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新型インフルエンザに関する学生の認識調査

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Academic year: 2021

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新型インフルエンザに関する学生の認識調査

The present realization of the influenza pandemic among the undergraduate student

笠原恵(兵庫教育大学大学院学校教育研究科自然・生活教育学系)-MegumiKASAHARA(GraduateSchoolofEducation,HyogoUniversityofTeacherEducation) 榊田容子(理化学研究所・システムバイオロジー) YokoSAKAKIDA(RIKENCenterforDevelopmentalBiology,LaboratoryforSystemsBiology) 渥美茂明(兵庫教育大学大学院学校教育研究科自然・生活教育学系) ShigeakiATSUMI(GraduateSchoolofEducation,HyogoUniversityofTeacherEducation) 新型インフルエンザが平成21年春頃から高等学校を初めとして小中学校にまで流行し,平成2 1年5月には兵庫県内の幼稚園,小学校,中学校,高等学校において一斉に約1週間の学校閉鎖が行 なわれた。 本学も1週間,休講措置がとられた。 本学は,初等教育教員養成課程であり,小学校の教員 を目指す学生が多く在籍している。 将来,児童・生徒に関わっていく学生が,-どの桂度,新型インフル エンザに対して危機感をもっているか,また新型インフルエンザのみならずインフルエンザ自体に画 する認識がどの程度あるのかについて,アンケート調査を行なったOアンケート調査の結束から,従来 のインフルエンザにかかった経験がある学生が多いにもかかわらず,また新型インフルエンザの流行 している時期での調査にもかかわらず,インフルエンザについての知識は正確なものではなく,感染 や予防についての知識も暖味な学生が多いことがわかった。 これらのことは,学生がインフルエンザな どの学校伝染病に関する正しい知識の構築ができるような取組みが,さらに今後必要になってくるこ とを示唆している。 また,教育現場においても,新型インフルエンザウイルスに関する正しい知識や感 染・予防に対する正確な知識の伝達の必要性を感じる。

キーワ.-ド:新型インフルエンザ,帯織度,アンケート訴査,初等教育教具養成珠程,理科

1.問題と目的 平成21年5月に,新型インフルエンザが高等 学校をはじめとして小中学校にまで流行し,兵庫 県においては1週間以上の学校閉鎖が行なわれ た。こ・の期間は,兵庫県内のほとんどの大学にお いても学園閉鎖等の措置がとられた。 その後,9 月以降も児童・生徒の間で感染が広がっている。 本学も平成21年5月に1週間,休講措置がとら れた。本学は,初等教育教員養成課程であり,小 学校の教員を目指す学生が多く在籍している。 将 来,児童・生徒に関わっていく学生が,_どの曜度, 新型インフルエンザに対して危機感をもっている 111 のか,また新型インフルエンザのみならずインフ ルエンザ自体に関する知識がどの程度あるのかに ついて調べ,検討するため,アンケート調査を行 なった。 2.方法 2.1両査対象 調査対象は,『初等理科I』を受講していた初 等教育教員養成課程学校教育学部1年生169名お よび大学大学院学校教育研究科小学校教員養成特 別コース1年生34名の合計203名とした。調査対 象についての詳細は,表1および図1に示す。

(2)

表1調査対象(人数)

男性 女性 不明 合計 学部 1 年生 4 8 10 3 18 16 9 大学院 1 年生 12 14 8 34 合計 6 0 1 17 2 6 2 0 3

図1調査対象の学年比および男女比

2.2質聞項目 調査は,図2に示すアンケート用紙を用いて質 問紙法で行った。 アンケート調査の質問項目は,主 に,インフルエンザ-の羅息歴について,インフ ルエンザウイルスに関する知識について,インフ ルエンザに対するの感染防止についてである。 ^^E?^^^fi'"j重imss. ]GZ 調査結果は,それぞれの質問項目に対して集計 し,その数値データをグラフで示した(図3-図 18), 3.珊査結果と考察 3.1過去のインフルエンザの感染歴等について 過去にインフルエンザにかかったかとの質問に インフルエンザに関するアンケート帝査 選択肢のあるものは、該当するものに○を付けて下さい。また、()の柵があるものについては、記入をして下さい。 1.学部1年大学院1年女性男性 2.これまでにインフルエンザにかかったことはありますか?ある(回)ない不明 3.最近3年以内にインフルエンザにかかりましたか?かかったかかっていない不明 4.インフルエンザの予防接種について次のどれにあてはまりますか? ・毎年受けている・毎年ではないが何年かおきに受けている ・受けたことがある・受けたことがない 5.今年、インフルエンザの予防接種を受けますか?受ける 6.インフルエンザの型には、何型がありますか?( 受けないわからない 7.インフルエンザウイルスは、次のどのタイプに属しますか? DNAウイルスRNAウイルス・細菌・バクテリオファージ. わからない 8,インフルエンザウイルスは、生物ですか?はいいいえわからない 9.インフルエンザウイルスは、ウイルスだけで増殖できますか?できるできないわからない 10.インフルエンザウイルスは、ヒトのどの細胞に感染しますか? ・すべtの細胞・皮膚の細胞・粘膜細胞・口腔細胞・神経細胞. わからない ll.新型インフルエンザは、何型インフルエンザの亜種に含まれますか?(型)わからない 12.新型インブルエンザのHINlの意味を知っていますか?知っている知らない 13,新型インフルエンザには、どの薬が効果的ですか?(複数回答OK) ・抗生物質・タミフル・リレンザ・抗真菌薬・わからない 14.新型インフルエンザの確定のために使うPCR法とは、何を開べるものですか? ・ウイルスのタンパク質・ウイルスの核酸・ウイルスの脂質・わからない 15.新型インフルエンザの流行時において、マスクを着用するのは、どのような状況の時ですか? (複数回答OK)バスや電車の中・人ゴミの中・トイレの中 ・犬の散歩中・車を運転しているとき・家にいる時・お店の中 ・教室の中・いつでも・どんな時もマスクは着用しない・その他() 16,新型インフルエンザについての以下の記述について正しいと思うものに〇、間違っていると思うものに×を付けて下さい。 ・インフルエンザにかかった人が調理した料理を食べて、インフルエンザに感染した。() ・インフルエンザウイルスは母親から胎内にいる手-感染する。() ・インフルエンザウイルスは、こ知にし、秋以降になるとそのウイルスがヒト-感染して流行を起こす。() ・新型インフルエンザは、流行しやすい気候になると隊からウイルスが湧いて出てヒ トに感染する。 ( ) ・インフルエンザにかかった人と握手をすると、その手の接触により皮膚からウイルスが感染する。() ・インフルエンザは常に他界中のどこかにかかった人がいて、そのウイルスが感染し流行を起こす。() ・鳥インフルエンザは、直接、人に感染する。() ・豚インフルエンザは、直接一人に感染する。() ・鳥インフルエンザや豚インフルエンザが流行している時は、隊肉や鶏肉は食べない方がよい。() ・インフル主ンザは、くしゃみや咳とともに放出されたウイルスを吸い込むことにより感染する。()

図2アンケート調査質問項目

(3)

. コ ・・、a蝣-た・、-ふlSl 不明I欄賢 o sO 1 00 I : 0 SO 100 '・ォ q*q

図3質問2インフルエンザにかかったことは(割合)

図4質問2これまでにかかった回数(割合)

`. l 0 20 4a so bo 180 、∴∴… ‥… 、、… 、・i: Q 20 40 Si° BO 1 00

図5質問3 3年以内にかかったか(割合)

ぁォ・#・・・・-」 屈LJ-g&JH岡 受けたことがある サIftことがない・l一二】 鰍ている固 何欄こ録 呂叶EBBEE ㌫sszax/mE 冒 0 50 1 00

図6質問4予防接種について(割合)

・・Lふ話

、 -i二I

tspasF-i撃

0 50 1 00 . ll :TEJ「1 0 50 1 00

図7質問5今年,予防接種を受けるか(割合)

mm ォ*!蝣ま 遍fclォ ∼女性 t>サIE ・*.Tt 13-対して,7割近くの学生が罷った事があると 答えた.また,罷った事が無いと答えた女性 が男性より多かった(図3)0そして,罷っ た回数が4,5回以上の人は,男性の方が多 かった(図4)。さらに3年以内に羅患した 人は,2割程度であった(図5)0予防接種に 関する質問では,過去の接種状況と今年の 接種希望状況では,ほとんど違いは見られ なかった(図6,図7)0これらのことから,過 去にインフルエンザに羅患した学生が多い にも関わらず,また,新型インフルエンザが 流行している時卿こも関わらず,予防接種 を受けたいと思っている学生の割合は高く なく,インフルエンザに関する危機感が薄 いと考えられる。 3.2インフルエンザおよびインフルエン ザウイルス等に関する知織について 調査対象の学生の多くは,大学の講義の 中で,生物学や理科に関する講義を受講し ている。そこで,インフルエンザおよびイン フルエンザウイルスに関する知識は,ある 程度は持っていると予想できる。調査結果を 図8-図16に示す.調査結果から,インフ ルエンザ自体についても,またインフルエ ンザウイルスに関しても,正確な知識を持 っているとは思えない結果であった。特に, ウイルスを生物だと理解している学生が5 割にも上ることや,新型インフルエンザが インフルエンザA型の亜種である事を知ら ない学生が多い事,それに関してインフル エンザのHINlの意味を知らない学生がほ とんどであるという結果は,驚くべきこと であった。新型インフルエンザが流行してい る時期に,そして,今日の情報化社会にあっ て,こういう現状であるという事は,大学に おける科学教育や生物教育のあり方もさら に検討すべき課題であると思われる。 3.3インフルエンザの感染防止について インフルエンザの感染防止の対策に,冒

(4)

、∴・`-` ∵十

図8質問6インフルエンザには何型があるか(人数)

S! TO<Xrサゴ RNAウイルス ■■ <?*M*7t-y 琵EH3Hl 図9質問7インフルエンザウイルスのタイプは(割合)

図10質問8ウイルスは生物か(割合)

0 20 40 60 80 1 00

図11質問9ウイルスだけで増殖できるか(割合)

すべての細胞』 棚の細胞P 粘威細胞 口娘細胞 KKI51mヨ わからない由教 20 40 60 80 1 00

図12質問10どの細胞に感染するか(割合)

L墨輔4サX雫.

図13質問11何型インフルエンザの亜種か(人数)

図14質問12 HINlの意味は(割合)

ETiTC mo ifM 140 Rサ IP0 80 60 40 200 抗生的一群タミフルリレンザ 二腰_ 机n.mmわからない

図15質問13どの薬が効果的か(人数)

「>イノレス0)貞■由tK 5*Elちffi3おこ琵]㌻] ・.. -m 蝣ォ*ォ iBK

図16質問14 PCR法とは何を調べる方法か(割合)

160J jgiK 120; 100 so 80L 40 20oL l 績l

■t.

-I ・-・・∴ ・

図17質問15マスクを着用する時は(人数)

(5)

・かかった人が調理した・母親から胎内にいる子. インフルエンザウイル・ブタからウイルスが湧・手の接触により皮膚か 料理を食べて感染した-感染する 也 3%IE (x) 59% ・常に世界中のどこかに かかった人がいて スは常に空気中に存在いて出て人に感染するら感染する ・・鳥一人に感染・豚一人に感染・豚肉や鶏肉は食べない ゴ ー・--_.

図18質問16の各事項の正答率

本では,マスクの着用が推奨されている。 そこ で,実際にどのような場合にマスクを付けて いるのか,そして,正しく着用できているの かについて,調査した(図17)人が密集して いる状況では,着用すべきである事は,概ね理 解されているが,最も必要であると考えられ るインフルエンザに罷った時の着用が非常に 少ない点は,今後の防止策の検討事項である と思われる。さらに,感染防止に繋がるインフ ルエンザの認識についての調査では,インフ ルエンザウイルスが常に空気中に存在してい るという誤った認識を持っている学生が多か った(図18)また,常に世界中のどこかにイン フルエンザに罷っている人がいるという認識 も低かった。 これらのことから,感染防止対策 を行う上でも,インフルエンザについての正し い認識が必要であると考えられる。 4.まとめ アンケート調査の結果から,従来のインフル エンザにかかった経験がある学生が多いにも かかわらず,また新型インフルエンザの流行 -5-(O) 16%莞 JE (x) 81% ・くしゃみや咳と共に放 出されたウイルスで感染 している時期での調査にもかかわらず,イン フルエンザについての知識は正確なものでは なく,感染や予防についての知識も暖味な学 生が多いことがわかった。また,情報化時代に 育ってきた学生でありながら,社会の情勢に 目を向け,様々な情報を有効に利用していな いことが伺える。 これらのことは,学生がインフルエンザな どの学校伝染病に関する正しい知識の構築が できるような取組みが,さらに今後必要にな ってくることを示唆している。また、実際の教 育現場に率いても,新型インフルエンザウイ ルスに関する正しい知識や感染・予防に対する 正確な知識'の伝達の必要性を強く感じる。

参考資料

・厚生労働省ホームページ

新型インフルエンザ対策関連情報

・国立感染症研究所ホームページ

感染症情報センター(インフルエンザ)

参照

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