〈論文〉二重利得法の適用要件
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(2) 第55巻. 1は. 第3号. じ. め. に. 現 行 の 所 得 税 法 は所 得 を10種 類 の 所 得 に分 類 して い る。 資 産 の 譲 渡 に係 る所 得 類 型 の 決 定 に 当 た って は,当 該 資 産 を 譲 渡 した時 点 に お け る態 様 に よ って 決 定 され るの が 原 則 で あ る。 したが って,固 定 資 産 と して 長 期 間 保 有 して い た土 地 に販 売 目的 を も って 造 成 し譲 渡 した場 合 や 区 画 形 質 の 変 更 等 を 加 え て 販 売 した場 合 に は,譲 渡 した 時 点 にお いて そ の 土 地 は棚 卸 資 産 ま た は準 棚 卸 資 産 で あ るか ら,通 常,譲 渡 益 の す べ て が 事 業 所 得 また は雑 所 得 と して 課 税 され る。 しか しな が ら,所 有 目的 の 変 更 に よ って,固 定 資 産 が 棚 卸 資 産 な い し 準 棚 卸 資 産 に転 化 した場 合 に は,そ の 譲 渡 益 の 中 に は,外 部 的 要 因 に よ る資 産 価 値 の 増 加 と,造 成 活 動 に起 因 す る資産 価 値 の増 加 とい う,二 つ の性 質 の異 な る所 得 が含 ま れ て い る。 こ の よ うな 場 合 に は,そ の全 体 を 事 業 所 得 ま た は 雑 所 得 と して 課 税 す る の は 妥 当 で は な く,所 有 者 の 意 思 に よ らな い外 部 的 条 件 の 変 化 に起 因 す る資 産 価 値 の 増 加 に係 る所 得 を 譲 渡 所 得 に,所 有 者 の 人 的 努 力 と活 動 に起 因 す る資 産 価 値 の 増 加 に係 る所 得 を 事 業 所 得 や 雑 所 得 に 区分 して 課 税 す る こ とが 考 え られ る。 この よ う な課 税 方 法 を 「二 重 利 得 法 」(1)とい う。 本 稿 の 目的 は,解 釈 論 の 枠 内で,課 税 実 務 や 裁 判 例 に お いて 二 重 利 得 法 の 適 用 が 認 め ら れ て い る類 型 以 外 に も拡 張 す る場 合 の 要 件 を 検 討 す る こ と に あ る。 以 下 で は,二 重 利 得 法 と租 税 法 律 主 義 の 関 係 を 整 理 し(II),従. 来 の二 重 利 得 法 の要 件 を検 討 した(皿)う. 二 重 利 得 法 の 適 用 を拡 張 す る場 合 の 要 件 を 提 示 す る(IV)こ. II二. 1二. え で,. と にす る。. 重 利 得 法 と租 税 法 律 主 義 との 関 係. 重利得法の現状. 二 重 利 得 法 を適 用 す る メ リ ッ トして は,① 所 得 の 実 体 に応 じた課 税 方 法 で あ る こ と,② 長 期 間 固 定 資 産 と して 所 有 して い た期 間 に対 応 す る増 加 益 につ いて,譲 渡 所 得 の 平 準 化 措 置 を適 用 す る こ とで,納 税 者 に課 税 上 酷 な 結 果 を も た らす こ とを 回 避 で き る こ と,③ 裁 判 所 に と っ て事 件 の 処 理 が 容 易 に な る こ と が挙 げ られ る(2)。この よ う に,二 重 利 得 法 に メ. (1)金 子 宏 「租税法 〔 第13版〕』(弘文堂 ・2008年)204頁 。 (2)金 子 宏 「譲渡所得の意義 と範囲一二重利得法の提案」「課税単位及び譲渡所得の研究』(有斐 閣 ・1996年 〔 初 出1978∼1980年〕)238∼239頁。 86(574).
(3) 二重利得法の適用要件(中 野) リ ッ トが あ る と して も,現 行 法 の 解 釈 上,二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ とが 租 税 法 律 主 義 の 観 点 か ら問 題 とな らな いか につ いて 考 察 す る必 要 が あ る。 国 税 庁 は,固 定 資 産 で あ る土 地 に区 画 形 質 の 変 更 等 を 加 え て 譲 渡 した 場 合 の 所 得 につ い て は,そ の 所 得 す べ て が 事 業 所 得 ま た は雑 所 得 に該 当す る と し,た だ し,そ の 区 画 形 質 の 変 更 等 が 小 規 模 で あ る と きや 土 地 区 画 整 理 法 等 の 法 律 の 規 定 に基 づ いて 行 わ れ る と き は, な お 固定 資 産 に該 当す る もの と して差 し支 え な い とす る(所 得 税 基 本 通 達33-4)。. この. 通 達 は,譲 渡 時 点 の 譲 渡 資 産 の 性 格 に よ って 一 義 的 に所 得 区 分 が 決 定 され るの が 原 則 と し つ つ,例 外 と して,小 規 模(お. お む ね3,000m2以. 下)で. あ る と き と法 律 の 規 定 に基 づ くと. き は,選 択 的 に固 定 資 産 と して も よ い とす る。 法 律 の 規 定 に基 づ くと き と は,そ の 性 質 の 変 更 が 納 税 者 の 自発 的 な 行 為 に よ る もの で はな い こ とを 考 慮 した もの で あ ろ う。 この こ と は,納 税 者 の 自発 的 な 行 為 に よ らず,所 得 区 分 の 変 更 が あ っ た場 合 に は,所 得 区 分 の 決 定 に際 し,何 らか の 考 慮 が 働 く余 地 が あ る こ とを 示 して い る と考 え られ る。 しか し,小 規 模 で あ る と き,し か も3,000m2以 解 で きな い。 そ して,極. 下 の場 合 に如 何 な る考 慮 が必 要 か につ い て は,直 ち に は理. めて 長 期 間 保 有 して い た土 地 に区 画 形 質 の 変 更 等 を 加 え て 譲 渡 し. た場 合 に は,上 記 の 原 則 にか か わ らず,そ の 土 地 の 譲 渡 に よ る所 得 の う ち,区 画 形 質 の 変 更 等 に よ る利 益 に対 応 す る部 分 は事 業 所 得 又 は雑 所 得 と し,そ の 他 の 部 分 は譲 渡 所 得 と し て 差 し支 え な い(所 得 税 基 本 通 達33-5)と. す る。 この 場 合,譲 渡 所 得 の 収 入 金 額 は区 画. 形 質 の 変 更 等 の 着 手 直 前 に お け る その 土 地 の 価 額 とす る と して い る。 この よ う に,課 税 実 務 で は土 地 に区 画 形 質 の 変 更 等 を 加 え て 譲 渡 した場 合 に二 重 利 得 法 を 選 択 的 に適 用 す る こ とが 認 め られ て い る。 以 下 で は,こ れ を 「土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 」 と呼 ぶ こ と にす る。 し か し,こ の 法 令 解 釈 通 達 で い う 「極 めて 長 期 間 」 と は,お おむ ね10年 以 上 を い う(所 得 税 基 本 通 達33-3)と. され て お り,2分. 要 件 で あ る所 有 期 間 の5年. の1課 税 の 平 準 化 措 置 が 適 用 され る長 期 譲 渡 所 得 の. と必 ず しも連 動 して い るわ けで はな い(3)。. 二 重 利 得 法 の 適 用 を 肯 定 した裁 判 例 と して は,以 下 の もの が あ る。 いず れ も,固 定 資 産 と して 長 期 間 保 有 して い た土 地 に販 売 目的 で 造 成 等 を 行 っ た後 に譲 渡 した 事 件 で あ る。 ①. 岡 山地 裁 昭 和59年4月25日. 判 決(税 務 訴 訟 資 料136号331頁). 本 件 は,昭 和44年 前 か ら保 有 して い た農 地 を 地 上 げ,埋 立 工 事 を 行 い,6区. 画 に分. 割 し,建 売 住 宅 を 建 築 して 譲 渡 した事 件 で,譲 渡 益 の 全 体 につ いて 譲 渡 所 得 と して 特. (3)本 通達が制定 された当時の分離長期譲渡所得は,所 有期間が譲渡 した 日の属す る年の1月1日 現在 において10年を超え るもの と していたが,現 行法で は5年 を超え るもの とな ってお り(租 税 特別措置法第31条第1項),分 離長期譲渡所得の所有期間 とも不整合であ る。 87C575).
(4) 第55巻. 第3号. 定 事 業 用 資 産 の 買 換 え 特 例(租 税 特 別措 置法37条)が 適 用 で き る と した原 告 に対 して, 被 告 税 務 署 長 が 所 得 税 基 本 通 達33-5に. 従 い,建 売 住 宅 建 築 着 手 前 まで の 利 益 に対 応. す る部 分 は譲 渡 所 得,そ の 後 の 利 益 は雑 所 得 と して 更 正 処 分 を 行 った もの で あ る。 岡 山地 裁 は,「準 た な卸 資 産 の譲 渡 と い え ど も,極 めて 長 期 間 保 有 して いた 土 地 に宅 地 の 造 成 又 は建 物 の 建 築 を した場 合 に お いて,そ の 譲 渡 に よ る所 得 の う ち に は,そ の 土 地 の 長 期 間 にわ た る保 有 期 間 中 に生 じた資 産 の 増 加 益 に相 当す る もの が 相 当 部 分 含 まれ て い る こ と は十 分 認 め られ る と こ ろで あ る。 したが って,… … 前 記 通 達 は前 記 譲 渡 所 得 に対 す る趣 旨 に副 う もの で あ って 十 分 合 理 性 を 有 す る もの と解 され る。」 と判 示 し, 原 告 の 請 求 を 棄 却 した。 ②. 松 山地 裁 平 成3年4月18日. 判 決(訟 務 月 報37巻12号2205頁). 本 件 は,昭 和40年 以 前 に相 続 お よ び贈 与 に よ り取 得 した 山林 に宅 地 造 成 工 事 を して 順 次 譲 渡 した事 件 で,譲 渡 益 の す べ て が 譲 渡 所 得 で あ る と した 原 告 に対 して,松. 山地. 裁 は,「… … そ の土 地 等 の譲 渡 に よ る所 得 に は,右 加 工 を 加 え る前 に潜 在 的 に生 じて い た資 産 の 価 値 の 増 加 益 に相 当す る もの が 相 当部 分 含 まれ て い る… … 右 加 工 に着 手 す る 時 点 まで の 資 産 の 価 値 の 部 分 に相 当す る所 得 を 譲 渡 所 得 と し,そ の 他 の 部 分 を 事 業 所 得 又 は雑 所 得 とす るの が 相 当で あ る。」と判 示 した。 控 訴 審 判 決(4)も原 審 の 判 断 を 維 持 し,最 高 裁 判 決(5)も 「… … 遅 くと も昭 和45年12月 末 こ ろ まで に はた な 卸 資 産 に転 化 し た と した 原 審 の 認 定 判 断 は,… … 正 当 して是 認 す る こ と が で き る。」 と判 示 し,上 告 を棄 却 した。 これ に対 して,学 説 は二 重 利 得 法 の 適 用 を 積 極 的 に肯 定 す る積 極 説 と租 税 法 律 主 義 との 関 係 か らその 適 用 を疑 問 視 す る消 極 説 が あ る。 積 極 説 を主 張 され る金 子 宏 教 授 は,所 得 税 法 の 文 理 解 釈 か らす れ ば,土 地 の 譲 渡 益 の 性 質 を決 定 す るの は,譲 渡 の 際 の土 地 の性 質 な い し所 有 目的 で あ る と しな が ら も,「所 得 税 法 が 所 得 を その 性 質 に応 じて 分 類 し,長 期 譲 渡 所 得 につ いて2分 の1課 税 を 採 用 して 税 負 担 を軽 減 して い る趣 旨が,事 業 所 得 な り雑 所 得 な りが 所 有 者 の 活 動 に よ る資 産 価 値 の 増 加 で あ るの に対 し,譲 渡 所 得 は,長 期 間 にわ た る外 部 的 要 因 に よ る価 値 の 増 加 で あ る,と い う こ と に あ る とす るな らば,目 的 論 的 解 釈 な い し趣 旨解 釈 と して は,一 定 の 範 囲 内で 二 重 利 得 法 の 適 用 が 認 め られ て しか るべ きで あ る。」(6)とされ る。 そ して,二 重 利 得 法 が 適 用 され. (4)高 松高裁平成6年3月15日 判決(税 資200号1067頁)。 (5)最 高裁平成8年10月17日 判決(税 資221号85頁)。 (6)金 子 ・前掲(注(2))241頁 。 88C576).
(5) 二 重 利 得 法 の 適 用 要 件(中 野) る 資 産 の 所 有 期 間 に つ い て,所 対 し,金 一方. 子 教 授 は,長. 得 税 基 本 通 達 で は 「お お む ね10年 以 上 」 と さ れ て い る の に. 期 譲 渡 所 得 の 要 件 で あ る5年. を 超 え て い れ ば よ い と さ れ る(7)。. ,消 極 説 に 立 つ 占 部 裕 典 教 授 は,「 譲 渡 所 得 の 本 質 論 を も っ て,機. 形 質 の 変 更 が 存 在 す れ ば,そ 分 類 す る 見 解 は,現. 械 的 に土 地 の 区 画. の 資 産 の 譲 渡 か ら生 ず る 所 得 は 譲 渡 所 得 以 外 の 所 得 で あ る と. 行 所 得 税 法 に そ の 旨 を 規 定 し た 条 項 が 存 在 しな い 以 上,判. りえ な い こ と 当 然 で あ る 。 ゆ え に,所. 得 税 基 本 通 達33-4に. 断 基 準 にな. も と つ く行 政 実 務 は,租. 税法. 律 主 義 に 反 す る 疑 い が 強 い と い わ ざ る を 得 な い 。」(8)とさ れ る 。 そ して,二. 重 利 得 法 の 問 題 点 と し て,①. 二 重 利 得 法 を 適 用 す る の で あ れ ば,原. 譲 渡 所 得 の 多 寡 を 問 わ ず 適 用 さ れ る べ き で あ る こ と,② 期 間 は 通 達 事 項 で は な く,租. 則 的 に は,. 保 有 期 間 の10年 又 は5年. 税 法 律 主 義 に 反 す る こ と を 指 摘 さ れ る 。 ま た,所. と い った. 得 税 法 にお. い て 二 重 利 得 法 を 解 釈 論 し て 採 用 す る こ と に つ い て は,「 一 の 資 産 譲 渡 に よ り生 ず る 所 得 を2種. の 所 得 に 分 類 す る 場 合 は,山. れ な い 。 … … 所 得 税 法32条2項 期 間 が5年. 以 内 の 樹 木 と5年. 林 所 得 の よ う に明 文 を お いて い る場 合 で な けれ ば許 さ. は,…. …1つ. の 譲 渡 行 為(あ. る 山 に生 え て い る樹 木 で 植 林. を 超 え る 樹 木 を 一 括 譲 渡 し た 場 合)に. よ り,2つ. 以上の所得. が 生 ず る こ と を 予 定 して い る 。 … … 仮 に 規 定 な く して こ の よ う な 解 釈 が 導 け る と す る な ら ば,い. わ ゆ る10年 退 職 金 事 件(9>に お い て,…. … この よ うな 場 合 に も給 与 所 得 と退 職 所 得 の. 二 重 利 得 法 に よ る 区 分 を 認 め な け れ ば な ら な い こ と と な ろ う。」⑩ と反 証 を 挙 げ ら れ,「 確 か に,二. 重 利 得 法 は 理 論 的 に は 優 れ て い る が,わ. お い て,異. が 国 の 所 得 税 法 は,10種. 種 の 所 得 の 混 在 を 前 提 と し て お り,所. 類の所得分類 に. 得 の 分 類 は二 者 択 一 で あ る とい え よ. う 。」(IDとし て,「 そ も そ も二 重 利 得 法 を 解 釈 論 と して 採 用 で き る か 疑 問 が 存 す る 。」(12)と さ れ る。. 2考. 察. 所 得 分 類 の 根 拠 と して は,① 給 与 所 得 と 事 業 所 得),③. 担 税 力(勤. 労 性 所 得 と 資 産 性 所 得),②. 消 費 型 所 得 税 論(勤. 執 行 コ ス ト(利 子 ・. 労 性 所 得 と資 産 性 所 得),④. 最 適 課 税 論(資. (7)金 子 ・前 掲(注(2))242頁 。 (8)占 部 裕 典 「土 地 の譲 渡 に よ る所 得 の 区 分 一 所 得 税 基 本 通 達33-4,33-5及 び二 重 利 得 法 の 検 討 」 『租 税 法 の 解 釈 と立 法 政 策1』(信 山 社 ・2007年 〔 初 出1996年 〕)28頁 。 (9)最 高 裁 昭 和58年12月6日 判 決(訟 月30巻6号1065頁)。 本 件 は,10年 退 職 制 度 を 定 あ た 就 業 規 則 に基 づ い て 退 職 手 当 等 が 支 払 わ れ た が,そ の 前 後 を 通 じて 同 じ勤 務 条 件 の 雇 用 関 係 が 継 続 して い た た め,勤 務 の 終 了 の 事 実 が 否 定 され 給 与 所 得 で あ る と され た 事 件 で あ る。 ⑩ 占部 ・前 掲(注(8))51頁 qD占 部 ・前 掲(注(8))52頁 ⑫ 占部 ・前 掲(注(8))51頁. 。 。 。 89C577).
(6) 第55巻. 第3号. 産 性 所 得 と勤 労 性 所 得)の 観 点 が あ げ られ る(13)が,重要 な もの は公 平 負 担 か らの 担 税 力 の 相 違 に よ る もの で あ る⑭。 そ して,譲 渡 所 得 に つ い て は,そ の 課 税 の 趣 旨 と して い わ ゆ る 清 算 課 税 説 ⑮ を 採 って お り,そ の た め に平 準 化 措 置 が 設 け られ て い る。 この よ う に,包 括 的 所 得 概 念 を基 本 と しな が らも,実 現 主 義 の 制 約 の 下,譲 渡 所 得 と して そ れ を 所 得 類 型 の 一 つ とす る こ とを 導 入 した 現 行 の 所 得 税 法 にお い て は ,担 税 力 に 即 した課 税 を 行 うた め に,実 現 した所 得 の う ち キ ャ ピ タル ・ゲ イ ン に相 当す る部 分 の 所 得 を 抜 き 出 し,平 準 化 措 置 を具 備 して い る譲 渡 所 得 と区 分 して 課 税 す る こ と は許 され る と考 え る。 仮 に,キ ャ ピ タ ル ・ゲ イ ンを事 業 所 得 あ る い は雑 所 得 と区 分 して 平 準 化 措 置 が 適 用 で きな い場 合 に は,結 果 と して,納 税 者 に不 合 理 な 税 負 担 を 強 い る こ と にな り,所 得 分 類 を 導 入 した 趣 旨 に反 す る と思 わ れ る。 占部 教 授 が 二 重 利 得 法 の 問 題 点 と して 指 摘 され る と お り,現 行 の 所 得 税 基 本 通 達33-4 が 「お お む ね3,000m2以. 下 」 と い う基 準 を定 め て い る こ と につ い て は,二 重 利 得 法 の 適 用. に よ って 所 得 の 実 体 に応 じた課 税 を 実 現 しよ う とす る観 点 か らは,そ の 規 模 の 多 寡 に よ っ て 取 扱 いが 異 な る こ と は正 当化 で きな い。 ま た,「 お お む ね10年 」 とい う期 間 につ い て も, 長 期 譲 渡 所 得 の2分 の1課 税 と い う平 準 化 措 置 が 発 動 す る5年 と した 上 で,立 法 に よ って 明 確 にす べ き こ とが 望 ま しい と考 え る。 しか し,二 重 利 得 法 が 解 釈 上 認 め られ な い と して 挙 げ られ た反 証 例 に つ い て 検 討 す る と,そ の反 証 例 を も って,解 釈 上,二 重 利 得 法 が適 用 で き な い とは い い が た い と思 わ れ る。 まず,山 林 所 得 の 例 に あ って は,一 の 譲 渡 契 約 で あ って も,所 有 期 間 が5年 以 内の 山林 と 5年 を超 え る 山林 と い う譲 渡 資 産 が 複 数 が 存 在 す る場 合 で あ る。 二 重 利 得 法 の 適 用 の 対 象 に しよ う と して い るの は,譲 渡 した資 産 は一 つ で あ るが,実 現 した所 得 の 中 に複 数 の 所 得 の 性 質 が 混 在 して い る場 合 で あ るか ら,前 提 が 異 な る と思 わ れ る。 また,い わ ゆ る10年 退 職 金 事 件 の 例 に あ っ て は,退 職 所 得 の 基 因 とな る 「退 職 」,す な わ ち 勤 務 関 係 の終 了 と い う事 実 が 存 在 せ ず,そ. も そ も退 職 所 得 と い う性 質 の 所 得 が 存 在 しな いの で あ るか ら,二 重. 利 得 法 の 適 用 の 問 題 と はな らな い と思 わ れ る。 したが って,二 重 利 得 法 の 適 用 を 立 法 に よ って 明 確 化 す べ き こ と は望 まれ るが,現 行 所 得 税 法 の 解 釈 上,二 重 利 得 法 の 適 用 が 全 く認 め る余 地 が な い と は思 わ れ な い。 む しろ,二. ⑬. 岡村忠生 「所得分類論」金子宏編著 『〔 二訂版〕所得税の理論 と課題」(税務経理協会・2001年) 45頁以下参照。 ⑭ 金子 ・前掲(注(1))166頁 。 ⑮ 最高裁 昭和43年10年31日判 決(訟 月14巻12号1442頁),最 高裁 昭和47年12月26日判 決(民 集26 巻10号2083頁)参 照。 90C578).
(7) 二 重 利 得 法 の 適 用 要 件(中 野) 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と に よ っ て,所. 得 の 実 体 に 応 じ た 課 税 が 実 現 で き る こ と か ら,解. 釈. 上 も容 認 で き る と考 え る。 ま た,山 事 件 で,そ. 田 二 郎 弁 護 士 は,借. 地 権 設 定 に 際 して 授 受 さ れ る 権 利 金 の 所 得 区 分 が 争 わ れ た. の 権 利 金 収 入 を 譲 渡 所 得 で あ る と し た 最 高 裁 昭 和45年 判 決(16)の検 討 の 中 で,「 租. 税 法 の 規 定 に は 種 々 多 様 な も の が あ る の で,厳 疑 問 が あ る 。 従 来,租. 税 法 律 主 義 は,納. 格 な 解 釈 方 法 を 一 律 の もの とす る こ と に は. 税 義 務 者,課. 税 物 件,課. 続 に つ い て 同 じ よ う に 適 用 に な る と 解 さ れ て き て い る が,課 得 分 類 に 関 す る 規 定 は,そ 旨 に 照 らす と,経. 税 標 準,税. 率,徴. 収の手. 税 標 準 に 関 す る 規 定 で も,所. の 担 税 力 に 着 目 して 区 分 して い る も の で あ る の で,こ. の立法趣. 済 的 実 質 に 即 して 解 釈 適 用 す る の が か え っ て 合 理 的 な 解 釈 と い え る の で. は な い か と 考 え る 。 す な わ ち,所 得 税 法 は,す べ て の 所 得 を 課 税 の 対 象 とす る も の で あ り, 各 種 の 所 得 の 担 税 力 の 相 違 か ら こ れ を10種 類 に 分 類 して 公 平 負 担 を は か る こ と に して い る の で あ る が,こ. の 類 別 は 担 税 力 の 相 違 に モ チ ー フ が あ る か ら,立. 済 的 実 質 に 着 目 して 分 類(法. 律 の 適 用)す. る こ と こ そ,合. と 述 べ て お られ る 。 租 税 法 の 解 釈 に あ た っ て は,租 厳 格 な 解 釈 が 要 請 さ れ る の で あ る が,所. 法 趣 旨 に沿 い担 税 カ ー経. 理 的 な 解 釈 で あ る と い え よ う 。」(1の. 税 法 律 主 義 の 当 然 の 帰 結 と して 条 文 の. 得 の 分 類 に お い て は 特 に 経 済 的 実 質 に 即 して 解 釈. 適 用 が 許 され る合 理 的 余 地 が あ る と され る。 山 田 弁 護 士 は 二 重 利 得 法 の 適 用 に つ い て 直 接 述 べ られ て い る わ け で は な い が,こ. の考え. 方 は所 得 の 分 類 に お いて 二 重 利 得 法 を 解 釈 上 適 用 す る こ と も許 され る根 拠 とな りう る もの と考 え る。 以 上 の 考 察 か ら,二. 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と に よ っ て,所. で き る と い う観 点 か ら,現. 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 が 実 現. 行 の 所 得 税 法 に お い て 解 釈 上 そ の 適 用 が 許 さ れ る も の と考 え. る。. ⑯. 最 高 裁 昭 和45年10月23日 判 決(民 集24巻11号1617頁)。 本 判 決 は,「 借 地 権 設 定 に際 して 土 地 所 有 者 に支 払 わ れ る権 利 金 の 中 で も,右 借 地 権 設 定 契 約 が 長 期 の 存 続 期 間 を 定 め る もの で あ り,か つ,借 地 権 の 譲 渡 性 を 承 認 す る もの で あ る等,所 有 者 が 当 該 土 地 の 使 用 収 益 権 を 半 永 久 的 に手 離 す 結 果 とな る場 合 に,そ の 対 価 と して 更 地 価 格 の きわ め て 高 い 割 合 に 当 た る金 額 が 支 払 わ れ る と い う よ うな もの は,経 済 的,実 質 的 には,所 有 権 の 権 能 の 一 部 を 譲 渡 した 対 価 と して の 性 質 を も つ もの と認 あ る こ とが で き るの で あ り,こ の よ うな 権 利 金 は,… … 旧 所 得 税 法 の 下 に お い て も, な お,譲 渡 所 得 に当 た る もの と類 推 解 釈 す るの が 相 当 で あ る。」 と判 示 した 。. ⑰. 山 田二 郎 「所 得 税 法 に お け る所 得 の 分 類 」 「租 税 法 の解 釈 と展 開(1)」(信 山社 ・2007年 1978年 〕)12頁 。 91C579). 〔 初出.
(8) 第55巻. 皿. 1土. 第3号. 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 要 件 と その 拡 張. 地造成型二重利得法の要件. これ まで 裁 判 例 で み た事 例 は いず れ も土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 で あ る。 そ して,こ の 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 適 用 が 認 め られ る場 合 の 要 件 を 列 挙 して み る と,次 の5つ の 要 件 を 満 た して い る こ とが わ か る。 (要件1)一. の 資 産 の 譲 渡 益 に譲 渡 所 得 と区 分 す べ き増 加 益 と事 業 所 得 また は雑 所 得 と 区 分 す べ き利 益 が 混 在 して い る こ と. (要件2)一. の 資 産 の 譲 渡 益 に平 準 化 措 置 を 要 す る長 期 譲 渡 所 得 の 基 因 とな る資 産 の 増 加 益 が 含 まれ て い る こ と. (要件3)所. 得 区 分 の 変 更 事 由 に よ って 所 得 が 実 現 して いな い こ と. (要件4)最. 終 的 に資 産 の 譲 渡 に よ り所 得 が 実 現 した こ と. (要件5)資. 産 の 譲 渡 の 時 点 で は,事 業 所 得 ま た は雑 所 得 の 基 因 とな る資 産 を 譲 渡 した こと. 裁 判 例 は いず れ も全 体 で 譲 渡 益 が 生 じて お り,な おか つ,区 分 され た 譲 渡 所 得 と事 業 所 得 ま た は雑 所 得 いず れ に も所 得 金 額 が 算 出 され る もの で あ る。 これ を プ ラ ス ・プ ラ ス型 と 呼 ぶ こ と にす る。. 2譲. 渡 損 失 が 生 じる場 合 へ の 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 拡 張. 二 重 利 得 法 の適 用 に よ って,譲 渡 益 を 譲 渡 所 得 と事 業 所 得 ま た は 雑 所 得 に 区 分 した 場 合,上 記1の. よ うな プ ラ ス ・プ ラ ス型 の ほか に,一 方 の 所 得 あ る い は いず れ の 所 得 に も損. 失 が 生 じる場 合 が あ る。 以 下 で は,譲 渡 所 得 と事 業 所 得 ま た は雑 所 得 の いず れ か にお いて 損 失 が 生 じる場 合 に も,二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ とが で き るか につ いて 検 討 す る。 と りわ け譲 渡 所 得 と雑 所 得 に区 分 され,雑 所 得 に損 失 が 生 じる場 合 に は,そ の 雑 所 得 に係 る損 失 は他 の 所 得 と損 益 通 算 す る こ とが で き な い た め,二 重 利 得 法 を 適 用 した 結 果,納 税 者 に 返 って 不 利 な 結 果 を も た らす 可 能 性 が あ る。 以 下 で は,譲 渡 所 得 と雑 所 得 に区 分 され る場 合 を念 頭 に置 き,ど の よ うな 場 合 に二 重 利 得 法 を 適 用 す る と納 税 者 に不 利 な 結 果 を もた ら す の か,そ の 場 合 で あ って も二 重 利 得 法 を 適 用 す べ きか につ いて,プ 地 造 成 型 二 重 利 得 法 を 出発 点 と して 類 型 別 に検 討 す る。. 92(580). ラ ス ・プ ラ ス型 の 土.
(9) 二重利得法の適用要件(中 野) ①. マ イ ナ ス ・マ イ ナ ス型. プ ラ ス ・プ ラ ス型 と は反 対 に全 体 で 損 失 が 生 じて お り,な おか つ,譲 渡 所 得,雑 所 得 い ず れ に も損 失 が 算 出 され る場 合 を マ イ ナ ス ・マ イ ナ ス型 と い う こ と にす る。 譲 渡 所 得 は所 有 者 の 意 思 に よ らな い外 部 的 条 件 の 変 化 に起 因 す る資 産 価 値 の 増 加 で あ る か ら,需 給 バ ラ ン ス に よ って 資 産 価 値 が 減 少 し,譲 渡 損 失 が 生 じる こ と も当 然 あ る。 そ し て,造 成 に よ って 土 地 の 価 格 が 下 落 す る こ と は通 常 考 え に くいが,あ え て こ こで は造 成 が 土 地 の 価 格 に影 響 を 与 え ず,土 地 の 価 格 が 下 落 した場 合 を 考 え て お く。 この よ うな 場 合 に は譲 渡 所 得 お よ び雑 所 得 双 方 に お いて 損 失 が 生 じる こ と にな る。 しか し,利 益 と損 失 は表 裏 の 関 係 に あ るか ら,損 失 が 生 じる こ とを も って 二 重 利 得 法 の 適 用 が 否 定 され る理 由 はな い もの と思 わ れ る。 雑 所 得 に係 る損 失 につ いて 他 の 所 得 との 損 益 通 算 を 認 めて いな い現 行 の 所 得 税 法 にお い て は,こ の マ イ ナ ス ・マ イ ナ ス型 の 場 合 に二 重 利 得 法 を 適 用 す る実 益 が 明 確 に現 れ る。 す な わ ち,所 得 区 分 が 資 産 を 譲 渡 した時 の 態 様 に応 じて 一 義 的 に決 定 され るな ら ば,す べ て 雑 所 得 に係 る損 失 と され,そ の 損 失 は全 く他 の 所 得 と損 益 通 算 を す る こ とが で きな い結 果 とな る。 しか し,二 重 利 得 法 を 適 用 し,譲 渡 所 得 に係 る損 失 と雑 所 得 に係 る損 失 に区 分 す る こ とで,譲 渡 所 得 に係 る損 失 につ い て は,他 の所 得 と損 益 通 算 が可 能 とな るq8)ことか ら, ま さ に 所 得 の実 体 に応 じた 課 税 の 実 現 とい う観 点 か らは望 ま しい。 した が って,マ イ ナ ス ・マ イ ナ ス型 につ いて も,二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と は可 能 で あ る し,む しろ二 重 利 得 法 を適 用 しな い方 が 不 合 理 な 結 果 を も た らす こ と にな る。 以 上 の こ とか ら,上 記 の 要 件1「 一 の 資 産 の 譲 渡 益 に譲 渡 所 得 と区 分 す べ き増 加 益 と事 業 所 得 ま た は雑 所 得 と区 分 す べ き利 益 が 混 在 して い る こ と」,要件2「 一 の 資 産 の 譲 渡 益 に 平 準 化 措 置 を 要 す る長 期 譲 渡 所 得 の 基 因 とな る資 産 の 増 加 益 が 含 まれ て い る こ と」 お よ び 要 件4「 最 終 的 に資 産 の 譲 渡 に よ り増 加 益 が 実 現 した こ と」 の う ち,「 所 得 」 や 「増 加 益 」 を 「損 失 」 に置 き換 え て も,二 重 利 得 法 は適 用 で き る と考 え る。 な お,現 行 法 で は,譲 渡 所 得 につ いて 譲 渡 益 が 生 じる場 合 に は2分 の1課 税 と い う平 準 化 措 置 が あ るの に対 して,譲 渡 損 失 が 生 じる場 合 に は平 準 化 措 置 が 設 け られ て お らず,損 失 全 額 が 他 の 所 得 との 損 益 通 算 の 対 象 とな る⑲。 ㈱. 平成16年1月1日 以降の土地の譲渡所得に係 る損失 については,租 税特別措置法で譲渡損失は なか った もの とみな され る(同 法31条1項)。 以下,こ の節で は所得税法の規定を検討対象 にして いる。 ⑲ この点 に関 して,税 制調査会 「個人所得課税に関す る論点整理」(平成17年6月)は,「 長期譲 渡所得に関 して は,譲 渡益は2分 の1課 税 とな る一方,譲 渡損はその全額を総合課税 とされ る他 の所得か ら差 し引 くことがで きる点で不均衡な制度 とな ってい る。」 と指摘 してい る。 93(581).
(10) 第55巻 ②. 第3号. マ イ ナ ス ・プ ラ ス型. 含 み 損 が 生 じて い る土 地 を 造 成 した場 合 に は,造 成 後 の 土 地 の 価 格 は上 昇 す るの が 通 常 で あ ろ う。 この よ うな 土 地 を 譲 渡 した場 合 に二 重 利 得 法 を 適 用 す る と,譲 渡 所 得 に は損 失 が 算 出 され,雑 所 得 に は利 益 が 算 出 され る。 これ を マ イ ナ ス ・プ ラ ス型 と呼ぶ こ とにす る。 こ の場 合 に は,全 体 と して損 失 が 生 じ る場 合 と逆 に利 益 が 生 じる場 合 の双 方 が 考 え られ る。 全 体 と して 利 益 が 生 じる場 合 に は,二 重 利 得 法 を 適 用 した と して も,譲 渡 所 得 に係 る 損 失 は雑 所 得 の 金 額 を 上 回 らな い,つ ま り,譲 渡 所 得 に係 る損 失 は雑 所 得 と損 益 通 算 さ れ, 損 益 通 算 後 の 金 額 は雑 所 得 の 金 額 で あ り,全 体 の 利 益 を 雑 所 得 とす る こ と と結 果 は変 わ ら な い。 一 方,全 体 と して 損 失 が 生 じる場 合,二 重 利 得 法 を 適 用 しな けれ ば,損 失 の す べ て が 雑 所 得 に係 る損 失 と され て 他 の 所 得 との 損 益 通 算 が で き な い こ と に な る。 しか しな が ら,二 重 利 得 法 を 適 用 す る と,譲 渡 所 得 に係 る損 失 が 雑 所 得 の 金 額 を 上 回 る こ とか ら,譲 渡 所 得 に係 る損 失 は雑 所 得 との 損 益 通 算 後 もな お も他 の 所 得 との 通 算 が 可 能 とな る。 した が って,こ の 場 合 に お いて も,二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と は,所 得 の 実 体 に応 じた 課 税 の 実 現 と い う観 点 か ら望 ま しい。. ③. プ ラ ス ・マ イ ナ ス型. 最 後 に,含 み 益 が 生 じて い る土 地 を 造 成 した結 果,造 成 後 の 土 地 の 価 格 が 下 落 した 場 合 を考 え る。 この よ うな 土 地 を 譲 渡 した場 合 に二 重 利 得 法 を 適 用 す る と,譲 渡 所 得 に は譲 渡 益 が 算 出 され,雑 所 得 に は損 失 が 算 出 され る こ と にな る。 これ を プ ラ ス ・マ イ ナ ス型 と呼 ぶ 。 この 場 合 も マ イ ナ ス ・プ ラ ス型 と 同様,全 体 と して 利 益 が 生 じる場 合 と損 失 が 生 じる 場 合 が あ る。 いず れ の 場 合 に も,資 産 の 譲 渡 時 点 の 資 産 の 態 様 に よ って す べ て の 利 益 また は損 失 を雑 所 得 とす る取 扱 い と比 較 す る と,二 重 利 得 法 を 適 用 した 場 合,納 税 者 に不 利 な 結 果 を招 く可 能 性 が あ る。 二 重 利 得 法 を適 用 しな けれ ば,す べ て 雑 所 得 と区 分 され るの で あ るか ら,増 加 益 部 分 に 譲 渡 所 得 と して の 平 準 化 措 置 が 適 用 で きな いの は,い ず れ の 場 合 も 同 じで あ る。 さ ら に, 二 重 利 得 法 を適 用 しな けれ ば,全 体 と して 利 益 が 生 じる場 合,例 え ば,全 体 と して 雑 所 得 200の 所 得 が算 出 され る場 合 に お い て,二 重 利 得 法 を適 用 す れ ば譲 渡 所 得500,雑 所 得 △300 に区 分 で き る場 合 に は,雑 所 得 △300が 譲 渡 所 得 と損 益 通 算 が で きず に,雑 所 得 △300が 無 視 され て 譲 渡 所 得500の み が課 税 対 象 とな り,納 税 者 に不 利 な結 果 を もた らす こ とに な る。 しか し,私 見 に お いて は,こ の よ うな 場 合 で も二 重 利 得 法 を 適 用 す べ きで あ る と考 え る。 な ぜ な らば,二 重利 得 法 を適 用 せ ず算 出 され る雑 所 得200は,譲 94(582). 渡 所 得500か ら雑 所 得 △300.
(11) 二重利得法の適用要件(中 野) を控 除 した もの に ほか な らず,そ の200の 利 益 は資 産 の増 加 益 に相 当す る もの で あ っ て,雑 所 得 の 性 質 を有 す る もの で はな い。 したが って,所 得 の 実 体 に応 じた 課 税 と い う観 点 か ら は,た とえ 二 重 利 得 法 を 適 用 して 納 税 者 に不 利 な 結 果 を 招 くと して も,二 重 利 得 法 を 適 用 す べ きで あ る と考 え る。 ま た,全 体 と して 損 失 が 生 じる場 合,例 え ば,二 重 利 得 法 を 適 用 しな けれ ば雑 所 得 と し て200の 損 失 が算 出 され る場 合 に お い て,二 重 利 得 法 を適 用 す れ ば譲 渡 所 得500,雑. 所得△. 700に 区分 で き る場 合 に は,雑 所 得 に係 る損 失 △700が 譲 渡 所 得 や 他 の 所 得 と損 益 通 算 が で きず,譲 渡 所 得500の み が課 税 対 象 と な って しま い,納 税 者 に不 利 な 結 果 とな る。 した が っ て,プ. ラ ス ・マ イ ナ ス型 の 場 合 に は,二 重 利 得 法 を 適 用 す る と返 って 納 税 者 に不 利 な 結 果. を も た らす こ と にな る。 しか し,こ の 場 合 も所 得 の 実 体 に応 じた課 税 と い う観 点 か ら,マ イ ナ ス ・プ ラ ス型 と 同 様,二 重 利 得 法 を 適 用 す べ き と考 え る。. IV土. 1土. 地 造 成 型以 外 の類 型 へ の二 重利 得 法 の拡 張 とそ の要 件. 地 造 成 型 以 外 の 類 型 へ の 二 重 利 得 法 の 拡 張 と限 界. 二 重 利 得 法 の 適 用 に よ って 所 得 の 実 体 に応 じた課 税 が 実 現 で き るの で あれ ば,二 重 利 得 法 が 適 用 で き る類 型 と して は,土 地 造 成 型 に限 られ る はず はな い。 以 下 で は,土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 へ の 拡 張 と限 界 につ いて 検 討 す る。. (1)固 定 資 産 を 棚 卸 資 産 と して 販 売 した場 合 例 え ば,(例1)不. 動 産 販 売 業 者 が 相 続 に よ り取 得 した固 定 資 産 で あ る土 地 を 棚 卸 資 産 と. して 販 売 した場 合 や(例2)趣. 味 で 収 集 して い た美 術 品 の コ レク ター が そ の 後 事 業 と して. その 美 術 品 を販 売 した場 合 な どが 想 定 され る。 いず れ の 場 合 も,譲 渡 した 資 産 はそ の 譲 渡 の 時 点 で は棚 卸 資 産 で あ るか ら,通 常,そ の 棚 卸 資 産 の 譲 渡 に よ る所 得 はす べ て 事 業 所 得 に区 分 され る。 裁 判 例 の 中 に は,美 術 品 を 継 続 的 に売 買 して い た納 税 者 が 譲 渡 した 美 術 品 の う ち長 期 間 保 有 して い た美 術 品 につ いて,予 備 的 主 張 と して 所 得 税 基 本 通 達33-5を. 根 拠 に二 重 利 得. 法 の 適 用 を求 め た事 件 で,納 税 者 の 控 訴 を 棄 却 した もの が あ る。 この 事 件 で 東 京 高 裁 平 成 10年 判 決 ⑳ は,所 得 税 基 本 通 達33-5は ⑳. 土 地 の 譲 渡 に よ る所 得 につ いて の もの で あ る こ と. 東京高裁平成10年12月17日判決(税 資239号528頁)。 95(583).
(12) 第55巻 は明 らか で あ る と した上 で,「 本 件 通 達33-5に. 第3号 依 拠 して 本 件 長 期 保 有 絵 画 の 売 却 に よ る所. 得 の う ち継 続 的 な 譲 渡 を 開 始 した時 期 まで の 間 の 増 加 益 は譲 渡 所 得 に該 当 す る 旨の 控 訴 人 の 主 張 も ま た失 当で あ る。」と した。 裁 判 所 は土 地 造 成 型 以 外 の類 型 の場 合 につ い て,二 重 利 得 法 の 適 用 を消 極 的 に考 え て い る よ う に もみ え るが,本 件 は そ もそ も準 棚 卸 資 産 の 譲 渡 で あ る と認 定 され て い るの で あ って,所 得 区 分 が 変 更 され た場 合 につ いて 直 接 判 断 した も の で はな い。 したが って,裁 判 所 が,土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 につ いて,二 重 利 得 法 の 適 用 を完 全 に排 除 して い るか は不 明 で あ る。 課 税 実 務 で は,所 得 税 基 本 通 達33-5の. ほか に23∼35共 一12で,自 己 が 育 成 した 山林 を. 伐 採 し製 材 して 販 売 す る場 合 の 山林 所 得 と事 業 所 得 との 区 分 課 税 の例 につ いて,「 製 材 業 者 が 自 ら植 林 して 育 成 した 山林 を 伐 採 し,製 材 して 販 売 す る場 合 に は,植 林 か ら製 品 の 販 売 まで の 全 所 得 が その 販 売 した時 の 製 材 業 の 所 得 とな るの で あ るが,植 林 又 は幼 齢 林 の 取 得 か ら伐 採 まで の 所 得 は,伐 採 した原 木 を 当該 製 材 業 者 の 通 常 の 原 木 を 当 該 製 材 業 者 の 通 常 の 原 木 貯 蔵 場 等 に運 搬 した時 の 山林 所 得 と し,製 材 か ら販 売 まで の 所 得 は,そ の 製 品 を 販 売 した時 の 事 業 所 得 と して 差 し支 え な い もの とす る。」⑳ と定 めて い る こ とか ら,土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 に も一 の 資 産 の 譲 渡 に よ り生 ず る所 得 を 複 数 の 所 得 に区 分 して 課 税 す る こ と を認 めて い る。 したが って,所 得 税 基 本 通 達33-5は,二. 重 利 得 法 が 適 用 で き る典 型 的. な 類 型 と して 土 地 造 成 型 を 掲 げ た もの と理 解 す る こ とが で き る。 私 見 で は,所 得 の 実 体 に応 じた課 税 を 実 現 す る観 点 か ら,二 重 利 得 法 は土 地 造 成 型 に限 られ る もの で はな く,上 記 例1お. よ び例2の. よ うな 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 につ いて も適 用. す る こ と は可 能 で あ る し,適 用 す べ き と考 え る。. (2)棚 卸 資 産 が 固 定 資 産 とな っ た後 譲 渡 した場 合 さ らに,こ れ まで の 例 と は前 後 が 逆 で,資 産 の 譲 渡 時 点 で はす べ て の 所 得 が 譲 渡 所 得 に 区 分 され る場 合 で あ って も,棚 卸 資 産 ま た は準 棚 卸 資 産 が 固 定 資 産 に転 化 して い る場 合 が あ る。 例 え ば,(例3)不. 動 産 販 売 業 者 が 棚 卸 資 産 で あ る土 地 の 上 に事 務 所 を建 築 し,長. 期 にわ た って 利 用 した後 に譲 渡 した場 合 や(例4)不. 動 産 販 売 業 者 で あ った 親 か ら相 続 し. た棚 卸 資 産 を長 期 間 保 有 した後 に譲 渡 した場 合 が 考 え られ る。 この 場 合 に お いて も,固 定 資 産 と して 保 有 して い た期 間 に対 応 す る増 加 益 の み を 譲 渡 所. ⑳. 同通達で は,「この場合 において,山 林所得の金額 は当該運搬 した ときの当該原木貯蔵場等 にお ける原木の価額を基 と して計算す るもの とし,事 業所得の金額は当該原木の価額 に相当す る金額 を当該原木の取得価額 として計算す るもの とす る。」 とされ る。 96(584).
(13) 二重利得法の適用要件(中 野) 得 と し,そ の 他 を 事 業 所 得 ま た は雑 所 得 と して 二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ とが 所 得 の 実 体 に 応 じた課 税 で あ る と い う こ とが で き る。 しか しな が ら,現 行 の 取 扱 い にお いて は譲 渡 した 時 点 で 譲 渡 した資 産 が 固 定 資 産 で あれ ば,そ の 所 得 の す べ て が 譲 渡 所 得 と され,2分. の1. 課 税 の 平 準 化 措 置 が 適 用 され る た め,二 重 利 得 法 を 適 用 す る と納 税 者 に不 利 な 結 果 を もた らす 可 能 性 が あ る。 この よ う に,納 税 者 に不 利 な結 果 を もた らす場 合 に つ い て,金 子 宏 教 授 は,「二 重 利 得 法 の 適 用 は それ を納 税 者 の 不 利 益 に変 更 す る こ と にな るか ら,立 法 論 と して は と もか く,解 釈 論 と して は,こ れ らの 場 合 に二 重 利 得 法 を適 用 す る こ と はで き な い。」⑳ と され る。 しか し,所 得 の 実 体 に応 じた課 税 を 実 現 で き るか らこ そ二 重 利 得 法 を 適 用 した の で あ るか ら, その 結 果 が 所 得 の 実 体 を 反 映 して い る限 りに お いて,結 果 的 に納 税 者 に と って 不 利 益 を も た らす と して も,そ れ が その 納 税 者 の 本 来 の 担 税 力 に即 した もの で あ る と して 認 め られ る べ きで あ る と考 え る。 したが って,上 記 の 要 件5「 資 産 の 譲 渡 の 時 点 で は,事 業 所 得 また は雑 所 得 の 基 因 とな る資 産 を譲 渡 した こ と」 とい う要 件 は緩 和 さ れ,「 資 産 の譲 渡 の 時 点 で は,譲 渡 所 得 の 基 因 とな る資 産 を譲 渡 した こ と」 を 追 加 す る こ とが で き る。. (3)法 人 に対 す る資 産 の 高 額 譲 渡 少 し事 例 が 異 な るが,個 人 が 法 人 に対 して 資 産 を 時 価 よ り も高 い 価 額 で譲 渡 した場 合 に,時 価 に よ る資 産 の 譲 渡 収 入 部 分 と高 額 部 分 の 贈 与 と構 成 す るな ら ば,譲 渡 所 得 と一 時 所 得 ㈱ の2種 類 の 所 得 が 含 まれ る こ と にな る。 しか しな が ら,こ れ は,時 価 に よ る資 産 の 譲 渡 収 入 と その 資 産 の 買 入 法 人 か らの 贈 与 収 入 と い う別 の 性 質 の 収 入 金 額 が 混 合 した もの を 一 括 取 引 した もの で あ る。 つ ま り,一 の 資 産 の 譲 渡 に よ る譲 渡 益 に異 な る複 数 の 所 得 が 含 まれ て い るの で はな い。 した が って,こ. こ. で は二 重 利 得 法 適 用 の 問 題 で はな いの で,こ の よ うな 場 合 に まで 二 重 利 得 法 が 適 用 され る と は考 え な い。 したが って,二 重 利 得 法 を 適 用 す る た め に は,資 産 の 増 加 損 益 を 清 算 す る と い う要 素 が 不 可 欠 で あ る と いえ る。. 吻 金子 ・前掲(注(2))244頁 。 (3)所 得税法上,法 人か ら贈与を受 けた場合の所得は一時所得 に該当す る(所 得税基本通達34-1)。 97C585).
(14) 第55巻 2拡. 第3号. 張後の二重利得法の要件. す で に検 討 した と お り,区 分 され た譲 渡 所 得,雑 所 得 等 に損 失 が生 じる場 合 で あ って も, あ る い は,一 定 の 限 界 が あ る もの の,土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 に も二 重 利 得 法 を 拡 張 して 適 用 す る こ とが で き る もの と考 え る。 それ を 踏 まえ た上 で,土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 要 件 を 拡 張 す れ ば,次 の と お りで あ る。 この 要 件 を 充 足 す る場 合 に は二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と が 可 能 で あ る と考 え られ る。 (要件1つ. 一 の資 産 の 譲 渡 益(譲 渡 損 失)に 譲 渡 所 得 とす べ き増 加 益(損. 失)と 事 業. な い し雑 所 得 とす べ き利 益(損 失)が 混 在 す る こ と (要件2')一. の資 産 の譲 渡 益(譲 渡 損 失)に 平 準 化 措 置 を 要 す る長 期 譲 渡 所 得 の 基 因 とな る資 産 の 増 加 益(損 失)が 含 まれ て い る こ と. (要件3')所 (要件4つ (要件5')資. 得 区 分 の 変 更 事 由 に よ って 所 得(損 失)が 実 現 して いな い こ と 最 終 的 に資 産 の 譲 渡 に よ り所 得(損 失)が 実 現 した こ と 産 の譲 渡 の 時 点 で は,譲 渡 所 得,事 業 所 得 また は雑 所 得 の基 因 とな る資 産 を 譲 渡 した こ と. 3拡. 張後二重利得法の適用の意義. 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 を 拡 張 し,土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 に お いて も二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と に よ って,キ. ャ ピ タル ・ゲ イ ンや キ ャ ピ タル ・ロ スを 確 実 に譲 渡 所 得 に区 分 し,所. 得 の実 体 に応 じた 課 税 が 実 現 で き る もの と期 待 さ れ る。 ま た,納 税 者 に有 利 と な る よ う に,雑 所 得 を譲 渡 所 得 に転 換 させ て 税 負 担 の 軽 減 を 図 ろ う とす る租 税 回 避 に対 して の 防 止 効 果 も期 待 で き る。. Vお. わ. り. に. 租 税 法 律 主 義 が 厳 格 に適 用 され る とす る主 張 か らは,解 釈 上 二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ と が で きな い とす る見 解 も存 在 す るが,本 稿 で は,担 税 力 に応 じた課 税 の 実 現 の 観 点 か ら, 土 地 造 成 型 の 二 重 利 得 法 の 要 件 を 拡 張 して,二 重 利 得 法 を 適 用 す る こ とが で き る こ とを 指 摘 す る と と も に,拡 張 後 の 要 件 を 示 した。 この こ と は,現 行 法 の 解 釈 上 拡 張 して 二 重 利 得 法 を適 用 す る こ とが で き る可 能 性 が あ る もの の,そ. こ に は一 定 の 限 界 が 存 在 す る こ とを 意. 味 す る。 したが って,私 法 上 の 性 質 に着 目す れ ば,一 の 譲 渡 資 産 の 内 に複 数 の 性 質 が 混 在 して い る資 産 も存 在 しう るが,そ の よ うな 資 産 の 譲 渡 につ いて まで そ の 個 々の 私 法 上 の 性 98C586).
(15) 二 重 利 得 法 の 適 用 要 件(中 野). 質 に 対 応 す る 所 得 類 型 に 分 類 して 課 税 す べ き で あ る と は 考 え て い な い 。 二 重 利 得 法 が 拡 張 し て 適 用 さ れ る の は,譲 れ,譲. 渡 した 資 産 に 係 る所 得 税 法 上 の所 得 区分 が 保 有 期 間 中 に変 更 さ. 渡 に よ っ て 実 現 し た 所 得 ま た は 損 失 の う ち に2つ. 以 上 の 所 得 類 型 に該 当 す る所 得 ま. た は 損 失 が 含 ま れ て い る 場 合 に 限 られ る の で あ る 。. 追. 記. 本 稿 は,「 第4回 税 に 関 す る論 文 」(財 団 法 人 納 税 協 会 連 合 会 主 催)専 門 家 の 部 奨 励 賞 入 選 論 文 の 一 部(「 所 得 区分 の変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 す る課 税 問 題 一 二 重 利 得 法 の 拡 張 を通 じて一 」 の 第3章 「二 重 利 得 法 の 拡 張 」)に 加 筆 した もの で あ る。. 参. 考. 文. 献. ・占部 裕 典 「土 地 の 譲 渡 に よ る所 得 の 区 分 一 所 得 税 基 本 通 達33-4. ,33-5及. び二 重 利 得 法 の 検 討 」. 『租 税 法 の 解 釈 と立 法 政 策1」(信 山 社 ・2007年 〔 初 出1996年 〕) ・岡 村 忠 生 「所 得 分 類 論 」 金 子 宏 編 著 『〔 二 訂 版 〕 所 得 税 の 理 論 と課 題 』(税 務 経 理 協 会 ・2001年) ・金 子. 宏 「租 税 法 〔 第13版 〕』(弘 文 堂 ・2008年). ・金 子. 宏 「譲 渡 所 得 の 意 義 と範 囲. 二重利得法の提案を含めて. 」 『課 税 単 位 及 び 譲 渡 所 得 の 研 究 」. (有斐 閣 ・1996年 〔 初 出1978∼1980年 〕) ・税 制 調 査 会 基 礎 問 題 小 委 員 会 「個 人 所 得 課 税 に 関 す る論 点 整 理 」 〔 平 成17年6月. 〕. ・山 田二 郎 「 所 得 税 法 に お け る所 得 の 分 類 」 「租 税 法 の 解 釈 と展 開(1)』(信 山 社 ・2007年 年 〕). 99C587). 〔 初 出1978.
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