Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
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Title
ストループテスト時におけるガム咀嚼の影響(第4報)
Author(s)
川上, 良明; 紺野, 倫代; 松田, 祐明; 中島, 一憲; 河
野, 克明; 鈴木, 義弘; 西野, 仁泰; 高山, 和比古; 渋
澤, 真美; 佐藤, 武司; 山崎, 豪; 武田, 友孝; 酒谷,
薫
Journal
歯科学報, 116(5): 393-393
URL
http://hdl.handle.net/10130/4136
Right
Description
393
歯科学報 Vol.116,No.5(2016)
№21:噛みしめの下顎骨に対する衝撃緩和に及ぼす影響(第6報)
鈴木義弘,武田友孝,河野克明,川上良明,西野仁泰,松田祐明,小澤卓充,中島一憲
(東歯大・口健・スポーツ歯)
目的:マウスガード(MG)の顎口腔系外 傷 の 予
防・軽減効果はこれまでの実験的,臨床的研究によ
り明らかである。しかし,適切に製作されたカスタ
ムメイド MG は噛みしめることなく歯列に保持で
きるため,下顎への衝撃時にも開口状態であること
が少なくなく,そのために起こる下顎骨の外傷が問
題と思われる。これまで MG の噛みしめは,下顎
の外傷予防に有効である事を報告してきた。今回,
下顎への側方からの衝撃に対する噛みしめおよび
MG 装着の影響をさらに詳細に検討した。
材料および方法:実験には頭蓋模型を用い,下顎左
側骨体部を加衝部とし,左側方から加衝を行った。
口腔内条件は1.開口,2.MG 無しの噛みしめ,
3.MG 有りの噛みしめとした。擬似噛みしめとし
て徒手筋力計を用い,咬合力は約30N とした。ひず
みゲージの計測部位は,a.加衝部前方骨体,b.
加衝部後方骨体,c.反対側下顎角部,d.反対側
下顎頭頸部とした。MG は,EVA 材を加圧形成器
にて成形し,第一大臼歯部で約2mm の厚径の物と
した。使用した加衝装置は,当研究室の一連の研究
で用いている振り子型とし,加衝距離を10cm,衝
撃物を約1kg の鉄塊とし,各条件下において10回
の計測を行った。解析には衝撃物の加速度および各
部位のひずみの最大値を用い,統計解析には一元配
置分散分析および多重比較を行った(P<0.01)。
結果と考察:加速度は,MG 無しの噛みしめ(180.1
G)ならびに MG 有りの噛 み し め(175.7G)に 比
べ,開口(159.7G)で有意に小さな値を示した。
ひずみの合計は,開口(5841.4με)に比べ,噛みし
めの2条件で有意に小さな値を示し,さらに MG
無しの噛みしめ(4278.2με)に比べ,MG 有りの噛
みしめ(3462.4με)で有意に小さな値を示した。加
衝部前方骨体,反対側下顎頭頸部でも同様の結果が
得られた。衝撃物の加速度は,開口状態では総エネ
ルギーが分散するため小さくなり,噛みしめ状態で
は下顎骨が剛体に近い状態となり反発するため大き
くなったものと考えられる。加速度が大きいにも関
わらず,下顎骨のひずみは MG 有りの噛みしめで
最も小さな値となった。これらの結果は,開口状態
では下顎骨単体で衝撃を受けるが噛みしめる事によ
り衝撃を上顎にも伝達分散する事が可能になった
事,ならびに MG 材の衝撃吸収効果と考えられる。
以上より,下顎に対する衝撃時に,適切な MG を
装着し,噛みしめることは有効な防御姿勢となり,
下顎の外傷予防に有効と思われる。スポーツ歯学の
立場からこの様な助言,啓発を行う事はスポーツ外
傷軽減に寄与するものと思われる。
№22:ストループテスト時におけるガム咀嚼の影響(第4報)
川上良明1)
,紺野倫代1)
,松田祐明1)
,中島一憲1)
,河野克明1)
,鈴木義弘1)
,西野仁泰1)
,
高山和比古1)
,渋澤真美1)
,佐藤武司1)
,山崎 豪1)
,武田友孝1)
,酒谷 薫2)
1) 2)
(東歯大・口健・スポーツ歯)(日大・医・脳神経)
目的:超高齢社会を迎える我が国にとって認知症患
者の増加は大きな問題である。一方,適切な咀嚼は
脳機能の維持・改善に繋がるとされてヒトにおいて
も咀嚼,咬合の認知機能へ及ぼす影響が検討されて
はいる。しかし,その神経基盤に関しては十分には
解明されているとは言えない。ストループテスト
は,色と語の意味が不一致なカラーワードに対して
色命名反応がなされるとき,反応時間が増大する認
知的葛藤現象を利用して,前頭前野の実行機能を検
査できるものである。これまでガム咀嚼が認知機能
へ及ぼす影響について,ストループテストを課題と
し近赤外線分光法を用いて検討を行っている。今
回,被験者数を増すとともに脳波( β 波)発現率な
どを検討し,若干の知見を得たので報告する。
方法:被験者は顎口腔系に異常のない右利きの20代
の成人ボランティア13名(平均年齢25.7歳(男性9
名女性4名))とした。4つのレスト(30秒)およ
び3つのタスク(60秒)からなるブロックデザイン
を用いて,ガム咀嚼有無の2条件でストループテス
トを行った。聴覚刺激を一定とするため,測定中ブ
ラウンノイズをイヤホンにて流した。測定評価項目
としては,ストループテストの回答速度,前頭前野
のヘモグロビン酸素化状態,脳波( β 波)出現率と
した。脳波計測にはポータブル脳波計(ミューズ
ブレインシステム:シスコム),左側前頭前野背外
側部の酸素化ヘモグロビンの状態計測には fNIRS
(OEG-16:Spectratech)を用いた。測定は,約30
分の安静の後行い,ガム(無味無臭の試験用ガム:
ロッテ)咀嚼は自由に行わせた。統計解析は,ヘモ
グロビン濃度変化については二項検定(5%危険
率)を用いた。
結果および考察:ガム咀嚼なしに比べガム咀嚼あり
では,ストループテストの回答反応時間は有意に減
少し,また左側前頭前野背外側部の酸素化ヘモグロ
ビン濃度は有意に増大した。 β 波の出現率は大きな
差は見られなかった。ガム咀嚼による前頭前野の酸
素化ヘモグロビン濃度の増大は,咀嚼が脳皮質の血
流を増大させたとする研究の結果と同様の結果であ
ると思われる。また,ガム咀嚼によるストループテ
ストの回答反応時間が減少したことは,ガム咀嚼が
認知機能を向上させたとする報告と同様の結果と思
われる。すなわち,前頭前野背外側部の活動性の向
上が,認知機能の1つであるストループテストの回
答反応時間を減少させたものと考えられる。
本研究の発展は今後咀嚼と認知機能との関連の解
明の一助になると考えられ,認知機能の維持増進に
対する咀嚼の重要性を示唆するものと思われる。
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