あ ろ う。 と い う の も地 区 詳 細 計 画 に よ って 土 地 の 建 築 的 利 用 可 能 性 が 制 限 され る場 合,所 有 者 は通 常,例 え ば きな い. 当 該 地 区 詳 細 計 画 に基 づ き許 可 を 受 け る こ との で. 建 築 申請 を 行 い,建 築 許 可 の 拒 否 に対 して 訴 え を 提 起 す る こ と. に よ って,行 政 裁 判 所 に よ る この 制 限 ま た は計 画 全 体 の 付 随 的 審 査 を もた らす こ とが で き るか らで あ る… … 。 行 政 裁 判 所 法47条2項1文. の規律 によ. り,民 衆 訴 訟 は排 除 され るべ きで あ るが,地 区 詳 細 計 画 の 指 定 に よ り直 接 的 な 影 響 を 受 け る者 に も その 有 効 性 の 審 査 を 拒 絶 す る と い うの は,そ の 趣 旨 とす る と こ ろで はな い」。 これ らの 判 例 か らす れ ば,地 区 詳 細 計 画 の 指 定 が 適 用 され る土 地 の 所 有 者 お よ び利 用 権 者 に は,通 常 は問 題 な く,当 該 地 区 詳 細 計 画(の 指 定)に 対 す る規 範 統 制 の 申 立 適 格 が認 め られ る と い え る6⇒ 。 言 い か え れ ば,衡 量 上 有 意 な 利 益 の 侵 害 の 有 無 が 争 点 にな るの は,申 立 人 が 利 用 して い る土 地 に は適 用 され な い地 区 詳 細 計 画 の 指 定 が 争 わ れ る場 合 と い う こ と にな る。. (3)衡 量 上 有 意 な 利 益 の 侵 害 と は 申立 人 が 利 用 して い る土 地 に は適 用 され な い地 区 詳 細 計 画 の 指 定 が 争 わ れ る場 合 に お いて,申 立 適 格 が 肯 定 され る た め に は,申 立 人 が 「衡 量 上 有 働VgLBVerwG,BeschluBvom6.1.1993,NVwZ1993,561;BVerwG, BeschluBvom25.5.1993,NVwZ1994,268.. 165.
(24) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 意 な 利 益 の 侵 害 」 を 受 け る こ と,す な わ ち 申立 人 の 低 価 値 で はな く保 護 に 値 す る利 益 が 地 区 詳 細 計 画 の 指 定 に よ り僅 少 を 超 え る程 度 の 侵 害 的 影 響 を 受 け る こ と,さ. らに その こ とが 計 画 決 定 時 に蓋 然 的 で あ り当局 に と って 認. 識 可 能 で あ る こ とが 必 要 とな る。 以 下 で は,衡 量 上 有 意 な 利 益 の 侵 害 につ いて 判 断 した連 邦 行 政 裁 判 所 の 諸 決 定 を,い. くつ か の 類 型 に分 けて 紹 介 す. る㈹。. (a)交 通 騒 音 防 止 の 利 益 地 区 詳 細 計 画 の 制 定 に伴 う交 通 量 な い し交 通 騒 音(Verkehrlarm)の. 増. 加 が しば しば 問 題 とな って い る融。 この 場 合,当 該 地 区 詳 細 計 画 の 適 用 区 域 外 の 住 民 の 申立 適 格 が 肯 定 され た例 も あ る。 連 邦 行 政 裁 判 所1992年2月 19日 決 定 ㈲ は,従 前 は 外部 地 域 で あ った 場所 に休 暇用 住 居地 区(レ ス トラ ン,テ ニ ス コー ト,体 育 館,屋. 内 プ ー ル,ミ ニ ゴル フ場,375台. 収用 の駐. 車 場 等 が 設 置 され る)が 指 定 され た事 案 につ き,当 該 地 区 に 出入 りす る車 両 が 自宅 の 前 を 通 行 す る た め住 居 の 静 穏 を 害 され る と主 張 した 申立 人 の 申 立 適 格 を認 め て い る。 本 判 決 は まず,「 増 加 した交 通 騒 音 か ら免 れ て い る と い う利 益 は,そ れ 自体 と して 決 して 低 価 値 で は な い」 と述 べ,「 交 通 騒 音 は,改 正 前 の 遠 距 離 道 路 法17条4項1文,連 項,4条1項1文. 邦 イ ミシオ ン防 止 法3条1. の 意 味 に お け る 『迷 惑(Bel且stigungen)』. に含 まれ る。. 道 路 交 通 か ら生 ず る(騒 音 に よ る)迷 惑 が 『著 しい』 場 合,そ れ は防 止 措 置 を求 め る請 求 権 を 発 動 させ る。 著 しい程 度 に達 しな い場 合,そ れ は,個 別 事 例 に お いて 『僅 少 』 で あ る こ とが 判 明 す るの で な い限 り,必 要 な 衡 量 働1980年 前掲注⑫. 代 の 学 説 お よ び 上 級 行 政 裁 判 所 の 裁 判 例 の 分 析 に つ い て は,竹 「規 範 統 制 訴 訟 」49頁. 以下参照。. ⑤9Vgl.BVerwG,BeschluBvom21.7.1989,NVwZ1990,256; BVerwG,BeschluBvom28.11.1995,NVwZ1996,711. ㈲BVerwG,BeschluBvom19.2.1992,NJW1992,2844.. 166. 之内 ・.
(25) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. 素 材 に含 まれ る」 と判 示 す る。 本 件 で は,交 通 騒 音 の 増 加 分 が 人 間 の 耳 で は ほ とん ど知 覚 で きな い程 度(2デ. シベ ル 未 満)で. あ った た め,侵 害 の 程. 度 が 僅 少 で あ るか ど うか が 問 題 とな っ たが,本 決 定 は 「特 別 な状 況 の故 に, 交 通 の 増 加 の 回 避 を 求 め る付 近 住 民 の 利 益 が,た. とえ そ れ に結 びつ け られ. た騒 音 の 増 加 が,… … 人 間 の 耳 に と って ほ とん ど知 覚 で きな い と して も, 必 要 な 衡 量 素 材 に含 まれ るべ きで あ る こ とが 判 明 しう る」 と述 べ る。 この 点,上 級 行 政 裁 判 所 は 「高 い魅 力 を もつ 超 地 域 的 な レジ ャー 事 業 に よ り, この 比 較 的 人 口密 度 の 低 い農 村 地 域 に騒 々 しさが もた ら され,そ の 程 度 お よ び代 替 可 能 性(Vertretbarkeit)は,建. 設 管 理 計 画 の必 要 な 衡量 素 材 に. 含 まれ る」 と判 示 して お り,本 決 定 も この 判 断 を 支 持 して い る。 連 邦 行 政 裁 判 所1994年3月18日. 決 定6③は,従 前 は森 に覆 わ れ た 地 域 に住. 居 専 用 地 区 が 指 定 され た た め,当 該 地 区 に接 続 す る道 路 の 付 近 住 民 が,交 通 量 の 増 加 を 問 題 視 して 規 範 統 制 の 申 立 て を した事 案 に関 す る もの で あ る。 上 級 行 政 裁 判 所 は,申 立 人 の 所 有 地 の 付 近 で 交 通 量 が 増 加 す る こ と は 認 め たが,従 前 の 交 通 状 況 の 維 持 を 求 め る 申立 人 の 利 益 は保 護 に値 しな い と して,申 立 適 格 を 否 定 した 。 そ れ に対 して 本 決 定 は,「法 秩 序 にお いて 非 と さ れ た(miBbilligt)ま neutral)利. た は 都 市 建 設 法 上 中立 的 な(stadtebaurechts-. 益 」 は,保 護 に値 しな い とす るが,「 申立 人 に よ り主 張 され た. 利 益 は,法 秩 序 に よ り非 と され て お らず,逆 に連 邦 イ ミシオ ン防止 法3条, 39条 以 下,50条,な. らび に建 設 法 典1条5項1文,2文1号. ・7号,5条2. 項6号,9条1項24号. に お い て,明 示 的 に保 護 を 必 要 とす る もの と して 評 価. され て い る。 それ と 同時 に,法 秩 序 は騒 音 防 止 の 利 益 お よ びそ の 建 設 管 理 計 画 に と って の 有 意 性 に対 して 決 して 『中立 的 』 な 態 度 を と って い るの で はな い と い う こ とが 確 定 して い る」と判 示 す る。 そ の 上 で 本 決 定 は,「規 範 統 制 裁 判 所 は これ まで 〔申立 人 に よ り〕主 張 され た利 益 の僅 少 性(Gering一 6③BVerwG,BeschluBvom18.3.1994,NVwZ1994,683.. 167.
(26) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. fUgigkeit)の. 問 題 を 結 局 判 断 し な い ま ま に し て き た の で,同. こ れ を 判 断 しな け れ ば な らな い で あ ろ う 」 と 述 べ,事. 裁 判 所 は今 や. 件 を 差 戻 して い る 。. (b)そ の 他 の 住 環 境 の 利 益 既 存 の 地 区 詳 細 計 画 が 変 更 され た場 合 に お いて,当 該 計 画 に従 って 形 成 され た住 環 境 の 維 持 を 求 め る付 近 住 民 が,規 範 統 制 の 申立 て を す る こ とが あ る。 連 邦 行 政 裁 判 所1992年8月20日. 決 定 ㈱ は,道 路 に囲 まれ た 住 宅 地 の. 北 側 部 分 につ いて,従 前 は建 築 境 界 線 の 指 定 に よ り道 路 側 で の 建 築 の み が 許 され て い た と こ ろ,地 区 詳 細 計 画 の 変 更 に よ り,後 面 で の 建 築 が 可 能 と され た事 案 に関 す る もの で あ る。 申立 人 の 所 有 地 の 一一 部 は,変 更 され た地 区 詳 細 計 画 の 適 用 区 域 内 に あ っ たが,申 立 人 の 住 宅 が 建 って い る部 分 は, 当該 計 画 の 適 用 区 域 外 で あ っ た。 本 決 定 は,申 立 適 格 を 否 定 した上 級 行 政 裁 判 所 の 判 断 を 斥 け,事 件 を 差 戻 して い る。 本 決 定 は ま ず,「 地 方 法 上 の (ortsrechtlich)指 定 は,隣 人 に と って不 利 益 に作 用 し うる変 更 は,彼 らの 利 益 を考 慮 す る限 りで の み な され る と い う,保 護 に値 す る信 頼 を 通 常 基 礎 づ け る」と述 べ る。 他 方 で,「 ただ しあ らゆ る計 画 変 更 が 保 護 に値 す る近 隣 の 利 益 に触 れ る わ け で は な い。(客 観 的 に)僅 少 な変 更 にす ぎ な い場 合 お よび. 隣 地 と の 距 離 が 遠 く離 れ て い る た め. 非 本 質 的 に(unwe-. sentlich)隣 地 に作 用 し うる にす ぎ な い変 更 の場 合 に は,申 立 適 格 の 制 限 が 発 生 す る」と判 示 す る。 そ の上 で,「住 宅 の 後 面 地 域 を 共 同の 休 憩 ・保 養 地 域 と して 妨 害 的 な建 築 か ら防 護 す る と い う,付 近 住 民 の 利 益 は 明 白 で あ る。 それ は,当 該 庭 園地 域 へ の侵 入(Einbruch)が,建. 築 に対 立 す る付 近. 住 民 の 利 益 と衡 量 す る こ とな しに,計 画 変 更 に よ って 許 容 され て はな らな い と い う意 味 に お いて,保 護 に値 す る」 と結 論 づ けて い る。 他 方 で,眺 望 の 変 化 は原 則 と して 申立 適 格 を 基 礎 づ けな い もの と され て ⑳BVerwG,BeschluBvom20.8.1992,NVwZ1993,468.. 168.
(27) 地 区 詳 細 計 画 の 規 範 統 制 に関 す る一 考 察. い る。 連 邦 行 政 裁 判 所1995年2月9日. 決 定 ㈱ は,将 来 営 業 地 区 を 指 定 す る. 目的 で,従 前 風 景 保 護 地 区 に指 定 され て い た地 域 の 一 部 を こ こか ら除 外 す る こ とを 内容 とす る,自 然 保 護 命 令 の 改 正 が 争 わ れ た 事 案 に関 す る もの で あ る。 将 来 の 営 業 地 区 か ら300m離. れ た 場 所 に住 ん で い る 申立 人 は,営 業. 地 区 の 指 定 に よ り眺 望 を 害 され る こ と等 を 主 張 して,規 範 統 制 の 申立 て を した。 本 決 定 は,問 題 の 自然 保 護 命 令 は後 続 の 地 区 詳 細 計 画 と共 同 して 営 業 地 区 の 創 出 と い う 目的 の 達 成 に奉 仕 す る もの で あ る とみ て,当 該 営 業 地 区 か ら行 政 裁 判 所 法47条2項. に い う不 利 益 が 生 ず る場 合 に は 申立 適 格 が 肯. 定 され るべ き もの とす る。 しか し本 判 決 は,次 の よ う に判 示 し,申 立 人 の 申立 適 格 を 否 定 した。 「申立 人 の 眺 望 は 『それ 自体 と して は』 営 業 地 域 に よ って 侵 害 され て いな い。 単 に,従 前 建 物 の 建 て られ て いな い風 景 へ の 眺 めが,将 来300m離. れ た 所 で い くつ か の 営 業 建 築 に よ って 「遮 断 』 され る. と い う限 りで,眺 望 が 変 化 す る に過 ぎな い。 その よ うな 眺 望 の 変 化 は,少 し離 れ た所 で 眺 望 の 内容 が 変 化 す る に と ど ま る もの で あ るか ら,原 則 と し て,衡 量 の 範 囲 内で 考 慮 され な けれ ばな らな い よ うな 重 要 性 の あ る私 的 利 益 で はな い」。. (c)事 業 者 の 利 益 競 業 者 と して の 事 業 者 の 利 益 は,原 則 と して 申立 適 格 を 基 礎 づ けな い も の と され て い る。 連 邦 行 政 裁 判 所1990年1月16日. 決 定69は,あ. る大 規 模 小. 売 業 の た めの 特 別 地 区 が 中心 市 街 地 の 外 に指 定 され た た め,中 心 市 街 地 内 の オ フ ィ ス ビル で 事 業 を 行 って い る企 業 が 規 範 統 制 の 申立 て を した 事 案 に つ き,次 の よ う に判 示 して,そ の 申立 適 格 を 否 定 した 。 「個 々 の営 業 者 は,. ㈹BVerwG,BeschluBvom92.1995,NVwZ1995,895. ⑲BVerwG,BeschluBvom16.1.1990,NVwZ1990,555;vgl.auch BVerwG,BeschluBvom26.2.1997,NVwZ1997,683.. 169.
(28) 近畿大学法学. 第56巻 第3号. 既 存 の 競 争 上 の 状 況 が 悪 化 しな い こ とを 求 め る請 求 権 を も たず,そ の こ と を求 め る彼 の 利 益 も,彼 は常 に新 たな 競 争 相 手 を 計 算 に入 れ な けれ ばな ら な いの で あ るか ら,保 護 に値 しな い」。 「特 殊 な 個 別 事 例 に お いて,ま. さに. 個 別 事 業 の 私 的 利 益 を 考 慮 す る こ とを 促 す 状 況 が 存 在 す るの で な い限 り, 市 町 村 は,そ の 事 業 が 数 キ ロ メ ー トル 離 れ た 中心 市 街 地 内 に あ る個 々の 営 業 者 の 私 的 利 益 を,あ. る大 規 模 小 売 業 の た めの 特 別 地 区 の 計 画 立 案 に あ た. り特 に考 慮 す る必 要 はな い」。 それ に対 して,住 宅 建 設 に対 立 す る事 業 者 の 利 益 が,申 立 適 格 を 基 礎 づ け る もの と され た例 が あ る。 連 邦 行 政 裁 判 所1991年2月14日. 決 定 ㈹ は,一 一. 般 住 居 地 区 を 指 定 す る地 区詳 細 計 画Sに 対 して,当 該 地 区 の 北 西 に位 置 し,地 区詳 細 計 画Lに よ り営 業 地 区 に指 定 され た 地 域 内 に あ る土 地 で,食 料 品 大 規 模 小 売 業 の 出荷 倉 庫 を 経 営 して い る 申立 人 が,規 範 統 制 の 申立 て を した事 案 に関 す る もの で あ る。 当該 出荷 倉 庫 は,地 区 詳 細 計 画Sの 北 側 境 界 に沿 って 走 るE通 お いて,E通. りに接 続 して お り,申 立 人 は,既 に計 画 策 定 手 続 に. りを 通 行 す る貨 物 自動 車 の 騒 音 か らE通 り南 側 の 住 宅 を 保 護. す る た め に 自 己の 事 業 を 制 限 され る お それ が あ る と主 張 して い た。 上 級 行 政 裁 判 所 は 申立 適 格 を 肯 定 して お り,本 決 定 も その 判 断 を 支 持 して い る。 本 決 定 は,「 あ る住 居 地 区 の た め の地 区 詳 細 計 画 を策 定 す る際 に考 慮 され るべ き利 益 に,近 隣 にお い て 適 法 に存 在 す る排 出(emittierend)事 益,す な わ ち 計画 上 の 指定 に基 づ い て近 づ い て くる(heranrUckend)保. 業の利 護. を必 要 とす る住 宅 建 設 を 保 護 す る た め に 自 己の 事 業 遂 行 の 制 限 を 要 求 され る こ とか ら守 られ て い る こ とを 求 め る利 益 も,原 則 と して 含 まれ る」 と述 べ,「 そ の よ う な利 益 を 申 立 人 は こ こで は既 に地 区詳 細 計 画 手 続 に お い て 主 張 した。 規 範 統 制 裁 判 所 の 事 実 認 定 に よれ ば それ は客 観 的 に低 価 値 で は な い」と判示 す る。 さ ら に本 決定 は,「地 区 詳 細 計 画 の 指 定 に従 って 計 画 地 ⑳BVerwG,BeschluBvom14.2.1991,NVwZ1991,980.. 170.
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