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上肢への5 分間温罨法の有効性に関する基礎的検討

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Academic year: 2021

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2-5 上肢への 5 分間温罨法の有効性に関する基礎的検討

○佐々木 新介(関西福祉大学 看護学部) 村上 尚己(兵庫県立姫路循環器病センター) Ⅰ.はじめに 末梢静脈穿刺が困難な事例への援助方法として,適切な駆血方法や温罨法の明確な根拠は基礎 看護学のテキストにも示されていない.また,日本臨床検査標準協議会編(2011):標準採血法ガイ ドラインや,米国の CLSI(2007): Procedures for the Collection of Diagnostic Blood Specimens by Venipuncture;Approved standard -Sixth Edition にも同様に詳細な記載はなされていない.今回,日 常的に行われている上肢温罨法の有効性の検討として,血流量や血管拡張効果を評価した. Ⅱ.研究方法 上肢への温罨法は,皮膚表面温度で40±2℃になるように,加温した温罨法用具を対象血管であ る正中皮静脈を含む肘窩より末梢側の上肢(指尖を除く)に 5 分間貼用した.今回使用した温罨法 用具は,電子レンジで加温可能なナチュラルヒート(寸法17×50cm,重量約 970g,アズワン株式 会社)を2 個使用し,前腕部を腹側と背側から挟むようにして用いた.評価項目として,皮膚表 面温度センサー(皮膚表面タイプ 540E-TS1,安立計器)を左手第二指指尖部,前腕腹側中央部, 前腕背側中央部,上腕非加温部(温罨法用具の端から約5cm 中枢側)の 4 箇所に装着した.組織 血流量は,レーザードップラー血流計(ALF21D,アドバンス)を用いて,左手第三指指尖部, 前腕腹側中央部の2 箇所にセンサーを装着した.静脈血管断面積は,超音波診断装置(Prosound2, ALOKA)を用いて 60mmHg,1 分間の駆血後に左肘窩部正中皮静脈の血管断面積を計測した.ま た,主観的評価として目視と触知の4 段階で評価した.すべての評価項目は,温罨法の前後での 差を比較した.本研究は岡山県立大学倫理委員会の承認を得た. Ⅲ.結果 対象者は,健常人 13 名であり,内訳は男性 6 名女性 7 名であった.対象者の平均年齢は 24.8±3.7(範囲:20-34)歳,平均身長は 163.1±10.1 cm,体重は 55.6±10.9 kg であった.実験前の指 尖部皮膚表面温度は26.2℃であったが,加温した温罨法用具の貼用 5 分後には 30.1℃に上昇して いた.他の部位での皮膚表面温度も,加温した温罨法用具を5 分間貼用することで,すべての部 位で有意な上昇を認めた.組織血流量は指尖部及び前腕部ともに,加温した温罨法用具を5 分間 貼用することで有意な上昇が認められ,静脈血管断面積も有意な増加が認められた.また,5 分 間の温罨法による静脈血管断面積の増加率は平均で 11.0%であったが,目視,触知での有意な変 化は認められなかった. Ⅳ.結論 40℃前後 5 分間の上肢温罨法は血流量,静脈血管断面積とも有意に増加することが示された. しかし,本結果では,主観的評価の目視や触知に有意な変化は認められなかった.実際の臨床場 面では駆血した後,穿刺血管を目視や触知で判断するため,主観的評価での変化が重要であると 考えられる.また,今回の対象者は健常人であるため,今後は実際の臨床場面での介入研究も必 要であると考えられる.今後も引き続き対象者を増やし,簡便かつ安全な援助方法を構築するこ とが重要であると考えられる. *本研究の一部は,日本科学協会・平成23 年度笹川科学研究助成によるものである. 28

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